JPH06342194A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

写真印画紙用支持体

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JPH06342194A
JPH06342194A JP13203793A JP13203793A JPH06342194A JP H06342194 A JPH06342194 A JP H06342194A JP 13203793 A JP13203793 A JP 13203793A JP 13203793 A JP13203793 A JP 13203793A JP H06342194 A JPH06342194 A JP H06342194A
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resistant resin
layer
paper
coating layer
water
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JP13203793A
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Takeo Shimizu
建男 清水
Masa Kawahara
政 川原
Takahito Miyoshi
孝仁 三好
Yasuro Nishikawa
康郎 西川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製造適性、隠蔽性、鮮鋭度、密着性に優れた写
真印画紙用支持体を提供すること。 【構成】紙の両面に耐水性樹脂被覆層を設けた写真印画
紙用支持体において、下記の特徴を有する。 (1)乳剤塗布側の耐水性樹脂被覆層が2層以上の多層
耐水性樹脂被覆層からなる。 (2)上層に二酸化チタンを20〜50wt%含む耐水性
樹脂を低温(170〜290℃)で、最下層にタルク、
カオリン、炭酸カルシウムなどの粉末を0.1〜30wt
%含む耐水性樹脂を高温(290〜340℃)で溶融押
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真印画紙用支持体に
関し、特に紙または合成紙上に二酸化チタンを高含有し
た耐水性樹脂の高速溶融押出しコーティングを可能とし
た写真印画紙用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】写真印画紙用支持体の本質的構成につい
ては、すべに公知であり、例えば米国特許第3,50
1,298号明細書に開示されているように、紙基体の
両面を樹脂で被覆し、乳剤を塗布する側の耐水性樹脂被
覆層には二酸化チタン顔料、ブルーイング剤(青いろ顔
料も含む)、蛍光増白剤などを含有させるものが知られ
ている。耐水性樹脂被覆層の隠蔽性を増し、鮮鋭度の高
い写真印画紙用支持体を得るために二酸化チタン顔料の
添加は不可欠である。しかも、最近ではさらに高い鮮鋭
度の写真印画紙用支持体に対する要求が強く、二酸化チ
タン顔料の添加量増加をより強く求められている。
【0003】従来、耐水性樹脂被覆層の二酸化チタン
(TiO2) の濃度としては9wt%〜15wt%であり、29
0℃〜340℃の温度で溶融押出しコーティングされて
いる。TiO2 の添加量を増加させると押出機ダイリッ
プ部に発生する筋(以下、ダイリップスジと呼ぶ)の増
加とTiO2 濃度20wt%を越えると溶融押出したフィ
ルムにガス筋や膜割れが発生するという問題がある。
【0004】このスジの発生原因はダイリップ部におけ
る溶解物の部分的な滞積或いは焼付けによるものと考え
られているが、このようなダイリップスジが発生する
と、これによって製造されたフィルム或いは積層物の表
面には縦方向に連続的なスジとなる。このスジには、一
般に二種類あり、一つは突起状のものであり、もう一つ
は陥没状のものが知られている。このようなダイリップ
スジは製品の外観を著しく損なうばかりでなく、延伸な
どの二次加工においてフィルムの透明度のムラを発生さ
せるため、商品価値を著しく低下させていた。しかも、
一度発生したダイリップスジを完全に消失させるには、
ダイリップを分解して洗浄する以外に方法がなく、その
分解、洗浄には多大な手間と時間を要し、生産性の著し
い低下をもたらすものであり、その解決を迫られてい
る。
【0005】従来、ダイリップスジの防止方法が種々検
討されてきた。例えば、樹脂組成物の改良の面からは、
酸化亜鉛と高級樹脂酸の金属塩の特定量を組み合わせて
用いる方法(特開昭53−102947号公報)、二酸
化チタンの乾燥減量と脂肪酸金属塩の特定量を組み合わ
せて用いる方法(特開昭57−16819号公報)、酸
化防止剤と脂肪酸金属塩の特定量を組み合わせて用いる
方法(特開昭60−11841号公報)、二酸化チタン
乾燥減量、脂肪酸金属塩、組成物溶融粘度などに関する
条件を選択し組み合わせて用いる方法(特公昭59−4
2296号公報)等の提案がある。また、使用する二酸
化チタンが増加するに従い、汚れやグリットが多発する
ことから二酸化チタンの改質が必要であるとの観点か
ら、二酸化チタン表面を含水酸化アルミニウムで処理す
る方法(特開昭57−108849号公報)、2〜4価
のアルコールで処理する方法(特開昭58−17433
号公報)、アルキルチタネートで処理する方法(特開昭
57−151942号公報)、または有機アルミニウム
で処理する方法(特開昭62−141544号公報)、
或いは二酸化チタンの乾燥減量を0.35%以下にする
方法(特開昭59−1544号公報、特開昭59−12
1329号公報、特開昭59−215234号公報)、
および二酸化チタンの懸濁液電気伝導度を60mho/cm以
下にする方法(特開昭58−220140号公報)等の
多くの提案もなされている。
【0006】しかしながら、ダイリップスジを防止する
方法としては不十分である。また、耐水性樹脂中に二酸
化チタン量を増大させると溶融押出したフィルムに膜割
れが発生する問題があり、既存の写真印画紙用支持体に
おける耐水性樹脂中のTiO2 含有量は15wt%以下で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐水
性樹脂中に二酸化チタンの含有量を増大させても、膜割
れを発生せずに溶融押出しコーティングができ、高い隠
蔽性および鮮鋭度を有し、しかもダイリップスジの発生
が少なく、耐水性樹脂被覆層と紙又は合成紙の密着のよ
い写真印画紙用支持体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙または合成
紙の両面に耐水性樹脂被覆層を設けた写真印画紙用支持
体において、乳剤塗布層側の耐水性樹脂被覆層が、少な
くとも2層以上の多層耐水性樹脂被覆層からなり、上層
に二酸化チタン含有量25wt%〜50wt%の耐水性樹脂
を170℃〜290℃の低温で押出し、最下層の耐水性
樹脂は290℃〜340℃の高温で溶融押出しコーティ
ングし、また、上記耐水性樹脂被覆層において最下層に
タルク及び/又はカオリン及び/又は炭酸カルシウムを
0.1wt%〜30wt%含有し、更に、上記耐水性樹脂被
覆層において上層耐水性樹脂のMIが最下層耐水性樹脂
のMIより高くすることにより達成された。
【0009】耐水性樹脂としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル系共重合体等のポリオレフィ
ン、特に好ましくはポリエチレンを用いる。ポリエチレ
ンは高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレンおよびこれらポリエチレンのブレンド
を用いることができる。又、ポリオレフィン樹脂の加工
前のメルトインデックス(MI)はJISK 7210
の表1の条件4で測定された値で1g/10分〜100
g/10分の範囲である。本明細書で述べるポリオレフ
ィン樹脂の加工前のMIとは、ブルーイング剤、TiO
2 を練り込む前の樹脂のMIと、希釈樹脂の使用前のM
Iを示す。最下層のポリエチレンを290〜340℃で
溶融押出しする、あるいは中間層および/又は上層のポ
リエチレンを175〜290℃の低温で溶融押出しする
ので、両者の流動性があってないと均一な樹脂膜が得ら
れない。流動性を合わせ均一な樹脂膜を得るために、中
間層及び/又は上層のポリエチレンのMIは、最下層の
ポリエチレンのMIより高いものを用いる。
【0010】又、耐水性樹脂層に含有される二酸化チタ
ン(TiO2) としては、アナターゼ型、ルチル型どちらで
も良いが、白色度を優先する場合アナターゼ型TiO2
を、また鮮鋭度を優先する場合はルチル型TiO2 が好
ましい。白色度と鮮鋭度、両方を考慮してアナターゼ
型、ルチル型TiO2 をブレンドして用いても良いし、
多層からなる耐水性樹脂層の或る層にはアナターゼ型
を、又、他の層にはルチル型TiO2 を使用しても良
い。
【0011】使用されるTiO2 は一般にTiO2 の活
性を抑え黄変を防止する為、その表面に含水酸化アルミ
ニウム、含水酸化珪素等の無機物質で表面処理したも
の、多価アルコール、多価アミン、金属石けん、アルキ
ルチタネート、ポリシロキサン等の有機物質で表面処理
したもの及び無機・有機の処理剤を併用して表面処理し
たものを使用できる。表面処理量はTiO2 に対して無
機物質で0.2wt%〜2.0wt%、有機物質で0.1wt
%〜1.0wt%が好ましい。TiO2 の粒径としては
0.1μm 〜0.4μm 程度が良い。
【0012】多層耐水性樹脂被覆層における上層のTi
2 の濃度としては20wt%〜50wt%が好ましい。2
0wt%未満では高い鮮鋭度の写真印画紙用支持体が得ら
れない(従来の鮮鋭度を越えられない)。また、最下層
のTiO2 濃度としては、上層の濃度より低く15wt%
以下、特にTiO2 を含有しなくとも良い。
【0013】TiO2 は、高級脂肪酸の金属塩、高級脂
肪酸エチル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸等を分散助
剤として用い、2本ロール、3本ロール、ニーダー、バ
ンバリーミキサー等の混練機で耐水性樹脂中に練り込
み、ペレット形状に成形したマスターバッチを用いる。
ペレット中のTiO2 濃度は一般に30wt%〜75wt%
程度であり、分散助剤はTiO2 量に対して一般に0.
5wt%〜10wt%程度である。
【0014】又、耐水性樹脂層には、ブルーイング剤を
含有させるとよい。ブルーイング剤としては、一般に知
られる群青、コバルトブルー、酸化燐酸コバルト、キナ
クリドン系顔料等とその混合物が用いられる。ブルーイ
ング剤の粒子径に特に限定はないが、市販のブルーイン
グ剤の粒径は通常0.3μm 〜10μm 程度であり、こ
の範囲の粒径であれば特に使用上支障がない。本発明に
おける多層耐水性樹脂層におけるブルーイング剤の含有
量は、最上層に0.2wt%〜0.4wt%、又、その下層
側においては0〜0.15wt%含有させるとよい。
【0015】ブルーイング剤は、2本ロール、3本ロー
ル、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で耐水性
樹脂中に練り込まれ、ペレット状に成形され、マスター
バッチとされる。ペレット中のブルーイング剤の濃度は
1wt%〜30wt%である。
【0016】ブルーイング剤のペレットを作る際に、T
iO2 を一緒に練り込むこともでき、又、ブルーイング
剤の分散を助けるため低分子量の耐水性樹脂、高級脂肪
酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、
高級脂肪酸等の分散助剤を用いることができる。
【0017】又、本発明の耐水性層中には酸化防止剤を
含有させることもでき、含有量としては耐水性樹脂量に
対し50ppm 〜1000ppm 添加できる。
【0018】このようにして作製した二酸化チタン及び
/又はブルーイング剤を含有するマスターバッチは、耐
水性樹脂により適宜希釈して塗布用とされる。
【0019】次に、最下層の耐水性樹脂層に含有される
タルク及び/又はカオリン及び/又は炭酸カルシウム
は、平均粒径が0.01μm 〜1.0μm が好ましく、
更に好ましくは0.1μm 〜0.5μm である。平均粒
径が0.01μm 未満であると分散が難しく、1.0μ
m を越えると被覆表面の面状が悪くなる。また、添加量
については、0.1wt%〜30wt%、好ましくは1.0
wt%〜20wt%とするとよく、1.0wt%以下では所望
の密着が発現しなく、30wt%を越えると白色度の低下
をもたらす。添加粒子はタルク及び/又はカオリン及び
/又は炭酸カルシウムいずれでもよいが、好ましくはタ
ルクである。他の無機粒子、例えば、BaSO4 、Zn
O、TiO2 、ZnS、MgCO3 、カーボン等と比較
すると、本願のタルク及び/又はカオリン及び/又は炭
酸カルシウムは、格段に原紙層との密着向上の効果があ
る。
【0020】本発明における多層耐水性樹脂層の形成方
法としては、走行する基体である紙、合成紙上に、加熱
溶融した上記二酸化チタン及び/又はブルーイング剤を
含有するペレットを溶融し、又必要に応じて耐熱性樹脂
で希釈して溶融して、逐次ラミネート法又はフィートブ
ロックタイプ、マルチマニホールドタイプ、マルテスロ
ットタイプの多層押出ダイによるラミネート法のいずれ
かの方法により形成される。多層押出用ダイの形状とし
てはTダイ、コートハンガーダイ等が一般的であり、特
に限定を受けない。
【0021】また、樹脂を基体に被覆する前に、基体に
コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理などの活性
化処理を施すのが好ましい。
【0022】本発明の多層耐水性樹脂層として、例えば
2層構成の場合を例にとると、高濃度TiO2 を含有し
た上層の膜厚は2μm 〜40μm 、2μm より薄いと膜
成型が困難であり、またTiO2 量が少なくなり鮮鋭度
も低くなる。好ましくは10μm 〜30μm が良い。下
層の膜厚は、2μm 〜20μm 、好ましくは5μm 〜1
5μm が良い。
【0023】乳剤を塗布する側の耐水性樹脂層の最外層
表面は、光沢面、又は特開昭55−26507号公報記
載の微細面、マット面あるいは絹目面の型付けがされ、
裏面は無光沢面の型付けをする。型付け後の表面にコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことがで
き、更に活性化処理後、特開昭61−84643号公報
に記載のような下引き処理をすることもできる。
【0024】本発明に用いられる基体としては、通常の
天然パルプを主成分とする天然パルプ紙、天然パルプと
合成繊維とから成る混抄紙、合成繊維を主成分とする合
成繊維紙、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの合成樹
脂フィルムを擬紙化した、所謂合成紙のいずれでもよい
が、写真印画紙用ポリオレフィン樹脂被覆紙の基体とし
ては天然パルプ紙(以下、単に原紙と呼称する)が特に
好ましく有利に用いられる。添加薬品としては、アルキ
ルケテンダイマーの他クレー、タルク、炭酸カルシウ
ム、尿素樹脂微粒子等の充填剤、ロジン、高級脂肪酸
塩、パラフインワックス、アルケニルコハク酸等のサイ
ズ剤、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド
等の定着剤などを添加したものが用いられる。その他、
必要に応じ、染料、蛍光染料、スライムコントロール
剤、消泡剤等が添加される。又、必要に応じ、以下の柔
軟化剤を添加することができる。
【0025】柔軟化剤に関しては、例えば新・紙加工便
覧(紙薬タイムス社編)554頁〜555頁、1980
年発行に記載がある。特に分子量200以上のものが好
ましい。すなわち、炭酸数10以上の疎水性基を有し、
又、セルロースと自己定着するアミン塩又は第4級アン
モニウム塩を有している。具体的には無水マレイン酸共
重合物とポリアルキレンポリアミンとの反応物、高級脂
肪酸とポリアルキレンポリアミンとの反応物、ウレタン
アルコールとアルキル化剤との反応物、高級脂肪酸の4
級アンモニウム塩等があげられるが、無水マレイン酸共
重合物とポリアルキレンポリアミンとの反応物、ウレタ
ンアルコールとアルキル化剤との反応物が特に好まし
い。
【0026】又、このパルプ表面にゼラチン、スター
チ、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの変
性物等の皮膜形成ポリマーにより表面サイズ処理するこ
ともできる。この場合のポリビニルアルコール変性物と
しては、カルボキシル基変性物、シラノール変性物やア
クリルアミドとの共重合物等が挙げられる。また皮膜形
成性ポリマーにより表面サイズ処理する場合の皮膜形成
ポリマーの塗布量は、0.1g/m2〜5.0g/m2、好
ましくは0.5g/m2〜2.0g/m2に調整される。更
にこの際の皮膜形成ポリマーには、必要に応じて帯電防
止剤、蛍光増白剤、顔料、消泡剤などを添加することが
できる。
【0027】又、原紙は、上述したパルプ及び必要に応
じて添加した充填剤、サイズ剤、紙力補強剤、定着剤等
の添加剤を含有したパルプスラリーを長網抄紙機等の抄
紙機により抄紙し、乾燥し、巻取って製造される。この
乾燥の前後のいずれかにおいて前記表面サイズ処理が行
われ、又、乾燥後から巻取りの間にカレンダー処理が行
われる。このカレンダー処理は、表面サイズ処理を乾燥
後に行う場合には、表面サイズ処理の前後のいずれにお
いても実施することができるが、カレンダー処理を各種
処理を実行した最終の仕上げ工程で実行することが好ま
しい。カレンダー処理においては、金属ロール、弾性ロ
ールとも通常の紙の製造に用いられる公知のものが使用
される。
【0028】本発明の写真印画紙用支持体に用いられる
原紙は、上述したカレンダー処理を行い、最終的に50
μm 〜250μm の膜厚に調整される。原紙の密度とし
ては、0.8g/m3〜1.3g/m3、好ましくは1.0
g/m3〜1.2g/m3である。
【0029】本発明における写真用支持体には、帯電防
止、カール防止等のために各種のバックコート層を塗設
することができる。又、バックコート層には特公昭52
−18020号、特公昭57−9059号、特公昭57
−53940号、特公昭58−56859号、特開昭5
9−214849号、特開昭58−184144号等の
各公報に記載もしくは例示の無機帯電防止剤、有機帯電
防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔
料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめること
ができる。
【0030】本発明における写真用支持体は、各種の写
真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写真印
画紙用、写植印画紙用、被写印画紙用、反転写真材料
用、銀塩拡散転写法ネガ及びポジ用、印刷材料用等各種
の用途に用いることができる。例えば、塩化銀、臭化
銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設けるこ
とができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラー
を含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層を
設けることができる。又、物理現象核を含有せしめて銀
塩拡散転写受像層を設けることができる。
【0031】本発明は、紙または合成紙の両面に耐水性
樹脂被覆層を設けた写真印画紙用支持体において、乳剤
塗布層側の耐水性樹脂被覆層に高濃度のTiO2 を含有
する少なくとも二層以上からなる多層耐水性樹脂層を持
つ写真印画紙用支持体とその製造方法において、高濃度
のTiO2 を含有する耐水性樹脂を溶融押出しコーティ
ングする際に発生するダイリップスジとガス筋・膜割れ
を解消し、高速溶融押出しコーティングを可能にすべく
鋭意検討の結果見出したものである。
【0032】本発明において、膜割れの解消の詳細な機
構は未解明であるが、この膜割れは通常の溶融押出しコ
ーティング温度290℃〜340℃で高濃度のTiO2
を含有する耐水性樹脂を溶融押出しすると、TiO2
よびTiO2 の表面処理剤に含まれる水分及び揮発分が
押出機内あるいはダイリップより吐出された時にガス化
するために、ダイリップより吐出する耐水性樹脂溶融膜
がそのガスにより割れてしまう現象と考えられ、そのた
め水分および揮発分の多いTiO2 ほど低濃度領域で膜
割れを発生させてしまう。また、TiO2 の濃度を25
wt%以上に増加させるとダイリップスジが急に増加する
がこれはTiO2 の存在することにより耐水性樹脂が酸
化しやすくなっているためと考えられる。
【0033】一方、本発明における写真印画紙用支持体
では、高濃度のTiO2 を含有する耐水性樹脂を溶融押
出しコーティングする際の溶融押出し温度を170℃〜
290℃の低温度にすることでTiO2 およびTiO2
の表面処理剤に含まれる水分及び揮発分のガス化を押さ
えガス筋や膜割れがなく均一な高濃度のTiO2 を含有
する耐水性樹脂膜を押出すことが可能となる。また、溶
融押出し温度を低温化することにより同時に耐水性樹脂
の酸化も減少させることができダイリップスジを防止さ
せることができる。しかし、この低温溶融押出しでは耐
水性樹脂の流動性が悪く高速溶融押出しコーティングす
ることができないと同時に耐水性樹脂被覆層と紙あるい
は合成紙との密着が悪化する問題が新たに生ずる。
【0034】本発明における写真印画紙用支持体では、
高濃度のTiO2 を含有する耐水性樹脂のMIを2g/
10分〜100g/10分、好ましくは20g/10分
〜80g/10分にして低温溶融押出しにおいても流動
性を良くすることで高速溶融押出しコーティングを可能
にした。また、耐水性樹脂被覆層と紙あるいは合成紙と
の密着は、最下層の溶融押出し温度を通常の温度290
℃〜340℃でタルク及び/又はカチオン等のフィラー
添加することで密着が向上できる。このようにして、本
発明における高濃度のTiO2 を含有する耐水性樹脂被
覆層を有する高鮮鋭度の写真印画紙用支持体を高速溶融
押出しコーティングすることが可能になった。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】実施例1 第一ラミネートステーションで、坪量170g/m2の原
紙に、密度0.92g5/cm3 でMIが8g/10分の
ポリエチレンを膜厚28μ、200m/分で原紙の片面
にポリエチレン層を被覆する。次いで、第二ステーショ
ンで原紙の他方の面に、上層にTiO2 を40wt%、T
iO2 の分散剤としてステアリン酸亜鉛を1.5wt%を
含有した密度0.925g/cm3 、MI=20g/10
分のポリエチレン、押出し温度250℃、膜厚15μ、
下層にタルクを10wt%含有した、密度0.925g/
cm3 、MI=2g/10分のポリエチレン、押出し温度
320℃、膜厚15μ、上下層合わせて30μ多層押出
しで200m/分でラミネートしたところ、膜割れの発
生なく、原紙との密着は300g〜400g/15mm巾
(テンシロンを用い5kgのロードセルでスピード50mm
/分、180°の剥離強度)となり、従来320℃単層
押出しラミネートと同レベルのものが得られた。8時間
の操業でもダイリップスジの発生は認められなかった。
【0037】比較例1 上記実施例における第二ステーション条件として、上記
実施例におけるポリエチレンをTiO2 を40wt%、T
iO2 の分散剤としてステアリン酸亜鉛を1.5wt%を
含有した密度0.925g/cm3 、MI=2g/10分
のポリエチレン、押出し温度320℃、膜厚30μで単
層ラミネートしたところ、膜割れとダイリップスジが発
生し均一なポリエチレン被覆層が形成できなかった。
【0038】比較例2 上記実施例における第二ステーション条件として、上記
実施例における上層のポリエチレン層組成と同一のもの
を使用し、原紙の他方の面に押出し温度250℃、膜厚
30μ、200m/分で単層ラミネートを行なったとこ
ろ、原紙とポリエチレン層間の膜剥離によりラミネート
加工を続行できなかった。
【0039】比較例3 上記実施例における第二ステーション条件として、上記
実施例における上層のポリエチレンMI=2g/10分
のものに替え、押出し温度320℃、膜厚15μとし、
下層は上記実施例と同一で、上下層合わせて30μ多層
押出しで200m/分にてラミネートしたところ上層に
膜割れが発生し均一なポリエチレン被覆層が形成できな
かった。
【0040】実施例2 上記実施例1と同様に、同一ラミネートステーション
で、坪量170g/m2の原紙に、密度0.925g/cm
3 でMIが8g/10分のポリエチレンを膜厚28μ、
200m/分で原紙の片面にポリエチレン層を被覆す
る。次いで、第二ステーションで原紙の他方の面に、下
記表1に示す割合でTiO 2 を添加し、また、ステアリ
ン酸亜鉛をTiO2 量に対し5.0wt%の割合で含有さ
せ、バンバリーミキサー中で混練後、ペレット状に形成
してマスターバッチを調整した。TiO2 は電子顕微鏡
による平均粒径が0.15μm 〜0.35μm で水和酸
化アルミニウムのコーティング量がAl2 3 の形でT
iO2 に対し0.35wt%のものを用いた。密度0.9
25g/cm3 、MI=20g/10分のポリエチレン、
押出し温度250℃、下層にタルクを10wt%含有した
密度0.925g/cm3 、MI=2g/10分のポリエ
チレン押出し温度320℃、上下層を表1に示す膜厚で
200m/分で二層ポリエチレン被覆層を設けた。次
に、このポリエチレン層表面をグロー放電処理後、塩化
銀乳剤を塗布し写真印画紙を得た。得られた写真印画紙
に解像力チャートを密着し、緑色光で露光し、カラー画
像処理してテストシートを得た。このテストシートをマ
イクロデンシトメーターで測定し、常方に従ってパーソ
ナルコンピューターで計算してマゼンタ層の画像の鮮鋭
度としてCTF(Contrast Transfer Function:コント
ラスト伝達函数、10本/mmにおける値)を求め、写真
用樹脂被覆紙のプリント画像の鮮鋭度を判定した。な
お、CTFはその数値が大きい程、プリント画像の鮮鋭
度が高いことを示している。
【0041】
【表1】
【0042】結果を表1に示す。表1から分かるよう
に、本発明の写真印画紙用支持体は、プリント画像の高
い鮮鋭度を持つことがわかる。
【0043】実施例3 上記実施例1と同様、第一ラミネートステーションで、
原紙片面に膜厚28μm のポリエチレン層を被覆し、次
いで、第二ステーションで原紙の他方の面に上層TiO
2 15wt%を含有するMI=20g/10分のポリエチ
レン、押出し温度320℃、膜厚15μm 、下層にタル
クを0〜30wt%の間で含有量を変更しMI=2g/1
0分のポリエチレン、押出し温度320℃、膜厚15μ
m を200m/分で二層ポリエチレン被覆層を設けた。
また、この二層のポリエチレン被覆する前に原紙面にコ
ロナ放電処理した原紙を用いて同様の二層ポリエチレン
被覆をした。この二層ポリエチレン被覆層と原紙間の密
着を測定するため、テンシロンを用い15mm巾の試料で
5kgのロードセル、スピード50mm/分、剥離角度18
0°での剥離強度を測定した。結果を表2に示す。表2
よりわかるように、タルクを添加することでポリエチレ
ン被覆層と原紙間の密着が向上していることがわかる。
【0044】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 西川 康郎 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙または合成紙の両面に耐水性樹脂被覆
    層を設けた写真用印画紙支持体において、乳剤塗布層側
    の耐水性樹脂被覆層が、2層以上の多層耐水性樹脂被覆
    層からなり、上層に二酸化チタン含有量20wt%〜50
    wt%の耐水性樹脂を170℃〜290℃の低温で押出
    し、最下層の耐水性樹脂は290℃〜340℃の高温で
    溶融押出しコーティングすることを特徴とする写真印画
    紙用支持体。
  2. 【請求項2】 上記耐水性樹脂被覆層において最下層に
    タルク及び/又はカオリン及び/又は炭酸カルシウムを
    0.1wt%〜30wt%含有したことを特徴とする写真印
    画紙用支持体。
  3. 【請求項3】 上記耐水性樹脂被覆層において上層耐水
    性樹脂のMIが最下層耐水性樹脂のMIより高いことを
    特徴とする写真印画紙用支持体。
JP13203793A 1993-04-28 1993-06-02 写真印画紙用支持体 Pending JPH06342194A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006076271A (ja) * 2004-09-13 2006-03-23 Fuji Photo Film Co Ltd 画像記録材料用支持体及び画像記録材料
JP2012512073A (ja) * 2008-12-15 2012-05-31 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 画像形成可能な物

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