JPH06336102A - 非対称空気入りタイヤおよびその製造方法 - Google Patents

非対称空気入りタイヤおよびその製造方法

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JPH06336102A
JPH06336102A JP5163213A JP16321393A JPH06336102A JP H06336102 A JPH06336102 A JP H06336102A JP 5163213 A JP5163213 A JP 5163213A JP 16321393 A JP16321393 A JP 16321393A JP H06336102 A JPH06336102 A JP H06336102A
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axial direction
tire
belt
inclination angle
cord
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Yutaka Yamaguchi
裕 山口
Shinichi Watanabe
真一 渡辺
Nobukazu Shimizu
伸和 清水
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非対称空気入りタイヤ11としての性能を発
揮するタイヤを容易に製造する。 【構成】 各ベルトプライ25、26の軸方向一端におけ
るコード傾斜角Bを軸方向他端におけるコード傾斜角C
より大きくしたので、タイヤ11の軸方向一端部における
周方向剛性が軸方向他端部における周方向剛性より低く
なり、非対称空気入りタイヤ11として機能する。ここ
で、このタイヤ11は単に各ベルトプライ25、26の軸方向
一端部におけるコード傾斜角を変更するだけでよく、そ
の製造が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、周方向剛性が軸方向
両端部において異なっている非対称空気入りタイヤおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、空気入りタイヤには種々の性
能、例えばドライ性能、ウエット性能、乗り心地性能、
耐摩耗性能等が要求されるが、これらの性能のうち二律
背反的な複数の性能を共に向上させる空気入りタイヤと
して種々のものが提案されており、そのなかに非対称空
気入りタイヤ、即ち、タイヤ赤道面の一側と他側でベル
ト補強層の枚数、幅等を互いに異ならせることにより、
これら一側と他側で良好な異質の性能をそれぞれ発揮さ
せるようにした空気入りタイヤが知られている。このよ
うな非対称空気入りタイヤとしては、例えば、一側の周
方向剛性を低く、他側の周方向剛性を高くすることによ
り、一側における緩衝機能を向上させるとともに、他側
における変形を抑制するようにしたものが知られてお
り、前記一側を車両内側とすることにより、路面からの
振動を吸収して乗り心地性をさらに向上させ、一方、前
記他側を車両外側とすることにより、横力による変形を
抑制してコーナリング性能(操縦安定性)をさらに向上
させるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の非対称空気入りタイヤは、ベルト補強層の枚
数、幅等を軸方向両側で異ならせることにより、軸方向
両端部での周方向剛性を互いに異ならせるようにしてい
るので、両ベルト補強層を成形するための部材、時間等
が互いに異なり、この結果、タイヤの製造作業が煩雑に
なってしまうという問題点がある。
【0004】この発明は、非対称空気入りタイヤとして
の性能を維持しながら容易に製造することができる非対
称空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、トロ
イダル状をしたカーカス層と、カーカス層の半径方向外
側に配置され、タイヤ赤道面に対して実質上一定の角度
で傾斜した多数本のコードが埋設されている複数枚のベ
ルトプライからなるベルト層と、ベルト層の半径方向外
側に配置されたトレッドと、を備えた非対称空気入りタ
イヤにおいて、前記各ベルトプライの軸方向一端部にお
けるコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角を、タイヤ赤
道面から離れるに従い前記一定の角度から徐々に大きく
ずらし、軸方向一端におけるコード傾斜角と軸方向他端
におけるコード傾斜角との間に角度差を設けることによ
り達成することができる。
【0006】そして、このような非対称空気入りタイヤ
は、軸方向一端部の外径が他の部位の外径に比較して軸
方向一端に向かうに従い徐々に大きく異なる成形ドラム
上に、長手方向に対して実質上一定の角度で傾斜したコ
ードが多数本埋設されている帯状部材を複数枚貼付け、
軸方向一端部におけるコードの周方向に対する傾斜角が
軸方向中央から離れるに従い前記一定の角度から徐々に
大きくずれた複数枚のベルトプライからなるベルト層を
成形する工程と、該ベルト層の半径方向外側にトレッド
を貼付けるとともに、半径方向内側にトロイダル状をし
たカーカス層を貼付け、非対称空気入りタイヤを成形す
る工程と、を備えた製造方法により製造することができ
る。
【0007】
【作用】この発明においては、各ベルトプライの軸方向
一端部におけるコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角
を、タイヤ赤道面から離れるに従い他の部位におけるコ
ードの傾斜角(実質上一定の角度)から徐々に大きくず
らすことにより、軸方向一端におけるコード傾斜角と軸
方向他端におけるコード傾斜角との間に差を設け、例え
ば軸方向一端のコード傾斜角を軸方向他端におけるコー
ド傾斜角より大きくあるいは小さくしている。この結
果、空気入りタイヤの軸方向一端部における周方向剛性
が軸方向他端部における周方向剛性より低くあるいは高
くなり、軸方向両端部における周方向剛性が互いに異な
った非対称空気入りタイヤとして機能するのである。こ
こで、このような空気入りタイヤは単に各ベルトプライ
の軸方向一端部におけるコード傾斜角を変更するだけで
よいため、その製造が容易となる。
【0008】また、請求項2、3に記載のように構成す
れば、非対称空気入りタイヤとしての機能を充分に発揮
させることができる。さらに、請求項4に記載のように
構成すれば、軸方向一端部におけるベルト端セパレーシ
ョンの抑制に基づく高速耐久性の向上および緩衝機能の
向上に基づく乗り心地性の向上と、軸方向他端部におけ
る変形の抑制に基づくコーナリング特性(操縦安定性)
の向上と、の両立を図ることができる。また、このよう
な非対称空気入りタイヤの製造に当たって、請求項5に
記載のような方法を用いれば、製造が簡単かつ高能率と
なる。
【0009】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。図1、2において、11は非対称空気入りタイ
ヤであり、このタイヤ11は一対のビード部12、13と、こ
れらビード部12、13からそれぞれ略半径方向外側に向か
って延びるサイドウォール部14、15と、これら両サイド
ウォール部14、15の半径方向外端同士を連ねる略円筒状
のトレッド部16とを有している。そして、このタイヤ11
は、一方のビード部12から他方のビード部13に亘って延
びる略トロイダル状をしたカーカス層17によって補強さ
れており、このカーカス層17の幅方向両側部はビード部
12、13にそれぞれ埋設されたビード18、19の廻りに軸方
向内側から軸方向外側に向かって折り返されている。こ
のカーカス層17は少なくとも1枚のカーカスプライ、こ
こでは1枚のカーカスプライ20から構成され、このカー
カスプライ20内にはほぼラジアル方向に延びる、即ちタ
イヤ赤道面Eに対してほぼ90度で交差するスチール等の
コード21が多数本埋設されている。前記カーカス層17の
半径方向外側のトレッド部16にはベルト層24が設けら
れ、このベルト層24は内部に多数本のスチール等のコー
ド27、28が埋設された少なくとも2枚、ここでは2枚の
ベルトプライ25、26を積層することにより構成してい
る。そして、これらベルトプライ25、26にそれぞれ埋設
されたコード27、28はほぼ直線状に延び、タイヤ赤道面
Eに対して15度から35度の実質上一定の角度Aで交差す
るよう傾斜するとともに、ベルトプライ25、26間で逆方
向に傾斜し互いに交差している。ここで、これらベルト
プライ25、26は加硫によって軸方向両端部が若干半径方
向内側に押し込まれるため、内部に埋設されているコー
ド27、28が軸方向両端部において前記一定の角度Aより
僅かに大きな角度で傾斜するようになるが、この程度の
角度変動は前述した実質上一定の角度Aの範囲内であ
る。
【0010】また、各ベルトプライ25、26に埋設されて
いるコード27、28のうち軸方向一端部に埋設されている
コード27、28は、タイヤ赤道面Eに対する傾斜角がタイ
ヤ赤道面Eから離れるに従い前記一定の角度A(他の部
位、即ち軸方向中央部および軸方向他端部におけるコー
ド27、28の傾斜角)から徐々に大きくずれており、ここ
では一定の角度Aより大きくなる方にずれている。この
結果、各ベルトプライ25、26の軸方向一端部におけるコ
ード27、28の周方向力に対する負担能力が低減し、タイ
ヤ11の軸方向一端部における周方向剛性が他の部位、即
ち軸方向中央部、軸方向他端部における周方向剛性より
低くなる。そして、各ベルトプライ25、26の軸方向一端
におけるコード27、28のタイヤ赤道面Eに対する傾斜角
Bが、後述のように軸方向他端におけるコード27、28の
タイヤ赤道面Eに対する傾斜角Cより 2.0度以上大きく
なるとともに、前記一定の角度Aから傾斜角がずれてい
るコード27、28が位置している軸方向一端部の幅Hがベ
ルト有効幅Wの0.10倍以上であると、ベルト層24の軸方
向一端部における周方向剛性と軸方向他端部における周
方向剛性との差が所定値以上となり、タイヤ11は非対称
空気入りタイヤとしての機能を実用上充分に発揮する。
ここで、ベルト有効幅Wとは、全てのベルトプライ25、
26が重なり合っている領域の幅をいい、軸方向一端部の
幅Hはこの有効幅Wの幅端からの距離である。なお、前
記傾斜角Bが傾斜角Cより 5.0度を超えて大きくなる
と、ベルトプライ25、26の軸方向一端が半径方向内側に
変位し過ぎてカーカス層17の形状に影響を与えてしまう
ため、前記傾斜角Bと傾斜角Cとの差は 5.0度以下でな
ければならない。そして、傾斜角Bとしては、一般に25
度から30度までの角度、傾斜角Cとしては20度から25度
までの角度が用いられる。また、軸方向一端部の幅Hが
ベルト有効幅Wの0.25倍を超えると、ベルト層24の周方
向剛性が全体的に低下し過ぎてたが効果が不十分となっ
てしまうため、軸方向一端部の幅Hはベルト有効幅Wの
0.25倍以下でなければならない。そして、このようなタ
イヤ11を軸方向一端部が車両内側となり、軸方向他端部
が車両外側となるよう車両に装着すれば、以下のような
機能を発揮する。即ち、車両内側のベルト端にはトーイ
ン等により大きな荷重が負荷されて大きなプライ間剪断
歪が発生するが、前述のように車両内側に位置する軸方
向一端部のコード傾斜角を大きくしてやれば、このプラ
イ間剪断歪が抑制され、これにより、ベルト端セパレー
ションが抑制されて高速耐久性が向上するのである。し
かも、車両内側に位置する軸方向一端部の周方向剛性の
低下によって路面からの振動を吸収し易くなり、乗り心
地性をも向上させることができる。一方、コード傾斜角
の小さな軸方向他端部を車両外側としたので、車両外側
の周方向剛性が高くなって横力による変形が充分に抑制
でき、コーナリング性能(操縦安定性)をより向上させ
ることができるのである。そして、このような非対称空
気入りタイヤ11は単に各ベルトプライ25、26の軸方向一
端部におけるコード27、28の傾斜角を変更するだけでよ
いため、その製造が容易となる。
【0011】また、前記ベルト層24の半径方向外側のト
レッド部16には主溝、横溝等の広幅の溝31が形成された
トレッド32が配置されている。33はベルト層24とトレッ
ド32との間に配置され、前記ベルト層24を全幅に亘って
覆う第1補強層であり、この第1補強層33は内部にナイ
ロン等からなるコード34が埋設された少なくとも1枚、
この実施例では1枚の第1補強プライ35から構成され、
該第1補強プライ35内のコード34はタイヤ赤道面Eに対
して実質上平行に配列されている。また、前記第1補強
プライ35とトレッド32との間には該第1補強プライ35の
軸方向両端部をそれぞれ覆う第2補強層36が配置され、
これら第2補強層36は内部にナイロン等からなるコード
37が埋設された少なくとも1枚、この実施例では1枚の
第2補強プライ38から構成され、これら第2補強プライ
38内のコード37もタイヤ赤道面Eに対し実質上平行に配
列されている。前述した第1、第2補強層33、36は全体
として、ベルト層24とトレッド32との間に配置されたベ
ルト補強層39を構成している。ここで、前記軸方向一端
側の第2補強層36と軸方向他端側の第2補強層36との
幅、枚数等を異ならせることにより、前述したタイヤ11
における軸方向両端部の周方向剛性の差をさらに大きく
してもよい。
【0012】次に、前述のようなタイヤ11を製造するに
は、図3に示すような成形ドラム41、即ち軸方向一端部
の外径D1が他の部位(軸方向中央部および軸方向他端
部)の外径D2に比較して軸方向一端に向かうに従い徐々
に大きく異なる、ここでは徐々に小径となった成形ドラ
ム41を使用する。即ち、このような成形ドラム41上に、
まず、長手方向に対して実質上一定の角度Aで傾斜した
コードが多数本埋設されている帯状部材43を複数枚(こ
こでは2枚)貼付け、複数枚(2枚)のベルトプライ2
5、26からなるベルト層24を成形する。ここで、これら
ベルトプライ25、26の軸方向一端部は、成形ドラム41の
軸方向一端部の外径D1が他の部位の外径D2より小径とな
っているので、他の部位より小径となり、この結果、該
軸方向一端部におけるコード27、28の周方向(タイヤ赤
道面E)に対する傾斜角が軸方向中央から離れるに従い
前記一定の角度Aから徐々に大きくずれる、ここでは大
きくなる。次に、このようなベルト層24上に複数本のコ
ードが埋設されたストリップを螺旋状に多数回貼付け、
ベルト層24の半径方向外側に該ベルト層24を全幅に亘っ
て覆う第1補強層33を成形する。次に、前述と同様なス
トリップを第1補強層33の軸方向両端部にそれぞれ螺旋
状に複数回貼付け、第1補強層33の両端部をそれぞれ半
径方向外側から覆う第2補強層36を成形する。次に、ベ
ルト層24、第1、第2補強層33、36の半径方向外側に帯
状ゴムを1周分供給してトレッド32を貼付け、ベルト・
トレッドバンド45を成形する。このとき、図示していな
い成形ドラム上に帯状部材を供給してカーカス層17を貼
付ける。その後、前述したベルト・トレッドバンド45を
成形ドラム41から抜き出し、カーカス層17の周囲に配置
する。次に、カーカス層17をトロイダル状に変形させ
て、ベルト・トレッドバンド45の半径方向内側にカーカ
ス層17を貼付け、生タイヤを成形する。このように場所
によって外径の異なる成形ドラム41を使用すれば、非対
称空気入りタイヤ11の製造が簡単かつ高能率となる。
【0013】次に、第1試験例を説明する。この試験に
当たっては、軸方向一端におけるコード傾斜角Bと軸方
向他端におけるコード傾斜角Cとが同一(24度)である
ベルトプライを有する従来タイヤと、軸方向一端におけ
るコード傾斜角B(26.5度)を軸方向他端におけるコー
ド傾斜角C(25.0度)より 1.5度だけ大きくしたベルト
プライを有する供試タイヤ1と、軸方向一端におけるコ
ード傾斜角B(27.0度)を軸方向他端におけるコード傾
斜角C(25.0度)より 2.0度だけ大きくしたベルトプラ
イを有する供試タイヤ2と、軸方向一端におけるコード
傾斜角B(28.0度)を軸方向他端におけるコード傾斜角
C(25.0度)より 3.0度だけ大きくしたベルトプライを
有する供試タイヤ3と、を準備した。ここで、各タイヤ
のサイズは255/40 ZR17であり、軸方向一端部の幅H
はベルト有効幅Wの0.15倍であった。次に、このような
タイヤを国産乗用車に軸方向一端部が車両内側に位置
し、軸方向他端部が車両外側に位置するようにして装着
し、乾燥路、湿潤路を走行してその際のドライバーのフ
ィーリングにより操縦安定性を数値化したが、この値は
前述したような走行を多数回行って求めた平均値であ
る。その結果は、従来タイヤにおけるドライ時の操縦安
定性を 100、ウエット時における操縦安定性を100とす
ると、供試タイヤ1ではそれぞれ 101、 100であった
が、供試タイヤ2ではそれぞれ 103、 103、供試タイヤ
3ではそれぞれ 103、 104までと実用上充分な程度まで
向上していた。また、前述のようなタイヤが装着された
車両によってワインディング路を走行し、その際のドラ
イバーのフィーリングによって乗り心地性を数値化した
が、この値も前述したような走行を多数回行って求めた
平均値である。その結果は、従来タイヤを 100とする
と、供試タイヤ1では 101であったが、供試タイヤ2で
は 103、供試タイヤ3では 104までとこれも実用上充分
な程度まで向上していた。さらに、前述のようなタイヤ
が装着された車両によって舗装路を 160km/hの高速で合
計 3万km走行し、走行終了後に各タイヤを解剖して軸方
向一端におけるベルト端セパレーションの長さを測定
し、その合計値を指数化した。その結果は、従来タイヤ
を 100とすると、供試タイヤ1では 101であったが、供
試タイヤ2では 104、供試タイヤ3では 105までとこれ
も実用上充分な程度まで向上していた。ここで、前述の
操縦安定性、乗り心地性、耐ベルト端セパレーション性
は、いずれも数値が大であればあるほど良好である。こ
のように軸方向一端におけるコード傾斜角Bと軸方向他
端におけるコード傾斜角Cとの角度差が 2.0度以上であ
ると、タイヤが非対称空気入りタイヤとして実用上充分
な程度に機能を発揮し、ドライ、ウエット時における操
縦安定性および乗り心地性、高速耐久性のいずれをも効
果的に向上させることができる。また、前記供試タイヤ
2、3において軸方向一端部での周方向張力T1( kgf)と
軸方向他端部での周方向張力T2との間の変化率Sを求め
たが、その値は供試タイヤ2では 2.5%、供試タイヤ3
では 3.0%であった。ここで、周方向張力の変化率S
は、以下の式によって計算した。 S=2×|T1−T2|/(T1+T2) さらに、前記供試タイヤ2、3を製造する際に使用した
成形ドラムの軸方向一端部における外径D1と軸方向他端
部における外径D2との差を測定したが、その値は供試タ
イヤ2では 2.5mm、供試タイヤ3では 3.5mmであった。
【0014】次に、第2試験例を説明する。この試験に
当たっては、前述した従来タイヤと、軸方向一端部の幅
Hがベルト有効幅Wの0.05倍であるベルトプライを有す
る供試タイヤ4と、軸方向一端部の幅Hがベルト有効幅
Wの0.10倍であるベルトプライを有する供試タイヤ5
と、軸方向一端部の幅Hがベルト有効幅Wの0.15倍であ
るベルトプライを有する供試タイヤ6と、を準備した。
ここで、各タイヤのサイズは前述と同様に255/40 ZR
17であり、軸方向一端におけるコード傾斜角B(28.0
度)は軸方向他端におけるコード傾斜角C(25.0度)よ
り 3.0度だけ大であった。次に、このようなタイヤを前
述と同様に車両に装着し、前述と同様の条件で操縦安定
性を求めた。その結果は、従来タイヤにおけるドライ時
の操縦安定性を 100、ウエット時における操縦安定性を
100とすると、供試タイヤ4ではそれぞれ 101、 101で
あったが、供試タイヤ5ではそれぞれ 103、 103、供試
タイヤ6ではそれぞれ 103、 104までと実用上充分な程
度まで向上していた。また、前述と同様にして乗り心地
性も求めたが、その結果は、従来タイヤを 100とする
と、供試タイヤ4では 101であったが、供試タイヤ5で
は 103、供試タイヤ6では104までとこれも実用上充分
な程度まで向上していた。さらに、前述と同様にして耐
ベルト端セパレーション性を求めたが、その結果は、従
来タイヤを 100とすると、供試タイヤ4では 101であっ
たが、供試タイヤ5では 104、供試タイヤ6では 105ま
でとこれも実用上充分な程度まで向上していた。このよ
うに軸方向一端部の幅Hがベルト有効幅Wの0.10倍以上
であると、タイヤが非対称空気入りタイヤとして実用上
充分な程度に機能を発揮し、ドライ、ウエット時におけ
る操縦安定性および乗り心地性、高速耐久性のいずれを
も効果的に向上させることができる。
【0015】なお、前述の実施例においては、成形ドラ
ム41の軸方向一端部における外径を他の部位の外径より
小径とすることにより、ベルトプライ25、26の軸方向一
端におけるコード27、28の傾斜角Bを軸方向他端におけ
るコードコード27、28の傾斜角Cより大としたが、この
発明においては、成形ドラム41の軸方向一端部における
外径を他の部位の外径より大径とすることにより、ベル
トプライ25、26の軸方向一端におけるコード27、28の傾
斜角Bを軸方向他端におけるコードコード27、28の傾斜
角Cより小とし、非対称空気入りタイヤとしての機能を
発揮させるようにしてもよい。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、非対称空気入りタイヤとしての性能を維持しながら
容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す子午線断面図であ
る。
【図2】図1に示すタイヤのトレッド部の展開断面図で
ある。
【図3】成形ドラム上にベルト層等を貼付けた状態を示
す一部断面正面図である。
【符号の説明】
11…非対称空気入りタイヤ 17…カーカス層 24…ベルト層 25、26…ベルトプライ 27、28…コード 32…トレッド 41…成形ドラム 43…帯状部材 E…タイヤ赤道面 A…一定の角度 B…コードの傾斜角 C…コードの傾斜角

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トロイダル状をしたカーカス層と、カーカ
    ス層の半径方向外側に配置され、タイヤ赤道面に対して
    実質上一定の角度で傾斜した多数本のコードが埋設され
    ている複数枚のベルトプライからなるベルト層と、ベル
    ト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、を備えた
    非対称空気入りタイヤにおいて、前記各ベルトプライの
    軸方向一端部におけるコードのタイヤ赤道面に対する傾
    斜角を、タイヤ赤道面から離れるに従い前記一定の角度
    から徐々に大きくずらすことにより、軸方向一端におけ
    るコード傾斜角と軸方向他端におけるコード傾斜角との
    間に角度差を設けたことを特徴とする非対称空気入りタ
    イヤ。
  2. 【請求項2】前記角度差を 2.0度から 5.0度の範囲内と
    した請求項1記載の非対称空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】傾斜角が一定の角度からずれているコード
    が位置している軸方向一端部の幅をベルト有効幅の0.10
    倍から0.25倍の範囲内とした請求項1記載の非対称空気
    入りタイヤ。
  4. 【請求項4】軸方向一端におけるコード傾斜角を軸方向
    他端におけるコード傾斜角より大とするとともに、軸方
    向一端部が車両内側に位置し、軸方向他端部が車両外側
    に位置するよう車両に装着した請求項1記載の非対称空
    気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】軸方向一端部の外径が他の部位の外径に比
    較して軸方向一端に向かうに従い徐々に大きく異なる成
    形ドラム上に、長手方向に対して実質上一定の角度で傾
    斜したコードが多数本埋設されている帯状部材を複数枚
    貼付け、軸方向一端部におけるコードの周方向に対する
    傾斜角が軸方向中央から離れるに従い前記一定の角度か
    ら徐々に大きくずれた複数枚のベルトプライからなるベ
    ルト層を成形する工程と、該ベルト層の半径方向外側に
    トレッドを貼付けるとともに、半径方向内側にトロイダ
    ル状をしたカーカス層を貼付け、非対称空気入りタイヤ
    を成形する工程と、を備えたことを特徴とする非対称空
    気入りタイヤの製造方法。
JP5163213A 1993-03-30 1993-06-07 非対称空気入りタイヤおよびその製造方法 Withdrawn JPH06336102A (ja)

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