JPH0633334A - スクリーン紗用モノフィラメントの延伸方法 - Google Patents

スクリーン紗用モノフィラメントの延伸方法

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JPH0633334A
JPH0633334A JP4186968A JP18696892A JPH0633334A JP H0633334 A JPH0633334 A JP H0633334A JP 4186968 A JP4186968 A JP 4186968A JP 18696892 A JP18696892 A JP 18696892A JP H0633334 A JPH0633334 A JP H0633334A
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JP
Japan
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yarn
roller
monofilament
point
supply roller
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JP4186968A
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Inventor
Akira Kidai
明 木代
Takayoshi Onda
貴義 恩田
Mototada Fukuhara
基忠 福原
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性重合体からなるモノフィラメント未
延伸糸を加熱供給ローラと加熱延伸ローラからなる延伸
系で加熱延伸して、金属鏡面に対する走行糸摩擦係数が
0.2〜0.7の範囲のモノフィラメント延伸糸にする
に際して、加熱供給ローラの表面仕上げ粗度0.2S〜
2.0Sの範囲からなる鏡面仕上げローラで、かつ両ロ
ーラ間の延伸糸条と加熱供給ローラの最終巻回の糸離れ
点におけるローラ回転方向の接線とのなす角度θを、3
°≦θ≦15°とすることを特徴とするスクリーン紗用
モノフィラメントの延伸方法。 【効果】 本発明のスクリーン紗用モノフィラメント延
伸方法にすることにより、延伸張力変動が抑制され、品
質の均一性の尺度である長手方向の繊度斑、長手方向の
S−S曲線変動斑、錘間差のバラツキの小さい均一な延
伸が施され、ひいてはオープニングの均一性を向上させ
ることができ、電子回路等の高精度スクリーン印刷に要
求される特性を満足する紗を安定して延伸することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はモノフィラメントの延伸
方法に関する。さらに詳しくは、繊度斑が少なく、かつ
製織時にスカム発生の少ない、高精度印刷に優れたスク
リーン紗用モノフィラメントを得ることのできる延伸方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷用のスクリーン織物としては、従
来、絹などの天然繊維やステンレスなどの無機繊維から
成るメッシュ織物が広く使用されてきた。しかし最近で
は、柔軟性や耐久性が重視され、ナイロンやポリエステ
ルなどの有機繊維から成るメッシュ織物が使用されるこ
とが多くなっている。特に、ポリエステルモノフィラメ
ントよりなるスクリーン紗は、ナイロンに比較して吸湿
などによる寸法安定性への影響も少なく、耐熱性に優れ
ており、かつ低価格であるために広く普及しつつある。
しかしながら、最近の電子回路の印刷分野においては、
印刷精度の向上に対する要求が益々厳しくなってきてお
り、高強度で、高弾性率、かつ目開き、つまりオープニ
ングの均一なスクリーン紗および厚さの均一なスクリー
ン紗が要求されている。このため、用いられるモノフィ
ラメントも必然的に高強度、高弾性率であり、かつ繊度
斑のない均一なモノフィラメントとする必要がある。
【0003】特にモノフィラメントの繊度斑を小さくす
ることは、スクリーン版の印刷インク通過部である開孔
部において均一な大きさのオープニングが得られ印刷物
の線幅精度を高くできること、さらにスクリーン版開孔
部の厚さが均一となることでインク肉厚を均一にできる
ので、高精度スクリーン印刷においては極めて重要な課
題である。
【0004】一般に、繊度斑の小さい延伸糸を得るため
には、未延伸糸の延伸過程で延伸点の変動を小さくすれ
ば良い。このため、これまでにも数多くの提案がされて
いる。例えば、特公昭45−35805号公報では、加
熱供給ローラの表面に押圧されて回転する弾性ローラを
設け、加熱供給ローラと延伸ローラの間に熱板を配設し
た延伸装置が提案されている。該延伸装置では弾性ロー
ラで糸条が押圧され、あるいは延伸糸が熱板に接触する
ことで糸表面に擦過傷を受け易く、スクリーン紗用モノ
フィラメントとして用いると、その傷が原因となって製
織時にスカムが発生するという問題がある。さらには加
熱供給ローラ上に押圧されている弾性ローラが徐々に熱
劣化を生じ硬化するため、弾性ローラの機能性の維持管
理が煩雑で、工業生産プロセスとしてはコスト高になる
という問題があった。
【0005】また、特開昭48−56917号公報で
は、供給ローラ側のローラ表面粗度を0.4S以下にす
る延伸方法が提案されている。該延伸方法は、延伸時の
スリップを防止するものであるが、モノフィラメントの
延伸では、その効果は小さいという問題があった。これ
は、加熱供給ローラを用いたモノフィラメントの延伸に
おいては、ネッキングを伴う延伸点は糸離れ点よりわず
かに上流側に位置する。延伸点と糸離れ点の間の糸条
は、供給ローラ表面速度よりも高速で走行することにな
り、その意味で常に供給ローラ表面でスリップを生じて
いる。したがって、単にスリップを防止するだけの方法
では均一延伸を達成することはできない。
【0006】したがって、スカムの発生を抑制し、精密
印刷を達成するためのモノフィラメントの延伸方法、す
なわち、延伸点の変動を抑制して、長手方向の繊度斑、
S−S曲線のバラツキを小さくすこと、あるいはローラ
加工精度に伴うローラ間加工精度差からの錘間バラツキ
を解消し、さらには延伸の経時変化が原因となるローラ
表面の摩耗、汚れ等による繊維表面の擦過傷、延伸斑等
を同時に解決する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点を解消せんとするものであり、スカムの発
生を抑制し、しかも精密印刷を可能とし、かつモノフィ
ラメントの製造に際して、繊維長手方向の繊度斑、S−
S曲線のバラツキ、錘間差バラツキ等を小さくすること
のでき、ひいてはオープニングの均一性の高くすること
のできるスクリーン紗用モノフィラメントの延伸方法の
提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、熱可塑性重合体からなるモノフィラメント未延伸糸
を、表面仕上げ粗度が0.1S〜2.0Sの範囲である
加熱供給ローラと加熱延伸ローラからなる延伸系で加熱
延伸して、金属鏡面に対する走行糸摩擦係数が0.2〜
0.7の範囲のモノフィラメント延伸糸にするに際し
て、加熱供給ローラの糸離れ点における糸条とローラ回
転方向の接線とのなす角度θを、3°≦θ≦15°とす
ることを特徴とするスクリーン紗用モノフィラメントの
延伸方法、によって達成される。
【0009】以下本発明を詳細に述べる。一般的に、加
熱供給ローラと加熱延伸ローラからなる延伸系で加熱延
伸する場合、延伸点は加熱供給ローラ最終巻回の糸離れ
点よりもわずかに上流側に位置するため、延伸点と糸離
れ点間の糸条は加熱供給ローラの周速度ではなく、加熱
延伸ローラの周速度の範囲内で高速度で走行することに
なるので、延伸点と糸離れ点間でスリップしながら走行
している。このためローラ表面と糸条の摩擦係数が重要
となっている。しかし、この摩擦係数を大きくすると延
伸張力が延伸点にスムースに伝達され難くなり、一方摩
擦係数を小さくすると延伸点の把持性が低下するためい
ずれの場合も不均一延伸となりやすという問題点があっ
た。そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、延伸点ま
では摩擦係数を大きくし、延伸点と糸離れ点の間の摩擦
抵抗は小さくする延伸方法を見出したのである。
【0010】すなわち本発明では、加熱供給ロ−ラと加
熱延伸ロ−ラ間の延伸糸と加熱供給ローラ最終巻回の糸
離れ点におけるローラ回転方向の接線とのなす角度θ
(以下単に角度θという)を、3°≦θ≦15°とする
ことで、延伸点と糸離れ点の間の摩擦抵抗を小さくする
ことが可能となった。
【0011】これは、延伸点と糸離れ点の間で、角度θ
を付与された延伸糸は、加熱供給ローラ鏡面研磨溝の凹
凸(ローラ円周方向にできた微細な研磨溝)を斜行して
糸離れ点に向けて走行するため接触面積が小さくなり、
延伸点と糸離れ点の間で摩擦抵抗が下がる。また、角度
θが付与されたことで延伸点から糸離れ点に向かって走
行する糸条に加熱供給ローラから捩じり力が作用するの
で、垂直抗力が減少し延伸点と糸離れ点の間で摩擦抵抗
が小さくなったものである。この延伸点と糸離れ点の間
で摩擦抵抗を小さくすることによって、延伸張力は円滑
に延伸点まで伝達されることになり、延伸点位置の変動
が小さくなる。このことによって、繊度斑の小さい均一
なモノフィラメントを得るものである。
【0012】なお、特公昭46−2766号公報には、
2個以上のネルソンロールを配設してなる延伸装置にお
いて、少なくとも1個のネルソンロールを基準平面に対
して傾斜せしめて付設する装置が提案されている。該提
案の公報第3図には、糸離れ点においてθ3 の角度を有
する例が示されている。しかしながら、前記装置は、装
置の配置、据付面積の簡素化を目的としたものであり、
かかる装置だけでは繊度斑の小さい均一なモノフィラメ
ントを得ることはできなかった。
【0013】ここで、角度θが3°未満では延伸点から
糸離れ点へ向かうモノフィラメントの傾斜角が極めて小
さいものとなり、この間の摩擦抵抗を小さくする効果も
小さくなる。したがって、角度θは3°以上が必要であ
り、好ましくは4°以上とするのがよい。また、角度θ
が15°を越えると、延伸点自体が角度付与方向に移動
を開始するために延伸点位置の変動が大きくなる。した
がって、角度θは15°以下が必要であり、好ましくは
10°以下とするのがよい。
【0014】さらに本発明の方法では、表面仕上げ粗度
(JIS表示の仕上げ粗度記号に従う)が0.1S〜
2.0Sの範囲からなる鏡面仕上げした加熱供給ローラ
を用いることが重要である。本発明における加熱供給ロ
ーラの表面は、加熱供給ローラの表面とモノフィラメン
トの摩擦抵抗の関係において、延伸点までは摩擦抵抗を
大きくして安定した延伸点固定する。一方、延伸点と糸
離れ点の間の摩擦抵抗は小さくして、延伸糸の応力変動
を小さくする。この相反することを両立させるには、加
熱供給ローラの表面粗度を適切なものにすることが重要
である。ここで、表面粗度が0.1S未満の加熱供給ロ
ーラを用いると、加熱供給ローラ表面とモノフィラメン
トとの摩擦係数が高くなる。そのため、角度θの効果が
得られず、延伸点と糸離れ点の間で加熱供給ローラ表面
とモノフィラメントとの摩擦抵抗が高くなり、延伸点の
固定を妨げ、不均一な延伸となり好ましくない。さら
に、表面粗度が2.0Sを越える加熱供給ローラを用い
た場合、加熱供給ローラの表面とモノフィラメントとの
間で摩擦係数は、延伸張力を受け止めるだけの摩擦係数
に達せず、延伸点を固定するだけの摩擦抵抗が得られな
い。温度、延伸倍率によっては、延伸点が最後のターン
に位置されず、上流方向へ移動し、延伸点と糸離れ点の
距離が長くなることにより擦過抵抗が大きくなって、糸
揺れが発生し安定な延伸点が得られない。したがって、
加熱ローラ表面仕上げ粗度が、0.1S〜2.0Sの加
熱供給ローラを用いることが必要である。好ましくは
0.1S〜1.5Sの範囲である。また、本発明で用い
る加熱供給ローラの表面仕上げ加工方法は、鏡面であれ
ばよい。また、分割して表面仕上げ粗度の異なるローラ
としてもよいが、少なくとも延伸点、糸離れ点間は0.
1S〜2.0Sの範囲にしておかなければならない。
【0015】さらに本発明の角度付与による効果は、加
熱供給ローラの表面とモノフィラメント間の摩擦係数に
よって異なるので、熱可塑性重合体の添加剤として良く
知られた、酸化チタンやアルミナ粒子の添加量、紡糸油
剤の組成、付着量等を適正化しておくのがよい。
【0016】対金属摩擦の高い紡糸油剤等を付着させ
て、モノフィラメント延伸糸の、表面仕上げ粗度0.2
Sのクロム鏡面仕上げローラに対する走行糸摩擦係数が
0.7以上の場合には、前記角度θを10°を越えて大
きくしても、延伸点の固定が困難で繊度斑を改善するこ
とは困難となる。
【0017】さらに、走行糸摩擦係数が0.7を越える
モノフィラメントでは、製糸工程だけでなく製織工程で
も糸道ガイド、オサ羽などによって擦過を受け、スカム
が発生しやすくなるので好ましくない。一方、前記走行
糸摩擦係数が0.2未満では、加熱供給ローラ表面とモ
ノフィラメントとの間で、延伸張力を受け止めるだけの
摩擦係数に達せず、延伸点を固定するだけの摩擦抵抗が
得られない。このため加熱供給ローラの温度、延伸倍率
等によっては、延伸点が最後のターンに位置されず、上
流方向へ移動し、延伸点と糸離れ点間の距離が長くなり
擦過抵抗が大きくなる。このため加熱供給ローラ上での
糸揺れが大きくなり安定な延伸点が得られなくなる。
【0018】したがって、熱可塑性重合体の添加剤とし
てよく知られた、酸化チタンやアルミナ粒子の添加量、
紡糸油剤の組成、付着量等を適正化し、モノフィラメン
ト延伸糸の、表面仕上げ粗度0.2S鏡面仕上げローラ
に対する走行糸摩擦係数の範囲を0.2〜0.7になる
ようにする必要があり、好ましくは0.2〜0.6であ
る。走行糸摩擦係数の測定方法については後記する。
【0019】以下本発明の延伸方法について図面をもっ
て説明する。図面は本発明に係る延伸方法の一実施態様
を示すもので、図1はその全体を示す正面図、図2はそ
の主要部を示す側面図、図3は加熱供給ローラ近傍の拡
大図である。各図において、1は押圧用ニップローラ、
2はフィードローラ、3は3aのセパレートローラと対
の加熱供給ローラ、4は4aのセパレートローラと対の
加熱延伸ローラ、5はドライブロール、6は延伸糸チー
ズである。
【0020】図1は、未延伸糸Aを押圧用ニップローラ
1とフィードローラ2で定速給糸し、二次転移温度Tg
より10℃〜30℃高い温度に加熱した加熱供給ローラ
3との間で0.2〜3%のストレッチ率を与え、未延伸
糸Aに糸張力を付与した後、加熱供給ローラ3と120
℃〜180℃に加熱した加熱延伸ローラ4との間で延伸
糸と加熱供給ローラ最終巻回の糸離れ点におけるローラ
回転方向の接線とのなす角度θを、3°≦θ≦15°と
して3〜5倍に延伸し、該加熱延伸された延伸糸Bは、
必要に応じて緊張熱処理などを施し、ドライブローラ5
を用いて延伸糸チーズ6に巻取る状態を示したものであ
る。巻取る方法としては、図1のように、ドライブロー
ラ5を用いて延伸糸チーズ6に巻取るか、または、スピ
ンドル回転を利用したツイスターでパーン状に巻取るこ
ともできる。
【0021】図2は、図1における加熱供給ローラ3と
加熱延伸ローラ4との傾斜設置位置の関係および、糸道
の関係の一例を示したものであり、ここでは、加熱供給
ローラ回転軸を基準面に対し傾斜せしめて付設し、延伸
糸と加熱供給ローラの最終巻回の糸離れ点におけるロー
ラ回転方向の接線とのなす角度θが付与される状態を示
したものである。図3は、図2における加熱供給ローラ
3の糸道を示したものであり、加熱供給ローラ3を傾斜
設置することにより、糸離れ点Qは、延伸点Pの円周上
から外れ、延伸点Pから糸離れ点Qへ向かって走行する
糸条は、加熱供給ローラ3の表面上を角度θの範囲で傾
斜して走行する状態を示したものである。
【0022】本発明において、規定した角度θを満たす
方法は、加熱供給ローラの回転軸を基準面に対し傾斜せ
しめて付設することが最も効率的に達成され好ましい
が、加熱延伸ローラ回転軸を基準面に対し傾斜せしめ付
設してもよい。さらには、加熱供給ローラと加熱延伸ロ
ーラを同時に基準面に対し傾斜せしめ付設することでも
よい。本発明の両ローラ間の延伸糸と加熱供給ローラ最
終巻回の糸離れ点におけるローラ回転方向の接線とのな
す角度θ(図3参照)が達成されるならば、方法は何等
限定されるものではない。
【0023】本発明における、熱可塑性重合体とは、ポ
リアミドに代表されるナイロン6、ナイロン66、でも
良いが、さらに好ましくはポリエステルである。ポリエ
ステルとは構成単位の少くとも80モル%以上がエチレ
ンテレフタレートもしくはブチレンテレフタレートから
なるポリエステルであって、少量の脂肪族ジカルボン
酸、ポリアルキレングリコール類を共重合したものであ
っても良い。また、弾性率の高いポリエチレン−2,6
−ナフタレートなども用いることができる。
【0024】本発明の延伸方法は、複合紡糸した未延伸
糸の延伸方法にも適用することができる。モノフィラメ
ントの繊度は特に限定するものではないが、4〜50デ
ニールを本発明の方法を適用することができる。ここ
で、未延伸糸とはドラムに一旦巻き取ったものである
が、ドラムに一旦巻取ることなく直接紡糸延伸する方法
であってもよく、また複数のモノフィラメントを同一錘
において隣接する糸条と接触による糸条間の接触抵抗を
受けない範囲で糸条間の間隔を取って延伸する方法にも
適用することができる。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の物性は次のようにして測定し
た。 (A)繊度斑 ツェルベガーウスター社製糸斑試験機を用いて測定し
た。以下測定条件を示す。 測定給糸速度 :200m/分 測定糸長 :200m/分 レンジスケール:±12.5% 糸張力 :0.3g/d 吸引エアー圧空:7kg/cm2 繊度斑はnormalの測定値で示す。
【0026】(B)伸度10%における強力の変動率 オリエンテック社製テンシロン引張試験機を用いて荷重
伸長曲線から求めた。測定は連続した試料を30cmに
分割し、さらに長さ方向に連続的になるようにして15
mまで測定した。(繰返し測定回数50回)以下測定条
件を示す。 測定試料長 :20cm 引張速度 :20cm/分 チャート速度 :30cm/分 荷重レンジ :定格5kgf/フルスケール0.1
kgf
【0027】(C)オープニングの均一性 加工紗を透過型顕微鏡により観察し、オープニング距離
(紗を構成する隣接するヨコ糸とヨコ糸間またはタテ糸
とタテ糸間の距離のこと)をn=100個についてそれ
ぞれ測定し、各々について標準偏差を求めた。得られた
標準偏差の小さいものほどオープニングが均一で精度の
良好な紗として判定した。繊度斑0.6%以下にするこ
とにより、オープニングが均一で精度の良好な紗として
成り得る。また、紗の品位は紗に織り込まれた繊維状ス
カムを観察し、紗1m当たりのスカム数が0.2以下
で、繊維状スカムがないものを良好な紗として判定され
る。
【0028】(D)走行糸摩擦係数 35mmφ、0.2Sの鏡面仕上げクロムピンを用い
て、下記の条件で測定した時の摩擦係数μで表した。 走行糸の入り側張力 :T1 =10g 走行糸の出側張力 :T2 =測定値 接触角度 :90° 糸の走行速度 :2.5m/分 μ=(2/π)・ln(T1 /T2 )
【0029】実施例1〜5および比較実施例1〜3 35℃のoークロルフェノール溶液で測定した極限粘度
が0.8、酸化チタン0.5重量%含有からなる粒状ポ
リエチレンテレフタレートを紡糸温度295℃、4孔の
円形断面紡糸口金(孔径0.4mmφ)より押し出し、
冷却固化後、下記に示す油剤A、B、C、Dを繊維に対
して0.3重量%付与し、1000m/分の速度で4分
割して単糸繊度48デニール、繊度斑0.5%なるモノ
フィラメント未延伸糸をドラムを巻取った。該未延伸糸
をフィードローラと95℃の加熱供給ローラとの間でス
トレッチ率0.5%かけた後、表1に示す加熱供給ロー
ラの粗度と糸条角度の条件で、加熱供給ローラと130
℃の加熱延伸ローラとの間で延伸率倍4.0倍で延伸
し、得られた延伸糸を、加熱延伸ローラと非加熱ローラ
の間で、1%のストレッチ率を加えて、延伸速度800
/分の条件で、走行糸摩擦係数の異なる12dのスクリ
ーン紗用モノフィラメントを得た。得られたスクリーン
紗用モノフィラメントの走行糸摩擦係数μ、繊度斑、伸
度10%における強力の変動率CV%およびオープニン
グの均一性を表1に示した。このモノフィラメントの破
断強度は6g/d、破断伸度は32%、初期引張り抵抗
は125g/d、伸度2%における強度は2.2g/d
の高強度高弾性率モノフィラメントであった。 油剤A:モノフィラメントの走行糸摩擦係数μ=0.15 油剤B: 〃 =0.25 油剤C: 〃 =0.50 油剤D: 〃 =0.75
【表1】 表1から明らかなごとく、モノフィラメントの走行糸摩
擦係数μが本発明の範囲においては、繊度斑が0.7%
以下と小さく、さらには、伸度10%における強力の標
準編差CV%が小さくすることのできる延伸方法を示
し、得られたスクリーン紗はオープニングの均一性は良
好で、スカムの発生はなかった。一方、走行糸摩擦係数
μが0.7を越える、あるいは0.2未満では、繊度斑
を0.7%以下にすることは困難であった。
【0030】実施例6〜13 35℃のo−クロルフェノール溶液で測定した極限粘度
が0.7、酸化チタン0.1重量%含有からなる粒状ポ
リエチレンテレフタレートを紡糸温度290℃、4孔の
紡糸口金より押し出し、冷却固化後、油剤Bを付与し、
1000m/分の速度で4分割して単糸繊度47デニー
ル、繊度斑0.5%なるモノフィラメント未延伸糸をド
ラムで巻取った。該未延伸糸をフィードローラと90℃
の加熱供給ローラとの間でストレッチ率0.5%かけた
後、表2に示す加熱供給ローラの表面粗度と糸条の角度
θの条件で、加熱供給ローラと130℃の加熱延伸ロー
ラとの間で延伸率倍3.90倍で延伸し、得られた延伸
糸を、加熱延伸ローラと非加熱ローラの間で、1.5%
のストレッチ率を加えて、延伸速度800/分の条件で
12dのスクリーン紗用モノフィラメントを得た。得ら
れたスクリーン紗用モノフィラメントの繊度斑、伸度1
0%における強力の変動率CV%、オープニングの均一
性を表2に示した。ここで得られた各モノフィラメント
の走行糸摩擦係数μは、約0.45であった。
【0031】
【表2】 表2から明らかなごとく、本発明の延伸方法からなるモ
ノフィラメントは繊度斑、伸度10%における強力の標
準編差CV%が小さくすることのできる延伸方法を示
し、得られたスクリーン紗はオープニングの均一性は良
好で、スカムの発生はなかった。
【0032】実施比較例4〜9 実施例2における未延伸糸を用い、表3に示すように加
熱供給ローラの表面粗度と糸条角度を種々変更した以外
は実施例2の条件で延伸し、評価結果を表3に示した。
【0033】
【表3】 表3から明らかなごとく、各実施比較例において加熱供
給ローラの表面粗度あるいは糸条の角度θのいずれかが
本発明の範囲を外れると、本発明の目的を達成すること
ができなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明のスクリーン紗用モノフィラメン
ト延伸方法にすることにより、延伸張力変動が抑制さ
れ、品質の均一性の尺度である長手方向の繊度斑、長手
方向のS−S曲線変動斑、錘間差のバラツキの小さい均
一な延伸が施され、ひいてはオープニングの均一性を向
上させることができ、電子回路等の高精度スクリーン印
刷に要求される特性を満足する紗を安定して延伸するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る延伸装置の一実施態様を示す正
面図である。
【図2】 図1の主要部を示す側面図、
【図3】 本発明に係る加熱供給ローラ近傍の拡大図で
ある。
【符号の説明】
1:押圧ニップロール 2:フィードローラ 3:加熱供給ローラ 3a:セパレートローラ 4:加熱延伸ローラ 4a:セパレートローラ 5:非加熱ローラ 5a:セパレートローラ 6:ドライブローラ 7:延伸糸チーズ A:未延伸糸 B:延伸糸状 P:延伸点 Q:糸離れ点 θ:Q点における糸条とローラ回転方向の接線とのなす
角度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性重合体からなるモノフィラメント
    未延伸糸を、表面仕上げ粗度が0.1S〜2.0Sの範
    囲である加熱供給ローラと加熱延伸ローラからなる延伸
    系で加熱延伸して、金属鏡面に対する走行糸摩擦係数が
    0.2〜0.7の範囲のモノフィラメント延伸糸にする
    に際して、加熱供給ローラの糸離れ点における糸条とロ
    ーラ回転方向の接線とのなす角度θを、3°≦θ≦15
    °とすることを特徴とするスクリーン紗用モノフィラメ
    ントの延伸方法。
JP4186968A 1992-07-14 1992-07-14 スクリーン紗用モノフィラメントの延伸方法 Pending JPH0633334A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008075188A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Toray Ind Inc スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントの製造方法およびモノフィラメント
US8052306B2 (en) 2008-04-10 2011-11-08 Fujitsu Limited Electronic apparatus
US10196577B2 (en) 2015-09-30 2019-02-05 Celanese Sales Germany Gmbh Low friction squeak free assembly

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