JPH0633161U - 複写機のトナー処理用のフイルタ部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ フイルタをケースに組付け易くすると共にシ
ール性を良好にし、交換時には手や衣服を汚さないよう
にする。 ［構成］ 合成樹脂製で本体部１１ａ，カバー係合部１
１ｂ，開放端部１１ｃを段付けて形成したケース１１の
内部に、不織布を袋状にして上端開放部に折り曲げ係止
部１２ｃを設けた外フイルタ１２ａの中に合成せんいか
らなる内フイルタ１２ｂを充填したフイルタ素子１２を
その係止部１２ｃをケースの開放端部１１ｃに掛け止め
て収容し、その上からカバー１３を被嵌してその係止口
１７を突起１６に係合させてケース１１に結合し、係止
部１２ｃをカバー１３とケース１１とで圧迫挟持して入
口部をシールし、カバーの入口通孔１５から複写機内の
トナーまじりのエアーを流入させ、トナーを内外のフイ
ルタ１２ｂ，１２ａで捕捉除去し、フイルタ部材Ｆの交
換時にはケースごと新しいものと交換する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は電子写真複写機において用ずみになったトナーを回収処理するため のフイルタ部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に電子写真複写機では図４のように矢印方向に回転する感光ドラムＤの表 面をチャージ用の放電ワイヤｗ₁ により正に帯電させ、その表面の一部を鎖線矢 印のように照射ランプにより露光して原稿の静電潛像を作り、その露光場所の前 側に配置した現像スリーブａを介しキャリヤｃで負に帯電させたトナーｔをドラ ムＤの表面に散布吸着させて現像し、次いで除電ランプｂによりドラムＤを照射 して転写し易いようにドラムの表面電位を下げる一方、ドラムＤの下側に密接し て矢印方向に移動する複写用紙ｐに裏側から転写用の放電ワイヤｗ₂ により正電 荷を付与して現像部のトナーｔを用紙ｐに転写し、次に用紙ｐは分離素子ｄによ り除電されドラムＤから離れて焼付装置（図示せず）側に進み、ドラムＤに付着 した余剰なトナーｔはクリーニング装置ｅに移動し、その中で、導電性のブラシ 部材ｆでトナーｔの電荷を除去しつつクリーニングブレードｇでかき落すように している。

【０００３】 そして、クリーニング装置ｅの囲い枠の側壁には取出し端部が二股になった導 管Ｌが接続され、導管Ｌの途中にはフイルタ部材Ｆが配設されてブロワーＭに接 続され、ブロワーＭによりブレードｇでかき落したトナーｔをエアーと共に吸引 し、トナーｔをフイルタ部材で捕捉除去して外部に放出しないようにしている。

【０００４】 上記フイルタ部材Ｆは図６のようにＡＢＳ，ポリプロピレン，ポリエチレン等 の合成樹脂製で、一側面が解放され、上下壁に入口パイプ１ａと出口パイプ１ｂ を備えると共に入口上壁に近い位置の三方に支持つば１ｃを設けたケース１と、 厚さ３mm程度の不織布ヲ 袋状に加工し、 開放端に広がりつば２ｃを設けた外フイ ルタ２ａの内部にレーヨン，ポリエステル，ポリプロピレン等の所定太さの合成 せんい束からなるフイルタ２ｂを充填し、広がりつば２ｃの上に保持用の合成樹 脂製角枠状のプレート３を溶着したフイルタ素子２と、内面にパッキング材４ａ を取付けた板状のカバー４とで形成され、図５のようにプレート３を溶着した広 がりつば２ｃの部分を入口上壁と支持つば１ｃとの間に挿入させつつ、フイルタ 素子２を開放側面からケース１内に収容し、開放側面には板状のカバー４をねじ 等で着脱可能に取付けて組立てられる。

【０００５】 そして、上記複写機内のクリーニング装置ｅからトナーまじりのエアーをブロ ワーＭにより吸引すれば、導管Ｌを通じエアーはフイルタ素子２中に入り、微細 なトナーは内外のフイルタ２ｂ，２ａにより二段に捕捉され、トナーの除去され たエアーはブローＭを経て外部に放出され、又フイルタ素子２が目詰まりした際 には、カバー４を取外してフイルタ素子２を新しいものと交換するようにしてい る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記従来のフイルタ部材では、不織布製の外フイルタの広がりつば に合成樹脂製のプレートを溶着して形体を保持するようにしなければならず、余 分な部品と工数を必要とし、そして、フイルタ素子はケースに対し側方から挿入 するタイプなので、仕切つば部分のシール性を重視して外フイルタの広がりつば 又はプレートの肉圧を厚くするとフイルタ素子の組付けがやりにくくなり、逆に 組付けをやり易くするとシールが不充分になるという問題があり、又、側面カバ ーの内面には相当広さのパッキング材を必要とし、更にフイルタの交換に際して は、ケースからフイルタ素子を取出さなければならず、身体や衣服を汚してしま う。

【０００７】 そこで、この考案はフイルタ素子の形体保持のための余分な部品や工数を必要 とせず、組付け易く、シール性も良好で、交換に際して身体や衣服を汚さないよ うにすることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的のもとにこの考案は、複写機のトナー処理用のフイルタ部材として、 底端壁に出口を有する筒状のケースと、上端壁に入口を備える同形箱状のカバー とからなり、ケース内には、不織布で袋状をなし開放部に折り曲げ係止部を設け たフイルタ素子を上記折り曲げ係止部をケースの開放端部に掛け止めて収容し、 その開放端部上には上記カバーを被嵌して両側面部においてケースに一体に結合 し、フイルタ素子の折り曲げ係止部をケースの開放端部とカバーとで圧迫挾持し たことを特徴とするものである。

【０００９】

【実施例】

図１ないし図３はこの考案に係るフイルタ部材Ｆを示すものであり、図１にお いて１１はＡＢＳ，ポリエチレン，ポリプロピレン等の合成樹脂からなる角筒状 のケースであって、ケース主体をなす下段の本体部１１ａと、その上部において ほぼ本体部の肉厚分だけ小さくなされた中段のカバー係合部１１ｂと、更にほぼ 肉厚分だけ小さくなされた上段の開放端部１１ｃとで段付けられて形成されてお り、本体部１１ａの端壁には出口通孔１４が設けられると共にカバー係合部１１ ｂの両側面には係止突起１７が設けられている。

【００１０】 又、フイルタ素子１２は所要厚さの不織布を袋状に加工すると共に上端開放部 をケースの開放端部１１ｃに掛け止めるように外側に逆Ｕ字状に折り曲げて係止 部１２ｃとした外フイルタ１２ａと、その内部に充填されたレーヨン，ポリエス テル，ポリエチレン等の所定太さ（１０ないし２０デニール程度）の合成せんい の束からなる内フイルタ１２ｂとで形成されている。

【００１１】 更に、カバー１３はケース１１と同じ合成樹脂で同形の箱状に形成され、外側 寸法はケースの本体部１１ａの外側寸法とほぼ等しくなされると共に内側寸法は カバー係止部１１ｂの外側寸法にほぼ等しくなされていて、端壁には出口通孔１ ４と同径の入口通孔１５が設けられ、両側壁にはケースのカバー係止部１１ｂ両 側面の係止突起１７に係合する係止口１６が設けられている。

【００１２】 そして、上記フイルタ素子１２をケース１１内に開放端部１１ｃを介し挿入し 、その上端係止部１２ｃをケースの開放端部１１ｃに掛け止めて袋部を本体部１ １ａ中に吊り下げ、その係止部１２ｃ上にカバー１３を被嵌しつつその下半部を ケースのカバー係合部１１ｂに嵌め合わせ、かつ両側面の係止口１６をカバー係 合部両側面の係止突起１７にそれぞれ係合させ、図２のようにフイルタ素子１２ の係止部１２ｃをカバー１３の周壁とケースの開放端部１１ｃの周壁との間に圧 迫挟持してフイルタ素子１２をケース１１に固定し、カートリッジ状のフイルタ 部材Ｆに組立てる。

【００１３】 その使用時には、図３のようにフイルタ部材Ｆの本体部１１ａを前記複写機の ブロワー側の導管Ｌに取付けられた上面の開放された箱状の受け部材２０ａに嵌 合させると共にフイルタ部材のカバー１３にはクリーニング装置側の導管Ｌに取 付けられた下面と一側面が開放された箱状の受け部材２０ｂを嵌め合わせ、導管 Ｌの蛇腹可撓部の弾力によって上下の受け部材２０ａ，２０ｂをケース１１及び カバー１３の端壁に密接させてフイルタ部材Ｆを支持する。その際、カバー１３ 及びケース１１の入口，出口の通孔１５，１４は導管Ｌに整列している。

【００１４】 かくて、ブロワーの作動によりクリーニング装置内のトナーまじりのエアーが 吸引され、カバー１３の入口通孔１５からフイルタ１２中に入り、微細なトナー は内フイルタ１２ｂと外フイルタ１２ａによって二段に捕捉され、トナーの除去 されたエアーがブロワー側に流れていく。一方、時間の経過によりフイルタ素子 １２内にトナーが相当量回収され、フイルタ１２が目詰まりした際には、フイル タ部材Ｆをケース１１ごと下の受け部材２０ａから持ち上げ、かつ上の受け部材 ２０ｂの開放側面から横にずらせるようにして取外し、新しいものと交換する。

【００１５】 なお、図示の例ではフイルタ素子１２としてフイルタ寿命が長くなるように不 織布からなる外フイルタ１２ａの内部に合成せんいの内フイルタ１２ｂを充填し たものを示したが、内フイルタ１２ｂは必ずしも必要としない。又、図示の例で はフイルタ部材Ｆのケース１１をカバー１３と面一になるように本体部１１ａ， カバー係合部１１ｂ，開放端部１１ｃの三段に段付けたものを示したが、これに 限らず、カバー係合部と開放端部を同一面として二段に段付けるか、又は段を設 けず、ずん胴のものとしてもよい。そして、導管Ｌに対するフイルタ部材Ｆの取 付け手段は上記のものに限らず、機種に応じ適宜に変更できる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のようにこの考案は、複写機のトナー処理用のフイルタ部材として、底端 壁に出口を有する筒状のケース内部に、不織布で袋状をなし開放部に折り曲げ係 止部を設けたフイルタ素子の折り曲げ係止部をケースの開放端部に掛け止めて収 容し、その開放端部上には入口を有する箱状のカバーを被嵌して両側面部におい てケースに一体に結合し、フイルタ素子の折り曲げ係止部をケースの開放端部と カバーとで圧迫挾持するようにしたので、これまでのように不織布フイルタの開 放端に余分なプレートを溶着する必要がなく、部品と工数を簡略化することがで き、又フイルタ素子の組付けに当たり、これまでのようにつば部をケースに横か ら嵌め込むのではなく、折曲げ係止部をケースとカバーとで上下から圧迫挟持す るので、フイルタ素子の組付けがやり易いと共に入口部のシール性が良好であり 、カバーにはパッキングを取付ける必要がなく、更にフイルタ部材の交換時には ケースごと交換するので、身体や衣服を汚す恐れがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るフイルタ部材の分離斜視図。

【図２】その組立て後の縦断面図。

【図３】フイルタ部材を導管中に配設する際の説明図。

【図４】複写機の感光ドラム部分を示す側面図。

【図５】従来のフイルタ部材の縦断面図。

【図６】従来のフイルタ部材の分離斜視図。

【符号の説明】

Ｆ フイルタ部材 １１ ケース １１ａ 本体部 １１ｂ カバー係合部 １１ｃ 開放端部 １２ フイルタ素子 １２ａ 外フイルタ １２ｂ 内フイルタ １２ｃ 係止部 １３ カバー １４ 出口通孔 １５ 入口通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底端壁に出口を有する筒状のケースと、
   上端壁に入口を備える同形箱状のカバーとからなり、ケ
   ース内には、不織布で袋状をなし開放部に折り曲げ係止
   部を設けたフイルタ素子を上記折り曲げ係止部をケース
   の開放端部に掛け止めて収容し、その開放端部上には上
   記カバーを被嵌して両側面部においてケースに一体に結
   合し、フイルタ素子の折り曲げ係止部をケースの開放端
   部とカバーとで圧迫挾持したことを特徴とする複写機の
   トナー処理用のフイルタ部材。