JPH06330813A - 2サイクルエンジンのピストン - Google Patents
2サイクルエンジンのピストンInfo
- Publication number
- JPH06330813A JPH06330813A JP14262993A JP14262993A JPH06330813A JP H06330813 A JPH06330813 A JP H06330813A JP 14262993 A JP14262993 A JP 14262993A JP 14262993 A JP14262993 A JP 14262993A JP H06330813 A JPH06330813 A JP H06330813A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston
- pin
- skirt portion
- pin boss
- hole
- Prior art date
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- Pending
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/02—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
- F02B2075/022—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
- F02B2075/025—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ピンボスに対するピストンピンの支持強度が
所定の強度に保たれるようにし、かつ、ピストンの成形
作業が容易にできるようにする。 【構成】 ピストン1を、ピストンヘッド3と、このピ
ストンヘッド3の外周縁から下方に延びる円筒状のスカ
ート部4と、このスカート部4の内面に突設される左右
一対のピンボス6,6と、これらピンボス6に支持され
るピストンピン9とで構成する。シリンダに形成された
掃気ポートに対向する上記スカート部4の部分に、この
スカート部4の内外を連通させる貫通孔12を形成す
る。上記スカート部4の内部に向う上記貫通孔12の仮
想延長孔13が上記ピンボス6の突出端の上方近傍を通
るようにする。
所定の強度に保たれるようにし、かつ、ピストンの成形
作業が容易にできるようにする。 【構成】 ピストン1を、ピストンヘッド3と、このピ
ストンヘッド3の外周縁から下方に延びる円筒状のスカ
ート部4と、このスカート部4の内面に突設される左右
一対のピンボス6,6と、これらピンボス6に支持され
るピストンピン9とで構成する。シリンダに形成された
掃気ポートに対向する上記スカート部4の部分に、この
スカート部4の内外を連通させる貫通孔12を形成す
る。上記スカート部4の内部に向う上記貫通孔12の仮
想延長孔13が上記ピンボス6の突出端の上方近傍を通
るようにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジンのピストン
に関し、より詳しくは、ピンボスに対するピストンピン
の支持が強固になされるようにする2サイクルエンジン
のピストンに関する。
に関し、より詳しくは、ピンボスに対するピストンピン
の支持が強固になされるようにする2サイクルエンジン
のピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】上記エンジンのピストンは、通常、ピス
トンヘッドと、このピストンヘッドの外周縁から下方に
延びる円筒状のスカート部と、このスカート部の内面に
突設される左右一対のピンボスと、これらピンボスに支
持されるピストンピンとを備え、このピストンピンの左
右中途部が連接棒を介してクランク軸に連結されてい
る。
トンヘッドと、このピストンヘッドの外周縁から下方に
延びる円筒状のスカート部と、このスカート部の内面に
突設される左右一対のピンボスと、これらピンボスに支
持されるピストンピンとを備え、このピストンピンの左
右中途部が連接棒を介してクランク軸に連結されてい
る。
【0003】上記の場合、ピンボスを突出させたことに
より、これらピンボスに対するピストンピンの支持強度
を向上させている。
より、これらピンボスに対するピストンピンの支持強度
を向上させている。
【0004】一方、エンジンの作動における爆発行程
で、ピストンヘッドの上面に大きな力が与えられたとき
には、上記ピストンピンは連接棒からの反力で上方に凸
の円弧状に撓み、このピストンピンからの負荷により、
上記スカート部の下端側が左右に拡がろうとする。
で、ピストンヘッドの上面に大きな力が与えられたとき
には、上記ピストンピンは連接棒からの反力で上方に凸
の円弧状に撓み、このピストンピンからの負荷により、
上記スカート部の下端側が左右に拡がろうとする。
【0005】しかし、この際、上記ピンボスはスカート
部の内面側に片持支持されていて、このピンボスの突出
端は、上記ピストンピンが上記のように撓むのに従いこ
のピストンピンに押されて、比較的容易に上方に向けて
弾性的に撓むため、これにより、上記ピストンピンが容
易に撓むことが許容されて、スカート部の下端側が左右
に大きく拡がろうとすることが防止されている。
部の内面側に片持支持されていて、このピンボスの突出
端は、上記ピストンピンが上記のように撓むのに従いこ
のピストンピンに押されて、比較的容易に上方に向けて
弾性的に撓むため、これにより、上記ピストンピンが容
易に撓むことが許容されて、スカート部の下端側が左右
に大きく拡がろうとすることが防止されている。
【0006】そして、このようにスカート部の下端側の
変形を小さく抑えると、焼付き等の不都合の発生が防止
され、かつ、摩擦による力のロスを少なくできるという
効果がある。
変形を小さく抑えると、焼付き等の不都合の発生が防止
され、かつ、摩擦による力のロスを少なくできるという
効果がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成のピンボスは、スカート部の内面から突出しているた
め、その突出端がシリンダ内の燃焼熱により容易に高温
にされるおそれがある。そして、このように高温になる
と、このピンボスの強度やヤング率が低下して、このピ
ンボスに対するピストンピンの支持強度が不足するおそ
れを生じる。
成のピンボスは、スカート部の内面から突出しているた
め、その突出端がシリンダ内の燃焼熱により容易に高温
にされるおそれがある。そして、このように高温になる
と、このピンボスの強度やヤング率が低下して、このピ
ンボスに対するピストンピンの支持強度が不足するおそ
れを生じる。
【0008】また、上記したようにピンボスがスカート
部の内面に突出していると、上記ピンボスからピストン
ヘッドに至る間が入り組んだ形状となり、このため、ピ
ストンを鋳造しようとする際には、型抜きがしにくくな
って、その成形が煩雑になるおそれがある。
部の内面に突出していると、上記ピンボスからピストン
ヘッドに至る間が入り組んだ形状となり、このため、ピ
ストンを鋳造しようとする際には、型抜きがしにくくな
って、その成形が煩雑になるおそれがある。
【0009】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、ピンボスに対するピストンピンの支
持強度が所定の強度に保たれるようにし、かつ、ピスト
ンの成形作業が容易にできるようにすることを目的とす
る。
てなされたもので、ピンボスに対するピストンピンの支
持強度が所定の強度に保たれるようにし、かつ、ピスト
ンの成形作業が容易にできるようにすることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の特徴とするところは、ピストンヘッドと、
このピストンヘッドの外周縁から下方に延びる円筒状の
スカート部と、このスカート部の内面に突設される左右
一対のピンボスと、これらピンボスに支持されるピスト
ンピンとを備えた2サイクルエンジンのピストンにおい
て、シリンダに形成された掃気ポートに対向する上記ス
カート部の部分に、このスカート部の内外を連通させる
貫通孔を形成し、上記スカート部の内部に向う上記貫通
孔の仮想延長孔が上記ピンボスの突出端の上方近傍を通
るようにした点にある。
のこの発明の特徴とするところは、ピストンヘッドと、
このピストンヘッドの外周縁から下方に延びる円筒状の
スカート部と、このスカート部の内面に突設される左右
一対のピンボスと、これらピンボスに支持されるピスト
ンピンとを備えた2サイクルエンジンのピストンにおい
て、シリンダに形成された掃気ポートに対向する上記ス
カート部の部分に、このスカート部の内外を連通させる
貫通孔を形成し、上記スカート部の内部に向う上記貫通
孔の仮想延長孔が上記ピンボスの突出端の上方近傍を通
るようにした点にある。
【0011】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0012】ピストンヘッド3と、このピストンヘッド
3の外周縁から下方に延びる円筒状のスカート部4と、
このスカート部4の内面に突設される左右一対のピンボ
ス6,6と、これらピンボス6に支持されるピストンピ
ン9とを備えた2サイクルエンジンのピストン1におい
て、シリンダに形成された掃気ポートに対向する上記ス
カート部4の部分に、このスカート部4の内外を連通さ
せる貫通孔12を形成し、上記スカート部4の内部に向
う上記貫通孔12の仮想延長孔13が上記ピンボス6の
突出端の上方近傍を通るようにしてある。
3の外周縁から下方に延びる円筒状のスカート部4と、
このスカート部4の内面に突設される左右一対のピンボ
ス6,6と、これらピンボス6に支持されるピストンピ
ン9とを備えた2サイクルエンジンのピストン1におい
て、シリンダに形成された掃気ポートに対向する上記ス
カート部4の部分に、このスカート部4の内外を連通さ
せる貫通孔12を形成し、上記スカート部4の内部に向
う上記貫通孔12の仮想延長孔13が上記ピンボス6の
突出端の上方近傍を通るようにしてある。
【0013】このため、エンジンの掃気行程で、吸気2
0が、シリンダの掃気ポートから貫通孔12を通しスカ
ート部4の内部に吸入されるとき、上記吸気20はピン
ボス6の上方近傍を通ると共に、上記スカート部4の下
端開口に向うよう下降して、上記ピンボス6の突出端を
冷却させる。
0が、シリンダの掃気ポートから貫通孔12を通しスカ
ート部4の内部に吸入されるとき、上記吸気20はピン
ボス6の上方近傍を通ると共に、上記スカート部4の下
端開口に向うよう下降して、上記ピンボス6の突出端を
冷却させる。
【0014】よって、上記ピンボス6の突出端がシリン
ダ内の燃焼熱により容易に高温にされることは防止され
る。
ダ内の燃焼熱により容易に高温にされることは防止され
る。
【0015】また、前記したように、スカート部4の内
部に向う貫通孔12の仮想延長孔13は、ピンボス6の
突出端の上方近傍を通っているため、ピストン1は次の
ように成形することができる。
部に向う貫通孔12の仮想延長孔13は、ピンボス6の
突出端の上方近傍を通っているため、ピストン1は次の
ように成形することができる。
【0016】即ち、上記ピストンヘッド3、スカート部
4、およびピンボス6を鋳造して一体成形する場合に
は、例えば、まず、上記ピンボス6からピストンヘッド
3に至る部分を、上記ピンボス6とほぼ同じ厚さDの厚
肉部18に鋳造する。
4、およびピンボス6を鋳造して一体成形する場合に
は、例えば、まず、上記ピンボス6からピストンヘッド
3に至る部分を、上記ピンボス6とほぼ同じ厚さDの厚
肉部18に鋳造する。
【0017】次に、上記貫通孔12を切削加工すると
き、これと同時に、上記ピンボス6の上方近傍の上記厚
肉部18も切削加工すれば、ピンボス6がスカート部4
の内面から突設された所望の形状となる。
き、これと同時に、上記ピンボス6の上方近傍の上記厚
肉部18も切削加工すれば、ピンボス6がスカート部4
の内面から突設された所望の形状となる。
【0018】そして、上記したように、ピンボス6から
ピストンヘッド3に至る部分を上記ピンボス6とほぼ同
じ厚さの厚肉部18とすれば、鋳造時における上記厚肉
部18の型抜きは容易となる。
ピストンヘッド3に至る部分を上記ピンボス6とほぼ同
じ厚さの厚肉部18とすれば、鋳造時における上記厚肉
部18の型抜きは容易となる。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
る。
【0020】図1から図3において、符号1は2サイク
ルエンジンのピストンである。なお、下記する左右と
は、図1に向っての方向をいい、前方とは、図2、図3
中矢印Frの方向をいう。
ルエンジンのピストンである。なお、下記する左右と
は、図1に向っての方向をいい、前方とは、図2、図3
中矢印Frの方向をいう。
【0021】上記ピストン1はアルミ製で、その軸心2
を縦向きにみたとき、その上部に円板状のピストンヘッ
ド3を有し、このピストンヘッド3の外周縁から下方に
向って上記軸心2上で円筒状のスカート部4が延びてい
る。
を縦向きにみたとき、その上部に円板状のピストンヘッ
ド3を有し、このピストンヘッド3の外周縁から下方に
向って上記軸心2上で円筒状のスカート部4が延びてい
る。
【0022】上記スカート部4の内面には左右一対のピ
ンボス6,6が突設され、これら両ピンボス6,6には
支持孔7,7が形成され、これら左右支持孔7,7は上
記軸心2に対し左右方向で直交する水平な軸心8上に設
けられている。
ンボス6,6が突設され、これら両ピンボス6,6には
支持孔7,7が形成され、これら左右支持孔7,7は上
記軸心2に対し左右方向で直交する水平な軸心8上に設
けられている。
【0023】そして、上記左右支持孔7,7にピストン
ピン9が両端支持され、また、上記ピストンピン9の左
右中途部が連接棒10を介してクランク軸に連結されて
いる。
ピン9が両端支持され、また、上記ピストンピン9の左
右中途部が連接棒10を介してクランク軸に連結されて
いる。
【0024】上記ピストン1はシリンダ内に上下摺動自
在に嵌入されている。このシリンダに形成された掃気ポ
ートに対向する上記スカート部4の部分に、このスカー
ト部4の内外を連通させる左右一対の貫通孔12,12
が形成されている。
在に嵌入されている。このシリンダに形成された掃気ポ
ートに対向する上記スカート部4の部分に、このスカー
ト部4の内外を連通させる左右一対の貫通孔12,12
が形成されている。
【0025】上記スカート部4の内部に向う上記各貫通
孔12の仮想延長孔13は、これに対応するピンボス6
の突出端の上方近傍を通っている。
孔12の仮想延長孔13は、これに対応するピンボス6
の突出端の上方近傍を通っている。
【0026】その他、15はピストンリングを嵌め込む
外周溝、16はスナップリングを嵌め込む内周溝であ
る。
外周溝、16はスナップリングを嵌め込む内周溝であ
る。
【0027】上記エンジンの掃気行程で、吸気20が、
シリンダの掃気ポートから貫通孔12を通りスカート部
4の内部に吸入されるとき、上記吸気20はピンボス6
の上方近傍を通ると共に、上記スカート部4の下端開口
に向うよう下降して、上記ピンボス6の突出端を冷却さ
せる。
シリンダの掃気ポートから貫通孔12を通りスカート部
4の内部に吸入されるとき、上記吸気20はピンボス6
の上方近傍を通ると共に、上記スカート部4の下端開口
に向うよう下降して、上記ピンボス6の突出端を冷却さ
せる。
【0028】このようにして、上記ピンボス6の突出端
がシリンダ内の燃焼熱により容易に高温にされることが
防止され、上記突出端に所定の強度やヤング率が確保さ
れて、上記ピンボス6に対するピストンピン9の支持強
度が所定強度に保たれる。
がシリンダ内の燃焼熱により容易に高温にされることが
防止され、上記突出端に所定の強度やヤング率が確保さ
れて、上記ピンボス6に対するピストンピン9の支持強
度が所定強度に保たれる。
【0029】次に、上記ピストン1の成形手順の一例を
説明する。
説明する。
【0030】まず、上記ピストンヘッド3、スカート部
4、およびピンボス6を鋳造により一体成形する。この
場合、上記ピンボス6からピストンヘッド3に至る部分
を上記ピンボス6とほぼ同じ厚さDの厚肉部18に鋳造
する。
4、およびピンボス6を鋳造により一体成形する。この
場合、上記ピンボス6からピストンヘッド3に至る部分
を上記ピンボス6とほぼ同じ厚さDの厚肉部18に鋳造
する。
【0031】次に、上記貫通孔12をドリルやフライス
等の切削工具19により切削加工するとき、これと同時
に、上記ピンボス6の上方近傍の上記厚肉部18も切削
加工し、これにより、上記ピンボス6をスカート部4の
内面から突出した片持状の所望形状とする。
等の切削工具19により切削加工するとき、これと同時
に、上記ピンボス6の上方近傍の上記厚肉部18も切削
加工し、これにより、上記ピンボス6をスカート部4の
内面から突出した片持状の所望形状とする。
【0032】そして、上記したように、ピンボス6から
ピストンヘッド3に至る部分を上記ピンボス6とほぼ同
じ厚さの厚肉部18としたことにより、鋳造時における
上記厚肉部18の型抜きが容易化されている。
ピストンヘッド3に至る部分を上記ピンボス6とほぼ同
じ厚さの厚肉部18としたことにより、鋳造時における
上記厚肉部18の型抜きが容易化されている。
【0033】この後、ピストンヘッド3とスカート部4
の外形や、支持孔7を機械加工すれば、ピストン1の成
形が完了する。
の外形や、支持孔7を機械加工すれば、ピストン1の成
形が完了する。
【0034】上記の場合、各ピンボス6が突出した分、
これらピンボス6,6に対するピストンピン9の支持強
度が向上させられている。
これらピンボス6,6に対するピストンピン9の支持強
度が向上させられている。
【0035】一方、エンジンの作動における爆発行程
で、ピストンヘッド3の上面に大きな力Fが加えられた
ときには、上記ピストンピン9は連接棒10からの反力
で上方に凸の円弧状に撓み、このピストンピン9からの
負荷により、上記スカート部4の下端側は左右に拡がろ
うとし(図中矢印Aと仮想線図示)、かつ、前後に縮小
しようとする(図中矢印Bと仮想線図示)。
で、ピストンヘッド3の上面に大きな力Fが加えられた
ときには、上記ピストンピン9は連接棒10からの反力
で上方に凸の円弧状に撓み、このピストンピン9からの
負荷により、上記スカート部4の下端側は左右に拡がろ
うとし(図中矢印Aと仮想線図示)、かつ、前後に縮小
しようとする(図中矢印Bと仮想線図示)。
【0036】しかし、この際、上記各ピンボス6はスカ
ート部4の内面側に片持支持されていて、このピンボス
6の突出端は、上記ピストンピン9が上記のように撓む
のに従いこのピストンピン9に押されて、比較的容易に
上方に向けて弾性的に撓むため、これにより、上記ピス
トンピン9が容易に撓むことが許容されて、スカート部
4の下端側が、大きく拡縮変形しようとすることが防止
される。
ート部4の内面側に片持支持されていて、このピンボス
6の突出端は、上記ピストンピン9が上記のように撓む
のに従いこのピストンピン9に押されて、比較的容易に
上方に向けて弾性的に撓むため、これにより、上記ピス
トンピン9が容易に撓むことが許容されて、スカート部
4の下端側が、大きく拡縮変形しようとすることが防止
される。
【0037】図4において、上記各支持孔7の上面はス
カート部4に近づくに従い上方に向けて直線的に傾いて
おり、つまり、前記軸心8に対し0.05〜0.1°の
範囲の傾角αで傾斜している。
カート部4に近づくに従い上方に向けて直線的に傾いて
おり、つまり、前記軸心8に対し0.05〜0.1°の
範囲の傾角αで傾斜している。
【0038】このため、上記したように、ピストンピン
9が上方に凸の円弧状に撓むときには、このピストンピ
ン9は特に上記ピンボス6の突出端を大きく撓ませるこ
ととなって(図4中仮想線図示)、上記ピストンピン9
の撓みが更に容易に許容され、これによって、スカート
部4の下端側が、大きく拡縮変形することが更に効果的
に防止される。
9が上方に凸の円弧状に撓むときには、このピストンピ
ン9は特に上記ピンボス6の突出端を大きく撓ませるこ
ととなって(図4中仮想線図示)、上記ピストンピン9
の撓みが更に容易に許容され、これによって、スカート
部4の下端側が、大きく拡縮変形することが更に効果的
に防止される。
【0039】図5は、上記傾角αを種々選択した場合
の、矢印A方向(左右方向)と、B方向(前後方向)の
外径変化量の実験結果を示すグラフ図である。なお、前
記力は1.8ton であり、寸法測定はダイヤルゲージに
よっている。
の、矢印A方向(左右方向)と、B方向(前後方向)の
外径変化量の実験結果を示すグラフ図である。なお、前
記力は1.8ton であり、寸法測定はダイヤルゲージに
よっている。
【0040】上記図5において、例えば、α=0.00
65°に着目すると、矢印Aの方向では外径が5μm 縮
小し、矢印Bの方向では外径が10μm 縮小している。
65°に着目すると、矢印Aの方向では外径が5μm 縮
小し、矢印Bの方向では外径が10μm 縮小している。
【0041】これに対し、厚肉部18を存在したままに
し、かつ、α=0とした従来技術によれば、図示しない
が、矢印Aの方向では外径が25μm 拡大し、矢印Bの
方向では外径が65μm 縮小した。
し、かつ、α=0とした従来技術によれば、図示しない
が、矢印Aの方向では外径が25μm 拡大し、矢印Bの
方向では外径が65μm 縮小した。
【0042】よって、上記従来技術に比べて上記実施例
によれば、スカート部4の下端側が拡縮変形することが
防止される。
によれば、スカート部4の下端側が拡縮変形することが
防止される。
【0043】
【発明の効果】この発明によれば、ピストンヘッドと、
このピストンヘッドの外周縁から下方に延びる円筒状の
スカート部と、このスカート部の内面に突設される左右
一対のピンボスと、これらピンボスに支持されるピスト
ンピンとを備えた2サイクルエンジンのピストンにおい
て、シリンダに形成された掃気ポートに対向する上記ス
カート部の部分に、このスカート部の内外を連通させる
貫通孔を形成し、上記スカート部の内部に向う上記貫通
孔の仮想延長孔が上記ピンボスの突出端の上方近傍を通
るようにしてある。
このピストンヘッドの外周縁から下方に延びる円筒状の
スカート部と、このスカート部の内面に突設される左右
一対のピンボスと、これらピンボスに支持されるピスト
ンピンとを備えた2サイクルエンジンのピストンにおい
て、シリンダに形成された掃気ポートに対向する上記ス
カート部の部分に、このスカート部の内外を連通させる
貫通孔を形成し、上記スカート部の内部に向う上記貫通
孔の仮想延長孔が上記ピンボスの突出端の上方近傍を通
るようにしてある。
【0044】このため、エンジンの掃気行程で、吸気
が、シリンダの掃気ポートから貫通孔を通しスカート部
の内部に吸入されるとき、上記吸気はピンボスの上方近
傍を通ると共に、上記スカート部の下端開口に向うよう
下降して、上記ピンボスの突出端を冷却させる。
が、シリンダの掃気ポートから貫通孔を通しスカート部
の内部に吸入されるとき、上記吸気はピンボスの上方近
傍を通ると共に、上記スカート部の下端開口に向うよう
下降して、上記ピンボスの突出端を冷却させる。
【0045】よって、上記ピンボスの突出端がシリンダ
内の燃焼熱により容易に高温にされることは防止され、
上記突出端に所定の強度やヤング率が確保されることか
ら、上記ピンボスに対するピストンピンの支持強度が所
定強度に保たれる。
内の燃焼熱により容易に高温にされることは防止され、
上記突出端に所定の強度やヤング率が確保されることか
ら、上記ピンボスに対するピストンピンの支持強度が所
定強度に保たれる。
【0046】また、前記したように、スカート部の内部
に向う貫通孔の仮想延長孔は、ピンボスの突出端の上方
近傍を通っているため、ピストンは次のように成形する
ことができる。
に向う貫通孔の仮想延長孔は、ピンボスの突出端の上方
近傍を通っているため、ピストンは次のように成形する
ことができる。
【0047】即ち、上記ピストンヘッド、スカート部、
およびピンボスを鋳造して一体成形する場合には、例え
ば、まず、上記ピンボスからピストンヘッドに至る部分
を、上記ピンボスとほぼ同じ厚さの厚肉部に鋳造する。
およびピンボスを鋳造して一体成形する場合には、例え
ば、まず、上記ピンボスからピストンヘッドに至る部分
を、上記ピンボスとほぼ同じ厚さの厚肉部に鋳造する。
【0048】次に、上記貫通孔を切削加工するとき、こ
れと同時に、上記ピンボスの上方近傍の上記厚肉部も切
削加工すれば、ピンボスがスカート部の内面から突設さ
れた所望の形状となる。
れと同時に、上記ピンボスの上方近傍の上記厚肉部も切
削加工すれば、ピンボスがスカート部の内面から突設さ
れた所望の形状となる。
【0049】そして、上記したように、ピンボスからピ
ストンヘッドに至る部分を上記ピンボスとほぼ同じ厚さ
の厚肉部とすれば、鋳造時における上記厚肉部の型抜き
が容易となり、つまり、ピストンの成形が容易にできる
こととなる。
ストンヘッドに至る部分を上記ピンボスとほぼ同じ厚さ
の厚肉部とすれば、鋳造時における上記厚肉部の型抜き
が容易となり、つまり、ピストンの成形が容易にできる
こととなる。
【図1】ピストンの正面縦断面図である。
【図2】図1の2‐2線矢視断面図である。
【図3】図1の3‐3線矢視断面図である。
【図4】図1の部分拡大図である。
【図5】傾角と、外径変形量の関係を示すグラフ図であ
る。
る。
1 ピストン 2 軸心 3 ピストンヘッド 4 スカート部 6 ピンボス 9 ピストンピン 10 連接棒 12 貫通孔 13 仮想延長孔 18 厚肉部 20 吸気
Claims (1)
- 【請求項1】 ピストンヘッドと、このピストンヘッド
の外周縁から下方に延びる円筒状のスカート部と、この
スカート部の内面に突設される左右一対のピンボスと、
これらピンボスに支持されるピストンピンとを備えた2
サイクルエンジンのピストンにおいて、 シリンダに形成された掃気ポートに対向する上記スカー
ト部の部分に、このスカート部の内外を連通させる貫通
孔を形成し、上記スカート部の内部に向う上記貫通孔の
仮想延長孔が上記ピンボスの突出端の上方近傍を通るよ
うにした2サイクルエンジンのピストン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14262993A JPH06330813A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 2サイクルエンジンのピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14262993A JPH06330813A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 2サイクルエンジンのピストン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06330813A true JPH06330813A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=15319791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14262993A Pending JPH06330813A (ja) | 1993-05-21 | 1993-05-21 | 2サイクルエンジンのピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06330813A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6883418B1 (en) | 1998-10-22 | 2005-04-26 | Peter Greiner | Carbon piston for an internal combustion engine |
JP2010133341A (ja) * | 2008-12-05 | 2010-06-17 | Honda Motor Co Ltd | ピストン |
CN106194657A (zh) * | 2016-08-29 | 2016-12-07 | 正昌道森集团有限公司 | 一种制冷压缩机用活塞 |
DE102005003061B4 (de) * | 2005-01-22 | 2019-11-21 | Andreas Stihl Ag & Co. Kg | Kolben für einen Zweitaktmotor |
-
1993
- 1993-05-21 JP JP14262993A patent/JPH06330813A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6883418B1 (en) | 1998-10-22 | 2005-04-26 | Peter Greiner | Carbon piston for an internal combustion engine |
DE19848649C5 (de) * | 1998-10-22 | 2008-11-27 | Peter Greiner | Kohlenstoffkolben für eine Brennkraftmaschine |
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US8453559B2 (en) | 2008-12-05 | 2013-06-04 | Honda Motor Co., Ltd. | Piston |
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