JPH06330198A - ダスト中の亜鉛の回収方法 - Google Patents

ダスト中の亜鉛の回収方法

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JPH06330198A
JPH06330198A JP13950893A JP13950893A JPH06330198A JP H06330198 A JPH06330198 A JP H06330198A JP 13950893 A JP13950893 A JP 13950893A JP 13950893 A JP13950893 A JP 13950893A JP H06330198 A JPH06330198 A JP H06330198A
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zinc
dust
pellets
mixture
combustion
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JP13950893A
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English (en)
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Noboru Sakamoto
登 坂本
Naoki Yamamoto
直樹 山本
Katsuhiro Takemoto
克寛 竹元
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜鉛含有ダスト中の亜鉛を高濃度で且つ効率
的に回収し、しかも、還元性の優れた焼成塊成鉱を高歩
留りで製造することができる方法を提供する。 【構成】 亜鉛含有ダストに、炭素質還元剤または希釈
剤、造粒促進剤および結合促進剤を添加混合し、混合物
中の炭素質還元剤の含有量を所定量に調整し、この混合
物を造粒して所定粒径の生ペレットに成形し、生ペレッ
トの表面を所定量の粉コークスで被覆し、粉コークスで
被覆された生ペレットを焼結機で焼成し、生ペレット中
の酸化亜鉛を還元して気体状の金属亜鉛となし、気体亜
鉛を排ガス中で酸化して粉状の酸化亜鉛となし、この酸
化亜鉛を集塵機で回収し、一方、亜鉛を回収した後のペ
レットを塊成鉱に焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ダスト中の亜鉛の回
収方法、特に、製鉄所から発生するダスト中の亜鉛を高
効率で回収するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石やスクラップ等を原料として鉄を
製造している製鉄所においては、その製銑および製鋼過
程において、多量の鉄分を含有する高炉スラグ、転炉ス
ラグ、および、高炉ダスト、転炉ダスト等が発生する。
高炉スラグはセメントの原料等に利用され、そして、転
炉スラグは、埋立て材や路盤材等として利用される。ま
た、ダスト類は、ダスト中に含有されている亜鉛を除去
した後、これを鉄源の一部として高炉内に供給しリサイ
クルしている。
【0003】しかしながら、近時、上述したダストのリ
サイクルを図る上で妨げとなる、ダスト中の亜鉛の増加
および蓄積が回避できない問題となりつつある。製銑お
よび製鋼過程において外部から持ち込まれる主な亜鉛源
は、鉄源としての鉄鉱石および亜鉛メッキ鋼板スクラッ
プである。
【0004】現在、鉄の大量消費国においては、相当量
のスクラップが蓄積されており、今後、地球環境問題を
背景にして、資源のリサイクルを進める観点から、製鉄
所において、鉄源としてのスクラップの使用量は増加せ
ざるを得ない。従って、鉄源中の亜鉛含有量の増加が予
想される。
【0005】製鉄所から発生する全ダスト中に占める高
炉ダストおよび転炉ダストの割合は、60%以上に達す
る。高炉ダストの主成分は炭素および酸化鉄であり、そ
して、転炉ダストの主成分は酸化鉄であり、何れも0.1
〜5 wt.%の亜鉛を含有している。
【0006】このような、亜鉛含有ダストのリサイクル
は、ダスト中から一部の亜鉛を除去した後、これを鉄鉱
石粉と混合して焼結機に供給し焼結鉱となした上、高炉
に装入するか、または、亜鉛含有ダストの少量を焼結原
料中に添加混合し、焼結原料中で亜鉛濃度を低くして使
用することによって行われている。
【0007】ダストを高炉用原料としてリサイクルする
際に、高炉に装入されるダスト中の亜鉛含有量を厳密に
管理することが極めて重要であり、現在、高炉内に装入
されるダスト中の亜鉛含有量は、銑鉄1トン当たり、0.
15〜0.25kgの範囲に管理されている。
【0008】このように高炉に装入されるダスト中の亜
鉛含有量を厳密に管理する理由は、以下の通りである。
即ち、金属亜鉛の融点は420 ℃であり、その沸点は920
℃である。一方、高炉の高さ方向における温度は、炉頂
温度の200 ℃から羽口付近の1550℃(溶銑温度)までの
範囲内に分布している。従って、ダスト中の亜鉛は、酸
化鉄と共に高炉内で還元されて金属亜鉛となる。この金
属亜鉛は、高炉内におけるシャフト上部から約3分の1
の位置の約420 ℃の温度域において溶解し次いでシャフ
ト中央部の約920 ℃の温度域において蒸発し、そして、
炉内の還元ガスと共に高炉内を上昇する。
【0009】このようにして高炉内を上昇するガス状の
金属亜鉛の一部は、高炉ガス、粉化した鉄鉱石およびコ
ークスと共に炉外に排出され、そして、ガス状の金属亜
鉛の他の一部は、高炉内の約420 ℃の位置で、液体また
は固体の状態になって再び析出し、析出した金属亜鉛の
一部は炉壁に付着する。このようにして、金属亜鉛は、
高炉内の420 ℃から920 ℃の位置付近を上下方向に循環
し、その間に金属亜鉛の炉壁への付着が進行する。この
ようにして炉壁に付着しそして成長した金属亜鉛塊は、
炉内の通気性を悪化させるのみならず、成長が進み炉壁
から剥離して落下することによって、炉内にガスの吹き
抜け箇所が生ずる結果、高炉操業の不調を招く虞れがあ
る。上述した理由によって、高炉内に装入されるダスト
中の亜鉛含有量は、厳しく管理されている。
【0010】製鉄所内においては、上述した方法によっ
てダストのリサイクルを行っているが、ダスト中の亜鉛
含有量がスクラップの使用量の増加に伴って高くなる
と、ダスト中から亜鉛を除去するための設備における亜
鉛除去効率が低下する。従って、亜鉛除去設備における
亜鉛除去効率を向上させない限り、ダストの亜鉛除去処
理に対応できなくなり、従って、亜鉛含有ダストの焼結
原料としての利用を制限しなければならなくなる。この
場合には、処理しきれないダストの量が増えて、ダスト
のリサイクルが進まなくなる恐れが生ずる。従って、ダ
スト中の亜鉛を効率良く回収することは、ダストのリサ
イクル化を円滑に行う上において非常に重要な課題であ
る。
【0011】金属精錬原料または金属精錬工程より発生
するダスト等の亜鉛化合物を含有する物質から亜鉛を回
収する方法として、特開昭60-155631 号公報は、下記か
らなる方法を開示している。炭素質物質および亜鉛化合
物を含有する物質を、カルシウム化合物で被覆した後、
焼結装置内に供給し、前記物質の燃焼温度帯域において
局部的に強還元雰囲気を生成することにより、前記物質
中の亜鉛化合物を金属化しそして蒸発せしめ、前記物質
から分離した後、強酸化性雰囲気のもとで蒸気状亜鉛の
酸化により亜鉛酸化物を生成させ、その状態で前記焼結
装置から排出することを特徴とする亜鉛化合物を含有す
る物質から亜鉛を回収する方法(以下、先行技術とい
う)。
【0012】図10は、先行技術を示す工程図である。図
10に示すように、亜鉛含有ダストは混練機21に送られ、
混練機21において、炭素質還元剤および低亜鉛含鉄物質
が添加され、炭素および亜鉛の含有量が調整される。炭
素および亜鉛の含有量が調整されたダストは、団鉱機22
において団鉱物に形成される。得られた団鉱物の表面
を、別の団鉱機23においてカルシウム化合物によって被
覆する。次いで、その表面がカルシウム化合物によって
被覆された団鉱物27は、焼結機24に送られそして焼結機
24における焼結原料25と床敷き鉱26との間に層状に供給
される。
【0013】焼結機24に供給された焼結原料は、まず点
火炉28によってその上面に点火され、その後、焼結機上
を移動する間に加熱され、最下層の燃焼が完了した後、
焼結鉱となり焼結機から搬出される。そのために、焼結
原料の最下層に装入された亜鉛含有団鉱物の充填層の燃
焼は、排鉱側に近いところで生ずる。亜鉛含有団鉱物が
燃焼を開始すると、団鉱物中の酸化亜鉛は還元され、金
属亜鉛となって蒸発する。蒸発した金属亜鉛は酸化され
て再び酸化亜鉛となり、焼結過程で発生したダストと共
に集塵機29に導かれる。この際、亜鉛含有団鉱物の充填
層が燃焼しているときの排ガスを、そのとき以前の他の
排ガスと分離して集塵することによって、亜鉛濃度の高
いダストを選択的に捕集することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術は、次のような問題を有している。 (1) その表面がカルシウム化合物によって被覆された団
鉱物のカルシウム化合物層の内側は、還元雰囲気になる
ために、団鉱物は強還元性になる。しかしながら、団鉱
物から蒸発した金属亜鉛が酸化性雰囲気中で酸化されて
酸化亜鉛になると、その酸化亜鉛の一部は、団鉱物のカ
ルシウム化合物層の表面に再び付着し、その後生成する
CaO に富む融液に取り込まれて、焼結体内に固定され
る。従って、先行技術によっては、十分な脱亜鉛効果が
得られない。
【0015】(2) 団鉱物の表面を被覆するカルシウム化
合物および団鉱物自体が粉化し、そして、これらが焼成
中に一部剥離して飛散するために、排ガスと共に集塵機
に回収されるダスト中の亜鉛含有量が相対的に低下する
結果、先行技術によっては、亜鉛を高濃度に回収するこ
とが難しい。
【0016】(3) 団鉱化せずにダストのみを塊成化する
際には、焼結体の嵩密度が小さく、鉄鉱石の塊成化物の
ような強度が得られない問題のあることがわかってい
る。しかしながら、先行技術においては、脱亜鉛効率の
向上のみを主目的としており、上述した問題を解決し、
強度の向上ひいては焼結生産歩留りを向上させるため
に、焼結機に装入する前の造粒段階において、塊成鉱と
して適切な焼結組織が得られるような配慮がなされてい
ない。
【0017】即ち、先行技術においては、炭素質物質お
よび亜鉛化合物を含有する物質の団鉱物に、カルシウム
化合物の被覆層を形成した構成になっている。従って、
焼成によって、団鉱物の外殻は溶融しそして生成したCa
O に富む融液の作用により、いわゆる溶融型焼結組織が
形成される。このような溶融型焼結組織は、融液の凝固
したカルシウムフェライト層が言わばバインダーとな
り、これによって、弱い内殻を結合した組織である。従
って、焼結機の排鉱部から排出されそして破砕される過
程において、弱い内殻部分に亀裂が発生し、全体として
小粒径に砕かれる結果、粉の発生が多く、塊成鉱の生産
歩留りが低い。
【0018】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、亜鉛含有ダスト中の亜鉛を、高濃度で且つ効
率的に回収することができ、しかも、還元性の優れた焼
成塊成鉱を高歩留りで製造することができる、ダスト中
の亜鉛の回収方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、亜鉛含有
ダスト中の亜鉛を、高濃度且つ高率で回収し、しかも、
還元性の優れた焼成塊成鉱を高歩留りで製造することが
できる方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、
次の知見を得た。即ち、亜鉛含有ダストに、炭素質還元
剤または希釈剤と、造粒促進剤とそして結合促進剤とを
添加、混合し、混合物中の炭素質還元剤の含有量を所定
範囲内に調整した後、この混合物を造粒して小粒径の生
ペレットに成形し、次いで、生ペレットの表面を、所定
量の粉コークスで被覆し、このように粉コークスで被覆
された生ペレットを、無端移動グレート式焼結機におい
て焼成すれば、混合物中の酸化亜鉛および/または亜鉛
は、気体状の金属亜鉛となり、そして、気体状の金属亜
鉛は排ガス中において酸化されて粉状の酸化亜鉛にな
る。このようにして生成した酸化亜鉛を排ガス中のダス
トと共に集塵機によって回収すれば、亜鉛含有ダスト中
の亜鉛を高濃度で且つ効率的に回収することができ、し
かも、還元性の優れた焼成塊成鉱を高歩留りで製造する
ことができる。
【0020】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、この発明の方法は、酸化鉄および/また
は鉄を主成分とし、そして、酸化亜鉛および/または亜
鉛を含有する亜鉛含有ダストに、炭素質還元剤(亜鉛含
有ダストが過剰の炭素源を含有している場合には希釈
剤)、造粒促進剤および結合促進剤を添加しそして混合
し、得られた混合物の総量に対し、混合物中の炭素質還
元剤の含有量が5〜20wt.%、造粒促進剤の含有量が5〜
25wt.%、そして、結合促進剤の含有量が2〜15wt.%にな
るように、前記炭素質還元剤、前記造粒促進剤および前
記結合促進剤の添加量を調整し、このようにして得られ
た混合物を3〜15mmの粒径の生ペレットに成形し、次い
で、前記生ペレットの表面を、前記混合物の総量に対し
て0.2 〜5wt.%の量の粉コークスで被覆し、次いで、そ
の表面が粉コークスで被覆された前記生ペレットを、点
火帯および前記点火帯に続く焼成帯を順次通過する無端
移動グレートからなる無端移動グレート式焼結機の前記
無端移動グレートの入側上に供給し、前記生ペレットに
よって無端移動グレート上に形成された充填層の上部
に、前記点火帯において燃焼用ガスを供給し、そして、
前記燃焼用ガスを、前記充填層の下部に向けて吸引しな
がら、前記生ペレットを、前記無端移動グレート式焼結
機の排鉱部に向けて連続的に通過させ、前記充填層中の
燃焼帯において、前記生ペレットの表面に被覆された粉
コークスおよび前記混合物の燃焼によって生じた燃焼熱
により、前記生ペレットを加熱して焼成し、前記焼成の
前期において、前記生ペレット内に強還元性雰囲気を生
成せしめ、前記混合物中に含有されている酸化亜鉛およ
び/または亜鉛を、前記酸化亜鉛の還元、気化、および
/または、前記亜鉛の気化によって、気体状の金属亜鉛
となし、次いで、前記気体状の金属亜鉛を、燃焼によっ
て生じその後温度が低下した燃焼排ガス中において酸化
させて粉状の酸化亜鉛となし、このようにして生成した
粉状の酸化亜鉛を、集塵機によって排ガス中のダストと
共に高効率で回収し、一方、前記亜鉛が気化した後の焼
成の後期において、前記充填層中の燃焼帯で前記生ペレ
ットの原型を保ちつつ、ペレット相互間に前記ペレット
の表面物質の拡散による接合のネットワークを生ぜし
め、かくして、高強度で被還元性に優れた塊成鉱に焼成
することに特徴を有するものである。
【0021】
【作用】この発明においては、亜鉛含有ダストに、炭素
質還元剤または希釈剤と、造粒促進剤とそして結合促進
剤とを添加して、混合物を形成する。炭素質還元剤は、
第1に、生ペレットの焼成過程の前期即ちC0濃度が高い
期間において、生ペレットの内部に還元性雰囲気を生成
させ、生ペレット内部にある酸化亜鉛を還元して金属亜
鉛となし、且つ、この金属亜鉛を気体化するための、還
元性ガスおよび熱を供給する作用を有しており、そし
て、第2に、亜鉛が気化した後の焼成後期即ちC0濃度が
低い期間において、生ペレットの表面に被覆された粉コ
ークスと共に、焼成塊成鉱を形成するために必要な熱を
供給する作用を有している。
【0022】混合物中の炭素質還元剤の含有量は、5か
ら20wt.%の範囲内に限定すべきである。混合物中の炭素
質還元剤の含有量が20wt.%を超えると、焼成時に焼結機
の充填層内における熱の供給が過剰になるために、ペレ
ット内部の温度が高くなり過ぎて、ペレットが原型を止
めないまでに溶融する。その結果、焼結充填層内の通気
性が阻害されて焼成不良の箇所が生じ、全体として溶融
部分と焼成不良部分とが混在するいわゆるむら焼けが発
生する問題が生ずる。一方、混合物中の炭素質還元剤の
含有量が5wt.%未満では、脱亜鉛効率が低く、亜鉛含有
ダスト中の亜鉛を高濃度で且つ高効率で回収することが
できない。
【0023】表1に、亜鉛含有ダストとしての高炉微粒
ダストフィルターケーキおよび転炉微粒ダストフィルタ
ーケーキの成分組成の一例を示す。
【0024】
【表1】
(wt.%)
【0025】表1から明らかなように、炭素質分が、高
炉微粒ダストには25.0wt.%含有されているのに対し転炉
微粒ダストには1.0 wt.%しか含有されていない。
【0026】図3に、高炉微粒ダストおよび転炉微粒ダ
ストの粒度分布を示す。図3から明らかなように、高炉
微粒ダストの累積 50%粒径R50は約20μm であり、そし
て、転炉微粒ダストの累積 50%粒径R50は約7μm であ
って、何れも、非常に細かい微粒子からなっている。
【0027】従って、亜鉛含有ダストとして転炉微粒ダ
ストを処理する場合には、混合物中の炭素質還元剤の含
有量が5から20wt.%の範囲内になるように、炭素質還元
剤を添加することが必要である。炭素質還元剤として
は、石炭微粉、コークス粉、高炉ダスト等が使用され
る。高炉ダストは、上述したように、それ自体亜鉛含有
ダストであるが、ダスト中に炭素質分として10〜40wt.%
のコークス微粉を含有しているので、炭素質還元剤とし
ても使用される。このような炭素質還元剤と亜鉛含有ダ
ストとは、十分に混合し、両者が均一に混合された混合
物とすことが、脱亜鉛効率を向上させる上において必要
である。
【0028】一方、亜鉛含有ダストとして高炉微粒ダス
トを処理する場合には、上述したように過剰に炭素質分
が含有されているので、混合物中の炭素質還元剤の含有
量が5から20wt.%の範囲内になるように、前記混合物に
希釈剤を添加することが必要である。希釈剤としては、
製銑工場、製鋼工場、製鉄工場等における建屋の環境集
塵設備から発生する環境集塵乾ダスト、各種設備に付属
する発生ダストの捕集装置および分級装置等から排出さ
れる炭素源を多く含まないダストを使用することができ
る。
【0029】造粒促進剤としては、例えば、粉鉱石、砂
鉄、ミルスケール等のような粒径および嵩比重の大きい
物質が使用される。このような造粒促進剤は、これを粒
径および嵩比重の小さいダストに添加することによっ
て、ダストの造粒性を改善し、生ペレットの製造を容易
となし、焼成後のペレットの強度を高め、そして、焼成
塊成鉱の生産歩留りを向上させる作用を有している。
【0030】混合物中の造粒促進剤の含有量は、5から
25wt.%の範囲内に限定すべきである。造粒促進剤の含有
量が25wt.%を超えると、ダストを含めた処理量が増加
し、且つ、炭素質還元剤および被覆用コークスの使用量
も増加する結果、処理コストが上昇する。一方、造粒促
進剤の含有量が5wt.%未満では、上述した作用に所望の
効果が得られない。
【0031】結合促進剤は、亜鉛含有ダスト、炭素質還
元剤または希釈剤および造粒促進剤の粒子間にあって、
粒子同士の結合を強固にすることによって、生ペレット
の製造を容易となし、そして、生ペレットの強度を大と
なしてその崩壊を防止し、且つ、焼成時に生ずる生ペレ
ットの粉化およびその表面の剥離を防止する作用を有し
ている。
【0032】混合物中の結合促進剤の含有量は、2から
15wt.%の範囲内に限定すべきである。結合促進剤の含有
量が15wt.%を超えても、それ以上の強度向上効果は得ら
れず、結合促進剤が無駄になり、しかも、混合物中に占
める脈石成分が多くなる上、ダストを含めた処理量が増
加し、且つ、炭素質還元剤および被覆用コークスの使用
量も増加する結果、処理コストが上昇する。一方、結合
促進剤の含有量が2wt.%未満では、造粒後の生ペレット
の強度が不十分になるため、ハンドリングの過程におい
て崩壊しやすくなり、且つ、焼成時に生ずる生ペレット
の粉化およびその表面の剥離を防止することができなく
なる。
【0033】混合物を造粒して得られた生ペレットの粒
径は、3から15mmの範囲内に限定すべきである。生ペレ
ットの粒径が3mm未満では、焼結機のペレット充填層に
おける通気性が悪化して焼成不良が生じ、十分な亜鉛除
去を行うことができない。一方生ペレットの粒径が15mm
を超えると、焼成時における生ペレット内部への熱伝達
が遅れて、生ペレット内に還元雰囲気を十分に形成する
ことができないため、同じく十分な亜鉛除去を行うこと
ができない。
【0034】生ペレット表面に被覆された粉コークス
は、次のような作用を有している。即ち、焼成の前期に
おいて、生ペレット内における強還元性雰囲気中で生成
しそして被覆層から蒸発した気体状の金属亜鉛(以下、
気体亜鉛という)は、燃焼排ガス中において酸化されて
粉状の酸化亜鉛になり、この酸化亜鉛が生ペレットの表
面上に付着する。生ペレットの表面上に被覆されている
粉コークスは、上記付着した酸化亜鉛を、再び還元させ
て気体亜鉛となし、生ペレット中に残留する亜鉛を極め
て少なくなして、生ペレットからの脱亜鉛効率を向上さ
せる。
【0035】更に、焼成後期において、ペレット表層部
に粉コークスの燃焼熱を与え、これによって、生ペレッ
トの原型を保ちつつ、焼成ペレット相互間に、焼成ペレ
ットの表面物質の拡散による接合のネットワークを生ぜ
しめ、塊成鉱全体としての強度を向上させる。
【0036】生ペレットの表面を被覆する粉コークスの
量は、混合物の総量に対して0.2 から5wt.%の範囲内に
限定すべきである。粉コークスの量が、混合物の総量に
対して0.2 wt.%未満では、上述した作用に所望の効果が
得られない。一方、粉コークスの量が、混合物の総量に
対して5wt.%を超えると、焼成時における熱の供給が過
剰になり、生ペレット内部の温度が高くなり過ぎて、生
ペレットが原型を止めないまでに溶融する。その結果、
生ペレットの原型を保ちつつ、焼成ペレット相互間に、
ペレットの表面物質の拡散による接合のネットワークを
生じさせることができず、従って、被還元性の優れた塊
成鉱を製造することができなくなる。更に、生ペレット
が原型を止めないまで溶融することによって、焼結充填
層内の通気性が阻害される。その結果、焼成不良の箇所
が形成され、全体として、溶融部分と焼成不良部分とが
混在する、むら焼けが発生する。
【0037】上述したように、生ペレットの表面に、混
合物の総量に対して0.2 から5wt.%の範囲内の量の粉コ
ークスを被覆することによって、焼成の前期において、
生ペレットから蒸発した気体亜鉛が酸化されて生じた粉
状の酸化亜鉛が生ペレットの表面上に付着しても、付着
した酸化亜鉛は、再び還元されて気体亜鉛になるため
に、生ペレットの脱亜鉛効率を高めることができる。従
って、先行技術のような、上記酸化亜鉛が、団鉱物のカ
ルシウム化合物層の表面に付着して、脱亜鉛効率が低下
するという問題は解消する。
【0038】更に、生ペレットの表面が粉コークスによ
って被覆されているので、被覆されている粉コークスの
主成分である、約95wt.%の量のカーボンおよび揮発・燃
焼性の炭化水素成分は、焼結過程においてすべてガス化
される。従って、先行技術のような、焼結過程におい
て、カルシウム化合物の被覆物の一部が分離して飛散す
ることにより、集塵機において、排ガスと共に回収され
るダスト中の亜鉛成分の含有量が相対的に低下するとい
うような問題は生じない。
【0039】この発明においては、粒径および嵩比重の
小さいダストに、粉鉱石、砂鉄、ミルスケール等のよう
な粒径および嵩比重の大きい造粒促進剤が添加されてい
ることによって、焼成後におけるペレット粒子1つ1つ
の強度向上が図られている。そして、焼成後期におい
て、生ペレット表面に被覆された粉コークスの燃焼熱に
より、生ペレットの原型を保ちつつ、焼成ペレット相互
間にペレットの表面物質の拡散による接合のネットワー
クが形成されている。
【0040】従って、塊成化物全体の強度が向上し、焼
結機から排出された塊成化物の破砕工程においては、焼
成ペレット相互間の接合点で切断され、原型が保たれた
焼成ペレットを最小単位として破砕されるので、微粉の
発生が極めて少ない。
【0041】焼結機から排出され次いで破砕された焼成
塊成鉱は、篩いによって所定粒度に選別されるが、その
際、製品として高炉に装入する篩上の部分と、返し鉱と
して焼結用原料に再利用される篩下の部分とに選別する
篩目の大きさは、通常4〜5mmφに選ばれている。この
発明の場合には、破砕後の焼成塊成鉱は、複数個の焼成
ペレットが結合した十分な大きさを有する塊となるため
に、篩下となる部分の発生が極めて少ない。このよう
に、微粉の発生および篩下の部分の発生が極めて少ない
ために、焼成塊成鉱を高歩留りで製造することができ
る。その結果、先行技術のような、融液の凝固したカル
シウムフェライト層が言わばバインダーとなって、弱い
内殻を結合した組織になり、塊成化物の破砕工程におい
て、弱い内殻部分に亀裂が発生し、全体として小粒径に
砕かれて微粉の発生が多く、従って、焼成塊成鉱の生産
歩留りが低いという問題は解消する。
【0042】更に、生ペレットの原型を保ちつつ、焼成
ペレット相互間に焼成ペレットの表面物質の拡散による
接合のネットワークが形成されていることによって、塊
成化物を構成する1つ1つの焼成ペレットに対する、高
炉内における還元ガスとの熱交換、および、塊成鉱内部
への還元ガスの拡散が容易に行われる結果、被還元性の
優れた焼成塊成鉱が得られる。
【0043】図1は、この発明の方法を実施するための
装置の一例を示す概略工程図である。図1に示すよう
に、貯槽1には亜鉛含有ダストが貯蔵されており、貯槽
2には炭素質還元剤が貯蔵されており、貯槽3には造粒
促進剤が貯蔵されており、そして、貯槽4には結合促進
剤が貯蔵されている。貯槽1から排出された所定量の亜
鉛含有ダストと、貯槽2から排出された所定量の炭素質
還元剤と、貯槽3から排出された所定量の造粒促進剤
と、そして、貯槽4から排出された所定量の結合促進剤
とをミキサー5に供給し、ミキサー5によって十分に混
合し、混合物を形成する。
【0044】ミキサー5によって形成された混合物を、
ディスク型の第1ペレタイザー6に供給し、第1ペレタ
イザー6によって、3から15mmの粒径の生ペレットに成
形する。成形された生ペレットは、ディスク型の第2ペ
レタイザー7に供給する。
【0045】貯槽8には、生ペレットの表面を被覆する
ための粉コークスが貯蔵されている。貯槽8から排出さ
れた所定量の粉コークスを第2ペレタイザー7に供給
し、第2ペレタイザー7によって、生ペレットの表面を
粉コークスによって被覆する。上述したようにして、粉
コークスによってその表面が被覆された生ペレットを、
ホッパ9を経て、無端移動グレート式焼結機11に供給す
る。
【0046】無端移動グレート式焼結機11は、1対のプ
ーリ13a,13b によって移動する無端移動グレート12と、
無端移動グレート12上に供給された生ペレットの表面上
の粉コークスに添加するための、点火帯に設けられた点
火炉14と、無端移動グレート12の下方に設けられた複数
個の風箱15とからなっている。10は、無端移動グレート
12上に供給される床敷き鉱を貯蔵するためのホッパであ
る。
【0047】粉コークスによってその表面が被覆された
生ペレットAを、無端移動グレート12上の床敷き鉱の上
に層状に供給して充填層を形成する。次いで、点火帯に
設けられた点火炉14によって、生ペレットAの表面上の
粉コークスに点火した後、無端移動グレート12の充填層
の上部から燃焼用ガスを供給しながら、無端移動グレー
ト12上に乗って点火帯から焼成帯を通って、排鉱部まで
通過させる。
【0048】この間に、生ペレットの表面に被覆された
粉コークスおよび混合物中の炭素質還元剤の燃焼による
燃焼熱によって、充填層内の燃焼帯における生ペレット
は加熱される。上述した、粉コークスおよび混合物中の
炭素質還元剤の燃焼によって生じた燃焼排ガスは、ブロ
ワ18によって、焼成帯内の生ペレットA層、複数個の風
箱15、導管16および集塵機17を通って吸引される。
【0049】このような、生ペレットの表面に被覆され
た粉コークスおよび混合物中の炭素質還元剤の燃焼によ
り生じた燃焼熱で生ペレットを加熱することにより、焼
成の前期において、強還元性雰囲気が生成され、混合物
中に含有されている酸化亜鉛の還元と気化、および/ま
たは、亜鉛の気化が行われ気体亜鉛が生成する。
【0050】このようにして生成した気体亜鉛は、燃焼
によって生じ下方に設けられた複数個の風箱15によって
吸引される間に温度が低下した排ガス中において、酸化
されて、再び粉状の酸化亜鉛になる。このようにして生
成した粉状の酸化亜鉛は、燃焼排ガスの気流に乗って、
排ガス中のダストと共に、ブロワ18により、焼成帯内の
生ペレットA層、複数個の風箱15、導管16および集塵機
17を通って吸引され、その間に集塵機17によって回収さ
れる。
【0051】一方、生ペレットAは、亜鉛が気化した後
の焼成後期において、充填層内の燃焼帯において、その
原型を保ちつつ、ペレット相互間にペレット表面物質の
拡散による接合のネットワークが形成された塊成鉱に焼
成される。このようにして焼成された焼成鉱の大きい板
状の塊は、無端移動グレート12の下流端から排出され、
そして、図示しないクラッシャーによって破砕され、焼
成塊成鉱Bになる。
【0052】図2は、この発明の方法によって製造され
た焼成塊成鉱の概略図である。図2に示すように、この
発明の方法によって製造された焼成塊成鉱Bは、複数個
の焼成ペレットが、生ペレットの原型を保ちつつペレッ
ト相互間にペレット表面物質の拡散による接合のネット
ワークを形成して塊に結合した、不規則な形状を有して
いる。従って、これを高炉内に装入したときに、塊成化
物を構成する1つ1つのペレットに対する、還元ガスと
の熱交換、および、ペレット内部への還元ガスの拡散が
容易なるので、優れた被還元性が発揮される。
【0053】
【実施例】次に、この発明の方法を、実施例によって比
較例と共に更に詳細に説明する。 実施例1 図1に示した装置を使用し、ダストとして、表1に示し
た成分組成を有し、図3に示した粒度分布を有する高炉
微粒ダストフィルターケーキから、表2に示すこの発明
の範囲内の方法(以下、「本発明法」という)No. 1か
ら3に従って、亜鉛を回収した。なお、希釈剤として転
炉微粒ダストフィルターケーキを使用し、造粒促進剤と
してミルスケールと粉鉱石との混合物(ミルスケール
1:粉鉱石1)を使用し、そして、結合促進剤として生
石灰を使用した。表2において、原料粉の欄中の、炭素
質還元剤および希釈剤の含有量は、ダスト100 wt.%に対
する量であり、混合物の欄中の、造粒促進剤、結合促進
剤および炭素質還元剤の含有量は、混合物100 wt.%に対
する量であり、そして、コークス被覆生ペレットの欄中
の、被覆コークス量は、混合物100 wt.%に対する量であ
る。
【0054】
【表2】
【0055】表2から明らかなように、本発明法No. 1
においては、高炉微粒ダストに対し、ダスト中に含有さ
れている過剰の炭素質分を希釈するための希釈剤と、造
粒促進剤および結合促進剤とを添加して、混合物中に含
有されている炭素質還元剤の量が本発明の範囲内である
16.3wt.%に、造粒促進剤の量が同じく10wt.%にそして結
合促進剤の量が同じく5wt.%になるように調整した。次
いで、得られた混合物を、本発明の範囲内の8mmの粒径
の生ペレットに造粒し、その表面に本発明の範囲内の2
wt.%の量の粉コークスを被覆した。同様にして、本発明
法No. 2およびNo. 3においても、混合物中に含有され
ている炭素質還元剤、造粒促進剤および結合促進剤の量
が本発明の範囲内になるように調整し、そして、本発明
の範囲内の生ペレットに造粒した後、その表面に本発明
の範囲内の量の粉コークスを被覆した。
【0056】比較のために、炭素質還元剤の含有量、造
粒促進剤の含有量、結合促進剤の含有量、被覆コークス
量および生ペレットの粒径の少なくとも1つがこの発明
の範囲外である、表2に併せて示す方法(以下、「比較
法」という)No. 1から9に従って、亜鉛を回収した。
【0057】上述した本発明法No. 1〜3および比較法
No. 1〜9に従って、高炉微粒ダスト中から亜鉛を回収
したときの、脱亜鉛効率、排ガスダスト中の酸化亜鉛含
有率および焼成塊成鉱の焼成歩留りを下記によって調べ
た。その調査結果を表3に示す。
【0058】(1) 脱亜鉛効率(%):無端移動グレート
式焼結機に装入される前の生ペレット試料と、そして、
排鉱部から排出され破砕機によって破砕された後、篩分
機で篩分けられる前の焼成ペレット試料とを採取し、こ
れらの試料の分析に基づいて、下記式(数1)により算
出した。
【0059】
【数1】
【0060】(2) 排ガス中の酸化亜鉛含有率(%):図
1に示した装置の排ガス導管16から採取された排ガスを
分析して求めた。 (3) 焼成塊成鉱の焼成歩留り(%):焼結機から排出さ
れ次いで破砕された焼成塊成鉱を、製品として高炉に装
入する篩上の部分と、返し鉱として焼結用原料に再利用
する篩下部分に選別する篩における、篩上の発生量の割
合として求めた。
【0061】
【表3】
【0062】表2および表3から明らかなように、高炉
微粒ダストに希釈剤を添加せず、逆に炭素質還元剤を添
加して、混合物中の炭素質還元剤の含有量が本発明の範
囲を超えて多い比較法No. 1の場合には、脱亜鉛効率、
排ガス中の酸化亜鉛含有率および焼成歩留りが何れも悪
かった。
【0063】その理由は、次の通りである。即ち、混合
物中に炭素質還元剤が過剰に含有されている結果、焼結
過程において熱過剰になり、焼結機内における装入物の
領域の一部は溶融して溶け落ち、そこに空洞が生成す
る。この空洞は、燃焼用ガスが容易に通過できる、圧力
損失の少ないガス通路になるが、その一方、装入物中に
は、ガスが流れにくい領域が生ずる。このようなガスの
偏流のために、焼結充填層全体としては、溶融領域と未
焼成領域とが生ずる結果、脱亜鉛効率および焼成歩留り
が低下する。更に、未焼成部分においては、焼結はしな
いが、加熱により含有水分が無くなって、粉化および剥
離が生成しやすくなり、排ガス中のダスト濃度が上昇す
る結果、排ガス中の酸化亜鉛含有率が低下する。
【0064】生ペレットに対する粉コークスの被覆量が
本発明の範囲を外れて少ない比較法No. 2、および、生
ペレットに対する粉コークスの被覆量が本発明の範囲を
超えて多い比較法No. 3の場合においては、脱亜鉛効
率、排ガス中の酸化亜鉛含有率および焼成歩留りが、比
較法中では良いものの、本発明法に比べれば悪かった。
【0065】その理由は、次の通りである。即ち、生ペ
レットに対する粉コークスの被覆量が本発明の範囲を外
れて少ない比較法No. 2の場合には、再酸化によって生
成した酸化亜鉛が生ペレットの表面に付着したまま、焼
成後期の焼結化過程において塊成鉱中に固定されるた
め、相対的に排ガスダスト中の亜鉛含有量が低下する。
更に、粉コークスの被覆量が少ないために、ペレット相
互間に、接合のネットワークが形成できないために、生
ペレットが、ばらばらの状態で焼成される結果、焼成歩
留りが低下する。そして、生ペレットに対する粉コーク
スの被覆量が本発明の範囲を超えて多い比較法No. 3の
場合には、焼結層全体が熱過剰になって、溶融領域と未
焼成領域とが生ずる結果、比較法No. 1と同様に、脱亜
鉛効率および焼成歩留りが低下する。更に、焼成ペレッ
ト相互間に、接合のネットワークが十分に形成されない
ために、焼成歩留りが低下する。
【0066】生ペレットの粒径が本発明の範囲を超えて
大きい比較法No. 4、および、生ペレットの粒径が本発
明の範囲を外れて小さい比較法No. 5の場合において
も、脱亜鉛効率、排ガス中の酸化亜鉛含有率および焼成
歩留りが何れも悪かった。
【0067】その理由は、次の通りである。即ち、生ペ
レットの粒径が本発明の範囲を超えて大きい比較法No.
4の場合には、生ペレット表面の被覆コークスの燃焼に
よって生じた熱が、ペレットの中心部まで伝達されにく
いために、還元反応が十分に進行せず、脱亜鉛効率およ
び排ガス中の酸化亜鉛含有率が低下し、更に、生ペレッ
トの焼成が不十分になる結果、その強度が低下する。そ
して、生ペレットの粒径が本発明の範囲を外れて小さい
比較法No. 5の場合には、焼結充填層の通気性が阻害さ
れて、適正な焼成領域のほかに未焼成領域が生成し、且
つ、ペレット強度が低下する結果、脱亜鉛効率、排ガス
中の酸化亜鉛含有量および焼成歩留りが低下する。
【0068】混合物中に造粒促進剤が含有されていない
比較法No. 6、結合促進剤が含有されていない比較法N
o. 7、造粒促進剤および結合促進剤が共に含有されて
いない比較法No. 8、および、同じく造粒促進剤および
結合促進剤が共に含有されておらず、しかも、混合物中
の炭素質含有量が本発明の範囲を超えて多い比較法No.
9の場合においても、脱亜鉛効率、排ガス中の酸化亜鉛
含有率および焼成歩留りが何れも悪かった。
【0069】その理由は、次の通りである。即ち、混合
物中に造粒促進剤が含有されていない比較法No. 6の場
合には、混合物の造粒性が悪くなるために、造粒された
生ペレットの粒径が本発明の範囲を外れて小さくなり、
その結果、比較法No. 5の場合と同様に、焼結充填層の
通気性が阻害されて、適正な焼成領域のほかに未焼成領
域が生成し、且つ、ペレット強度が低下する結果、脱亜
鉛効率、排ガス中の酸化亜鉛含有量および焼成歩留りが
低下する。そして、混合物中に結合促進剤が含有されて
いない比較法No. 7の場合には、造粒された生ペレット
に崩壊が生じて、造粒性が悪くなるために、比較法No.
6と同じ問題が生ずる。
【0070】造粒促進剤および結合促進剤が共に含有さ
れていない比較法No. 8の場合には、造粒性を向上さ
せ、且つ、崩壊を抑制することができないために、造粒
された生ペレットの粒径が本発明の範囲を外れて更に小
さくなり、その結果、焼結充填層の通気性が阻害され
て、適正な焼成領域のほかに未焼成領域が生成し、且
つ、ペレット強度が低下する結果、脱亜鉛効率、排ガス
中の酸化亜鉛含有量および焼成歩留りが一段と低下す
る。そして、造粒促進剤および結合促進剤が共に含有さ
れておらず、しかも、混合物中の炭素質含有量が本発明
の範囲を超えて多い比較法No. 9の場合には、脱亜鉛効
率、排ガス中の酸化亜鉛含有量および焼成歩留りが最も
悪い。
【0071】これに対し、本発明法No. 1〜3の場合に
は、脱亜鉛効率、排ガス中の酸化亜鉛含有率および焼成
歩留りの全てにおいて優れていた。
【0072】上述した本発明法No. 1〜3および比較法
No. 1〜9の脱亜鉛効率を図4にグラフで示し、その排
ガス中の酸化亜鉛含有率を図5にグラフで示し、そし
て、その焼成歩留りを図6にグラフで示した。図4、図
5および図6から、本発明法No. 1〜3の場合の脱亜鉛
効率、排ガス中の酸化亜鉛含有量および焼成歩留りは、
比較法No. 1〜9に比較して顕著に優れていることが明
らかである。
【0073】実施例2 図1に示した装置を使用し、ダストとして、表1に示し
た成分組成を有し、図3に示した粒度分布を有する転炉
微粒ダストフィルターケーキから、表4に示す本発明法
No. 4から6に従って、亜鉛を回収した。なお、炭素質
還元剤として、CDQ微粒粉コークスを使用し、造粒促
進剤としてミルスケールと粉鉱石との混合物(ミルスケ
ール1:粉鉱石1)を使用し、そして、結合促進剤とし
て生石灰を使用した。表4において、原料粉の欄中の、
炭素質還元剤および希釈剤の含有量は、ダスト100 wt.%
に対する量であり、混合物の欄中の、造粒促進剤、結合
促進剤および炭素質還元剤の含有量は、混合物100 wt.%
に対する量であり、そして、コークス被覆生ペレットの
欄中の、被覆コークス量は、混合物100 wt.%に対する量
である。
【0074】
【表4】
【0075】表4から明らかなように、本発明法No. 4
においては、転炉微粒ダストに対し、炭素質還元剤と、
造粒促進剤および結合促進剤とを添加して、混合物中に
含有されている炭素質還元剤の量が本発明の範囲内であ
る11.3wt.%に、造粒促進剤の量が同じく12wt.%にそして
結合促進剤の量が同じく7wt.%になるように調整した。
次いで、得られた混合物を、本発明の範囲内の8mmの粒
径の生ペレットに造粒し、その表面に本発明の範囲内の
2wt.%の量の粉コークスを被覆した。同様にして、本発
明法No. 5およびNo. 6においても、混合物中に含有さ
れている炭素質還元剤、造粒促進剤および結合促進剤の
量が本発明の範囲内になるように調整し、そして、本発
明の範囲内の生ペレットに造粒した後、その表面に本発
明の範囲内の量の粉コークスを被覆した。
【0076】比較のために、炭素質還元剤の含有量、造
粒促進剤の含有量、結合促進剤の含有量、被覆コークス
量および生ペレットの粒径の少なくとも1つがこの発明
の範囲外である、表4に併せて示す比較法No. 10から20
に従って、亜鉛を回収した。
【0077】上述した本発明法No. 4〜6および比較法
No.10 〜20に従って、転炉微粒ダスト中から亜鉛を回収
したときの、脱亜鉛効率、排ガスダスト中の酸化亜鉛含
有率および塊成鉱の焼成歩留りを、実施例1と同様の方
法によって調べた。その調査結果を表5に示す。
【0078】
【表5】
【0079】表4および表5から明らかなように、比較
法No.10 は、ダスト中に過剰に炭素質還元剤が含有され
ているために、混合物中の炭素質還元剤の含有量が本発
明の範囲を超えて多い場合であり、比較法No.11 は、生
ペレットの表面を被覆する粉コークス量が本発明の範囲
を外れて少ない場合であり、比較法No.12 は、上記粉コ
ークス量が本発明の範囲を超えて多い場合であり、比較
法No.13 は、生ペレットの粒径が本発明の範囲を超えて
大きい場合であり、そして、比較法No.14 は、生ペレッ
トの粒径が本発明の範囲を外れて小さい場合である。
【0080】比較法No.15 は、混合物中に造粒促進剤が
含有されていない場合であり、比較法No.16 は、混合物
中に結合促進剤が含有されていない場合であり、比較法
No.17 は、混合物中に造粒促進剤および結合促進剤が含
有されていない場合である。比較法No.18 は、混合物中
に造粒促進剤および結合促進剤が含有されておらず、且
つ、炭素質還元剤の含有量が本発明の範囲を外れて少な
い場合であり、比較法No.19 は、混合物中に造粒促進剤
および結合促進剤が含有されておらず、且つ、炭素質還
元剤の含有量が本発明の範囲を超えて多い場合であり、
そして、比較法No.20 は、ダスト中に炭素質還元剤が含
有されていても、その量が少ないために、混合物中の炭
素質還元剤の含有量が本発明の範囲を外れて少ない場合
である。
【0081】比較法No.10 〜19の場合においては、実施
例1と同様の理由により、何れも、脱亜鉛効率、排ガス
中の酸化亜鉛含有率および焼成歩留りが低かった。そし
て、比較法No.20 の場合においては、炭素質還元剤の量
が4wt.%であって、本発明の範囲を外れて少ないため
に、脱亜鉛効率および排ガス中の酸化亜鉛含有率が悪か
った。これに対し、本発明法No. 4〜6の場合には、脱
亜鉛効率、排ガス中の酸化亜鉛含有率および焼成歩留り
の全てにおいて優れていた。
【0082】上述した本発明法No. 4〜6および比較法
No.10 〜20の脱亜鉛効率を図7にグラフで示し、その排
ガス中の酸化亜鉛含有率を図8にグラフで示し、そし
て、その焼成歩留りを図9にグラフで示した。図7、図
8および図9から、本発明法No. 4〜6の場合の脱亜鉛
効率、排ガス中の酸化亜鉛含有量および焼成歩留りは、
比較法No.10 〜20に比較して顕著に優れていることが明
らかである。
【0083】以上述べたように、この発明の方法によれ
ば、酸化鉄および/または鉄を主成分とする亜鉛含有ダ
ストに、所定量の炭素質還元剤または希釈剤、造粒促進
剤および結合促進剤が混合されている混合物を所定粒径
の生ペレットに成形し、次いで、その表面を所定量の粉
コークスで被覆した後、これを、無端移動グレート式焼
結機によって焼成するために、焼成過程における粉コー
クスの燃焼によって生じた熱が、生ペレットの内部に迅
速に伝達され、従って、炭素質還元剤による酸化亜鉛の
還元が迅速に行われる。そして、焼成過程において、生
ペレットから蒸発した気体亜鉛は、酸化性雰囲気中で酸
化されて酸化亜鉛になり、生ペレットの表面に付着する
が、その表面を被覆する粉コークスによって、再び還元
されて気体亜鉛になり、排ガスと共に排出される。従っ
て、高い効率で脱亜鉛を行うことができる。
【0084】上述したように、生ペレットの表面は、所
定量の粉コークス即ち炭素質還元剤で被覆されているの
で、その主成分である約95wt.%の炭素および揮発・燃焼
性の炭化水素は、焼成過程ですべてガス化する。従っ
て、未燃焼の粉コークスが排ガス中に混入して、排ガス
中の亜鉛成分の含有量を相対的に低下させるようなこと
は生じない。また、生ペレット中に結合促進剤が含有さ
れているので、焼成過程におけるペレットの粉化および
剥離を抑制することができ、従って、排ガス中の酸化亜
鉛含有量が高められ、効率的に酸化亜鉛を回収すること
ができる。
【0085】また、粒径および嵩比重の小さいダスト
に、粒径および嵩比重の大きい造粒促進剤と、結合促進
剤とが添加されているので生ペレットの造粒性が向上
し、且つ、結合促進剤が含有されていることによって、
各粒子間は強固に結合されている。従って、ペレット粒
子の強度が向上するので、焼結機装入前における生ペレ
ットの崩壊が少なくなり、焼結後の篩工程で発生する篩
下の量を少なくすることができる。そして、生ペレット
表面に被覆された粉コークスの燃焼熱により、ペレット
の原型を保ちつつ、焼成ペレット相互間に、ペレットの
表面物質の拡散による接合のネットワークが形成される
ので、塊成化物全体の強度が向上し、破砕工程における
微粉の発生が極めて少なくなり、焼結後の篩工程で発生
する篩下の量を一段と少なくすることができる。
【0086】更に、ペレットの原型を保ちつつ、焼成ペ
レット相互間にその表面物質の拡散による接合のネット
ワークが形成されているので、塊成化物を構成する1つ
1つの焼成ペレットに対する、高炉内における還元ガス
との熱交換、および、塊成鉱内部への還元ガスの拡散が
容易に行われる。その結果、被還元性の優れた塊成鉱が
得られる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、製鉄所から発生する酸化鉄および/または鉄を主成
分し、そして、酸化亜鉛および/または亜鉛を含有する
亜鉛含有ダスト中の亜鉛を、高濃度で且つ効率的に回収
することができ、しかも、還元性の優れた焼成塊成鉱を
高歩留りで製造することができる、工業上有用な効果が
もたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施するための装置の一例を
示す概略工程図である。
【図2】この発明の方法によって製造された焼成塊成鉱
の概略図である。
【図3】高炉微粒ダストおよび転炉微粒ダストの粒度分
布を示すグラフである。
【図4】本発明法No. 1〜3および比較法No. 1〜9の
脱亜鉛効率を示すグラフである。
【図5】本発明法No. 1〜3および比較法No. 1〜9
の、排ガス中の酸化亜鉛含有率を示すグラフである。
【図6】本発明法No. 1〜3および比較法No. 1〜9
の、焼成歩留りを示すグラフである。
【図7】本発明法No. 4〜6および比較法No.10 〜20の
脱亜鉛効率を示すグラフである。
【図8】本発明法No. 4〜6および比較法No.10 〜20
の、排ガス中の酸化亜鉛含有率を示すグラフである。
【図9】本発明法No. 4〜6および比較法No.10 〜20
の、焼成歩留りを示すグラフである。
【図10】先行技術を示す工程図である。
【符号の説明】
1:貯槽、 2:貯槽、 3:貯槽、 4:貯槽、 5:ミキサー、 6:第1ペレタイザー、 7:第2ペレタイザー、 8:貯槽、 9:ホッパ、 10:ホッパ、 11:焼結機、 12:無端移動グレート、 13a,13b:プーリ、 14:点火炉、 15:風箱、 16:導管、 17:集塵機、 18:ブロワ、 21:混練機、 22:団鉱機、 23:団鉱機、 24:焼結機、 25:焼結原料、 26:床敷き鉱、 27:生ペレット 28:点火炉、 29:集塵機、 A:生ペレット B:焼成塊成鉱。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化鉄および/または鉄を主成分とし、
    そして、酸化亜鉛および/または亜鉛を含有する亜鉛含
    有ダストに、炭素質還元剤、造粒促進剤および結合促進
    剤を添加しそして混合し、得られた混合物の総量に対
    し、混合物中の炭素質還元剤の含有量が5〜20wt.%、造
    粒促進剤の含有量が5〜25wt.%、そして、結合促進剤の
    含有量が2〜15wt.%になるように、前記炭素質還元剤、
    前記造粒促進剤および前記結合促進剤の添加量を調整
    し、このようにして得られた混合物を3〜15mmの粒径の
    生ペレットに成形し、次いで、前記生ペレットの表面
    を、前記混合物の総量に対して0.2 〜5wt.%の量の粉コ
    ークスで被覆し、 次いで、その表面が粉コークスで被覆された前記生ペレ
    ットを、点火帯および前記点火帯に続く焼成帯を順次通
    過する無端移動グレートからなる無端移動グレート式焼
    結機の前記無端移動グレートの入側上に供給し、前記生
    ペレットによって無端移動グレート上に形成された充填
    層の上部に、前記点火帯において燃焼用ガスを供給し、
    そして、前記燃焼用ガスを、前記充填層の下部に向けて
    吸引しながら、前記生ペレットを、前記無端移動グレー
    ト式焼結機の排鉱部に向けて連続的に通過させ、前記充
    填層中の燃焼帯において、前記生ペレットの表面に被覆
    された粉コークスおよび前記混合物の燃焼によって生じ
    た燃焼熱により、前記生ペレットを加熱して焼成し、 前記焼成の前期において、前記生ペレット内に強還元性
    雰囲気を生成せしめ、前記混合物中に含有されている酸
    化亜鉛および/または亜鉛を、前記酸化亜鉛の還元、気
    化、および/または、前記亜鉛の気化によって、気体状
    の金属亜鉛となし、次いで、前記気体状の金属亜鉛を、
    燃焼によって生じその後温度が低下した燃焼排ガス中に
    おいて酸化させて粉状の酸化亜鉛となし、このようにし
    て生成した粉状の酸化亜鉛を、集塵機によって排ガス中
    のダストと共に高効率で回収し、 一方、前記亜鉛が気化した後の焼成の後期において、前
    記充填層中の燃焼帯で前記生ペレットの原型を保ちつ
    つ、ペレット相互間に前記ペレットの表面物質の拡散に
    よる接合のネットワークを生ぜしめ、かくして、高強度
    で被還元性に優れた塊成鉱に焼成することを特徴とす
    る、ダスト中の亜鉛の回収方法。
  2. 【請求項2】 酸化鉄および/または鉄を主成と分し、
    そして、酸化亜鉛および/または亜鉛、ならびに、過剰
    の炭素源を含有する亜鉛含有ダストに、希釈剤、造粒促
    進剤および結合促進剤を添加しそして混合し、得られた
    混合物の総量に対し、混合物中の炭素質還元剤の含有量
    が5〜20wt.%、造粒促進剤の含有量が5〜25wt.%、そし
    て、結合促進剤の含有量が2〜15wt.%になるように、前
    記希釈剤、前記造粒促進剤および前記結合促進剤の添加
    量を調整し、このようにして得られた混合物を3〜15mm
    の粒径の生ペレットに成形し、次いで、前記生ペレット
    の表面を、前記混合物の総量に対して0.2 〜5wt.%の量
    の粉コークスで被覆し、 次いで、その表面が粉コークスで被覆された前記生ペレ
    ットを、点火帯および前記点火帯に続く焼成帯を順次通
    過する無端移動グレートからなる無端移動グレート式焼
    結機の前記無端移動グレートの入側上に供給し、前記生
    ペレットによって無端移動グレート上に形成された充填
    層の上部に、前記点火帯において燃焼用ガスを供給し、
    そして、前記燃焼用ガスを、前記充填層の下部に向けて
    吸引しながら、前記生ペレットを、前記無端移動グレー
    ト式焼結機の排鉱部に向けて連続的に通過させ、前記充
    填層中の燃焼帯において、前記生ペレットの表面に被覆
    された粉コークスおよび前記混合物の燃焼によって生じ
    た燃焼熱により、前記生ペレットを加熱して焼成し、 前記焼成の前期において、前記生ペレット内に強還元性
    雰囲気を生成せしめ、前記混合物中に含有されている酸
    化亜鉛および/または亜鉛を、前記酸化亜鉛の還元、気
    化、および/または、前記亜鉛の気化によって、気体状
    の金属亜鉛となし、次いで、前記気体状の金属亜鉛を、
    燃焼によって生じその後温度が低下した燃焼排ガス中に
    おいて酸化させて粉状の酸化亜鉛となし、このようにし
    て生成した粉状の酸化亜鉛を、集塵機によって排ガス中
    のダストと共に高効率で回収し、 一方、前記亜鉛が気化した後の焼成の後期において、前
    記充填層中の燃焼帯で前記生ペレットの原型を保ちつ
    つ、ペレット相互間に前記ペレットの表面物質の拡散に
    よる接合のネットワークを生ぜしめ、かくして、高強度
    で被還元性に優れた塊成鉱に焼成することを特徴とす
    る、ダスト中の亜鉛の回収方法。
  3. 【請求項3】前記造粒促進剤として、粉鉱石、砂鉄、ミ
    ルスケールおよび粗粒ダストの少なくとも1つを使用す
    る請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記結合促進剤として、石灰、スラグおよ
    びセメントの少なくとも1つを使用する、請求項1また
    は2に記載の方法。
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