JPH0632940B2 - サ−マルプリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、サーマルプリンタに関し、更に詳細には発熱
抵抗体を印字要素として記録を行なうサーマルプリンタ
に関する。

（従来の技術） 従来、複数の発熱抵抗体を主走査方向に配列してなる発
熱抵抗体列に入力信号に応じた発熱量を加えて記録を行
なうラインサーマルプリンタは、１ライン一斉駆動を行
なうと装置全体の消費電流が大きくなり、これに伴って
電源容量延いては装置まで大規模かつ高価となる。そこ
で、現在発熱抵抗体列を複数ブロックに時分割した分解
駆動方式が用いられている。

この方式におけるブロック長Ｌの発熱低抗体列による記
録濃度は、各発熱低抗体に印加される発熱要因量が同一
のときブロック長Ｌの両端部が中央部と比べて高い放熱
効果を有するので低くなる。特に階調記録を行なう場
合、発色濃度の不飽和領域で記録を行なうため濃度差が
顕著に表われる。従って、記録結果は、用紙の搬送方向
（副走査方向）に各ブロック間のブロック分割点で記録
濃度が低くなり、白い縦線として濃度むらが目立つよう
になる。これを防ぐためには、ブロック長Ｌの発熱抵抗
体列の各発熱抵抗体に印加される発熱要員量を放熱効果
の差に応じて可変すれば、一様な濃度に記録が可能とな
る。

しかしながら、上記ような従来の方式では、発熱要因量
一発色濃度特性をブロック長Ｌの両端部と中央部で異な
った値とし、周囲温度及びサーマルヘッド自身の温度に
よっても発熱要因量に影響するために回路的にみて非常
に複雑な制御方法が必要となり、装置が高価となる欠点
があった。

この問題点を解決するために、例えば特開昭61−126867
号公報に開示されたサーマルプリンタがある。このサー
マルプリンタの構成図を第３図に示す。同図において、
１は感熱記録ヘッドで、ｎ個の発熱抵抗体1aから成るＭ
×Ｎ組の発熱抵抗体列（１-１〜１-12、但し、Ｍ×Ｎ＝
12の場合）を直線状に配置して構成される。

２はドライバ回路で、発熱抵抗体の各々に対応してスイ
ッチング素子（例えば、トランジスタ等）と、このスイ
ッチング素子をオンさせるドライバ手段（１個でもよ
い）とからなり、後述するドライバ選択回路５からの共
通ゲート信号と記録データが共に印字指示となるとドラ
イバ手段によってスイッチング素子が能動状態となっ
て、発熱抵抗体1aには共通電源（図示せず）から発熱要
因量が印字される。３はシフトレジスタで、外部からの
記録データに基づいて各発熱抵抗体1a に対応するドラ
イバ回路２内にあるスイッチング素子へ駆動信号を出力
する。４は共通ゲートで、後述するドライバ選択回路５
からの共通ゲート信号をゲート制御信号（図示せず）に
基づいて通し、例えばＡＮＤゲート素子等が用いられ
る。５はドライバ選択回路で、各発熱抵抗体列（１-１
〜１-12）毎の駆動を指示する共通ゲート信号４-〜４-1
2をドライバ回路２に供給する。

感熱記録ヘッド１内のｎ個の発熱抵抗体1a の一端は共
通電極として電源（図示せず）の一端に接続されてお
り、他端は各々ドライバ回路２内のｎ個のスイッチング
素子の各一端に接続されている。また、ｎ個のスイッチ
ング素子の各他端は前記電源の他端に接続されている。
ドライバ回路２内のｎ個のスイッチング回路の各他端は
シフトレジスタ３に接続される。

したがって、ドライバ選択回路５からの共通ゲート信号
とシフトレジスタ３を介した記録データの論理積により
ドライバ回路２内のドライバ手段を介してスイッチング
素子が能動状態となって感熱記録ヘッド１が駆動され
る。Ｎ×ｎ個の発熱抵抗体からなるＭ組の発熱抵抗体列
がＭ回順次切換えられて一行の走査が終了する。

次に、第３図でのドライバ選択回路５の動作を、共通ゲ
ート信号のタイムチャートを示す第４図に基づいて説明
する。ただし、Ｍ＝４,Ｎ＝３とする。

まず、記録データが１行分シフトレジスタ３へ入力後、
最初のブロックを駆動するために共通ゲート信号４-１
〜４-３をオンとすることにより発熱抵抗体列１-１〜１
-３を駆動する。次に隣接するブロックも同様に、共通
ゲート信号４-４〜４-６をオンして発熱抵抗体列１-４
〜１-６を駆動する。以下、第３，第４のブロックも同
様に共通ゲート信号４-７〜４-９により発熱抵抗体列１
-７〜１-９、共通ゲート信号４-10〜４-12により発熱抵
抗体列１-10〜１-12を順次駆動する。このようにして３
組の発熱抵抗列を４ブロック駆動することにより第１行
目が記録される。

第２行目はデータ入力後、共通ゲート信号をシフトさせ
て、共通ゲート信号４-２〜４-４をオンとし、以下１行
目と同様に４-５〜４-７をオン、４-８〜４-10をオン、
４-11〜４-１を順次分割駆動して記録する。

続いて第３行目は共通ゲート信号を４-３〜４-５、４-
６〜４-８、４-９〜４-11、４-12〜４-２の順にオンと
し分割駆動して記録する。

第４図行目では、共通ゲート信号を４-４〜４-６、４-
７〜４-９、４-10〜４-12、４-１〜４-３の順にオンと
し分割駆動して記録する。

このように順次ブロック分割点を移動させながら以下第
５行目、第６行目と記録されることとなる。

しかしながら、このような構成のサーマルプリンタで
は、次のような問題点がある。

駆動するブロックの選択はＲＯＭ（図示なし）に格納さ
れているデータを読取って行われるが、上述のごとき従
来技術によると、このデータが行毎に全て異なるので大
容量のＲＯＭが必要となる。さらに、ブロック分割点を
全発熱抵抗体列の一端から他端まで順次移動させている
ので、例えば第１行目の共通ゲート信号４-３と４-６や
４-６と４-７等に対応する発熱抵抗体列のように、隣接
するブロックが連続的に引続いて駆動されるため、前に
駆動されていたブロックから次に駆動されるブロックの
方が熱が伝わり、つなぎ目のドットがプレヒートされて
高温となり、印字濃度が濃くなってしまう欠点がある。
さらに、例えば第１行目の共通ゲート信号４-３，４-
６，４-９に対応する発熱抵抗体列のドットは熱をうば
われるために低温となり、副走査方向の白い縦線として
の濃度むらが目立ってしまう欠点がある。これらの欠点
を防ぐためには、ブロック分割点をランダムに移動させ
れば良い結果が得られることが予想されるが、ランダム
に移動させる回路を実現するには制御が複雑になるた
め、安定した印刷品質を低コストで得ることはできなか
った。

本発明は、以上述べた副走査方向の白い縦線としての濃
度むらを除去するとともに、ブロックのつなぎ目のドッ
トが濃くなるという問題点を除去し、記録品質の優れた
廉価なサーマルプリンタを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明によれば、主走査方向に配列された複数の発熱抵
抗体から各々が構成されている複数の発熱抵抗体列を、
各々が所定数の発熱抵抗体列で構成されるブロックを単
位として駆動することにより、各発熱抵抗体に発熱要因
量を印加して印字を行うサーマルプリンタにおいて、選
択情報に基づいて、前記発熱抵抗体列を所定数毎のブロ
ックに分割して時分割駆動する駆動手段と、印字する行
毎にブロックの分割位置を発熱抵抗体列１つ分だけ移動
させて駆動すべきブロックを順次選択し、該選択したブ
ロックを示す選択情報を駆動手段に与える選択手段とを
有しており、この選択手段は、印字開始行においては基
準分割位置として最初に両端のブロックが順次駆動され
次いで内側のブロックが順次駆動されるように駆動すべ
きブロックを選択すると共に、各ブロックの分割位置が
基準分割位置に一致した場合はこの基準分割位置の場合
と同じ順序で駆動されるように駆動すべきブロックを選
択するべく構成されているサーマルプリンタが提供され
る。

（作用） 各ブロックが所定数の発熱抵抗体列からなるように分割
される。選択手段は、印字する行毎にブロックの分割位
置を発熱抵抗体列１つ分だけ移動させ、印字開始行にお
いては基準分割位置として最初に両端のブロックが順次
駆動され次いで内側のブロックが順次駆動されるように
駆動すべきブロックを選択すると共に、各ブロックの分
割位置が基準分割位置に一致した場合はこの基準分割位
置の場合と同じ順序で駆動すべき各ブロックを選択す
る。選択したブロックを示す選択情報（前述の共通ゲー
ト信号に相当する）が駆動手段に与えられる。駆動手段
は、選択情報に基づいて、各ブロックを順次駆動する。
このように発熱抵抗体列を時分割駆動して各行が印字さ
れる。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例を示すブロック図である。同
図において、第３図と同一の参照符号は同一性のある構
成要素を示す。６は第３図のドライバ選択回路５に相当
するドライバ選択回路で、ドライバ回路２の制御、即ち
共通ゲート信号４-１〜４-12の送出のタイミングが従来
と相違するものである。第２図に、本実施例のドライバ
選択回路６の共通ゲート信号のタイムチャートを示す。

次に本実施例の動作を第１図及び第２図を参照して説明
する。但し、Ｍ＝４，Ｎ＝３とする。

はじめに、記録データが１行分シフトレジスタに入力
後、記録開始によりまずＮ（＝３）組の発熱抵抗体列を
駆動するため共通ゲート信号４-１〜４-３をオンとし、
これに接続された各ドライバ回路２がオンとなり発熱抵
抗体列１-１〜１-３を駆動する。次に共通ゲート信号４
-10〜４-12をオンとし、同様に発熱抵抗体１-10〜１-12
を駆動する。以下、順次、共通ゲート信号４-４〜４-６
をオンとし、次に４-７〜４-９をオンとしてＮ（＝３）
組の発熱抵抗体列をＭ（＝４）回に分割駆動して１行分
が記録される。

次行の第２行目はデータ入力後記録開始により共通ゲー
ト信号４-２〜４-４をオンとする。以下１行目と同様に
共通ゲート信号４-１，４-11，４-12をオンとした後、
共通ゲート信号４-５〜４-７をオンとし、最後に共通ゲ
ート信号４-８〜４-10をオンとして第２行目が記録され
る。

続いて、第３行目は共通ゲート信号を４-３〜４-５をオ
ンとし、以下４-１，４-２，４-12をオンとし、４-６〜
４-８をオン最後に４-９〜４-11をオンとして３行目が
記録される。

第４行目では、共通ゲート信号を４-１〜４-３をオンと
し、４-10〜４-12をオンとし、４-４〜４-６をオンと
し、４-９〜４-11をオンとして４行目が記録される。

このようにして分割駆動した場合、第１行目から第３行
目までのブロック分割位置が行毎に移動して第４行目で
第１行目のブロック分割位置と同じになる。また各行の
間で用紙送りが行われるため、同じブロックが続けて駆
動されることがなく、隣接したブロックの駆動されるこ
とも少なくなる。

（発明の効果） 以上説明したように本発明によれば、印字開始行におい
ては基準分割位置として最初に両端のブロックが順次駆
動され次いで内側のブロックが順次駆動されるように駆
動すべきブロックを選択あれると共に、各ブロックの分
割位置が基準分割位置に一致した場合はこの基準分割位
置の場合と同じ順序で駆動すべき各ブロックか選択され
るので、隣接するブロックが引き続いて駆動されること
を少なくしつつ、同じ発熱抵抗体列の組み合わせからな
るブロックが非常に短い周期でしかもその行の同じ印字
タイミングで駆動される。このように、隣接するブロッ
クを引き続いて駆動する回数を減少させつつ駆動するブ
ロックの選択が非常に短い周期の繰り返しループで実現
できるので、駆動ブロック選択データを格納しておくＲ
ＯＭ等の記憶手段の容量を大幅に低減でき、簡単なしか
も安価な構成で記録品質の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す構成図、第２図は第１
図の実施例のタイムチャート、第３図は従来のサーマル
プリンタのブロック図、第４図は従来の共通ゲート信号
のタイムチャートである。 １……感熱記録ヘッド、1a……発熱抵抗体 １-１〜１-12……発熱抵抗体列、２……ドライバ回路 ３……シフトレジスタ、４……共通ゲート ６……ドライバ選択回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】主走査方向に配列された複数の発熱抵抗体
   から各々が構成されている複数の発熱抵抗体列を、各々
   が所定数の前記発熱抵抗体列で構成されるブロックを単
   位として駆動することにより、各発熱抵抗体に発熱要因
   量を印加して印字を行うサーマルプリンタにおいて、選
   択情報に基づいて前記発熱抵抗体列を所定数毎のブロッ
   クに分割して時分割駆動する駆動手段と、印字する行毎
   に前記ブロックの分割位置を発熱抵抗体列１つ分だけ移
   動させて駆動すべきブロックを順次選択し、該選択した
   ブロックを示す選択情報を前記駆動手段に与える選択手
   段とを有しており、該選択手段は、印字開始行において
   は基準分割位置として最初に両端のブロックが順次駆動
   され次いで内側のブロックが順次駆動されるように駆動
   すべきブロックを選択すると共に、各ブロックの分割位
   置が前記基準分割位置に一致した場合は前記基準分割位
   置の場合と同じ順序で駆動されるように駆動すべきブロ
   ックを選択するべく構成されていることを特徴とするサ
   ーマルプリンタ。