JPH0632635B2 - 光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法 - Google Patents

光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法

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JPH0632635B2
JPH0632635B2 JP4637588A JP4637588A JPH0632635B2 JP H0632635 B2 JPH0632635 B2 JP H0632635B2 JP 4637588 A JP4637588 A JP 4637588A JP 4637588 A JP4637588 A JP 4637588A JP H0632635 B2 JPH0632635 B2 JP H0632635B2
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明宏 崎前
兼彦 榎本
亮三 沼沢
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般式 (式中Rはアルキル基、アラルキル基又はアリール
基、R2はアルキル基、nは1又は2を示す)で表わされ
る光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法
に関する。
〔従来の技術〕
式Iのカルボン酸及びその対掌体エステルは光学活性を
有する種々の生理活性物質を合成するための原料として
利用されている。従来、式Iの光学活性カルボン酸の製
造法としては、あらかじめ有機合成的にラセミ体のカル
ボン酸を合成したのち、光学分割剤を用いて分割する方
法、すなわち物理化学的に一方の光学活性体とその対掌
体とに分別する方法が知られている(特開昭55−11
8455号、同56−81557号、同57−1885
63号、ヨーロッパ特許公開第79200477号各明
細書参照)。一方、光学活性カルボン酸エステルはカル
ボン酸を分割したのち、エステル化反応を行ない、光学
活性エステルに導く方法などがとられている。
しかしこれらの方法では、高価な分割剤が多量に必要と
されること、この分割剤が不純物として製品中に混入し
やすいこと、分割工程が複雑であることなどの欠点があ
り、工業的な製法としては必ずしも満足できるものでは
ない。
これらの欠点を改良する方法として本発明者らは、式I
で表わされる光学活性カルボン酸やその対掌体エステル
を微生物の作用により製造する方法を先に提案しており
(特開昭60−12993号、同60−30692号、
同60−94091号参照)、これらの中後2者にはシ
ユードモナス属の微生物を用い得ることも記載されてお
り、実施例中にはシユードモナス・フルオレツセンス
(IFO3081)、シユードモナス・オバリス(IAM1046)と
ともにシユードモナス・プチダ(IFO12996)が記載され
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これら従来から知られているシユードモナス属の微生物
については、ラセミ体のカルボン酸エステルのいずれか
一方の異性体を選択的に不斉加水分解し、光学純度の高
いカルボン酸及びその対掌体エステルを生成するといつ
た点では優れているものの菌体の酵素活性が低いため菌
体当りの光学活性カルボン酸又はエステルの生産性が低
いという欠点があり、この点を解決するような微生物の
創出が強く望まれていた。
本発明者らは、更に微生物を用いてラセミ体のカルボン
酸エステルを不斉加水分解する方法に関して鋭意研究を
行つた結果、新たに広島県大竹地区の土壌より分離した
菌株シユードモナス・プチダ(Pseudomonas putida、微
工研菌寄第9677号)が非常に高い酵素活性を有し、
該微生物を用いることにより式Iの光学活性カルボン酸
及びその対掌体エステルを効率よく製造できることを見
出した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、一般式 (式中R3はアルキル基を示し、R1,R2及びnは前記の意
味を有する)で表わされるエステルに、該エステルを不
斉加水分解する能力を有する寄託番号 微工研菌寄第9
677号の微生物シユードモナス・プチダ(Pseudomona
s putidb)の培養液、菌体又は菌体処理物を作用させる
ことを特徴とする、一般式 (式中R1,R2及びnは前記の意味を有する)で表わされ
る光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法
である。
式I及び式IIの化合物の置換基R1のためのアルキル基と
しては例えばメチル基、エチル基など、アラルキル基と
しては例えばベンジル基、アリール基としては例えばフ
エニル基が挙げられる。
本発明に用いられるエステル(II)としては、例えばS−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチル、S−アセチ
ル−γ−メルカプト−α−メチル−n−酪酸メチル、S
−ベンゾイル−β−メルカプトイソ酪酸メチル、S−フ
エニルアセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチルなどが
挙げられる。
本発明に用いられる微生物微工研菌寄第9677号は広
島県大竹地区の土壌から採取されたものであり、第1表
に示される菌学的性質からシユードモナス・プチダ(Ps
eudomonas Putida)と同定されたが、この菌株は他の微
生物や同じシユードモナス・プチダに属するIFO12
996やIFO03738に較べて菌体活性が高いもの
である。
本発明で用いる微生物の培養は、液体培養でも、固体培
養でも行うことができる。培地としては、微生物が通常
資化しうる炭素源、窒素源、ビタミン、ミネラルなどの
成分を適宜配合したものが用いられる。微生物の加水分
解能を向上させるために、培地にエステルを少量添加し
てもよい。培養は微生物が生育可能である温度及びpHで
行われるが、通常50℃以下の温度で、pH2〜11の範
囲で行われる。微生物の生育を促進させるために通気撹
拌を行つてもよい。
加水分解反応を行うに際しては、培養の開始時又は途中
で培地にエステル(II)を添加してもよく、あらかじめ微
生物を培養したのち培養液にエステル(II)を添加しても
よい。また増殖した微生物の菌体を遠心分離等により採
取し、これをエステルを含む反応媒体に加えてもよい。
この場合菌体は取り扱い上の便宜から、乾燥菌体例えば
凍結乾燥菌体、噴霧乾燥菌体又は有機溶媒例えばアセト
ン、トルエン等で処理した菌体、あるいは菌体破壊物、
菌体抽出物等の菌体処理物を用いることもできる。反応
媒体としては例えばイオン交換水又は緩衝液が用いられ
る。反応媒体又は培養液中のエステルの濃度は0.01〜5
0重量%が好ましい。エステルは水に懸濁した状態で加
えることもできる。メタノール、アセトンなどの有機溶
媒を反応液に加えてエステルの溶解性を向上させること
もできる。反応液のpHは2〜11、好ましくは5〜8の
範囲である。反応が進行するに伴い生成したカルボン酸
により反応液のpHが低下してくるが、この場合は適当な
中和剤で最適pHに維持することが好ましい。反応温度は
5〜50℃が好ましい。
反応液又は培養液からの生成物の分離精製は通常の方法
例えば抽出、再結晶、カラムクロマトグラフイ等により
行うことができる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例を用いて更に説明する。
下記実施例中の%は重量%を意味する。又、実施例にお
いて菌体の比活性は酵素反応1時間につき菌体1g当り
のS−アセチル−β−メルカプトイソ酪酸あるいはS−
アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチルの生産量(mg)
で表わす。
実施例1 シユードモナス・プチダ(Pseudomonas putida微工研菌
寄第9677号)を肉エキス0.5%、ペプトン0.75%、N
aCl0.25%、グルコース0.5%、マルトエキス0.15%、酵
母エキス0.15%から成る液体培地(pH6.8)100mlに
植菌し、30℃1日間振盪培養を行つた。培養終了後、
培養液を遠心分離し、得られた菌体の全量をイオン交換
水で洗浄したのち、M/10燐酸緩衝液(pH7.0)50mlに
懸濁した。この菌体懸濁液に(±)−S−アセチル−β
−メルカプトイソ酪酸メチル2.5mlを加え、30℃で2
4時間振盪して反応させた。
この時反応に用いた菌体の比活性は3038単位と極め
て高い値を示し、S−アセチル−β−メルカプトイソ酪
酸メチルの分解率は49%であつた。反応液をpH7.0に
調整し、S−アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチル
を酢酸エチルで抽出した。次いで水層のpHを硫酸で2.
0に下げたのち、水層中のS−アセチル−β−メルカプ
トイソ酪酸を酢酸エステルで抽出した。抽出液に無水硫
酸ナトリウムを加えて脱水処理したのち、溶媒を蒸発除
去した。抽出されたS−アセチル−β−メルカプトイソ
酪酸及びS−アセチル−β−メルカプトイソ酪酸メチル
の比旋光度をユニオン技研社製旋光度計(PM101型)
で測定した。結果を第2表に示す。
これから、光学活性カルボン酸とその対掌体エステルが
生成していることが判る。
比較例1及び2 シユードモナス・プチダ(微工研菌寄第9677号)の
代わりにシユードモナス・プチダIFO03738(比
較例1)及びシユードモナス・プチダIFO12996
(比較例2)を用いた他は、実施例1と同条件で実験を
行つた。
結果を第3表に示す。
比較例1及び2では実施例1と比較して、菌体の比活性
が低く、その結果反応24時間後のS−アセチル−β−
メルカプトイソ酪酸メチルの分解率が低いことが判る。
〔発明の効果〕
式Iで表わされる光学活性カルボン酸やその対掌体エス
テルを微生物の作用により製造するに際し、本発明では
明細書記載のごとく非常に高活性な酵素を含有する微生
物シユードモナス・プチダ(P.putida 微工研菌寄第9
677号)を用いることにより、従来の製造法と比較し
て反応時間の短縮、反応液中の仕込み、菌体濃度の低下
など酵素当りの光学活性カルボン酸又はその対掌体エス
テルの生産性を飛躍的に向上させることができる。本発
明は該効果を踏まえ、該化合物を効率よく製造する点で
工業的に極めて有意義である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中R1はアルキル基、アラルキル基又はアリール基、
    R2及びR3はアルキル基、nは1又は2を示す)で表わさ
    れるエステルに、該エステルを不斉加水分解する能力を
    有する寄託番号 微工研菌寄第9677号の微生物 シ
    ュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)の培養
    液、菌体又は菌体処理物を作用させることを特徴とす
    る、一般式 (式中R1、R2及びnは前記の意味を有する)で表わされ
    る光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造
    法。
JP4637588A 1988-02-29 1988-02-29 光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法 Expired - Lifetime JPH0632635B2 (ja)

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CA2068614C (en) * 1991-05-15 2003-12-16 Eiji Ozaki Esterase genes, esterase, recombinant plasmids and transformants containing the recombinant plasmid and methods of producing optically active carboxylic acids and their enantiomeric esters using said transformants

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