JPH0632468U - 石積作業装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 １台のベースマシーンにより擁壁の上方と下
方のいずれの側からも石積作業を行うことができ、作業
の能率化とスピード化を図り、経済性を向上することが
できる石積作業装置を提供する。 【構成】 ベースマシーンのスライドアームの先端部に
ブラケット８が枢着されている。ブラケット８は油圧シ
リンダー９により回動する。ブラケット８には旋回ベア
リング１０を介して基板１１が旋回自在に取付けられて
いる。基板１１は油圧モーター１２により回転駆動さ
れ、旋回ロック１３により適宜旋回位置にロックされ
る。基板１１には一対の把持爪１４，１４が枢着されて
いる。把持爪１４は基板１１の旋回中心線上に設置され
ている。１７はバケットであって、把持爪１４に背を向
けた状態でバケット着脱ピン１８等により基板１１に着
脱自在に取付けられている。Ｂはブロックであり、把持
爪１４により把持されている。バケット１７には裏込め
用コンクリートが収容される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、石材、特に石積用コンクリートブロックを積み重ねて、擁壁等の土 止め壁を構築する石積作業装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の石積作業は、全て人力によりブロックを現場まで運搬し、所定位置に据 付けていた。特に、１個の重量が６０ｋｇにも及ぶブロックもあり、作業員の労 働は過酷なものと言わざるを得なかった。また、石積作業は高所での作業が多く 、非常に危険を伴なうものであった。

【０００３】 これらの問題を解決するため、最近、ベースマシーンのアーム先端にブロック 把持装置を取付けた石積作業装置が開発されている。

【０００４】 しかしながら、一般に、石積作業はベースマシーンを擁壁の上方に置く場合と 、下方に置く場合とがあり、１つの装置でどちらにも施工できることが条件であ る。

【０００５】 しかるに、上記従来装置では、上記条件を満足させることができないのみなら ず、ベースマシーンに装備したブームやアーム等の俯仰運動のみでは対処しきれ ない等の問題点があった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とす るところは、１台のベースマシーンにより擁壁の上方と下方のいずれの側からも 石積作業を行うことができ、作業の能率化とスピード化を図り、経済性を向上す ることができる石積作業装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の石積作業装置は、走行移動するベースマシーンに旋回および俯仰作動 するアームを設け、該アームににスライドアームを摺動自在に取付け、該スライ ドアームの先端部にブラケットを首振り自在に取付け、該ブラケットに旋回ベア リングを介して基板を旋回自在に取付け、該基板の旋回中心線上にブロック把持 装置を設置し、該ブロック把持装置の基板にバケットを背中合わせ状態に取付け たことを特徴とする。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面を参照しながら説明する。 図１において、１はベースマシーンであって、下部走行体１ａに対して、上部 旋回体１ｂが旋回するようになっている。

【０００９】 該ベースマシーン１の上部旋回体１ｂには、枢着軸２ａによりブーム２が枢着 されている。従って、上記ブーム２はシリンダー３により上記枢着軸２ａを中心 に俯仰（上下方向に回動）運動できるようになっている。

【００１０】 また、上記ブーム２の先端部には、枢着軸４ａによりアーム４が枢着されてい る。従って、上記アーム４はシリンダー５により上記枢着軸４ａを中心に俯仰運 動できるようになっている。

【００１１】 ６はスライドアームであって、上記アーム４に沿って摺動自在に取付けられて おり、シリンダー７によりアーム４の長手方向に伸縮自在に摺動できるようにな っている。このように上記スライドアーム６はアーム４の長さを実質的に伸縮さ せる機能を有する。

【００１２】 上記スライドアーム６の先端部には枢着軸８ａによりブラケット８が枢着され ている。該ブラケット８は油圧シリンダー９により回動するようになっている。

【００１３】 図２から明らかなように、上記ブラケット８には旋回ベアリング１０を介して 基板１１が旋回自在に取付けられている。該基板１１は油圧モーター１２により 回転駆動され、旋回ロック１３により適宜旋回位置にロックされるようになって いる。

【００１４】 図３から明らかなように、上記基板１１にはピン１４ａ，１４ａにより一対の 把持爪１４，１４が枢着されている。該把持爪１４は基板１１の旋回中心線上に 設置されている。両把持爪１４，１４はリンク部材１５により相互に連結されて いる。

【００１５】 従って、油圧シリンダー１６により一方（図３で右側）の把持爪１４を作動さ せると、上記リンク部材１５を介して、他方（同左側）の把持爪１４が反対の方 向、即ち両把持爪１４が互に接近する方向（ブロックＢを把持する方向）または 離れる方向（ブロックＢを離す方向）に作動する。

【００１６】 図２に於いて、１７はバケットであって、上記把持爪１４に背を向けた状態で バケット着脱ピン１８等により上記基板１１に着脱自在に取付けられている。 尚、図１に示すように、ベースマシーン１の下部走行体１ａのフレームには、パ レット１９が配備されている。

【００１７】 次に、上記装置による石積作業についって述べる。 まず、パレット１９上にブロックＢを並べて、石積現場まで運搬する。現場に 到着すると、図４に示すように、把持爪１４によりブロックＢを掴む。ブロック Ｂを把持するに際しては、図３に示すように、油圧シリンダー１６のロッドを収 縮させて把持爪１４，１４を開いた状態でブロックＢの上方から接近させ、把持 爪１４がブロックＢの両側に位置した時に油圧シリンダー１６のロッドを伸長さ せ、把持爪１４を仮想線状態から実線状態に作動させて、ブロックＢを堅固に把 持せしめる。尚、必要に応じてパレット１９を前方にスライドさせて、把持し易 い状態にしてもよい。

【００１８】 把持爪１４がブロックＢを掴んだら、スライドアーム６を上方にスライドさせ てブロックＢをパレット１９から引き上げ、ブロックＢを必要な据付位置まで移 動させる。このブロックＢの移動に際しては、必要に応じて、下部走行体１ａに よりベースマシーン１を移動させたり、上部旋回体１ｂを旋回させたり、ブーム ２、アーム４等を適宜作動させる。

【００１９】 また、スライドアーム６を適宜スライドさせて、ブロックＢを所定の据置位置 に位置せしめる。さらに、ブロックＢを必要な方向に向けるために、油圧モータ ー１２により基板１１を回動させるようにしてもよい。

【００２０】 以上の操作を繰り返し、ブロックＢを列状に据置いたら、バケット１７に裏込 コンクリートを入れ、図５に示すように、ブロックＢの裏側にバケット１７から 裏込コンクリートを注ぎ入れる。この裏込コンクリート作業においても、上記ス ライドアーム６を適宜スライドさせてバケット１７を最適位置に位置せしめる。

【００２１】 図６は擁壁の上部からの石積作業状態を示し、図７は擁壁の下部からの石積作 業を示すものである。

【００２２】

【考案の効果】

１）走行移動するベースマシーンに旋回および俯仰作動するアームを設け、該 アームにスライドアームを摺動自在に取付け、該スライドアームの先端部にブラ ケットを首振り自在に取付け、該ブラケットに旋回ベアリングを介して基板を旋 回自在に取付け、該基板の旋回中心線上にブロック把持装置を設置したので、ベ ースマシーンやアーム等を必要以上に動かすことなく、把持したブロックの据え 付け位置や向きを容易に且つ正確に出すことができる。 ２）裏込めコンクリート注ぎ込め用のバケットをブロック把持装置の基板に背 中合わせ状態に取付けたので、基板を適宜旋回させることにより、ベースマシー ンが擁壁より下に位置する場合にはバケットを外側に向け、ベースマシーンが擁 壁より上に位置する場合にはバケットを内側（手前側）に向けて、コンクリート を能率的に裏込めすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の石積作業装置の全体を示す側面図であ
る。

【図２】ブロック把持装置およびバケットの構成を示す
要部拡大側面図である。

【図３】図２の矢視〓から見た構成図である。

【図４】パレットからブロックの掴み上げ状態を示す説
明図である。

【図５】バケットによるコンクリート裏込め作業を示す
説明図である。

【図６】作業状態を示す説明図である。

【図７】作業状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ベースマシーン １ａ 下部走行体 １ｂ 旋回体 ２ ブーム ２ａ 枢着軸 ３ シリンダー ４ アーム ４ａ 枢着軸 ５ シリンダー ６ スライドアーム ７ シリンダー ８ ブラケット ８ａ 枢着軸 ９ シリンダー １０ 旋回ベアリング １１ 基板 １２ 油圧モーター １３ 旋回ロック １４ 把持爪 １４ａピン １５ リンク部材 １６ 油圧シリンダー １７ バケット １８ バケット着脱ピン １９ パレット Ｂ ブロック

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０２Ｄ 29/02 ３０１ 9126−2Ｄ Ｅ０２Ｆ 3/36 Ａ 3/96 Ｚ Ｅ０４Ｇ 21/16 7228−2Ｅ (72)考案者 橋爪 茂利雄 神奈川県川崎市宮前区宮崎３ー13ー４ 東 急宮崎台ドエリングＢー213 (72)考案者 白幡 研 神奈川県川崎市宮前区宮崎３ー13ー４ 東 急宮崎台ドエリングＡー405 (72)考案者 平川 邦彦 神奈川県藤沢市大庭6162 湘南ライフタウ ン内 Ｍー40ー１ー７ (72)考案者 中村 完 神奈川県座間市入谷４ー2944ー７ ニュー ハイツ座間１ー202

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行移動するベースマシーンに旋回およ
   び俯仰作動するアームを設け、該アームにスライドアー
   ムを摺動自在に取付け、該スライドアームの先端部にブ
   ラケットを首振り自在に取付け、該ブラケットに旋回ベ
   アリングを介して基板を旋回自在に取付け、該基板の旋
   回中心線上にブロック把持装置を設置し、該ブロック把
   持装置の基板にバケットを背中合わせ状態に取付けたこ
   とを特徴とする石積作業装置。