JPH0632288U

JPH0632288U - 自転車用ハンドルステム

Info

Publication number: JPH0632288U
Application number: JP7544592U
Authority: JP
Inventors: 真史細井
Original assignee: 株式会社エスアール・サンツアー
Priority date: 1992-10-06
Filing date: 1992-10-06
Publication date: 1994-04-26
Also published as: EP0591897A1; DK0591897T3

Abstract

(57)【要約】【目的】作業性よく量産化を図り、かつハンドルバー
の角度調整が簡単で外観的に優れている構造を提供す
る。【構成】ステム本体１０に凹所１３を設け、この凹所
１３にバー締付ボルト１４及び引上ボルト１５の頭部を
位置させ、かつ凹所１３にキャップ１９を嵌着する。バ
ー締付ボルト１４のねじ部はバー保持部１２の可動端１
２ａに設けた貫通ねじ穴１６に螺入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自転車用ハンドルステムに関し、特に、ハンドルバーを固定するためのバー締付ボルトを上方より締付ける構造を備えた自転車用ハンドルステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２は従来の自転車用ハンドルステムの一例を示す断面図である。この図２において、１はステム本体を示している。このステム本体１はハンドルバー２が挿入されているバー保持部３を有し、このバー保持部３の先端の可動端３ａにはバー締付ボルト４が斜め下方より貫通されている。バー締付ボルト４の先端のねじ部はステム本体１のねじ穴１ａに斜め下方より螺入されている。一方、ステム本体１の円柱状の基部５はステムパイプ６に圧入され、上方より引上ボルト７が貫通されている。

【０００３】このような構造の従来の自転車用ハンドルステムにおいて、バー締付ボルト４をステム本体１に対して斜め下方より螺入する場合には、ステム本体１の上面にバー締付ボルト４の先端が現われることがないので、外観的に優れた構造となる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、ステム本体１に非貫通のねじ穴１ａを設ける場合には、その穿設時に切削粉（屑）が詰まるので、この切削粉の除去作業が必要となる欠点があった。また、上記したステム本体１の上面側には引上ボルト７の頭部を位置させる凹状座ぐり部を、又可動端３ａにはバー締付ボルト４の頭部を位置させる凹状座ぐり部をそれぞれ設けているが、このような形状のステム本体１を鋳造にて製作するためには複雑な構造の金型を用意する必要がある上に量産化を図ることが困難であった。このため、ステム本体１に設けるバー締付ボルト４の凹状座ぐり部及びねじ穴１ａ用のした穴は、ステム本体１を鋳造後に機械加工によって形成することが多かった。

【０００５】更に、ハンドルバー２の握部の角度を調整する場合バー締付ボルト４を緩め、ハンドルバー２の角度調整後に再度締付ける作業が必要となるが、ハンドルバー２に籠を吊り下げていると籠が邪魔になることからバー締付ボルト４を緩める等の作業が非常に面倒となる欠点もあった。本考案はこのような点を解決するためになされたもので、作業性よく量産化を図ることができる上にハンドルバーの角度調整を簡単に行うことができ、しかも外観的に優れている構造の自転車用ハンドルステムを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ハンドルバーを締付け可能に保持するバー保持部を有するステム本体と、このステム本体にバー保持部先端の可動端を接近させるバー締付ボルトと、ステム本体を貫通してステムパイプまで伸長する引上ボルトとを備える自転車用ハンドルステムにおいて、ステム本体に凹所を設けてこの凹所にキャップを被着させると共に、凹所に引上ボルトとバー締付ボルトの頭部を位置させ、かつバー締付ボルトを可動端に設けた貫通ねじ穴に螺入させることを特徴としている。

【０００７】

【作用】

引上ボルト及びバー締付ボルトの各頭部は凹所に被着したキャップにて覆われるので、外部に現われない。バー保持部の可動端には貫通しているねじ穴を設けたので、ねじ穴の穿設時に切削粉の詰まりが生じない。凹所に引上ボルト及びバー締付ボルトの各頭部を位置させる場合一つの凹所に両ボルトの座ぐり部を並設して設ければよいので、構造の簡単な金型を用意するだけで済む。バー締付ボルトの頭部はバー保持部の可動端とは反対位置、つまりステム本体の上部の凹所に位置しているので、バー締付ボルトを籠に邪魔されることなく緩め及び締付け、ハンドルバーの角度調整を行うことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明する。図１は本考案に係る自転車用ハンドルステムの断面図である。この図１において、１０はステム本体を示している。このステム本体１０はハンドルバー１１が挿入されているバー保持部１２を有し、バー保持部１２の先端には可動端１２ａが形成されている。ステム本体１０の上面側には凹所１３が設けられている。この凹所１３内にはバー締付ボルト１４の頭部及び引上ボルト１５の頭部がそれぞれ位置している。そして、バー締付ボルト１４はステム本体１０に設けられている貫通穴１０ａに斜め上方より挿入され、その先端側のねじ部が可動端１２ａに設けた貫通ねじ穴１６に螺入されている。

【０００９】引上ボルト１５は凹所１３に設けた凹状座ぐり部１３ａに頭部を位置させ、ステム本体１０の筒状基部２０を貫通し、ステムパイプ１７まで伸長している。引上ボルト１５の下部のねじ部にはエキスパンダーコーン１８が螺合されている。従って、引上ボルト１５を締付けることでエキスパンダーコーン１８が上動するので、このコーン１８と引上ボルト１５の頭部にてハンドルステム全体を前フォークのフォークパイプに押し付け、固定することができる。上記した凹所１３には対応する形状のキャップ１９が水密を保持して嵌着されている。

【００１０】以上の構成を有する本考案のハンドルステムにおいて、凹所１３よりキャップ１９を外し、バー締付ボルト１４を斜め上方よりステム本体１０の貫通穴１０ａに挿入し、バー保持部１２の可動端１２ａに設けた貫通ねじ穴１６に螺入すると、可動端１２ａがステム本体１０側に接近するので、ハンドルバー１１を締め付け、固定することができる。一方、引上ボルト１５を締付けることで、上述したようにハンドルステム全体を前フォークのフォークパイプに固定することができる。両ボルト１４，１５を締付けた後にはキャップ１９を凹所１３に嵌着する。

【００１１】このように、バー締付ボルト１４を上方、即ち、ステム本体１０側より挿入し、可動端１２ａの貫通ねじ穴１６に螺入する場合ステム本体１０の前面に籠が吊り下げられていてもバー締付ボルト１４の緩め及び締付作業を簡単に行うことができる。また、可動端１２ａに貫通したねじ穴１６を設けても外観的に支障がない上に、このねじ穴１６を穿設する際に切削粉が詰まることもない。更に、ステム本体１０は一つの凹所１３を設けた単純な形状を有するだけなので、簡単な構造の金型を用いて量産化を図ることができる。

【００１２】そして、凹所１３内のバー締付ボルト１４及び引上ボルト１５の各頭部はキャップ１９にて覆われているので、外観的に優れている上にこれら頭部の錆付きを防止できる。また、キャップ１９に着色したり、文字を入れることで装飾的に向上させることも可能である。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、ステム本体に凹所を設けてキャップを被着すると共に、凹所にバー締付ボルト及び引上ボルトの頭部を位置させ、バー締付ボルトをバー保持部の可動端に設けた貫通ねじ穴に螺入させるようにしたので、切削粉の除去作業が不要であり、かつ構造の簡単な金型により量産化が可能な上に、ハンドルバーの角度調整を簡単に行うことができ、しかも外観的に優れた構造を有する自転車用ハンドルステムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る自転車用ハンドルステムの断面図
である。

【図２】従来の自転車用ハンドルステムの断面図であ
る。

【符号の説明】

１０ステム本体１０ａ貫通穴１２バー保持部１２ａ可動端１３凹所１４バー締付ボルト１５引上ボルト１７ステムパイプ１９キャップ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ハンドルバーを締付け可能に保持するバ
ー保持部を有するステム本体と、該ステム本体に前記バ
ー保持部先端の可動端を接近させるバー締付ボルトと、
前記ステム本体を貫通してステムパイプまで伸長する引
上ボルトとを備える自転車用ハンドルステムにおいて、
前記ステム本体に設けられる凹所及び該凹所に被着され
るキャップを含み、前記凹所に前記引上ボルト及びバー
締付ボルトの頭部を位置させ、かつ該バー締付ボルトを
前記可動端に設けた貫通ねじ穴に螺入させることを特徴
とする自転車用ハンドルステム。