JPH0225753Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自転車のハンドル取付構造に関する。

一般に競技用の自転車やスポーツタイプの自転
車では高速走行中に体が前傾姿勢となるべくハン
ドルの把持部はヘツドパイプの外周前方に位置さ
れる。

ところが従来のハンドル取付構造は第１図に示
すようにフレーム１のヘツドパイプ２にフロント
ホーク３のホークチユーブ４が回動自在に挿通さ
れ、該ホークチユーブ４上端にその抜け止め具５
が螺着されている。そしてホークチユーブ４上端
からドロツプハンドル６が取付けられたハンドル
ステム７の下部円筒部８が挿通され、該下部円筒
部８に貫通されたボルト９の下端に楔部材１０を
螺合しておき、ボルト９を回転させて楔部材１０
を引上げることにより下部円筒部８が押広げられ
てホークチユーブ４に圧接固定されている。この
ような従来例のハンドル取付構造においてはハン
ドルステム７がヘツドパイプ２の上方に位置する
ことになるため、ヘツドパイプ２の外周前方でハ
ンドルを運転者が把持するためには上記のような
ドロツプハンドル６が必要となる。すなわちハン
ドルステム７のクリツプ部１１に貫通されて左右
方向にのびる真直部１２と、その両端部を前方向
に折り曲げてから下方手前に折り返すＵ字形状部
１３，１３を形成することにより、その下方手前
に折り返した部分をヘツドパイプ２外周前方に位
置させて把持部１３ａとしている。しかしこのよ
うなドロツプハンドル６はその形状が複雑で変形
加工が容易でなかつた。

本考案は上記に鑑み、ヘツドパイプ外周前方で
ハンドルを把持するに際しハンドルを複雑な形状
に変形加工する必要のないハンドル取付構造を提
供するもので、その特徴とするところは、フレー
ムのヘツドパイプにフロントホークのホークチユ
ーブが回動自在かつ抜け止め状態に挿通され、該
ホークチユーブにハンドルステムが固定される自
転車のハンドル取付構造において、ハンドルステ
ムに設けられた固定具がヘツドパイプの上下方向
にわたつてまたがり、その両端部がホークチユー
ブに固定された点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

第２図乃至第４図において、１４は自転車のフ
レームでその前端にはヘツドパイプ１５を有す
る。１６はタイヤでフロントホーク１７に回動自
在に支持されている。１８はハンドルステムでハ
ンドル１９が取付けられている。そしてヘツドパ
イプ１５にフロントホーク１７上端から突設され
たホークチユーブ２０が回動自在且つ抜け止め状
態に挿通されており、該ホークチユーブ２０にハ
ンドルステム１８がヘツドパイプ１５の上下方向
にわたつてまたがつた固定具２１を介して固定さ
れてヘツドパイプ１５外周前方に位置している。

ヘツドパイプ１５上下端には軸受２２，２２が
取付けられており、これにホークチユーブ２０が
回動自在に軸支されている。そしてホークチユー
ブ２０上端にロツクナツト２４が螺着され、これ
によりホークチユーブ２０は抜け止め状態となつ
ている。

ハンドル１９は左右方向に真直にのびる真直部
２５と、その両端から前方に折り曲げられた把持
部２６，２６からなる。把持部２６，２６前端は
僅かに上方に反り返らせてある。

ハンドルステム１８はハンドル１９の真直部２
５が貫通されるクリツプ部２７と該クリツプ部２
７からヘツドパイプ１５方向に連設されたアーム
部２８及び該アーム部２８基端に設けられたフラ
ンジ部２９を有する。またアーム部２８にはフラ
ンジ部２９底面に開口する空洞部３０が設けられ
ている。そしてクリツプ部２７に貫通されたハン
ドル１９の真直部２５は、やはりクリツプ部２７
に挿入された三日月形状の押圧片３１を介してボ
ルト３２により固定されている。このボルト３２
は前記空洞部３０から挿通されることにより外部
からは見えず、外観上好ましいものとしている。
また押圧片３１と真直部２５の接合面はすべり止
め面とされている。

固定具２１は第５図に示すように縦長逆Ｌ字形
状の上部固定具２１ａとＬ字形状の下部固定具２
１ｂを有する。上部固定具２１ａの上端部３３に
は取付孔３４が設けられて、該取付孔３４内周面
には突起３５が形成されている。また上部取付具
２１ａ前面の下方には上下方向に長径の長孔３６
が設けられ、その上方には上下方向に並列状に多
数の通孔３７が設けられている。下部固定具２１
ｂの下端部３８には取付孔３９が設けられてい
る。そして上部固定具２１ａの長孔３６に挿通さ
れたネジ４１により両固定具２１ａ，２１ｂは連
結されている。また上部固定具２１ａ前面の一対
の通孔３７，３７に挿通された一対のボルト４
３，４３により、ハンドルステム１８のフランジ
部２９が固定具２１に固定されている。またヘツ
ドパイプ１５にホークチユーブ２０を挿通する前
に固定具２１をヘツドパイプ１５及びその両端の
軸受２２，２２にまたがらせ、次にホークチユー
ブ２０を両端部３８，３８の取付孔３４，３９及
びヘツドパイプ１５と軸受２２，２２に挿通す
る。この際ホークチユーブ２０上端周面に切欠４
４を設け、ここに上端部３３取付孔３４の突起３
５を係合嵌着させることにより固定具２１とホー
クチユーブ２０を相対回動不能とする。そしてホ
ークチユーブ２０に前記ロツクナツト２４を螺着
することにより、固定具２１はロツクナツト２４
と上方の軸受２２間で挟着状となり、これにより
固定具２１はホークチユーブ２０に固定されてい
る。

上記実施例に示すハンドル取付構造において、
固定具２１を一体に形成することも考えられる
が、上部固定具２１ａと下部固定具２１ｂを連結
して形成したのは自転車の種類によつてヘツドパ
イプ１５の長さが異なるためにそれに対応して固
定具２１を上下方向に長さ調節可能とするためで
あり、そのため両固定具２１ａ，２１ｂを長孔３
６とネジ４１を介して連結した。

また、上記実施例では、固定具２１に対しハン
ドルステム１８を上下位置調整自在に設けたの
で、運転者の体格にあわせてハンドルステム１８
の上下位置調整が可能である。そのために、上部
固定具２１ａ前面にハンドルステム１８固定用ボ
ルト４３の通孔３７を上下方向に多数設けた。な
おこの通孔３７を第６図に示すように長孔４５と
することにより、その上下位置調節の微調節もで
きる。

本考案によれば、ハンドルステム１８に設けら
れた固定具２１がヘツドパイプ１５にその上下方
向からまたがり、その両端部３８，３８がホーク
チユーブ２０に固定されているために、ハンドル
ステム１８がヘツドパイプ１５外周前方に位置さ
れ、ハンドル１９把持部２６をヘツドパイプ１５
外周前方に位置させるのに従来例のドロツプハン
ドル６のようにヘツドパイプ２上方から下方に折
り曲げる必要はないため、ドロツプハンドル６に
比べシンプルな形状のハンドル１９でよいためそ
のハンドル１９の変形加工は容易である。またハ
ンドルステム１９は従来のハンドルステム７のよ
うに下部円筒部８を必要としないために短寸とな
り、その分撓みにくくなつて剛性が大きくなると
共に材料が削減できて製作コストの低減が図れ
る。また従来のハンドル取付構造であればハンド
ルステムはヘツドパイプの上端位置のみで支持さ
れていたのが本考案によればヘツドパイプの上下
２位置で支持されることになり強度上好ましいも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図１は従来例のドロツプハンドルの取付状
態を示す斜視図、第１図２は同取付構造を示す要
部拡大断面図、第２図は本考案のハンドル取付構
造に係るハンドルの取付状態を示す斜視図、第３
図は同取付構造を示す要部拡大断面図、第４図は
同取付状態を示す正面図、第５図は本考案に係る
固定具の斜視図、第６図は同固定具の異なつた実
施例を示す斜視図である。 １４……フレーム、１５……ヘツドパイプ、１
７……フロントホーク、１８……ハンドルステ
ム、２０……ホークチユーブ、２１……固定具、
３３……上端部、３８……下端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレーム１４のヘツドパイプ１５にフロントホ
   ーク１７のホークチユーブ２０が回動自在かつ抜
   け止め状態に挿通され、該ホークチユーブ２０に
   ハンドルステム１８が固定される自転車のハンド
   ル取付構造において、ハンドルステム１８に設け
   られた固定具２１がヘツドパイプ１５の上下方向
   にわたつてまたがり、その両端部３３，３８がホ
   ークチユーブ２０に固定されたことを特徴とする
   自転車のハンドル取付構造。