JPH0632280B2 - 発熱体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電気ストーブや電気温風機に使用する発熱体
に関するものである。

従来の技術 一般に電気ストーブや電気温風機に使用する発熱体は種
々あるが最近は、発熱体を縦形に使用する電気ストーブ
が市場に出ている。この電気ストーブに使用している発
熱体は、第７図に示すように発熱線Ａをコイル状に巻い
て、密着させた状態で使用されている。この場合に発熱
線Ａの表面には絶縁被膜処理をしたものが使用されてい
る。

発明が解決しようとする問題点 一般の電気ストーブ、電気温風機に使用されている発熱
線は空気中での使用材料でニッケルクローム又は鉄、ク
ローム、アルミ合金線を使用しているが、これでは線温
度が、せいぜい９５０℃迄であって、より強力な輻射熱
を多く出す熱効率のよい電気ストーブ、電気温風機を提
供することはできない。又、発熱体を垂直に立てて使用
する電気ストーブ、電気温風機においても同じことであ
る。又最近ランプ方式の発熱線温度を高くした発熱体も
市場に出廻っているが、これなども、横形で使用するの
は良いが縦形で使用すると、発熱線が下部にたれ下がっ
て線同志が接触して断線する。

本発明はこのような従来の問題点を解消するものであ
り、発熱体の線温度を高くして強力な輻射熱を出す垂直
使用可能な発熱体を提供するものである。

問題点を解決するための手段 本発明の発熱体は、発熱線のコイルピッチ間に電気絶縁
材料で作られた絶縁座金を入れ、絶縁座金の中心部に貫
通孔をあけて、支柱棒で保持されている。この支柱棒を
支える支持バネで両端が支えられて耐熱絶縁パイプの内
部に収納させている。このパイプの両端が封口され、封
口部からリード線等が外部に電気接続用として出されて
いる。又封口された耐熱絶縁パイプ内部には発熱線の酸
化、昇華を防止する不活性ガスが封入されたものであ
る。

作 用 本発明の発熱体は、垂直でも使用するもので、発熱線は
楕円形で、ら線状に巻き、このコイルピッチを一定に保
つために複数個の絶縁座金で仕切っているため、絶縁が
とれ線温度を高められる。

実施例 以下、本発明の一実施例の発熱体を図面を参照して説明
する。

第１図、第２図は発熱体３を垂直に取り付けた電気スト
ーブの外観図である。発熱体３は反射板２と本体１によ
って支持されている。

第３図は発熱体３を示し、耐熱絶縁パイプ（石英管、セ
ラミック管等）１１の両端の封口部１２、１２′をガス
バーナにて加熱して封口する。そしてその両端からリー
ド線９、９′を出して電気的に接続する構造となってい
る。

第４図は発熱体３の断面図である。まず楕円形で、ら線
状に巻かれた発熱線（タングステン、モリブデン、タン
タル、チタン等）５の各ピッチに絶縁座金（アルミナ磁
器、ムライト磁器等）１３を挿入した後に支柱棒（タン
グステン、モリブデン、タンタル、チタン等）６を貫通
させた後、支柱棒６カーラー（アルミナ磁器、ムライト
磁器等）１４を通して、両端を扁平に加工して抜け防止
をする。カーラー１４の両端に接続端子（モリブデン
材、タンタル材等）８を固定し、発熱線５を点溶接す
る。この接続端子８に支持バネ（モリブデン、タンタル
等）７を点溶接する。封口部１２、１２′の部分にはガ
スの漏洩を防止するために密封構造として電気的には接
続端子（モリブデン箔、タンタル箔材等）１０、１０′
で接続されている。１１はゲッターで残留酸素を吸収す
る材料である。９はリード線である。

第５図は発熱体３の発熱線５のコイル状態の図である。
楕円形の形状に巻かれた発熱線５を、ら線状に巻いてコ
イル状態にする。

第６図は、支柱棒６に複数個の絶縁座金１３を発熱線５
のコイルピッチ数だけ通し、その両端にカーラー１４を
通した後、支柱棒６の両端を扁平に加工して、絶縁座金
１３とカーラー１４が抜けないようにする。この絶縁座
金１３の形状は丁度ソロバン玉のような形状で、これを
複数個並べると、ねじ山のような形となって、発熱線５
のコイル間の短絡防止となる。

発明の効果 以上のように本発明の発熱体は、垂直状態でも使用する
発熱体であって、強力な輻射熱を出させるために発熱線
の温度を高くして使用するに当って、発熱線のコイルピ
ッチを移動させないために、コイルピッチ間に絶縁座金
を挿入して、支柱棒で保持している。またこの絶縁座金
を振動、落下衝撃から保護するために、支柱棒は支持バ
ネで支える。

このようにしてできた発熱体は、垂直に使用しても発熱
線がたれさがって接触することなく長寿命であり、発熱
線と絶縁座金との接触は少ないため通電后すぐに暖かく
なり、発熱線が赤熱状態になる時間は極めて短時間で、
立上りの速い発熱体となる。支柱棒と絶縁座金は支持バ
ネで支えられているため機械的強度は強く、製品に組込
んだ状態では振動、落下衝撃に強く、又支柱棒と絶縁座
金の熱膨張収縮を吸収し、クッションとしての働きをす
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は電気ストーブの一部切欠側面図、第２図は電気
ストーブの平面断面図、第３図ａ、ｂは本発明一実施例
の発熱体の側面図と正面図、第４図は同発熱体の側面断
面図、第５図ａ、ｂは発熱線を示す平面図と側面図、第
６図ａ、ｂは絶縁リンフと支柱棒を示す側面図と平面
図、第７図は従来の電気ストーブ用発熱体の側面断面図
である。 ４……耐熱絶縁パイプ、５……発熱線、６……支柱棒、
７……支持バネ、８……接続端子、９……リード線、１
０……接続端子、１１……ゲッター、１２……封口部、
１３……絶縁座金、１４……カーラー。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三野 嵩 香川県三豊郡豊中町大字本山甲22番地 寿 工芸株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−38788（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−107146（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭40−18152（ＪＰ，Ｂ１) 実公 昭36−10466（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】不活性ガスを密封した耐熱絶縁パイプ中
   に、楕円形でら線状に巻かれた発熱線を、支柱棒と複数
   個の絶縁座金による外周部に形成した溝により保持する
   とともに、その支柱棒を支持バネで支持した発熱体。
2. 【請求項２】発熱線はタングステン、モリブデン、チタ
   ン、タンタル材の少なくとも一つよりなる特許請求の範
   囲第１項記載の発熱体。
3. 【請求項３】不活性ガスはアルゴン、窒素又はそれの混
   合ガスである特許請求の範囲第１項記載の発熱体。
4. 【請求項４】絶縁座金はアルミナ含有率６６〜９９％の
   セラミック材で形成した特許請求の範囲第１項記載の発
   熱体。
5. 【請求項５】支持バネと支柱棒はタングステン、モリブ
   デン、タンタル材の少なくとも一つで形成した特許請求
   の範囲第１項記載の発熱体。