JPH06321580A - 耐摩耗性低透過率ガラス - Google Patents
耐摩耗性低透過率ガラスInfo
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- JPH06321580A JPH06321580A JP13679293A JP13679293A JPH06321580A JP H06321580 A JPH06321580 A JP H06321580A JP 13679293 A JP13679293 A JP 13679293A JP 13679293 A JP13679293 A JP 13679293A JP H06321580 A JPH06321580 A JP H06321580A
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- protective film
- glass
- transparent protective
- film
- transmittance
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- Pending
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C17/00—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
- C03C17/34—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
- C03C17/3411—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
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- Organic Chemistry (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明の耐摩耗性低透過率ガラスは、ガラス
板面に熱線遮蔽膜、この熱線遮蔽膜面に第1の透明保護
膜、この第1の透明保護膜面に第2の透明保護膜を順次
積層した耐摩耗性低透過率ガラスであって、前記第2の
透明保護膜の厚みが2〜20nmであり、かつ前記第1
の透明保護膜と前記第2の透明保護膜との厚みの和が2
5nm以下であり、前記耐摩耗性低透過率ガラスの可視
光線透過率が40%以下であり、かつガラス面の可視光
線反射率が30%以下である。 【効果】 可視光線透過率が40%以下でガラス面の可
視光線反射率が30%以下でありながら、優れた耐摩耗
性および化学的耐久性を有している。
板面に熱線遮蔽膜、この熱線遮蔽膜面に第1の透明保護
膜、この第1の透明保護膜面に第2の透明保護膜を順次
積層した耐摩耗性低透過率ガラスであって、前記第2の
透明保護膜の厚みが2〜20nmであり、かつ前記第1
の透明保護膜と前記第2の透明保護膜との厚みの和が2
5nm以下であり、前記耐摩耗性低透過率ガラスの可視
光線透過率が40%以下であり、かつガラス面の可視光
線反射率が30%以下である。 【効果】 可視光線透過率が40%以下でガラス面の可
視光線反射率が30%以下でありながら、優れた耐摩耗
性および化学的耐久性を有している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス板面に熱線遮蔽
膜、この熱線遮蔽膜面に第1の透明保護膜、この第1の
透明保護膜面に第2の透明保護膜を順次積層した耐摩耗
性低透過率ガラスに関するものであって、この耐摩耗性
低透過率ガラスの可視光線透過率を40%以下とし、か
つガラス面の可視光線反射率を30%以下として、車両
用窓ガラスおよび建築用窓ガラスとして好適に使用し得
るようにしたものである。
膜、この熱線遮蔽膜面に第1の透明保護膜、この第1の
透明保護膜面に第2の透明保護膜を順次積層した耐摩耗
性低透過率ガラスに関するものであって、この耐摩耗性
低透過率ガラスの可視光線透過率を40%以下とし、か
つガラス面の可視光線反射率を30%以下として、車両
用窓ガラスおよび建築用窓ガラスとして好適に使用し得
るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用ガラスにおいて、可視光線透過
率が40%以下である単板のプライバシーガラス(低透
過率ガラス)に対するコーティング膜(保護膜)として
は、従来から、金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒
化物の単層膜が用いられている。そして、このような単
層膜の製法としては、大面積に成膜する必要があること
から、スパッタ法や熱分解法が採用されている。また、
このようなプライバシーガラスは、主に、自動車のルー
フ部分、リアー部分などの非可動ガラス部に使用されて
いる。
率が40%以下である単板のプライバシーガラス(低透
過率ガラス)に対するコーティング膜(保護膜)として
は、従来から、金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒
化物の単層膜が用いられている。そして、このような単
層膜の製法としては、大面積に成膜する必要があること
から、スパッタ法や熱分解法が採用されている。また、
このようなプライバシーガラスは、主に、自動車のルー
フ部分、リアー部分などの非可動ガラス部に使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近になって、自動車
のデザインの多様化や、自動車内のプライバシーの保護
および日射光による熱負荷の軽減のために、このような
プライバシーガラスを自動車の可動ガラス部にも使用し
たいという要望がある。
のデザインの多様化や、自動車内のプライバシーの保護
および日射光による熱負荷の軽減のために、このような
プライバシーガラスを自動車の可動ガラス部にも使用し
たいという要望がある。
【0004】しかし、上述のような従来の構成を有する
プライバシーガラスを自動車のドアーガラスなどの昇降
ガラス部に使用すると、昇降ガラス部の昇降の際に、プ
ライバシーガラスがドアーボディーに取り付けたウェザ
ーストリップと摩擦して摩耗するために、コーティング
膜面に傷が付いたり、コーティング膜が剥がれたりする
から、このまゝでは使用できない。これは、従来のコー
ティング膜が膜硬度やガラス板との付着力の点で十分で
ないことに起因している。
プライバシーガラスを自動車のドアーガラスなどの昇降
ガラス部に使用すると、昇降ガラス部の昇降の際に、プ
ライバシーガラスがドアーボディーに取り付けたウェザ
ーストリップと摩擦して摩耗するために、コーティング
膜面に傷が付いたり、コーティング膜が剥がれたりする
から、このまゝでは使用できない。これは、従来のコー
ティング膜が膜硬度やガラス板との付着力の点で十分で
ないことに起因している。
【0005】本発明は、上述のような課題を克服するた
めのものであって、その目的は、可視光線透過率が40
%以下であり、かつガラス面の可視光線反射率が30%
以下であって、自動車の昇降ガラス部に使用した場合に
も使用に耐え得るような優れた耐摩耗性および化学的耐
久性を有する低透過率ガラスを提供することである。
めのものであって、その目的は、可視光線透過率が40
%以下であり、かつガラス面の可視光線反射率が30%
以下であって、自動車の昇降ガラス部に使用した場合に
も使用に耐え得るような優れた耐摩耗性および化学的耐
久性を有する低透過率ガラスを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の耐摩耗性低透過
率ガラスは、ガラス板面に熱線遮蔽膜、この熱線遮蔽膜
面に第1の透明保護膜、この第1の透明保護膜面に第2
の透明保護膜を順次積層した耐摩耗性低透過率ガラスで
あって、前記第2の透明保護膜の厚みが2〜20nmで
あり、かつ前記第1の透明保護膜と前記第2の透明保護
膜との厚みの和が25nm以下であり、前記耐摩耗性低
透過率ガラスの可視光線透過率が40%以下であり、か
つ前記耐摩耗性低透過率ガラスのガラス面の可視光線反
射率が30%以下であることを特徴とするものである。
率ガラスは、ガラス板面に熱線遮蔽膜、この熱線遮蔽膜
面に第1の透明保護膜、この第1の透明保護膜面に第2
の透明保護膜を順次積層した耐摩耗性低透過率ガラスで
あって、前記第2の透明保護膜の厚みが2〜20nmで
あり、かつ前記第1の透明保護膜と前記第2の透明保護
膜との厚みの和が25nm以下であり、前記耐摩耗性低
透過率ガラスの可視光線透過率が40%以下であり、か
つ前記耐摩耗性低透過率ガラスのガラス面の可視光線反
射率が30%以下であることを特徴とするものである。
【0007】本発明において、第2の透明保護膜の厚み
を2〜20nmとした理由は、以下に述べるように、こ
の第2の透明保護膜の厚みに応じて、第1の透明保護膜
と第2の透明保護膜との2層構成からなる保護膜全体の
耐久性のフアクターである耐摩耗性および化学的耐久性
に対して異なる影響を与えることが見い出されたからで
ある。
を2〜20nmとした理由は、以下に述べるように、こ
の第2の透明保護膜の厚みに応じて、第1の透明保護膜
と第2の透明保護膜との2層構成からなる保護膜全体の
耐久性のフアクターである耐摩耗性および化学的耐久性
に対して異なる影響を与えることが見い出されたからで
ある。
【0008】すなわち、保護膜の耐摩耗性については、
第2の透明保護膜の厚みが20nmまであれば、その厚
みの増加とともに保護膜全体の耐摩耗性はだんだん大き
くなる。しかし、第2の透明保護膜の厚みが20nmよ
りも大きくなると、この第2の透明保護膜が柱状の構造
となり、また、この第2の透明保護膜が結晶性になって
この膜の表面の平滑性が悪くなり、さらに、内部応力が
大きくなって保護膜全体としての耐摩耗性が第2の保護
膜を設けないときよりも低下する。したがって、第2の
保護膜の厚みを20nm以下(好ましくは、15nm以
下)とすることにより、第1の保護膜のみの場合よりも
耐摩耗性の改善を図ることができる。
第2の透明保護膜の厚みが20nmまであれば、その厚
みの増加とともに保護膜全体の耐摩耗性はだんだん大き
くなる。しかし、第2の透明保護膜の厚みが20nmよ
りも大きくなると、この第2の透明保護膜が柱状の構造
となり、また、この第2の透明保護膜が結晶性になって
この膜の表面の平滑性が悪くなり、さらに、内部応力が
大きくなって保護膜全体としての耐摩耗性が第2の保護
膜を設けないときよりも低下する。したがって、第2の
保護膜の厚みを20nm以下(好ましくは、15nm以
下)とすることにより、第1の保護膜のみの場合よりも
耐摩耗性の改善を図ることができる。
【0009】一方、第2の透明保護膜の厚みが2nmよ
りも小さいと、その膜面に沿った方向に連続構造をとり
にくくなるから、この第2の透明保護膜が島状の構造と
なる。このために、外部から侵入する酸性物質やアルカ
リ性物質が第2の透明保護膜を通して第1の透明保護膜
の表面に到達し易くなるから、保護膜全体としての化学
的耐久性、とりわけ、耐アルカリ性が改善されない。し
たがって、第2の透明保護膜の膜厚は化学的耐久性を確
保するために2nm以上は必要である。
りも小さいと、その膜面に沿った方向に連続構造をとり
にくくなるから、この第2の透明保護膜が島状の構造と
なる。このために、外部から侵入する酸性物質やアルカ
リ性物質が第2の透明保護膜を通して第1の透明保護膜
の表面に到達し易くなるから、保護膜全体としての化学
的耐久性、とりわけ、耐アルカリ性が改善されない。し
たがって、第2の透明保護膜の膜厚は化学的耐久性を確
保するために2nm以上は必要である。
【0010】上述のように、その厚みを膜の粒子成長や
結晶構造が発達しない2〜20nmの厚みに限定した第
2の透明保護膜をその下層の第1の透明保護膜と積層す
ることにより、第2の透明保護膜のみを保護膜とした低
透過率ガラスよりも優れた耐摩耗性と化学的耐久性とを
併せもつ低透過率ガラスとすることができる。
結晶構造が発達しない2〜20nmの厚みに限定した第
2の透明保護膜をその下層の第1の透明保護膜と積層す
ることにより、第2の透明保護膜のみを保護膜とした低
透過率ガラスよりも優れた耐摩耗性と化学的耐久性とを
併せもつ低透過率ガラスとすることができる。
【0011】本発明において、第1の透明保護膜と第2
の透明保護膜との厚みの和を25nm以下とした理由
は、これらの透明保護膜と熱線遮蔽膜との光学的干渉に
よる反射光の着色化を防ぐためや可視光線反射率があま
り高くならないようにするためである。特に、上記厚み
の和が25nmを超えると、これらの透明保護膜面にお
ける反射光の着色化が大きくなるから、低透過率ガラス
の低透過率とも相俟って、自動車内の乗員に対して不快
感を与える。
の透明保護膜との厚みの和を25nm以下とした理由
は、これらの透明保護膜と熱線遮蔽膜との光学的干渉に
よる反射光の着色化を防ぐためや可視光線反射率があま
り高くならないようにするためである。特に、上記厚み
の和が25nmを超えると、これらの透明保護膜面にお
ける反射光の着色化が大きくなるから、低透過率ガラス
の低透過率とも相俟って、自動車内の乗員に対して不快
感を与える。
【0012】上述のように、本発明においては、第1の
透明保護膜と第2の透明保護膜との厚みの和は25nm
以下であり、第2の透明保護膜の厚みは2〜20nmで
あるから、第1の透明保護膜の厚みの上限は23nmと
なるが、その下限は、この第1の保護膜の実用上の存在
効果から見て、5nmであるのが好ましい。
透明保護膜と第2の透明保護膜との厚みの和は25nm
以下であり、第2の透明保護膜の厚みは2〜20nmで
あるから、第1の透明保護膜の厚みの上限は23nmと
なるが、その下限は、この第1の保護膜の実用上の存在
効果から見て、5nmであるのが好ましい。
【0013】本発明において、ガラス板は、フロートガ
ラスなどからなるのが好ましく、必要な可視光線透過率
を有すれば、必要に応じて着色されていてもよい。ま
た、このガラス板の厚みは、用途に応じて任意に選定し
得るが、実用上の観点から見て一般的に言えば、2〜6
mmであるのが好ましく、3〜5mmであるのがさらに
好ましい。
ラスなどからなるのが好ましく、必要な可視光線透過率
を有すれば、必要に応じて着色されていてもよい。ま
た、このガラス板の厚みは、用途に応じて任意に選定し
得るが、実用上の観点から見て一般的に言えば、2〜6
mmであるのが好ましく、3〜5mmであるのがさらに
好ましい。
【0014】本発明において、熱線遮蔽膜を構成する材
料としては、熱線遮蔽機能を有する材料であれば、特に
制限はない。しかし、可視光線透過率を40%以下とし
たときにも自動車用ガラスに適したニュートラルな色調
を与えるようにするために、チタン、ジルコニウムおよ
びクロムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属
の窒化物を用いるのが好ましく、これらの中でも、クロ
ムの窒化物が特に好ましい。
料としては、熱線遮蔽機能を有する材料であれば、特に
制限はない。しかし、可視光線透過率を40%以下とし
たときにも自動車用ガラスに適したニュートラルな色調
を与えるようにするために、チタン、ジルコニウムおよ
びクロムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属
の窒化物を用いるのが好ましく、これらの中でも、クロ
ムの窒化物が特に好ましい。
【0015】本発明において、第1の透明保護膜を構成
する材料としては、通常この種の保護膜として用いられ
るものであれば、特に制限はない。しかし、第2の透明
保護膜が化学的または機械的にダメージを受けても傷が
付き難くて良好な耐摩耗性を有する保護膜を与えるよう
にするために、Si3 N4 、SiO2 、SnO2 、Zr
Bx Oy (x=1.0〜1.9、y=1.5〜2.
5)、SiCx Oy Nz (x=0.3〜1.2、y=
0.4〜1.5、z=0.1〜0.7)およびTaCx
Oy Nz (x=0.4〜1.1、y=0.7〜2.0、
z=0.2〜0.7)からなる群より選ばれた少なくと
も1種の化合物を用いるのが好ましい。また、第2の透
明保護膜の結晶成長を抑制するためには非晶質である必
要があるから、これらの中でも、SiO2 またはSiO
x Ny 、SnO2 を用いるのが特に好ましい。
する材料としては、通常この種の保護膜として用いられ
るものであれば、特に制限はない。しかし、第2の透明
保護膜が化学的または機械的にダメージを受けても傷が
付き難くて良好な耐摩耗性を有する保護膜を与えるよう
にするために、Si3 N4 、SiO2 、SnO2 、Zr
Bx Oy (x=1.0〜1.9、y=1.5〜2.
5)、SiCx Oy Nz (x=0.3〜1.2、y=
0.4〜1.5、z=0.1〜0.7)およびTaCx
Oy Nz (x=0.4〜1.1、y=0.7〜2.0、
z=0.2〜0.7)からなる群より選ばれた少なくと
も1種の化合物を用いるのが好ましい。また、第2の透
明保護膜の結晶成長を抑制するためには非晶質である必
要があるから、これらの中でも、SiO2 またはSiO
x Ny 、SnO2 を用いるのが特に好ましい。
【0016】本発明において、第2の透明保護膜を構成
する材料としては、ZrO2 、Ta2 O5 およびNb2
O5 からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を
用いることができ、また、これらの化合物は、その膜中
に小量の窒素が取り込まれた酸窒化ジルコニウム、酸窒
化タンタルおよび酸窒化ニオブであってもよい。そし
て、これらの中でも、化学的安定性のために、ZrO2
およびTa2 O5 を用いるのが特に好ましい。
する材料としては、ZrO2 、Ta2 O5 およびNb2
O5 からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を
用いることができ、また、これらの化合物は、その膜中
に小量の窒素が取り込まれた酸窒化ジルコニウム、酸窒
化タンタルおよび酸窒化ニオブであってもよい。そし
て、これらの中でも、化学的安定性のために、ZrO2
およびTa2 O5 を用いるのが特に好ましい。
【0017】本発明において、第1の透明保護膜と第2
の透明保護膜とを構成する化合物の組み合せとしては、
SnO2 とTa2 O5 、ZrBx Oy とTa2 O5 、S
nO2 とZrO2 、Si3 N4 とZrO2 の各組合せが
特に好ましい。その理由は、内部応力が相殺されるため
であると考えられる。
の透明保護膜とを構成する化合物の組み合せとしては、
SnO2 とTa2 O5 、ZrBx Oy とTa2 O5 、S
nO2 とZrO2 、Si3 N4 とZrO2 の各組合せが
特に好ましい。その理由は、内部応力が相殺されるため
であると考えられる。
【0018】本発明の耐磨耗性低透過率ガラスは、ガラ
ス板面に熱線遮蔽膜、第1の透明保護膜および第2の透
明保護膜をスパッタリング法などの常法により順次形成
することにより、容易に製造することができる。
ス板面に熱線遮蔽膜、第1の透明保護膜および第2の透
明保護膜をスパッタリング法などの常法により順次形成
することにより、容易に製造することができる。
【0019】次に、本発明をその実施例および比較例に
つきさらに詳しく説明する。
つきさらに詳しく説明する。
【0020】図1は、本発明による耐摩耗性低透過率ガ
ラスを自動車の昇降ガラス部のドアガラスに適用した実
施例を示している。そして、この低透過率ガラスは、図
1に示すように、ガラス基板1の表面(自動車の車内側
になる面)に熱線遮蔽膜2、第1の透明保護膜3および
第2の透明保護膜4を順次積層したものである。また、
次に述べる実施例1〜9は、図1に示す低透過率ガラス
において、膜構成および/または膜厚を種々に変えたも
のてあり、比較例1〜4は、上記実施例1〜9に準じて
膜構成および/膜厚を種々に変えたものである。
ラスを自動車の昇降ガラス部のドアガラスに適用した実
施例を示している。そして、この低透過率ガラスは、図
1に示すように、ガラス基板1の表面(自動車の車内側
になる面)に熱線遮蔽膜2、第1の透明保護膜3および
第2の透明保護膜4を順次積層したものである。また、
次に述べる実施例1〜9は、図1に示す低透過率ガラス
において、膜構成および/または膜厚を種々に変えたも
のてあり、比較例1〜4は、上記実施例1〜9に準じて
膜構成および/膜厚を種々に変えたものである。
【0021】実施例1〜9および比較例1〜4 ガラス基板としてグレーペーン(日本板ガラス(株)製
商品名、3.5mm厚)を用い、また、成膜装置として
DCスパッタリング装置を用いて、次の表1に示す成膜
条件で成膜を行うことによって、本発明の実施例および
比較例のサンプルを作成した。
商品名、3.5mm厚)を用い、また、成膜装置として
DCスパッタリング装置を用いて、次の表1に示す成膜
条件で成膜を行うことによって、本発明の実施例および
比較例のサンプルを作成した。
【0022】
【表1】
【0023】ただし、上記表1において、sccmは標
準状態(standard)cc/minを意味してい
る。また、Si以外のターゲットとしてはプラナーカソ
ードを用い、Siのターゲットとしては円筒回転型カソ
ードを用いた。また、CrNxの膜厚は透過率が20%
になるように搬送速度で調節し、その他の透明保護層の
膜厚は膜厚計にて成膜速度を算出した後に搬送速度で調
節した。
準状態(standard)cc/minを意味してい
る。また、Si以外のターゲットとしてはプラナーカソ
ードを用い、Siのターゲットとしては円筒回転型カソ
ードを用いた。また、CrNxの膜厚は透過率が20%
になるように搬送速度で調節し、その他の透明保護層の
膜厚は膜厚計にて成膜速度を算出した後に搬送速度で調
節した。
【0024】このようにして得られたサンプル(実施例
1〜9および比較例1〜4)について、光学特性、耐摩
耗性および化学的耐久性について評価し、その結果を第
2表および第3表に示した。
1〜9および比較例1〜4)について、光学特性、耐摩
耗性および化学的耐久性について評価し、その結果を第
2表および第3表に示した。
【0025】なお、評価は次の方法で行った。 光学特性:分光光度計(日立U−3400)により測定
した。 耐摩耗性:テーバー摩耗試験機により次の条件で測定
し、次の評価を行った。 条件 500g×1000回転 評価 透過率変化 化学的耐久性(ボイルテスト):(1)1Nの H2SO4に2
4時間浸漬した。 (2)1Nの NaOH に24時間浸漬した。 (3)100℃沸騰水中に2時間浸漬した。 上記(1)〜(3)の試験のいずれの場合にも、試験前
後の光学特性を評価した。
した。 耐摩耗性:テーバー摩耗試験機により次の条件で測定
し、次の評価を行った。 条件 500g×1000回転 評価 透過率変化 化学的耐久性(ボイルテスト):(1)1Nの H2SO4に2
4時間浸漬した。 (2)1Nの NaOH に24時間浸漬した。 (3)100℃沸騰水中に2時間浸漬した。 上記(1)〜(3)の試験のいずれの場合にも、試験前
後の光学特性を評価した。
【0026】
【表2】
【0027】ΔYA:可視光線透過率の変化分 ΔRA:可視光線反射率の変化分 HAZE:曇価
【0028】
【表3】
【0029】これらの表2および表3から、上述の実施
例1〜9では、いずれも、耐摩耗性試験および化学的耐
久性試験における透過率変化が小さく、また、透過色調
およびび反射色調のガラス基板からのずれが小さいこと
がわかる。このことは、本発明の実施例による低透過率
ガラスが耐摩耗性および化学的耐久性のいずれにも優
れ、また、その色調がニュートラルであることを示して
いる。
例1〜9では、いずれも、耐摩耗性試験および化学的耐
久性試験における透過率変化が小さく、また、透過色調
およびび反射色調のガラス基板からのずれが小さいこと
がわかる。このことは、本発明の実施例による低透過率
ガラスが耐摩耗性および化学的耐久性のいずれにも優
れ、また、その色調がニュートラルであることを示して
いる。
【0030】また、上記表2および表3から、上述の比
較例1〜4においては、金属窒化物膜からなる単層膜で
は色調はニュートラルであるが、耐摩耗性試験における
透過率変化が非常に大きく、また、耐摩耗性も劣ってい
ることがわかる。また第1および第2の保護層の膜厚を
厚くした場合には、膜面反射色調が基板色から大きくず
れたり、また、ガラス面の可視光線反射率が大きくなっ
たりすることがわかる。
較例1〜4においては、金属窒化物膜からなる単層膜で
は色調はニュートラルであるが、耐摩耗性試験における
透過率変化が非常に大きく、また、耐摩耗性も劣ってい
ることがわかる。また第1および第2の保護層の膜厚を
厚くした場合には、膜面反射色調が基板色から大きくず
れたり、また、ガラス面の可視光線反射率が大きくなっ
たりすることがわかる。
【0031】
【効果】以上に詳述したとおり、本発明の耐摩耗性低透
過率ガラスは、従来のプライバシーガラスが有するよう
に、40%以下の可視光線透過率および30%以下のガ
ラス面の可視光線反射率を有すると共に、これらの特性
に加えて、優れた耐摩耗性および化学的耐久性を有する
から、耐摩耗性および化学的耐久性に関して極めて苛酷
な条件が課せられる自動車用ドアーなどの昇降ガラス部
に使用するのに最適である。
過率ガラスは、従来のプライバシーガラスが有するよう
に、40%以下の可視光線透過率および30%以下のガ
ラス面の可視光線反射率を有すると共に、これらの特性
に加えて、優れた耐摩耗性および化学的耐久性を有する
から、耐摩耗性および化学的耐久性に関して極めて苛酷
な条件が課せられる自動車用ドアーなどの昇降ガラス部
に使用するのに最適である。
【図1】本発明による耐摩耗性低透過率ガラスの一部分
の縦断面図である。
の縦断面図である。
1 ガラス基板 2 熱線遮蔽膜 3 第1の透明保護膜 4 第2の透明保護膜
Claims (4)
- 【請求項1】 ガラス板面に熱線遮蔽膜、この熱線遮蔽
膜面に第1の透明保護膜、この第1の透明保護膜面に第
2の透明保護膜を順次積層した耐摩耗性低透過率ガラス
であって、 前記第2の透明保護膜の厚みが2〜20nmであり、か
つ前記第1の透明保護膜と前記第2の透明保護膜との厚
みの和が25nm以下であり、 前記耐摩耗性低透過率ガラスの可視光線透過率が40%
以下であり、かつ前記耐摩耗性低透過率ガラスのガラス
面の可視光線反射率が30%以下であることを特徴とす
る耐摩耗性低透過率ガラス。 - 【請求項2】 前記第1の透明保護膜を構成する化合物
が、Si3 N4 、SiO2 、SnO2 、ZrBx O
y (たゞし、x=1.0〜1.9、y=1.5〜2.
5)、SiCx Oy Nz (たゞし、x=0.3〜1.
2、y=0.4〜1.5、z=0.1〜0.7)および
TaCx Oy Nz (たゞし、x=0.4〜1.1、y=
0.7〜2.0、z=0.2〜0.7)からなる群から
選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の耐摩耗
性低透過率ガラス。 - 【請求項3】 前記第2の透明保護膜を構成する化合物
が、ZrO2 、Ta2 O5 およびNb2 O5 からなる群
より選ばれた少なくとも1種である請求項1または2に
記載の耐摩耗性低透過率ガラス。 - 【請求項4】 前記熱線遮蔽膜を構成する化合物が、チ
タン、ジルコニウムおよびクロムからなる群から選ばれ
た少なくとも1種の金属の窒化物である請求項1〜3の
いずれか1項に記載の耐摩耗性低透過率ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13679293A JPH06321580A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 耐摩耗性低透過率ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13679293A JPH06321580A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 耐摩耗性低透過率ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06321580A true JPH06321580A (ja) | 1994-11-22 |
Family
ID=15183628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13679293A Pending JPH06321580A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 耐摩耗性低透過率ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06321580A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6033785A (en) * | 1996-07-29 | 2000-03-07 | Central Glass Company, Limited | Vehicular colored glass pane with light transmittance and reflectance adjustment |
JP2004211910A (ja) * | 2002-12-26 | 2004-07-29 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 調理器用トッププレート |
JP2004333102A (ja) * | 2002-05-16 | 2004-11-25 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 調理器用トッププレート |
JP2005090906A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-07 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 調理器用トッププレート |
JP2011216457A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-10-27 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 電磁加熱調理器用トッププレート |
-
1993
- 1993-05-14 JP JP13679293A patent/JPH06321580A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6033785A (en) * | 1996-07-29 | 2000-03-07 | Central Glass Company, Limited | Vehicular colored glass pane with light transmittance and reflectance adjustment |
JP2004333102A (ja) * | 2002-05-16 | 2004-11-25 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 調理器用トッププレート |
JP2004211910A (ja) * | 2002-12-26 | 2004-07-29 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 調理器用トッププレート |
JP2005090906A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-07 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 調理器用トッププレート |
JP2011216457A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-10-27 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 電磁加熱調理器用トッププレート |
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