JPH06317204A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH06317204A
JPH06317204A JP10693893A JP10693893A JPH06317204A JP H06317204 A JPH06317204 A JP H06317204A JP 10693893 A JP10693893 A JP 10693893A JP 10693893 A JP10693893 A JP 10693893A JP H06317204 A JPH06317204 A JP H06317204A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
value
output
ratio sensor
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JP10693893A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Nada
光博 灘
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関
し、ストレージ項が適用される時における空燃比のハッ
チング及び理論空燃比への収束時間の延長を防止するこ
とを目的とする。 【構成】 三元触媒10下流側に配置された第1空燃比
センサ11と、三元触媒10の上流側に配置された出力
リニア型の第2空燃比センサ12と、第1空燃比センサ
11の出力により第1スキップ値を用いて粗調整項を演
算する粗調整項演算手段と、第1空燃比センサ11の出
力により第2スキップ値を用いてストレージ項を演算す
るストレージ項演算手段と、第2空燃比センサの出力に
応じて第2スキップ値を補正する第2スキップ値補正手
段、とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の空燃比制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に内燃機関の排気系には、排気ガ
スを浄化するための触媒コンバータが設けられている。
この触媒コンバータとして、排気ガス中の有害物質であ
る一酸化炭素及び炭化水素を酸化すると共に酸化窒素を
還元してそれぞれ無害物質に変換する三元触媒コンバー
タが広く使用されている。この三元触媒コンバータによ
る酸化及び還元作用は、理論空燃比燃焼の排気ガスにお
いていずれも良好に実行されるが、空燃比がリッチ状態
となると酸素不足により酸化作用が不活発となり、また
逆にリーン状態となると酸素過剰により還元作用が不活
発となる。
【0003】従って、三元触媒を有する内燃機関におい
て、混合気空燃比を理論空燃比にフィードバック制御す
ることが必要であり、そのための空燃比制御装置が特開
平3−160134号公報に記載されている。この装置
は排気通路の三元触媒下流に空燃比センサを有し、この
空燃比センサの出力を基に空燃比補正量を変化させるも
のである。この空燃比補正量の変化には、空燃比センサ
の出力が排気ガスのリッチ状態又はリーン状態を示す値
から他方の状態へ反転する時に比例制御を実行し、反転
しない時に積分制御を実行することにより算出される粗
調整項と、空燃比センサの出力が理論空燃比燃焼を示す
値近傍の所定範囲を越える時に比例制御を実行し、所定
範囲内となるまで積分制御を実行することにより算出さ
れるストレージ項とが導入される。このストレージ項
は、その比例制御に使用される第2スキップ値が粗調整
項において使用される第1スキップ値に比較して大きく
設定されており、空燃比のずれが大きい時に理論空燃比
へ比較的短時間で収束させることを意図している。
【0004】三元触媒には、一般的に酸素を貯蔵する能
力を持たせており、それにより、空燃比がリーン状態と
なっても余剰酸素を三元触媒が貯蔵することにより還元
作用を活発にし、またリッチ状態となっても貯蔵された
酸素を排出することにより酸化作用を活発にし、ある程
度の空燃比のずれに対しては良好な排気ガス浄化性能を
維持することができる。これは、三元触媒のO2 ストレ
ージ効果と呼ばれている。前述の従来技術は、空燃比セ
ンサが三元触媒下流に配置されており、実際の空燃比は
激しく変動するが、この変動がO2 ストレージ効果によ
り緩和されるために、比較的安定した出力が得られ良好
な空燃比制御が実現される。しかし、触媒が劣化すると
2 ストレージ効果が減少するために、この時、ストレ
ージ項算出の際に比較的大きな値に設定されている第2
スキップ値を使用すると過修正となり、短時間で逆側に
スキップが繰り返されて空燃比がハッチングする問題を
有している。この問題を解決するために、特開平4−8
6345号公報には、触媒が劣化する毎に第2スキップ
値を減少させる手段をさらに有するものが記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−86345
号公報の従来技術においても、触媒の劣化程度が等しい
所定期間の間は第2スキップ値は定数である。三元触媒
下流の空燃比センサの出力が理論空燃比燃焼を示す値近
傍の所定範囲を越える時、ストレージ項が適用される
が、この時、実際の空燃比のずれがそれほど大きなもの
でない場合、設定された第2スキップ値が大き過ぎ、過
修正となって依然として空燃比がハッチングする可能性
がある。また、これを防止するために第2スキップ値を
比較的小さな値に設定すると、実際の空燃比のずれが大
きい時に理論空燃比への収束時間が長くなる。
【0006】従って、本発明の目的は、前述のような粗
調整項及びストレージ項を使用する空燃比制御におい
て、特にストレージ項が適用される時における空燃比の
ハッチング及び理論空燃比への収束時間の延長を防止す
ることができる内燃機関の空燃比制御装置を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による内燃機関の
空燃比制御装置は、内燃機関の排気系に設置された三元
触媒と、前記排気系の三元触媒下流側に配置された第1
空燃比センサと、前記排気系の三元触媒上流側に配置さ
れた出力リニア型の第2空燃比センサと、前記第1空燃
比センサの出力が理論空燃比燃焼を示す値を境界として
リッチ側又はリーン側から他側に反転する時に第1スキ
ップ値を用いて比例制御を実行し、前記出力が反転しな
い時に積分制御を実行して空燃比補正量の粗調整項を演
算する粗調整項演算手段と、前記第1空燃比センサの出
力が理論空燃比燃焼を示す値近傍の所定範囲を越えてリ
ッチ側又はリーン側となる時に第2スキップ値を用いて
比例制御を実行し、前記出力が前記範囲内となるまで積
分制御を実行して空燃比補正量のストレージ項を演算す
るストレージ項演算手段と、前記第1空燃比センサの出
力が理論空燃比燃焼を示す値近傍の所定範囲を越えてリ
ッチ側又はリーン側となる時に第2空燃比センサの出力
に応じて前記第2スキップ値を補正する第2スキップ値
補正手段と、前記粗調整項及び前記ストレージ項に基づ
いて前記内燃機関の空燃比を調整する空燃比調整手段、
とを具備することを特徴とする。
【0008】
【作用】前述の内燃機関の空燃比制御装置において、粗
調整項演算手段は、排気系の三元触媒下流側に配置され
た第1空燃比センサの出力が理論空燃比燃焼を示す値を
境界としてリッチ側又はリーン側から他側に反転する時
に第1スキップ値を用いて比例制御を実行し、出力が反
転しない時に積分制御を実行して空燃比補正量の粗調整
項を演算し、ストレージ項演算手段は、第1空燃比セン
サの出力が理論空燃比燃焼を示す値近傍の所定範囲を越
えてリッチ側又はリーン側となる時に第2スキップ値を
用いて比例制御を実行し、出力が前記範囲内となるまで
積分制御を実行して空燃比補正量のストレージ項を演算
し、第2スキップ値補正手段は、第1空燃比センサの出
力が理論空燃比燃焼を示す値近傍の所定範囲を越えてリ
ッチ側又はリーン側となる時に排気系の三元触媒上流側
に配置された出力リニア型の第2空燃比センサの出力に
応じて第2スキップ値を補正し、空燃比調整手段は、粗
調整項及びストレージ項に基づいて内燃機関の空燃比を
調整する。
【0009】
【実施例】図1は、本発明による内燃機関の空燃比制御
装置の概略断面図である。同図において、1は内燃機
関、2は吸気通路、3は排気通路である。吸気通路2の
サージタンク2a上流にはアクセルペダル4に連動する
スロットル弁5が設けられ、そのさらに上流には吸入空
気量を検出するためのエアフローメータ6が配置されて
いる。またサージタンク2aの下流側通路には、各気筒
毎に燃料噴射弁7が設置されている。各燃料噴射弁7は
ポンプ8を介して燃料タンク9に接続されている。
【0010】一方排気通路3には、排気ガスを浄化する
ための三元触媒コンバータ10が配置され、その下流側
には、酸素濃度を基にこの位置での排気ガスがリッチ状
態かリーン状態かを検出可能な第1空燃比センサ11が
設置され、また三元触媒コンバータ10の上流側には、
酸素濃度を基にこの位置での排気ガスがどの程度のリッ
チ状態又はリーン状態であるかを検出可能な出力リニア
型の第2空燃比センサ12が設置されている。
【0011】燃料噴射弁7による燃料噴射量を制御する
ための制御装置20が設けられ、この制御装置20は、
例えばマイクロコンピュータシステムで構成され、A/
Dコンバータ20a、入出力インターフェース20b、
CPU20c、ROM20d、RAM20e、バックア
ップRAM20f、クロック発生回路20g等を有して
いる。このA/Dコンバータ20aには、第1及び第2
空燃比センサ11,12の出力と、機関冷却水温を検出
するための水温センサ13の出力と、エアフローメータ
6の出力とが供給され、また入出力インターフェース2
0bには、スロットル弁5の開度を検出するためのスロ
ットル弁開度センサ14の出力と、ディストリビュータ
15に設けられ、例えばクランク角度に換算して720
°毎にパルス信号を発生する第1クランク角センサ16
及びクランク角度に換算して30°毎にパルス信号を発
生する第2クランク角センサ17の出力とが供給され
る。
【0012】また、制御装置20において、ダウンカウ
ンタ20h、フリップフロップ20i及び駆動回路20
jは、燃料噴射弁7を制御するためのものである。後述
される燃料噴射量演算ルーチンで燃料噴射量TAUが演
算されると、その演算結果がダウンカウンタ20hに設
定され同時にフリップフロップ20iもセット状態とさ
れる。この結果駆動回路20jが燃料噴射弁7を付勢す
る。ダウンカウンタ20hはクロックパルス(図示せ
ず)の計数を開始しダウンカウンタ20hの値がゼロと
なった時にフリップフロップ20iをリセットし駆動回
路20jは燃料噴射弁7の付勢を停止する。すなわち、
燃料噴射量演算ルーチンで演算された期間だけ燃料噴射
弁7が付勢され、演算結果TAUに応じた燃料が内燃機
関1の各気筒に供給される。
【0013】図2は、燃料噴射量TAUを決定するため
の空燃比補正量として機能する粗調整項を演算するため
の第1フローチャートである。これを以下に説明する。
このフローチャートは例えば16ms毎に実行されるも
のであり、まずステップ101において、空燃比フィー
ドバック制御を行う条件が成立していることを示すフラ
グXFBが1であるかどうかが判断される。例えば、燃
料カット中、燃料増量中等の場合はフラグXFBは0で
あり、条件が成立していない時はそのまま終了する。
【0014】ステップ101における判断が肯定される
時はステップ102に進み、第1空燃比センサ11の出
力VOXが理論空燃比燃焼を示す値VR (例えば0.45
V)より小さいかどうかが判断される。この判断が肯定
される時、ステップ103において今回の排気ガスの状
態を表すフラグXOXはリーン状態を示す値0にセット
され、ステップ104に進む。
【0015】ステップ104において、前回の排気ガス
の状態を表すフラグXOXOがリッチ状態を示す値1で
あるかどうかが判断される。この判断が否定される時は
ステップ105に進み、第1空燃比センサ11の出力V
OXがリーン側及びリッチ側から他側へ反転する周期を表
すカウンタCNTが所定値KCNTより小さいかどうか
が判断される。この判断が肯定される時、ステップ10
6においてカウンタCNTは1だけ増加され終了する。
【0016】またステップ105における判断が否定さ
れる時、すなわちカウンタCNTが所定値KCNTに達
する時、ステップ107において、カウンタCNTは0
にリセットされ、ステップ108において、粗調整項A
FcはΔAFc2だけ増加される。すなわち、排気ガス
のリーン状態が持続すれば、粗調整項AFcは、このフ
ローチャートの実行間隔(例えば16ms)のKCNT
倍の時間が経過する毎にΔAFc2だけ積分的に増加す
ることになる。
【0017】またステップ104における判断が肯定さ
れる時、すなわち排気ガスがリッチ状態からリーン状態
に反転した時、ステップ109においてフラグXOXO
は0にセットされ、ステップ110において粗調整項A
FcをΔAFc1だけスキップ的に増加させ、ステップ
111においてカウンタCNTを0にリセットして終了
する。
【0018】一方、ステップ102における判断が否定
される時、すなわち排気ガスがリッチ状態である時、ス
テップ113においてフラグXOXは1にセットされ
る。以下排気ガスリーン状態と同様な処理が実行され
る。ただし、ステップ108に相当するステップ117
において、粗調整項AFcはΔAFc2だけ積分的に減
少され、またステップ110に相当するステップ119
において、粗調整項AFcはΔAFc1だけスキップ的
に減少される。
【0019】空燃比の理論空燃比に対するずれが比較的
小さい時は、燃料噴射量をこの粗調整項AFcを基に制
御することで良好な空燃比制御が実現されるが、このず
れが大きくなると、粗調整項AFcにおける第1スキッ
プ値ΔAFc1及び第1積分値ΔAFc2が、比較的小
さな値に設定されているために、粗調整項AFcだけで
は空燃比を理論空燃比に戻すまでに多大な時間を必要と
する。従って、本実施例における空燃比制御には、スト
レージ項が導入される。このストレージ項の演算のため
の第2フローチャートが図3に示されている。これを以
下に説明する。
【0020】このフローチャートは例えば16ms毎に
実行されるものであり、まずステップ201において、
第1フローチャートと同様に空燃比フィードバック制御
を行う条件が成立していることを示すフラグXFBが1
であるかどうかが判断される。この判断が否定される時
はそのまま終了するが、肯定される時はステップ202
に進み、第1空燃比センサ11の出力VOXが理論空燃比
燃焼を示す値VR より小さい第1のしきい値V1より小
さいかどうかが判断される。この判断が肯定される時、
すなわち第1空燃比センサ11により空燃比がリーン側
に大きくずれたことが推測される時、ステップ203に
進み、ストレージ項の積分値AFCCROiはΔAFccRO
け増加される。次にステップ204において、フラグF
が0であるかどうかが判断される。この判断が肯定され
る時ステップ205に進み、実際の空燃比を表す第2空
燃比センサ12の出力を基に図4に示す第1マップから
第2スキップ値AFCCROP1の補正値AFCCROP2を決定
し、ステップ206において、前述のフラグFを1に設
定し、ステップ207において、ストレージ項AFCC RO
は第2スキップ値AFCCROP1とその補正値AFCCROP2
積分値AFCCROi との和として計算される。また、ステ
ップ204において、補正値AFCCROP2が既に設定され
てフラグFが1になっていればステップ205及び20
6の処理は省略されてステップ207に進む。ここで使
用される第2スキップ値AFCCROP1は、従来に比較して
かなり小さな値に設定されている。
【0021】一方、ステップ202における判断が否定
される時ステップ208に進み、第1空燃比センサ11
の出力VOXが理論空燃比燃焼を示す値VR より大きい第
2のしきい値V2より大きいかどうかが判断される。こ
の判断が肯定される時、すなわち第1空燃比センサ11
により空燃比がリッチ側に大きくずれたことが推測され
る時、ステップ209に進み、ストレージ項の積分値A
CCROi はΔAFccROだけ減少される。次にステップ2
10において、フラグFが0であるかどうかが判断され
る。この判断が肯定される時ステップ211に進み、第
2空燃比センサ12の出力を基に図4に示す第1マップ
から第2スキップ値AFCCROP1の補正値AFCCROP2を決
定し、ステップ212において、前述のフラグFを1に
設定し、ステップ213において、ストレージ項AF
CCROは第2スキップ値−AFCCROP1とその補正値AF
CCROP2と積分値AFCCROi との和として計算される。ま
た、ステップ210において、補正値AFCCROP2が既に
設定されてフラグFが1になっていればステップ211
及び212の処理は省略されてステップ213に進む。
またステップ208における判断が否定される時、すな
わち第1空燃比センサ11により空燃比のずれが比較的
小さいことが推定される時は、前述の粗調整項AFcだ
けで良好な空燃比制御が実現されるために、ステップ2
10において積分値AFCCROi は0にセットされ、ステ
ップ211においてストレージ項AFCCROは0にセット
され、フラグFは0にリセットされる。
【0022】図4に示す第1マップにおいて、横軸のΔ
A/Fとは第2空燃比センサ12の出力を基に算出され
る実際の混合気空燃比から理論空燃比14.6を引いた
値である。従って、ΔA/Fが正の値であれば空燃比は
リーンであり、負の値であればリッチであり、その絶対
値が大きい程リーン又はリッチの程度が大きいことにな
る。補正値AFCCROP2は、ΔA/Fが0近傍の時は0で
あり、それ以外のΔA/Fに対してそれと同符号であ
り、その値が大きくなる程、段階的に大きくなるように
設定されている。
【0023】このようにして演算されるストレージ項A
CCROは、三元触媒のO2 ストレージ効果により比較的
安定した出力が得られる第1空燃比センサ11により空
燃比が大きくずれたと推定される時に算出され、そのス
キップ値には比較的小さな値に設定された第2スキップ
値AFCCROP1と第2空燃比センサ12により検出される
実際の空燃比を基に設定される補正値AFCCROP2との和
が使用されるために、実際の空燃比に対する適当なスキ
ップ値となり、空燃比のハッチング及び理論空燃比への
収束時間の延長は防止される。
【0024】三元触媒の劣化によってそのO2 ストレー
ジ効果が減少した場合において、実際の空燃比のずれが
大きいとスキップ値は大きな値となり、比較的短時間で
逆側へのスキップが必要となるが、従来のようにスキッ
プ値は定数でなく、この時のスキップ値は実際の空燃比
を基に前回より小さく決定されるために、空燃比がハッ
チングすることはなく、確実に理論空燃比へ収束させる
ことができる。
【0025】また、この実施例において、制御を簡単化
するために補正値AFCCROP2決定に使用される第1マッ
プは、空燃比に応じて補正値AFCCROP2が段階的に変化
するようにしたが、図5に示すような補正値AFCCROP2
が直線的に変化する第2マップを使用することにより、
ストレージ項のスキップ値はさらに適当な値となる。ま
た、第1及び第2マップにより決定される補正値AF
CCROP2をそのまま使用するのではなく、第2空燃比セン
サ12から得られるこの時の空燃比の時間微分値d(A
/F)/dtに応じて図6に示す第3マップから係数α
を求めてαAFCC ROP2を補正値として使用することも可
能である。係数αは、このマップに示すように、時間微
分値d(A/F)/dtの絶対値が所定値以下の時、す
なわち、空燃比の変化の傾きがゆるやかな時、1となり
補正値AFCCROP2はそのまま使用されるが、この傾きが
急激になる程、補正値AFCCROP2の絶対値が大きくなる
ように設定されており、それにより、αAFCCROP2とし
て算出される補正値は、空燃比の今後の変化をも考慮し
た値となる。
【0026】図7は、このようにして演算された粗調整
項AFc及びストレージ項AFCCROを基に燃料噴射量T
AUを演算するためのフローチャートであり、所定クラ
ンク角度毎に実行される。まずステップ301におい
て、エアフローメータ6により検出される吸入空気量Q
及びクランク角センサ16,17に検出される機関回転
数Nを基に次式(1)により基本燃料噴射量TAUPを
計算する。 TAUP=kQ/N … (1) 但しk=定数
【0027】次にステップ302において、次式(3)
により実際の燃料噴射量TAUを算出する。 TAU=TAUP(AFc+AFCCRO+δ)+γ … (2) 但しδ,γ=定数 この計算結果をステップ303において、制御装置20
のカウンタ20hにセットすることにより、所定の燃料
量が燃料噴射弁7から噴射され、良好な空燃比制御が実
現される。図8は、本実施例による第1空燃比センサ1
1の出力と空燃比補正量(AFc+AFCCRO)のタイム
チャートである。
【0028】ところで、従来の空燃比制御装置は、三元
触媒下流に設けられた排気ガスのリッチ状態及びリーン
状態を検出する空燃比センサだけしか有していないため
に、機関暖機中に燃焼の安定化及び早期暖機を目的とし
て空燃比を所定のリッチ状態にする空燃比制御を実行す
ることは不可能であったが、本実施例の空燃比制御装置
は、三元触媒上流に出力リニア型の第2空燃比センサを
有するために、このセンサを利用して、このような空燃
比制御が可能となる。
【0029】この空燃比制御のための第4フローチャー
トを図9に示す。このフローチャートは、例えば4ms
毎に実行される。まずステップ401において、第2空
燃比センサ12が活性化しているかどうかが判断され
る。この判断には、例えば、第2空燃比センサ12が活
性化していない時は、その出力が異常値を示すことが利
用される。ステップ401における判断が否定される時
は、その出力を基にする空燃比制御は不可能であるため
に、そのまま終了する。
【0030】ステップ401における判断が肯定される
時、ステップ402に進み、補正係数FDLAFの増減
値DLAFが、次式(3)により計算される。 DLAF=(AFt−AF)/AFt … (3) この式において、AFtは目標空燃比、AFは第2空燃
比センサ12の出力を基に算出される空燃比である。次
にステップ403において、この増減値DLAFの絶対
値が所定値β1より大きいかどうかが判断される。この
判断が肯定される時ステップ404に進み、カウント値
CDLAFは0にリセットされる。次にステップ405
において、当初1に設定されている補正係数FDLAF
はステップ402において算出された増減値DLAFが
マイナスされる。この処理において、第2空燃比センサ
12の出力を基に算出される空燃比AFが目標空燃比A
Ftに対してリーンであるならば、増減値DLAFは負
の値となり、実質的には補正係数FDLAFは増加され
る。逆にリッチであるならば、実質的には補正係数FD
LAFは減少される。
【0031】一方、ステップ403における判断が否定
される時は、ステップ406に進み、カウント値CDL
AFは1だけ増加される。次にステップ407におい
て、カウント値CDLAFが所定値KCDLAFより大
きいかどうかが判断され、この判断が否定される時はそ
のまま終了する。すなわち第2空燃比センサ12の出力
を基に算出される空燃比AFが目標空燃比AFtに近い
時は現在の補正係数FDLAFは変化させることなく終
了する。ただし、ステップ407における判断が肯定さ
れる時、すなわち所定時間t(4KCDLAFms)以
上、空燃比AFが目標空燃比AFt近傍に維持される時
は、ステップ408に進み、現在の補正係数FDLAF
から1を引いた値の絶対値が所定値β1以下であるかど
うかが判断され、この判断が否定される時はそのまま終
了するが、この判断が肯定される時は補正係数FDLA
Fは強制的に1に設定され、実質的な燃料噴射量の補正
は停止される。
【0032】第2空燃比センサ12の出力はある程度の
誤差を有するものであり、このように、この出力を基に
算出された空燃比AFが目標空燃比AFtに近い時はこ
の誤差範囲内として補正係数FDLAFを変化させず、
さらに所定時間、補正係数FDLAFが1近傍に維持さ
れる時は、すでに目標空燃比に収束しているものと判断
して補正係数FDLAFを1にすることにより、無意味
な空燃比変化を防止することができる。図10は、第2
空燃比センサ12によるこの空燃比制御を実行した場合
の空燃比AF及び補正係数FDLAFのタイムチャート
である。同図において、一点鎖線は空燃比制御非実行時
における外乱による空燃比変化である。
【0033】水温センサ13の出力により機関暖機が完
了したことが検出されれば、第1空燃比センサ11が活
性化していることを確認した後、前述の理論空燃比への
フィードバック制御が実行される。
【0034】第2空燃比センサ12は、未浄化の排気ガ
スにさらされているために、炭素粒子等が付着しやす
く、その出力の信頼性は徐々に悪化する。従って、その
出力をを定期的に較正することで良好な空燃比制御が実
行される。図11は、この較正を実行するための第5フ
ローチャートである。
【0035】まずステップ501において、第2空燃比
センサ11の出力VOXが前述の第1のしきい値V1以上
第2のしきい値V2以下であるかどうかが判断される。
この判断が肯定される時、すなわち空燃比が理論空燃比
にほぼ収束している時は、ステップ502に進み、カウ
ント値CNTSDYは1だけ増加される。
【0036】次にステップ503において、現在の第2
空燃比センサ12の出力AFVALUEiが積算されてAF
VALUE とされ、ステップ504に進み、カウント値CN
TSDYが所定整数値KCNTSDY以上であるかどう
かが判断される。この判断が否定される時はそのまま終
了するが、肯定される時、ステップ505に進み、この
間の第2空燃比センサ12の出力の平均値AFVALUE
を出力の積算値AFVALU E をKCNTSDYで割ること
によって計算する。
【0037】次にステップ506において、較正値AF
OFFSETを第2空燃比センサ12の理論空燃比を示す値A
FVから平均値AFVALUE ’を引き算することにより求
める。一方、ステップ501の判断が否定される時、す
なわち第1空燃比センサ11の出力が理論空燃比燃焼を
示す値から大きくずれる時は、ステップ507に進み、
カウント値CNTSDYは0にリセットされ、ステップ
508において、積算値AFVALUE は0にリセットされ
る。
【0038】較正値AFOFFSETの算出に使用される平均
値AFVALUE ’は、第1空燃比センサ11の出力が所定
時間(フローチャートの実行間隔のKCNTSDY倍)
理論空燃比に収束している時の第2空燃比センサ12の
出力の平均であり、現在における第2空燃比センサの理
論空燃比燃焼を示す値である。従って、この較正値AF
OFFSETを基に第2空燃比センサ12の出力を較正するこ
とで、良好な空燃比制御が実現される。
【0039】このような出力平均を使用しての第2空燃
比センサの較正は、本実施例のような粗調整項及びスト
レージ項を使用する空燃比制御だけでなく、さらにO2
ストレージ効果を有効に利用するための強制発振項が使
用される空燃比制御においても適用可能である。
【0040】ところで、従来の理論空燃比へのフィード
バック制御において、排気ガス量が少ない軽負荷時に
は、第1空燃比センサ11の応答性が悪化するために、
この時に限り粗調整項の第1スキップ値を増加させ、空
燃比の変化幅を大きくして理論空燃比への収束性を改善
していた。しかし、第1スキップ値の増加は、実際の空
燃比を無視して一義的に実行されるために、単に空燃比
を悪化させることになりかねない。
【0041】本実施例の空燃比制御装置による軽負荷時
の空燃比と補正係数のタイムチャートを図12に示す。
補正係数は、通常使用される粗調整項AFcと機関暖機
中の空燃比制御に使用した補正値FDLAFとの和とし
て算出される。ただし、この補正値FDLAFは理論空
燃比に対する値である。このような空燃比制御により実
際の空燃比を考慮した良好な空燃比制御が実現されると
共に、この時の振動が低減される。この空燃比制御にお
いて、フューエルカットが実行された後に軽負荷運転と
なる場合、フューエルカット中の空燃比補正量は、その
直前の粗調整項AFcに保持され、その後しばらくは補
正値FDLAFが0とされる。それにより、フューエル
カットの効果が確実に維持される。
【0042】
【発明の効果】このように本発明による空燃比制御装置
によれば、排気系の三元触媒下流側に配置された第1空
燃比センサの出力を基にストレージ項を演算する時、そ
れに使用される第2スキップ値が排気系の三元触媒上流
側に配置された出力リニア型の第2空燃比センサの出力
に応じて補正されるために、実際の空燃比を考慮した良
好な空燃比制御が実現され、空燃比のハッチング及び理
論空燃比への収束時間の延長を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内燃機関の空燃比制御装置の概略
断面図である。
【図2】粗調整項を演算するための第1フローチャート
である。
【図3】ストレージ項を演算するための第2フローチャ
ートである。
【図4】第2フローチャートに使用される第2スキップ
値の補正値を決定するための第1マップである。
【図5】第1マップの代わりに使用される第2マップで
ある。
【図6】補正値の係数を決定するための第3マップであ
る。
【図7】燃料噴射量決定のための第3フローチャートで
ある。
【図8】本発明による空燃比制御を示すタイムチャート
である。
【図9】機関暖機中における空燃比制御のための第4フ
ローチャートである。
【図10】本発明による機関暖機中の空燃比制御を示す
タイムチャートである。
【図11】第2空燃比センサの出力較正のための第5フ
ローチャートである。
【図12】本発明による機関軽負荷時の空燃比制御を示
すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関 2…吸気通路 3…排気通路 6…エアフローメータ 7…燃料噴射弁 10…三元触媒コンバータ 11…第1空燃比センサ 12…第2空燃比センサ 20…制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に設置された三元触媒
    と、前記排気系の三元触媒下流側に配置された第1空燃
    比センサと、前記排気系の三元触媒上流側に配置された
    出力リニア型の第2空燃比センサと、前記第1空燃比セ
    ンサの出力が理論空燃比燃焼を示す値を境界としてリッ
    チ側又はリーン側から他側に反転する時に第1スキップ
    値を用いて比例制御を実行し、前記出力が反転しない時
    に積分制御を実行して空燃比補正量の粗調整項を演算す
    る粗調整項演算手段と、前記第1空燃比センサの出力が
    理論空燃比燃焼を示す値近傍の所定範囲を越えてリッチ
    側又はリーン側となる時に第2スキップ値を用いて比例
    制御を実行し、前記出力が前記範囲内となるまで積分制
    御を実行して空燃比補正量のストレージ項を演算するス
    トレージ項演算手段と、前記第1空燃比センサの出力が
    理論空燃比燃焼を示す値近傍の所定範囲を越えてリッチ
    側又はリーン側となる時に第2空燃比センサの出力に応
    じて前記第2スキップ値を補正する第2スキップ値補正
    手段と、前記粗調整項及び前記ストレージ項に基づいて
    前記内燃機関の空燃比を調整する空燃比調整手段、とを
    具備することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100906881B1 (ko) * 2008-05-02 2009-07-08 현대자동차주식회사 전방 및 후방 산소센서의 제어 및 촉매 모니터링 방법
WO2012032631A1 (ja) 2010-09-09 2012-03-15 トヨタ自動車株式会社 空燃比制御装置
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