JPH06313001A - Bs−5物質およびその製造方法 - Google Patents

Bs−5物質およびその製造方法

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JPH06313001A
JPH06313001A JP12314993A JP12314993A JPH06313001A JP H06313001 A JPH06313001 A JP H06313001A JP 12314993 A JP12314993 A JP 12314993A JP 12314993 A JP12314993 A JP 12314993A JP H06313001 A JPH06313001 A JP H06313001A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のBS−5物質は、クレブシェラ属に
属する微生物を培養して、下記性質を有する多糖類を得
る。主要構成糖はラムノース、ガラクトース、グルコー
ス、グルクロン酸で、白色ないし淡褐色の粉末。水に易
溶、メタノール、酢酸エチル、ベンゼンに難溶。粘度1
〜200cps。分子量千〜1000万。フェノール硫酸
反応、カルバゾール反応、モーリッシュ反応に陽性。 【効果】 BS−5物質は、毒性の低い抗腫瘍活性を有
する多糖類であって、クレブシェラ属に属する微生物の
培養物より容易に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレブシエラ属 (Kleb
siella) に属する微生物により生産される、抗腫瘍剤と
して有用な新規多糖類BS−5物質およびその製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微生物により生産される多糖類は
種々知られている。例えばキサントモナス・カンペスト
リスにより生産されるキサンタンガム、ロイコノストッ
ク・メセンテロイデスにより生産されるデキストラン、
オーレオバシディウム・プルランスにより生産されるプ
ルラン、アルカリゲネス・フェーカリスにより生産され
るカードラン等が良く知られている。これら多糖類は、
例えば食品分野において増粘剤、分散剤、品質改良剤、
乳化安定剤等の食品添加物として、工業分野においてコ
ンクリート流動化剤として、さらには医薬品分野におい
て代用血漿剤として広く用いられている。また、クレブ
シエラ属に属する微生物の生産する多糖類としては、ク
レブシエラ・ニューモニアの生産するBS−1物質が知
られている(特公平2ー19121号公報)。また、生理活性
を有する多糖類としては、主に担子菌の生産する多糖類
から抗腫瘍活性を持つ多糖類が多数報告されている。例
えば、椎茸の培養液から調製されるレンチナン、スエヒ
ロタケの生産するシゾフィラン、茯苓の生産するパキマ
ラン等が良く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】多糖類は一般に低毒性
であり、この特性は多糖類を医療用薬剤として利用する
上で大きな利点である。現在、担子菌によって生産され
る多糖類が抗腫瘍性薬剤として利用されている。しか
し、担子菌の培養には高価な培地成分を必要としたり、
培養が困難であったりする場合が多い。またその生産す
る多糖類は構造が複雑になる傾向があり、生産される抗
腫瘍性多糖類の均一性を維持するのが困難であったり、
複雑な精製工程を必要とするものであった。これに対
し、細菌の生産する多糖類は繰り返し単位構造が良く保
たれており、多糖類の構造がより均一である。また、細
菌の培養は糸状菌である担子菌の培養に比べると極めて
容易である。本発明は、培養が容易であり、かつ、生産
される多糖類の構造が均一である細菌を培養し、抗腫瘍
性を有する新規な多糖類を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、細菌の生
産する多糖類が比較的均一な構造を有することに着目
し、抗腫瘍性を有する生産物を鋭意探索した結果、クレ
ブシェラ属に属する微生物が比較的低い投与量で高い抗
腫瘍活性を有する多糖類を生産することを見いだし、本
発明に至った。即ち、本発明は、クレブシエラ属に属す
るBS−5物質生産菌を培養し、培養物から採取して得
られるBS−5物質およびその製造方法に関する。以下
本発明を詳しく説明する。本発明に係るBS−5物質
は、クレブシエラ属(Klebsiella)に属するBS−5物
質生産菌により生産される多糖類であって、該BS−5
物質生産菌の培養物から分離・採取される。
【0005】BS−5物質は下記性質を有することを特
徴とする。 a. 外観:白色ないし淡褐色粉末。 b. 溶解性:水に易溶、メタノール、酢酸エチル、クロ
ロホルム、ベンゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c. 粘度:1〜200センチポイズ(0.8%水溶液、温度30
℃、ずり速度79.6sec-1)。 d. 主要構成糖成分: ラムノース10.8〜15.9%、ガラ
クトース29.1〜34.1%、グルコース31.2〜36.4%、グルク
ロン酸12.3〜19.1%。 e. 呈色反応:フェノール硫酸反応 陽性、カルバゾー
ル硫酸反応 陽性、モーリッシュ反応 陽性、ニンヒド
リン反応 陽性。 f. 分子量: 千〜1000万(カラム:Asahipak GSM-700
H×2+GS-1b、移動担:50mM NaNO3 + 0.02wt%NaN3、分
子量標準品:プルラン) g. 元素分析値: C 30.0〜40.0%、H 4.0〜6.0%、
N 0.1〜1.0% h. 赤外線吸光スペクトル(KBr錠剤法、日立260-50型
で測定)(cmー1):3400、2930、1610、1410、1310、
1160、1040、930、850、820、790、700。
【0006】また、本発明に係る精製したBS−5物質
は、クレブシエラ属に属するBS−5物質生産菌を培養
し、培養物から採取して得られるBS−5物質を更に精
製することにより得られる物質であって、下記性質を有
することを特徴とする。 a. 外観:無臭の白色粉末。 b. 溶解性: 水に易溶、メタノール、酢酸エチル、ク
ロロホルム、ベンゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c. 粘度:1〜300センチポイズ(0.8%水溶液、温度30
℃、ずり速度79.6sec-1)。 d. 主要構成糖成分: ラムノース13.3〜15.9%、ガラ
クトース30.8〜34.1%、グルコース35.4〜36.4%、グルク
ロン酸14.5〜19.1%。 e 呈色反応:フェノール硫酸反応 陽性、カルバゾー
ル硫酸反応 陽性、モーリッシュ反応 陽性 ニンヒド
リン反応 陽性。 f 分子量:1万〜1000万。 g 元素分析値:C 31.0〜40.0%、H 4.5〜6.0%、N 0.
1〜1.0% h 赤外線吸光スペクトル(KBr錠剤法、日立260-50型で
測定)(cmー1):3400、2930、1610、1410、1310、12
00、1160、1080、1040、930、850、820、790、700。
【0007】次に、本発明に係るBS−5物質はクレブ
シエラ属に属するBS−5物質生産菌を培養し、培養物
よりBS−5物質を採取することにより製造することが
できる。クレブシエラ属に属するBS−5物質生産菌と
しては、代表的にクレブシエラ・プランティコーラ(Kl
ebsiella planticola)を例示することができる。クレ
ブシエラ・プランティコーラの菌株は、JCM7251株(ATCC
15050)として理化学研究所微生物系統保存施設に保存
されている。なお、クレブシエラ・プランティコーラ
(Klebsiella planticola)は、良く知られている通
り、紫外線、X線、放射線などの照射および突然変異源
(例えば、ニトロソグアニジン、ナイトロゲンマスター
ド、アクリジンオレンジ)などの変異手段により容易に
変異し得るので、このようにして得られる変異株であっ
ても、BS−3物質の生産能を有するものは全て本発明
で利用されるクレブシエラ・プランティコーラの菌株に
包含されるものと理解すべきである。
【0008】次に、クレブシエラ・プランティコーラの
菌株を利用してBS−5物質を製造する方法について説
明する。BS−5物質は、上記菌株を、炭素源、窒素源
およびその他の成育に必要な栄養成分を含む固体培地も
しくは液体培地中で、振盪培養や通気攪拌培養のような
好気的培養を行うことにより生産される。培地に用いる
炭素源としては、ラクトース、シュークロース、マルト
ース、ガラクトース、グルコース、フラクトース等の糖
類およびグリセロール等が例示し得るが、なかでもラク
トースが好ましい。これら糖類の培地中における濃度は
使用菌株が成育し得る程度であれば特に限定されない
が、通常1〜10%(w/v)、好ましくは3〜7%(w/v)であ
る。また、窒素源としては、ポリペプトン、酵母エキ
ス、肉エキス、トリプチケースペプトンのような有機
物、または硝酸塩、アンモニウム塩のような無機物を例
示し得るが、BS−5物質の生産性の観点からは有機態
の窒素源が好ましい。更に、培地には必要に応じて、リ
ン酸一カリウムやリン酸二カリウムのようなリン酸塩、
鉄、銅、マグネシウム、マンガン、モリブデン、亜鉛、
ホウ素等の微量金属類およびビオチン、チアミン、ビタ
ミンB12等のビタミン類および核酸類等を添加してもよ
い。
【0009】上記培地中での培養温度は、使用菌の増殖
至適温度範囲である20〜37℃、好ましくは25〜32℃であ
る。培養に際しての培地のpHは特に限定されないが、
3〜11、好ましくは中性付近である。上述のような培養
条件下に培養すると、経時的に培地の粘度が上昇し、B
S−5物質が培地中に生産、蓄積されてくることがわか
る。培養時間は、培地の粘度が最大に達するまで行えば
良いが、実際上は生産効率の点から通常3〜7日間培養
する。培養終了後、培地中のBS−5物質を常法に従っ
て分離・採取する。この分離・採取は、例えば液体培地
を用いた場合には、培養終了後培養液を水で希釈し、遠
心分離などにより菌体等の不純物を除去し、次いで除菌
した培養液にメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、アセトンのような有機溶媒またはセチルトリメチル
アンモニウム塩のような第4級アンモニウム塩またはブ
チルアマイドのような酸アマイドを加えてBS−5物質
を沈殿させることにより行う。この沈殿を洗浄した後、
乾燥させることにより、BS−5物質が得られる。
【0010】このようにして得られるBS−5物質は下
記性質を有する。 a. 外観:白色ないし淡褐色粉末。 b. 溶解性:水に易溶、メタノール、酢酸エチル、クロ
ロホルム、ベンゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c. 粘度:1〜200センチポイズ(0.8%水溶液、温度30
℃、ずり速度79.6sec-1)。 d. 主要構成糖成分: ラムノース10.8〜15.9%、ガラ
クトース29.1〜34.1%、グルコース31.2〜36.4%、グルク
ロン酸12.3〜19.1%。 e. 呈色反応:フェノール硫酸反応 陽性、カルバゾー
ル硫酸反応 陽性、モーリッシュ反応 陽性、ニンヒド
リン反応 陽性。 f. 分子量: 千〜1000万 g. 元素分析値: C 30.0〜40.0%、H 4.0〜6.0%、
N 0.1〜1.0% h. 赤外線吸光スペクトル(KBr錠剤法、日立260-50型
で測定)(cmー1):3400、2930、1610、1410、1310、
1160、1040、930、850、820、790、700。
【0011】上述のようにして得られたBS−5物質
は、必要に応じ更に精製処理して精製BS−5物質を得
ることができる。精製処理は、上記BS−5物質を水に
再溶解させ、これにメタノール、エタノール、イソプロ
パノールやアセトンのような有機溶媒、セチルトリメチ
ルアンモニウム塩のような第4級アンモニウム塩または
ブチルアマイドのような酸アマイドを用いて再析出させ
る操作を繰り返し行うことにより、更に必要に応じて透
析処理もしくはクロマトグラフィー処理して精製する。
このように精製処理することにより低分子量部分が分離
された精製BS−5物質が得られる。精製BS−5物質
は下記性質を有する。
【0012】a. 外観:無臭の白色粉末。 b. 溶解性: 水に易溶、メタノール、酢酸エチル、ク
ロロホルム、ベンゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c. 粘度:1〜300センチポイズ(0.8%水溶液、温度30
℃、ずり速度79.6sec-1)。 d. 主要構成糖成分: ラムノース13.3〜15.9%、ガラ
クトース30.8〜34.1%、グルコース35.4〜36.4%、グルク
ロン酸14.5〜19.1%。 e 呈色反応:フェノール硫酸反応 陽性、カルバゾー
ル硫酸反応 陽性、モーリッシュ反応 陽性、ニンヒド
リン反応 陰性。 f 分子量:1万〜1000万 g 元素分析値:C 31.0〜40.0%、H 4.5〜6.0%、N 0.
1〜1.0% h 赤外線吸光スペクトル(KBr錠剤法、日立260-50型で
測定)(cmー1):3400、2930、1610、1410、1310、12
00、1160、1080、1040、930、850、820、790、700。 以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
【0013】
【実施例1】 BS−5物質の製造:クレブシエラ・プランティコーラ
(Klebsiella planticola)JCM7251を、ラクトース3wt
%、トリプチケースペプトン0.35wt%、リン酸一カリウム
0.6wt%、硫酸マグネシウム0.07wt%および寒天1.4wt%か
ら成る斜面培地において増殖させたものを白金耳でかき
取り、上記培地において寒天を除いた液体培地10mlに接
種し、28℃で1日間振盪培養で前培養を行った。次い
で、上記前培養に用いたと同様な組成の液体培地を120
℃15分間加熱滅菌したもの100mlに上記前培養したもの
全量を無菌的に接種して、28℃で1日間振盪培養(180r
pm)を行った。培養の進行に伴い培養液は粘稠となり、
BS−5物質の生産、蓄積が認められた。得られた培養
液を18000rpmで15分間遠心分離を行って菌体を除去した
後、2倍量のエタノールを加えて淡褐色個体(BS−5
物質)を析出させた。この淡褐色固体(BS−5物質)
を遠心分離により採取し、エタノールによる洗浄を繰り
返し行った後、蒸留水に再溶解させ凍結乾燥して乾燥物
0.95gを得た。得られた乾燥物の理化学的性質を調べた
結果、下記に示すようであって、BS−5物質であると
確認された。なお、分子量の測定はGPCモードの液体
クロマトグラフィーによって行った。
【0014】a. 外観:白色ないし淡褐色粉末。 b. 溶解性:水に易溶、メタノール、酢酸エチル、クロ
ロホルム、ベンゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c. 粘度:80センチポイズ(0.8%水溶液、温度30℃、ず
り速度79.6sec-1)。 d. 主要構成糖成分: ラムノース14.1%、ガラクトー
ス33.3%、グルコース35.8%、グルクロン酸16.9%。 e. 呈色反応:フェノール硫酸反応 陽性、カルバゾー
ル硫酸反応 陽性、モーリッシュ反応 陽性、ニンヒド
リン反応 陽性。 f. 分子量: 1万〜1000万(カラム:Asahipak G
SM-700H×2+GS-1b、移動 担:50mM NaNO3 + 0.02wt%
NaN3、分子量標準品:プルラン)。 g. 元素分析値: C 37.1%、H 5.0%、N 0.4% h. 赤外線吸光スペクトル(KBr錠剤法、日立260-50型
で測定)(cmー1):3400、2930、1610、1410、1310、
1160、1040、930、850、820、790、700。
【0015】「 BS−5物質の精製:上述のようにし
て得られたBS−5物質0.95gを蒸留水に溶解し、遠心
分離器にかけた。この上清にエタノールを加えて白色固
体(BS−5物質)を再析出させる操作を2回繰り返し
て行った後、析出物を蒸留水に溶解した。この水溶液を
透析膜に入れ、純水に対して24時間透析を行い、つづい
て凍結乾燥を行い白色塊状の精製物0.60gを得た。得ら
れた精製物の理化学的性質は下記に示すとおりであっ
て、精製BS−5物質であると確認された。
【0016】a. 外観:無臭の白色粉末。 b. 溶解性: 水に易溶、メタノール、酢酸エチル、ク
ロロホルム、ベンゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c. 粘度:130センチポイズ(0.8%水溶液、温度30℃、
ずり速度79.6sec-1)。 d. 主要構成糖成分: ラムノース14.6%、ガラクトー
ス32.6%、グルコース35.9%、グルクロン酸16.9%。 e 呈色反応:フェノール硫酸反応 陽性、カルバゾー
ル硫酸反応 陽性、モーリッシュ反応 陽性、ニンヒド
リン反応 陰性。 f 分子量:200万〜1000万(カラム:Asahipak
GSM-700H×2+GS-1b、移動 担:50mM NaNO3 + 0.02wt
%NaN3、分子量標準品:プルラン)。 g 元素分析値:C 38.0%、H 5.3%、N 0.2% h 赤外線吸光スペクトル(KBr錠剤法、日立260-50型で
測定)(cmー1):3400、2930、1610、1410、1310、12
00、1160、1080、1040、930、850、820、790、700。
【0017】
【実施例2】上記製造法で得られたBS−5物質および
精製BS−5物質を市販のマウス(jcl/ICR 日本クレア
社)に投与して、BS−5物質の抗腫瘍活性の検定を行
った。5週令の雄マウスに腫瘍細胞サルコーマ 180G 株
を1×106ケの割合で移植した。この担癌マウスにBS
−5物質の生理食塩水溶液を腹腔内投与した。投与は、
腫瘍細胞移植後、1、4、6、8、12、13、15、
18、20日目まで計10回行った。その後、移植25
日目に解剖を行って、腫瘍組織を摘出し腫瘍重量を測定
した。対照として、同様の方法で生理食塩水を投与した
群の腫瘍重量を測定した。試験は一群につきマウス10
匹で行い、腫瘍阻止率(IR)を下記式によって求め
た。 IR=(対照群の腫瘍重量ー薬剤投与群の腫瘍重量)/
対照群の腫瘍重量×100 BS−5物質の投与量は、マウスの体重1kg当たり
2.5〜20mgの範囲で変化させ、複数回試験を行っ
た。結果を表1に示した。
【0018】 ここに示されるように、BSー5物質は5mg/kg以
上の投与量において、90%以上の高い腫瘍抑制活性を
持つことが分かる。
【0019】
【発明の効果】本発明に係わるBS−5物質およびそれ
をさらに精製した精製BS−5物質は、毒性の低い新規
な抗腫瘍性多糖類の供給素材として産業上有益な物質で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレブシェラ属(Klebsiella)に属する
    微生物により生産される物質であって、下記性質を有す
    ることを特徴とするBS−5物質。 a. 外観:白色ないし淡褐色粉末。 b. 溶解性:水に易溶、メタノール、酢酸エチル、クロ
    ロホルム、ベンゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c. 粘度:1〜200センチポイズ(0.8%水溶液、温度30
    ℃、ずり速度79.6sec-1)。 d. 主要構成糖成分: ラムノース10.8〜15.9%、ガラ
    クトース29.1〜34.1%、グルコース31.2〜36.4%、グルク
    ロン酸12.3〜19.1%。 e. 呈色反応:フェノール硫酸反応 陽性、カルバゾー
    ル硫酸反応 陽性、モーリッシュ反応 陽性、ニンヒド
    リン反応 陽性。 f. 分子量: 千〜1000万 g. 元素分析値: C 30.0〜40.0%、H 4.0〜6.0%、
    N 0.1〜1.0% h. 赤外線吸光スペクトル(KBr錠剤法、日立260-50型
    で測定)(cmー1):3400、2930、1610、1410、1310、
    1160、1040、930、850、820、790、700。
  2. 【請求項2】 下記性質を有する精製された、特許請求
    の範囲第1項に記載のBS−5物質: a. 外観:無臭の白色粉末。 b. 溶解性: 水に易溶、メタノール、酢酸エチル、ク
    ロロホルム、ベンゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c. 粘度:1〜300センチポイズ(0.8%水溶液、温度30
    ℃、ずり速度79.6sec-1)。 d. 主要構成糖成分: ラムノース13.3〜15.9%、ガラ
    クトース30.8〜34.1%、グルコース35.4〜36.4%、グルク
    ロン酸14.5〜19.1%。 e 呈色反応:フェノール硫酸反応 陽性、カルバゾー
    ル硫酸反応 陽性、モーリッシュ反応 陽性 ニンヒド
    リン反応 陽性。 f 分子量:1万〜1000万。 g 元素分析値:C 31.0〜40.0%、H 4.5〜6.0%、N 0.
    1〜1.0% h 赤外線吸光スペクトル(KBr錠剤法、日立260-50型で
    測定)(cmー1):3400、2930、1610、1410、1310、12
    00、1160、1080、1040、930、850、820、790、700。
  3. 【請求項3】 クレブシエラ属に属する微生物がクレブ
    シエラ・プランティコーラ(Klebsiella planticola)J
    CM7251である請求項1に記載のBS−5物質。
  4. 【請求項4】 クレブシエラ属に属するBS−5物質生
    産菌を培養し、培養物からBS−5物質を採取すること
    を特徴とするBS−5物質の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999048510A1 (fr) * 1998-03-24 1999-09-30 Tayca Corporation Inhibiteur de la production d'anticorps d'immunoglobuline m et medicament contre la polyarthrite rhumatoide

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999048510A1 (fr) * 1998-03-24 1999-09-30 Tayca Corporation Inhibiteur de la production d'anticorps d'immunoglobuline m et medicament contre la polyarthrite rhumatoide

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JP2750993B2 (ja) 1998-05-18

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