JPH0631253B2 - 新規なペナム誘導体およびその塩 - Google Patents

新規なペナム誘導体およびその塩

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JPH0631253B2
JPH0631253B2 JP60136127A JP13612785A JPH0631253B2 JP H0631253 B2 JPH0631253 B2 JP H0631253B2 JP 60136127 A JP60136127 A JP 60136127A JP 13612785 A JP13612785 A JP 13612785A JP H0631253 B2 JPH0631253 B2 JP H0631253B2
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峻 長井
裕一 落合
博彦 福田
収 吉野
泰雄 渡辺
敏雄 林
新三郎 南
勇 才川
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、新規なペナム誘導体およびその塩、さらに詳
しくは、つぎの一般式〔I〕 式中、Rは、水素原子、アミノ保護基またはアシル基
を;Rは、水素原子を;Rは、水素原子またはカル
ボキシル保護基を;Rは、低級アルキル基またはハロ
ゲン、低級アルキル、ニトロもしくはアミノ基で置換さ
れていてもよいフェニル基を;mは、0を;nは、0ま
たは1を、それぞれ示す。
で表わされるペナム誘導体およびその塩に関する。
而して、その目的とするところは、広範囲な抗菌スペク
トルを有し、かつバクテリアが産生するβ−ラクタマー
ゼに対して安定で、従来のペニシリンおよびセファロス
ポリン類に対する耐性菌にも強い抗菌活性を示し、人及
び動物の疫病に対して有効な新規なペナム誘導体を提供
することにある。
〈従来の技術〉 従来知られているペナム誘導体のほとんどは、広範囲な
抗菌スペクトルを有する反面、従来のペニシリンおよび
セファロスポリン類に対する耐性菌にはあまり抗菌活性
を示さないなど、または従来のペニシリンおよびセファ
ロスポリン類に対する耐性菌には優れた抗菌活性を示す
が、グラム陽性菌にはあまり抗菌性を示さないなどの欠
点を有しており、満足すべきものではなかった。
〈発明が解決しようとする問題点〉 かかる状況下において、広範囲な抗菌スペクトルを有
し、かつバクテリアが産生するβ−ラクタマーゼに対し
て安定で、従来のペニシリンおよびセフアロスポリン類
に対する耐性菌にも強い抗菌活性を示すより有用なペナ
ム誘導体の開発が望まれていた。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究を行つ
た結果、一般式〔I〕で表わされる新規なペナム誘導
体、およびその塩が本発明の目的に達することを見出
し、本発明を完成するに至つた。
一般式〔I〕で表わされる新規ペナム誘導体およびその
塩は、広範囲な抗菌スペクトルを有し、グラム陽性菌、
グラム陰性菌に対して優れた抗菌活性を示し、かつバク
テリアが産生するβ−ラクタマーゼに対して安全な性質
を有し、しかも低毒性であって、人ならびに動物の疾病
に対し優れた治療効果を発揮するものである。
なお、一般式〔I〕で表わされるペナム誘導体は、ペナ
ム環の2位(1−アザ〔3.2.0〕ヘプタン環の3
位)に、式−COOR3(式中、R3は前記と同じ意味を有す
る)で表わされる基および式 (式中、R4およびmは、それぞれ前記と同じ意味を有
する。)で表わされる基が結合しているところに、構造
上の特徴がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、特にことわらない限り、低級アルキ
ル基とは、直鎖または分枝鎖状Cアルキル、たと
えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、see−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチルなどを意味する。
1は水素原子、アミノ保護基またはアシル基を示す
が、アミノ保護基としては、後述するアミノ基の保護基
が挙げられ、アシル基としては、従来ペニシリンおよび
セファロスポリン分野で通常使用されているものが挙げ
られ、具体的には、ホルミル、4−アミノメチルフエニ
ル、ヒドロキシアセチル、フェノキシアセチル、1−テ
トラゾリルアセチル、シアノメチルチオアセチル、カル
ボキシエチルチオアセチル、2−チエニルアセチル、α
−ブロモ−2−チエニルアセチル、5−メトキシ−2−
チエニルアセチル、フエニルアセチル、α−アミノフェ
ニルアセチル、α−ヒドロキシフエニルアセチル、α−
カルボキシフエニルアセチル、α−スルフエニルフエニ
ルアセチル、3−ブロモフエニルアセチル、α−(4−
エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジニルカルボニ
ルアミノ)フエニルアセチル、α−(4−エチル−2,
3−ジオソ−1−ピペラジニルカルボニルアミノ)−p
−ヒドロキシフエニルアセチル、α−(4−エチル−
2,3−ジオキソ−1−ピペラジニルカルボニルアミ
ノ)−3,4−ジヒドロフエニルアセチル、α−(4−
エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジニルカルボニ
ルアミノ)−3,4−ジアセトキシフエニルアセチル、
α−(4−オキソ−4H−チオピラン−3−イルカルボ
キサミド)−α−フエニルアセチルなどが挙げられる。
またアミノ保護基としては、後述するアミノ基の保護基
が挙げられる。上述のアシル基が、アミノ基、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基などの活性な基を有している場
合、これらの基は通常よく用いられる保護基で保護され
ていてもよい。アミノ基の保護基としては、たとえば、
ホルミル、tert−ブトキシカルボニル、tert−アミルオ
キシカルボニル、トリチル、トリメチルシリルなどが挙
げられ、ヒドロキシル基の保護基としては、たとえば、
テトラヒドロピラニル、ベンジルオキシカルボニル、ト
リメチルシリル基などが挙げられる。
また、カルボキシル基の保護基としては、後述するカル
ボキシル基の保護基で保護されていてもよい。
3は水素原子またはカルボキシル保護基を示すが、こ
れらのカルボキシル基の保護基としては、従来ペニシリ
ンおよびセファロスポリン系化合物の分野で通常使用さ
れているものが挙げられ、たとえば、接触還元、化学的
還元またはその他の緩和な条件で処理することにより脱
離するエステル形成基、または、生体内において容易に
脱離するエステル形成基、または水もしくはアルコール
で処理することにより容易に脱離する有機シリル基、有
機リン基もしくは有機スズ基などのエステル形成基が挙
げられる。これらの保護基のうち、好適な保護基として
は、具体的には、たとえば、メチル、プロピル、tert−
ブチルなどの低級アルキル基;ベンジル、4−メトキシ
ベンジル、4−ニトロベンジル、3,4−ジメトキシベ
ンジル、4−ヒドロキシ−3,5−ジ(tert−ブチル)
ベンジル、フエネチル、ベンズヒドリル、トリチル、ビ
ス(メトキシフエニル)メチルなどのアルアルキル基;
フタリジル基;2−ヨードエチル、2,2,2−トリク
ロロエチルなどのモノ(またはトリ)ハロ低級アルキル
基;アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブ
チリルオキシメチル、イソブチリルオキシメチル、ピバ
ロイルオキシメチル、バレリルオキシメチル、1−アセ
トキシエチル、1−ピバロイルオキシエチル、1−アセ
トキシ−n−プロピル、1−ピバロイルオキシ−n−プ
ロピルなどのアシルオキシ−低級アルキル基;5−メチ
ル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチ
ルのような低級アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキ
ソール−4−イル低級アルキル基;メトキシメチル、エ
トキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチ
ルなどのアルコキシ−低級アルキル基;メトキシカルボ
ニルオキシメチル、1−メトキシカルボニルオキシエチ
ル、1−エトキシカルボニルオキシエチル、1−プロポ
キシカルボニルオキシエチルなどのアルコキシカルボニ
ルオキシ−低級アルキル基などが挙げられる。R4のフ
ェニル基の置換基におけるハロゲン原子とは、フッ素、
塩素、臭素およびヨウ素などを意味する。
一般式〔I〕の化合物の塩としては、通常知られている
アミノ基などの塩基性基またはカルボキシル基などの酸
性基における塩を挙げることができる。塩基性基におけ
る塩としては、たとえば、塩酸、硫酸などの鉱酸との
塩;シュウ酸、ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸、トリ
フルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;メタンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、メシチレンスルホン酸などのスルホン酸との塩を、
酸性基における塩としては、たとえば、ナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネ
シウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム
塩;プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β
−フエネチルアミン、1−エフエナミン、N,N−ジベ
ンジルエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリメチ
ルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメ
チルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモル
ホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミンなど
の含窒素有機塩基との塩を挙げることができる。
本発明の一般式〔I〕の化合物において、好ましいもの
としては、一般式 で表わされる立体配置を有する化合物およびその塩が挙
げられる。
また、一般式〔I〕の化合物およびその塩において、異
性体(たとえば、光学異性体、幾何異性体、互変異性体
など)が存在する場合、本発明は、それらすべての異性
体を包含し、またすべての結晶形および水和物におよぶ
ものである。
〈発明の効果〉 つぎに、本発明の代表的化合物についての抗菌作用を示
す。
1.抗菌作用 試験方法 日本化学療法学会標準法〔ケモセラピイー(CHEMOTHERAP
Y)第29巻、第1号、第76〜79項(1981年)〕
に従いペプトン ブロス(Peptone broth)(栄研化学社
製)で37℃、20時間培養した菌液を薬剤を含むハー
ト インフュージョン アガー(Heart lnfusion agar)
培地(栄研化学社製)に接種し、37℃で20時間培養
した後、菌の発育の有無を観察し、菌の発育が阻止され
た最小濃度をもつてMIC(μg/m)とした。ただ
し、接種菌量は10個/プレート(10個/m)
とした。その結果を表−1に示す。
試験化合物 つぎに、本発明化合物の製造法について説明する。
本発明の化合物は、たとえば、以下の製造レートに従っ
て製造することができる。
一般式〔Ia〕、〔Ib〕、〔Ic〕、〔Id〕、〔I
e〕、〔If〕、〔II〕、〔III〕、〔V〕、〔VI〕お
よび〔VII〕の塩としては、本明細書の中で一般式
〔I〕の塩として説明したものが挙げられる。
(1)酸化 一般式〔II〕または〔VI〕の化合物もしくはそれらの塩
を過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、過酸化水素、二
酸化セレン、オゾンまたは過ヨウ素酸ナトリウムなどの
酸化剤を用いて酸化し、それぞれ一般式〔II〕または
〔VII〕の化合物もしくはそれらの塩に誘導することが
できる。その酸化反応としては、ペニシリンおよびセフ
ァロスポリンの1位のスルフィドを酸化させる反応をそ
のまま用いることができ、具体的には、テトラヘドロン
・レターズ(Tetrahedron Letters)第9巻、第381頁
(1962年)、米国特許第3,197,466号などに記載の
方法またはそれに準じた方法を用いることができる。
なお、一般式〔II〕の化合物は、リースント・アドバン
シズ・イン・ザ・ケミズトリー・オブ・ベーターラクタ
ム・アンチバイオティックス(ザ・ケミカル・ソサエテ
ィ、バーリントン・ハウス)〔Recent Advances in the
Chemistry of β-Lactam Antibiotics(The Chemical S
ociety,Burlington House)〕第214〜230頁(19
77年)に記載の方法またはそれに準じた方法で製造す
ることができる。
(2)メルカプト(−SR4)基の導入 一般式〔III〕または〔VII〕の化合物もしくはそれらの
塩に、溶媒中、塩基の存在下で、式R4-SSO2-R4または
4-SS-R4(式中、R4は前記と同じ意味を有する。)で
表わされる化合物を反応させることによって、一般式
〔Id〕または〔Ic〕の化合物もしくはそれらの塩に
それぞれ誘導することができる。
反応に用いられる溶媒としては、反応に不活性な溶媒で
あれば特に限定されないが、具体的には、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、
N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホル
アミドなどが挙げられるが、特にジクロロメタンが好ま
しい。また、使用される塩基としては、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン
類;1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−ウンデ
セ−7−エン(DBU)、N−メチルモルホリンなどの
脂環状アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どの無機塩基、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウム
メトキシドなどの金属アルコキシド類;ナトリウムアミ
ド;水素化ナトリウム;リチウムジイソプロピルアミド
(LDA)などが挙げられるが、特に、トリエチルアミ
ン、リチウムジイソプロピルアミンが好ましい。また、
塩基の使用量は、一般式〔III〕または〔VII〕の化合物
に対して1.0〜1.2当量である。さらに、式R4-SSO2-R4
たはR4-SS-R4で表わされる化合物の使用量は、一般式
〔III〕または〔VII〕のスルホキシド体に対して1.0〜
1.5当量、好ましくは1.0〜1.1当量である。この反応
は、通常0〜40℃で、30分〜5時間実施すればよ
い。さらに、この反応において、一般式〔Id〕または
〔Ic〕の化合物が立体異性体の混合物として得られる
場合は、通常の方法によってそれぞれ単離することがで
きる。また、所望により、一般式〔Id〕または〔I
c〕の化合物の−S−R4に変換するには、上述の(1)と同様の酸化反応を行えば
よい。
なお、式R4-SSO2-R4で表わされる反応試薬は、ジャーナ
ル・オブ・ジ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Che
m.)第32巻、第1626頁(1967年)などに記載の方
法またはそれに準じた方法によって得ることができる。
(3)還元 一般式〔Id〕または〔Ic〕の化合物もしくはそれら
の塩を塩化第一スズ、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カ
リウム、アセチルクロリド、三塩化リン、三臭化リン、
五塩化リン、三塩化ケイ素などを用いて、通常の還元反
応に付すことによって、それぞれ一般式〔Ie〕または
〔Ib〕の化合物もしくはそれらの塩に誘導することが
できる。この還元反応としては、通常ペニシリンおよび
セファロスポリンの分野で用いられる還元反応を用いる
ことができ、具体的方法としては、ジャーナル・オブ・
ザ・ケミカル・ソサエティ・パーキン・トランザクショ
ンズ・1(J.Chem.Soc.Perkin Transl)第932頁(19
73年)、特公昭56−24675号などに記載の方法
またはそれに準じた方法がある。
(4)脱アシル化 一般式〔Ie〕または〔II〕の化合物もしくはそれらの
塩を、五塩化リンで処理して、イミノクロリドとし、つ
いで、アルコールと反応させてイミノエーテルとし、さ
らに加水分解する通常の脱アシル化反応に付すことによ
って、それぞれ一般式〔If〕または〔V〕の化合物も
しくはそれらの塩に誘導することができる。この脱アシ
ル化反応としては、通常ペニシリンおよびセファロスポ
リンの分野で用いられる脱アシル化反応が挙げられ、具
体的には、ラキュエ・デ・トラボ・シミク・デ・ペイバ
(Recl.Trav.Chim.Pays-Bas)第89巻、第1081頁
(1970年)、特公昭55−38954号などに記載
の方法またはそれに準じた方法によって行うことができ
る。
(5)アシル化 一般式〔If〕または〔V〕の化合物もしくはそれらの
塩あるいはそれらのアミノ基における反応性誘導体に、
一般式〔IV〕のカルボン酸またはその反応性誘導体を反
応させれば、それぞれ一般式〔Ib〕または〔VI〕の化
合物もしくはそれらの塩に誘導することができる。
また、一般式〔If〕または〔V〕の化合物もしくはそ
れらの塩のアミノ基における反応性誘導体としては、た
とえば、イソシアネート、一般式〔If〕または〔V〕
の化合物もしくはそれらの塩とアルデヒド、ケトンなど
のカルボニル化合物との反応により生成するシツフの塩
基(イミノ型もしくはそのエナミン型の異性体)、一般
式〔If〕または〔V〕の化合物もしくはそれらの塩と
ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシ
リルアセトアミド、トリメチルシリルクロライドなどの
シリル化合物、三塩化リン、 (CH3 CH2 O)2PCl、(CH3 CH2)2PClなどのリン化合物、ま
たは(C4 H9)2SnClなどのスズ化合物との反応により生成
するシリル誘導体、リン誘導体またはスズ誘導体などの
アシル化反応において繁用されるものはすべて包含され
る。
一般式〔IV〕の化合物の反応性誘導体としては、具体的
には、酸ハロゲン化物、酸無水物、混合酸無水物、活性
酸アミド、活性エステルならびに一般式〔IV〕の化合物
のビルスマイヤー試薬との反応性誘導体などが挙げられ
る。その混合酸無水物としては、たとえば、炭酸モノエ
チルエステル、炭酸モノイソブチルエステルなどの炭酸
モノアルキルエステルとの混合酸無水物、ビバリン酸や
トリクロロ酢酸などのハロゲンで置換されていてもよい
低級アルカン酸との混合酸無水物などが用いられる。活
性酸アミドとしては、たとえば、N−アシルサッカリ
ン、N−アシルイミダゾール、N−アシルベンゾイルア
ミド、N,N′−ジシクロヘキシル−N−アシル尿素、
N−アシルスルホンアミドなどが用いられる。つぎに活
性エステルとしては、たとえば、シアノメチルエステ
ル、置換フエニルエステル、置換ベンジルエステル、置
換チエニルエステルなどが用いられる。
また、ビルスマイヤー試薬との反応性誘導体としては、
ジメチルホルムアミド、N−N′−ジメチルアセトアミ
ドなどの酸アミドに、ホスゲン、塩化チオニル、三塩化
リン、三臭化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、トリ
クロロメチル=クロロホルメート、塩化オキサリルなど
のハロゲン化剤を作用させて得られるビルスマイヤー試
薬との反応性誘導体などが挙げられる。
一般式〔IV〕の化合物を遊離酸または塩の状態で使用す
る場合は、適当な縮合剤を用いる。このような縮合剤と
しては、たとえば、N,N′−ジシクロヘキシルカルボ
ジイミドのようなN,N′−ジ置換カルボジイミド、
N,N′−チオニルジイミダゾールのようなアゾライド
化合物、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,
2−ジヒドロキシキノリン、オキシ塩化リン、アルコキ
シアセチレンなどの脱水剤、2−ハロゲノピリジニウム
塩(たとえば、2−クロロピリジニウムメチルアイオダ
イド、2−フルオロピリジニウムメチルアイオダイド)
などが好ましい。
このアシル化反応は、一般に適当な溶媒中、塩基の存在
下または不存在下で実施される。溶媒としては、たとえ
ば、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化
水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類、ジメチルホルムアミド、N,N′−ジメチルアセト
アミド、アセトン、水またはこれらの混合物などが使用
できる。ここで用いられる塩基としては、水酸化アルカ
リ、炭酸水素アルカリ、炭酸アルカリまたは酢酸アルカ
リなどの無機塩基またはトリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリブチルアミン、ピリジン、N−メチルピペ
リジン、N−メチルモルホリン、ルチジン、コリジンな
どの第3級アミンあるいはジシクロヘキシルアミン、ジ
エチルアミンなどの第2級アミンが挙げられる。
なお、一般式〔IV〕の化合物の使用量は、一般式〔I
f〕または〔V〕の化合物に対し、通常約1.0〜1.5倍モ
ル程度である。この反応は、通常−50〜40℃で、1
0分〜48時間実施すればよい。
以上説明した各工程において得られる〔Ib〕、〔I
c〕、〔Id〕、〔Ie〕、〔If〕、〔III〕
〔V〕、〔VI〕または〔VII〕の化合物もしくはそれら
の塩に異性体などが存在する場合、通常の方法でそれぞ
れ単離および精製することができる。
さらに、R3がカルボキシル保護基である一般式〔I〕
の化合物またはその塩は、R3が水素原子である一般式
〔I〕の化合物またはその塩に;R3が水素原子である
一般式〔I〕の化合物またはその塩は、R3がカルボキ
シル保護基である一般式〔I〕の化合物またはその塩
に、それぞれ常法に従って変換することができる。
また、R1がアミノ保護基である一般式〔I〕の化合物
またはその塩は、R1が水素原子である一般式〔I〕の
化合物またはその塩に;R1が水素原子である一般式
〔I〕の化合物またはその塩は、R1がアミノ保護基で
ある一般式〔I〕の化合物またはその塩に、それぞれ常
法に従って変換することができる。
また、このアシル化反応において、R1、R3またはR4
の基中に反応に活性な基が存在するときは、反応に際
し、通常の保護基で任意に保護しておくこともでき、反
応後常法によりその保護基を脱離させることもできる。
以上のようにして得られた本発明の一般式〔I〕の化合
物またはその塩は、常法によって単離することができ
る。
本発明化合物を医薬として使用する場合、通常製剤化に
使用される担体を適宜用い、常法に従って、錠剤、カプ
セル剤、散剤、シロップ剤、顆粒剤、坐薬、軟こう剤、
注射剤などに調製する。また、投与方法、投与量および
投与回数は患者の症状に応じて適宜選択することがで
き、通常成人に対しては、経口または非経口(たとえ
ば、注射投与、点滴、直腸部位への投与など)的投与に
より、0.1〜100mg/kg/日を1〜数回に分割して投与す
ればよい。
〈実施例〉 つぎに、本発明を参考例および実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、参考例および実施例で使用されている記号は下の
意味を有する。
PNB; p−ニトロベンジル基 DPC; 4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペ
ラジンカルボニル基 AC ; アセチル基 THF; テトラヒドロフラン HMPA; ヘキサメチレンホスホルアミド 参考例1 (3S,5R,6R)−3−(p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)−7−オキソ−6−フェニルアセタミド
−4−チア−1−アザピシクロ〔3.2.0〕ヘプタン
8.20gを塩化メチレン600mに懸濁させ、氷冷下で、
80%m−クロル過安息香酸4.0gを少量ずつ添加す
る。室温で40分間反応させた後、反応液中に水200m
を加える。ついで、攪拌下に炭酸水素ナトリウムを加
えpH7.0に調整した後、有機層を分取し、飽和食塩水で
洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧
下に溶媒を留去し、得られた残留物に酢酸エチル50m
を加えて20分間攪拌した後、得られた結晶を取す
れば、融点177〜178℃(分解)を示す3−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−7−オキソ−6−フェニ
ルアセタミド−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.
0〕ヘプタン−4−オキシド5.40g(収率63.6%)を得
る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1770,1735,1650 NMR(d−DMSO)δ値; 3.50〜4.40(4H,m),4.90〜5.45(4H,m),5.
60〜5.90(1H,m),7.25(5H,s),7.40〜8.32
(5H,m) 参考例2 (1)(3S,5R,6R)−3−(p−ニトロベンジル
オキシカルボニル)−7−オキソ−6−フェニルアセタ
ミド−4−チア−1−アザピシクロ〔3.2.0〕ヘプ
タン1.0gを塩化メチレン30mに懸濁させ、N,N
−ジメチルアニリン1.29mを加え−60℃に冷却す
る。この中に五塩化リン710mgを加え、−40〜−35℃で
1時間反応させた後、−20℃まで昇温し、30分間反応
させる。ついで、反応液に無水メタノール7mを加え
た後、室温まで昇温させ、30分間反応させた後、水1
0mを加えて30分間攪拌する。析出晶を取し、塩
化メチレン3mおよび水3mで順次洗浄した後、乾
燥させれば、融点99〜100℃(分解)を示す(3S,
5R,6R)−6−アミノ−3−(p−ニトロベンジル
オキシカルボニル)−7−オキソ−4−チア−1−アザ
ビシクロ〔3.2.0〕ヘプタンの塩酸塩630mg(収率
7.75%)を得る。
(IR(KBr)cm-1;νc=0 1795,1780,1720 NMR(d−DMSO)δ値; 3.25(1H,dd,J=6Hz,J=12Hz),4.35(1
H,dd,J=6Hz,J=12Hz),4.78(1H,t,
J=6Hz),4.97(1H,d,J=4Hz),5.25〜5.50
(3H,m)7.65(2H,d,J=9Hz),8.25(2
H,d,J=9Hz) (2)(3S,5R,6R)−6−アミノ−3−(p−ニ
トロベンジルオキシカルボニル)−7−オキソ−4−チ
ア−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタンの塩酸塩
300mgを酢酸エチル20mおよび水15mに懸濁さ
せ、炭酸水素ナトリウムを加えpH7.0に調整する。有機
層を分取し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた
残留物を塩化メチレン10mに溶解させ、ピリジン0.
1mを加えた後、−20℃に冷却する。この中に、D
−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジ
ンカルボキサミド)フェニル酢酸クロリド280mgを加
え、−10〜0℃で30分間反応させる。ついで、反応液
に水10mを加え、有機層を分取した後、飽和食塩水
で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。つ
いで、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をカラム
クロマトグラフィー〔和光シリカゲルC−200,溶出溶
媒;ベンゼン;酢酸エチル=3:1〜1:2(容量
比)〕で精製すれば、アモルファスの(3S,5R,6
R)−6−〔D−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ
−1−ピペラジンカルボキサミド)フェニルアセタミ
ド〕−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−
7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.
0〕ヘプタン390mg(収率75.0%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1780,1710,1670 NMR(CDCl)δ値; 1.19(3H,t,J=7Hz),3.30〜4.70(9H,
m),5.10〜570(5H,m),7.17〜7.55(8H,
m),8.20(2H,d,J=9Hz),9.90(1H,d,
J=6Hz) (3)(3R,5R,6R)−3−(p−ニトロベンジル
オキシカルボニル)−7−オキソ−6−フェニルアセタ
ミド−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプ
タン17gを塩化メチレン340mに溶解させ、N,N
−ジメチルアニリン14.6mを加え、−60℃に冷却す
る。この中に五塩化リン12gを加え、−60〜−50
℃で1時間反応させた後、無水メタノール170mを加
え、90分間を要して5℃まで昇温する。ついで、氷冷
下反応液に水250mを加え、10分間攪拌した後、炭
酸水素ナトリウムを添加し、pH7.0に調整する。有機層
を分取し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させれば、(3R,5R,6R)−6−アミ
ノ−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−7
−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.0〕
ヘプタンの塩化メチレン溶液を得る。この溶液中に、ト
リチルクロリド10.7gを加え、室温で一夜反応させた
後、水170mを加え攪拌する。ついで、有機層を分取
し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を
カラムクロマトグラフィー〔和光シリカゲルC−200,
溶出溶媒;ベンゼン:酢酸エチル=100:1〜50:1
(容量比)〕で精製すれば、アモルファスの(3R,5
R,6R)−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)−7−オキソ−4−チア−6−トリチルアミノ−1
−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン15.4g(収率7
0.7%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1780,1730 上記で得られた化合物283mgを酢酸エチル1.5mに溶解
させ、p−トルエンスルホン酸・1水和物95mgを加
え、室温で1時間反応させる。ついで、ジエチルエーテ
ル0.6mを反応液に加え、30分間攪拌した後、析出
晶を取する。ジエチルエーテル2mで洗浄した後、
乾燥させれば、融点137〜139℃(分解)を示す(3R,
5R,6R)−6−アミノ−3−(p−ニトロベンジル
オキシカルボニル)−7−オキソ−4−チア−1−アザ
ビシクロ〔3.2.0〕ヘプタンのpトルエンスルホン
酸塩220mg(収率89.0%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1770,1725,1710 NMR(d−DMSO)δ値; 2.29(3H,s),3.24(1H,dd,J=6Hz,J=
13Hz),4.42(1H,d,J=13Hz),4.71(1
H,d,J=6Hz),5.00(1H,d,J=4Hz),5.
27(2H,s),5.40(1H,d,J=4Hz),7.00〜
8.26(8H,m) 実施例1 (1)3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−7
−オキソ−6−フェニルアセタミド−4−チア−1−ア
ザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン−4−オキシド5.7
gを塩化メチレン85mに懸濁させ、p−クロルフェ
ニル p−クロルベンゼンチオールスルホネート4.4g
を加えた後、氷冷下でトリエチルアミン1.82mを滴下
する。滴下終了後、室温で100分間攪拌させた後、反応
液に水25mを加える。ついで、2N塩酸でpH2.0に
調整した後、有機層を分取し飽和食塩水で洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留
去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー〔和
光シリカゲルC−200,溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸
エチル=4:1〜2:1(容量比)〕で精製すれば、ア
モルファスの(3R,5R,6R)−3−(p−クロル
フェニルチオ)−3−(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)−7−オキソ−6−フェニルアセタミド−4−
チア−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン−4−
オキシド4.42g(収率59.1%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1790,1740,1680 NMR(CDCl)δ値; 3.42(1H,d,J=13Hz),3.54(2H,s),4.
59〜5.22(3H,m),5.36(1H,d,J=4Hz),
6.00(1H,dd,J=4Hz,J=9Hz),6.95(1
H,d,J=9Hz),7.18〜7.40(11H,m),8.15
(2H,d,J=9Hz) 同様にして、表−2に示す化合物を得る。
(2)(3R,5R,6R)−3−(p−クロルフェニル
チオ)−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)
−7−オキソ−フェニルアセタミド−4−チア−1−ア
ザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン−4−オキシド6.0
gを塩化メチレン90mおよびN,N−ジメチルホル
ムアミド90mの混合溶媒に溶解させた後、−20℃
に冷却しこの中に三臭化リン9.4mを−20〜−15
℃に保ちながら滴下する。滴下終了後、−15〜−10
℃で4時間反応させ、炭酸水素ナトリウムでpHを6.0〜
7.5に保ちながらその反応液を、水150mおよび酢酸エ
チル300mの混合溶液中へ導入する。ついで、有機層
を分取し水200mを加えた後、2N塩酸でpH2.0に調整
する。有機層を分取し飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、
得られた残留物をカラムクロマトグラフィー〔和光シリ
カゲルC−200,溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル
=4:1〜2:1(容量比)〕で精製すれば、アモルフ
ァスの(3R,5R,6R)−3−(p−クロルフェニ
ルチオ)−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)−7−オキソ−フェニルアセタミド−4−チア−1
−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン3.18g(収率5
4.5%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1785,1735,1670 NMR(CDCl)δ値; 3.18(1H,d,J=13Hz),3.58(2H,s),4.
59(1H,d,J=13Hz),5.04(2H,s),5.35
(1H,d,J=4Hz),5.64(1H,dd,J=4H
z,J=9Hz),6.54(1H,d,J=9Hz),7.10〜
7.45(11H,m),8.19(2H,d,J=9Hz) 同様にして、表−3に示す化合物を得る。
(3)(i)(3R,5R,6R)−3−(p−クロルフェニ
ルチオ)−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)−7−オキソ−6−フェニルアセタミド−4−チア
−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン1gを塩化
メチレン20mに溶解させ、N,N−ジメチルアニリ
ン0.66mを加えて−60℃に冷却する。この中に五塩
化リン540mgを加えて−60〜−50℃で1時間反応さ
せた後、無水メタノール7.6mを加えて90分間を要
して5℃まで昇温させる。ついで、氷冷下で反応液に水
10mを加えて10分間攪拌した後、炭酸水素ナトリ
ウムでpH7.0に調整する。有機層を分取し飽和食塩水で
洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させれば、
(3R,5R,6R)−6−アミノ−3−(p−クロル
フェニルチオ)−3−(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ
〔3.2.0〕ヘプタンの塩化メチレン溶液を得る。
(ii)一方、D−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−
1−ピペラジンカルボキサミド)フェニル酢酸490mgを
塩化メチレン5mに懸濁させ、氷冷下で塩化オキサリ
ル210mgおよびN,N−ジメチルホルムアミド0.03m
を加えて1時間反応させる。ついで、減圧下に反応液を
乾固すれば、D−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ
−1−ピペラジンカルボキサミド)フェニル酢酸クロリ
ドを得る。これを塩化メチレン5mに溶解させ、(i)
で調製した塩化メチレン溶液中へ−10〜−5℃で滴下
する。滴下終了後、氷冷下で30分間反応させ、水10
mを加えた後、有機層を分取する。ついで、有機層に
水10mを加えた後、炭酸水素ナトリウムでpH7.0に
調整する。有機層を分取し、飽和食塩水で洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留
去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー〔和
光シリカゲルC−200,溶出溶媒;ベンゼン:酢酸エチ
ル=2:1〜1:2(容量比)〕で精製すれば、アモル
ファスの(3R,5R,6R)−3−(p−クロルフェ
ニルチオ)−6−〔D−α−(4−エチル−2,3−ジ
オキソ−1−ピペラジンカルボキサミド)フェニルアセ
タミド〕−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ〔3.
2.0〕ヘプタン840mg(収率64.0%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1780,1715,1685 NMR(CDCl)δ値; 1.18(3H,t,J=7Hz),3.16(1H,d,J=1
3Hz),3.25〜4.10(6H,m),4.59(1H,d,J
=13Hz),5.08(2H,s,),5.26〜5.75(3H,
m),7.07〜7.48(12H,m),8.17(2H,d,J
=9Hz),9.90(1H,d,J=6Hz) (iii)(i)と同様にして得られた6−アミノ体の塩化メチ
レン溶液中にトリチルクロリド490mgを加えて室温で1
時間反応させた後、水15mを加えて攪拌する。つい
で、有機層を分取し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、
得られた残留物をカラムクロマトグラフィー〔和光シリ
カゲルC−200,溶出溶媒;ベンゼン:n−ヘキサン=
4:1〜10:1(容量比)〕で精製すれば、アモルフ
ァスの(3R,5R,6R)−3−(p−クロルフェニ
ルチオ)−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)−7−オキソ−4−チア−6−トリチルアミノ−1
−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン452mg(収率36.
6%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1780,1735 NMR(CDCl)δ値; 2.83〜3.25(2H,m),4.14(1H,d,J=4H
z),4.32〜4.75(2H,m),5.11(2H,s),7.0
0〜7.60(21H,m),8.11(2H,d,J=8Hz) (iv)(3R,5R,6R)−3−(p−クロルフェニル
チオ)−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)
−7−オキソ−4−チア−6−トリチルアミノ−1−ア
ザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン142mgを酢酸エチル
0.7mに溶解させ、p−トルエンスルホン酸・1水和
物38mgを加えて室温で2時間反応させる。ついで、
ジエチルエーテル0.7mを反応液に加えて30分間攪
拌した後、析出晶を取する。ジエチルエーテル1m
で洗浄した後、乾燥させれば、融点135〜138℃(分解)
を示す(3R,5R,6R)−6−アミノ−3−(p−
クロルフェニルチオ)−3−(p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシ
クロ〔3.2.0〕ヘプタンのp−トルエンスルホン酸
塩40mg(収率32.0%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1770,1710 NMR(d−DMSO)δ値; 2.30(3H,s),3.51(1H,d,J=13Hz),4.
70(1H,d,J=13Hz),5.00〜5.60(4H,
m),7.00〜7.70(10H,m),8.20(2H,d,J
=9Hz) 同様にして、表−4および表−5に示す化合物を得る。
(4)(3R,5R,6R)−3−(p−クロルフェニル
チオ)−6−〔D−α−(4−エチル−2,3−ジオキ
ソ−1−ピペラジンカルボキサミド)フェニルアセタミ
ド〕−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−
7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.
0〕ヘプタン500mgを酢酸エチル10mおよびメタノ
ール10mに溶解させ、5%パラジウムカーボン500m
gを加えて水素雰囲気下、室温で4時間反応させる。反
応後、5%パラジウムカーボンを去し、減圧下に液
を留去する。残留物を酢酸エチル20mに溶解させた
後、水10mを加えて炭酸水素ナトリウムでpH6.7に
調整する。水層を分取し、凍結乾燥させれば、アモルフ
ァスの(3R,5R,6R)−3−カルボキシ−3−
(p−クロルフェニルチオ)−6−〔D−α−(4−エ
チル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサミ
ド)フェニルアセタミド〕−7−オキソ−4−チア−1
−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタンのナトリウム塩
220mg(収率51.6%)を得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1775,1710,1675,16
15 NMR(d−DMSO)δ値; 1.10(3H,t,J=7Hz),2.75〜4.40(8H,
m),5.10(1H,d,J=4Hz),5.20〜5.58(2
H,m),7.10〜7.60(9H,m),9.55(1H,d,
J=9Hz),9.77(1H,d,J=6Hz) 同様にして、表−6および表−7に示す化合物を得る。
実施例2 (1)(3S,5R,6R)−6−〔D−α−(4−エチ
ル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサミ
ド)フェニルアセタミド〕−3−(p−ニトロベンジル
オキシカルボニル)−7−オキソ−4−チア−1−アザ
ビシクロ〔3.2.0〕ヘプタンに、m−クロロ過安息
香酸を参考例1と同様に反応させ、ついで、エチルエチ
ルチオスルホネートを実施例1(1)と同様に反応させれ
ば、アモルファスの(3R,5R,6R)−6−〔D−
α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジン
カルボキサミド)フェニルアセタミド〕−3−(エチル
チオ)−3−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)
−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.
0〕ヘプタン−4−オキシドを得る。
IR(KBr)cm-1;νc=0 1785,1710,1680 NMR(CDCl)δ値; 1.00〜1.35(6H,m),2.50〜4.20(9H,m),4.
70(1H,d,J=13Hz),5.25〜6.05(5H,
m),7.20〜8.30(10H,m),9.88(1H,d,J
=6Hz) (2)(3R,5R,6R)−6−〔D−α−(4−エチ
ル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキサミ
ド)フェニルアセタミド〕−3−(エチルチオ)−3−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−7−オキソ
−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン
−4−オキシドをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解
させ、ついで、三臭化リンを実施例1(2)と同様に反応
させれば、アモルファスの(3R,5R,6R)−6−
〔D−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペ
ラジンカルボキサミド)フェニルアセタミド〕−3−
(エチルチオ)−3−(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ
〔3.2.0〕ヘプタンを得る。なお、この化合物の物
性は実施例1(3)で得られた物性(IRおよびNMR)
と一致した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 才川 勇 富山県富山市大泉中町7―52 審査官 穴吹 智子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 「式中、Rは、水素原子、アミノ保護基またはアシル
    基を;Rは、水素原子を;Rは、水素原子またはカ
    ルボキシル保護基を;Rは、低級アルキル基またはハ
    ロゲン、低級アルキル、ニトロもしくはアミノ基で置換
    されていてもよいフェニル基を;mは、0を;nは、0
    または1を、それぞれ示す。」 で表わされるペナム誘導体およびその塩。
  2. 【請求項2】nが0である特許請求の範囲第(1)項記
    載のペナム誘導体およびその塩。
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