JPH0631087U - コネクタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】基板の極性を指定できるツーピース型コネクタ
を提供する。 【構成】マザーボード側ハウジングの両端部には、断面
Ｌ字状のラッチ部材２４が延出されている。このラッチ
部材２４は案内スロット２６を有する。この案内スロッ
ト２６内には、凸状の摩擦ラッチ２８が形成されてい
る。一方、ドゥターボード側ハウジングの両端部には、
断面Ｌ字状のラッチ部材３０が延出されている。このラ
ッチ部材３０の一端は、案内スロット２６に挿入される
べき突起３２を有する。この突起３２の一面には、凸状
摩擦ラッチ２８に摩擦係合すべき凹状の摩擦ラッチ３４
が形成されている。ラッチ部材２４の案内スロット２６
にラッチ部材３０の突起３２が挿入されると、マザーボ
ードとドゥターボードとの極性が正しい場合にのみ、凸
状摩擦ラッチ２８と凹状摩擦ラッチ３４とが摩擦係合
し、マザーボード側ハウジングとドゥターボード側ハウ
ジングとが接続される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はコネクタ装置に関し、更に詳しくは二枚の基板を互いに接続するため のコネクタ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

マザーボードとドゥターボードとを互いに接続するためのコネクタ装置として 、基板対基板相互接続システム(Board-to-Board Interconnect System)が公知で ある。このシステムは、マザーボードの両面の回路とドゥターボードの両面の回 路とを一対のコネクタにより同時に接続することができる。

【０００３】 このシステムは、ドゥターボードの縁に装着されるべきプラグハウジングと、 マザーボードの縁に装着されるべきレセプタクルハウジングとを備えている。

【０００４】 プラグハウジングは、ドゥターボードの両面の回路にそれぞれ対応する二列の プラグ端子列を支持している。レセプタクルハウジングは、マザーボードの両面 の回路にそれぞれ対応する二列のレセプタクル端子列を支持している。

【０００５】 プラグハウジングの二列のプラグ端子列は、それぞれブレード状にモールドさ れている。この二列のブレード状プラグ端子列は、互いに電気的に絶縁された状 態で近接して並列されている。

【０００６】 レセプタクルハウジングの二列のレセプタクル端子列は、互いに電気的に絶縁 されて、離間して配置されている。これら二列のレセプタクル端子列の間には、 二列のブレード状プラグ端子列を嵌合可能である。また、各レセプタクル端子列 は、カンチレバービーム（片持ちはり）端子列であり、ブレード状プラグ端子列 に弾性的に接触可能である。

【０００７】 更に、プラグハウジングは、その中央の内部から突出された一対の案内ピンを 有する。レセプタクルハウジングの中央の内部には、プラグハウジングの案内ピ ンに対応する一対の案内孔を有する。

【０００８】 これら二つのハウジングがそれぞれボードの縁に装着された状態で、二列のブ レード状プラグ端子列を二列のレセプタクル端子列に嵌合することにより、マザ ーボードの一面の回路がドゥターボードの一面の回路へ電気的に接続される。同 時に、マザーボードの他面の回路がドゥターボードの他面の回路へ電気的に接続 される。

【０００９】 また、二つのハウジングは、プラグ端子列とレセプタクル端子列との間の摩擦 力と、案内ピンと案内孔との係合力とにより機械的に連結される。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、二つのハウジングの連結は、端子列の摩擦力及び案内ピンの係 合力のみでは強度不足であり、外れ易いという不都合がある。

【００１１】 一方、各ハウジングにおける二列の端子列は、全く対称な配列である。従って 、仮に一方のボードが裏返し、即ちボードの信号転送のための極性が逆になって いたとしても、二列のプラグ端子列は、二列のレセプタクル端子列に嵌合可能で ある。これに起因して、マザーボードとドゥターボードとが極性を誤って接続さ れる恐れがある。

【００１２】 この誤接続を防止するためには、ボードの極性に対応して二列の端子列を非対 称形状とすることにより、正しい極性でのみプラグ接続端子列とレセプタクル端 子列とをとを嵌合可能とすることが考えられる。しかしながら、この場合、端子 の形状が複雑化する結果、各端子の製造やモールドが困難になるという不都合を 招く。

【００１３】 また、極性を指定するためのピンを付加することも考えられるが、これはピン 数が増加するという不都合を招く。

【００１４】 従って本考案の目的は、基板の極性を指定でき、二つのハウジングの連結が確 実であるにも拘らず、部品点数が少なく、構造が単純で且つ製造が容易なコネク タ装置を提供することにある。

【００１５】 また、このコネクタ装置を、近年のコネクタ装置における接続端子数の増加及 び接続端子の配列ピッチの狭小化の傾向に対応可能とすることも本考案の課題の 一部である。

【００１６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るコネクタ装置は、第１と第２のハウジングを備えている。第１の ハウジングの両端部は、第１と第２の接続端子列の嵌合方向に沿って形成された 案内溝を有し、この案内溝内には凸状の摩擦ラッチが形成されている。第２のハ ウジングの両端部は、第１のハウジングの案内溝へ着脱自在に挿入されて案内さ れるべき突起を有し、この突起の一面には、前記凸状摩擦ラッチに摩擦係合すべ き凹状の摩擦ラッチが形成されている。第２のハウジングの突起を所定の向きで 第１のハウジングの案内溝へ挿入したときにのみ、凸状摩擦ラッチと凹状摩擦ラ ッチとの摩擦係合により、第１と第２のハウジングが互いに嵌合され、且つ第１ と第２の接続端子列が互いに嵌合される。

【００１７】

【作用】

本考案のコネクタ装置によれば、第２ハウジングの両端部の突起を、第１ハウ ジングの両端部の案内溝へ挿入することにより、第２の接続端子列が第１の接続 端子列へ案内されて電気的に接続される。また、突起の凹状摩擦ラッチと案内溝 内の凸状摩擦ラッチとの摩擦係合により、第１と第２のハウジングが互いに機械 的に接続される。

【００１８】 この場合、凹状摩擦ラッチは突起の一面にのみ設けられているので、基板の極 性が誤っている場合は、第１と第２のハウジングは接続されず、第１と第２の接 続端子列も接続されない。

【００１９】

【実施例】

図１において、本考案のコネクタ装置２は、ドゥターボード４の縁に装着され るべきプラグハウジング６と、マザーボード８の縁に装着されるべきレプタクル ハウジング１０とを備えるツーピース型コネクタである。これら二つのハウジン グ６，１０は互いに嵌合可能である。以下の各図において、ハウジング６，１０ の長手方向をＸ方向、ハウジング６，１０の嵌合方向をＹ方向、ボード４，８の 厚さ方向をＺ方向とする。

【００２０】 図２に示すように、プラグハウジング６は、内側の絶縁樹脂ボディ１２と外側 の金属ボディ１４とを組み合わせてなる。絶縁樹脂ボディ１２には、ハウジング ６のＸ方向に沿って配列された二列のプラグ端子列１６ａ，１６ｂが互いに電気 的に絶縁されてモールドされている。また、金属ボディ１４の中央部には、一対 の案内ピン１６ｃがＹ方向へ突出されている。

【００２１】 特に図３に示すように、モールドされた二列のプラグ端子列１６ａ，１６ｂは 、それぞれブレード状をなしてＹ方向へ突出されている。この二列のブレード状 プラグ端子列１６ａ，１６ｂは、ハウジング６の短手方向の中央において、互い に近接して並列されている。

【００２２】 図４及び図５に示すように、レセプタクルハウジング１０は、内部及び上端部 の絶縁樹脂ボディ１８と、外側の金属ボディ２０とを組み合わせてなる。樹脂ボ ディ１８には、ハウジング１０の長手方向に沿って配列された二列のレセプタク ル端子列２２ａ，２２ｂが互いに電気的に絶縁されてモールドされている。また 、樹脂ボディ１８の中央部には、プラグハウジング６の案内ピン１６ｃが係合す べき案内孔２２ｃが形成されてい。

【００２３】 図４乃至図６に示される二列のレセプタクル端子列２２ａ，２２ｂは、離間し て対面されている。これらレセプタクル端子列２２ａ，２２ｂの間には、二列の ブレード状プラグ端子列１６ａ，１６ｂを嵌合可能である。

【００２４】 レセプタクル端子列２２ａ，２２ｂをなす各々の端子は、カンチレバービーム （片持ちはり）端子であり、対応するプラグ端子に弾性的に接触可能である。

【００２５】 各ハウジング６，１０の樹脂ボディ１４，１８は、端子列１６ａ，１６ｂ，２ ２ａ，２２ｂと金属ボディ１２，１８との接触、及び各端子の短絡を防ぐ形状と されている。これら樹脂ボディ１４，１８は、例えばZytel FR-50 （デュポン社 商品名）から形成されている。

【００２６】 特に図７に示すように、レセプタクルハウジング１０の金属ボディ１８の両端 部には、断面Ｌ字状のラッチ部材２４が一体的に延出されている。このラッチ部 材２４の一端は、プラグ端子列１６ａ，１６ｂとレセプタクル端子列２２ａ，２ ２ｂとの嵌合方向に沿って形成された案内スロット２６を有する。この案内スロ ット２６内には、凸状の摩擦ラッチ２８が形成されている。

【００２７】 一方、プラグハウジング６の金属ボディ１２の両端部には、断面Ｌ字状のラッ チ部材３０が一体的に延出されている。このラッチ部材３０の一端は、案内スロ ット２６に挿入されるべき突起３２を有する。この突起３２の一面には、凸状摩 擦ラッチ２８に摩擦係合すべき凹状の摩擦ラッチ３４が形成されている。

【００２８】 コネクタ装置２によるドゥターボード４とマザーボード８との接続について説 明する。

【００２９】 ここで、プラグハウジング６のプラグ端子列１６ａ，１６ｂの半田テール３６ ａ，３６ｂ（図３参照）は、ドゥターボード４の一面４ａの回路の半田パッド３ ８と他面４ｂの回路の半田パッド（図示せず）に、それぞれ半田付けされている 。同様に、レセプタクルハウジング１０のレセプタクル端子列２２ａ，２２ｂの 半田テール４０ａ，４０ｂ（図５及び図６参照）は、マザーボード８の一面８ａ と他面８ｂの回路の半田パッド（図示せず）に、それぞれ半田付けされている。 プラグハウジング６のラッチ部材３０の突起３２を、レセプタクルハウジング １０のラッチ部材２４の案内スロット２６へ挿入すると、凸状摩擦ラッチ２８と 凹状摩擦ラッチ３４との摩擦係合により、二つのハウジング６，１０がほぼ水平 に接続される。

【００３０】 ここで凹状摩擦ラッチ３４は突起３２の一面のみに位置しているので、ドゥタ ーボード４とマザーボード８の電気的極性が正しい場合にのみ、摩擦ラッチ２８ ，３４の摩擦係合が生じて二つのハウジング６，１０が接続される。

【００３１】 また、案内スロット２６への突起３２の挿入に伴い、プラグハウジング６の一 対の案内ピン１６ｃがレセプタクルハウジング１０の一対の案内孔２２ｃへ案内 されて係合する。同時に、二つのハウジング６，１０が互いに嵌合される。即ち 二つのハウジング６，１０は、互いの嵌合と、案内ピン１６ｃと案内溝２２ｃと の係合、及び摩擦ラッチ２８，３４の摩擦係合により接続される。

【００３２】 この接続と同時にプラグ端子列１６ａ，１６ｂが、レセプタクル端子列２２ａ ，２２ｂの間へ案内されて嵌合される。これにより、ドゥターボード４の一面４ ａの回路とマザーボード８の一面８ａの回路が電気的に接続され、ドゥターボー ド４の他面４ｂの回路とマザーボード８の他面８ｂの回路とが電気的に接続され る。

【００３３】 このように、ハウジング６，１０の両端部のラッチ部材２４，３０は、極性の 指定機能、端子列１６ａ，１６ｂ，２２ａ，２２ｂの案内機能、ハウジング６， １０の接続機能を兼ね備えることができる。この事実は、近年のコネクタ装置に おける端子数の増加及び端子の配列ピッチの狭小化の傾向に対応できるという利 点を有する。即ち、レセプタクル端子列２２ａ，２２ｂへのプラグ端子列１６ａ ，１６ｂの挿入力を犠牲にすることなく、コネクタ装置全体の大きさを極力に抑 制でき、且つボード４，８を確実に接続できる。

【００３４】 上記実施例において、レセプタクルハウジング１０のラッチ部材２４の案内ス ロット２６は、ラッチ部材２４の中心線２４ａから芯ずれされていることが好ま しい。この場合、ボード４，８の何れか一方が裏返しであると、突起３２は案内 スロット２６へ全く挿入することができず、極性の指定が一層に確実になる。

【００３５】 また、ラッチ部材２４，３０の他端は、互いに対面する捩子孔３６を有するこ とが好ましい。この場合、捩子（図示せず）により二つのハウジング６，１０を 一体的に固定できるので、二つのハウジング６，１０の接続が一層に確実になる 。

【００３６】 本考案は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。

【００３７】 例えば上記実施例においては、案内スロット２６付きラッチ部材２４をレセプタ クルハウジング１０に設け、突起３２付きラッチ部材３０をプラグハウジング６ に設けたが、逆に、ラッチ部材２４をプラグハウジング６に、ラッチ部材３０を レセプタクルハウジング１０に設けてもよい。

【００３８】 或いは、上記実施例と逆に、ヘッダーハウジング６をマザーボード８に装着し 、レセプタクルハウジング１０をドゥターボード４に装着してもよい。

【００３９】

【考案の効果】

本考案のコネクタ装置によれば、基板の極性の指定機能、接続端子列の案内機 能、ハウジングの確実な接続機能をハウジングの両端部に集中させることができ る。従って、多数の接続端子を有し、且つ接続端子の配列ピッチが狭いコネクタ 装置においても、接続端子列の挿入力を犠牲にすることなく、コネクタ装置全体 の大きさを極力に抑制でき、二枚の基板を確実に接続できる。

【００４０】 また、上述の機能は、凹状摩擦ラッチ付きの突起と、凸状摩擦ラッチ付きの案 内溝との単純な構造により実現されるので、コネクタ装置の部品点数が少なくて すみ、製造も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るコネクタ装置を示す斜
視図である。

【図２】プラグハウジングを示す正面図である。

【図３】モールドされたプラグ端子列を示す側面図であ
る。

【図４】レセプタクルハウジングを示す正面図である。

【図５】図４におけるV −V 線断面図であり、レセプタ
クルハウジングの内部構造を示す図である。

【図６】モールドされたレセプタクル端子列を示す側面
図である。

【図７】ラッチ部材を示す拡大図である。

【符号の説明】

４…ドゥターボード（第２の基板）、６…プラグハウジ
ング（第２のハウジング）、８…マザーボード（第１の
基板）、１０…レプタクルハウジング（第１のハウジン
グ）、２６…案内スロット、２８…凸状摩擦ラッチ、３
２…突起、３４…凹状摩擦ラッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１と第２の基板を電気的に接続させる
   コネクタ装置であって、第１の接続端子列を支持して第
   １の基板に装着されるべき第１のハウジングと、第２の
   接続端子列を支持して第２の基板に装着されるべき第２
   のハウジングとを備え、第１と第２のハウジングが互い
   に嵌合可能であり、且つ第１と第２の接続端子列が互い
   に嵌合可能であるものにおいて、 第１のハウジングの両端部が、第１と第２の接続端子列
   の嵌合方向に沿って形成された案内溝を有し、この案内
   溝内には凸状の摩擦ラッチが形成され、 第２のハウジングの両端部が、第１のハウジングの前記
   案内溝へ着脱自在に挿入されて案内されるべき突起を有
   し、この突起の一面には、前記凸状摩擦ラッチに摩擦係
   合すべき凹状の摩擦ラッチが形成されることにより、 第２のハウジングの前記突起を所定の向きで第１のハウ
   ジングの前記案内溝へ挿入したときにのみ、前記凸状摩
   擦ラッチと凹状摩擦ラッチとの摩擦係合により第１と第
   ２のハウジングが互いに嵌合され、且つ第１と第２の接
   続端子列が互いに嵌合されることを特徴とするコネクタ
   装置。