JPH06310324A - 平面コイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 製造設備を含めた製造コストを低減できるよ
うな平面コイルを提供すること。 【構成】 金属シートが機械加工されてなり、少なくと
も２ターン以上のターン数を持つ平面状の渦巻線輪１０
と、この渦巻線輪１０の平面部に貼着され、該線輪の形
状を保持する補強要素とをそなえた平面コイル、および
渦巻線輪１０の内側端部を該線輪１０に交差するように
折り曲げて引き出し、かつこの引き出し端１２Ａと該線
輪１０との間に絶縁材１３を介挿した平面コイル、およ
び補強要素は、熱可塑性の樹脂により形成される平面コ
イル、および補強要素は、接着剤付き樹脂シートにより
形成される平面コイル、および補強要素は、接着剤付き
紙シートにより形成される平面コイル。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、平面コイルに係り、と
くにＩＣカードとカード処理装置との間での非接触方式
による電気エネルギーまたは信号の授受に用いられる平
面コイルに関する。

【０００２】

【従来の技術】平面コイルは、ＩＣカードの電力誘導コ
イルとか、カードとカード処理装置との間の短距離通信
用アンテナとして用いられる。この平面コイルに要求さ
れることは、電気損失が少なく静電容量を並列接続して
構成した共振回路のＱが高い、などの電気的特性が高い
ことは勿論であるが、それ以上に低コストであることが
重要である。

【０００３】従来、この種の平面コイルは、図４（a ）
に示すようなエナメル被覆銅線１を巻線にしたものと
か、図４（b ）に示すような硬質あるいはフレキシブル
プリント基板２を用いて金属箔をフォト・リソグラフに
よりエッチングして胴体線輪を形成している。

【０００４】ここで、フレキシブルプリント基板は、可
撓性シートに金属箔を貼着したもの、硬質プリント基板
は、銅やアルミニウムなどの金属箔を樹脂シートに接着
剤で貼着したものである。いづれも低コスト化および量
産性の向上のために用いられている。

【０００５】そして、リード導体が線輪の内側と外側に
別れて設けられるのを防ぐために、高価な両面金属貼り
基板を利用し、スルーホール工程を加えて外側または内
側へ線輪の両端の引き出し部を対にして端子を形成して
いる。

【０００６】この他、樹脂シート上に金属粉末と樹脂と
を混練した導電材料を印刷して同様のパターンを形成す
る方法もあるが、導体の電気抵抗が高く、良好な高周波
電気特性を得ることが困難であり、実際にはあまり利用
されていない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術では、
それなりのコスト低減はできるが、十分にできるとはい
えない。すなわち、金属貼りシートの製作には、接着剤
塗布ロール、樹脂シート基板ロール材、金属箔ロール材
などの材料、およびその加工のための大型乾燥炉を含む
大型の貼り合わせ装置が必要であり、これらを用いた加
工費用は上記対象との関連では十分に安価であるとはい
えない。

【０００８】また、パターン形成のためのフォト・リソ
グラフィ工程についてもエッチング液を管理、供給する
大型のエッチング装置が必要である。このため、エッチ
ング液、水洗水、フォト・レジスト材など余分な材料費
が発生し、コスト上昇につながる上に加工時間も長い。

【０００９】本発明は上述の点を考慮してなされたもの
で、製造設備を含めた製造コストを低減できるような平
面コイルを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では、金属シートが機械加工されてなり、少なくと
も２ターン以上のターン数を持つ平面状の渦巻線輪と、
この渦巻線輪の平面部に貼着され、該線輪の形状を保持
する補強要素とをそなえた平面コイル、および渦巻線輪
の内側端部を線輪に交差するように折り曲げて引き出
し、かつこの引き出し端と線輪との間に絶縁材を介挿し
た平面コイル、および補強要素は、熱可塑性の樹脂によ
り形成される平面コイル、および補強要素は、接着剤付
き樹脂シートにより形成される平面コイル、および補強
要素は、接着剤付き紙シートにより形成される平面コイ
ル、を提供するものである。

【００１１】

【作用】渦巻線輪は、金属シートを機械加工して製造さ
れる。そして、渦巻線輪は補強要素によって平面性が保
たれる。

【００１２】渦巻線輪の内側端を引き出すには、当該端
部を線輪に交差するように折り曲げて線輪との間には絶
縁材を介挿する。

【００１３】補強要素としては、熱可塑性の樹脂、接着
剤付き樹脂シートもしくは接着剤付き紙シートなどを用
いる。

【００１４】

【発明の効果】本発明は上述のように、金属シートを機
械加工して平面状の渦巻線輪を形成し、この渦巻線輪に
補強要素を貼着して変形を防止するようにしたため、金
属貼り基板を用いて平面コイルを製造する場合に比べて
遥かに低コストで平面コイルを製造することができる。

【００１５】そして、渦巻線輪の内側端を線輪に交差す
るように引き出すことによりコイルと他の要素との接続
が容易になる。

【００１６】また、補強要素を熱可塑性の樹脂とするこ
とにより、樹脂を被せて熱を加えるだけで補強処理がで
き、製造が簡単である。

【００１７】接着剤付きの樹脂シートとか同じく紙シー
トにより補強すると、単に付着させるだけで補強処理が
できるから作業性がよい。

【００１８】

【実施例】図１は、本発明の一実施例を示した平面図で
ある。同図は、金属シートを機械加工して製作した、平
面形状が矩形の渦巻線輪１０を示している。この渦巻線
輪は、図における右上端に端子１１、１２を有する。端
子１１、１２は、渦巻線輪１０の外側端および内側端に
それぞれ設けられている。

【００１９】渦巻線輪１０は、金属シートから例えば打
ち抜きプレス加工、またはワイヤソー加工により所定の
渦巻線輪および引き出しリードが一体になった形状に形
成される。

【００２０】プレス加工では、短冊状シートを多数個取
りするとか、フープ材を用いて高速連続打ち抜きで製作
することができる。これにより製造コストを低廉にする
ことができる。金属シートとしては、鉄、アルミニウ
ム、銅または銅合金、ニッケルなどの安価な材料を利用
できる。なお、永久変形が起きないような板厚、材料を
選択することはいうまでもない。

【００２１】電気特性の向上とか防錆のために、金属シ
ートの表面に、金、銀、亜鉛、錫、銅などの金属をメッ
キした材料やエナメルなどの樹脂薄膜を塗布した材料を
用いることで性能を向上させることもできる。

【００２２】図２（a ）および（b ）は、本発明の他の
実施例を示したもので、引き出し線部の内側端が渦巻線
輪１０の外側に引き出されて一対の端子１１と１２Ａと
が並設された構造になっている。このために、図示のよ
うに渦巻線輪１０の内側端が渦巻線輪の図における右隅
部から下方に向かって少し長めに延びており、その端部
に端子１２Ａが形成されている。

【００２３】この端部を一点鎖線Ａ−Ａに沿って折り曲
げ、端子１２Ａを端子１１に並べて設ける。そして、端
子１２Ａの折り曲げ部と渦巻線輪１０との間に、例えば
両面接着剤付き絶縁材１３を介挿して折り曲げ部が渦巻
線輪に接触しないようにする。この絶縁材としては、熱
可塑性樹脂を利用してもよい。

【００２４】このように、一対の端子１１，１２Ａが渦
巻線輪の外側に並んで設けられていると、配線作業など
がし易くなり作業性が向上する。

【００２５】図３は、平面コイル１０に補強要素２０を
貼着した状態を示している。補強要素２０としては、片
面に接着剤が塗布された樹脂シートまたは紙シートを用
いる。これにより、渦巻線輪１０自体が持つ剛性に加え
て補強要素２０の剛性が作用して平面コイル全体を強固
なものとする。

【００２６】補強要素２０としては、ポリエチレンなど
の熱可塑性シートを接着または熱圧着してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す平面図。

【図２】本発明の他の実施例の製造工程を示す平面図。

【図３】本発明の実施例に用いる補強要素の貼付の説明
図。

【図４】従来の平面コイルの説明図。

【符号の説明】

１ エナメル被覆銅線 ２ プリント基板 １１ 端子 １２，１２Ａ 端子 １３ 絶縁材 ２０ 補強要素

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】金属シートが機械加工されてなり、少なく
   とも２ターン以上のターン数を持つ平面状の渦巻線輪
   と、 この渦巻線輪の平面部に貼着され、該線輪の形状を保持
   する補強要素とをそなえた平面コイル。
2. 【請求項２】請求項１記載の平面コイルにおいて、 前記渦巻線輪の内側端部が線輪に交差するように折り曲
   げて引き出され、かつこの引き出し端と前記線輪との間
   に絶縁材が介挿された平面コイル。
3. 【請求項３】請求項１記載の平面コイルにおいて、 前記補強要素は、熱可塑性の樹脂により形成される平面
   コイル。
4. 【請求項４】請求項１記載の平面コイルにおいて、 前記補強要素は、接着剤付き樹脂シートにより形成され
   る平面コイル。
5. 【請求項５】請求項１記載の平面コイルにおいて、 前記補強要素は、接着剤付き紙シートにより形成される
   平面コイル。