JPH06308104A - 超音波プローブ - Google Patents

超音波プローブ

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JPH06308104A
JPH06308104A JP5102694A JP10269493A JPH06308104A JP H06308104 A JPH06308104 A JP H06308104A JP 5102694 A JP5102694 A JP 5102694A JP 10269493 A JP10269493 A JP 10269493A JP H06308104 A JPH06308104 A JP H06308104A
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JP
Japan
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thickness
piezoelectric element
ultrasonic probe
transmitting
resonance frequency
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JP5102694A
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Inventor
Shiro Saito
史郎 斉藤
Mamoru Izumi
守 泉
Takashi Kobayashi
剛史 小林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B06GENERATING OR TRANSMITTING MECHANICAL VIBRATIONS IN GENERAL
    • B06BMETHODS OR APPARATUS FOR GENERATING OR TRANSMITTING MECHANICAL VIBRATIONS OF INFRASONIC, SONIC, OR ULTRASONIC FREQUENCY, e.g. FOR PERFORMING MECHANICAL WORK IN GENERAL
    • B06B1/00Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency
    • B06B1/02Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency making use of electrical energy
    • B06B1/06Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency making use of electrical energy operating with piezoelectric effect or with electrostriction
    • B06B1/0644Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency making use of electrical energy operating with piezoelectric effect or with electrostriction using a single piezoelectric element
    • B06B1/0662Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency making use of electrical energy operating with piezoelectric effect or with electrostriction using a single piezoelectric element with an electrode on the sensitive surface
    • B06B1/067Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency making use of electrical energy operating with piezoelectric effect or with electrostriction using a single piezoelectric element with an electrode on the sensitive surface which is used as, or combined with, an impedance matching layer

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ナトリウム液体中で使用しても劣化が起こりに
難く、且つ性能が良好な超音波プローブを提供するこ
と。 【構成】超音を送受する圧電体1と銀電極2,2aとで
構成された圧電素子の送受波面側に、ナトリウムに対す
る保護部材として、厚さが圧電素子の基本共振周波数で
決まる波長の10%以下のステンレス板4が設けられて
いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波プローブに係
り、特に高速増殖炉内の高温の液体ナトリウム中で使用
される超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速増殖炉(FBR)と呼ばれる
原子炉が未来の原子炉として期待されている。高速増殖
炉は、***原子核であるPuに高速中性子が衝突して起
こる核反応を利用し、消費した燃料よりも生成される燃
料の方が多いという特徴を持っている。
【0003】核***より発生した熱を伝える伝達材料、
すなわち、高速増殖炉で使用される冷却材としては、高
速中性子が減速し難く、熱伝導率が水の100倍もある
液体ナトリウムが用いられている。この液体ナトリウム
は、原子炉容器内の炉心で加熱された後、原子炉容器外
に設けられた冷却系へと導かれ、再び原子炉容器内へと
戻され、循環する。液体ナトリウムは、不透明で水や空
気と激しく反応するので、その取扱いには注意を要す
る。
【0004】ところで、原子炉では、安全性を確保する
ために、炉心構造物や炉内異物などを常に監視する必要
がある。しかし、液体ナトリウムが不透明であることか
ら目視検査は不可能である。このため、炉心構造物など
の監視には、非破壊で内部状態を検査できる超音波探傷
装置が用いられている。これは液体中を超音波が伝搬し
易いことを利用してパルス状の超音波を原子炉内に送波
して、音響インピーダンス(密度と音速の積)が異なる
界面から反射する性質を用い、その反射波を検出し、そ
の結果を画像表示するというものである。
【0005】超音波探傷装置は、超音波を送受波する超
音波プローブと、この超音波プローブの検出結果に所定
の信号処理を施し、画像表示を行なう装置本体とから構
成されている。
【0006】超音波プローブは、電気音響変換素子とし
て、二つの電極で圧電体を挾持した構造の圧電素子を用
いている。圧電体には、チタン酸ジルコン酸鉛系やチタ
ン酸系などのセラミック、ニオブ酸リチウムやタンタル
酸リチウムなどの単結晶、ポリフッ化ビニリデンなどの
高分子、若しくはこれらの複合材料が目的に応じて使用
されている。すなわち、液体ナトリウムの温度は、FB
Rの停止状態では約200℃、運転状態では約500℃
になるので、圧電体のキュリー点を考慮して、前者の場
合には主としてセラミックや単結晶、後者の場合には単
結晶が有効である。
【0007】超音波プローブの種類には、一つの振動子
を機械的に走査して画像を形成するメカニカルプローブ
と、複数のアレイ状振動子に電子的な遅延を与えて超音
波ビームの集束や偏向を行なうアレイプローブとがあ
る。基本構造は両者とも略同じであり、超音波の送受波
面側には伝搬媒体との音響整合を取るためのマッチング
層が設けられ、一方、送受波面側の背面側には圧電素子
の支持と背面側に放射された超音波を吸収する役目を果
たすバッキング部材とが設けられている。
【0008】マッチング層は、その厚さが基本共振周波
数で決まる波長の略1/4で、その材料として音響イン
ピーダンスが圧電体と伝搬媒体との中間値(例えば両者
の積の平方根)のものが用いられ、更に、広帯域化や高
感度化のために多層構造が取られる場合もある。また、
メカニカルプローブの場合、超音波ビームの集束のため
に凹面状の振動子を用いることが多く、一方、アレイプ
ローブの場合には、振動子の配列方向と垂直な方向の超
音波ビームを集束するために音響レンズが用いることが
多い。
【0009】また、液体ナトリウム中では腐食性やぬれ
性が問題となるので、超音波プローブの表面は、ステン
レスやニッケルなどの金属、若しくはアルミナや窒化珪
素などのセラミックにする必要がある。一般には、耐腐
食性のためにステンレス板を用い、そして、耐ぬれ性の
ためにステンレス板の表面にニッケル薄膜などの金属薄
膜を蒸着してコーティングする。
【0010】しかしながら、金属やセラミックなどから
なる耐液体ナトリウム用の保護部材および金属薄膜がコ
ーティングされた保護部材の音響インピーダンスが45
Mrayl前後で、圧電体としてのセラミック材料や単
結晶材料のそれが30〜40Mrayl程度、液体ナト
リウムのそれが2.2Mraylであるため、これらの
間の音響的ミスマッチングによって、プローブの感度が
低下したり、送受信の波形が乱れるという問題があっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、FBRの
冷却材である液体ナトリウム中で用いる従来の超音波プ
ローブでは、液体ナトリウムによる腐食を防止するため
に、金属やセラミックなどからなる保護部材が必要とな
り、更に、耐ぬれ性のためにはその上にニッケル薄膜な
どの金属薄膜でコーティングする必要があった。
【0012】しかしながら、保護部材と圧電体と液体ナ
トリウムとの間の音響的ミスマッチングによって、プロ
ーブの感度が低下したり、送受信の波形が乱れるという
問題があった。
【0013】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、ナトリウム液体中で使
用しても劣化が起こりに難く、且つ性能が良好な超音波
プローブを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の超音波プローブ(請求項1)は、超音波
の送受を行なう圧電素子の送受波面側に、厚さが前記圧
電素子の基本共振周波数で決まる波長の10%以下であ
る耐液体ナトリウム用の保護部材が設けられていること
を特徴とする。
【0015】また、本発明の他の超音波プローブ(請求
項2)は、超音波の送受を行なう圧電素子の送受波面側
に、厚さが前記圧電素子の基本共振周波数で決まる波長
の略(2m−1)/4倍(mは自然数)であるマッチン
グ層が設けられ、このマッチング層の前面に、厚さが前
記圧電素子の基本共振周波数で決まる波長の略n/2倍
(nは自然数)である耐液体ナトリウム用の保護部材が
設けられていることを特徴とする。ここで、基本共振周
波数で決まる波長の略n/2倍とは、具体的には、ステ
ンレス板を用いた場合、5MHzで580μmの自然数
倍である。なお、上記保護部材はステンレス板などの金
属板またはセラミック板であることが好ましい。
【0016】
【作用】本発明者等の研究によれば、耐液体ナトリウム
用の保護部材の厚さを圧電素子の基本共振周波数で決ま
る波長の10%以下にすれば、波連長の短い良好な受信
波(反射波)が得られることが分かった。したがって、
本発明(請求項1)によれば、音響的ミスマッチングに
よる性能低下を招かずに液体ナトリウムによる腐食を防
止できる。
【0017】また、本発明者等の研究によれば、圧電素
子の送受波面側に、厚さが圧電素子の基本共振周波数で
決まる波長の略(2m−1)/4倍(mは自然数)であ
るマッチング層が設けられた超音波プローブにおいて、
マッチング層の前面に設ける耐液体ナトリウム用の保護
部材の厚さを圧電素子の基本共振周波数で決まる波長の
略n/2倍(nは自然数)にすれば、波連長の短い良好
な受信波が得られることが分かった。したがって、本発
明(請求項2)によれば、音響的ミスマッチングによる
性能低下を招かずに液体ナトリウムによる腐食を防止で
きる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1は、本発明の一実施例に係る超音波プローブの
構造を示す図である。これは本発明をシングルプローブ
構造の超音波プローブに適用した例である。
【0019】図中、1は直径が10mm,厚さが420
μmのディスク状の圧電体を示している。この圧電体1
は、キュリー点360℃,比誘電率250のチタン酸鉛
系セラミックからなり、その基本共振周波数は5MHz
である。圧電体1は厚さ5μmの銀電極2a,2bで挾
持され、これら圧電体1,銀電極2a,2bによって圧
電素子が形成されている。
【0020】圧電体1の送受波面側の銀電極2aの前面
にはニッケル薄膜(不図示)が形成されたステンレス板
4(保護部材)が設けられている。このステンレス板4
はナトリウムによる腐食を防止するためのもので、その
厚さは、圧電素子の基本共振周波数で決まる波長の約
8.6%に相当する100μmである。また、ニッケル
薄膜は、液体ナトリウムに対するぬれ性を改善するため
のもので、蒸着やスパッタなどにより形成する。液体ナ
トリウムに対するぬれ性が良好なものであれば、ニッケ
ル薄膜以外の金属薄膜を使用しても良い。
【0021】一方、銀電極2bの前面には音響インピー
ダンス10Mraylのポーラスセラミックからなるバ
ッキング部材3が設けられている。このバッキング部材
3は圧電体1を支持するとともに、圧電体1の銀電極2
a側から放射される超音波を吸収し、圧電体1の銀電極
2側から放射される超音波だけが伝達媒体に伝わるよう
にしている。また、銀電極2bはケーブル6と導通が取
れている。
【0022】銀電極2aとステンレス板4、並びに銀電
極2bとバッキング部材3は、それぞれ、約800℃の
熱処理により銀ろう5a,5bにより接合されている。
この後、圧電体1に分極処理を施した。また、圧電体
1,銀電極2a,2b,バッキング部材3等は、ステン
レスで形成され、銀電極2aと導通が取れた筐体7内に
収容されている。
【0023】このように構成された超音波プローブを用
いてパルスエコー法により液体ナトリウム中に設置した
ステンレス板からの反射波を測定した。図2はその測定
結果を示し、図2(a)は時間領域で表示された反射
波、図2(b)は周波数領域で表示された反射波を表し
ている。この図2から周波数スペクトラムはリップルの
ない単峰特性となっており、反射波(波形a)は素直な
ダンピング特性となり、それは検波後の包絡線(波形
b)に反映されていることが分かる。
【0024】図3(b)にステンレス板の厚さが圧電素
子の基本共振周波数で決まる波長の約0.01%に相当
する1μmの場合の周波数スペクトラムを示す。比較の
ため、図3(a)に図2(b)の結果を図3(b)と同
じスケールで表示したものを示す。1μmの場合、12
5〜200(×104 Hz)の領域で双峰性が現われる
が、その領域ではレベルが低いので、100μmの場合
と同様に良好な反射波とみなせる。
【0025】本発明者等の研究によれば、このような良
好な反射波を得るには、ステンレス板4の厚さが圧電素
子の基本共振周波数で決まる波長の10%以下であれば
良いことが分かった。10%を越えると、例えば、26
%(厚さ300μm)の場合には、図4(b)に示すよ
うに、周波数スペクトラムが双峰性となり、波形も両方
の周波数成分が重なり合って長くなった。検波後の包絡
線で比べると、図4(a)より、−20dBまでのビー
ム幅は本実施例に比べて20%以上も長くなっているこ
とが分かる。
【0026】図5は、従来のマッチング層を備えた超音
波プローブについての測定結果である。この超音波プロ
ーブの具体的な構造を図6に示す。基本構造は図1の超
音波プローブと同じで、圧電体1とステンレス板4との
間にマッチング層8が設けられている点が異なる。マッ
チング層8としては音響インピーダンスが約12Mra
ylのガラス板を使用している。また、ステンレス板4
の厚さは、圧電素子の基本共振周波数で決まる波長の約
8.6%に相当する100μmで、図1の超音波プロー
ブのそれと同じである。また、銀電極2aとマッチング
層8、銀電極2bとバッキング部材3、並びにステンレ
ス板4とマッチング層8は、ぞれぞれ、銀ろう5a,5
b,5cにより接合されている。
【0027】マッチング層8を備えた超音波プローブの
場合、ステンレス板4の厚さが本実施例のそれと同様に
基本共振周波数で決まる波長の10%以下であっても、
図5に示すように、本実施例の場合に比べて、波連長が
長く、周波数スペクトラムが双峰特性となり、−20d
Bまでのビーム幅は約2倍も長くなっている。
【0028】したがって、本実施例によれば、ステンレ
ス板4によって液体ナトリウムに対する耐性が高くな
り、しかも、ステンレス板4の厚さを上記条件に合わせ
ているので、分解能も高くなる。
【0029】このようにマッチング層がない超音波プロ
ーブにおいて、ステンレス板4の厚さを圧電素子の基本
共振周波数で決まる波長の10%以下にすることによ
り、良好な反射波が得られるのは次のように考えられ
る。
【0030】本実施例の場合、ステンレス板4の厚さが
圧電素子の基本共振周波数で決まる波長の10%以下で
あるので、圧電素子の厚さで決まる基本共振周波数と、
圧電素子とステンレス板4とを合わせた厚さで決まる基
本共振周波数とが近接する。更に、圧電素子とステンレ
ス板4との音響インピーダンスの差が小さいため、両者
の界面での反射は5〜10%と小さい。
【0031】このため、超音波プローブの機械的共振尖
鋭度で決まる帯域(Q値)内に圧電体素子およびステン
レス板4の基本共振周波数が入り、周波数スペクトラム
にはリップルがはいらずに単峰特性となる。
【0032】更に、3次高調波成分においては、ステン
レス板4の厚さが基本共振の場合の3倍になるので、圧
電体1のみの共振、並びに圧電体1とステンレス板4と
を合わせた共振は、単峰の周波数スペクトラムとはなら
ず双峰となる。この結果、基本共振に比べてスペクトラ
ムのピーク値が下がり(−10dB以下となることが確
認された)、不要振動としての影響が小さくなる。
【0033】したがって、反射波は基本共振以外の周波
数成分が少なく波連長の短いものとなり、分解能が高く
なる。なお、本実施例では、シングルプローブ構造のも
のにつてい説明したが、本発明は図7に示すようなアレ
イプローブ構造のものや、振動子を2次元状に配置した
マトリクスプローブ構造のものに対しても適用できる。
【0034】図8は、本発明の他の実施例に係る超音波
プローブの構造を示す図である。図中、11は直径が1
0mm,厚さが420μmのディスク状の圧電体を示し
ている。この圧電体11は、キュリー点360℃,比誘
電率250のチタン酸鉛系セラミックからなり、その基
本共振周波数は5MHzである。圧電体11は厚さ5μ
mの銀電極12a,12bで挾持され、これら圧電体1
1,銀電極12a,12bによって圧電素子が形成され
ている。
【0035】圧電体11の送受波面側の銀電極12aの
前面にはマッチング層18としてのガラス板が設けられ
ている。このガラス板の音響インピーダンスは12Mr
aylで、厚さは圧電素子の基本共振周波数で決まる波
長の1/4に相当する約300μmである。
【0036】マッチング層18の前面にはニッケル薄膜
(不図示)が蒸着されたステンレス板14(保護部材)
が設けられている。このステンレス板14の厚さは、圧
電素子の基本共振周波数で決まる波長の約1/2に相当
する580μmである。
【0037】また、銀電極12bの前面には音響インピ
ーダンス10Mraylのポーラスセラミックからなる
バッキング部材13が設けられている。また、銀電極1
2bはケーブル16と導通が取れている。
【0038】銀電極12aとマッチング層18、銀電極
12bとバッキング部材13、並びにステンレス板14
とマッチング層18は、ぞれぞれ、約800℃の熱処理
により銀ろう15a,15b,15cにより接合されて
いる。この後、圧電体11に分極処理を施した。また、
圧電体11,銀電極12a,12b,バッキング部材1
3,マッチング層18等は、ステンレスで形成され、銀
電極12aと導通が取れた筐体17内に収容されてい
る。
【0039】このように構成された超音波プローブを用
いてパルスエコー法により200℃の液体ナトリウム中
に設置したステンレス板からの反射波を測定した。図1
0はその測定結果を示している。この図10から周波数
スペクトラムは中心周波数約5MHzの単峰特性で広帯
域なものとなり、また、反射波はダンピング特性の優れ
たものとなっていることが分かる。
【0040】本発明者等の研究によれば、このような良
好な反射波を得るには、ステンレス板14の厚さが圧電
素子の基本共振周波数で決まる波長のn/2倍(nは自
然数)であれば良いことが分かった。n/2倍以外、例
えば、1/12倍(基本共振周波数で決まる波長8.6
%)の場合には、図11(b)に示すように、周波数ス
ペクトラムが双峰性となり、本実施例のように基本共振
周波数5MHzでなく、2.5MHzの低周波成分が支
配的となり、また、本実施例に比べて、レベルが約半分
になっていることが分かる。また、図11(a)から本
実施例に比べて波連長が約15%長くなっていることが
分かる。
【0041】また、ステンレス板14の厚さが圧電素子
の基本共振周波数で決まる波長の約1/4倍の300μ
mの場合には、図12(b)に示すように、周波数スペ
クトラムは5MHz成分をほとんど含まず、そのレベル
は本実施例のそれの約25%と非常に低くなっているこ
とが分かる。また、図12(a)に示すように、本実施
例に比べて波連長が約70%も長くなっていることが分
かる。
【0042】したがって、本実施例によれば、ステンレ
ス板14によって液体ナトリウムに対する耐性が高くな
り、しかも、ステンレス板14の厚さを上記条件に合わ
せていので、分解能も高くなる。
【0043】このようにマッチング層18を備えた超音
波プローブにおいて、ステンレス板14の厚さを圧電素
子の基本共振周波数で決まる波長のn/2倍(nは自然
数)にすることにより、良好な反射波が得られるのは次
のように考えられる。
【0044】本実施例の超音波プローブにおいて、圧電
体11に駆動パルスが印加されると共振現象が起こり、
粗密波が発生する。この粗密波が伝搬する経路内の任意
の点には、粗波(振幅値が最小の波)と密波(振幅値が
最大の波)とがλ/2v秒の間隔で通過し、この粗密波
がマッチング層18およびステンレス板14を通過した
後に超音波として放射される。ここで、λは波長
[m]、vは音速[m/s]を示している。
【0045】今、ある時刻にステンレス板14の前面か
ら密波(以下、密波1という)が放射されたと仮定す
る。密波1の一部は、ステンレス板14とナトリウム液
との界面で反射してマッチング層18に向かって伝搬す
る。この反射した波(以下、第1の反射波という)は、
ステンレス板14の音響インピーダンスがナトリウム液
のそれよりも大きいため、180度位相反転したものと
なる。
【0046】第1の反射波はステンレス板14とマッチ
ング層18との界面に到達すると、その一部は上記界面
で反射し(以下、第2の反射波という)、残りは通過す
る。このとき、ステンレス板14の音響インピーダンス
がマッチング層18のそれよりも大きいため、第1の反
射波と第2の反射波とは位相が180度異なり、第2の
反射波は密波1と同位相になる。また、ステンレス板1
4の厚さは圧電素子の基本共振周波数で決まる波長のn
/2倍(nは自然数)である。この結果、第2の反射波
は、圧電体11からステンレス板14とマッチング層1
8との界面に伝搬してきた密波1の次の密波2と位相が
合って重なり合い、この合成波がステンレス板14の前
面から放射される。
【0047】したがって、プローブの帯域で決まる基本
共振周波数の近傍で位相の揃った周波数成分を多く含む
波が放射されので、反射波も良好なものとなる。なお、
本実施例では、シングルプローブ構造のものについて説
明したが、本発明は図9に示すようなアレイプローブ構
造のものや、振動子を2次元状に配置したマトリクスプ
ローブ構造のものに対しても適用できる。図9に示すア
レイプローブでは、マッチング層18は各エレメント毎
に分離していないが、クロストークを低減するために各
エレメント毎に分離しても良い。
【0048】また、マッチング層18の厚さは圧電素子
の基本共振周波数で決まる波長の1/4に限定されるも
のではなく、要は基本共振周波数で決まる波長の(2m
−1)/4倍(mは自然数)であれば良い。
【0049】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えば、上記実施例では、ろう材とし
て銀を用いたが、材質には特に制限はなく、例えば、銅
や活性材としてチタンを用いても良い。また、ろう材を
電極と兼ねても差支えないのであれば予め圧電体の両面
に電極を形成しておかなくても良い。
【0050】また、支持の上で特に問題がなければ、バ
ッキング部材の代わりにエアバックを用いても良い。ま
た、本実施例では、液体ナトリウムに対する保護部材と
してステンレス板を用いたがセラミック板などの他のも
のを使用しても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で、種々変形して実施できる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、液
体ナトリウム中で使用しても腐食が起こりに難く、且つ
分解能の高い超音波プローブが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る超音波プローブの構造
を示す図。
【図2】図1の超音波プローブのパルスエコー特性を示
す図。
【図3】図1の超音波プローブにおいて、ステンレス板
の厚さが基本共振周波数で決まる波長の約0.001%
の場合のパルスエコー特性を示す図。
【図4】図1の超音波プローブにおいて、ステンレス板
の厚さが基本共振周波数で決まる波長の26%の場合の
パルスエコー特性を示す図。
【図5】従来のマッチング層を備えた超音波プローブの
構造を示す図。
【図6】図5の超音波プローブのパルスエコー特性を示
す図。
【図7】本発明が適用されたアレイプローブの構造を示
す斜視図。
【図8】本発明の他の実施例に係る超音波プローブの構
造を示す図。
【図9】本発明が適用されたアレイプローブの構造を示
す斜視図。
【図10】図8の超音波プローブのパルスエコー特性を
示す図。
【図11】図8の超音波プローブにおいて、ステンレス
板の厚さが基本共振周波数で決まる波長の1/12倍の
場合のパルスエコー特性を示す図。
【図12】図8の超音波プローブにおいて、ステンレス
板の厚さが基本共振周波数で決まる波長の1/4倍の場
合のパルスエコー特性を示す図。
【符号の説明】
1…圧電体 2,2a…銀電極 3…バッキング部材 4…ステンレス板(保護部材) 5,5a…銀ろう 6…ケーブル 7…筐体 8…マッチング層 11…圧電体 12,12a…銀電極 13…バッキング部材 14…ステンレス板(保護部材) 15,15a…銀ろう 16…ケーブル 17…筐体 18…マッチング層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体ナトリウム中で使用される超音波プロ
    ーブであって、超音波の送受を行なう圧電素子の送受波
    面側に、厚さが前記圧電素子の基本共振周波数で決まる
    波長の10%以下である耐液体ナトリウム用の保護部材
    が設けられていることを特徴とする超音波プローブ。
  2. 【請求項2】液体ナトリウム中で使用される超音波プロ
    ーブであって、超音波の送受を行なう圧電素子の送受波
    面側に、厚さが前記圧電素子の基本共振周波数で決まる
    波長の略(2m−1)/4倍(mは自然数)であるマッ
    チング層が設けられ、このマッチング層の前面に、厚さ
    が前記圧電素子の基本共振周波数で決まる波長の略n/
    2倍(nは自然数)である耐液体ナトリウム用の保護部
    材が設けられていることを特徴とする超音波プローブ。
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