JPH06306640A - 高温被曝材料 - Google Patents
高温被曝材料Info
- Publication number
- JPH06306640A JPH06306640A JP9906193A JP9906193A JPH06306640A JP H06306640 A JPH06306640 A JP H06306640A JP 9906193 A JP9906193 A JP 9906193A JP 9906193 A JP9906193 A JP 9906193A JP H06306640 A JPH06306640 A JP H06306640A
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- JP
- Japan
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- film
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- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 基材とトップコート皮膜との耐剥離性の優れ
た高温被曝材料を提供しようとするものである。 【構成】 Ｃｏ基若しくはＮｉ基の耐熱超合金基材又は
それらの表面にＭＣｒＡｌＹ（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）
の超合金層を備えた基材、該基材の上に形成されるＲ
ｈ，Ｐｔ及びＩｒの群から選ばれた１種よりなる厚さ
０．０５μｍ以上のアンダーコート層、並びに、該アン
ダーコート層の上に形成される厚さ５０μｍ以上の安定
化ＺｒＯ2 のトップコート皮膜からなることを特徴とす
る高温被曝材料である。
た高温被曝材料を提供しようとするものである。 【構成】 Ｃｏ基若しくはＮｉ基の耐熱超合金基材又は
それらの表面にＭＣｒＡｌＹ（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）
の超合金層を備えた基材、該基材の上に形成されるＲ
ｈ，Ｐｔ及びＩｒの群から選ばれた１種よりなる厚さ
０．０５μｍ以上のアンダーコート層、並びに、該アン
ダーコート層の上に形成される厚さ５０μｍ以上の安定
化ＺｒＯ2 のトップコート皮膜からなることを特徴とす
る高温被曝材料である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高温被曝材料に関し、
特に、ガスタービンの翼、ディーゼルエンジンピストン
ヘッド等に適用される耐熱性、耐高温腐食性コーティン
グ材料に関する。
特に、ガスタービンの翼、ディーゼルエンジンピストン
ヘッド等に適用される耐熱性、耐高温腐食性コーティン
グ材料に関する。
【０００２】
【従来の技術】ガスタービン翼等の高温被曝材料は、通
常、低い熱伝導性と高い輻射率を有し、かつ、耐酸化性
に優れているＺｒＯ2 系のセラミックスで被覆されてい
る。皮膜を大別すると、次の２種類である。 (1) ＹＳＺ（イットリア安定化ジルコニア）溶射皮膜：
Ｃｏ基又はＮｉ基の耐熱超合金に、ボンドコートと呼ば
れるＭＣｒＡｌＹ（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）合金層を介
してＹＳＺ（例えば、ＺｒＯ2 ・８Ｙ2 Ｏ3 ）を溶射し
た皮膜で、ＹＳＺは溶融状態で吹き付けるため、層状組
織をなしている。 (2) ＹＳＺのＥＢ・ＰＶＤ皮膜：Ｃｏ基又はＮｉ基の耐
熱超合金に、ボンドコートと呼ばれるＭＣｒＡｌＹ
（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）合金層を介してＹＳＺを電子
ビーム加熱真空蒸着法（ＥＢ・ＰＶＤ法）で成膜した皮
膜で、ＹＳＺは柱状組織をなしている。上記の高温被曝
材料の具体例を表１に、基材、中間層（ボンドコート
層）及び皮膜（トップコート層）の組成を表２に示し
た。
常、低い熱伝導性と高い輻射率を有し、かつ、耐酸化性
に優れているＺｒＯ2 系のセラミックスで被覆されてい
る。皮膜を大別すると、次の２種類である。 (1) ＹＳＺ（イットリア安定化ジルコニア）溶射皮膜：
Ｃｏ基又はＮｉ基の耐熱超合金に、ボンドコートと呼ば
れるＭＣｒＡｌＹ（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）合金層を介
してＹＳＺ（例えば、ＺｒＯ2 ・８Ｙ2 Ｏ3 ）を溶射し
た皮膜で、ＹＳＺは溶融状態で吹き付けるため、層状組
織をなしている。 (2) ＹＳＺのＥＢ・ＰＶＤ皮膜：Ｃｏ基又はＮｉ基の耐
熱超合金に、ボンドコートと呼ばれるＭＣｒＡｌＹ
（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）合金層を介してＹＳＺを電子
ビーム加熱真空蒸着法（ＥＢ・ＰＶＤ法）で成膜した皮
膜で、ＹＳＺは柱状組織をなしている。上記の高温被曝
材料の具体例を表１に、基材、中間層（ボンドコート
層）及び皮膜（トップコート層）の組成を表２に示し
た。
【０００３】
【表１】
【０００４】
【表２】
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記の高温被曝材料
は、基材と皮膜の熱膨張係数の差により割れが発生し易
く、剥離の原因となる。そこで、層間の熱応力を緩和す
るために、ＹＳＺ溶射皮膜の熱膨張係数を厚さ方向に徐
々に変化する傾斜組成法などの基礎研究がなされている
[日本金属学会誌、vol.56,No.4(1992),p.472 〜480]
が、未だ実用化されるに至っていない。
は、基材と皮膜の熱膨張係数の差により割れが発生し易
く、剥離の原因となる。そこで、層間の熱応力を緩和す
るために、ＹＳＺ溶射皮膜の熱膨張係数を厚さ方向に徐
々に変化する傾斜組成法などの基礎研究がなされている
[日本金属学会誌、vol.56,No.4(1992),p.472 〜480]
が、未だ実用化されるに至っていない。
【０００６】また、ＥＢ・ＰＶＤ皮膜は、皮膜の成長方
向が基材に垂直な柱状のセル構造であるため、熱サイク
ルに強いとの評価 (Intermational Gas Turbine Aeroen
gineCongress and Exposition,Orland. ASME,91-GT-40)
と、大気溶射より少し劣るとの評価（川崎重工業技報,1
12号1992年 1月）に分かれている。そこで、本発明は、
上記の欠点を解消し、基材と皮膜との耐剥離性の優れた
高温被曝材料を提供しようとするものである。
向が基材に垂直な柱状のセル構造であるため、熱サイク
ルに強いとの評価 (Intermational Gas Turbine Aeroen
gineCongress and Exposition,Orland. ASME,91-GT-40)
と、大気溶射より少し劣るとの評価（川崎重工業技報,1
12号1992年 1月）に分かれている。そこで、本発明は、
上記の欠点を解消し、基材と皮膜との耐剥離性の優れた
高温被曝材料を提供しようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) Ｃｏ基若
しくはＮｉ基の耐熱超合金基材又はそれらの表面にＭＣ
ｒＡｌＹ（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）の超合金層を備えた
基材、該基材の上に形成されるＲｈ，Ｐｔ及びＩｒの群
から選ばれた１種よりなる厚さ０．０５μｍ以上のアン
ダーコート層、並びに、該アンダーコート層の上に形成
される厚さ５０μｍ以上の安定化ＺｒＯ2 のトップコー
ト皮膜からなることを特徴とする高温被曝材料、及び、
(2) アンダーコート層とトップコート皮膜との間に、酸
素の一部が化学量論的組成から欠損した安定化ＺｒＯ2
の厚さ０．５〜４μｍの遷移層を設けたことを特徴とす
る上記(1) 記載の高温被曝材料である。
しくはＮｉ基の耐熱超合金基材又はそれらの表面にＭＣ
ｒＡｌＹ（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）の超合金層を備えた
基材、該基材の上に形成されるＲｈ，Ｐｔ及びＩｒの群
から選ばれた１種よりなる厚さ０．０５μｍ以上のアン
ダーコート層、並びに、該アンダーコート層の上に形成
される厚さ５０μｍ以上の安定化ＺｒＯ2 のトップコー
ト皮膜からなることを特徴とする高温被曝材料、及び、
(2) アンダーコート層とトップコート皮膜との間に、酸
素の一部が化学量論的組成から欠損した安定化ＺｒＯ2
の厚さ０．５〜４μｍの遷移層を設けたことを特徴とす
る上記(1) 記載の高温被曝材料である。
【０００８】
【作用】本発明者等は、Ｃｏ基耐熱超合金基材にＹＳＺ
皮膜を直接形成するときの、剥離の原因を調べたとこ
ろ、ＹＳＺ皮膜に開気孔が存在するためか、ＹＳＺがイ
オン伝導性を有して酸素イオンが供給されるためか、明
確でなかったが、上記基材と皮膜との界面にＡｌ2 Ｏ3
等の厚い酸化物層が形成されることに起因するものと推
定された。
皮膜を直接形成するときの、剥離の原因を調べたとこ
ろ、ＹＳＺ皮膜に開気孔が存在するためか、ＹＳＺがイ
オン伝導性を有して酸素イオンが供給されるためか、明
確でなかったが、上記基材と皮膜との界面にＡｌ2 Ｏ3
等の厚い酸化物層が形成されることに起因するものと推
定された。
【０００９】そこで、本発明では、Ｃｏ基若しくはＮｉ
基の耐熱超合金基材又はそれらの表面にＭＣｒＡｌＹ
（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）の超合金層を備えた基材と安
定化ＺｒＯ2 のトップコート皮膜との間に、Ｒｈ，Ｐｔ
及びＩｒの群から選ばれた１種よりなるアンダーコート
層を設けることにより、基材とトップコート皮膜との界
面に酸化物の析出を防止しようとするものである。アン
ダーコート層のＲｈ，Ｐｔ、Ｉｒ等の金属は高温耐酸化
性に優れ、融点が高く、高温使用時に液相を形成するこ
ともないところから、上記の酸化物の析出を抑制するも
のと思われる。
基の耐熱超合金基材又はそれらの表面にＭＣｒＡｌＹ
（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮｉ）の超合金層を備えた基材と安
定化ＺｒＯ2 のトップコート皮膜との間に、Ｒｈ，Ｐｔ
及びＩｒの群から選ばれた１種よりなるアンダーコート
層を設けることにより、基材とトップコート皮膜との界
面に酸化物の析出を防止しようとするものである。アン
ダーコート層のＲｈ，Ｐｔ、Ｉｒ等の金属は高温耐酸化
性に優れ、融点が高く、高温使用時に液相を形成するこ
ともないところから、上記の酸化物の析出を抑制するも
のと思われる。
【００１０】アンダーコート層の厚さは、０．０５μｍ
以上が必要であり、これを下回ると上記金属の数１０原
子層以下になるため、基材全面を確実に被覆することが
できず、酸化物析出の抑制効果が十分でなくなる。な
お、上記の金属は高価な貴金属であるため、経済性を考
慮すると、その上限は３μｍ程度である。
以上が必要であり、これを下回ると上記金属の数１０原
子層以下になるため、基材全面を確実に被覆することが
できず、酸化物析出の抑制効果が十分でなくなる。な
お、上記の金属は高価な貴金属であるため、経済性を考
慮すると、その上限は３μｍ程度である。
【００１１】トップコート皮膜として形成される安定化
ＺｒＯ2 は、Ｙ2 Ｏ3 、ＭｇＯ、ＣａＯ等の安定化物質
を７〜１０％程度固溶し、部分的若しくは完全に安定化
したＺｒＯ2 が使用される。トップコート皮膜の厚さ
は、一般的には５０〜４００μｍの範囲であるが、実用
上は２５０〜３００μｍの範囲が適当である。
ＺｒＯ2 は、Ｙ2 Ｏ3 、ＭｇＯ、ＣａＯ等の安定化物質
を７〜１０％程度固溶し、部分的若しくは完全に安定化
したＺｒＯ2 が使用される。トップコート皮膜の厚さ
は、一般的には５０〜４００μｍの範囲であるが、実用
上は２５０〜３００μｍの範囲が適当である。
【００１２】また、本発明は、アンダーコート層とトッ
プコート皮膜との間に、酸素の一部が化学量論的組成か
ら欠損した安定化ＺｒＯ2 からなる厚さ０．５〜５μｍ
の遷移層を設けることにより、ＹＳＺのトップコート皮
膜の厚膜化を可能にした。
プコート皮膜との間に、酸素の一部が化学量論的組成か
ら欠損した安定化ＺｒＯ2 からなる厚さ０．５〜５μｍ
の遷移層を設けることにより、ＹＳＺのトップコート皮
膜の厚膜化を可能にした。
【００１３】
【実施例】表２のＥＣＹ７６８基材の上に、表３〜５
（表５は表４の続き）に記載の製造条件にしたがって、
ボンドコート層（Ｎｏ．２０，２１は省略）、アンダー
コート層（Ｎｏ．１〜３は省略）、遷移層（Ｎｏ．１〜
１４及びＮｏ．２０，２１は省略）、及び、トップコー
ト層を形成し、耐酸化試験及び耐熱衝撃試験を行い、か
つ、その結果に基づいて総合評価を行って、表５に記載
した。また、厚膜化試験結果も併せて記載した。
（表５は表４の続き）に記載の製造条件にしたがって、
ボンドコート層（Ｎｏ．２０，２１は省略）、アンダー
コート層（Ｎｏ．１〜３は省略）、遷移層（Ｎｏ．１〜
１４及びＮｏ．２０，２１は省略）、及び、トップコー
ト層を形成し、耐酸化試験及び耐熱衝撃試験を行い、か
つ、その結果に基づいて総合評価を行って、表５に記載
した。また、厚膜化試験結果も併せて記載した。
【００１４】
【表３】
【００１５】
【表４】
【００１６】
【表５】
【００１７】耐酸化試験は、大気中で１０００℃に保持
して皮膜の一部が剥離したり、浮き上がるまでの時間で
評価した。判定基準は５０００時間を上回るものを○、
３０００〜５０００時間の間のものを△、３０００時間
未満のものを×と表記した。
して皮膜の一部が剥離したり、浮き上がるまでの時間で
評価した。判定基準は５０００時間を上回るものを○、
３０００〜５０００時間の間のものを△、３０００時間
未満のものを×と表記した。
【００１８】耐熱衝撃試験は、１０００℃と５００℃の
間の熱サイクルを付与し、割れ発生までの回数で評価し
た。５００℃から１０００℃への加熱時間は５分、１０
００℃から５００℃までの冷却時間は８分とし、窒素ガ
スを吹きつけて制御した。判定基準は１０００回を上回
るものを○、２００〜１０００回のものを△、２００回
未満のものを×と表記した。
間の熱サイクルを付与し、割れ発生までの回数で評価し
た。５００℃から１０００℃への加熱時間は５分、１０
００℃から５００℃までの冷却時間は８分とし、窒素ガ
スを吹きつけて制御した。判定基準は１０００回を上回
るものを○、２００〜１０００回のものを△、２００回
未満のものを×と表記した。
【００１９】総合判定の結果は○印のものが望ましいも
のであるが、△印でも使用条件によって十分に使用する
ことができる。なお、×印はガスタービンに使用するこ
とはできない。
のであるが、△印でも使用条件によって十分に使用する
ことができる。なお、×印はガスタービンに使用するこ
とはできない。
【００２０】トップコート皮膜の厚膜化試験は、アンダ
ーコート層のＰｔとトップコート皮膜のＹＳＺの間の密
着力を調べる要素試験であり、遷移層の厚さを変化させ
てトップコート皮膜が剥離するときの限界厚さを調べ
た。
ーコート層のＰｔとトップコート皮膜のＹＳＺの間の密
着力を調べる要素試験であり、遷移層の厚さを変化させ
てトップコート皮膜が剥離するときの限界厚さを調べ
た。
【００２１】〔比較例（Ｎｏ．１〜３）〕Ｎｏ．１〜３
は、ＣｏＮｉＣｒＡｌＹボンドコート層を備えたＥＣＹ
７６８基材の上に直接ＹＳＺトップコート層を形成した
ものであり、上記ボンドコート層並びにトップコート層
を溶射法で形成したＮｏ．１は、耐酸化性及び耐熱衝撃
性がいずれも劣っているが、上記トップコート層をＰＶ
Ｄ法で形成したＮｏ．２，３は、耐熱衝撃性が優れてい
るが、耐酸化性は十分ではなかった。なお、上記ボンド
コート層の形成法については、溶射法とＰＶＤ法の間で
特別の差は認められなかった。
は、ＣｏＮｉＣｒＡｌＹボンドコート層を備えたＥＣＹ
７６８基材の上に直接ＹＳＺトップコート層を形成した
ものであり、上記ボンドコート層並びにトップコート層
を溶射法で形成したＮｏ．１は、耐酸化性及び耐熱衝撃
性がいずれも劣っているが、上記トップコート層をＰＶ
Ｄ法で形成したＮｏ．２，３は、耐熱衝撃性が優れてい
るが、耐酸化性は十分ではなかった。なお、上記ボンド
コート層の形成法については、溶射法とＰＶＤ法の間で
特別の差は認められなかった。
【００２２】〔実施例（Ｎｏ．４〜６）〕Ｎｏ．４〜６
は、ＣｏＮｉＣｒＡｌＹボンドコート層を備えたＥＣＹ
７６８基材の上にＰｔアンダーコート層を介してＹＳＺ
トップコート層を形成したものである。上記トップコー
ト層を溶射法で形成したＮｏ．４の耐熱衝撃性がやや低
いものの耐酸化性に優れていた。また、ＰＶＤ法でトッ
プコート層を形成したＮｏ．５〜６は耐酸化性及び耐熱
衝撃性ともに優れていた。なお、アンダーコート層の形
成法については、ＰＶＤ法と無電解メッキ法との間で特
別な差は認められなかった。
は、ＣｏＮｉＣｒＡｌＹボンドコート層を備えたＥＣＹ
７６８基材の上にＰｔアンダーコート層を介してＹＳＺ
トップコート層を形成したものである。上記トップコー
ト層を溶射法で形成したＮｏ．４の耐熱衝撃性がやや低
いものの耐酸化性に優れていた。また、ＰＶＤ法でトッ
プコート層を形成したＮｏ．５〜６は耐酸化性及び耐熱
衝撃性ともに優れていた。なお、アンダーコート層の形
成法については、ＰＶＤ法と無電解メッキ法との間で特
別な差は認められなかった。
【００２３】〔実施例（Ｎｏ．７，８），比較例（Ｎ
ｏ．９）〕Ｎｏ．７，８は、Ｎｏ．５において、アンダ
ーコート材料のＰｔの代わりにＲｈ，Ｉｒを用いた例で
あり、Ｐｔの場合と同様に耐酸化性及び耐熱衝撃性とも
に優れていた。Ｐｔの代わりにＡｕを用いたＮｏ．９
は、耐熱衝撃性が不良であり、耐酸化性も従来法よりも
僅かに優れている程度であった。
ｏ．９）〕Ｎｏ．７，８は、Ｎｏ．５において、アンダ
ーコート材料のＰｔの代わりにＲｈ，Ｉｒを用いた例で
あり、Ｐｔの場合と同様に耐酸化性及び耐熱衝撃性とも
に優れていた。Ｐｔの代わりにＡｕを用いたＮｏ．９
は、耐熱衝撃性が不良であり、耐酸化性も従来法よりも
僅かに優れている程度であった。
【００２４】〔実施例（Ｎｏ．１１〜１４）、比較例
（Ｎｏ．１０）〕Ｎｏ．１０〜１４は、Ｎｏ．５におい
て、アンダーコート層の厚さを０．０３μｍから５μｍ
の範囲で変化させたもので、０．０３μｍのＮｏ．１０
（比較例）は耐酸化性がやや劣るが、０．０５μｍ以上
のＮｏ．１１〜１４（実施例）は、耐酸化性及び耐熱衝
撃性ともに優れていた。
（Ｎｏ．１０）〕Ｎｏ．１０〜１４は、Ｎｏ．５におい
て、アンダーコート層の厚さを０．０３μｍから５μｍ
の範囲で変化させたもので、０．０３μｍのＮｏ．１０
（比較例）は耐酸化性がやや劣るが、０．０５μｍ以上
のＮｏ．１１〜１４（実施例）は、耐酸化性及び耐熱衝
撃性ともに優れていた。
【００２５】〔実施例（Ｎｏ．１５〜１９）〕Ｎｏ．１
５〜１９は、Ｎｏ．５において、アンダーコート層とト
ップコート皮膜との間に、酸素の一部が化学量論的組成
から欠損した安定化ＺｒＯ2 からなる遷移層を設け、該
層の厚さを０．１〜５μｍの範囲で変化させて、トップ
コート皮膜の厚膜化試験を行い、剥離する限界厚さを調
べた。その結果、遷移層の厚さが０．１μｍのＮｏ．１
５及び５．０μｍのＮｏ．１９は、遷移層を設けていな
いＮｏ．５と同じ、トップコート皮膜の厚さが０．８ｍ
ｍしか形成することができず、遷移層を設けた効果が認
められなかったが、遷移層の厚さを０．５μｍ〜４．０
μｍに調整したＮｏ．１６〜１８は、トップコート皮膜
の厚さが１．０〜１．５ｍｍと、遷移層付設にともなう
厚膜効果が認められた。なお、Ｎｏ．１５〜１９の耐酸
化性及び耐熱衝撃性はともに優れていた。
５〜１９は、Ｎｏ．５において、アンダーコート層とト
ップコート皮膜との間に、酸素の一部が化学量論的組成
から欠損した安定化ＺｒＯ2 からなる遷移層を設け、該
層の厚さを０．１〜５μｍの範囲で変化させて、トップ
コート皮膜の厚膜化試験を行い、剥離する限界厚さを調
べた。その結果、遷移層の厚さが０．１μｍのＮｏ．１
５及び５．０μｍのＮｏ．１９は、遷移層を設けていな
いＮｏ．５と同じ、トップコート皮膜の厚さが０．８ｍ
ｍしか形成することができず、遷移層を設けた効果が認
められなかったが、遷移層の厚さを０．５μｍ〜４．０
μｍに調整したＮｏ．１６〜１８は、トップコート皮膜
の厚さが１．０〜１．５ｍｍと、遷移層付設にともなう
厚膜効果が認められた。なお、Ｎｏ．１５〜１９の耐酸
化性及び耐熱衝撃性はともに優れていた。
【００２６】〔実施例（Ｎｏ．２０〜２１）〕Ｎｏ．２
０〜２１は、ボンドコート層を省略した例であり、基材
としてＣｏ基のＥＣＹ７６８を用いたＮｏ．２０と、Ｎ
ｉ基のＩＮＣＯ７３８ＬＣを用いたＮｏ．２１との間に
耐酸化性及び耐熱衝撃性の有意差は認められず、両者は
ともに優れていることが分かった。
０〜２１は、ボンドコート層を省略した例であり、基材
としてＣｏ基のＥＣＹ７６８を用いたＮｏ．２０と、Ｎ
ｉ基のＩＮＣＯ７３８ＬＣを用いたＮｏ．２１との間に
耐酸化性及び耐熱衝撃性の有意差は認められず、両者は
ともに優れていることが分かった。
【００２７】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、基材とトップコート皮膜の間に設けたアンダーコ
ート層の存在により、耐剥離性を大幅に改良することが
でき、さらに、遷移層を設けることにより、トップコー
ト皮膜の厚膜化を容易にした。
より、基材とトップコート皮膜の間に設けたアンダーコ
ート層の存在により、耐剥離性を大幅に改良することが
でき、さらに、遷移層を設けることにより、トップコー
ト皮膜の厚膜化を容易にした。
Claims (2)
- 【請求項１】 Ｃｏ基若しくはＮｉ基の耐熱超合金基材
又はそれらの表面にＭＣｒＡｌＹ（Ｍ：Ｃｏ及び又はＮ
ｉ）の超合金層を備えた基材、該基材の上に形成される
Ｒｈ，Ｐｔ及びＩｒの群から選ばれた１種よりなる厚さ
０．０５μｍ以上のアンダーコート層、並びに、該アン
ダーコート層の上に形成される厚さ５０μｍ以上の安定
化ＺｒＯ2 のトップコート皮膜からなることを特徴とす
る高温被曝材料。 - 【請求項２】 アンダーコート層とトップコート皮膜と
の間に、酸素の一部が化学量論的組成から欠損した安定
化ＺｒＯ2 の厚さ０．５〜４μｍの遷移層を設けたこと
を特徴とする請求項１記載の高温被曝材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9906193A JPH06306640A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | 高温被曝材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9906193A JPH06306640A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | 高温被曝材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06306640A true JPH06306640A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14237220
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9906193A Withdrawn JPH06306640A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | 高温被曝材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06306640A (ja) |
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5645893A (en) * | 1994-12-24 | 1997-07-08 | Rolls-Royce Plc | Thermal barrier coating for a superalloy article and method of application |
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| US5667663A (en) * | 1994-12-24 | 1997-09-16 | Chromalloy United Kingdom Limited | Method of applying a thermal barrier coating to a superalloy article and a thermal barrier coating |
| JPH11222661A (ja) * | 1997-11-18 | 1999-08-17 | Sermatech Internatl Inc | 歪み許容性セラミックコーティング |
| EP1273680A2 (en) * | 2001-07-06 | 2003-01-08 | United Technologies Corporation | Reflective coatings to reduce radiation heat transfer |
| KR100707118B1 (ko) * | 2005-12-27 | 2007-04-16 | 한국에너지기술연구원 | 전자빔 물리기상증착법으로 제조한 고체 전해질 박막 및 그제조방법 |
| EP1801263A1 (en) * | 2005-12-21 | 2007-06-27 | United Technologies Corporation | Platinum modified NiCoCrAly bondcoat for thermal barrier coating |
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