JPH0630294U - スクリューオーガ振れ止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクリューオーガに付着した土砂の洗浄能力
を向上させ、洗浄流体の噴射装置を中心とする各部の操
作や保守を簡便にし、ワイヤロープ切断時等における振
れ止めの落下防止を図る。 【構成】 スクリューオーガを駆動する回転装置と、ワ
イヤロープに懸架され、上記スクリューオーガの周囲を
囲んでこれの横揺れを抑制する円筒状の振れ止めと、該
振れ止めの外周に取り付けられて、高圧洗浄流体を当該
振れ止めに形成した小窓を通して、上記スクリューオー
ガの軸外周に接する方向に噴射し、かつ周辺部の高速の
洗浄流体をスクリュー間に噴射するとともに、オーガフ
ライトの傾斜する方向に調整可能な洗浄流体噴射装置と
を備えて、上記振れ止めに設けたクランクピースを、上
記ワイヤロープの切断時や弛緩時に、上記振れ止めの昇
降をガイドするガイドレールまたはこのガイドレールを
取り付けているリーダに圧着させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、杭打ちや地盤改良のための地中掘削に利用されるスクリューオー ガを、振れ止めしながら付着した土砂を除去するスクリューオーガの振れ止め装 置に関する。

【０００２】 従来から、スクリューオーガを洗浄しながらガイドするスクリューオーガの洗 浄装置が、例えば実公平２−３０５５２号公報等に示されている。これはアース オーガースクリュー駆動装置と、当該アースオーガースクリューと、掘削時に当 該アースオーガースクリューが貫通するスクリュー案内部を有する基台とを備え たアースオーガーに於て、前記基台にアースオーガースクリューが軸心方向に貫 通自在な筒状本体を設け、当該筒状本体内に、少なくとも２個以上のノズルが、 当該筒状本体の長手方向に高さを異にして当該アースオーガースクリューのスク リュー羽根間に臨むように設けられた水噴射装置と、当該水噴射装置の下方に位 置して、前記筒状本体の内壁に起倒自在に設けられ、その先端がスクリュー羽根 間に介在すると共に、前記アースオーガースクリューの回転引き上げ時にスクリ ュー羽根に付着した土砂をかき落とす土砂かき落とし板と、前記筒状本体の全周 を長手方向に亘って被覆する養生シートとで構成し、土砂かき落とし板がスクリ ュー羽根間に付着していた掘削土砂をかき落とすと共に、水噴射装置から噴射し た高速水が土砂を洗浄、除去し、また、養生シートが斯かる洗浄時に於ける泥水 の飛散を防止するというものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記公報の技術や従来の他の何れの技術をとっても、水噴射装 置が土砂かき落とし板などとともに筒状体や触れ止め内にあるため、操作や保守 が面倒であったり、高価な割には効率的で無い等の理由で、ほとんど実用されて いないことに加え、オーガの振れ止めの内部に設けられた給水管を含む洗浄機構 は、オーガフライトの上下や、横振れのために、常に衝撃を受け、使用に耐える ものとはなっていない。

【０００４】 また、このような洗浄機構の付いた懸架式のオーガ振れ止めは、大型で重量が 大きい上に１本のワイヤロープで吊り下げられていることが多く、回転装置や杭 材などの上下操作に関連して、そのワイヤロープの接触摩耗も頻繁に起こり、時 にそのワイヤロープが切断して、振れ止めが墜落して人身に被害を及ぼす危険が あった。

【０００５】 この考案は上記のような問題に着目してなされたものであり、スクリューオー ガの懸架式振れ止めに取り付けられた噴射洗浄機構の洗浄能力を改善し、装置を 簡素化して操作や保守を簡便にすると共に、突然のワイヤロープ切断事故に備え て、当該懸架式振れ止めに墜落防止装置を併設して人身事故を防止することがで きるスクリューオーガ振れ止め装置を得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案にかかるスクリューオーガの振れ止め装置は、スクリューオーガを駆 動する回転装置と、ワイヤロープに懸架され、上記スクリューオーガの周囲を囲 んでこれの横揺れを抑制する円筒状の振れ止めと、該振れ止めの外周に取り付け られて、高圧洗浄流体を当該振れ止めに形成した小窓を通して、上記スクリュー オーガの軸外周に接する方向に噴射し、かつ周辺部の高速の洗浄流体をスクリュ ー間に噴射するとともに、オーガフライトの傾斜する方向に調整可能な洗浄流体 噴射装置とを備えて、上記振れ止めに設けたクランプピースを、上記ワイヤロー プの切断時や弛緩時に、上記振れ止めの昇降をガイドするガイドレールまたはこ のガイドレールを取り付けているリーダに圧着させるようにしたものである。

【０００７】

【作用】

この考案における洗浄流体噴射装置は、中心部から噴射した高圧の水ジェット により、スクリューオーガに付着した土砂をオーガ軸の接線方向に累線状に切断 し、この水ジェット周辺の高速の洗浄流体により、上記切断されて不安定となっ たスクリュー間に残る土砂を洗い流す。また、この洗浄流体噴射装置を振れ止め 外周に設けることで、これの操作、保守を容易化し、オーガによる直接衝撃を受 けることをなくする。また、クランプピースは、振れ止めを吊っているロープの 切断や弛緩時に、自動的にガイドレールやリーダに噛み込んで、この振れ止めの 落下を未然に防止する。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図について詳細に説明する。図３において、１は リーダ、２は回転装置、３はベースマシン、４は回転装置２の下端に連結された スクリューオーガ、５はそのスクリューオーガ４が貫通する円筒形の振れ止め、 ６はリーダ１に設けられた回転装置２および振れ止め５が昇降する２本のガイド レール、３２はワイヤロープ１１を巻き込む補助ウインチ、３３は回転装置２を 進退するワイヤロープ３４を巻き込む主ウインチである。

【０００９】 また、図１および図２は上記振れ止め５を拡大して示す縦断面図および横断面 図であり、同図において、７は振れ止め５の外側に同じ高さで設けられた洗浄流 体噴射装置としての複数の同心円二重構造のノズル、８は高圧水が通る管、９は 低圧流体（水または空気）が通る管、１０はリーダ１のガイドレール６に嵌合し 、ワイヤロープ１１により吊り下げられて、ガイドレール６に沿って上下する振 れ止めのガイドである。

【００１０】 さらに、図４は洗浄流体の流路系統と上記ノズル７との接続関係を示す流路系 統図であり、同図において、１２は高圧水用ポンプ、１３は低圧水用ポンプまた はエアコンプレッサ、１４は水タンク、１５は各ポンプ１２、１３の運転制御ス イッチである。そして、図５は上記洗浄ノズル７の詳細を示し、１６はジェット ノズル、１６ａは円錐状噴射調整ネジ、１７はノズルケース、１８はジェットノ ズル１６をノズルケース１７に固定する固定用ナット、１９はノズルホルダブラ ケット、２０はカップラ付きホースである。

【００１１】 なお、図５では高圧と低圧の二つのラインを示したが、噴射流体が一種類の場 合は、図６のごとく、ジェットノズル１６に低圧ラインと連通する小孔１６ｂを 設けて高圧水の一部を低圧側に供給すれば、洗浄用流体ポンプからのホースは１ 本で良いことになり、便利である。

【００１２】 また、図５および図６ではジェットノズル１６による流体噴射方向を選定する ため、その出入量が調整される様子を、中心線で上下２つのモードに分けて示し てある。

【００１３】 次に、図７〜図９を用いて、これまで説明した洗浄機構付きの振れ止め５の落 下防止機構について説明する。同図において、２１は偏心カム部２１ａを持つク ランプピースであり、これがピン２２と一体となって、このピン２２を中心とし て回動自在に取り付けられ、上記ピン２２は振れ止め５のガイド１０上のブラケ ット２８に支持されている。クランプピース２１の偏心カム部２１ａは、ガイド レール６に食いつき易いよう、多数の歯２４を持っている。

【００１４】 更に、ピン２２の一端にはアーム２３が固定されており、このアーム２３とク ランプピース２１とはピン２２を介して一体固定されている。そして、アーム２ ３の両端にはワイヤロープ１１が取り付けられる孔２５とバネ２６が取り付けら れる孔２７とが各々あり、そのバネ２６の他端は振れ止め５のガイド１０に取り 付けられたブラケット２９の孔３０に固定され、常にクランプピース２１をピン ２２の周りに回動して、偏心カム外径部２１ａの歯２４がガイドレール６に接触 させるように作用している。

【００１５】 一方、アーム２３をワイヤロープ１１で吊りあげて振れ止め１０をガイドレー ル６に沿わせて移動させる状態では、その吊り上げ力がバネ２６の復元力に勝つ ため、バネ２６が伸長し、クランプピース２１がストッパ３１の下面に当接して 、その歯２４がガイドレール６から離れる。このため、振れ止め５は、ワイヤロ ープ１１の動きに応じて自由に昇降可能になる。

【００１６】 ここで、ワイヤロープ１１が切断したり、急激に緩んだりして、振れ止め５が 落下しようとすると、アーム２３が即座にバネ２６に引っ張られ、ピン２２を介 してクランクピース２１が回動し、歯２４がガイドレール６に食い込むこととな る。このため、ブレーキが働き、図９に示した状態になって振れ止め５の落下が 防止される。

【００１７】 なお、クランクピース２１の取り付けは、ガイド１０に限定されるものではな く、例えば、１個のクランクピース２１を振れ止め５とリーダ１との間で同様に 組立てても、ワイヤロープ１１の切断時には、クランクピース２１がリーダ１に 食い込むことで、振れ止め５の墜落を防止することができる。

【００１８】 すなわち、この考案では、スクリューオーガ４を回転引き揚げする時に、スク リュの間に張り付いた土砂を、同心円状のジェットノズル１６の中心部から噴射 した高圧（例えば１００ｋｇｆ／ｃｍ2 以上）水ジェットが、オーガ軸の接線方 向に累線状に切断する。同時に、その高圧水ジェットを取り巻くように、その周 囲から円錐状に噴射した高速の水または空気が、累線状に切断されて不安定とな ったスクリュの間に残る土砂を幅広く効果的に洗い流す。つまり、この２種類の ジェットが切断と洗浄の２つの作用を同時に行うので、スクリューオーガ４に張 り付いた土砂を、確実に洗い流すことができ、従来における機械的な泥かき落と し板などは全く必要でなく、したがって、簡便で安価な洗浄機構にすることがで き、操作や保守が極めて簡単になる。

【００１９】 さらに、振れ止め５の内面にはノズルや泥かき落とし板などの突起がないので 、オーガの振動に洗浄機構が影響を受けることもなくなるとともに、スクリュー オーガ４の引き揚げ時のオーガ回転方向は左右何れであっても最良の洗浄効果が 得られる。 また、通常は、１本のワイヤロープ１１で吊り下げられ、リーダ１のガイドレ ール６に沿って上下する洗浄機構を取り付けた振れ止め５であるが、当該振れ止 め５がリーダ１のガイドレール６に嵌合して、そのガイドレール６に沿ってスラ イドするガイド１０に、スプリング２６により閉じる方向に附勢された一対のク ランクピース２１を取り付けたことによって、突然にワイヤロープ１１が切れた 場合でも、スプリング２６の力によって即座にそのクランクピース２１が閉じて 、リーダ１のガイドレール６に食い込むため、振れ止め５の墜落を確実に防止す ることが可能となり、安全作業が確保できる。

【００２０】 なお、従来の高さを異にしてノズルを２個以上付ける方法においては、オーガ 引き抜き時の回転速度と引き抜き速度の割合や回転方向によって、一つのノズル の洗浄部分を他のノズルが重複して洗浄してしまう場合があり、非効率的である ことに加えて、振れ止めの長手方向の寸法が大きくなってしまうという、不都合 があった。

【００２１】 そこで、この考案では図５および図６に示すように、ジェットノズル１６のノ ズルケース１７に対する出入量を調整することにより、（各図において、出入量 調整されたジェットノズル１６を中心線で上下に分けて示してある）、ジェット ノズル１６からの噴射流体の方向（矢印方向）を任意に選択して、洗浄部分が重 複することを避けることができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように、この考案によればスクリューオーガを駆動する回転装置と、ワ イヤロープに懸架され、上記スクリューオーガの周囲を囲んでこれの横揺れを抑 制する円筒状の振れ止めと、該振れ止めの外周に取り付けられて、高圧洗浄流体 を当該振れ止めに形成した小窓を通して、上記スクリューオーガの軸外周に接す る方向に噴射し、かつ周辺部の高速の洗浄流体をスクリュー間に噴射するととも に、オーガフライトの傾斜する方向に調整可能な洗浄流体噴射装置とを備えて、 上記振れ止めに設けたクランクピースを、上記ワイヤロープの切断時や弛緩時に 、上記振れ止めの昇降をガイドするガイドレールまたはこのガイドレールを取り 付けているリーダに圧着させるように構成したので、スクリューオーガの振れ止 めに取り付けられた噴射洗浄機構の洗浄能力が飛躍的に改善され、機械的な清掃 具を必要としないので、装置が簡素化して安価となり、操作や保守を簡便にする ことができるほか、突然のワイヤロープの切断事故にも振れ止めが墜落すること はなく、安全な作業環境を確保できるものが得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例によるスクリューオーガ振
れ止め装置を示す要部の縦断面図である。

【図２】図１のスクリューオーガ振れ止め装置を横断し
て示す横断面図である。

【図３】図１における振れ止めを備えたオーガ掘削機を
示す正面図である。

【図４】図１における洗浄流体噴射装置への流体流路系
統を示す流路系統図である。

【図５】図４における洗浄流体噴射装置の詳細を示す断
面図である。

【図６】図４における洗浄流体噴射装置の他の実施例を
示す断面図である。

【図７】図１における振れ止めの墜落防止機構を一部破
断して示す正面図である。

【図８】図１における振れ止め墜落防止機を示す側面図
である。

【図９】図８におけるクランクピース部分を拡大して示
す側面図である。

【符号の説明】

１ リーダ ２ 回転装置 ４ スクリューオーガ ５ 振れ止め ６ ガイドレール ７ ノズル（洗浄流体噴射装置） １１ ワイヤロープ ２１ クランクピース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スクリューオーガを駆動する回転装置
   と、ワイヤロープに懸架され、上記スクリューオーガの
   周囲を囲んでこれの横揺れを抑制する円筒状の振れ止め
   と、該振れ止めの外周に取り付けられて、中心部の高圧
   洗浄流体を当該振れ止めに形成した小窓を通して、上記
   スクリューオーガの軸外周に接する方向に噴射し、かつ
   周辺部の高速の洗浄流体をスクリュー間に噴射するとと
   もに、オーガフライトの傾斜する方向に調整可能な洗浄
   流体噴射装置と、上記振れ止めに設けられて、上記ワイ
   ヤロープの切断時や弛緩時に、上記振れ止めの昇降をガ
   イドするガイドレールまたはこのガイドレールを取り付
   けているリーダに圧着されるクランプピースとを備えた
   スクリューオーガ振れ止め装置。