JPH06300260A - ガス灯点火・着火装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】スパークロッド、フレームロッド等をマントル
内部に配置しないようにしてマントル寿命を伸ばし且
つ、スパークロッド、フレームロッド等の個数を減少さ
せたガス灯点火・着火装置を提供する。 【構成】内側空洞部で燃焼用ガスを燃焼させる１個ある
いは２個以上の上向きマントル１０ａ，１０ｂと、前記
マントルの内側空洞部へ前記燃焼用ガスとしての燃料ガ
スと空気とを供給する燃焼用ガス供給手段５と、前記燃
焼用ガスに点火・着火させる点火・着火手段７と、前記
燃焼用ガスの放出を防止するための安全装置８を備えた
ガス灯点火・着火装置において、前記燃焼用ガスに点火
・着火させる点火・着火手段として、前記マントル近傍
に、点火・着火手段７と前記安全装置８とを備えた補助
燃焼用バーナ１６を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス灯点火・着火装
置、特に、ガス灯マントルが上向きにセットされるアッ
プライト型のガス灯マントル用バーナ点火・着火装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ガス灯はマントルと呼ばれる絹・人絹・
ラミ等の繊維に化学薬品を含浸させた格子布製で細長い
釣り鐘状キャップに、ガスの炎を当てて化学反応を起こ
して白熱光を発するものである。

【０００３】現在、このガス灯はマントルの向きにより
上向型（アップライト型）と下向型（ダウンライト型）
とがあり、通常１〜３個のマントルを用いて１つのガス
灯を構成している。

【０００４】図３に、従来のアップライト型ガス灯マン
トル及びそのマントル部に付設された機器（以下アップ
ライト型灯具）の模式図を示す。

【０００５】図３に示すように、従来のアップライト型
灯具はマントル支えリング１１を備えたマントル１０、
マントル内へ燃焼ガスを送るガス供給管１とガスノズル
２からなるガス供給部３、ガスノズルから吹きつけられ
る燃料ガスと混合させる空気を吸入するための空気孔
４、空気・ガス混合燃焼ガス供給管としてのバーナ５、
燃焼ガス吹出し孔６、点火装置（イグナイタ）としての
スパークロッド７、フレーム（炎）の立消え、生ガスの
放出、有無等を確認する安全装置としてのフレームロッ
ド８を有する。なお、１２は固定ブランケットである。
ガス供給部３は、図４に示すように電磁弁として開閉が
自動のガス弁１３ａ、ガス圧自動調節器としてのガバナ
１４、ガスの種類によってマニュアルで設定されるガス
圧孔１３ｂを有する配管が接続される。

【０００６】図５は、スパークロッドとフレームロッド
のマントルに対する配置を説明するための模式斜視図で
ある。図５に示すように、従来はマントル１０近傍に配
したスパークロッド７とフレームロッド８との先端をマ
ントル１０内へ挿し入れる。燃焼ガス吹出し孔６から吹
き出されたガスは自動点火装置としてのイグナイタ放電
によるスパークロッド７を用いて点火・着火せしめられ
る。フレームロッド８はスパークロッド７が正常に点火
・着火したかどうかを確認する安全装置である。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のアップライト型灯具では点火・着火のためのスパーク
ロッド７の先端とフレーム安全装置であるフレームロッ
ド８の先端が繊維質マントル１０の表面からその内部に
まで貫通させてセットする構造がとられているが、バー
ナ５を介して燃焼ガス吹出し孔６から出たガスに点火し
てマントル１０の格子状布を焼くと、マントル１０は白
い発光物質のみとなり、それに伴ってマントル１０の強
度も非常に弱くなる。そのため、特に振動等に弱く、マ
ントル１０の寿命、従ってガス灯の寿命に影響を与え
る。例えば、点火時の着火が悪く、小さな爆発点火及び
消火時の風圧等によってもマントル１０が破壊すること
がある。また、従来のアップライト型灯具ではマントル
１０の個数が増加するに伴い、各マントル１０毎に上述
したスパークロッド７とフレームロッド８とを設ける必
要があり、ガス灯の構造が複雑となる。

【０００８】そこで本発明は上記課題を考慮してスパー
クロッド、フレームロッド等の先端をマントル内部には
配置しないようにしてマントル寿命を伸ばし且つスパー
クロッド、フレームロッド等の個数を減少させたガス灯
点火・着火装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によれ
ば、内側空洞部で燃焼用ガスを燃焼させる１個あるいは
２個以上の上向きマントルと、前記マントルの内側空洞
部へ前記燃焼用ガスとしての燃料ガスと空気とを供給す
る燃焼用ガス供給手段と、前記燃焼用ガスに点火・着火
させる点火・着火手段と、前記燃焼用ガスの放出を防止
するための安全装置を備えたガス灯点火・着火装置にお
いて、前記燃焼用ガスに点火・着火させる点火・着火手
段として、前記マントル近傍に、点火・着火手段と前記
安全装置とを備えた補助燃焼用バーナを設けたことを特
徴とするガス灯バーナ点火・着火装置によって解決され
る。

【００１０】

【作用】本発明によれば、ガス灯を構成するマントル１
０ａ，１０ｂの近傍に補助燃焼用バーナ１６を設け、こ
の補助燃焼用バーナ１６に点火・着火を施し、着火して
形成された炎１８をガス灯のマントル１０ａ，１０ｂ内
のガスに移す（火移りさせる）ことによってガス灯を点
火・着火させる。そのため、マントル内部に直接点火用
のスパークロッド等を差し込むことがないので、マント
ルの破損が少なくなり、マントル内での小爆発点火によ
るマントルの破壊、消火時の風圧によるマントルの破壊
等が防止される。

【００１１】本発明では１つのガス灯を構成する各マン
トルに対して略等距離に補助バーナが配されることが一
点着火のために好ましい。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本発明に係るアップライト型のガス灯点火
・着火装置の一実施例を示す部分模式断面図である。な
お図１において、従来の図３に示した構成要素と同一の
構成要素は同一符号で示す。この図では補助燃焼用バー
ナ１６の位置を分かりやすくするため、マントル１０
ａ，１０ｂの間を実際よりわずかに広くして示した。

【００１３】図１及び図２に示すように本実施例のアッ
プライト型のガス灯点火・着火装置は、新たに中空状の
金属製の補助燃焼用バーナ（サブパイロット）１６を網
目を有する布状マントルの外部近傍に設ける。本実施例
ではマントルを２個（１０ａ，１０ｂ）としたアップラ
イト型ガス灯を示しており、補助燃焼用バーナ（以下補
助バーナと記す）１６をマントル１０ａ，１０ｂの間の
略中央側面に設ける。更に補助バーナ１６の近傍にはス
パークロッド７とフレームロッド８が付設されている。
マントル１０ａ，１０ｂと補助バーナ１６、スパークロ
ッド７、フレームロッド８の位置関係を図２に示す。特
に、図２（ａ）は平面図、図２（ｂ）は側面図、図２
（ｃ）は補助燃焼用バーナ部分斜視図である。図２に示
すように、本実施例の補助バーナ１６はマニホールド１
５の側辺からマントル１０ａと１０ｂの中間の下方側辺
に立上がるように、マントル１０ａの下部側辺に設けて
いる。補助バーナ１６はそれぞれマントル１０ａ及びマ
ントル１０ｂの側面からこの構成によると約７．５ｍｍ
離れている。マントル１０ａ，１０ｂ及びこの補助バー
ナ１６の近傍にはスパークロッド７とフレームロッド８
を設ける。予め補助バーナ１６の補助燃焼ガス吹出し孔
１６ａからガスを出し、スパークロッド７によって点火
・着火させ炎１８を作り、マントル１０ａ，１０ｂの燃
焼ガスに火移りし得る程度の距離におく。そのため、補
助バーナ１６には図２（ｃ）に示すように、一対のガス
吹出し孔１６ａが、図２（ａ）のようにそれぞれマント
ル１０ａ，１０ｂと対峠するように設けられ、スパーク
ロッド７によって着火した炎１８がマントル１０ａ側の
燃焼ガス吹出し孔６からのガスにも着火して、マントル
１０ａ，１０ｂの双方がほぼ同時にこれらの炎１８によ
って燃焼するようになされている。上記した約７．５ｍ
ｍの距離はこれらの条件を満す対向距離の例である。安
全装置としてのフレームロッド８の先端も炎１８の領域
内に配する。１１はマントルを安定に支持するマントル
支えリングである。

【００１４】以下、本実施例を用いてガス灯に点火・着
火する方法を説明する。

【００１５】図１に示された点火・着火装置のガス供給
管（ポール）１には、従来技術で説明したポール下部が
同様に付設される。すなわち、ガスは開閉が自動的な電
磁弁であるガス弁１３ａを通り、ガス圧自動調整器であ
るガバナ１４でガス圧が調整され、ガス圧が調整された
ガスはガス圧孔１３ｂを通って図１のガス供給管１に送
られ、更にガスノズル２を介してバーナ５内へ空気孔４
から供給された空気と共に送られ、更にマニホールド１
５に入り、更にマントル１０ａ，１０ｂに入る燃焼ガス
吹出し孔６及び補助バーナ１６の補助燃焼ガス吹出し孔
１６ａ（図２）から吹き出す。このように、補助燃焼ガ
ス吹出し孔１６ａから吹出されたガスをスパークロッド
７を用いて点火し、補助バーナ１６の近傍に炎１８を作
る。この炎１８はマントル１０ａ，１０ｂを越えてマン
トル内部の燃焼ガスを点火し着火させることになる。

【００１６】本実施例では、マントル近傍の補助バーナ
１６で予め一旦種火（炎１８）を形成し、その種火でマ
ントル１０ａ，１０ｂ内のガスに点火・着火させる。ま
た補助バーナ１６の近傍には立消え防止等のフレームロ
ッド８が設けられている。補助バーナ１６には図２
（ｂ）に示すように、補助バーナ１６の側面に横に切っ
たスリット状の吹出し孔１６ａは上述したように、各マ
ントル１０ａ，１０ｂの方を向くように配設され、補助
バーナ１６に着火した炎をマントル内へ容易に火移り
（点火・着火）するように工夫されている。

【００１７】このように、この補助バーナ１６は各マン
トルから略等距離の位置に配され、補助バーナ１６の補
助燃焼ガス吹出し孔１６ａの開口数は各マントル数と同
一で且つ開口方向は各マントルの方向を向かせるように
配されている。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によればマ
ントル外の補助バーナに点火・着火した後にその炎を用
いてマントル内のガスに火移りさせる間接点火・着火が
可能となるため、従来マントル内のガスへの直接点火に
よるマントル破損、小爆発点火、消火音が防止されると
共に点火、消火時の風圧によるマントルの破壊が防止さ
れ、マントルの寿命、耐久性を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るアップライト型のガス灯点・着火
装置の模式断面図である。

【図２】２個のマントルと本発明に係る補助燃焼用バー
ナ、スパークロッド、フレームロッドの位置関係を示す
模式概略図である。

【図３】従来のガス灯上向きマントル用点火・着火装置
を説明するための模式図である。

【図４】ガス灯配管図である。

【図５】従来のスパークロッドとフレームロッドのマン
トルに対す配置を説明するための模式斜視図である。

【符号の説明】

１ ガス供給管 ２ ガスノズル ３ ガス供給部 ４ 空気孔 ５ バーナ ６ 燃焼ガス吹出し孔 ７ スパークロッド（点火装置：イグナイタ） ８ フレームロッド（安全装置） １０ａ，１０ｂ マントル １１ マントル支えリング １２ 固定ブランケット １３ａ ガス弁 １３ｂ ガス圧孔 １４ ガバナ １５ マニホールド １６ 補助燃焼用バーナ １６ａ 補助燃焼ガス吹出し孔 １８ 炎

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内側空洞部で燃焼用ガスを燃焼させる１
   個あるいは２個以上の上向きマントルと、前記マントル
   の内側空洞部へ前記燃焼用ガスとしての燃料ガスと空気
   とを供給する燃焼用ガス供給手段と、前記燃焼用ガスに
   点火・着火させる点火・着火手段と、前記燃焼用ガスの
   放出を防止するための安全装置を備えたガス灯点火・着
   火装置において、 前記燃焼用ガスに点火・着火させる点火・着火手段とし
   て、前記マントル近傍に、点火・着火手段と前記安全装
   置とを備えた補助燃焼用バーナを設けたことを特徴とす
   るガス灯点火・着火装置。