JPH06299651A - 壁パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 屋内備品の取付作業およびその防水対策など
の付帯作業が不要であり、内壁面と屋内備品との調和が
とれた、美麗かつ利便性の高い壁パネルの提供。 【構成】 合成樹脂シートから型成形によって、棚２
４、小物などの収納スペース２５、照明具２６の取付凹
所などが、壁パネル２１に一体に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は壁パネルに関する。さら
に詳しくは、室内壁を構成するパネルであって、たとえ
ば、浴室や洗面所におけるミラーパネル、小物棚、照明
具または窓枠などの取付凹所などが一体に形成されうる
壁パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の壁パネルは単に平板状のものであ
って、何ら備品は形成されていない。したがって、浴室
内におけるパネルやキャビネット類、たとえば図５に示
されるような、石けん、歯ブラシ、整髪剤などを収納す
るための棚５１および鏡５２などが形成されたもの（以
下、パネルという）５３は、建造物の内壁（前記壁パネ
ルを含む）５４などの内装が完成したあとでコンクリー
ト用ボルトやいわゆる工業用ファスナなどで取り付けら
れている。このようなパネル５３を備え付けるばあい、
室内壁との色あいの調整、洗面ボールや浴槽または給水
カランの位置などとの寸法調整の必要から、パネルの選
択の自由度が小さくなる。

【０００３】また、大きい奥行きを有する、たとえばミ
ラーキャビネット（鏡板が扉を構成した戸棚）などを取
り付けるばあいは、あらかじめ内壁面５４上における取
付部位を除去して、壁面に嵌め込み用の凹所を形成した
りするやっかいな作業が必要である。しかも、浴室、洗
面所または台所などに備える場合は、壁内部の水の侵入
を防止するための対策が必要となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述のごとく、従来の
パネルおよびキャビネットは、家屋の室内デザインとは
まったく無関係に設計され、別個に製造されたものであ
る。したがって、パネル類の選択の自由度が小さく、大
がかりな取付作業が必要であったり、しかもパネルが取
付けられたあとの壁面は設計者や需要者が充分満足でき
る便利かつ美麗なものである保証はない。

【０００５】本発明はかかる問題を解消するためになさ
れたものであり、屋内備品を取付ける作業、または防水
対策などの付帯作業が不要であり、内壁面と屋内備品と
の調和がとれた、美麗かつ利便性の高い壁パネルを提供
することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の壁パネルは、合
成樹脂シートから形成された室内壁を構成するパネルで
あって、屋内備品が一体に形成されていることを特徴と
している。

【０００７】なお、特許請求の範囲でいう屋内備品と
は、照明具や小物棚などのほか、換気扇取付孔、給水管
挿通孔、鏡板取付部および出窓の取付開口などのよう
な、浴室、洗面所および台所などのユーティリティスペ
ース、およびリビングルームまたは寝室などの一般の室
内壁に設置または付設されるすべてを含む広範な概念で
ある。

【０００８】

【作用】本発明の壁パネルは、屋内備品が屋内壁の製造
時に一体に形成されるため、新たに屋内備品の購入、取
付作業および防水対策などの付帯作業が不要となるた
め、総合的なコストダウンを図ることができる。

【０００９】また、屋内備品を室内壁と同時に、一体に
かつ自由にデザインすることができるため、屋内備品の
選択の自由度が拡大し、室内壁面が整然として美麗であ
り、しかも利便性の高い室内が実現されうる。

【００１０】完成した壁パネルの設置の手順は従来の壁
パネルと相違するところはなく、屋内備品が形成されて
いてもとくにやっかいな作業を必要としない。

【００１１】すなわち、あらかじめ床面に植設されたア
ジャスターボルトなどで水平面に設定されたフロアパン
の四辺の取付溝に、前記壁パネルの下辺を嵌合させる。
また、壁パネル同士は、あらかじめ壁パネルの側辺近辺
の裏面側に取り付けられている連結金具で連結する。つ
いで、連結された壁パネルの上に天井パネルを載せ、壁
パネルの上端に取り付られている金具で天井パネルを固
定するのである。

【００１２】なお、このようにして完成する部屋の使用
目的に応じて各壁パネル同士のあいだ、壁パネルと天井
パネルやフロアパンとのあいだに防水シーリングや防湿
処理を施すこともある。

【００１３】

【実施例】つぎに、添付図面を参照しながら本発明の壁
パネルを説明する。

【００１４】図１は本発明の壁パネルが設置される浴室
の一例を示す斜視図、図２は本発明の壁パネルの一実施
例を示す一部切欠斜視図、図３は本発明の壁パネルの他
の実施例を示す一部切欠斜視図、図４は本発明の壁パネ
ルのさらに他の実施例を示す一部切欠斜視図である。

【００１５】図１において、１および２はともに壁パネ
ル、３は浴室へ出入りするための引き戸、４は浴槽、そ
して５はフロアパンである。前記両壁パネル１、２とも
に、鏡板６と照明具７とが取り付けられている。

【００１６】前記壁パネル１の詳細が図２に示されてい
る。

【００１７】壁パネル１は、アクリロニトリル・ブタジ
エン・スチレン樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、
アクリル変性塩化ビニル樹脂などの熱可塑性合成樹脂シ
ートから、真空成形、射出成形、ブロー成形またはＦＲ
Ｐ成形などによって成形された基体８に、前記鏡板６と
照明具７とが取付けられたものである。基体８を構成す
る合成樹脂シートの厚さは通常１．０〜４．０ｍｍの範
囲で選定される。

【００１８】鏡板６は、基体８の前面に形成された鏡板
を嵌着するための凹所に嵌め込まれており、鏡板６の周
縁に嵌め込まれた実質的にコの字断面を呈したチャンネ
ル部材９を介して接着剤やネジなどで取り付けられる。

【００１９】照明具７は、白熱灯１０、ソケット１１お
よびカバー１２から構成されている。そして、ソケット
１１は基体８上の照明具取付凹部１３に嵌着されてい
る。ソケット１１とカバー１２との接合には防水シール
（図示していない）が施されている。なお、照明具とし
ては、とくに白熱灯に限定されることなく、たとえば蛍
光灯などであってもよい。

【００２０】また、基体８の背面側には、コンクリート
壁、スレート板またはアルミ合金板のような構造部材と
のあいだにスペース１４が形成されるようにしているた
め、このスペース１４に断熱剤などを充填することがで
きる。

【００２１】つぎに、図３に示される壁パネル２１は、
一般にミラーキャビネットと呼ばれる、扉に鏡板２２を
使用した収納戸棚２３が一体に形成されたものである。
ミラーキャビネット自体は洗面所、浴室および理髪店な
どで広く用いられている。本実施例の壁パネル２１にお
ける収納戸棚２３は全体に箱形を呈し、その内部に複数
断の棚２４に仕切られた収納スペース２５が形成されて
いる。収納戸棚２３の前面には前記鏡板２２が観音開き
の扉を構成するように取り付けられている。壁パネルに
おける、収納戸棚２３の上方には前記実施例（図２）と
同様の照明具２６が取り付けられている。

【００２２】なお、鏡板を備えておらず、小物棚だけが
一体に形成されるような壁パネルも本発明の範囲である
ことはもちろんである。

【００２３】前記実施例（図２〜３）では、いわゆるミ
ラーパネル（またはミラーキャビネット）が一体に形成
された壁パネル１を説明したが、本発明ではとくにミラ
ーパネルに限定されることはなく、たとえば図４に示さ
れる壁パネル３１のごとく、窓（出窓を含む）を取り付
けるための開口３２および換気扇を取付るための貫通孔
３３が形成されたものであってもよい。

【００２４】

【発明の効果】本発明の壁パネルは、屋内備品を取り付
ける作業、またはそのための防水対策などの付帯作業が
不要であるだけでなく、内壁面と屋内備品との調和がと
れた、美麗かつ便利性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の壁パネルが設置される浴室の一例を示
す斜視図である。

【図２】本発明の壁パネルの一実施例を示す一部切欠斜
視図である。

【図３】本発明の壁パネルの他の実施例をしめす一部切
欠斜視図である。

【図４】本発明の壁パネルのさらに他の実施例を示す一
部切欠斜視図である。

【図５】従来の屋内備品が取り付けられた室内壁の一例
を示す斜視図である。

【符合の説明】

１ 壁パネル ２ 壁パネル ６ 鏡板 ７ 照明具 ８ 基体 ２１ 壁パネル ２２ 鏡板 ２３ 収納戸棚 ２６ 照明具 ３１ 壁パネル ３２ 開口 ３３ 貫通孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂シートから形成された室内壁を
   構成するパネルであって、屋内備品が一体に形成された
   ことを特徴とする壁パネル。
2. 【請求項２】 前記屋内備品が小物棚と照明具取付部と
   からなる壁パネル。