JPH06298739A - 低酸素性細胞放射線増感剤 - Google Patents

低酸素性細胞放射線増感剤

Info

Publication number
JPH06298739A
JPH06298739A JP9305993A JP9305993A JPH06298739A JP H06298739 A JPH06298739 A JP H06298739A JP 9305993 A JP9305993 A JP 9305993A JP 9305993 A JP9305993 A JP 9305993A JP H06298739 A JPH06298739 A JP H06298739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitroimidazole
compound
formula
ethyl
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9305993A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimitsu Suzuki
利光 鈴木
Azuma Nishio
東 西尾
Takahiro Namako
孝広 生子
Tomoyuki Mori
知之 母里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pola Chemical Industries Inc filed Critical Pola Chemical Industries Inc
Priority to JP9305993A priority Critical patent/JPH06298739A/ja
Publication of JPH06298739A publication Critical patent/JPH06298739A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の一般式で表わされる2−ニトロイミダゾ
ール誘導体、及びこれを有効成分とする低酸素性細胞放
射線増感剤。 【化1】 【効果】 この化合物は、高い低酸素性細胞放射線増感
効果を有し、且つ低毒性であると共に、優れた酸に対す
る安定性を有しているため、経口投与が可能であり、癌
化学療法における低酸素性細胞放射線増感剤として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は癌放射線治療における放
射線に対して抵抗を示す低酸素性細胞を再酸素化するこ
とにより、放射線治療の奏功率を向上させ、且つ、癌の
再発を防止する低酸素性細胞放射線増感剤に関する。
【0002】
【従来の技術】癌組織内に存在する低酸素性細胞は、癌
放射線治療において用いられる放射線に対して抵抗性を
示し、治療の奏功率を下げる大きな要因であると共に、
癌再発の重要な原因となっている。これに対しては従
来、高圧酸素療法などによる低酸素性細胞の再酸素化が
図られてきたが、充分な再酸素化を行うことはできず、
治療の奏功率の著しい向上には至らなかった。
【0003】一方、近年、電子親和性の高い2−ニトロ
イミダゾール誘導体に低酸素性細胞の放射線に対する感
受性を増大させる作用(低酸素性細胞放射線増感作用)
があることが見いだされた。そのうち、ミソニダゾール
〔1−(2−ニトロイミダゾール−1−イル)−3−メ
トキシ−2−プロパノール〕は特にその作用が強く、広
く臨床試験が行われたが、体内に蓄積しやすいため2−
ニトロイミダゾール骨格由来の神経毒性が発現し、開発
が中断された。
【0004】これらの知見をもとに、本発明者らは2−
ニトロイミダゾールの1位にアシクロシュガーの側鎖を
導入して核酸類縁体構造として、代謝速度を速め蓄積毒
性の軽減を成功し、先に特許出願した(特公昭61−4
0669号報、特開平1−110675号報)。
【0005】しかしながら、これらの核酸誘導体はイミ
ダゾールに結合しているメチレン部分がニトロイミダゾ
ールと酸素原子に電子を吸引されているため、酸により
容易に加水分解されるので単純な剤形での経口投与は不
可能であり、実際に医薬品として用いる場合、適切な剤
形化の検討に多くの困難が伴っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、蓄積による神経毒性がなく、酸に対する安定性に優
れた、経口投与の可能な低酸素性細胞放射線増感剤を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは数多
くの2−ニトロイミダゾール誘導体を合成し、低酸素性
細胞放射線増感作用、毒性及び酸に対する安定性を指標
にスクリーニングしてきたところ、後記一般式(1)、
(2)又は(3)で表わされる2−ニトロイミダゾール
誘導体が、酸素原子による電子吸引効果をやわらげ、耐
酸安定性が向上することを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、第一の本発明は次の一般式
(1)
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、R1は水素原子、低鎖長アシル基
又はベンジル基を示し、nは2〜4の整数を示す〕で表
わされる2−ニトロイミダゾール誘導体を提供するもの
である。
【0011】第二の本発明は、次の一般式(2)
【0012】
【化5】
【0013】〔式中、R1及びnは前記と同じ意味を示
す〕で表わされる2−ニトロイミダゾール誘導体を提供
するものである。
【0014】第三の本発明は次の一般式(3)
【0015】
【化6】
【0016】で表わされる2−ニトロイミダゾール誘導
体を提供するものである。
【0017】また、第四の本発明は、前記一般式(1)
〜(3)のいずれかで表わされる2−ニトロイミダゾー
ル誘導体を有効成分とする低酸素性細胞放射線増感剤を
提供するものである。
【0018】一般式(1)〜(3)で表わされる2−ニ
トロイミダゾール誘導体は何れも新規化合物である。ま
たR1の定義中、低鎖長アシル基の例としては、アセチ
ル基、プロピオニル基、n−ブタノイル基等の炭素数2
〜6のアルカノイル基が挙げられるが、特にアセチル基
が好ましい。
【0019】本発明の一般式(1)で表わされる2−ニ
トロイミダゾール誘導体の具体例としては、以下の化合
物が例示できる。 (1)1−(2−(2−(アセトキシ)−1−(アセト
キシメチル)エトキシ)エチル)−2−ニトロイミダゾ
ール(化合物1) (2)1−(2−(2−(ヒドロキシ)−1−(ヒドロ
キシメチル)エトキシ)エチル)−2−ニトロイミダゾ
ール(化合物2) (3)1−(2−(2−(ベンジルオキシ)−1−(ベ
ンジルオキシメチル)エトキシ)エチル)−2−ニトロ
イミダゾール(化合物3) (4)1−(3−(2−(アセトキシ)−1−(アセト
キシメチル)エトキシ)プロピル)−2−ニトロイミダ
ゾール(化合物4) (5)1−(3−(2−(ヒドロキシ)−1−(ヒドロ
キシメチル)エトキシ)プロピル)−2−ニトロイミダ
ゾール(化合物5) (6)1−(3−(2−(ベンジルオキシ)−1−(ベ
ンジルオキシメチル)エトキシ)プロピル)−2−ニト
ロイミダゾール(化合物6) (7)1−(4−(2−(アセトキシ)−1−(アセト
キシメチル)エトキシ)ブチル)−2−ニトロイミダゾ
ール(化合物7) (8)1−(4−(2−(ヒドロキシ)−1−(ヒドロ
キシメチル)エトキシ)ブチル)−2−ニトロイミダゾ
ール(化合物8) (9)1−(4−(2−(ベンジルオキシ)−1−(ベ
ンジルオキシメチル)エトキシ)ブチル)−2−ニトロ
イミダゾール(化合物9)
【0020】また、本発明の一般式(2)で表わされる
2−ニトロイミダゾール誘導体の具体例としては、以下
の化合物が例示できる。 (10)1−(2−((4−アセトキシブタン−2−エ
ン−1−イル)オキシ)エチル)−2−ニトロイミダゾ
ール(化合物10) (11)1−(2−((4−ヒドロキシブタン−2−エ
ン−1−イル)オキシ)エチル)−2−ニトロイミダゾ
ール(化合物11) (12)1−(2−((4−ベンジルオキシブタン−2
−エン−1−イル)オキシ)エチル)−2−ニトロイミ
ダゾール(化合物12) (13)1−(3−((4−アセトキシブタン−2−エ
ン−1−イル)オキシ)プロピル)−2−ニトロイミダ
ゾール(化合物13) (14)1−(3−((4−ヒドロキシブタン−2−エ
ン−1−イル)オキシ)プロピル)−2−ニトロイミダ
ゾール(化合物14) (15)1−(3−((4−ベンジルオキシブタン−2
−エン−1−イル)オキシ)プロピル)−2−ニトロイ
ミダゾール(化合物15) (16)1−(4−((4−アセトキシブタン−2−エ
ン−1−イル)オキシ)ブチル)−2−ニトロイミダゾ
ール(化合物16) (17)1−(4−((4−ヒドロキシブタン−2−エ
ン−1−イル)オキシ)ブチル)−2−ニトロイミダゾ
ール(化合物17) (18)1−(4−((4−ベンジルオキシブタン−2
−エン−1−イル)オキシ)ブチル)−2−ニトロイミ
ダゾール(化合物18)
【0021】更に、本発明の一般式(3)で表わされる
2−ニトロイミダゾール誘導体の具体例としては、以下
の化合物が例示される。 (19)1−(4−(アセトキシ)−3−(アセトキシ
メチル)ブチル)−2−ニトロイミダゾール(化合物1
9) (20)1−(4−(ヒドロキシ)−3−(ヒドロキシ
メチル)ブチル)−2−ニトロイミダゾール(化合物2
0) (21)1−(4−(ベンジルオキシ)−3−(ベンジ
ルオキシメチル)ブチル)−2−ニトロイミダゾール
(化合物21) (22)1−(2−(2,2−ジメチルジオキソラニ
ル)エチル)−2−ニトロイミダゾール(化合物22)
【0022】本発明の一般式(1)で表わされる2−ニ
トロイミダゾール誘導体は、例えば次の反応式に従っ
て、容易、且つ高収率に製造することができる。
【0023】
【化7】
【0024】〔式中、nは前記と同じ意味を示し、Rは
低鎖長アシル基を示す〕
【0025】すなわち、トリエチルアミンの存在下、化
合物(4)と2−ニトロイミダゾールとを反応させれ
ば、ベンジル体である化合物(1−a)が得られる。
【0026】この化合物(1−a)に酸無水物をルイス
酸を触媒として反応させればアシル体である化合物(1
−b)が得られる。
【0027】更に、この化合物(1−b)をアルカリ存
在下、加水分解すればヒドロキシル体である化合物(1
−c)が得られる。
【0028】また、本発明の一般式(2)で表わされる
2−ニトロイミダゾール誘導体は次の反応式に従って、
容易、且つ高収率で製造することができる。
【0029】
【化8】
【0030】〔式中、n及びRは前記と同じ意味を示
す〕
【0031】すなわち、アルカリ存在下、化合物(5)
と2−ニトロイミダゾールとを縮合させればアシル体で
ある化合物(2−a)が得られる。
【0032】この化合物(2−a)をトリエチルアミン
存在下、含水アルコール中で加水分解すればヒドロキシ
ル体である化合物(2−b)が得られる。
【0033】更に、この化合物(2−b)の水酸基を常
法によりベンジル化すればベンジル体である化合物(2
−c)が得られる。
【0034】また、本発明の一般式(3)で表わされる
2−ニトロイミダゾール誘導体は次の反応式に従って、
容易、且つ高収率で製造することができる。
【0035】
【化9】
【0036】〔式中、Rは前記と同じ意味を示す〕
【0037】すなわち、5−(ブロモエチル)−2,2
−ジメチルー1,3−ジオキサンと2−ニトロイミダゾ
ールをアルカリ存在下、縮合させれば化合物(3−a)
が得られる。
【0038】化合物(3−a)を酸を触媒として加水分
解すれば化合物(3−b)が得られる。
【0039】更に、化合物(3−b)を常法によりアシ
ル化すれば化合物(3−c)が得られ、また化合物(3
−b)を常法によりベンジル化すれば化合物(3−d)
が得られる。
【0040】かくして得られる本発明の2−ニトロイミ
ダゾール誘導体(1)、(2)及び(3)の性状は置換
基の種類等により異なるが、液状、アモルファス状、固
体状であり、その溶解性は、ヒドロキシ体は水溶性であ
り、アセチル体及びベンジル体は脂溶性である。
【0041】本発明の2−ニトロイミダゾール誘導体
(1)、(2)及び(3)は、後記実施例に示す如く、
酸安定性及び安全性に優れ、高い低酸素性細胞放射線増
感効果を有しているので、癌放射線療法に有益である。
【0042】本発明の2−ニトロイミダゾール誘導体
(1)、(2)及び(3)を低酸素性細胞放射線増感剤
として投与する場合、その投与量は患者の年齢、体重、
性別、投与方法、体調、症状等により異なるが、成人1
人1回当たり経口投与の場合50〜5000mg、非経口
投与の場合10〜3000mgが適当であり、投与後1時
間以内に、更に好ましくは30分に放射線照射治療を受
けることが望ましい。
【0043】また、本発明の2−ニトロイミダゾール誘
導体(1)、(2)及び(3)は通常の方法で錠剤、顆
粒剤、散剤、カプセル剤、坐剤等の種々の剤形とするこ
とができる。固形製剤を製造するにはこれらの化合物に
賦形剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着
色剤、顆粒剤、矯味矯臭剤、増量剤、被覆剤、糖衣剤等
を加えた後、常法にのっとり錠剤、顆粒剤、散剤、カプ
セル剤、坐剤とすることが好ましい。注射剤を調製する
場合はこれらの化合物を注射用生理食塩水等の水性担体
に予め溶解、分散、乳化等するか、又は注射用の粉末に
して用時に溶解等すれば良い。注射剤の投与としては静
脈内投与、動脈内投与、門脈内投与、腹腔内投与、皮下
投与、病巣内直接投与等が挙げられる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。
【0045】実施例1 1−(2−(2−(ベンジルオキシ)−1−(ベンジル
オキシメチル)エトキシ)エチル)2−ニトロイミダゾ
ール(化合物3)の合成:1,3−ジベンジロキシ−2
−2′ブロムエトキシプロパン37.9g、2−ニトロ
イミダゾール11.3g及びトリエチルアミン15.2
gをナスフラスコに入れ、N,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)100mlを加えて撹拌溶解させた。反応混
合物を50〜70℃に加熱撹拌し、約3時間反応させ
た。室温に冷却後析出したトリエチルアミン臭化水素塩
を濾別し、エバポレータで濃縮した。濃縮物を酢酸エチ
ル500mlに溶解し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗
浄した。洗液が黄色でなくなるまで充分洗浄した後、水
洗、乾燥した。酢酸エチル層を濃縮後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出液 ベンゼン:酢酸エチル
=1:1)で精製し、標題化合物を得た。収率76.6
%、淡黄色粘稠液体。
【0046】MS:412(M+1) 元素分析:C 64.31% H 6.04% (計算値 C 64.29% H 6.08%)1 H-NMR δppm(CDCl3):3.43-3.50(m,4H),3.65-3.72(m,1
H),3.97(t,2H),4.50(s,4H),4.60(t,2H),6.98(s,1H),7.1
7-7.38(m,11H).
【0047】実施例2 1−(2−(2−(アセトキシ)−1−(アセトキシメ
チル)エトキシ)エチル)−2−ニトロイミダゾール
(化合物1)の合成:実施例1で得られた1−(2−
(2−(ベンジルオキシ)−1−(ベンジルオキシメチ
ル)エトキシ)エチル)2−ニトロイミダゾール20.
6gを無水酢酸50mlに溶解した。氷水で冷却しなが
ら、三フッ化ホウ素エーテラート10mlを滴下した。氷
冷下、撹拌反応を4時間させた。冷却下、エタノールを
加え、過剰の無水酢酸を分解した。反応混合物を酢酸エ
チルで抽出し飽和重ソウ水、次いで水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、エバポレータで濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムで精製単離し、標題化合物を粘稠な
淡黄色液体として得た。収率75.1%。
【0048】MS:315(M+1) 元素分析:C 45.86% H 5.40%1 H-NMR δppm(CDCl3):2.07(s,6H),3.64-3.71(m,1H),3.9
6(t,2H),4.03(t,2H),4.19(dd,2H),4.62(t,2H),7.13(d,1
H),7.19(d,1H).
【0049】実施例3 1−(2−(2−(ヒドロキシ)−1−(ヒドロキシメ
チル)エトキシ)エチル)−2−ニトロイミダゾール
(化合物2)の合成:実施例2で得られた1−(2−
(2−(アセトキシ)−1−(アセトキシメチル)エト
キシ)エチル)−2−ニトロイミダゾール31.5g、
水20ml及びトリエチルアミン40gをフラスコにと
り、均一な溶液になるまでメタノールを加えた。室温
下、一夜撹拌反応させ加水分解させた。エバポレーター
で濃縮したところ、ほぼ純粋な標題化合物が収率92%
で得られた。淡黄色粘稠液体。
【0050】MS:231(M+1) 元素分析:C 41.67% H 5.70%1 H-NMR δppm(DMSO-d6):3.16-3.34(m,3H),3.46(s,2H),
3.96(t,2H),4.62(t,4H),7.24(d,1H),7.78(d,1H).
【0051】実施例4 1−(2−((4−アセトキシブタン−2−エン−1−
イル)オキシ)エチル)−2−ニトロイミダゾール(化
合物10)の合成:2−ニトロイミダゾール2.3gと
トリエチルアミン2.2gをジメチルホルムアミド10
mlに溶解した。これに1−アセトキシ−4−(2−ブロ
モエトキシ)ブタン−2−エン4.8gを滴下し、一昼
夜撹拌し反応させた。析出したトリエチルアミンHBr
塩を濾別後、DMFを留去した。酢酸エチル100mlを
加え、未反応の2−ニトロイミダゾールを濾別し飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液100mlで2回洗浄した後、水
洗乾燥した。減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶出液 50%酢酸エチルベンゼン溶液)で
精製し標題化合物を淡黄色粘稠な液体として1.94g
得た。収率72%。
【0052】MS:261(M+)1 H-NMR δppm(CDCl3):2.07(s,3H),3.62-3.71(m,1H),3.8
6-4.04(m,5H),4.15(dd,2H),4.60(t,2H),7.10(s,1H),7.1
4(s,1H).
【0053】実施例5 1−(2−((4−ヒドロキシブタン−2−エン−1−
イル)オキシ)エチル)−2−ニトロイミダゾール(化
合物11)の合成:実施例4で得られた1−(2−
((4−アセトキシブタン−2−エン−1−イル)オキ
シ)エチル)−2−ニトロイミダゾール1.92gをメ
タノール20ml、水10ml及びトリエチルアミン10ml
の混液に溶解させ室温で24時間撹拌し加水分解した。
反応終了後、反応物を減圧濃縮し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶出液 酢酸エチル)にて精製し、
標題化合物を淡黄色油状物質として1.5g得た。収率
92%。
【0054】MS:228(M+1)1 H-NMR δppm(DMSO-d6):3.78(t,1H),3.91-4.05(m,2H),
4.20(t,2H),4.65(t,1H),4.65(t,6H),4.93(t,1H),5.14
(d,2H),5.57-5.71(m,1H),5.76-5.89(m,1H),7.21(s,1H),
7.74(s,1H).
【0055】実施例6 1−(3−((4−アセトキシブタン−2−エン−1−
イル)オキシ)プロピル)−2−ニトロイミダゾール
(化合物13)の合成:2−ニトロイミダゾール2.3
gとトリエチルアミン2.2gをジメチルホルムアミド
10mlに溶解させ、これに1−アセトキシ−4−(3−
ブロモプロポキシ)−ブタン−2−エン5.1gを滴下
し、室温で一昼夜撹拌した。反応物を減圧濃縮後、水1
00ml酢酸エチル100mlで抽出し、水層を捨て、酢酸
エチル層を飽和炭酸ナトリウム水溶液100mlで2回洗
い、100mlの水で水洗した後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥させ濾過後、減圧濃縮した。これをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し(溶出液 50%酢酸エ
チルベンゼン溶液)標題化合物を2.3g得た。収率3
2.4%。
【0056】MS:282(M+)1 H-NMR δppm(CDCl3):2.04-2.21(m,5H),3.41(t,2H),3.9
5(d,2H),4.12(d,2H),4.49(t,3H),5.58-5.68(m,1H),5.74
-5.86(m,1H),7.12(d,2H).
【0057】実施例7 1−(3−((4−ヒドロキシブタン−2−エン−1−
イル)オキシ)プロピル)−2−ニトロイミダゾール
(化合物14)の合成:実施例6で得られた1−(3−
((4−アセトキシブタン−2−エン−1−イル)オキ
シ)プロピル)−2−ニトロイミダゾール2.0gをメ
タノール20ml、トリエチルアミン10ml及び水10ml
の混液に溶し室温で24時間撹拌し加水分解した。反応
終了後、反応物を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出液 酢酸エチル)にて精製し、標題
化合物を淡黄色油状物質として1.3g得た。収率55
%。
【0058】MS:241(M+1)1 H-NMR δppm(CDCl3):2.04-2.21(m,2H),3.41(t,2H),3.9
5(d,2H),4.12(d,2H),4.49(t,3H),5.58-5.68(m,1H),5.74
-5.86(m,1H),7.12(d,2H).
【0059】実施例8 1−(2−(2,2−ジメチルジオキソラニル)エチ
ル)−2−ニトロイミダゾール(化合物22)の合成:
2.3gの2−ニトロイミダゾールを20mlのジメチル
ホルムアミドと2.3gのトリエチルアミンに溶かしこ
れに5−(ブロモエチル)−2,2−ジメチル−1,3
−ジオキサン5.0gを滴下し、室温で一昼夜撹拌し
た。反応物を減圧濃縮し水100mlと酢酸エチル100
mlで抽出し、水層を捨て、酢酸エチル層を飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液100mlで2回、水100mlで1回洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過し減圧濃
縮した。濃縮物とシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液 50%酢酸エチル−ベンゼン溶液)で精製
し、標題化合物を3.1g淡黄色油状物質として得た。
収率60%。
【0060】MS:255(M+1)1 H-NMR δppm(CDCl3):1.42(s,6H),1.76-1.85(m,1H),1.8
8-1.90(m,2H),3.63-3.70(m,2H),3.93-4.00(m,2H),4.47
(dd,2H),7.13(d,1H),7.16(d,1H).
【0061】1−(4−(ヒドロキシ)−3−(ヒドロ
キシメチル)ブチル)−2−ニトロイミダゾール(化合
物20)の合成:実施例8で得られた1−(2−(2,
2−ジメチルジオキソラニル)エチル)−2−ニトロイ
ミダゾール2gを20mlのメタノール、10mlのトリエ
チルアミン及び10mlの水に溶解し、室温で一昼夜撹拌
した後減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出液 酢酸エチル)で精製し、1.1g
の標題化合物を淡黄色油状物質として得た。収率65
%。
【0062】MS:215(M+1)1 H-NMR δppm(CDCl3):1.78-1.85(m,1H),1.88-1.91(m,2
H),3.65(d,2H),3.95(d,2H),4.47(t,2H),7.15(s,1H), 7.
23(s,1H).
【0063】試験例1 急性毒性:雄性ICRマウス(5週令、25−30g)
を用いて、0.2g/mlの濃度の表1に示す各被験物質
の生理食塩水溶液を経口投与し、急性毒性を求めた。
尚、生死の判別は投与後14日に行ない、最高の投与量
は4000mg/kgとした。結果を表1に示す。本発明の
化合物は公知の化合物RP−170と同様、ミソニダゾ
ールより毒性が低いことが明らかである。
【0064】
【表1】
【0065】試験例2 in vitroでの低酸素性細胞放射線増感効果:B
alb/cマウス由来の乳ガン細胞EMT6/KUを用
いて放射線増感効果を検討した。即ち、最終濃度が1mM
になる様に表2に示す各被験物質を加えた、4×105
個/mlの濃度のEMT6/KU細胞のMEM懸濁液を5
%CO2含有の窒素ガス気流下、室温で1時間軽く振と
うして低酸素性細胞懸濁液を得た。これに対して、ガン
マ線照射を行い、コロニー形成法により、線量−生存率
曲線を求めた。この線量−生存率曲線より被験物質無添
加時の低酸素性細胞の生存率を1%下げさせる放射線量
を、被験物質添加時の低酸素性細胞の生存率を1%下げ
させる放射線量で除した値を求めて増感率とした。結果
を表2に示す。本発明の化合物はいずれもミソニダゾー
ル及びRP−170と同程度の強い低酸素性細胞放射線
増感効果を示した。
【0066】
【表2】
【0067】試験例3 in vivo−in vitoroでの低酸素性細胞
放射線増感効果:EMT6/KU担癌Balb/cマウ
スを用いて、in vivo−in vitoro法に
よる低酸素性細胞放射線増感効果を検討した。各被験物
質は200mg/kgの投与量で投与し、投与後30分でガ
ンマ線を20Gy照射し、癌を取り出してトリプシン処
理を行い、細胞浮遊液を作り、コロニー形成法により生
存率を求めた。コントロールとしては、生理食塩水投与
とオリーブ油投与の2つの群を用いた。結果を表3に示
す。本発明の化合物はミソニダゾール及びRP−170
と同程度の低酸素性細胞放射線増感効果を示した。従っ
て本発明化合物は癌放射線治療に有益であることは明ら
かである。
【0068】
【表3】
【0069】試験例4 人工胃液中での安定性:本発明化合物の人工胃液(局
方)中における安定性を調べた。各被験物質は1%の人
工胃液溶液とし、37℃の温浴槽におき、1、4、8、
12、24、48時間後にサンプリングし、HPLCに
て絶対検量線法により定量した。HPLC条件は10%
CH3CN水溶液,320nmUV,1ml/min,40℃であ
った。これより半減期をもとめた。結果を表4に示す。
本発明化合物はRP−170より酸安定性が優れている
ことが明らかである。
【0070】
【表4】
【0071】
【発明の効果】本発明の2−イミダゾール誘導体は、高
い低酸素性細胞放射線増感効果を有し、且つ低毒性であ
ると共に、優れた酸に対する安定性を有しているため、
経口投与が可能であり、癌化学療法における低酸素性細
胞放射線増感剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 母里 知之 神奈川県横浜市保土ヶ谷区狩場町164−33 グリーンヒルズ横浜E608

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1は水素原子、低鎖長アシル基又はベンジル
    基を示し、nは2〜4の整数を示す〕で表わされる2−
    ニトロイミダゾール誘導体。
  2. 【請求項2】 次の一般式(2) 【化2】 〔式中、R1は水素原子、低鎖長アシル基又はベンジル
    基を示し、nは2〜4の整数を示す〕で表わされる2−
    ニトロイミダゾール誘導体。
  3. 【請求項3】 次の一般式(3) 【化3】 で表わされる2−ニトロイミダゾール誘導体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の2−
    ニトロイミダゾール誘導体を有効成分とする低酸素性細
    胞放射線増感剤。
JP9305993A 1993-04-20 1993-04-20 低酸素性細胞放射線増感剤 Pending JPH06298739A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9305993A JPH06298739A (ja) 1993-04-20 1993-04-20 低酸素性細胞放射線増感剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9305993A JPH06298739A (ja) 1993-04-20 1993-04-20 低酸素性細胞放射線増感剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06298739A true JPH06298739A (ja) 1994-10-25

Family

ID=14071946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9305993A Pending JPH06298739A (ja) 1993-04-20 1993-04-20 低酸素性細胞放射線増感剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06298739A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1704870A1 (en) 2005-03-25 2006-09-27 Nipro Corporation Use of iron compounds as radiosensitizers
WO2013042668A1 (ja) * 2011-09-22 2013-03-28 日本メジフィジックス株式会社 放射性フッ素標識化合物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1704870A1 (en) 2005-03-25 2006-09-27 Nipro Corporation Use of iron compounds as radiosensitizers
WO2013042668A1 (ja) * 2011-09-22 2013-03-28 日本メジフィジックス株式会社 放射性フッ素標識化合物
JP5208328B1 (ja) * 2011-09-22 2013-06-12 日本メジフィジックス株式会社 放射性フッ素標識化合物
US9107964B2 (en) 2011-09-22 2015-08-18 Nihon Medi-Physics Co., Ltd. Radioactive fluorine-labeled compound

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5270330A (en) 2-nitroimidazole derivative, production thereof, and radiosensitizer containing the same as active ingredient
CN107382966B (zh) 一类荜茇酰胺-川芎嗪杂合物、制备方法及医药用途
AU598878B2 (en) Quinoline base compound, process for the preparation thereof and anticancer agent containing the same as pharmacologically efficacious component
WO1999052888A1 (en) Butenolide derivatives as anti-cancer agents
JPH06298739A (ja) 低酸素性細胞放射線増感剤
KR100926596B1 (ko) 뉴클레오시드 유도체 및 그의 치료 용도
US5658918A (en) Purine-2,8-diones and pharmaceutically acceptable salts thereof
US20200283382A1 (en) Carbon monoxide-releasing molecules triggered by physiological stimuli
US4232149A (en) 1-(5-Fluoruracil-1)-2,5-di-O-acetyl-β-D-glucofuranurono-6,3-lactone
US4430347A (en) Cystamine derivatives suitable for use as medicaments
CN108864114B (zh) 选择性a2a受体拮抗剂
JP2511709B2 (ja) キサントシリンxモノメチルエ―テル誘導体及びそれを含有する抗腫瘍剤
SU1251806A3 (ru) Способ получени 7-замещенных 9а-метоксимитозана
JPH06279415A (ja) 低酸素性細胞放射線増感剤
EP0378706B1 (en) 5-substituted uridine derivatives and intermediates for their preparation
JP2627441B2 (ja) 1―アセトキシム―2―ニトロイミダゾール誘導体
KR910000663B1 (ko) 불소-함유 니트로이미다졸 유도체 및 이를 함유하는 방사선 감작체
US4576945A (en) Hexaalkylmelamine-amino-oxy compounds
EP0395899A2 (en) Triazole compound, antimycotic preparation containing same, and method for the prevention and/or treatment of deep-seated mycosis by using same
JP3157631B2 (ja) 1−アルキニル−2−ニトロイミダゾール誘導体及びこれを含有する低酸素性細胞放射線増感剤
EP4166547A1 (en) Aryl glucoside derivative
JPS6322069A (ja) 複素多環式芳香族化合物
JP4328875B2 (ja) アルキル−8−ニトロキサンチン誘導体
CN117964630A (zh) 一种no型卟啉-阿魏酸衍生物、制备方法及其用途
JPS59210039A (ja) 2−ブロモ−1−テトラロン誘導体およびその用途