JPH062985Y2 - プリンタの用紙供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は、プリンタに装着されると共に、単票の印字
用紙を積層収容する収容部を備え、その収容部内の印字
用紙をプリンタの印字位置へ一枚ずつ供給するようにし
た用紙供給装置に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種の用紙供給装置においては、収容部内に積
層収容された印字用紙の最上位置の用紙に接触するよう
に送給ローラが設けられ、この送給ローラの回転により
収容部内の印字用紙が最上位置のものから一枚ずつ送出
されるように構成されたものがある。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、この従来装置において、カーボン紙を含む複
数枚の用紙を積層した状態で一端縁に沿って互いに貼付
けてなる単票の綴り用紙を、収容部から一部ずつ送出す
場合には、一綴りの用紙が一端縁に沿って互いに貼付固
定された状態にあるため、送給ローラの回転に伴い綴り
用紙の最上位置の用紙に形成されるループが次第に拡大
され、このループ拡大状態のまま綴り用紙が送出され
て、用紙送給路内で紙詰りを生じるという問題があっ
た。また、送給方向に対する長さが短い用紙を送出する
場合には、用紙の先端がプリンタ内の送給手段に到達す
るまで送出することができず、従って、送給可能な用紙
の長さが限定されるという問題があった。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は、前記のような問題点に着目してなされたも
のであって、収容部内の印字用紙を一部ずつ収容部から
送出する第一の送給ローラと、収容部から用紙送出方向
へ離間した位置にて収容部から送出された印字用紙を印
字位置へ送給する第二の送給ローラとをそれぞれ支持枠
により支持し、該支持枠を一対のフレーム部間に支持さ
れた軸に回動可能かつ用紙幅方向へ移動可能に設け、前
記第二の送給ローラに圧接される従動ローラを前記両フ
レーム部間で水平に延びる棒状に形成し、前記第二の送
給ローラをその用紙幅方向における任意の位置で常に前
記従動ローラと接触可能としたものである。

（作用） 従って、この考案の用紙供給装置によれば、カーボン紙
を含む複数枚の用紙を積層した状態で一端縁に沿って互
いに貼付けてなる単票の綴り用紙を送出す場合に、第一
の送給ローラの回転に伴い綴り用紙の最上位置の用紙に
形成されるループが、第二の送給ローラと従動ローラと
の間においてその第二の送給ローラの回転による用紙送
出し側での積極的な引出し作用にて押えられ、用紙送給
路内で紙詰りが生じるおそれを確実に防止することがで
きる。

また、送給方向に対する長さの短い用紙でも、第一の送
給ローラにより送出された後、更に第二の送給ローラに
より送出することで用紙の先端がプリンタ内の送給手段
に到達することができる。故に長さに限定されることな
く種々の用紙が送給できる。

更に、収容部に収容される用紙の幅に合わせて支持枠を
用紙幅方向に移動させることにより第一及び第二の両送
給ローラが同時に用紙幅方向に移動され、そして第二の
送給ローラが任意の位置で棒状の従動ローラと接触され
るため、種々の幅の用紙に容易に対応することができ
る。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に従って詳細に説明す
る。

まず、プリンタの構成について述べると第１図に示すよ
うに、プリンタケース１は中央において互いに組付けら
れた上ケース２と下ケース３とよりなり、その内部の一
側には印字機構ユニット４が、他側にはトラクタ手段を
構成するトラクタユニット５がそれぞれ収容されてい
る。印字機構ユニット４のユニットフレーム６は左右一
対の側板７間に１本の中空状の架設バー８と２本の丸棒
状のガイドバー９，１０とを架設して枠組構成され、そ
のガイドバー９，１０の上方において両側板７間には円
柱状のプラテン１１が回転可能に支持されている。

キャリッジ１２は前記ガイドバー９，１０に左右方向へ
移動可能に支持され、その上部にはプラテン１１に斜め
下方から対向するように印字ヘッド１３が載置されてい
る。リボンカセット１４は印字ユニットフレーム６の両
側板７間に配置され、その内部から引出されたインクリ
ボン１５の一部がプラテン１１上の印字ヘッド１３との
対向位置即ち印字位置に沿って移送される。そして、前
記キャリッジ１２が左右方向に移動されながら、印字ヘ
ッド１３によりプラテン１１上の印字位置で印字用紙に
対しインクリボン１５を介して印字が行われる。

各一対の送りローラ１６，１７，１８，１９はプラテン
１１上の印字位置のほぼ接線方向において前記印字位置
の用紙送り方向の前後にそれぞれ配置され、図示しない
モータ等の駆動源により歯車機構を介してプラテン１１
と共に用紙送り方向へ回転されて、印字用紙を挾持しな
がら移送させるようになっている。通路形成部材２０と
ガイド部材２８はプラテン１１の前記接線をほぼ挾むよ
うに配置され、この通路形成部材２０とガイド部材２８
と前記各送りローラ１６〜１９とによって印字位置を通
る用紙案内通路２１が形成されている。又、この用紙案
内通路２１は、ほぼ平坦でかつ印字位置への導入側が排
出側よりも下に位置する傾斜状態になっている。

前記トラクタユニット５は、左右方向へ平行に延びるガ
イド軸２２及び伝達軸２３と、両軸２２，２３に用紙の
幅方向へ移動調節可能に支持された左右一対のピントラ
クタ２４とより構成され、このピントラクタ２４の上面
が前記用紙案内通路２１よりも用紙送り方向上流側にお
いて同通路とほぼ同一平面内に傾斜状態に配置されてい
る。尚、このピントラクタ２４は、通常の同種の装置と
同様に、両軸２２，２３に支持された一対のプーリにピ
ン付きベルトを掛けわたした構造である。そして、両ピ
ントラクタ２４のピンには連続印字用紙の両側に設けら
れた送り孔が嵌合され、この状態で伝達軸２３が前記送
りローラ１６〜１９の駆動源に連結されてピントラクタ
２４が回転されることにより、連続印字用紙が用紙案内
通路２１内に導入案内される。

案内手段を構成する手差し案内板２５は前記トラクタユ
ニット５の上方において印字ユニットフレーム６の両側
板７間に支持され、その上面にはほぼ水平に延びると共
に前記用紙案内通路２１に対して所定角度で交差する案
内面２６が形成されている。そして、この案内板２５の
案内面２６に沿って単票の印字用紙が手操作にて用紙案
内通路２１内に導入案内される。左右一対の側案内板２
７は案内板２５上に紙送り方向と直交する方向へ移動可
能に取付けられ、前記印字用紙の両側縁がこの側案内板
２７との係合によって案内規制される。

次に、前記手差し案内板２５の上方に近接してプリンタ
ケース１上に着脱可能に挿着される用紙供給装置につい
て説明する。

第１図〜第３図に示すように、偏平箱状をなす装置フレ
ーム３１は、左右一対の側フレーム部３２と両側フレー
ム部３２間の底部に架設された前後一対の架設部材３
３，３４とにより枠組構成されている。第一及び第二の
用紙収容部を構成する２個のスタッカ３５，３６は装置
フレーム３１の架設部材３３，３４上に傾斜状態で支持
され、この両スタッカ３５，３６には大きさ等の異なる
単票の印字用紙がそれぞれ積層収容される。

図示しない駆動モータにより回転される前方の駆動軸３
７は前方側の第一のスタッカ３５に対応して装置フレー
ム３１の両側フレーム部３２間に水平に延長支持され、
この駆動軸３７には左右一対の送給ローラ３８が一体回
転可能に挿嵌支持されている。そして、第一のスタッカ
３５に積層収容された印字用紙はばね等の手段により送
給ローラ３８に向けて押上げ付勢され、この送給ローラ
３８の回転に伴い最上位置の印字用紙から順次送出され
て、装置フレーム３１の底部に設けられた開口３９を通
ってプリンタの用紙案内通路２１に供給される。

図示しない駆動モータにより回転される後方の駆動軸４
０は後方側の第二のスタッカ３６に対応して装置フレー
ム３１の両側フレーム部３２間に水平に延長支持され、
この駆動軸４０には左右一対の送給部体４１が挿嵌支持
されている。各送給部体４１は支持枠４２及びその支持
枠４２上に用紙送出方向へ離間して支持された一対の送
給ローラ４３，４４とから構成され、用紙送出向上上流
側の送給ローラ４３には第二のスタッカ３６に積層収容
された印字用紙がばね等の手段により押付けられ、下流
側の送給ローラ４４の下面には装置フレーム３１の両フ
レーム部３２間で水平に延びる棒状の従動ローラ４５が
ばね等の手段により圧接されている。そして、駆動軸４
０の回転に伴い両送給ローラ４３，４４が歯車４６，４
７，４８を介して連動回転され、上流側の送給ローラ４
３により第二のスタッカ３６の印字用紙が最上位置にも
のから順次送出されると共に、その送出された印字用紙
が下流側の送給ローラ４４と従動ローラ４５との協働に
より、装置フレーム３１と底部に設けられた開口４９を
通りプリンタ側の手差し案内板２５の案内面２６上を経
て用紙案内通路２１に供給される。

次に、前記第二のスタッカ３６側の送給部体４１及びそ
の関連構成について詳述すると、第１図〜第３図に示す
ように、送給部体４１の支持枠４２は平面形ほぼＵ字状
に形成され、その両側壁の先端において駆動軸４０に回
動可能に且つ用紙の幅方向へ移動可能に支持されてい
る。前記上流側の送給ローラ４３は支持枠４２の両側壁
間に回転可能に支持され、駆動軸４０の回転が歯車４６
〜４８を介して上流側送給ローラ４３に伝達されるよう
になっている。一方、前記下流側の送給ローラ４４は、
支持枠４２の両側壁間において駆動軸４０にクラッチを
介して支持されており、駆動軸４０が第１図の時計方向
へ回転している時はその回転に伴って同図の時計方向へ
回転し、駆動軸４０が停止している時は、時計方向への
み空回りするようになっている。

そして、前記支持枠４２は自重により駆動軸４０を中心
にして第１図の時計方向に回動され、常には上流側送給
ローラ４３が第二のスタッカ３６上の印字用紙に接触さ
れている。尚、支持枠４２の後方にはストッパ５１が突
設され、第二のスタッカ３６上への印字用紙の装填時等
において、このストッパ５１が装置フレーム３１の両側
フレーム部３２間に架設されたロッド５２に係合して、
支持枠４２が所定位置を越えて大きく回動されるのを防
止している。又、前記のように下流側送給ローラ４４の
外周下面には従動ローラ４５がばね等の手段により圧接
された状態にある。

この構成により、駆動軸４０が第１図の時計方向に回転
すると下流側の送給ローラ４４が時計方向に回転すると
共に歯車４６〜４８を介して上流側の送給ローラ４３が
時計方向へ回転する。この送給ローラ４３の回転に伴い
第二のスタッカ３６の積層された用紙の最上位置の用紙
が下流側の送給ローラ４４に向かって送出される。下流
側の送給ローラ４４も時計方向へ回転しているので、こ
の回転に伴い第二のスタッカ３６から送出された用紙
は、前記開口４９を通ってプリンタの用紙案内通路２１
に位置する一対の送りローラ１６，１７の当接部分にそ
の先端が到達するまで送り込まれる。用紙の先端が前記
送りローラ１６，１７の当接部分に到達した状態から駆
動軸４０の回転が停止して送りローラ１６，１７の回転
が始まり、用紙がプラテン１１上の印字位置に向かって
送り出される。この時、用紙の後端付近がまた各送給ロ
ーラ４３，４４に当接していると、プリンタの送りロー
ラ１６，１７により引出される用紙に伴って前記クラッ
チの作用により駆動軸４０が回転することなく下流側の
送給ローラ４４のみが空回りする。このことにより上流
側の送給ローラ４３は回転しないので、最上位置の用紙
に続いて２枚目の用紙が送り出されることがない。

また、この第二のスタッカ３６に、カーボン紙を含む複
数枚の用紙を積層した状態で一端縁に沿って互いに貼付
けてなる単票の綴り用紙を積層収容して一部ずつ送出す
場合において、上流側の送給ローラ４３の回転に伴い綴
り用紙の最上位置の用紙のみにループが形成された状態
で第二のスタッカ３６から送出されても、下流側の送給
ローラ４４と従動ローラ４５との間において、その送給
ローラ４４の回転による用紙送出し側での積極的な引出
し作用にてループの拡大が押えられる。そのために、綴
り用紙は用紙送給路内で紙詰りを生じることなく、プリ
ンタの用紙案内通路２１を通ってプラテン１１上の印字
位置へ円滑に送り込まれる。

さらに、上流側の送給ローラ４３だけでは用紙の先端が
プリンタの送りローラ１６，１７の当接部分に到達する
まで送り出せないような長さの短い用紙も、下流側の送
給ローラ４４によって先端が前記当接部分に到達するま
で送り出すことができる。

更に又、第二のスタッカ３６に収容される用紙の幅に合
わせて支持枠４２を用紙幅方向に移動させることにより
両送給ローラ４３，４４が同時に用紙幅方向に移動さ
れ、そして下流側の送給ローラ４４が任意の位置で棒状
の従動ローラ４５と接触するため、種々の幅の用紙に容
易に対応することができる。

なお、この考案は前記実施例の構成に限定されるもので
はなく、この考案の趣旨から逸脱しない範囲で各部の構
成を任意に変更して具体化することも可能である。

考案の効果 以上詳述したようにこの考案によれば、カーボン紙を含
む複数枚の用紙を積層した状態で一端縁に沿って互いに
貼付けてなる単票の綴り用紙を送出す場合に、第一の送
給ローラの回転に伴い綴り用紙の最上位置の用紙に形成
されるループが、第二の送給ローラと従動ローラとの間
においてその第二の送給ローラの回転による用紙送出し
側での積極的な引出し作用にて押えられ、用紙送給路内
で紙詰りが生じるおそれを確実に防止することができる
という優れた効果を奏する。

また、送給方向に対する長さの短い用紙も第一の送給ロ
ーラにより送出された後、更に第二の送給ローラにより
送出することで用紙の先端がプリンタ内の送給手段に到
達することができる。故に長さに限定されることなく種
々の用紙が送給できるという優れた効果も奏する。

更に、収容部に収容される用紙の幅に合わせて支持枠を
用紙幅方向に移動させることにより第一及び第二の両送
給ローラが同時に用紙幅方向に移動され、そして第二の
送給ローラが任意の位置で棒状の従動ローラと接触され
るため、種々の幅の用紙に容易に対応することができる
という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化したプリンタの一実施例を示
す要部縦断面図、第２図は用紙供給装置の第二のスタッ
カ部分を示す縮小平面図、第３図は第二のスタッカ上の
送給部体の構成を拡大して示す部分斜視図である。 ３６…収容部としての第二のスタッカ、４３，４４…送
給ローラ、４５…従動ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリンタに装着されると共に、単票の印字
   用紙を積層収容する収容部（３６）を備え、その収容部
   （３６）内の印字用紙をプリンタの印字位置へ一部ずつ
   供給するようにした用紙供給装置において、 収容部（３６）内の印字用紙を一部ずつ収容部から送出
   する第一の送給ローラ（４３）と、収容部（３６）から
   用紙送出方向へ離間した位置にて収容部（３６）から送
   出された印字用紙を印字位置へ送給する第二の送給ロー
   ラ（４４）とをそれぞれ支持枠（４２）により支持し、
   該支持枠（４２）を一対のフレーム部（３２）間に支持
   された軸（４０）に回動可能かつ用紙幅方向へ移動可能
   に設け、前記第二の送給ローラ（４４）に圧接される従
   動ローラ（４５）を前記両フレーム部（３２）間で水平
   に延びる棒状に形成し、前記第二の送給ローラ（４４）
   をその用紙幅方向における任意の位置で常に前記従動ロ
   ーラ（４５）と接触可能としたことを特徴とするプリン
   タの用紙供給装置。