JPH0629306Y2 - 天井ボ−ド取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば和室の天井に取り付ける天井ボード取
付け構造に関し、特に天井ボードを天井野縁Ｎに取付け
るためのクリップに関するものである。

〔従来の技術〕 一般に、例えば和室の天井は、木目模様を有する如く表
面処理された天井ボードを野縁及び野縁受けを用いて天
井スラブ側に取付けて構成される。

従来、上記目地板近辺の構造は、第５図及び第６図に示
すように一枚のボード２の後部（一方のボード３側端
部）の裏面に、長手状の取付板６を固定しておき、この
取付板６と、上記ボード２の後部裏側Ｔとの間のスリッ
ト５に固定子７の挿入片７ａを差込んで、固定子７を天
井野縁Ｎにねじ止めしてボード２を保持した後、ボード
２の裏側後部に、ボード３の裏面前部に設けた受け板４
を載せるようにボード３をセットする。この場合、ボー
ド２，３間には、一定の間隔１が形成される。

ここであらかじめ固定子７の水平片７ｃの一部を下方に
切起して設けた弾性片Ｓにより上記受け板４はボード２
方向に押圧される。なお、受け板４は一方のボード３前
部の裏側に、他方のボード２方向に突出する如くあらか
じめ固定されており、上記弾性片Ｓでこの受け板４を押
えることにより受け板４と他方のボード２の後部裏面と
を密接状態に保つことができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記固定子７は高価なばね鋼板を加工すること
により形成するためにコスト高となる上、受け板４に十
分に天井野縁Ｎ側に近接させて保持できず天井を高くす
ることができないという欠点があった。

また、全ての固定子７を野縁に対しねじ止めせねばなら
ぬため施工の手間が大変であった。

本考案は上記問題に鑑みなされたもので、その目的は受
け板４を十分に天井野縁Ｎ側に密接させて保持すること
により、天井を高くすることができると共に、ねじどめ
の手間を排除した天井ボード取付け構造を安価に提供す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

天井ボード２，３を天井野縁Ｎに取付けるクリップ２０
として、天井野縁Ｎの上面に当接し、天井野縁Ｎと直角
方向に延長する水平片２０ａと、この水平片２０ａの両
端から下方向に折曲されて天井野縁Ｎの側面に対向する
立下り片２０ｂ，２０ｂと、この立下り片２０ｂ，２０
ｂの側縁より、立下り片２０ｂ，２０ｂに対し直角方向
に折曲された保持片２０ｃ，２０ｃと、この保持片２０
ｃ，２０ｃの下端より直角方向に折曲されて成り、上記
スリット５に挿入されて、上記取付板６の上面を上記天
井野縁Ｎの下面に密接させた状態に保持する舌片２０
ｄ，２０ｄとより成ることを特徴とする。

［作用］ 舌片２０ｄ，２０ｄがスリット５に係止することで、取
付板６の上面が天井野縁Ｎの下面に密接状態となり、天
井ボード２，３は天井野縁Ｎの下面に近接した状態に保
持される。

〔実施例〕

第１図ないし第４図は本考案による天井ボード取付け構
造の一実施例を示す簡略構成図であり、第５図，第６図
と同じものは同一符号を用いている。各図において２０
は前記取付板６を保持して天井野縁Ｎに取付けるクリッ
プであり、 当該クリップ２０は、天井野縁Ｎの上面に当接し、天井
野縁Ｎと直角方向に延長する水平片２０ａと、この水平
片２０ａの両端から下方向に折曲されて天井野縁Ｎの側
面に対向する立下り片２０ｂ，２０ｂと、この立下り片
２０ｂ，２０ｂの上記スリット５側の側縁２０ｇより、
立下り片２０ｂ，２０ｂに対し直角方向に折曲された保
持片２０ｃ，２０ｃと、この保持片２０ｃ，２０ｃの下
端より直角方向に折曲されて上記スリット５に嵌入され
る舌片２０ｄ，２０ｄとより成る。

上記水平片２０ａと立下り片２０ｂ，２０ｂとは、１枚
の板をほぼ逆Ｕ字状に変形して形成されて、逆Ｕ字片を
構成する。立下り片２０ｂ，２０ｂは、スリット５とは
反対側の側縁２０ｅが、水平片２０ａの同方向の側縁２
０ｆと位置関係が一致しており、かつ水平片２０ａの幅
Ｗ1/2程度の幅に成形され、保持片２０ｃ，２０ｃは、
水平片２０ａの幅Ｗの中央位置ｌに対応して設けられ
る。なお、立下り片２０ｂ，２０ｂは、保持片２０ｃの
上端から水平片２０ａのスリット５側の側縁２０ｈに向
って切欠かれた傾斜部を有する。

なお、クリップ２０は、天井野縁Ｎに取付け前は、第３
図に示すように、水平片２０ａと立下り片２０ｂとのな
す角度αが９０度より若干大きな角度となっており、当
該クリップ２０を天井野縁Ｎをまたぐようにしてぶら下
げた後、立下り片２０ｂ，２０ｂを指でつまんで第４図
の矢印Ａに示すようにその間隔をせばめて、その舌片２
０ｄ，２０ｄをスリット５に挿入してから解放する。

これにより立下り片２０ｂ，２０ｂが第３図に示すよう
にもとの状態に開く。これにより舌片２０ｄ，２０ｄが
上方向に移動するので、取付板６が持ち上げられて取付
板６の上面が野縁Ｎの舌面に密着し、ボード２，３は野
縁Ｎの下面に近接した状態に保持される。従って天井を
高くできる。

受け板４の先端の上側は切除されて、これにより尖鋭形
態となっており、天井ボード２と野縁Ｎと下面との間隙
ｇに差し込み易くなっている。

以下組立方法につき説明すると、まず、クリップ２０を
天井野縁Ｎにかぶせるように装着した後、クリップ２０
の立下り片２０ｂ，２０ｂをつまんで互いに天井野縁Ｎ
の側部側に近接させた状態で、舌片２０ｄ，２０ｄをス
リット５に差し込んでから指を離す。この時、立下り片
２０ｂ、２０ｂがもとの傾斜方向にたわみ、このたわみ
力によって固定子取付板６のスリット５の上面側が舌片
２０ｄ，２０ｄで持ち上げられるので、取付板６の上面
が天井野縁Ｎの下面に密接する。こお場合、上記たわみ
力によってボードの厚さの寸法誤差を吸収できる。つい
で、受け板４側を天井ボード２の後端と天井野縁Ｎとの
間に挿入することにより天井ボード３の取付けが完了す
る。

天井ボード３の後端には以上と同一の構成により他の隣
接する天井ボードが取付けられる。

なお、天井ボード２，３は接触状態を保って配設しても
よい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、天井ボードを天井
野縁Ｎに取付けるクリップ２０として、 天井野縁Ｎの上面に当接し、天井野縁Ｎと直角方向に延
長する水平片２０ａと、この水平片２０ａの両端から下
方向に折曲されて天井野縁Ｎの側面に対向する立下り片
２０ｂ，２０ｂと、この立下り片２０ｂ，２０ｂの側縁
より、立下り片２０ｂ，２０ｂに対し直角方向に折曲さ
れた保持片２０ｃ，２０ｃと、この保持片２０ｃ，２０
ｃの下端より直角方向に折曲されて成り、上記スリット
５に挿入されて、上記取付板６の上面を上記天井野縁Ｎ
の下面に密接させた状態に保持する舌片２０ｄ，２０ｄ
とより構成したので、天井ボードを天井野縁Ｎの下面に
近接した状態に保持でき、天井を高くできるとともに、
ねじ止めの手間を排除できる。しかも野縁Ｎの上面に水
平片２０ａが載置されて水平を保って載置されるので、
立下り片２０ｂ，２０ｂが垂直な状態で下方に延長する
ことになり、スリット５に舌片２０ｄ，２０ｄがしっか
りと装着される。また、ばね鋼板を用いてクリップ２０
を形成する必要がないので、低コスト化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案による天井ボード取付構造
の一実施例を示す正面図，側面図及び要部斜視図、第５
図，第６図は従来の天井ボード取付構造の一例を示す要
部断面図及び平面図である。 ２，３……天井ボード、４……受け板、 ６……取付板、２０……クリップ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一定の間隙１を隔てて又は接触状態を保っ
   て天井野縁Ｎと直角方向に延長される天井ボード２，３
   と、上記２枚の天井ボード２，３間をまたぐように上記
   天井ボード２，３の裏側に位置されかつ一方の天井ボー
   ド３に固定される受け板４と、他方の天井ボード２の裏
   面に固定されかつ上記受け板４側に、水平方向に延長す
   るスリット５を有する取付板６と、この取付板６を保持
   して上記天井野縁Ｎに取付けるクリップ２０を有し、当
   該クリップ２０は、天井野縁Ｎの上面に当接し、天井野
   縁Ｎと直角方向に延長する水平片２０ａと、この水平片
   ２０ａの両端から下方向に折曲されて天井野縁Ｎの側面
   に対向する立下り片２０ｂ，２０ｂと、この立下り片２
   ０ｂ，２０ｂの側縁より、立下り片２０ｂ，２０ｂに対
   し直角方向に折曲された保持片２０ｃ，２０ｃと、この
   保持片２０ｃ，２０ｃの下端より直角方向に折曲されて
   成り、上記スリット５に挿入されて、上記取付板６の上
   面を上記天井野縁Ｎの下面に密接させた状態に保持する
   舌片２０ｄ，２０ｄとより成ることを特徴とする天井ボ
   ード取付け構造。
2. 【請求項２】保持片２０ｃは、水平片２０ａの幅Ｗの中
   央位置にほぼ対応する位置に設けられていることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の天井ボー
   ド取付け構造。