JPH06287232A - N−ビニルホルムアミド重合体の製造方法 - Google Patents
N−ビニルホルムアミド重合体の製造方法Info
- Publication number
- JPH06287232A JPH06287232A JP7380793A JP7380793A JPH06287232A JP H06287232 A JPH06287232 A JP H06287232A JP 7380793 A JP7380793 A JP 7380793A JP 7380793 A JP7380793 A JP 7380793A JP H06287232 A JPH06287232 A JP H06287232A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- formamide
- vinylformamide
- alkoxyethyl
- acetaldehyde
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
得る。 【構成】 アセトアルデヒドとホルムアミドを塩基性
触媒の存在下、反応させてN−(α−ヒドロキシエチ
ル)ホルムアミド(A)を得る第1工程、前記第1工
程で得られたAを酸性触媒の存在下、第1級あるいは第
2級アルコールと反応させN−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミド(B)を得る第2工程、前記第2工
程で得られたBを気相で加熱して脱アルコール反応させ
てN−ビニルホルムアミド(C)を得る第3工程、前
記第3工程で得られたCをラジカル開始剤の存在下、重
合させてCの重合体を得る第4工程、を包含するCの重
合体の製造方法において、上記第3工程の反応原料であ
るB中のアセトアルデヒド及びその誘導体の含有量を
3.0重量%以下に調整する。
Description
ホルムアミド重合体を製造する方法に関する。
剤、紙用薬剤の原料等、種々の用途に利用することがで
きる。このN−ビニルホルムアミド重合体を得るために
は、前提としてモノマー原料であるN−ビニルホルムア
ミドを効率よく製造できることが必要である。N−ビニ
ルホルムアミドの最も好適な製造方法として、アセトア
ルデヒドとホルムアミドを反応させてN−(α−ヒドロ
キシエチル)ホルムアミドとし、これをアルコキシ化さ
せてN−(α−アルコキシエチル)ホルムアミドとし、
更に熱分解により脱アルコール化させてN−ビニルホル
ムアミドとする方法がある。そして、該方法で得たN−
ビニルホルムアミドを用いて重合体を製造する方法が知
られている(特開昭61−97309)。
ムアミドを重合する場合において、N−ビニルホルムア
ミド中の不純物、分解物の影響のため、高分子量の重合
体が安定に得られにくいという問題があった。そのた
め、N−ビニルホルムアミドを特定の方法で蒸留精製す
る方法(特開昭62−19352、特開昭63−190
862など)がいくつか提案されているが、N−ビニル
ホルムアミドの蒸留精製中での熱分解ロスの問題や、プ
ロセス上煩雑となるなどの問題があった。
に鑑み高分子量のN−ビニルホルムアミド重合体を得る
ための合理的プロセスについて種々検討を重ねた結果、
N−ビニルホルムアミドの中間体であるN−(α−アル
コキシエチル)ホルムアミド中に含まれる特定の不純物
を低減できれば、後の重合工程において高分子量のN−
ビニルホルムアミド重合体が安定に製造することができ
ることを見い出し、本発明に到達した。
下、反応させてN−(α−ヒドロキシエチル)ホルムア
ミドを得る第1工程、 前記第1工程で得られたN−(α−ヒドロキシエチ
ル)ホルムアミドを酸性触媒の存在下、第1級あるいは
第2級アルコールと反応させN−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミドを得る第2工程、 前記第2工程で得られたN−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミドを気相で加熱して脱アルコール反応さ
せてN−ビニルホルムアミドを得る第3工程、 前記第3工程で得られたN−ビニルホルムアミドをラ
ジカル開始剤の存在下、重合させてN−ビニルホルムア
ミド重合体を得る第4工程、 を包含するN−ビニルホルムアミド重合体の製造方法に
おいて、上記第3工程の反応原料であるN−(α−アル
コキシエチル)ホルムアミド中のアセトアルデヒド及び
その誘導体の含有量を3.0重量%以下に調整すること
を特徴とするN−ビニルホルムアミド重合体の製造方法
に存する。
発明のN−ビニルホルムアミド重合体の製造方法は以下
に示すように4つの工程から成る。本発明の第1工程
は、アセトアルデヒドとホルムアミドを塩基性触媒の存
在下、反応させてN−(α−ヒドロキシエチル)ホルム
アミドを得る工程である。この塩基性触媒としては、一
般的な塩基性化合物であれば特に制限はないが、好まし
くは強塩基とpKa値が4〜15の弱酸からなる弱塩基
性塩であり、具体的には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナト
リウム、リン酸カリウム、リン酸水素−カリウム、ピロ
リンル酸ナトリウム等が例示される。
の触媒となる弱塩基性塩の使用割合は、ホルムアミドに
対し通常は、0.01〜10モル%の範囲から適宜選択
される。ホルムアミドとアセトアルデヒドとの反応温度
は、−10〜100℃の広い範囲から選択し得るが、ア
セトアルデヒドの選択率の観点から0〜40℃の範囲と
するのが好ましい。また、反応原料であるホルムアミド
とアセトアルデヒドとの使用割合は、通常、1:1.0
〜5.0(モル比)の範囲から選択される。なお、ホル
ムアミド、アセトアルデヒドは通常、市販品をそのまま
使用することができるが、予め蒸留精製することによ
り、アセトアルデヒド中の酢酸含量を300重量ppm
以下、また、ホルムアミド中のジホルムアミドを100
0重量ppm以下、ギ酸を100重量ppm以下とした
ものを用いることが反応収率を高く維持するなどの観点
から好ましい。
ことも可能であるが、通常、溶媒を用い、反応後あるい
は、反応の途中の段階で生成物のN−(α−ヒドロキシ
エチル)ホルムアミドの結晶を析出させる方法が一般的
である。溶媒としては、具体的にはヘキサン、ヘプタン
等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素が挙げられる。溶媒の使用量は、通
常、ホルムアミドに対して0.2〜2重量倍の範囲から
適宜選択される。
れたN−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドを酸触
媒の存在下、第1級あるいは第2級アルコールと反応さ
せてN−(α−アルコキシエチル)ホルムアミドを得る
工程である。第1工程で結晶として得られるN−(α−
ヒドロキシエチル)ホルムアミドは、一般に吸湿性が高
く、熱的安定性に欠けるので、第1工程の後、単離する
ことなく、この第2工程においてアルコールと反応させ
ることが好ましい。なお、第1工程での溶媒は分離して
もよいし、そのまま第2工程の溶媒の一部として使用し
てもよい。
ドとの反応に用いられるアルコールとしては、第1級又
は第2級のアルコールが用いられるが、反応性と、N−
(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドとの溶解性の面
から特に好ましいアルコールとしては、炭素原子数1〜
4の1価の1級アルコールであり、例えばメタノール、
エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソ
ブチルアルコールなどである。
ドに対するアルコールの使用量は任意に定めることがで
きるが、N−(αーヒドロキシエチル)ホルムアミドが
熱的に不安定な化合物であり反応後の回収が困難なため
アルコールを等モル以上に用いることが好ましく、通常
1.0〜30倍モルのアルコールが使用される。N−
(αーヒドロキシエチル)ホルムアミドとアルコールと
の反応に用いられる触媒としては、一般的な酸触媒のい
ずれもが使用することができる。鉱酸、有機酸、弱酸及
び強酸性を示すイオン交換樹脂、固体酸触媒などであ
る。好ましくは酸触媒の例としては硫酸、塩酸、硝酸、
スルフアミン酸、メタンスルホン酸、架橋ポリスチレン
スルホン酸などが挙げられる。酸触媒の使用量はN−
(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドに対し0.00
1〜10モル%の範囲である。
ドとアルコールとの反応は両者の混合物に酸触媒を添加
するか、接触させることにより容易に達成される。反応
温度は反応性とN−(α−ヒドロキシエチル)ホルムア
ミドの安定性の面から、通常、−10〜60℃、好まし
くは0〜40℃の範囲である。反応生成物のN−(α−
アルコキシエチル)ホルムアミドは酸触媒を中和または
分離したのち、濃縮、蒸留などの方法で単離することが
できる。
程と、後述の第3工程、第4工程が一体となってなしう
るものであるが、本発明において最も重要なポイント
は、第2工程で得られ、第3工程の反応原料となるN−
(α−アルコキシエチル)ホルムアミド中のアセトアル
デヒド及びその誘導体の含有量を3.0重量%以下、好
ましくは2.0重量%以下、更に好ましくは1.0重量
%以下に調整する点にある。
セトアルデヒドがアルドール縮合して生成したアルドー
ルを経由する不純物であって、ガスクロマトグラフィー
による分析法により、3−ヒドロキシブタナール、クロ
トンアルデヒド、2,4−ヘキサジエナール、オクタト
リエナール、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメ
トキシ−3−ヒドロキシブタン(アセトアルデヒドのジ
メチルアセタール)、3−メトキシブタナールの各々を
定量することができ、アセトアルデヒドとその誘導体の
総量が容易に分析することができる。
多い含有量のN−(α−アルコキシエチル)ホルムアミ
ドを用いて、後述の第3工程の熱分解反応を行った場
合、生成したN−ビニルホルムアミドを重合させても、
分子量の高い重合体を得ることが非常に困難になる。こ
の原因としては、アセトアルデヒド及びその誘導体が、
比較的フリーラジカルとの反応性が高いため、N−ビニ
ルホルムアミドの重合時における重合阻害要因として作
用するためと考えられる。
ち、N−(α−アルコキシエチル)ホルムアミド中に、
通常、比較的多く含有する化合物としては、3−ヒドロ
キシブタナール、クロトンアルデヒド、1,1−ジメト
キシ−3−ヒドロキシブタンが例示され、各々が0.5
重量%以下に調整することが好ましく、また、ヘキサジ
エナールについては、特に重合疎害効果が大きいので、
0.05重量%以下に調整することが好ましい。
ド中のアセトアルデヒド及びその誘導体を減少させる方
法としては、第1にN−(α−アルコキシエチル)ホル
ムアミドの製造時に該物質の生成の少ない条件を選択す
る方法、第2にN−(α−アルコキシエチル)ホルムア
ミドを効率よく精製する方法、の2つが考えられる。第
1の方法は、第1工程と第2工程での反応条件を適宜最
適条件に設定するものであり、一義的に決定されるもの
ではないが、例えば、第1工程において炭酸ナトリウム
等の弱塩基性塩を触媒として用いる場合、触媒量とし
て、ホルムアミドに対して0.1〜0.4モル%である
ことが好ましい。そして、反応原料のアセトアルデヒド
やホルムアミド中に、酸成分として酢酸、ギ酸、ジホル
ムアミド(ジホルムアミドも弱い酸として働いていると
推定される)などがある程度含まれているような場合
は、これらの酸成分の中和分を見込んで、触媒量を上記
の量より若干多くすることが好ましい。触媒量が上記の
範囲に満たないと反応速度が低下するので好ましくな
く、逆に多すぎると、アセトアルデヒド間での副反応が
進み、アセトアルデヒド誘導体の量が増加するので好ま
しくない。
シエチル)ホルムアミドが比較的安定な化合物であるこ
とから、アルコキシ化後の反応液中のアルコール、水な
どの軽沸分を初めに除去し、次いで、精密蒸留を行うこ
とによりアセトアルデヒド及びその誘導体をできるだけ
除去する方法である。精密蒸留の条件としては、例え
ば、理論段数2〜30程度の蒸留塔を用い、通常、塔頂
圧力を2〜30mmHg、塔頂温度を60〜100℃程
度に設定する。
はどちらか一方だけというのではなく、両方法を適宜併
用してプロセスを組み立てることが好ましい。次に、本
発明の第3工程は、上記のような方法でアセトアルデヒ
ド及びその誘導体の含有量を少なくしたN−(α−アル
コキシエチル)ホルムアミドを気相で加熱して脱アルコ
ール反応させてN−ビニルホルムアミドを得る工程であ
る。
ドを気化する方法としては不活性ガス気流下加熱する方
法、50〜250mmHg程度に減圧して加熱する方
法、不活性ガス存在下に減圧下で加熱する方法などを用
いることができる。気化させる温度は通常100〜50
0℃で実施される。脱アルコール反応は、通常250〜
600℃好ましくは350〜500℃である。N−(α
−アルコキシエチル)ホルムアミドを気相で加熱する方
法としては例えばガラス、石英、金属などを充填した加
熱炉に気体を通じ接触させる方法、加熱した不活性ガス
と接触させる方法などが挙げられる。気体の滞留時間は
0.01〜20秒で行うことが好ましい。
チル)ホルムアミドの熱分解反応により得られるN−ビ
ニルホルムアミドを含む混合液は、前述のように最も重
合活性を低下させる要因となるアセトアルデヒド由来の
不純物量を調整されているので、このまま、第4工程の
重合に供しても良いが、例えば、塔を用いない簡単な蒸
留によって、沸点の離れた軽沸のアルコールと高沸のN
−ビニルホルムアミドの重合、縮合物を除くことが、よ
り好ましい。このN−ビニルホルムアミドの蒸留方法と
しては、具体的には蒸発器を用い、一度、蒸発させた留
分を直接凝縮器に導き凝縮する形式が好ましい。即ち、
該形式では還流工程がないので蒸留装置内での熱履歴が
小さく、N−ビニルホルムアミドの分解ロスが非常に少
ない。蒸留は回分であっても連続であっても良く、ま
た、軽沸を分離した後、高沸を分離する形式が好まし
い。蒸発器の形式としては直立管流下膜型、縦あるいは
横型のかきとり式強制薄膜型、遠心薄膜型、強制循環
型、上昇薄膜型、自然循環型、ロータリーエバポレータ
ーなどが例示されるが、この範囲に限定されるものでは
ない。
アミド中には沸点の比較的近い不純物であるホルムアミ
ド、N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミド、N−
(α−アルコキシエチル)ホルムアミドおよびアセトア
ルデヒド誘導体が混入することとなるが、アセトアルデ
ヒド誘導体は重合に影響を与えない量に制限され、具体
的には、N−ビニルホルムアミド中のアセトアルデヒド
及びその誘導体の含有量は、N−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミド中での含有量に対し、通常、同等量か
ら1/2程度の量となる。さらに、N−ビニルホルムア
ミド中のホルムアミド、N−(α−ヒドロキシエチル)
ホルムアミド、N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
ミドはアルデヒド誘導体に比べれば重合反応に与える影
響が軽微であるため、このN−ビニルホルムアミドはこ
れ以上の精密蒸留などの精製処理を施すことなく重合反
応に使用することができる。
ムアミドは、常法に従って、第4工程の重合工程に供さ
れる。重合原料はN−ビニルホルムアミド単独の場合の
他、他のラジカル重合性のモノマーとの共重合であって
もよい。他のラジカル重合性モノマーとしては(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニ
ル、N,N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、およびその4級化物などが用いられる。
る溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法によって行う
ことができる。重合反応は一般的に不活性ガス気流下、
通常30〜100℃の温度条件下で行われる。溶液重合
としては水を溶媒に用い、通常、単量体濃度5〜30%
の水溶液で重合するが懸濁重合としては、通常、単量体
濃度20〜80重量%の水溶液を疎水性の溶媒と分散安
定剤を用いて油中水の分散状態で重合する。乳化重合と
しては、通常、単量体濃度20〜80重量%の水溶液を
疎水性の溶媒と乳化剤を用いて水中油型または油中水型
の乳化状態で重合する。
用いられるが、アゾ開始剤が好ましい。特に好ましい開
始剤としては2,2′−アゾビス−4−アミジノプロパ
ンの塩酸塩および酢酸塩、4,4′−アゾビス−4−シ
アノ吉草酸のナトリウム塩、アゾビス−N,N′−ジメ
チレニソブチルアミジンの塩酸塩および硫酸塩が挙げら
れる。これら重合開始剤の使用量は単量体の重量に対し
て、通常、0.01〜1重量%である。
明するが、本発明はその趣旨を越えないかぎり本発明に
限定されるものではない。 ’(各成分の定量方法)ホルムアミド、N−(α−ヒド
ロキシエチル)ホルムアミド、N−(α−アルコキシエ
チル)ホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、ギ酸、
酢酸、ジホルムアミドは液体クロマトグラフィーを用い
て定量した。メタノール、アセトアルデヒド及びアセト
アルデヒド誘導体はガスクロマトグラフィーを用いて定
量した。
成(第1工程) 攪拌器および温度調節器を有する2リットルガラス製反
応器にトルエン600gを仕込み、窒素ガスで脱気した
後、酢酸含有量が50重量ppmであるアセトアルデヒ
ド235gを加え、攪拌下20℃の温度に保持した。次
に、ジホルムアミドの含有量が500重量ppm、ギ酸
含有量が10重量ppm以下であるホルムアミド200
gに炭酸カリウム0.98g(対ホルムアミド0.16
モル%)を溶解させたホルムアミド溶液を調製し、該溶
液の20%を30分かけて加えた。その後30分熟成し
た後、N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドの結
晶0.5gを加え、N−(α−ヒドロキシエチル)ホル
ムアミドを析出させた。この操作を実施後、さらに30
分熟成させた。次に、残りのホルムアミド溶液を2.5
時間かけて加えた後、1時間熟成を行った。この反応ス
ラリーよりトルエン相の大部分をろ過分離し、N−(α
−ヒドロキシエチル)ホルムアミドの結晶を得た。
アミドの合成(第2工程) 次に、硫酸3.5gを含むメタノール430gを加え、
攪拌下20℃で1時間、アルコキシ化反応を行った。反
応後、25%カセイソーダを加えて中和し、析出した塩
を濾過により分離した後、ロータリーエバポレーターを
用いて60℃、50mmHgの減圧下にてメタノールを
主とする軽沸分を分離した。続いて蒸留塔を用いて塔頂
圧力3mmHg、塔頂温度60〜90℃の操作条件下
で、留出分であるN−(α−メトキシエチル)ホルムア
ミドを得た。このときのアセトアルデヒド及びその誘導
体量についての分析結果を表−1に示す。
3工程) 上記のN−(α−メトキシエチル)ホルムアミドを45
0℃、平均0.5秒の滞留時間で気相にて熱分解してN
−ビニルホルムアミドを含む混合液を得た。得られた混
合液はロータリーエバポレーターを用い50mmHg、
60℃でメタノールを主とする軽沸分を除去した。続い
て、縦型かき取り式薄膜蒸発器で3mmHg、ジャケッ
ト温110℃で蒸発させ、蒸発液を全縮させてN−ビニ
ルホルムアミドを得た。得られたN−ビニルホルムアミ
ドは純度90重量%、不純物はホルムアミド7.0重量
%、N−(α−メトキシエチル)ホルムアミド1.5重
量%;アセトアルデヒド及びその誘導体が0.40重量
%であった。
成(第4工程) 上記のN−ビニルホルムアミドの濃度60%水溶液に重
合開始剤として2,2′アゾビスアミジノプロパン塩酸
塩をモノマーに対して3000ppm添加し、分散安定
剤として0.5%のエチルセルロースを溶解したシクロ
ヘキサン媒体中で70℃の温度で懸濁重合を行った。得
られたポリマーを共沸により脱水した後濾別し、次いで
減圧乾燥した。得られたN−ビニルホルムアミド重合体
を1N食塩水を用いて0.1%濃度の溶液に調製しその
溶液の還元粘度をオストワルド粘度計により測定した。
その結果を表−1に示す。
い、炭酸カリ触媒0.5モル%対ホルムアミドでN−
(α−メトキシエチル)ホルムアミドを合成し、それを
用いて実施例1と同様の操作を行った。実験結果を表−
1に示す。 実施例2 比較例1で製造したN−(α−アルコキシエチル)ホル
ムアミドをオールダーショウ10段の精溜塔を装備した
蒸留装置(塔頂圧力3mmHg、塔頂温度82℃、還流
比3)で初溜10%を除き、残りを蒸留してN−(α−
アルコキシエチルホルムアミドの精製品とし、これにつ
いて、実施例1と同様に熱分解し、重合を行った。実験
結果を表−1に示す。
ホルムアミドとアルコールを原料として、高収率かつ高
分子量のN−ビニルホルムアミド重合体を製造すること
ができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 アセトアルデヒドとホルムアミドを塩
基性触媒の存在下、反応させてN−(α−ヒドロキシエ
チル)ホルムアミドを得る第1工程、 前記第1工程で得られたN−(α−ヒドロキシエチ
ル)ホルムアミドを酸性触媒の存在下、第1級あるいは
第2級アルコールと反応させN−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミドを得る第2工程、 前記第2工程で得られたN−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミドを気相で加熱して脱アルコール反応さ
せてN−ビニルホルムアミドを得る第3工程、 前記第3工程で得られたN−ビニルホルムアミドをラ
ジカル開始剤の存在下、重合させてN−ビニルホルムア
ミド重合体を得る第4工程、 を包含するN−ビニルホルムアミド重合体の製造方法に
おいて、上記第3工程の反応原料であるN−(α−アル
コキシエチル)ホルムアミド中のアセトアルデヒド及び
その誘導体の含有量を3.0重量%以下に調整すること
を特徴とするN−ビニルホルムアミド重合体の製造方
法。 - 【請求項2】 N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
ミド中の3−ヒドロキシブタナールの含有量を0.5重
量%以下に調整することを特徴とする請求項1の製造方
法。 - 【請求項3】 N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
ミド中のクロトンアルデヒドの含有量を0.5重量%以
下に調整することを特徴とする請求項1の製造方法。 - 【請求項4】 N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
ミド中の1,1−ジメトキシ−3−ヒドロキシブタンの
含有量を0.5重量%以下に調整することを特徴とする
請求項1の製造方法。 - 【請求項5】 N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
ミド中の2,4−ヘキサジナールの含有量を0.05重
量%以下に調整することを特徴とする請求項1の製造方
法。 - 【請求項6】 前記第1工程の塩基性触媒の存在量がホ
ルムアミドに対して0.1〜0.4モル%であることを
特徴とする請求項1の製造方法。 - 【請求項7】 蒸留塔による蒸留により、N−(α−ア
ルコキシエチル)ホルムアミド中のアセトアルデヒド及
びその誘導体の含有量を3.0重量%以下に調整するこ
とを特徴とする請求項1の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07380793A JP3365430B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | N−ビニルホルムアミド重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07380793A JP3365430B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | N−ビニルホルムアミド重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06287232A true JPH06287232A (ja) | 1994-10-11 |
JP3365430B2 JP3365430B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=13528813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07380793A Expired - Fee Related JP3365430B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | N−ビニルホルムアミド重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3365430B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012077099A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Daiyanitorikkusu Kk | ポリビニルアミン又はポリアミジンの製造方法 |
WO2015156251A1 (ja) * | 2014-04-08 | 2015-10-15 | 三菱レイヨン株式会社 | ビニルアミン単位含有重合体の製造方法、および重合生成物 |
WO2017145569A1 (ja) * | 2016-02-22 | 2017-08-31 | 昭和電工株式会社 | N-ビニルカルボン酸アミドの製造方法 |
WO2018105724A1 (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-14 | 三菱ケミカル株式会社 | N-(α-アルコキシエチル)ホルムアミドの精製方法、高純度N-(α-アルコキシエチル)ホルムアミドの製造方法およびN-(α-アルコキシエチル)ホルムアミドの精製装置 |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP07380793A patent/JP3365430B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012077099A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Daiyanitorikkusu Kk | ポリビニルアミン又はポリアミジンの製造方法 |
WO2015156251A1 (ja) * | 2014-04-08 | 2015-10-15 | 三菱レイヨン株式会社 | ビニルアミン単位含有重合体の製造方法、および重合生成物 |
JP5991432B2 (ja) * | 2014-04-08 | 2016-09-14 | 三菱レイヨン株式会社 | ビニルアミン単位含有重合体の製造方法 |
CN106164105A (zh) * | 2014-04-08 | 2016-11-23 | 三菱丽阳株式会社 | 含有乙烯胺单元的聚合物的制备方法及其聚合产物 |
US10723820B2 (en) | 2014-04-08 | 2020-07-28 | Mitsubishi Chemical Corporation | Method for producing vinylamine unit-containing polymer and polymerization product |
KR20180101528A (ko) * | 2016-02-22 | 2018-09-12 | 쇼와 덴코 가부시키가이샤 | N-비닐카르복실산아미드의 제조 방법 |
JPWO2017145569A1 (ja) * | 2016-02-22 | 2018-12-20 | 昭和電工株式会社 | N−ビニルカルボン酸アミドの製造方法 |
EP3421448A4 (en) * | 2016-02-22 | 2019-10-23 | Showa Denko K.K. | PROCESS FOR PRODUCING CARBOXYLIC N-VINYL ACID AMIDE |
WO2017145569A1 (ja) * | 2016-02-22 | 2017-08-31 | 昭和電工株式会社 | N-ビニルカルボン酸アミドの製造方法 |
US11299454B2 (en) | 2016-02-22 | 2022-04-12 | Showa Denko K.K. | Method of producing N-vinylcarboxylic acid amide |
WO2018105724A1 (ja) * | 2016-12-09 | 2018-06-14 | 三菱ケミカル株式会社 | N-(α-アルコキシエチル)ホルムアミドの精製方法、高純度N-(α-アルコキシエチル)ホルムアミドの製造方法およびN-(α-アルコキシエチル)ホルムアミドの精製装置 |
JPWO2018105724A1 (ja) * | 2016-12-09 | 2019-10-24 | 三菱ケミカル株式会社 | N−(α−アルコキシエチル)ホルムアミドの精製方法、高純度N−(α−アルコキシエチル)ホルムアミドの製造方法およびN−(α−アルコキシエチル)ホルムアミドの精製装置 |
US10906868B2 (en) | 2016-12-09 | 2021-02-02 | Mitsubishi Chemical Corporation | Method for purifying N-(alpha-alkoxyethyl)formamide, method for producing high-purity N-(alpha-alkoxyethyl)formamide, and device for purifying N-(alpha-alkoxyethyl)formamide |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3365430B2 (ja) | 2003-01-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI633078B (zh) | N-乙烯基羧酸醯胺之製造方法 | |
JP2011514311A (ja) | 高純度メタクリル酸の製造方法 | |
US4814505A (en) | Purification of n-vinylformamide | |
US6153708A (en) | Highly polymerizable N-vinlycarboxylic acid amide and production process thereof | |
JP3365430B2 (ja) | N−ビニルホルムアミド重合体の製造方法 | |
CA2213119C (en) | Highly polymerizable n-vinylcarboxylic acid amide and production process thereof | |
JP3314417B2 (ja) | N−ビニルホルムアミドの製造法 | |
JPH0582402B2 (ja) | ||
JP2619204B2 (ja) | N−ビニルカルボン酸アミドの精製方法 | |
JP3674966B2 (ja) | 高重合性単量体の製造方法 | |
US6166253A (en) | Process for producing N-(1-alkoxyethyl)carboxylic amides | |
EP0812311B1 (en) | Highly polymerizable n-vinylcarboxylic acid amide and production process thereof | |
JP3128902B2 (ja) | N−ビニルホルムアミドの回収法 | |
JP4061419B2 (ja) | N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法 | |
US5959148A (en) | Purification process of N-vinylformamide | |
JP4345182B2 (ja) | 高純度のカチオン系重合体の製造方法 | |
JP2001270941A (ja) | エチレンイミン重合体水溶液の精製方法 | |
JPH0789915A (ja) | 極性ビニル化合物の精製方法 | |
JPS6051458B2 (ja) | アクリロニトリルの精製方法 | |
JP2001172236A (ja) | アクリル酸ジメチルアミノエチルの精製方法 | |
CN114761378A (zh) | 含有n-乙烯基乙酰胺的组合物及其制造方法 | |
JPS6379858A (ja) | アクリル酸またはメタクリル酸のジアルキルアミノエチルエステルの精製法 | |
JP2001226421A (ja) | 高純度カチオン系重合体の製造方法 | |
JP2001172262A (ja) | 1−アルキル−3−ビニル−2−イミダゾリジノンおよびその重合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071101 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081101 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081101 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091101 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101101 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111101 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121101 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |