JPH06287232A - N−ビニルホルムアミド重合体の製造方法 - Google Patents

N−ビニルホルムアミド重合体の製造方法

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JPH06287232A
JPH06287232A JP7380793A JP7380793A JPH06287232A JP H06287232 A JPH06287232 A JP H06287232A JP 7380793 A JP7380793 A JP 7380793A JP 7380793 A JP7380793 A JP 7380793A JP H06287232 A JPH06287232 A JP H06287232A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高分子量のN−ビニルホルムアミド重合体を
得る。 【構成】 アセトアルデヒドとホルムアミドを塩基性
触媒の存在下、反応させてN−(α−ヒドロキシエチ
ル)ホルムアミド(A)を得る第1工程、前記第1工
程で得られたAを酸性触媒の存在下、第1級あるいは第
2級アルコールと反応させN−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミド(B)を得る第2工程、前記第2工
程で得られたBを気相で加熱して脱アルコール反応させ
てN−ビニルホルムアミド(C)を得る第3工程、前
記第3工程で得られたCをラジカル開始剤の存在下、重
合させてCの重合体を得る第4工程、を包含するCの重
合体の製造方法において、上記第3工程の反応原料であ
るB中のアセトアルデヒド及びその誘導体の含有量を
3.0重量%以下に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子量のN−ビニル
ホルムアミド重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルホルムアミド重合体は、凝集
剤、紙用薬剤の原料等、種々の用途に利用することがで
きる。このN−ビニルホルムアミド重合体を得るために
は、前提としてモノマー原料であるN−ビニルホルムア
ミドを効率よく製造できることが必要である。N−ビニ
ルホルムアミドの最も好適な製造方法として、アセトア
ルデヒドとホルムアミドを反応させてN−(α−ヒドロ
キシエチル)ホルムアミドとし、これをアルコキシ化さ
せてN−(α−アルコキシエチル)ホルムアミドとし、
更に熱分解により脱アルコール化させてN−ビニルホル
ムアミドとする方法がある。そして、該方法で得たN−
ビニルホルムアミドを用いて重合体を製造する方法が知
られている(特開昭61−97309)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、N−ビニルホル
ムアミドを重合する場合において、N−ビニルホルムア
ミド中の不純物、分解物の影響のため、高分子量の重合
体が安定に得られにくいという問題があった。そのた
め、N−ビニルホルムアミドを特定の方法で蒸留精製す
る方法(特開昭62−19352、特開昭63−190
862など)がいくつか提案されているが、N−ビニル
ホルムアミドの蒸留精製中での熱分解ロスの問題や、プ
ロセス上煩雑となるなどの問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に鑑み高分子量のN−ビニルホルムアミド重合体を得る
ための合理的プロセスについて種々検討を重ねた結果、
N−ビニルホルムアミドの中間体であるN−(α−アル
コキシエチル)ホルムアミド中に含まれる特定の不純物
を低減できれば、後の重合工程において高分子量のN−
ビニルホルムアミド重合体が安定に製造することができ
ることを見い出し、本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明は、 アセトアルデヒドとホルムアミドを塩基性触媒の存在
下、反応させてN−(α−ヒドロキシエチル)ホルムア
ミドを得る第1工程、 前記第1工程で得られたN−(α−ヒドロキシエチ
ル)ホルムアミドを酸性触媒の存在下、第1級あるいは
第2級アルコールと反応させN−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミドを得る第2工程、 前記第2工程で得られたN−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミドを気相で加熱して脱アルコール反応さ
せてN−ビニルホルムアミドを得る第3工程、 前記第3工程で得られたN−ビニルホルムアミドをラ
ジカル開始剤の存在下、重合させてN−ビニルホルムア
ミド重合体を得る第4工程、 を包含するN−ビニルホルムアミド重合体の製造方法に
おいて、上記第3工程の反応原料であるN−(α−アル
コキシエチル)ホルムアミド中のアセトアルデヒド及び
その誘導体の含有量を3.0重量%以下に調整すること
を特徴とするN−ビニルホルムアミド重合体の製造方法
に存する。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のN−ビニルホルムアミド重合体の製造方法は以下
に示すように4つの工程から成る。本発明の第1工程
は、アセトアルデヒドとホルムアミドを塩基性触媒の存
在下、反応させてN−(α−ヒドロキシエチル)ホルム
アミドを得る工程である。この塩基性触媒としては、一
般的な塩基性化合物であれば特に制限はないが、好まし
くは強塩基とpKa値が4〜15の弱酸からなる弱塩基
性塩であり、具体的には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナト
リウム、リン酸カリウム、リン酸水素−カリウム、ピロ
リンル酸ナトリウム等が例示される。
【0007】ホルムアミドとアセトアルデヒドとの反応
の触媒となる弱塩基性塩の使用割合は、ホルムアミドに
対し通常は、0.01〜10モル%の範囲から適宜選択
される。ホルムアミドとアセトアルデヒドとの反応温度
は、−10〜100℃の広い範囲から選択し得るが、ア
セトアルデヒドの選択率の観点から0〜40℃の範囲と
するのが好ましい。また、反応原料であるホルムアミド
とアセトアルデヒドとの使用割合は、通常、1:1.0
〜5.0(モル比)の範囲から選択される。なお、ホル
ムアミド、アセトアルデヒドは通常、市販品をそのまま
使用することができるが、予め蒸留精製することによ
り、アセトアルデヒド中の酢酸含量を300重量ppm
以下、また、ホルムアミド中のジホルムアミドを100
0重量ppm以下、ギ酸を100重量ppm以下とした
ものを用いることが反応収率を高く維持するなどの観点
から好ましい。
【0008】また、反応は、溶媒の不存在下で実施する
ことも可能であるが、通常、溶媒を用い、反応後あるい
は、反応の途中の段階で生成物のN−(α−ヒドロキシ
エチル)ホルムアミドの結晶を析出させる方法が一般的
である。溶媒としては、具体的にはヘキサン、ヘプタン
等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素が挙げられる。溶媒の使用量は、通
常、ホルムアミドに対して0.2〜2重量倍の範囲から
適宜選択される。
【0009】本発明の第2工程は、前記第1工程で得ら
れたN−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドを酸触
媒の存在下、第1級あるいは第2級アルコールと反応さ
せてN−(α−アルコキシエチル)ホルムアミドを得る
工程である。第1工程で結晶として得られるN−(α−
ヒドロキシエチル)ホルムアミドは、一般に吸湿性が高
く、熱的安定性に欠けるので、第1工程の後、単離する
ことなく、この第2工程においてアルコールと反応させ
ることが好ましい。なお、第1工程での溶媒は分離して
もよいし、そのまま第2工程の溶媒の一部として使用し
てもよい。
【0010】N−(αーヒドロキシエチル)ホルムアミ
ドとの反応に用いられるアルコールとしては、第1級又
は第2級のアルコールが用いられるが、反応性と、N−
(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドとの溶解性の面
から特に好ましいアルコールとしては、炭素原子数1〜
4の1価の1級アルコールであり、例えばメタノール、
エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソ
ブチルアルコールなどである。
【0011】N−(αーヒドロキシエチル)ホルムアミ
ドに対するアルコールの使用量は任意に定めることがで
きるが、N−(αーヒドロキシエチル)ホルムアミドが
熱的に不安定な化合物であり反応後の回収が困難なため
アルコールを等モル以上に用いることが好ましく、通常
1.0〜30倍モルのアルコールが使用される。N−
(αーヒドロキシエチル)ホルムアミドとアルコールと
の反応に用いられる触媒としては、一般的な酸触媒のい
ずれもが使用することができる。鉱酸、有機酸、弱酸及
び強酸性を示すイオン交換樹脂、固体酸触媒などであ
る。好ましくは酸触媒の例としては硫酸、塩酸、硝酸、
スルフアミン酸、メタンスルホン酸、架橋ポリスチレン
スルホン酸などが挙げられる。酸触媒の使用量はN−
(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドに対し0.00
1〜10モル%の範囲である。
【0012】N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミ
ドとアルコールとの反応は両者の混合物に酸触媒を添加
するか、接触させることにより容易に達成される。反応
温度は反応性とN−(α−ヒドロキシエチル)ホルムア
ミドの安定性の面から、通常、−10〜60℃、好まし
くは0〜40℃の範囲である。反応生成物のN−(α−
アルコキシエチル)ホルムアミドは酸触媒を中和または
分離したのち、濃縮、蒸留などの方法で単離することが
できる。
【0013】本発明の方法は、以上の第1工程、第2工
程と、後述の第3工程、第4工程が一体となってなしう
るものであるが、本発明において最も重要なポイント
は、第2工程で得られ、第3工程の反応原料となるN−
(α−アルコキシエチル)ホルムアミド中のアセトアル
デヒド及びその誘導体の含有量を3.0重量%以下、好
ましくは2.0重量%以下、更に好ましくは1.0重量
%以下に調整する点にある。
【0014】ここで、アセトアルデヒド誘導体とは、ア
セトアルデヒドがアルドール縮合して生成したアルドー
ルを経由する不純物であって、ガスクロマトグラフィー
による分析法により、3−ヒドロキシブタナール、クロ
トンアルデヒド、2,4−ヘキサジエナール、オクタト
リエナール、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメ
トキシ−3−ヒドロキシブタン(アセトアルデヒドのジ
メチルアセタール)、3−メトキシブタナールの各々を
定量することができ、アセトアルデヒドとその誘導体の
総量が容易に分析することができる。
【0015】これらの一群の化合物が、上記の範囲より
多い含有量のN−(α−アルコキシエチル)ホルムアミ
ドを用いて、後述の第3工程の熱分解反応を行った場
合、生成したN−ビニルホルムアミドを重合させても、
分子量の高い重合体を得ることが非常に困難になる。こ
の原因としては、アセトアルデヒド及びその誘導体が、
比較的フリーラジカルとの反応性が高いため、N−ビニ
ルホルムアミドの重合時における重合阻害要因として作
用するためと考えられる。
【0016】また、上記のアセトアルデヒド誘導体のう
ち、N−(α−アルコキシエチル)ホルムアミド中に、
通常、比較的多く含有する化合物としては、3−ヒドロ
キシブタナール、クロトンアルデヒド、1,1−ジメト
キシ−3−ヒドロキシブタンが例示され、各々が0.5
重量%以下に調整することが好ましく、また、ヘキサジ
エナールについては、特に重合疎害効果が大きいので、
0.05重量%以下に調整することが好ましい。
【0017】N−(α−アルコキシエチル)ホルムアミ
ド中のアセトアルデヒド及びその誘導体を減少させる方
法としては、第1にN−(α−アルコキシエチル)ホル
ムアミドの製造時に該物質の生成の少ない条件を選択す
る方法、第2にN−(α−アルコキシエチル)ホルムア
ミドを効率よく精製する方法、の2つが考えられる。第
1の方法は、第1工程と第2工程での反応条件を適宜最
適条件に設定するものであり、一義的に決定されるもの
ではないが、例えば、第1工程において炭酸ナトリウム
等の弱塩基性塩を触媒として用いる場合、触媒量とし
て、ホルムアミドに対して0.1〜0.4モル%である
ことが好ましい。そして、反応原料のアセトアルデヒド
やホルムアミド中に、酸成分として酢酸、ギ酸、ジホル
ムアミド(ジホルムアミドも弱い酸として働いていると
推定される)などがある程度含まれているような場合
は、これらの酸成分の中和分を見込んで、触媒量を上記
の量より若干多くすることが好ましい。触媒量が上記の
範囲に満たないと反応速度が低下するので好ましくな
く、逆に多すぎると、アセトアルデヒド間での副反応が
進み、アセトアルデヒド誘導体の量が増加するので好ま
しくない。
【0018】また、第2の方法は、N−(α−アルコキ
シエチル)ホルムアミドが比較的安定な化合物であるこ
とから、アルコキシ化後の反応液中のアルコール、水な
どの軽沸分を初めに除去し、次いで、精密蒸留を行うこ
とによりアセトアルデヒド及びその誘導体をできるだけ
除去する方法である。精密蒸留の条件としては、例え
ば、理論段数2〜30程度の蒸留塔を用い、通常、塔頂
圧力を2〜30mmHg、塔頂温度を60〜100℃程
度に設定する。
【0019】また、実際には、上記の第1と第2の方法
はどちらか一方だけというのではなく、両方法を適宜併
用してプロセスを組み立てることが好ましい。次に、本
発明の第3工程は、上記のような方法でアセトアルデヒ
ド及びその誘導体の含有量を少なくしたN−(α−アル
コキシエチル)ホルムアミドを気相で加熱して脱アルコ
ール反応させてN−ビニルホルムアミドを得る工程であ
る。
【0020】N−(α−アルコキシエチル)ホルムアミ
ドを気化する方法としては不活性ガス気流下加熱する方
法、50〜250mmHg程度に減圧して加熱する方
法、不活性ガス存在下に減圧下で加熱する方法などを用
いることができる。気化させる温度は通常100〜50
0℃で実施される。脱アルコール反応は、通常250〜
600℃好ましくは350〜500℃である。N−(α
−アルコキシエチル)ホルムアミドを気相で加熱する方
法としては例えばガラス、石英、金属などを充填した加
熱炉に気体を通じ接触させる方法、加熱した不活性ガス
と接触させる方法などが挙げられる。気体の滞留時間は
0.01〜20秒で行うことが好ましい。
【0021】本発明において、N−(α−アルコキシエ
チル)ホルムアミドの熱分解反応により得られるN−ビ
ニルホルムアミドを含む混合液は、前述のように最も重
合活性を低下させる要因となるアセトアルデヒド由来の
不純物量を調整されているので、このまま、第4工程の
重合に供しても良いが、例えば、塔を用いない簡単な蒸
留によって、沸点の離れた軽沸のアルコールと高沸のN
−ビニルホルムアミドの重合、縮合物を除くことが、よ
り好ましい。このN−ビニルホルムアミドの蒸留方法と
しては、具体的には蒸発器を用い、一度、蒸発させた留
分を直接凝縮器に導き凝縮する形式が好ましい。即ち、
該形式では還流工程がないので蒸留装置内での熱履歴が
小さく、N−ビニルホルムアミドの分解ロスが非常に少
ない。蒸留は回分であっても連続であっても良く、ま
た、軽沸を分離した後、高沸を分離する形式が好まし
い。蒸発器の形式としては直立管流下膜型、縦あるいは
横型のかきとり式強制薄膜型、遠心薄膜型、強制循環
型、上昇薄膜型、自然循環型、ロータリーエバポレータ
ーなどが例示されるが、この範囲に限定されるものでは
ない。
【0022】上記の方法で回収されたN−ビニルホルム
アミド中には沸点の比較的近い不純物であるホルムアミ
ド、N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミド、N−
(α−アルコキシエチル)ホルムアミドおよびアセトア
ルデヒド誘導体が混入することとなるが、アセトアルデ
ヒド誘導体は重合に影響を与えない量に制限され、具体
的には、N−ビニルホルムアミド中のアセトアルデヒド
及びその誘導体の含有量は、N−(α−アルコキシエチ
ル)ホルムアミド中での含有量に対し、通常、同等量か
ら1/2程度の量となる。さらに、N−ビニルホルムア
ミド中のホルムアミド、N−(α−ヒドロキシエチル)
ホルムアミド、N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
ミドはアルデヒド誘導体に比べれば重合反応に与える影
響が軽微であるため、このN−ビニルホルムアミドはこ
れ以上の精密蒸留などの精製処理を施すことなく重合反
応に使用することができる。
【0023】次に、第3工程で得られたN−ビニルホル
ムアミドは、常法に従って、第4工程の重合工程に供さ
れる。重合原料はN−ビニルホルムアミド単独の場合の
他、他のラジカル重合性のモノマーとの共重合であって
もよい。他のラジカル重合性モノマーとしては(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニ
ル、N,N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、およびその4級化物などが用いられる。
【0024】重合は公知の塊状重合、種類の溶媒を用い
る溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法によって行う
ことができる。重合反応は一般的に不活性ガス気流下、
通常30〜100℃の温度条件下で行われる。溶液重合
としては水を溶媒に用い、通常、単量体濃度5〜30%
の水溶液で重合するが懸濁重合としては、通常、単量体
濃度20〜80重量%の水溶液を疎水性の溶媒と分散安
定剤を用いて油中水の分散状態で重合する。乳化重合と
しては、通常、単量体濃度20〜80重量%の水溶液を
疎水性の溶媒と乳化剤を用いて水中油型または油中水型
の乳化状態で重合する。
【0025】重合開始剤は通常のラジカル重合開始剤が
用いられるが、アゾ開始剤が好ましい。特に好ましい開
始剤としては2,2′−アゾビス−4−アミジノプロパ
ンの塩酸塩および酢酸塩、4,4′−アゾビス−4−シ
アノ吉草酸のナトリウム塩、アゾビス−N,N′−ジメ
チレニソブチルアミジンの塩酸塩および硫酸塩が挙げら
れる。これら重合開始剤の使用量は単量体の重量に対し
て、通常、0.01〜1重量%である。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はその趣旨を越えないかぎり本発明に
限定されるものではない。 ’(各成分の定量方法)ホルムアミド、N−(α−ヒド
ロキシエチル)ホルムアミド、N−(α−アルコキシエ
チル)ホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、ギ酸、
酢酸、ジホルムアミドは液体クロマトグラフィーを用い
て定量した。メタノール、アセトアルデヒド及びアセト
アルデヒド誘導体はガスクロマトグラフィーを用いて定
量した。
【0027】実施例1 (1)N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドの合
成(第1工程) 攪拌器および温度調節器を有する2リットルガラス製反
応器にトルエン600gを仕込み、窒素ガスで脱気した
後、酢酸含有量が50重量ppmであるアセトアルデヒ
ド235gを加え、攪拌下20℃の温度に保持した。次
に、ジホルムアミドの含有量が500重量ppm、ギ酸
含有量が10重量ppm以下であるホルムアミド200
gに炭酸カリウム0.98g(対ホルムアミド0.16
モル%)を溶解させたホルムアミド溶液を調製し、該溶
液の20%を30分かけて加えた。その後30分熟成し
た後、N−(α−ヒドロキシエチル)ホルムアミドの結
晶0.5gを加え、N−(α−ヒドロキシエチル)ホル
ムアミドを析出させた。この操作を実施後、さらに30
分熟成させた。次に、残りのホルムアミド溶液を2.5
時間かけて加えた後、1時間熟成を行った。この反応ス
ラリーよりトルエン相の大部分をろ過分離し、N−(α
−ヒドロキシエチル)ホルムアミドの結晶を得た。
【0028】(2)N−(α−メトキシエチル)ホルム
アミドの合成(第2工程) 次に、硫酸3.5gを含むメタノール430gを加え、
攪拌下20℃で1時間、アルコキシ化反応を行った。反
応後、25%カセイソーダを加えて中和し、析出した塩
を濾過により分離した後、ロータリーエバポレーターを
用いて60℃、50mmHgの減圧下にてメタノールを
主とする軽沸分を分離した。続いて蒸留塔を用いて塔頂
圧力3mmHg、塔頂温度60〜90℃の操作条件下
で、留出分であるN−(α−メトキシエチル)ホルムア
ミドを得た。このときのアセトアルデヒド及びその誘導
体量についての分析結果を表−1に示す。
【0029】(3)N−ビニルホルムアミドの合成(第
3工程) 上記のN−(α−メトキシエチル)ホルムアミドを45
0℃、平均0.5秒の滞留時間で気相にて熱分解してN
−ビニルホルムアミドを含む混合液を得た。得られた混
合液はロータリーエバポレーターを用い50mmHg、
60℃でメタノールを主とする軽沸分を除去した。続い
て、縦型かき取り式薄膜蒸発器で3mmHg、ジャケッ
ト温110℃で蒸発させ、蒸発液を全縮させてN−ビニ
ルホルムアミドを得た。得られたN−ビニルホルムアミ
ドは純度90重量%、不純物はホルムアミド7.0重量
%、N−(α−メトキシエチル)ホルムアミド1.5重
量%;アセトアルデヒド及びその誘導体が0.40重量
%であった。
【0030】(4)N−ビニルホルムアミド重合体の合
成(第4工程) 上記のN−ビニルホルムアミドの濃度60%水溶液に重
合開始剤として2,2′アゾビスアミジノプロパン塩酸
塩をモノマーに対して3000ppm添加し、分散安定
剤として0.5%のエチルセルロースを溶解したシクロ
ヘキサン媒体中で70℃の温度で懸濁重合を行った。得
られたポリマーを共沸により脱水した後濾別し、次いで
減圧乾燥した。得られたN−ビニルホルムアミド重合体
を1N食塩水を用いて0.1%濃度の溶液に調製しその
溶液の還元粘度をオストワルド粘度計により測定した。
その結果を表−1に示す。
【0031】比較例1 実施例1と同一のホルムアミド、アセトアルデヒドを用
い、炭酸カリ触媒0.5モル%対ホルムアミドでN−
(α−メトキシエチル)ホルムアミドを合成し、それを
用いて実施例1と同様の操作を行った。実験結果を表−
1に示す。 実施例2 比較例1で製造したN−(α−アルコキシエチル)ホル
ムアミドをオールダーショウ10段の精溜塔を装備した
蒸留装置(塔頂圧力3mmHg、塔頂温度82℃、還流
比3)で初溜10%を除き、残りを蒸留してN−(α−
アルコキシエチルホルムアミドの精製品とし、これにつ
いて、実施例1と同様に熱分解し、重合を行った。実験
結果を表−1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の方法では、アセトアルデヒドと
ホルムアミドとアルコールを原料として、高収率かつ高
分子量のN−ビニルホルムアミド重合体を製造すること
ができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアルデヒドとホルムアミドを塩
    基性触媒の存在下、反応させてN−(α−ヒドロキシエ
    チル)ホルムアミドを得る第1工程、 前記第1工程で得られたN−(α−ヒドロキシエチ
    ル)ホルムアミドを酸性触媒の存在下、第1級あるいは
    第2級アルコールと反応させN−(α−アルコキシエチ
    ル)ホルムアミドを得る第2工程、 前記第2工程で得られたN−(α−アルコキシエチ
    ル)ホルムアミドを気相で加熱して脱アルコール反応さ
    せてN−ビニルホルムアミドを得る第3工程、 前記第3工程で得られたN−ビニルホルムアミドをラ
    ジカル開始剤の存在下、重合させてN−ビニルホルムア
    ミド重合体を得る第4工程、 を包含するN−ビニルホルムアミド重合体の製造方法に
    おいて、上記第3工程の反応原料であるN−(α−アル
    コキシエチル)ホルムアミド中のアセトアルデヒド及び
    その誘導体の含有量を3.0重量%以下に調整すること
    を特徴とするN−ビニルホルムアミド重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
    ミド中の3−ヒドロキシブタナールの含有量を0.5重
    量%以下に調整することを特徴とする請求項1の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
    ミド中のクロトンアルデヒドの含有量を0.5重量%以
    下に調整することを特徴とする請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】 N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
    ミド中の1,1−ジメトキシ−3−ヒドロキシブタンの
    含有量を0.5重量%以下に調整することを特徴とする
    請求項1の製造方法。
  5. 【請求項5】 N−(α−アルコキシエチル)ホルムア
    ミド中の2,4−ヘキサジナールの含有量を0.05重
    量%以下に調整することを特徴とする請求項1の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第1工程の塩基性触媒の存在量がホ
    ルムアミドに対して0.1〜0.4モル%であることを
    特徴とする請求項1の製造方法。
  7. 【請求項7】 蒸留塔による蒸留により、N−(α−ア
    ルコキシエチル)ホルムアミド中のアセトアルデヒド及
    びその誘導体の含有量を3.0重量%以下に調整するこ
    とを特徴とする請求項1の製造方法。
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