JPH06287221A - ビニルフェノール系重合体のアミノ化物の製造方法 - Google Patents

ビニルフェノール系重合体のアミノ化物の製造方法

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JPH06287221A
JPH06287221A JP9539593A JP9539593A JPH06287221A JP H06287221 A JPH06287221 A JP H06287221A JP 9539593 A JP9539593 A JP 9539593A JP 9539593 A JP9539593 A JP 9539593A JP H06287221 A JPH06287221 A JP H06287221A
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JP
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polymer
organic solvent
reaction
vinylphenol
nitration
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JP9539593A
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Teruyoshi Matsugami
照喜 松上
Osamu Matsumoto
理 松本
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/30Introducing nitrogen atoms or nitrogen-containing groups

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 有機溶剤に可溶性のビニルフェノール系重合
体を、有機溶剤に溶解した溶液状態で、硝酸水溶液を用
いるニトロ化反応に付し、該ニトロ化反応の反応混合物
を、実質的な精製処理を施すことなく、溶液状態のまま
接触水素化反応に付す。 【効果】 有機溶剤に可溶性のビニルフェノール系重合
体を原料として、温和な反応条件で、かつゲル化を抑制
して効率良く、有機溶剤に可溶性のビニルフェノール系
重合体のアミノ化物を製造し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶性のビ
ニルフェノール単独重合体あるいはビニルフェノールと
他のモノビニル性コモノマーとの共重合体などのビニル
フェノール系重合体を原料として、温和な反応条件で、
かつゲル化を抑制して効率良く、該重合体のアミノ化
物、すなわちアミノ基の導入された有機溶剤に可溶性の
ビニルフェノール系重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、導電性ペースト、半導体封止用樹
脂、酸化防止剤、キレート剤、高分子触媒等の種々の分
野で、有機溶剤に可溶性のビニルフェノール系重合体の
アミノ化物の有用性が高まり、それを効率良く製造し得
る方法が求められるようになった。
【0003】しかし、従来知られているビニルフェノー
ル系重合体のアミノ化物の製造方法は、有機溶剤に不溶
性のビニルフェノールとジビニルベンゼンの架橋共重合
体を原料とし、該架橋共重合体を濃硝酸でニトロ化して
該架橋共重合体にニトロ基を導入し、ニトロ化反応混合
物からニトロ基の導入された該架橋共重合体を分離し、
その分離されたニトロ基の導入された該架橋共重合体を
Na2Sで還元処理して導入されているニトロ基をアミ
ノ基に変換することにより、アミノ基の導入された該架
橋共重合体のアミノ化物を製造する(D.I.Pack
ham,J.Chem.Soc.,2617(196
4)といった、有機溶剤に不溶性のビニルフェノール系
重合体のアミノ化物の製造方法のみである。有機溶剤に
可溶性のビニルフェノール系重合体を原料とし、それに
アミノ基を導入して、有機溶剤に可溶性のビニルフェノ
ール系重合体のアミノ化物を製造する方法はまだ提案さ
れていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記状況に鑑み、本発
明の目的は、有機溶剤に可溶性のビニルフェノール系重
合体のアミノ化物を効率良く製造できる方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記本発
明の目的を達成すべく、鋭意検討した結果、有機溶剤
に可溶性のビニルフェノール系重合体の有機溶剤溶液
に、一般的フェノール化合物のニトロ化方法として公知
の硝酸水溶液によるニトロ化方法(例えば、新実験化学
講座 14、「有機化合物の合成と反応」(III)、1
261〜1262頁、1978年、丸善発行)を適用し
て、該重合体にニトロ基を導入できること、該重合体
に導入されたニトロ基を、一般的フェノール化合物のニ
トロ基のアミノ基への変換方法として公知の接触水素化
による還元方法(例えば、新実験化学講座 15、「酸
化と還元」(II)、433〜434頁、1977年、丸
善発行)を適用して、アミノ基に変換できること、そ
うすることによって、有機溶剤に可溶性のビニルフェノ
ール系重合体のアミノ化物を製造し得ること、ニトロ
基のアミノ基への変換に際し、Na2S等の還元剤を用
いる還元方法より、接触水素化による還元方法の方が、
目的のアミノ化物の精製処理が容易であって、効率的で
あること等を知見した。そして、さらに鋭意研究を進め
た結果、上記のように、有機溶剤に可溶性のビニルフェ
ノール系重合体を有機溶剤に溶解して硝酸水溶液により
ニトロ化して該重合体にニトロ基を導入し、該重合体に
導入されたニトロ基を接触水素化によりアミノ基に変換
するに当たって、ニトロ化反応混合物を精製処理してニ
トロ基の導入された重合体を分離し、その分離されたも
のを接触水素化反応に付した場合と、ニトロ化反応混合
物を、精製処理することなく、そのまま接触水素化反応
に付した場合とでは、その作用効果に次のような顕著な
相違があることを知見した。
【0006】(イ)ニトロ化反応混合物をそのまま接触
水素化反応に付した場合は、ニトロ化反応混合物を精製
処理して分離されたニトロ基の導入された重合体を接触
水素化反応に付した場合よりも、接触水素化の反応条件
を温和にすることができ、またニトロ基のアミノ基への
変換率も高めることができる。 (ロ)ニトロ化反応混合物を精製処理して分離されたニ
トロ基の導入された重合体を接触水素化反応に付した場
合は、原料のビニルフェノール系重合体の分子量が大き
くなるに従って、目的のアミノ化物がゲル化し易くなる
が、ニトロ化反応混合物をそのまま接触水素化反応に付
した場合は、原料のビニルフェノール系重合体の分子量
が大きくなっても、目的のアミノ化物のゲル化が抑制さ
れる。
【0007】本発明は、上記知見に基づいて完成された
ものであって、その要旨は、有機溶剤可溶性のビニルフ
ェノール系重合体を、有機溶剤に溶解した溶液状態で、
硝酸水溶液を用いるニトロ化反応に付して該重合体にニ
トロ基を導入し、該ニトロ化反応の反応混合物を、実質
的な精製処理を施すことなく、溶液状態のまま接触水素
化反応に付して該重合体に導入されたニトロ基をアミノ
基に変換することを特徴とする、有機溶剤可溶性のビニ
ルフェノール系重合体のアミノ化物の製造方法に存す
る。
【0008】本発明で原料とするビニルフェノール系重
合体としては、有機溶剤に可溶であれば、ビニルフェノ
ール単独重合体あるいはビニルフェノールと他のモノビ
ニル性コモノマーとの共重合体のいずれも用いることが
でき、それらの製造来歴は問わない。当該重合体を構成
するビニルフェノールは、パラ体、メタ体、オルソ体の
いずれの異性体であっても差支えないし、これらの混合
物であっても良いが、中でもパラ体が好ましい。当該重
合体が共重合体である場合のモノビニル性コモノマーの
例としてはスチレン、アクリル酸またはそのエステル、
メタクリル酸またはそのエステル、マレイン酸またはそ
のエステル、フマル酸またはそのエステル、酢酸ビニル
およびフェニルマレイミド等が挙げられる。共重合体に
おけるモノビニル性コモノマー単位の割合は、95モル
%以下、好ましくは70モル%以下が適当であり、必要
に応じて95モル%以下の範囲で任意に選択することが
できる。また、当該重合体は、重量平均分子量が300
〜1,000,000のものが適当であり、好ましくは
500〜100,000のものである。重量平均分子量
が1,000,000を越えるものは、接触水素化反応
が進行し難くい。また、重量平均分子量が300未満の
ものは、その中の未反応モノマーの含有量が増大するの
で、ニトロ化反応時に、未反応モノマーに起因する副反
応等が顕著になり、好ましくない。
【0009】本発明で用いる有機溶剤は、ニトロ化反応
および接触水素化反応に共通して溶剤として用い得るも
の、すなわち原料のビニルフェノール系重合体、そのニ
トロ化物およびそのアミノ化物の良溶剤で、ニトロ化反
応時および接触水素化反応時において安定なものであれ
ば良い。その例として、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等の環状エーテル類、2−メトキシエタノール、2−
エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、
2−ブトキシエタノール等の2−アルコキシエタノール
類等が挙げられる。有機溶剤の使用量は、一般に、原料
のビニルフェノール系重合体1重量部に対して1〜20
重量部が適当であり、好ましくは2〜10重量部であ
る。
【0010】本発明における原料ビニルフェノール系重
合体のニトロ化は、一般的フェノール化合物のニトロ化
方法として公知の硝酸水溶液によるニトロ化方法に準じ
て行うことができる。すなわち、ビニルフェノール系重
合体を有機溶剤に溶解し、該溶液に硝酸水溶液を加えて
反応させる。用いる硝酸水溶液の濃度は、一般に、5〜
98重量%が適当であり、好ましくは20〜70重量%
である。硝酸水溶液濃度が5重量%未満であると、硝酸
水溶液の使用量が増大し過ぎて、反応系内でビニルフェ
ノール系重合体ないしそのニトロ化物が析出し、反応系
が不均一となり、また硝酸水溶液濃度が98重量%を越
えると、反応時に分解による硝酸の損耗が激しく、いず
れも実用的でない。反応温度は、一般に0〜70℃が適
当であり、好ましくは20〜50℃である。反応温度が
0℃未満であると、反応速度が遅く、また反応温度が7
0℃を越えると、反応時に分解による硝酸の損耗が激し
く、いずれも実用的でない。このニトロ化反応は、バッ
チ式あるいは連続式等いずれの反応形式でも実施でき
る。
【0011】このニトロ化反応により、ニトロ基を、一
般にはニトロ基導入率(フェノール核1個当たりのニト
ロ基の平均個数)1まで、導入できる。ニトロ基の導入
されるフェノール核の位置は、水酸基のオルソ位であ
る。また、このニトロ化反応においては、ビニルフェノ
ール系重合体のビニルフェノール単位と硝酸とはほぼ定
量的に反応するので、当該重合体に対する硝酸使用量
は、硝酸の分解等による損耗を抑制できる反応条件を選
択した場合、当該重合体の所望のニトロ基導入率に応じ
た量ないしやや過剰の量で良い。換言すれば、硝酸使用
量を調節することにより、当該重合体のニトロ基導入率
を、一般にはそれが1となるまでの範囲で、任意に調節
することができる。当該重合体が共重合体である場合
は、コモノマー単位よりビニルフェノール単位の方に優
先的にニトロ基が導入されるが、当該重合体のビニルフ
ェノール単位のモル数より大過剰のモル数の硝酸を用い
た場合には、コモノマーにもニトロ基が導入されること
があり得る。
【0012】本発明においては、上記ニトロ化反応の反
応混合物は、実質的な精製処理を施すことなく、溶液状
態のまま接触水素化反応に付される。すなわち、該反応
混合物はそのまま接触水素化反応に付しても良いし、必
要に応じて、該反応混合物から有機溶剤の一部および/
または水を除去して、あるいは該反応混合物に有機溶剤
を追加して、その重合体濃度を調整した後に接触水素化
反応に付しても良い。操作の簡便さからすれば、該反応
混合物をそのまま接触水素化反応に付すことが好まし
い。
【0013】本発明における、ニトロ基をアミノ基に変
換するための接触水素化は、一般的フェノール化合物の
ニトロ基のアミノ基への変換方法として公知の接触水素
化による還元方法に準じて行うことができる。すなわ
ち、ニトロ化反応の反応混合物あるいはその重合体濃度
の調整されたものを、水素化触媒の存在下に水素と接触
させる。この接触水素化は、バッチ式あるいは連続式等
いずれの反応形式でも実施できる。水素化触媒として
は、Pd系、Ni系、Pt系、Cu系、Rh系、Ru系
等の水素化触媒として知られている種々の水素化触媒を
用いることができる。水素化触媒の使用量は、反応形式
がバッチ式である場合を例にとって示せば、一般に、反
応混合物あるいはその重合体濃度の調整されたものの中
の重合体に対して0.1〜20重量%が適当であり、好
ましくは1〜10重量%である。水素の圧力は、一般
に、1kg/cm2G以上であれば良く、好ましくは2
0〜150kg/cm2Gである。水素の圧力が1kg
/cm2G未満であると、反応速度が遅くて実用的でな
い。反応温度は、一般に、10〜250℃が適当であ
り、好ましくは50〜150℃である。反応温度が10
℃未満であると、反応速度が遅くて実用的でない。ま
た、反応温度が250℃を越えると、ゲル化が起こり易
い。この接触水素化反応によって、ビニルフェノール系
重合体に導入されているニトロ基はほぼ定量的にアミノ
基に変換される。
【0014】本発明に従えば、上記のとおり、有機溶剤
に可溶性のビニルフェノール系重合体にニトロ基を、一
般にはニトロ基導入率1となるまで、任意の導入率で導
入することができ、上記のとおり、該ニトロ基をほぼ定
量的にアミノ基に変換できるので、結局、有機溶剤に可
溶性のビニルフェノール系重合体にアミノ基を、一般に
はアミノ基導入率1となるまで、任意の導入率で導入す
ることができる。
【0015】
【実施例】実施例、比較例により、さらに具体的に本発
明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。
【0016】実施例1 平均重量分子量11,000のp−ビニルフェノール単
独重合体(水分含量1.7重量%)120g(p−ビニ
ルフェノール単位0.983モル)を、温度計、滴下ロ
ート、撹拌装置付きの1,000ml セパラブルフラス
コに入れ、360gの1,4−ジオキサンを加えて均一
に溶解させた。溶液は赤褐色の均一透明溶液となった。
この溶液を35℃まで昇温した後、良く撹拌しながら、
40重量%硝酸水溶液92.88g(硝酸0.59モ
ル)を滴下ロートより約45分かけて滴下した。滴下と
同時にニトロ化反応が起こって発熱するが、滴下を断続
的に行うことにより、反応混合物の温度を35〜40℃
に保持した。滴下終了後も引き続き35〜40℃に保持
し、滴下開始から4時間経過した時点でニトロ化反応を
終了させた。13C−NMR分析の結果、ニトロ基導入率
(フェノール核当たりのニトロ基の平均個数)は0.5
9であった。また、ニトロ基の導入位置は水酸基のオル
ソ位であった。
【0017】ニトロ化反応混合物を精製することなくそ
のまま1,000ml のオートクレーブに移し、カーボ
ン担体に3重量%のPdを担持した水素化接触を7.8
g(原料のp−ビニルフェノール単独重合体の6.5重
量%)加え、N2パージ後、水素置換した。ボンベから
水素を、圧力計付きで1l 容量の水素蓄圧器、レギュレ
ータを介して、オートクレーブに導入し、系内圧力60
kg/cm2G、反応温度80〜90℃、撹拌速度30
0rpmで4時間保持すると、水素蓄圧器の差圧(Δ
p)が32.5kg/cm2(理論Δp=28.6kg
/cm2)に達したので接触水素化反応を終了とした。
常圧まで降圧した後、N2置換し、室温まで降温した。
次いで、オートクレーブ内容物を5A濾紙にて濾過して
触媒を除去し、濾液からエバポレータで40〜60℃に
てジオキサンおよび水を除去し、残存物を真空乾燥機で
60℃にて6時間乾燥させた。得られた黒茶色固形物の
重量は125.5gであった。この固形物は、IR分析
の結果、1285cm-1に芳香族第一級アミンのC−N
間伸縮振動が確認され、13C−NMR分析の結果、アミ
ノ基導入率(フェノール核当たりのアミノ基の平均個
数)は0.59であり、p−ビニルフェノール単独重合
体のアミノ化物であることが判明した。
【0018】実施例2〜5 実施例1と同様のセパラブルフラスコを用いて、表1に
示すとおりの、所定のビニルフェノール系重合体120
gを所定の溶剤の所定量に溶解した後、所定の濃度の硝
酸水溶液の所定量を、所定の反応温度を保持しつつ滴下
し、滴下終了後も反応温度と同じ温度に所定時間保持し
て、ニトロ化反応を行った。実施例1〜5の結果を、そ
れらの反応条件と共に、表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】ニトロ化反応混合物をそのまま実施例1と
同様のオートクレーブに入れ、表2に示すとおりの、所
定の水素化触媒を所定量加え、水素を導入し、所定の系
内圧力、所定の反応温度、撹拌速度300rpmにて、
所定時間接触水素化反応を行った。オートクレーブ内容
物を実施例1と同様に処理して固形物を得た。実施例1
〜5の結果を、それらの反応条件と共に、表2に示し
た。
【0021】比較例1〜5 実施例1〜5と同様の反応条件でニトロ化反応を行って
得られた各実施例におけると同様のニトロ化反応混合物
をそれぞれ、室温にて原料重合体の10重量倍の純水に
注いで原料重合体のニトロ化物を沈澱させ、該沈澱を5
A濾紙にて濾別し、60℃で6時間真空乾燥して、精製
された原料重合体のニトロ化物を得た。得られた精製ニ
トロ化物をそれぞれ、表2に示すとおりの所定の有機溶
剤の所定量に溶解して、上記各実施例におけるニトロ化
反応混合物の場合と同様のニトロ化物濃度の溶液とな
し、該溶液のそれぞれについて、実施例1〜5と同様の
反応条件にて接触水素化反応を行った。本比較例1〜5
は、実施例1〜5と、ニトロ化反応混合物を精製処理し
た点のみ相違する。これらの接触水素化反応の結果を表
2に示した。
【0022】比較例6〜10 比較例1〜5におけると同様の精製ニトロ化物の有機溶
剤溶液についてそれぞれ、表2に示すとおりの所定の反
応条件で接触水素化反応を行った。本比較例6〜10
は、実施例1〜5と、ニトロ化反応混合物を精製処理し
た点および接触水素化反応の反応条件を苛酷にした点が
相違する。これらの接触水素化反応の結果を表2に示し
た。
【0023】表2に示すとおり、本発明によれば、接触
水素化反応において、温和な反応条件でゲル化が起こる
こともなく、効率よくニトロ基がアミノ基に変換できる
ことが認められる。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、有機溶剤に可溶性のビ
ニルフェノール系重合体のアミノ化物を、温和な反応条
件で、かつゲル化を抑制して効率良く製造することがで
きる。すなわち、本発明によれば、温和な反応条件で、
ビニルフェノール系重合体に導入されたニトロ基をアミ
ノ基に高い変換率で変換することができる。また、一般
に、原料のビニルフェノール系重合体の分子量が大きく
なるに従って、ニトロ基をアミノ基に変換する接触水素
化反応は進み難くなり、その進行速度を早めたり、ある
いは完結させるためには、反応条件を苛酷にする必要が
あり、一方、反応条件を苛酷にすると目的のアミノ化物
のゲル化が起こってその溶解性が損なわれるという問題
が生ずるが、本発明によれば、原料のビニルフェノール
系重合体の分子量が大きくても、ゲル化を抑制してその
溶解性を損なうことなくアミノ化物を製造することがで
きる。
【0026】また、本発明によれば、副次的効果とし
て、次のような効果もある。すなわち、ニトロ化反応混
合物の精製処理が不要であるので、製造工程が簡略化さ
れ、また、有機溶剤がニトロ化反応と接触水素化反応に
共通して用いられるので、有機溶剤の使用量が節減で
き、これらの点から経済的である。
【0027】上記の諸効果からして、本発明は、工業的
に有機溶剤に可溶性のビニルフェノール系重合体のアミ
ノ化物を製造するに優れた方法である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤可溶性のビニルフェノール系重
    合体を、有機溶剤に溶解した溶液状態で、硝酸水溶液を
    用いるニトロ化反応に付して該重合体にニトロ基を導入
    し、該ニトロ化反応の反応混合物を、実質的な精製処理
    を施すことなく、溶液状態のまま接触水素化反応に付し
    て該重合体に導入されたニトロ基をアミノ基に変換する
    ことを特徴とする、有機溶剤可溶性のビニルフェノール
    系重合体のアミノ化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ビニルフェノール系重合体がビニルフェ
    ノール単独重合体である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ビニルフェノール系重合体がビニルフェ
    ノールと他のモノビニル性コモノマーとの共重合体であ
    る請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 他のモノビニル性コモノマーがスチレ
    ン、アクリル酸またはそのエステル、メタクリル酸また
    はそのエステル、マレイン酸またはそのエステル、フマ
    ル酸またはそのエステル、酢酸ビニルおよびフェニルマ
    レイミドから選択されたモノマーである請求項3記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶剤が環状エーテル類および2−ア
    ルコキシエタノール類から選ばれた有機溶剤である請求
    項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ニトロ化反応の反応混合物の重合体濃度
    を、該反応生成物から有機溶剤の一部および/または水
    を除去することにより、または該反応生成物に有機溶剤
    を加えることにより調製した後、接触水素化反応に供す
    る請求項1記載の製造方法。
JP9539593A 1993-03-30 1993-03-30 ビニルフェノール系重合体のアミノ化物の製造方法 Pending JPH06287221A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016521800A (ja) * 2013-06-19 2016-07-25 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 脂肪族アミノ官能基を含む陰イオン交換樹脂及びキレート剤樹脂を作製するための方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016521800A (ja) * 2013-06-19 2016-07-25 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 脂肪族アミノ官能基を含む陰イオン交換樹脂及びキレート剤樹脂を作製するための方法

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