JPH06286436A - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JPH06286436A
JPH06286436A JP9675293A JP9675293A JPH06286436A JP H06286436 A JPH06286436 A JP H06286436A JP 9675293 A JP9675293 A JP 9675293A JP 9675293 A JP9675293 A JP 9675293A JP H06286436 A JPH06286436 A JP H06286436A
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JP
Japan
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tire
air pressure
differential
determination
state
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Application number
JP9675293A
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English (en)
Inventor
Tomomi Izumi
知示 和泉
Tetsuya Tatehata
哲也 立畑
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤ空気圧異状(空気圧低下やパンク)時
における走行安定性を確保すること、又は、タイヤの負
荷を軽減すること、等である。 【構成】 2WD−4WDとに切り換え可能な4輪駆動
車には、センタ,フロント,リヤの3つのデフ9〜11
が設けられ、制御装置40は、車輪速センサ25〜2
8、スロットル開度センサ16、変速段スイッチ17,
18、クラッチスイッチ19、モード設定スイッチ20
からの信号に基いて、種々のモードで3つのデフ9〜1
1を差動制限制御する。制御装置40は、車輪速セン
サ、ブレーキスイッチ41、舵角センサ42、初期設定
スイッチ43からの信号に基いてタイヤ空気圧判定制御
を実行し、タイヤ空気圧低下を判定したときには、少な
くともフロントデフ10とリヤデフ11とをロック状態
(又はロック解除状態)に切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制御装置に関
し、特にロックとロック解除とに切り換え可能な差動制
限装置を、タイヤ空気圧判定装置でタイヤ空気圧異常と
判定したときに制御する技術を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両のタイヤの空気圧がある程度以上低
下した状態で走行することは好ましくないので、従来よ
り、種々のタイヤ空気圧判定装置が提案されている。例
えば、タイヤ空気圧をセンサで検知しタイヤ空気圧の低
下を判定するようにしたもの、或いは、タイヤ空気圧が
低下すると、空気圧が低下した車輪の回転数が増加する
ことから、4輪の車輪速を夫々検出する車輪速センサを
設け、それら車輪速センサで検出した車輪速に基いてタ
イヤ空気圧の低下を判定するようにしたもの、等が提案
されている。
【0003】例えば、特開昭63−305011号公報
には、4つ車輪の車輪速センサからの出力を用いて、対
角線上にある1対の車輪の車輪速の合計と、他の対角線
上にある1対の車輪の車輪速の合計との差が所定値以上
のときに、合計車輪速が大きい方の1対の車輪の何れか
のタイヤの空気圧が低下したと判定し、その1対の車輪
の車輪速のうちの大きい方の車輪速が、4輪の車輪速の
平均値よりも所定値以上大きいときに、その車輪の空気
圧が低下したと判定し、その判定結果を警報するように
構成したタイヤ空気圧判定装置が記載されている。
【0004】一方、前後輪間の差動を制限するセンタデ
フを介して2輪駆動と4輪駆動とに切り換え可能な4輪
駆動型自動車には、左右の前輪間の差動を制限するフロ
ントデフと、左右の後輪間の差動を制限するリヤデフと
が設けられることが多い。そして、最近では、フロント
デフとセンタデフとリヤデフは、電磁クラッチ手段を介
してロック状態とロック解除状態と両状態の中間状態と
に切り換え可能に構成してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】車両のタイヤ空気圧が
低下すると、空気圧が低下した車輪の走行抵抗が増加す
るため、走行安定性が低下するし、特に高速道路走行中
等にタイヤがパンクすると、走行安定性が極度に低下す
ることは公知であるが、従来の技術では、タイヤ空気圧
の低下やタイヤのパンクとに関連付けて、ロックとロッ
ク解除とに切り換え可能な差動制限装置を制御する技術
については、何ら提案されていない例えば、タイヤ空気
圧が低下したときやタイヤがパンクしたときに、そのタ
イヤの抵抗増加により走行安定性が低下する。
【0006】一方、タイヤ空気圧が低下すると、そのタ
イヤの負荷の増大によりタイヤの摩耗が進行してタイヤ
が損傷し、タイヤの信頼性低下を招く。本発明の目的
は、タイヤ空気圧異常(空気圧低下やパンク)時におけ
る、走行安定性を確保できる車両の制御装置、タイヤの
損傷を抑制できる車両の制御装置を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両の制御装
置は、ロック状態とロック解除状態とに切り換え可能な
差動制限装置と、車輪のタイヤ空気圧の異常を検知して
警報を出力するタイヤ空気圧判定装置とを備えた車両に
おいて、前記タイヤ空気圧判定装置からタイヤ空気圧異
常の判定を受けて、前記差動制限装置をロック状態に切
り換える切換え制御手段を設けたものである。
【0008】請求項2の車両の制御装置は、請求項1の
装置において、前記タイヤ空気圧判定装置が、タイヤの
パンク状態を判別するパンク判別手段を備え、前記切換
え制御手段は、パンク判別手段からタイヤのパンク状態
を示す判定を受けて、前記差動制限装置をロック状態に
切り換えるように構成されたものである。請求項3の車
両の制御装置は、ロック状態とロック解除状態とに切り
換え可能な差動制限装置と、車輪のタイヤ空気圧の異常
を検知して警報を出力するタイヤ空気圧判定装置とを備
えた車両において、前記タイヤ空気圧判定装置からタイ
ヤ空気圧異常の判定を受けて、前記差動制限装置をロッ
ク解除状態に切り換える切換え制御手段を設けたもので
ある。
【0009】請求項4の車両の制御装置は、前記タイヤ
空気圧判定装置が、タイヤのパンク状態を判別するパン
ク判別手段を備え、前記切換え制御手段は、パンク判別
手段からタイヤのパンク状態を示す判定を受けて、前記
差動制限装置をロック解除状態に切り換えるように構成
されたものである。請求項5の車両の制御装置は、請求
項3の装置において、前記差動制限装置を所定時間の間
ロック解除状態に切り換える為の切換えスイッチ手段を
設けたものである。
【0010】
【発明の作用及び効果】請求項1の車両の制御装置にお
いては、タイヤ空気圧判定装置が、車輪のタイヤの空気
圧の異常を判定すると、切換え制御手段は、タイヤ空気
圧判定装置からタイヤ空気圧異常の判定を受けて、差動
制限装置をロック状態に切り換える。従って、タイヤ空
気圧の異常により走行安定性が低下するのを抑制して、
走行安定性を確保できる。
【0011】請求項2の車両の制御装置においては、前
記タイヤ空気圧判定装置のパンク判別手段が、タイヤの
パンク状態を判別すると、前記切換え制御手段は、パン
ク判別手段からタイヤのパンク状態を示す判定を受け
て、差動制限装置をロック状態に切り換える。従って、
タイヤのパンクにより走行安定性が低下するのを抑制し
て走行安定性を確保できる。
【0012】請求項3の車両の制御装置は、タイヤ空気
圧判定装置が、車輪のタイヤの空気圧の異常を判定する
と、切換え制御手段は、タイヤ空気圧判定装置からタイ
ヤ空気圧異常の判定を受けて、差動制限装置をロック解
除状態に切り換える。従って、タイヤの空気圧異常時に
も差動制限装置をロック状態に保持すると、空気圧が低
下したタイヤが著しく損傷するが、ロック解除状態に切
り換えることで、タイヤの損傷を抑制でき、タイヤの信
頼性低下を防止できる。
【0013】請求項4の車両の制御装置においては、前
記タイヤ空気圧判定装置のパンク判別手段が、タイヤの
パンク状態を判別すると、前記切換え制御手段は、パン
ク判別手段からタイヤのパンク状態を示す判定を受け
て、差動制限装置をロック解除状態に切り換える。従っ
て、タイヤがパンクした状態で、差動制限装置をロック
状態に保持すると、車軸や差動制限装置の電磁クラッチ
の負荷が増大して、それらの耐久性を損なうことがある
が、差動制限装置をロック解除状態に切り換えること
で、車軸や差動制限装置の電磁クラッチの耐久性の低下
を防止できる。
【0014】請求項5の車両の制御装置においては、請
求項3の装置において、前記差動制限装置を所定時間の
間ロック解除状態に切り換える為の切換えスイッチ手段
を設けたので、この切換えスイッチ手段を介して差動制
限装置を必要に応じて所定時間の間ロック解除状態に切
り換えることで、スタック状態からの脱出を図る等、適
宜ロック状態を実現できるから差動制限装置の機能をあ
る程度確保できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。本実施例は、4輪駆動車に設けられた差
動制限装置とタイヤ空気圧判定装置に本発明を適用した
場合の一例であり、図1は、この4輪駆動車の駆動系及
び差動制限装置及びタイヤ空気圧判定装置の全体構成図
である。図1に示すように、エンジン1には変速機2が
接続され、この変速機2は主変速機とこれに連動連結さ
れた副変速機とからなる前進5速・後進1速の変速機で
ある。前記変速機2には、トランスファ3が接続され、
このトランスファ3には、エンジン1の出力を前輪2
1、22に伝達するフロントプロペラ軸5とエンジン1
の出力を後輪23、24に伝達するリヤプロペラ軸6が
接続されている。
【0016】前記フロントプロペラ軸5には、フロント
アクスル7を介して左右の前輪21、22が接続され、
リヤプロペラ軸6には、リヤアクスル8を介して左右の
後輪23、24が接続されている。前記トランスファ3
には、センタデファレンシャル9(センタデフ)が設け
られ、フロントアクスル7には、フロントデファレンシ
ャル10(フロントデフ)が設けられ、リヤアクスル8
には、リヤデファレンシャル11(リヤデフ)が設けら
れている。
【0017】次に、前記センタデフ9に組み込まれた電
磁多板クラッチ30について、図2を参照しつつ説明す
る。この電磁多板クラッチ30は、センタデフ9をアン
ロック状態、中間ロック状態、完全ロック状態の3つ状
態に亙って択一的に切り換えるものである。この電磁多
板クラッチ30は、フロントプロペラ軸5とリヤプロペ
ラ軸6との差動を制限できるものであれば、どのような
形式のものでもよいが、本実施例の電磁多板クラッチ3
0は、複数枚のインナディスクとアウタディスクとから
なるクラッチ板31とこのクラッチ板31に押圧力を発
生させる電磁アクチュエータ32とから構成されてい
る。
【0018】図中、33は軸受、34は一方のプロペラ
軸に連結された伝動部材、35は他方のプロペラ軸に連
結された伝動部材である。前記電磁アクチュエータ32
は、ソレノイド36(SOL C)に電流が流れるときに発
生する磁力でアーマチュア37がクラッチ板31を押圧
するように構成されている。この電磁多板クラッチ30
においては、ソレノイドSOL Cに流れる電流とクラッチ
板31を摩擦係合させる押圧力つまり電磁多板クラッチ
30で伝達するトルクとが比例関係にあるため、センタ
デフ9の作動回転数を電流の増減により連続的に変化さ
せることが出来る。更に、前記フロントデフ10にも前
記同様の電磁多板クラッチ(ソレノイドSOL Fを備えて
いる)が設けられ、また、リヤデフ11にも前記同様の
電磁多板クラッチ(ソレノイドSOL Rを備えている)が
設けられているが、同様のものなのでそれらの説明は省
略する。
【0019】次に、前記3つの電磁多板クラッチ(つま
り、3つのソレノイドSOL F,C,R)を制御する制御
系について、図1に基いて説明する。先ず、センタデフ
9とフロントデフ10とリヤデフ11の制御の為に必要
なスイッチ類やセンサ類として、左右の前輪21,22
及び左右の後輪23,24の回転速度を検出する車輪速
センサ25,26,27,28と、エンジン1のスロッ
トル開度を検出するスロットル開度センサ16と、変速
機2の変速段を検出する変速段スイッチ17と、副変速
機の変速段を検出する副変変速段スイッチ18と、エン
ジン1と変速機2間のクラッチのON(接続)、OFF
(非接続)を検出するクラッチスイッチ19と、前記セ
ンタデフ9とフロントデフ10とリヤデフ11の作動モ
ードを設定する為のモード設定スイッチ20が設けられ
ている。
【0020】更に、タイヤ空気圧判定装置に必要なスイ
ッチ類やセンサ類として、前記車輪速センサ25〜28
に加えて、ブレーキペダルの踏込みを検出するブレーキ
スイッチ41と、ハンドル舵角を検出する舵角センサ4
2と、タイヤ空気圧判定制御における初期設定処理の開
始を指令する初期設定スイッチ43と、タイヤ空気圧低
下を判定したときに警報を表示する為のワーニングラン
プ44が設けられている。そして、以上のセンサ類やス
イッチ類からの信号が、差動制限制御用のコントロール
ユニットと、タイヤ空気圧判定制御用のコントロールユ
ニットとを兼ねるコントロールユニット40に供給さ
れ、ワーニングランプ44は、コントロールユニット4
0で駆動制御される。尚、符号45はバッテリである。
【0021】前記車輪速センサ25〜28は、アクスル
と一体回転する検出用ディスク25a〜28aと、検出
用ディスクに臨む電磁ピックアップ25b〜28bとで
夫々構成され、各検出用ディスク25a〜28aには、
例えば44個の被検出部が周方向に等間隔おきに形成し
てある。
【0022】前記コントロールユニット40は、センサ
類やスイッチ類からの検出信号を必要に応じて波形整形
する波形整形回路、同検出信号を必要に応じてA/D変
換するA/D変換器、入出力インタフェース、CPUと
ROMとRAMとを含むマイクロコンピュータ、3つの
ソレノイドSOL F,C,Rの為の駆動回路、等からな
り、マイクロコンピュータのROMには、前記3つの電
磁多板クラッチ(つまり、3つのソレノイドSOL F,
C,R)を制御することで行う差動制限制御の制御プロ
グラムと、後述のタイヤ空気圧判定制御の制御プログラ
ムとが予め入力格納されており、RAMにはこれらの制
御に必要なメモリ類が設けられている。
【0023】次に、前記センタデフ9とフロントデフ1
0とリヤデフ11に対する差動制限制御の概略について
説明する。前記モード設定スイッチ20は、前記3つの
デフ9〜11の作動モードを設定する為のスイッチであ
り、AUTO(Aモード)、C(Cモード)、R(Rモ
ード)及びF(Fモード)を択一的に設定可能に構成さ
れ、これら作動モードとデフの種類と制御内容は、表1
に示す通りである。
【0024】
【表1】
【0025】表1について説明すると、Aモードにおい
ては、フロントデフ10がアンロック状態とされ、セン
タデフ9とリヤデフ11とがオートモード制御に設定さ
れる。尚、このAモードでは、差動回転数とエンジンの
スロットル開度とに基いて駆動電流が設定されるが、こ
のAモードにおけるオートモード制御では、アンロック
状態と、完全ロック状態と、この両状態の中間状態とが
ある。
【0026】Cモードにおいては、フロントデフ10が
アンロック状態とされ、センタデフ9が差動を制限する
中間ロック状態とされ(但し、デフに作用するトルクが
増大する所定状態では、完全ロック状態とされる)、リ
ヤデフ11がオートモード制御に設定される。Rモード
においては、フロントデフ10がアンロック状態とさ
れ、センタデフ9及びリヤデフ11が中間ロック状態と
される(但し、デフに作用するトルクが増大する所定状
態では、完全ロック状態とされる)。Fモードにおいて
は、フロントデフ10及びセンタデフ9及びリヤデフ1
1の全部が中間ロック状態とされる(但し、デフに作用
するトルクが増大する所定状態では、完全ロック状態と
される)。
【0027】前記作動モードは、モード設定スイッチ2
0を介して運転者により任意に設定されるが、Aモード
においては、フロントデフ10がアンロック状態とされ
ているため、駆動性に影響が少なく操作性に優れてお
り、市街地等の通常路をオンロード走行するのに適して
いる。一方、Fモードにおいては、全部のデフが中間ロ
ック状態とされるため操作性が若干低下するが駆動性に
優れており、悪路等を走行するオフロード走行に適して
いる。Cモード及びRモードは、これらの中間の特性を
有し、運転者の好みに応じて選択される。
【0028】前記タイヤ空気圧判定装置は、基本的に、
車輪速センサ25〜28、ブレーキスイッチ41、舵角
センサ42、初期設定スイッチ43、ワーニングランプ
44、コントロールユニット40等で構成されている。
以下、前記コントロールユニット40で実行されるタイヤ
空気圧判定制御について、図3以降の図面に基いて説明
する。但し、フローチャートの図中、符号Si(i=
1,2,・・・)各ステップを示すものである。
【0029】最初に、このタイヤ空気圧判定制御の概要
について説明すると、基本的に4つの車輪速センサ25
〜28で検出される車輪速Vw1〜Vw4 に基いてタイヤ空
気圧判定を行うのであるが、自動車の使用開始時や1又
は複数のタイヤを交換したとき等に、係数Cx(補償係
数)の初期設定処理を実行して、タイヤの製作誤差や特
性を補償する為の係数Cxを初期設定する。その後、定
期的(所定走行距離毎、又は、所定期間毎)にタイヤ空
気圧判定処理を実行して、何れかのタイヤの空気圧異常
を判定し、タイヤ空気圧が低下している場合には、ワー
ニングランプ34を介して警報を出力する。
【0030】そして、前記初期設定処理は、路面状態に
応じて設定される車速域のときに実行し、また、センタ
デフ9やフロントデフ10やリヤデフ11がロック状態
や中間ロック状態のときには、タイヤ空気圧低下による
車輪速の変化を検出できないので、強制的にロック解除
した状態で実行するようにしてある。前記タイヤ空気圧
判定処理は、路面状態に応じて別途設定される車速域の
ときに実行する。尚、このタイヤ空気圧判定制御は、前
記初期設定処理と、タイヤ空気圧判定処理と、路面摩擦
係数演算処理(フローチャートは省略)とを含む。
【0031】次に、前記係数Cxの初期設定処理につい
て、図3を参照しつつ説明する。この係数Cxの初期設
定処理は、タイヤを交換した場合等にインストルメント
パネルに付設したa接点型の初期設定スイッチ33がON
操作されると開始され、次に前記センサ25〜28,4
2やスイッチ41,43からの信号をディジタル化した
各種データが読み込まれ(S1)、次に、初期設定処理
の実行中を示す為に、ワーニングランプ44が点灯さ
れ、且つタイヤ空気圧判定処理を禁止する為にフラグF
が0にリセットされる(S2)。
【0032】次に、S3において、係数Cxの初期設定
条件が成立か否かの判定が実行されるが、自動車が加減
速状態でないこと、定常直進走行状態であって、車速V
が図7のマップに示す路面状態に応じて設定された係数
Cxの初期設定許可車速域に入っていること、少なくと
もセンタデフ9がロック状態であること、が充足された
ときには、条件成立と判定されてS4へ移行し、また、
条件不成立のときはS10へ移行する。尚、センタデフ
9のロック・ロック解除については、差動制限制御から
のデータに基いて判定され、また、車速Vとしては車体
速が適用され、左右の従動輪(前輪21,22)の平均
値に等しく設定され、加減速は車速Vの変化から検知さ
れる。
【0033】ここで、図7に示した係数Cxの初期設定
許可車速域の下限値は、過度に低速でない所定値(例え
ば、20Km/H)に設定され、初期設定許可車速域の上限値
は、走行路面の路面摩擦に応じて40〜50Km/Hの範囲
の値に設定されている。前記上限値に関して、低μ状態
のときの40Km/Hから高μ状態のときの50Km/Hへリニ
アに増大するように設定されている。尚、μとは、路面
の摩擦係数である。そして、50Km/H超の高速状態で
は、駆動輪のスリップ量が増加したり、前輪1,2 と後輪
3,4 の輪荷重が変化したりして、車輪速Vw1〜Vw4の検
出精度が低下するので、50Km/H以下の車速のときに、
初期設定処理を実行することが望ましく、また、低μの
ときには駆動輪のスリップ量が増加するので、40Km/H
以下の車速のときに、初期設定処理を実行することが望
ましい。尚、路面μの演算方法については後述する。
【0034】次に、S3において条件成立と判定される
と、S5において、タイヤの製作誤差や特性を加味して
タイヤ交換時等における4つのタイヤの初期状態を補償
する為の係数Cxが4輪の車輪速Vw1〜Vw4を用いて、
一方の対角線関係にある左前輪1と右後輪4の車輪速の
和(Vw1+Vw4)と、他方の対角線関係にある右前輪2
と左後輪3の車輪速の和(Vw2+Vw3)との比として次
式で演算される。 係数Cx=(Vw1+Vw4)/(Vw2+Vw3) 次に、S5において、係数Cxが適正値か否か判定され
るが、タイヤの製作誤差によるタイヤ径の誤差が最大0.
3 %であることから、係数Cxが略1の所定範囲(例え
ば、0.95〜1.05)に入っている場合に、係数Cxが適正
値であると判定される。
【0035】係数Cxが適正値であるときには、S6に
おいて係数Cxの書き換え処理が実行され、前回の係数
Cx(i-1) に今回のCx(i) が与えられ、次に、ワーニ
ングランプ44が消灯され且つタイヤ空気圧判定処理を
許可する為にフラグFが1にセットされ、その後S7へ
移行する。一方、S5の判定結果がNoのときは、S8に
おいて係数Cxが、不定か否か判定され、不定のときに
はS10へ移行し、また、不定でないときには、S9に
おいてワーニングランプ44が所定時間(例えば、2秒
間)点滅され、その後S10へ移行する。S10では、
フラグFが1か否か判定され、フラグF=1のときはこ
の初期設定処理が終了し、また、フラグFが1でないと
きにはリターンして、S1以降が繰り返し実行される。
【0036】但し、前記S3の条件判定においては、フ
ロントデフ10とリヤデフ11も、ロック解除状態であ
ることも条件に加えてもよい。また、1回のスイッチ3
3のON操作に基いて、複数回の初期設定処理を実行し
て複数の係数Cxを求め、それら複数の係数Cxの平均
値から最終の係数Cxを決定するように構成することも
可能である。こうして、タイヤ交換時等における4つの
タイヤの初期状態を補償する為の係数Cxが決定され、
RAMのメモリに格納される。
【0037】ここで、走行路面の路面μを求める演算処
理について説明する。先ず、車速Vは、従動輪の車輪速
Vw1, Vw2の平均値に等しく設定され、その車速Vが、
初期設定処理およびタイヤ空気圧判定処理に適用され
る。路面μは、車速Vとその加速度Vgとに基いて演算
されるが、この演算には、500msのタイマと100
msのタイマとを用い、加速開始後車体加速度Vgが十
分に大きくならない500ms経過までは100ms毎
に100ms間の車速Vの変化から、次式により車体加
速度Vgが演算される。
【0038】 Vg=K1×〔V(i)−V(i−100)〕 車体加速度Vgが十分に大きくなった500ms経過後
は100ms毎に500msの間の車速Vの変化から、
次式により車体加速度Vgが演算される。 Vg=K2×〔V(i)−V(i−500)〕 尚、前記の式中、V(i)は現時点の車速、V(i−1
00)は100ms前の車速、V(i−500)は50
0ms前の車速、K1、K2は夫々所定の定数である。
前記路面μは、前記のように求めた車速Vと車体加速度
Vgとを用いて表1に示したμテーブルから、3次元補
完により演算され、この路面μが、初期設定処理および
タイヤ空気圧判定処理に適用される。
【0039】
【表2】
【0040】次に、タイヤ空気圧判定処理について、図
4〜図6のフローチャートを参照しつつ説明する。この
タイヤ空気圧判定処理は、例えば、100Kmの走行距
離毎に実行される処理であり、この処理の開始後、前記
センサ25〜28,42やスイッチ41からの信号をデ
ィジタル化した各種データが読み込まれ(S20)、次
に、前記フラグFが1か否か判定され(S21)、Yes
のときには、S22においてタイヤ空気圧判定条件成立
か否か判定される。このタイヤ空気圧判定条件に関し
て、自動車が加減速状態でないこと、定常直進走行状態
であって、車速が図8のマップに示す路面状態に応じて
設定されたタイヤ空気圧判定許可車速域に入っているこ
と、少なくともセンタデフ9がロック解除状態であるこ
と、が充足されたときには、条件成立と判定されてS2
3へ移行し、条件不成立のときはS24へ移行する。
尚、センタデフ9のロック・ロック解除に関しては、差
動制限制御からのデータに基いて判定される。
【0041】ここで、図8に示したタイヤ空気圧判定許
可車速域の下限値は、過度に低速でない所定値(例え
ば、20Km/H)に設定され、また、タイヤ空気圧判定許可
車速域の上限値は、走行路面の路面摩擦状態に応じて4
0Km/H〜最高車速の範囲の値に設定されている。この上
限値に関して、低μ状態のときの40Km/Hから高μ状態
のときの最高車速へリニアに増大するように設定されて
いる。そして、50Km/H超の高速状態では、駆動輪のス
リップ量が増加して車輪速Vw1〜Vw4の検出精度が低下
するが、多少の精度低下は生じても、50Km/H超の高速
走行状態におけるタイヤ空気圧の低下を検出することが
望ましいので、前記のように設定してある。低μのとき
には駆動輪のスリップ量が増加するので、40Km/H以下
の車速のときに、タイヤ空気圧判定処理を実行すること
が望ましい。
【0042】S23においては、図5と図6のタイヤ空
気圧判定サブルーチンが実行され、その後リターンし、
S21又はS22の判定結果がNoのときは、S24にお
いて、タイヤ空気圧判定サブルーチンにおけるタイマT
がリセットされ、フラグFa,Ftが0にリセットされ
るとともに、カウンタI,Jが0にリセットされ、その
後リターンする。次に、S23のタイヤ空気圧判定サブ
ルーチンについて、図5と図6を参照しつつ説明する。
先ず、フラグFtが1か否か判定され(S30)、最初
はNoなのでS31において、タイマTがスタートされ且
つフラグFtが1にセットされてS32へ移行する。ま
た、フラグFtが1にセットされている状態では、S3
0からS32へ移行する。次に、S32において、空気
圧判定変数Dが、図示の式、つまり、次式により演算さ
れる。
【0043】D=2×[Cx(Vw2+Vw3)-( Vw1+Vw4)]
/[ Vw1+Vw2+Vw3+Vw4 ] 上式において、係数Cxは、予めタイヤの初期状態を補
償するように設定してあるため、タイヤ空気圧が正常で
ある場合には、空気圧判定変数Dは略0に等しい値にな
るが、右前輪22又は左後輪23のタイヤ空気圧が低下
している場合には、車輪速Vw2又は車輪速Vw3が大きく
なるため空気圧判定変数Dは正方向に増大し、また、左
前輪21又は右後輪24のタイヤ空気圧が低下している
場合には、車輪速Vw1又は車輪速Vw4が大きくなるため
空気圧判定変数Dは負方向に増大する。
【0044】次に、S33において判定変数Dが所定値
D0(例えば、0.020 〜0.050 の範囲の所定値)以上か
否か判定され、その判定結果がYes のときは、フラグF
aが1か否か判定され(S34)、フラグFaが1でな
いときには、判定変数Dが所定値D0以上の回数をカウ
ントするカウンタIが1にセットされ且つフラグFaが
1にセットされ(S35)、その後S41へ移行する。
また、フラグFaが1にセットされている状態では、S
34からS36に移行してカウンタIがインクリメント
され、その後S41ヘ移行する。
【0045】一方、S33の判定結果がNoのときは、S
37へ移行して判定変数Dが所定値−D0以下か否か判
定され、Yes のときはフラグFaが2か否か判定され
(S38)、フラグFaが2でないときには、判定変数
Dが所定値−D0以下の回数をカウントするカウンタJ
が1にセットされ且つフラグFaが2にセットされ(S
39)、その後S41へ移行する。また、フラグFaが
2にセットされている状態では、S38からS40に移
行してカウンタJがインクリメントされ、その後S41
ヘ移行する。
【0046】次に、S41において、タイマTのカウン
ト値Tが所定時間T0(例えば、2秒)経過したか否か
判定されるが、最初のうちは、その判定結果がNoである
ため、S41からリターンするのを繰り返していって、
図4のS20〜S22、S30〜S41が繰り返えして
実行され、タイマTのカウント値TとカウンタIのカウ
ント値I又はカウンタJのカウント値Jが増加してい
く。尚、図9にはタイヤ空気圧正常時の空気圧判定変数
Dの挙動を図示し、図10には右側前輪22又は左側後
輪23のタイヤ空気圧異常時の空気圧判定変数Dの挙動
を図示してある。
【0047】そして、所定時間T0経過すると、S41
の判定結果がYes となるため、S42へ移行し、カウン
タIのカウント値Iが所定値K0以上か又はカウンタJ
のカウント値Jが所定値K0以上か否かの判定が実行さ
れ、その判定結果がNoのときには、S43においてタイ
ヤ空気圧が正常と判定されてS47へ移行し、また、S
42の判定結果がYes のときには、S44においてタイ
ヤ空気圧異常(低下)と判定され、S45において、ド
ライバーにタイヤ空気圧低下を警報する為に、ワーニン
グランプ34が所定時間(例えば、2秒間)点灯され、
S46へ移行する。次に、S46においては、フロント
デフ10とリヤデフ11とをロック状態に切り換える制
御信号が、差動制限制御に対して出力され、その差動制
限制御によりフロントデフ10とリヤデフ11とがロッ
ク状態に切り換えられる。次に、S47においては、次
回のタイヤ空気圧判定処理に備えて、タイマT、フラグ
Fa、フラグFt、カウンタI、カウンタJが、夫々0
にリセットされ、今回のタイヤ空気圧判定処理が終了す
る。
【0048】次に、以上説明したタイヤ空気圧判定装置
の作用について説明する。インストルメントパネルに初
期設定スイッチ33を設け、そのスイッチ33を操作するこ
とにより、タイヤ交換時等の必要な時に係数Cxを初期
設定する初期設定処理を実行するので、タイヤ交換後の
4輪のタイヤの製作誤差や特性を補償した係数Cxを設
定することができる。そして、初期設定処理は、定常直
進走行において、走行路面の路面摩擦状態に応じて設定
される車速域のときに実行するので、低μ路における駆
動輪のスリップ、輪荷重の変動、等に起因する誤差要因
を極力排除して、係数Cxを高精度に初期設定できる。
そして、この初期設定処理では、少なくともセンタデフ
9がロック解除状態であることを条件として、この処理
を実行するので、係数Cxにタイヤの初期状態を確実に
反映させることができる。
【0049】その初期設定処理後には、所定距離走行毎
に又は所定期間経過毎に、前記係数Cxを用いてタイヤ
空気圧判定処理を実行する。このタイヤ空気圧判定処理
は、定常直進走行時であって走行路面の路面摩擦状態に
応じて設定される車速域のときであって、少なくともセ
ンタデフ9がロック解除状態のときに実行するので、初
期設定処理の場合と同様に、低μ路における駆動輪のス
リップ、輪荷重の変動、等に起因する誤差要因を極力排
除して、タイヤ空気圧判定の精度や信頼性を高めること
ができる。
【0050】しかも、タイヤ空気圧が異常(低下)と判
定したときには、少なくともフロントデフ10とリヤデ
フ11とをロック状態に切り換えるので、前輪又は後輪
のタイヤ空気圧低下に伴う走行安定性の低下を抑制し
て、走行安定性を確保することができる。特に、高速道
路を走行しているような場合に、タイヤ空気圧が急低下
すると、走行安定性が著しく低下するが、タイヤ空気圧
判定処理を常時実行するように構成し、タイヤ空気圧が
急低下したときに、前記のようにロック状態に切り換え
ることで、空気圧低下直後の走行安定性を確保できる。
但し、この場合、前記ロック状態は、少なくとも所定短
時間継続させることが望ましいが、その所定短時間経過
後には、ドライバーによるモード設定スイッチ20の操
作を介してデフ9〜11の各状態が設定されるように構
成してもよい。
【0051】次に、前記実施例の一部を変更した複数の
変形例について説明する。 (1) 前記図6のS46のステップの代わりに、フロ
ントデフ10とリヤデフ11とをロック解除状態に切り
換える制御信号を差動制限制御に対して出力するように
構成する。このように、前輪又は後輪のタイヤ空気圧の
低下が判定されたときに、フロントデフ10とリヤデフ
11とをロック解除状態に切り換えると、空気圧が低下
したタイヤの負荷を軽減して損傷を抑制できる。即ち、
タイヤの空気圧が低下すると、そのタイヤの負荷が増加
してタイヤが著しく損傷するが、そのタイヤの損傷を抑
制できる。
【0052】(2) 前記実施例では、空気圧が低下し
たタイヤを検知する制御には構成していないが、以下に
説明する空気圧異常輪検知処理によって、空気圧が低下
したタイヤを検知し、左右何れかの前輪のタイヤ空気圧
が低下したときには、前記S46のステップにおいてフ
ロントデフ10だけをロック状態に切り換え、また、左
右何れかの後輪のタイヤ空気圧が低下したときには、前
記S46のステップにおいてリヤデフ11だけをロック
状態に切り換えるように構成してもよい。次に、前記空
気圧異常輪検知処理について、図11を参照しつつ説明
する。この異常輪検知処理は、図4のルーチンと同じ微
小時間毎の演算処理であって、図4のルーチンに対する
割り込み処理で実行される。スタート後、車輪速Vw1≧
Vw4か否かの判定(S110)と、車輪速Vw2≧Vw3か
否かの判定(S113)が実行され、大きいと判定され
た方のカウンタK1〜K4がインクリメントされる(S
111〜S115)。
【0053】図5、図6におけるタイマTの計時時間T
が所定時間T0になるまでは、S110〜S116が繰
り返し実行されて、カウンタK1〜K4がインクリメン
トされていく。そして、タイヤ空気圧判定処理開始後所
定時間T0経過すると、S117において、図6のS4
2と同様の判定がなされ、その判定結果が No のとき
は、S125においてフラグFAが0にリセットされ、
また、S117の判定結果がYes となって、タイヤ空気
圧が異常のときは、S118においてフラグFaが1か
否か判定され(S118)、フラグFaが1のときは、
S119において、カウント値K2がカウント値K3以
上か否か判定され、K2≧K3のときは、S120にお
いて右前輪22のタイヤ空気圧が異常と判定されてフラ
グFAが2にセットされる。S119の判定結果、K2
≧K3でないないときは、S121において左後輪23
のタイヤ空気圧が異常と判定されてフラグFAが3にセ
ットされる。
【0054】また、S118の判定結果が No のとき、
つまり、フラグFaが2のときは、S122においてカ
ウント値K1がカウント値K4以上か否か判定され、K
1≧K4のときは、S123において左前輪21のタイ
ヤ空気圧が異常と判定されてフラグFAが1にセットさ
れる。S122の判定結果、K1≧K4でないないとき
は、S124において右後輪24のタイヤ空気圧が異常
と判定されてフラグFAが4にセットされる。尚、S1
25では、カウンタK1〜K4がクリアされてから、こ
の処理が終了する。
【0055】このように、空気圧低下フラグFAを、左
側前輪21の空気圧低下時には1にセットし、また、右
側前輪22の空気圧低下時には2にセットし、また、左
側後輪23の空気圧低下時には2にセットし、また、右
側後輪24の空気圧低下時には4にセットし、4輪とも
空気圧が正常のときには0にセットし、この空気圧低下
フラグFAのデータに基いて、空気圧が低下した車輪を
特定するように構成する。
【0056】(3) 前記実施例の係数Cxの代わり
に、タイヤの製作誤差や特性等を補償するための初期偏
差Δであって、次式で表される初期偏差Δを適用するこ
ともできる。 Δ=2[( Vw1+ Vw4 )-(Vw2+ Vw3 )]/ (Vw1+ Vw2 +
Vw3+ Vw4) 前記初期偏差Δを適用する場合、タイヤ空気圧判定処理
における空気圧判定変数Dは、次式で演算される。 D=2 [(Vw1+ Vw4 )-(Vw2+ Vw3 )]/ (Vw1+ Vw2 +
Vw3+ Vw4) 前記の初期偏差Δと空気圧判定変数Dを用いる場合、図
5におけるS33の判定は、(D−Δ)≧D0か否かの
判定となり、また、S37における判定は、(D−Δ)
≦−D0か否かの判定となる。
【0057】次に、前記実施例の図5と図6のタイヤ空
気圧判定ザブルーチンの一部を変更した別実施例につい
て、図12を参照しつつ説明する。このタイヤ空気圧判
定ザブルーチンでは、タイヤ空気圧の低下と、特に空気
圧低下の著しいパンクとを判別して、4輪のタイヤの何
れかがパンクしたときには、フロントデフ10とリヤデ
フ11とをロック状態に切り換える。
【0058】図5のS32の次に図12のS50に移行
し、空気圧判定変数Dが所定値D0以上か否か判定さ
れ、D≧D0のときはS51において、フラグFaが1
か否か判定され、その判定が No のときはS52におい
てカウンタI1が1にまたフラグFaが1に夫々セット
され、S51の判定がYes のときはS53においてカウ
ンタI1がインクリメントされる。次に、S54におい
て、空気圧判定変数Dが、所定値D0よりも大きな所定
値D1以上か否か判定され、その判定が No のときには
S66へ移行するが、その判定がYes のときはS55に
おいてフラグFaが2か否か判定され、その判定がNo
のときはS56においてカウンタI2が1にまたフラグ
Faが2に夫々セットされ、S55の判定がYes のとき
はS57においてカウンタI2がインクリメントされ、
S57からS66へ移行する。
【0059】一方、S50の判定結果が No のときは、
S58において空気圧判定変数Dが所定値−D0以下か
否か判定され、D≦−D0のときはS59において、フ
ラグFaが3か否か判定され、その判定が No のときは
S60においてカウンタI3が1にまたフラグFaが3
に夫々セットされ、S59の判定がYes のときはS61
においてカウンタI3がインクリメントされる。次に、
S62において、空気圧判定変数Dが、所定値−D1以
下か否か判定され、その判定が No のときにはS66へ
移行するが、その判定がYes のときはS63においてフ
ラグFaが4か否か判定され、その判定が No のときは
S64においてカウンタI4が1にまたフラグFaが4
に夫々セットされ、S63の判定がYes のときはS65
においてカウンタI4がインクリメントされ、S65か
らS66へ移行する。
【0060】尚、前記所定値D0、−D0は、パンク状
態も含めてタイヤ空気圧の低下を判定する為のしきい値
であり、D1>D0に設定された所定値D1、−D1
は、パンク状態を判定する為のしきい値である。タイヤ
がパンクすると、空気圧が著しく低下し、タイヤの有効
径が大幅に減少して、パンク輪の車輪速が著しく増大す
るから、所定値D1、−D1を介して判定することがで
きる。
【0061】次に、S66において、タイマTの計時時
間Tが所定時間T0以上か否か判定され、その判定が N
o のときは、リターンして繰り返し実行され、その後計
時時間Tが所定時間T0以上になると、S67におい
て、カウンタI1のカウント値I1が所定値K0以上
か、又は、カウンタI3のカウント値I3が所定値K0
以上かの判定が実行される。そして、その判定結果が N
o のときは、S68において空気圧が正常であると判定
され、このタイヤ空気圧判定制御は終了する。
【0062】これに対して、4輪の何れかのタイヤ空気
圧が異常のときには、S67の判定結果がYes となる。
次のS69では、カウンタI2のカウント値I2が所定
値K1以上か、又は、カウンタI4のカウント値I4が
所定値K1以上かの判定が実行される。そして、その判
定結果が No のときは、何れかのタイヤの空気圧は低下
しているが、パンクは発生していないとして、S70に
おいて空気圧低下と判定され、その後S73へ移行す
る。
【0063】一方、S69の判定結果がYes のときは、
S71において4輪の何れかのタイヤがパンクしたと判
定され、次にS72において、フロントデフ10とリヤ
デフ11とをロック状態に切り換える制御信号が差動制
限制御に対して出力され、差動制限制御によりフロント
デフ10とリヤデフ11とがロック状態に切り換えら
れ、そのロック状態が少なくとも数秒間保持される。S
70又はS72からS73へ移行し、S73において、
ワーニングランプ44が所定時間点灯され、次にS74
においてタイマTが0にリセットされ、フラグFa、F
t、カウンタI1〜I4が夫々0にリセットされると、
このタイヤ空気圧判定制御が終了する。
【0064】以上のように、何れかのタイヤがパンクし
たときには、フロントデフ10とリヤデフ11とを強制
的にロック状態に切り換えるので、パンクに伴う走行安
定性の低下を最小限に抑制して走行安定性を確保でき
る。但し、パンク発生時に、少なくとも数秒間、フロン
トデフ10とリヤデフ11とをロック状態に保持した以
降は、ドライバによるモード設定スイッチ20の操作を
介して、デフ9〜11の各状態が設定されるように構成
してもよい。
【0065】ここで、前記別実施例の一部を変更した変
形例として、S72において、フロントデフ10とリヤ
デフ11とを強制的にロック状態に切り換える代わり
に、S72においてフロントデフ10とリヤデフ11と
を強制的にロック解除状態に切り換えるように構成す
る。即ち、タイヤがパンクした状態で、フロントデフ1
0やリヤデフ11とをロック状態に保持しておくと、パ
ンクしたタイヤの損傷が著しく進行し、また、アクスル
や電磁多板クラッチ30の耐久性低下を招くことになる
ので、それを防止する為に、ロック解除状態とする。
【0066】前記S72において、ロック状態に切り換
えるか、また、ロック解除状態に切り換えるかを択一的
に設定できる選択スイッチをインストルメントパネルに
設け、その選択スイッチによる選択に応じて、フロント
デフ10とリヤデフ11とをロック状態又はロック解除
状態に制御するように構成することもできる。走行安定
性を重視するドライバは、ロック状態を選択できるし、
また、タイヤの損傷防止を重視するドライバは、ロック
解除状態を選択できることになる。また、図11に基い
て説明した空気圧異常輪検知処理を実行して、パンク輪
を特定し、S72において、そのパンク輪に対応するデ
フ(フロントデフ10又はリヤデフ11)のみをロック
状態又はロック解除状態に切り換えるように構成しても
よい。
【0067】尚、ここで、前記実施例のように車輪速を
用いずに、連続又は断続の所定期間における累積的な車
輪速センサ27〜30の出力パルスの数Nw1〜Nw4をパラメ
ータとして、タイヤ空気圧判定を実行することも可能で
あり、また、その所定期間とパルス数Nw1〜Nw4とから
演算される車輪1回転当りの時間Tw1〜Tw4をパラメー
タとしてタイヤ空気圧判定を実行することも可能であ
る。そして、この場合に、上記と同様に、初期設定処理
を実行して、連続又は断続の所定期間(前記所定期間と
は、同一又は異なる所定期間)における累積的な車輪速
センサ27〜30の出力パルスの数INw1〜INw4を求め、
パルス数の比(Nw1/INw1)〜(Nw4/INw4)をパ
ラメータとして、タイヤ空気圧判定を実行することも出
来る。
【0068】尚、前記タイヤ空気圧判定制御のうちのタ
イヤ空気圧判定処理は、自動車の走行中に常時実行する
ように構成してもよい。また、前記タイヤ空気圧判定装
置の代わりに、4輪のタイヤの空気圧を空気圧センサで
夫々検出し、その検出した空気圧に基いてタイヤ空気圧
の異状を判定するように構成したタイヤ空気圧判定装置
を適用可能であることは、勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る4輪駆動型自動車の駆動系と差動
制限装置とタイヤ空気圧判定装置の構成図である。
【図2】センタデフの要部断面図である。
【図3】タイヤ空気圧判定制御の初期設定処理のフロー
チャートである。
【図4】タイヤ空気圧判定制御のタイヤ空気圧判定処理
のフローチャートである。
【図5】図4のタイヤ空気圧判定サブルーチンのフロー
チャートの一部である。
【図6】図4のタイヤ空気圧判定ザブルーチンのフロー
チャートの残部である。
【図7】係数Cxの初期設定許可車速域のマップを示す
図である。
【図8】タイヤ空気圧判定許可車速域のマップを示す図
である。
【図9】タイヤ空気圧正常時の空気圧判定変数Dの挙動
を示す線図である。
【図10】タイヤ空気圧異常時の空気圧判定変数Dの挙
動を示す線図である。
【図11】タイヤ空気圧判定処理における空気圧異状輪
検知処理のフローチャートである。
【図12】別実施例に係るタイヤ空気圧判定制御におけ
るタイヤ空気圧判定サブルーチンのフローチャートの部
分図である。
【符号の説明】
9 センタデフ 10 フロントデフ 11 リヤデフ 21,22 前輪 23,24 後輪 25〜28 車輪速センサ 40 コントロールユニット 41 ブレーキスイッチ 42 舵角センサ 43 初期設定スイッチ 44 ワーニングランプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロック状態とロック解除状態とに切り換
    え可能な差動制限装置と、車輪のタイヤ空気圧の異常を
    検知して警報を出力するタイヤ空気圧判定装置とを備え
    た車両において、 前記タイヤ空気圧判定装置からタイヤ空気圧異常の判定
    を受けて、前記差動制限装置をロック状態に切り換える
    切換え制御手段を設けたことを特徴とする車両の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記タイヤ空気圧判定装置は、タイヤの
    パンク状態を判別するパンク判別手段を備え、 前記切換え制御手段は、パンク判別手段からタイヤのパ
    ンク状態を示す判定を受けて、前記差動制限装置をロッ
    ク状態に切り換えるように構成されたことを特徴とする
    請求項1に記載の車両の制御装置
  3. 【請求項3】 ロック状態とロック解除状態とに切り換
    え可能な差動制限装置と、車輪のタイヤ空気圧の異常を
    検知して警報を出力するタイヤ空気圧判定装置とを備え
    た車両において、 前記タイヤ空気圧判定装置からタイヤ空気圧異常の判定
    を受けて、前記差動制限装置をロック解除状態に切り換
    える切換え制御手段を設けたことを特徴とする車両の制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記タイヤ空気圧判定装置は、タイヤの
    パンク状態を判別するパンク判別手段を備え、 前記切換え制御手段は、パンク判別手段からタイヤのパ
    ンク状態を示す判定を受けて、前記差動制限装置をロッ
    ク解除状態に切り換えるように構成されたことを特徴と
    する請求項3に記載の車両の制御装置
  5. 【請求項5】 前記差動制限装置を所定時間の間ロック
    解除状態に切り換える為の切換えスイッチ手段を設けた
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
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