JPH0628417Y2 - 宅配便用保冷ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は水産物や青果物、生肉、ハム、ソーセージ等の
保冷を必要とする商品を収容して簡単に輸送できる宅配
便用保冷ケースに関するものであって、特に組立使用時
にワンタッチ起こしが可能で、組立易くまた水漏れしな
い段ボール製宅配便用保冷ケースに関する。

［従来の技術と問題点］ 周知のとうり、近年における宅配便の普及は目を瞠るも
のがあるが、それに伴ない水産物、青果物等の保冷を要
する生鮮食料品を簡便に収容して宅配できる保冷ケース
が多種開発され、かつ実用化されている。しかし従来の
多くの保冷ケースは、ポリエチレン樹脂やポリプロピレ
ン樹脂等を主体とする合成樹脂発泡体で形成されたもの
であり、一般にそれらのものは加工や材料費の関係から
高価であり、また廃棄処理も容易でない。

そこで、前記合成樹脂製保冷ケースに較べ安価で、加工
適正がよく、使用の際に組立て易く、廃棄処理も容易な
紙製保冷ケースの開発が望まれている。

しかるに一般に紙製のケースは、輸送中の保冷効果が十
分とはいえず、隙間から冷気が逃げ、容器内に収容した
物品が外気からの熱により昇温し、鮮度が劣化すること
があった。また、含水食品や冷却剤から融解された水分
によって容器外に水漏れを生じる等の問題があった。

本考案は上記した従来の問題点に鑑み、アルミ蒸着膜ま
たはアルミ箔等からなる熱反射層を少なくとも一面に設
けた段ボールシートを用いて、安価でしかも組立て易
く、また輸送中に冷気を逃がすことなく、さらに水漏れ
を生じさせることのない冷却ケースを提案することを目
的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために本考案は、ライナの少なく
とも一面にアルミ蒸着膜またはアルミ箔等からなる熱反
射層を設けた保温保冷用段ボールシートの略中央に矩形
の底板を区画し、その４辺に一対の側板と一対の妻板と
を連設し、またその側板と妻板との間に４５度の折線を
有する連係板を設けると共に、前記一対の側板の一方に
は外付けフラップを有する蓋板を連設し、また他方には
両端に係止突起を有する折返し片を連設し、さらに前記
突起が嵌合する小孔を前記妻板の側端部に設けて成り、
熱反射層が箱の内面側にくるように前記連係板の一端を
側板上に固着しかつ折返し片を一方の側板の内側に来る
ように折曲げて小孔に係止突起を嵌合し、また外付けフ
ラップを前記側板の外側に捲つけて前記小孔を塞ぐよう
にテープ止めすることを特徴とするものである。

［作用］ 底板の四周に設けた一対の妻板または側板を立ち上げる
こと、他方の側板または妻板も同時に立ち上がる。この
箱内に保冷すべき物品を収容して上面開口を蓋板で閉鎖
し、外付けフラップおよびテープ等で小孔等を目張りし
て密封すると、内部の物品はケース内面に設けられた熱
反射層で包み込まれて保冷、保温されることになる。

またこのケースは底板の四隅に接着部を全く設けず、し
かもブランクシート内面に熱反射膜があるので、この反
射膜が漏水防止用被膜となって融解された水分がケース
の外に漏出するのを防止する。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基づき具体的に説明す
る。

第１図は、本考案のフラットブランクを示した展開図、
第２図は同上ブランクの断面図、第３図は組み立て途中
を示す斜視図、第４図は輸送時の荷姿である。

第１図および第２図において、符号１はコルゲート加工
された中芯、符号２、３は前記中芯の表裏に貼着された
クラフト紙からなるライナである。前記一方のライナ２
の表面にはアルミ蒸着膜４を形成し、かつその蒸着膜の
上にはＰＥＴフイルムの如き合成樹脂フイルム５が貼着
してある。アルミ蒸着膜に替えてアルミ箔を使用しても
よい。

上記のような段ボールシートを用いて、そのほぼ中央に
矩形の底板10を区画し、その底板の四辺にそれぞれ相対
する一対の側板11、11と一対の妻板12、12を連設する。
前記の側板11と妻板12との間にはそれぞれ連係板13を一
体に設け、各連係板上には前記底板の角部を起点とする
４５度の折線14を刻設する。

前記一対の側板にはその一方に蓋板15を連設する。該蓋
板は底板と同じ大きさに形成すると共にその一端に外付
けフラップ16を延設する。また他方の側板には内側に折
返すことのできる折返し片17を連設する。この折返し片
はその両端部に係止突起18が張設されている。この係止
突起に対応し、これが挿入嵌合できる小孔19が前記妻板
12の両側端部に形成されている。符号20で示すものは各
妻板の端部に連設したフランジ片である。

以上のごとく構成されたフラットブランクは、予めアル
ミ蒸着膜等の熱反射層が箱の内側に来るようにして、一
対の妻板12を底板10上に重ね、かつ蓋板15側の連係板13
を隣接する側板11上に折り返し、その固着部ｇを前記側
板11にステッチ金具または接着剤等で固定しておくもの
である。このようにするとほぼ平面的に折畳まれた状態
のケースが得られるものであって、その状態で不使用時
には積上げて保管しておくものである。

次に使用時にこれを組み立てる場合について説明する。
上述のように本考案のケースは、折畳み時にはほぼシー
ト状（平面状）になっているもので、これを組み立てる
場合は先ず一対の妻板12を立ち上げる。この様な操作に
よって４５度の折線14を有した連係板13を介して隣接す
る蓋側の側板11が同時に立ち上がる。次いで、他方の側
板11を立ち上げ、その内側に折返し片17を折返し、小孔
19に係止突起18を差込み嵌合する。この様にするとほぼ
ボックス型に組立てられた本考案の保冷ケースが得ら
れ、このケース内に保冷を要する物品を、必要に応じて
畜冷材や冷却材と一緒に収容する。物品収容後、ケース
の上面開口を蓋板15によって封鎖し、外付けフラップ16
を側板11上に巻きつけ、粘着テープＴを使用してテープ
止めする。テープ止めに当たっては、小孔19を目張りす
るようにテープＴを貼着することにより、容器内の冷気
が逃げないように密封するものである。

［考案の効果］ 上述のように本考案の構成によれば、アルミ蒸着膜また
はアルミ箔等からなる熱反射層を少なくとも一面に設け
た段ボールシートを用いて、使用前は平面状に折り畳ん
で保管することができ、組立時にはワンタッチ起こしが
可能で組立て易く、またシートの内面は熱反射層で覆わ
れているので、輸送中に冷気を逃がすことなく、さらに
水漏れを生じさせることも無いので従来の合成樹脂発泡
材製の保冷ケースを使用せずに、これに匹敵する保温保
冷効果が得られ、しかも上記従来のものに比べ材料費、
加工費が安く、また不要になった後の廃棄処理も容易で
ある等宅配便用の保冷ケースとして好適なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のフラットブランクを示した展開図、
第２図は同上ブランクの断面図、第３図は組み立て途中
を示す斜視図、第４図は輸送時の荷姿である。 １：中芯、２、３：ライナ、４：アルミ蒸着膜 ５：合成樹脂フイルム、６：段ボールシート 10：底板、11：側板、12：妻板、13：連係板 14：４５度折線、15：蓋板、16：外付けフラップ 17：折返し片、18：係止突起、19小孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ライナの少なくとも一面にアルミ蒸着膜ま
   たはアルミ箔等からなる熱反射層を設けた保温保冷用段
   ボールシートの略中央に矩形の底板を区画し、その４辺
   に一対の側板と一対の妻板とを連設し、またその側板と
   妻板との間に４５度の折線を有する連係板を設けると共
   に、前記一対の側板の一方には外付けフラップを有する
   蓋板を連設し、また他方には両端に係止突起を有する折
   返し片を連設し、さらに前記突起が嵌合する小孔を前記
   妻板の側端部に設けて成り、熱反射層が箱の内面側にく
   るように前記連係板の一端を側板上に固着しかつ折返し
   片を一方の側板の内側に来るように折曲げて小孔に係止
   突起を嵌合し、また外付けフラップを前記側板の外側に
   巻きつけて前記小孔を塞ぐようにテープ止めしてなるこ
   とを特徴とする宅配便用保冷ケース。