JPH06283699A - 原稿読み取り装置 - Google Patents

原稿読み取り装置

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JPH06283699A
JPH06283699A JP5092357A JP9235793A JPH06283699A JP H06283699 A JPH06283699 A JP H06283699A JP 5092357 A JP5092357 A JP 5092357A JP 9235793 A JP9235793 A JP 9235793A JP H06283699 A JPH06283699 A JP H06283699A
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JP
Japan
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conversion element
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Withdrawn
Application number
JP5092357A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Kurata
愼一郎 倉田
Kenji Kobayashi
健二 小林
Tadashi Oohayashi
只志 大林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP5092357A priority Critical patent/JPH06283699A/ja
Publication of JPH06283699A publication Critical patent/JPH06283699A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般に密着型イメージセンサとも呼ばれる原
稿読み取り装置に生じる反転残像を低減するとともに、
より高速読み出しを可能にする。 【構成】 フォトダイオード14、ブロッキングダイオ
ード16及びチャンネル配線C1,2,... n が形成さ
れて構成された原稿読み取り装置10において、フォト
ダイオード14及びブロッキングダイオード16の下部
電極14a,16aを、クロムなどの金属層14a1
16a1 と、ITOなどから成るn型半導体層14
2 ,16a2 との積層構造とした。これにより、半導
体層14b,16bとn型半導体層14a2 ,16a2
との界面にバリアを形成し、このバリアによって読出状
態から蓄積状態に切り換わった直後に流れる逆方向電流
を阻止して、ブロッキングダイオード16のスイッチン
グ速度を向上させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原稿読み取り装置に関
し、特に、ファクシミリ、イメージスキャナなどにおい
て、画像情報を入力するための画像読み取り部などに使
用される原稿読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファクシミリなどの画像読み取り
部には、縮小光学系の必要なCCD型の原稿読み取り装
置に代わって、一般に密着型イメージセンサと呼ばれる
原稿読み取り装置が広く採用されている。
【0003】たとえば図5に示すように、従来の原稿読
み取り装置1はガラス基板2上に、光電変換素子である
フォトダイオード3と、スイッチング素子であるブロッ
キングダイオード4と、フォトダイオード3からの電気
信号を読み出すためのチャンネル配線C1,2,... n
とが形成されて構成されている。
【0004】これらフォトダイオード3及びブロッキン
グダイオード4は、ともに金属から成る不透明な下部電
極3a,4aと、アモルファスシリコンから成るpin
構造の半導体層3b,4bと、ITO(Indium Tin Oxi
de)から成る透明な上部電極3c,4cとが、順に堆積
されて構成されている。また、フォトダイオード3及び
ブロッキングダイオード4は SiOx から成る透明な層間
絶縁膜5により覆われていて、この層間絶縁膜5に形成
されたコンタクトホール6を介して接続配線7によって
逆極性で直列接続されている。一方、フォトダイオード
3を構成する下部電極3aは、層間絶縁膜5に形成され
たコンタクトホール8を介してチャンネル配線C1,
2,... n に接続されている。さらに、これら全体は保
護膜9により覆われている。
【0005】また、これらフォトダイオード3及びブロ
ッキングダイオード4は、図6に示すように一次元にm
×n個配列され、n個ごとにm個のブロックB1,
2,... m に区分されていて、ブロッキングダイオード
4のアノード電極はブロックB1,2,... m 内で共通
に接続され、フォトダイオード3のアノード電極はチャ
ンネル配線C1,2,... n によってブロックB1,
2,... m 間で相対的に同一位置にあるもの同士で共通
に接続されている。
【0006】この原稿読み取り装置1は電荷蓄積方式で
動作するもので、図7のタイムチャートに示すように、
駆動パルスVp1,Vp2,... Vpm がブロックB1,2,...
m ごとに順番に周期Tで印加され、各ブロックB1,
2,... m は時間tの読出状態と、時間T−tの蓄積状
態とを繰り返すことになる。読出状態になったブロック
1,2,... m からは、それまでの蓄積状態の間に入
射した光量に相当する出力電流Iout1,Iout2,... Ioutn
がチャンネル配線C1,2,... n を経て流れ出し、こ
れら出力電流Iout1,Iout2,... Ioutn は外部の信号処理
回路によって増幅及び積分された後、時系列的に出力さ
れることになる。たとえば第1ブロックB1 が読出状態
になると、第1ブロックB1 から出力電流Iout1,Iout
2,... Ioutnが流れ出し、次いで第1ブロックB1 が蓄
積状態になって第2ブロックB2 が読出状態になると、
第2ブロックB2 から出力電流Iout1,Iout2,... Ioutn
が流れ出すことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら実際は、
ブロックB1,2,... m が読出状態から蓄積状態に切
り換わった直後には、出力電流Iout1,Iout2,... Ioutn
と逆方向に電流(以下「逆方向電流」という。)Ir1,Ir
2,... Irn が流れる。この逆方向電流Ir1,Ir2,... Irn
の大きさは正常な出力電流Iout1,Iout2,... Ioutn の1
0〜20%に達し、その収束時間Tr は10-3秒のオー
ダーにも達する。このため、たとえば第1ブロックB1
と第2ブロックB2 とで白が読み取られ、第3ブロック
3 で黒が読み取られた場合には、第2ブロックB2
読出状態になったときに流れる出力電流Iout1,Iout
2,... Ioutn は通常よりも小さくなり、さらに第3ブロ
ックB3が読出状態になったときには流れないはずの出
力電流Iout1,Iout2,... Ioutn が逆方向電流Ir1,Ir
2,... Irn の分だけ逆方向に流れることになる。ただ
し、この場合の第3ブロックB3 のように、黒が読み取
られたブロックB1,2,... mが読出状態から蓄積状
態に切り換わった直後には、逆方向電流Ir1,Ir2,... Ir
nは流れない。
【0008】このような現象は再生画像において、白を
読み取った直後に読み取った黒は通常の黒よりも黒く、
黒を読み取った直後に読み取った白は通常の白よりも白
くなって現れるため、「反転残像」と呼ばれている。特
に、第1ブロックB1 で白が読み取られ、第2ブロック
2 で灰(白の10〜20%の明るさ)が読み取られた
場合には、第2ブロックB2 からの出力電流Iout1,Iout
2,... Ioutn は黒を示すことになるなど、正確な信号出
力は得られなかった。また、消費電力の低減などを図る
ため低照度下で原稿を読み取らせる傾向にあるが、低照
度下でも反転残像の大きさは低下せず、信号出力の大き
さだけが低下するので、反転残像の相対的割合は増加す
るという問題があった。このような状態を可能な限り回
避するため、駆動パルスVp1,Vp2,... Vpm の幅tを長め
に取る必要があるが、信号読み出し速度が遅くなるとい
う問題があった。
【0009】そこで、本発明者らは反転残像を低減する
とともに、より高速読み出しを可能にするため、鋭意研
究を重ねた結果、本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原稿読み取
り装置の要旨とするところは、基板上に、光電変換素子
と該光電変換素子に直列接続されるスイッチング素子と
から構成される光センサ素子が一次元に複数配列され、
一定個数ごとに複数のブロックに区分されているととも
に、これら光センサ素子のいずれか一方がブロック内で
共通に接続され、当該他方がチャンネル配線によって該
ブロック間で相対的に同一位置にあるもの同士で共通に
接続されていて、前記光電変換素子は下部電極と、該下
部電極上に堆積される半導体層と、該半導体層上に堆積
される透明な上部電極とから成り、前記スイッチング素
子は下部電極と、該下部電極上に堆積される半導体層
と、該半導体層上に堆積される上部電極とから成る原稿
読み取り装置において、少なくとも前記スイッチング素
子を構成する下部電極が、1層以上の金属層と、該金属
層上に堆積されるn型半導体層とから構成されたことに
ある。
【0011】かかる原稿読み取り装置において、前記n
型半導体層がITOから成ることにある。
【0012】また、かかる原稿読み取り装置において、
前記金属層がクロムから成ることにある。
【0013】さらに、かかる原稿読み取り装置におい
て、少なくとも前記光電変換素子を構成する上部電極が
ITOから成ることにある。
【0014】また、かかる原稿読み取り装置において、
前記光電変換素子と前記スイッチング素子とはそれぞれ
ダイオード特性を備え、互いに逆極性で直列接続されて
いることにある。
【0015】さらに、かかる原稿読み取り装置におい
て、前記光電変換素子及び前記スイッチング素子を構成
するそれぞれの半導体層はプラズマCVD法で連続的に
堆積されたアモルファスシリコンから成り、かつ、pi
n構造にされていることにある。
【0016】また、かかる原稿読み取り装置において、
前記光電変換素子及び前記スイッチング素子を構成する
それぞれの下部電極、半導体層及び上部電極は、それぞ
れ同時に堆積されたものであることにある。
【0017】
【作用】かかる原稿読み取り装置によれば、スイッチン
グ素子を構成する下部電極が、クロムなどから成る金属
層と、ITOなどから成るn型半導体層とから構成され
ていて、半導体層とn型半導体層との界面が形成されて
いる。この界面には、電位障壁や、n型半導体層を構成
する物質が半導体層に拡散して生じたトラップ準位など
のバリアが形成されていて、逆方向電流のほとんどはこ
のバリアによって阻止されると考えられる。これによ
り、逆方向電流は急速に収束させられ、かつ、そのピー
ク値も小さくなり、スイッチング素子のスイッチング速
度が向上させられる。この結果、反転残像は低減させら
れ、信号読み出し速度は速められることになる。
【0018】
【実施例】次に、本発明に係る原稿読み取り装置の実施
例について図面に基づき詳しく説明する。
【0019】図1及び図2に示すように、本発明に係る
原稿読み取り装置10は、ガラスなどから成る光学的に
透明な基板12上に、光電変換素子であるフォトダイオ
ード14と、スイッチング素子であるブロッキングダイ
オード16と、フォトダイオード14からの電気信号を
読み出すためのチャンネル配線C1,2,... n とが形
成されて構成されている。ここでは、フォトダイオード
14とブロッキングダイオード16とにより光センサ素
子が構成されている。
【0020】これらフォトダイオード14及びブロッキ
ングダイオード16は、ともに、二層構造の下部電極1
4a,16aと、アモルファスシリコンなどから成るp
in構造の半導体層14b,16bと、ITO(Indium
Tin Oxide)などから成る透明な上部電極14c,16
cとが順に堆積されて構成されている。これら下部電極
14a,16aは、Cr,Ni,Pd,Ti,Mo,Ta,Alなどか
ら成る金属層14a1,16a1 と、ITO, SnO2
TiO2 あるいはアモルファスシリコンなどから成るn型
半導体層14a2 ,16a2 とから構成されている。
【0021】また、フォトダイオード14及びブロッキ
ングダイオード16は SiOx や SiNx などから成る透明
な層間絶縁膜18により覆われていて、この層間絶縁膜
18に形成されたコンタクトホール20を介して接続配
線22により互いに逆極性で直列接続されている。すな
わち、フォトダイオード14とブロッキングダイオード
16とはカソード電極同士で接続されている。一方、フ
ォトダイオード14の下部電極14aは層間絶縁膜18
に形成されたコンタクトホール24を介してチャンネル
配線C1,2,... n に接続されている。さらに、これ
ら全体は保護膜26により覆われている。
【0022】また従来と同様に、これらフォトダイオー
ド14及びブロッキングダイオード16は一次元にm×
n個配列され、n個ごとにm個のブロックB1,2,...
mに区分されていて、ブロッキングダイオード16の
アノード電極はブロックB1,2,... m 内で共通に接
続され、フォトダイオード14のアノード電極はチャン
ネル配線C1,2,... n によってブロックB1,
2,... m 間で相対的に同一位置にあるもの同士で共通
に接続されている。
【0023】ここで、この原稿読み取り装置10の製造
方法の一例を簡単に説明する。
【0024】まず基板12上に、電子ビームや抵抗加熱
による真空蒸着法、あるいはDCやRFによるスパッタ
リング法などによって、Cr,Ni,Pd,Ti,Mo,Ta,Alな
どの金属膜を堆積する。次いでこの上に、真空蒸着法や
スパッタリング法などによってITOや SnO2 あるいは
アモルファスシリコンなどのn型半導体膜を堆積する。
さらにこの上に、プラズマCVD法などによって、正孔
が多数キャリアとなるp型アモルファスシリコン膜と、
真性半導体となるi型アモルファスシリコン膜と、電子
が多数キャリアとなるn型アモルファスシリコン膜とを
連続的に堆積する。そして再度この上に、真空蒸着法や
スパッタリング法などによってITOやSnO2 などの透
明導電膜を堆積する。なお、金属膜及びn型半導体膜の
膜厚は数百〜数千Å程度が好ましいが、これらの膜の特
性や、アモルファスシリコン膜の性能などを考慮して適
宜決定されるものである。
【0025】次いで、フォトリソグラフィ法などによっ
て、上層の透明導電膜と、3層から成るアモルファスシ
リコン膜と、下層のn型半導体膜とを所定形状にパター
ン化した後、金属膜を別の所定形状にパターン化するこ
とによって、フォトダイオード14とブロッキングダイ
オード16を形成する。
【0026】次いで、これらフォトダイオード14とブ
ロッキングダイオード16の上に、熱CVD法,常圧C
VD法,プラズマCVD法,スパッタリング法などによ
ってSiOx や SiNx などを堆積した後、これをフォトリ
ソグラフィ法などによって所定形状にパターン化するこ
とによって層間絶縁膜18を形成する。このとき、フォ
トダイオード14、ブロッキングダイオード16及び金
属層14a1 上の所定位置にはコンタクトホール20,
24を形成するとともに、金属層16a1 上の取出電極
28を形成する領域については層間絶縁膜18を除去す
る。
【0027】さらにこれらの上に、真空蒸着法やスパッ
タリング法などによってCr,Ni,Pd,Ti,Mo,Ta,Alな
どの金属を単層又は多層に堆積した後、これをフォトリ
ソグラフィ法などによって所定形状にパターン化するこ
とによって、接続配線22とチャンネル配線C1,
2,... n と取出電極28とを形成する。これにより、
上部電極14c,16c同士が接続配線22により電気
的に接続され、金属層14a1 とチャンネル配線C1,
2,... n とが電気的に接続されることになる。なお、
これらの材料は電気的接続が可能であれば金属でなくて
もよく、特に限定されるものではない。
【0028】最後にこれら全体に、プラズマCVD法,
スパッタリング法などによって酸化シリコン,窒化シリ
コン,酸化タンタルなどを堆積した後、これをフォトリ
ソグラフィ法によって所定形状にパターン化することに
よって、取出電極28とチャンネル配線C1,2,...
n の取出電極(図示しない)以外の全領域を覆うように
保護膜26を形成する。この保護膜26はフォトダイオ
ード14、ブロッキングダイオード16、チャンネル配
線C1,2,... n などを湿度やキズから保護するため
のものである。
【0029】ここでは、金属膜とn型半導体膜とをブラ
ンケット状態で堆積した後、アモルファスシリコン膜を
堆積しているが、このアモルファスシリコン膜を堆積す
る前に、n型半導体膜だけを先にパターン化してn型半
導体層14a2 ,16a2 を形成しておいてもよい。こ
の場合は、上部電極14c,16cと半導体層14b,
16bとを形成した後、ブランケット状態の金属膜をパ
ターン化して金属層14a1 ,16a1 を形成すれば、
前述した原稿読み取り装置10と同じ構成となる。ま
た、金属層とn型半導体層との堆積は真空を破らずに連
続的に行なってもよいし、一度、真空を破って不連続的
に行なってもよい。さらにここでは、主としてフォトリ
ソグラフィ法によってパターン化する方法を例示した
が、マスク法などによって最初から不必要な部分には膜
が堆積されないようにして形成してもよく、その製造方
法は何ら限定されるものではない。
【0030】この原稿読み取り装置10では、下部電極
14a,16aが金属層14a1 ,16a1 とn型半導
体層14a2 ,16a2 とから構成されているため、半
導体層14b,16bとn型半導体層14a2 ,16a
2 の界面が形成されている。この界面には、電位障壁
や、n型半導体層14a2 ,16a2 を構成する物質が
半導体層14b,16bに拡散して生じたトラップ準位
などのバリアが形成されていると考えられる。したがっ
て、ブロックB1,2,... m が読出状態から蓄積状態
に切り換わった直後に流れる逆方向電流Ir1,Ir2,... Ir
n のほとんどは、このバリアによって阻止される考えら
れ、逆方向電流Ir1,Ir2,... Irn は10-5〜10-6秒の
オーダーで収束させられ、かつ、そのピーク値も小さく
なる。これにより、ブロッキングダイオード16のスイ
ッチング速度は向上させられ、反転残像は大幅に低減さ
れる。よって、正確な信号出力が得られることは勿論、
信号読み出し速度をより速めることも可能である。さら
に、反転残像は十分に低減されているため、低照度下で
原稿を読み取らせた場合でも正確な信号出力を確保する
ことができ、消費電力の低減などを図ることもできる。
【0031】次に、本発明に係る原稿読み取り装置の効
果を確認するため、その実施例と従来の原稿読み取り装
置による比較例とにより、比較実験を行なった。以下こ
れについて説明する。
【0032】実施例 基板12にはコーニング社製の無アルカリガラス(#7
059)を用い、まずこの基板12上にDCスパッタリ
ング法によって1500〜2000Å厚のクロム膜を堆
積し、さらにn型半導体膜である1200Å厚のITO
膜を堆積した。具体的には、基板12をチャンバー内に
セットし、そのチャンバー内を10-5Torr以下まで排気
した後、その基板12を100〜250℃に保持し、圧
力0.1〜1.0Pa、DC電力0.1〜1.0W/c
2 の下で、アルゴンガスと酸素ガスとを一定の割合で
導入することによって、クロム膜とITO膜とを順番に
堆積した。さらにこの上に、プラズマCVD法により、
50〜300Å厚のp型アモルファスシリコン膜と、7
000〜12000Å厚のi型アモルファスシリコン膜
と、50〜300Å厚のn型アモルファスシリコン膜と
を順番に堆積した。そして再度この上に、前述したIT
O膜と同じ方法で600Å厚のITO膜を堆積した。
【0033】次いで、フォトリソグラフィ法によって、
上層のITO膜と、3層から成るアモルファスシリコン
膜と、その下の層のn型半導体膜であるITO膜とを所
定形状にパターン化し、上部電極14c,16cと、半
導体層14b,16bと、下部電極14a,16aの一
部であるn型半導体層14a2 ,16a2 とを形成し
た。具体的には、上層のITO膜上にレジスト液を塗布
し、プリベークをした後、所定のパターンが刻まれたマ
スクを用いて露光を行なった。そして、現像及びポスト
ベークを行なった後、塩酸と硝酸の混合液によって上層
のITO膜をエッチングした。次いで、平行平板型のエ
ッチング装置を用いてアモルファスシリコン膜をエッチ
ングした。ここでは、チャンバー内を10-3Torr以下ま
で排気した後、CF4 ガスと O2 ガスを導入し、圧力を
5.0Paに保持しながら13.56MHzの高周波電
源を用いて電極に0.1〜0.7W/cm2 の電力を供
給し、アモルファスシリコン膜をエッチングした。そし
て再び、塩酸と硝酸の混合液によって下層のn型半導体
膜であるITO膜をエッチングした。
【0034】次いで、パターニングに用いたレジストを
除去した後、フォトリソグラフィ法によってクロム膜を
所定形状にパターン化し、下部電極14a,16aの一
部である金属層14a1 ,16a1 を形成した。クロム
膜のエッチングには硝酸第2セリウムアンモニウムを用
いた。
【0035】このようにしてフォトダイオード14とブ
ロッキングダイオード16とを形成したが、これらの数
はそれぞれ1728個とし、これらを32個ごとに56
個のブロックに区分した。また図2に示すように、フォ
トダイオード14のサイズは105μm×125μmと
し、ブロッキングダイオード16のサイズは33μm×
33μmとした。
【0036】次に、これらフォトダイオード14とブロ
ッキングダイオード16の上に、プラズマCVD法によ
って1.5μm厚のシリコン酸化膜を堆積した。すなわ
ち、チャンバー内を10-2Torr以下まで排気した後、基
板12を所定温度に加熱保持し、シランガス20〜60
sccmと、亜酸化窒素ガス150〜300sccmを導入し、
0.3〜1.2Torrの圧力に保持した(ここで、必要に
応じて窒素ガスを導入することもある。)。その後、圧
力が安定するのを待って、13.56MHzの高周波電
源を用いて基板12と対面する電極に0.01〜0.5
W/cm2 の電力を供給してシリコン酸化膜を堆積し
た。次いで、フォトリソグラフィ法によって所定形状に
パターン化して層間絶縁膜18を形成した。ここでのエ
ッチングには平行平板型のエッチング装置を用いた。
【0037】さらにこれらの上に、スパッタリング法に
よってCrとAlの2層を堆積し、フォトリソグラフィ法に
よって所定形状にパターン化して、接続配線22とチャ
ンネル配線C1,2,... n と取出電極28とを形成し
た。ここで、Crの膜厚は500Å厚とし、Alの膜厚は
1.5μmとした。また、Alのエッチングは燐酸、塩
酸、硝酸及び酢酸の混合液で行ない、Crのエッチングは
硝酸第2セリウムアンモニウムで行なった。
【0038】最後にこれら全体に、プラズマCVD法に
よって5000Å厚のシリコン窒化膜を堆積した。すな
わち、チャンバー内を10-2Torr以下まで排気した後、
基板12を所定温度に加熱保持し、シランガス20〜6
0sccmと、アンモニアガス150〜300sccmを導入
し、0.3〜1.2Torrの圧力に保持した(ここで、必
要に応じて水素ガスや窒素ガスを導入することもあ
る。)。その後、圧力が安定するのを待って、13.5
6MHzの高周波電源を用いて基板12と対向する電極
に0.01〜0.5W/cm2 の電力を供給してシリコ
ン窒化膜を堆積した。次いで、フォトリソグラフィ法に
よって所定形状にパターン化して、保護膜26を形成し
た。ここでのエッチングにも平行平板型のエッチング装
置を用いた。
【0039】次に、これらの実施例と比較例とに駆動回
路と信号処理回路とを接続し、クロックパルスの周波数
を500KHz、読み取り速度を5msec /lineとし
て、白から黒に変化する原稿を20ルクスの照度で照明
して読み取らせた。この結果、信号処理回路からは図3
に示すような出力電圧Vout が得られた。なお本図にお
いて、実施例の出力電圧Vout を実線で示す。
【0040】比較例 一方、従来の原稿読み取り装置の比較例としては、図5
に示したように、下部電極3a,4aが金属層だけで構
成され、透明導電層のないものを作製した。これらの下
部電極3a,4aは、1500〜2000Å厚のクロム
膜をスパッタリング法によって堆積し、これをフォトリ
ソグラフィ法によってパターン化することによって形成
した。
【0041】次に、実施例と同様にして、得られた原稿
読み取り装置に駆動回路と信号処理回路とを接続し、白
から黒に変化する原稿を読み取らせた。この結果、信号
処理回路からは図3に示すような出力電圧Vout が得ら
れた。なお本図において、比較例の出力電圧Vout を点
線で示す。
【0042】このように、白を読み取った直後の出力電
圧Vout には反転残像Vr が現れ、これが白を読み取っ
た直後に読み取った黒は通常の黒よりも黒くなる原因と
なっている。しかし、実施例の反転残像Vr は比較例の
反転残像Vr よりも小さくなり、その収束時間も短くな
った。その結果をまとめたものを表1に示す。ここで
は、白に相当する出力電圧Vout は160〜180mV
であった。
【表1】
【0043】以上、本発明に係る原稿読み取り装置の一
実施例を詳述したが、本発明は上述した実施例に限定さ
れることなく、その他の態様でも実施し得るものであ
る。
【0044】たとえば上述した実施例では、フォトダイ
オード14を構成する上部電極14cと、ブロッキング
ダイオード16を構成する上部電極16cとが接続配線
22によって接続されているが、図4に示すように、フ
ォトダイオード14を構成する下部電極30と、ブロッ
キングダイオード16を構成する下部電極30とが共通
になっていて、この下部電極30によってフォトダイオ
ード14とブロッキングダイオード16とが接続されて
成る原稿読み取り装置32でもよい。この場合は、金属
層34とn型半導体層36とを順に堆積して下部電極3
0を構成し、半導体層14b,16bとn型半導体層3
6との界面が形成されるようにすればよい。また、フォ
トダイオード14の上部電極14cは引出配線38によ
って取り出してチャンネル配線C1,2,... n に接続
し、ブロッキングダイオード16の上部電極16cは引
出配線40によって外部に取り出しておけばよい。本例
では、フォトダイオード14とブロッキングダイオード
16とはアノード電極同士で接続され、互いに逆極性で
直列接続されていることになる。
【0045】また上述した実施例では、金属層14
1 ,16a1 ,34とn型半導体層14a2 ,16a
2 ,36とを異なる形状にしているが、同一形状にして
もよい。
【0046】また上述した実施例では、ブロッキングダ
イオード16のアノード電極又はカソード電極がブロッ
クB1,2,... m 内で共通に接続され、フォトダイオ
ード14のアノード電極又はカソード電極がチャンネル
配線C1,2,... n によってブロックB1,2,...
m 間で相対的に同一位置にあるもの同士で接続されてい
るが、フォトダイオードとブロッキングダイオードの配
置を逆にして、フォトダイオードのアノード電極又はカ
ソード電極をブロック内で共通に接続し、ブロッキング
ダイオードのアノード電極又はカソード電極をチャンネ
ル配線によってブロック間で相対的に同一位置にあるも
の同士で接続したものでもよい。すなわち、フォトダイ
オード(光電変換素子)とブロッキングダイオード(ス
イッチング素子)とから構成される光センサ素子が一次
元に複数配列され、一定個数ごとに複数のブロックに区
分されていて、これら光センサ素子のいずれか一方がブ
ロック内で共通に接続され、当該他方がチャンネル配線
によってブロック間で相対的に同一位置にあるもの同士
で共通に接続されていればよいのである。
【0047】さらに上述した実施例では、製造工程の簡
素化などの理由から、フォトダイオード14及びブロッ
キングダイオード16を構成するそれぞれの下部電極1
4a,16a、半導体層14b,16b及び上部電極1
4c,16cは、それぞれ同時に堆積されたもので、そ
れぞれ同じ材料から構成されているが、フォトダイオー
ド14を構成する上部電極14cは透明でなければなら
ないが、ブロッキングダイオード16を構成する上部電
極16cは透明でなくてもよい。また、フォトダイオー
ド14を構成する下部電極14aは、金属層とn型半導
体層とから構成されていなくてもよく、少なくともブロ
ッキングダイオード(スイッチング素子)16を構成す
る下部電極16aが、金属層16a1 とn型半導体層1
6a2 とから構成されていればよい。すなわち、本発明
は、スイッチング素子を構成する半導体層にn型半導体
層との界面を形成することによってスイッチング素子に
生じる逆方向電流を阻止するようにすればよいのであ
る。なお、金属層は1層でもよいが、2層以上でもよ
い。
【0048】また、上述した半導体層14b,16bは
いずれも基板12側からpinの順に積層されている
が、これとは逆にnipの順に積層され、pin構造に
されていてもよい。また、上述したpin型以外に、n
i型、pi型、pn型、MIS型、ヘテロ接合型、ホモ
接合型、ショットキーバリアー型あるいはこれらを組み
合わせた型などに単層又は多層に堆積したものでもよ
い。さらに、半導体層を構成するアモルファスシリコン
としては、水素化アモルファスシリコンa-Si:H、水素化
アモルファスシリコンカーバイドa-SiC:H 、アモルファ
スシリコンナイトライドなどの他、単なるアモルファス
シリコンa-Siなどが好ましいが、シリコンと炭素、ゲル
マニウム、スズなどの他の元素との合金から成るアモル
ファスシリコン系半導体の非晶質あるいは微結晶を堆積
したものでもよいなど、これらの構造は何ら限定される
ものではない。
【0049】その他、光電変換素子をフォトダイオード
のような光起電力型の素子でなく、たとえば光導電型の
素子にしてもよい。また、スイッチング素子をTFTな
どにしてもよいなど、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲内で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形
を加えた態様で実施し得るものである。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る原稿読み取り装置は、少な
くともスイッチング素子を構成する下部電極が、1層以
上の金属層と、その金属層上に堆積されるn型半導体層
とから構成され、半導体層とn型半導体層との界面が形
成されているため、逆方向電流はこの界面に形成された
バリアによって急速に収束させられ、かつ、そのピーク
値も小さくなり、スイッチング素子のスイッチング速度
が向上させられる。このため、反転残像は低減させら
れ、正確な信号出力を得ることができる。特に、低照度
下で原稿を読み取らせる場合に有利で、消費電力の低減
などを図ることもできる。さらに信号読み出し速度を大
幅に速めることも可能であるなど、本発明は種々の優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原稿読み取り装置の一実施例を示
す断面模式図である。
【図2】図1に示した原稿読み取り装置の一部平面図で
ある。
【図3】本発明の効果を確認するために行なった比較実
験の結果を示すもので、実際に作製した原稿読み取り装
置の出力電圧を示すグラフである。
【図4】本発明に係る原稿読み取り装置の他の実施例を
示す断面模式図である。
【図5】従来の原稿読み取り装置の一例を示す断面模式
図である。
【図6】図5に示した原稿読み取り装置の回路図であ
る。
【図7】図5及び図6に示した原稿読み取り装置の動作
を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
10,32;原稿読み取り装置 12;基板 14;フォトダイオード(光電変換素子) 16;ブロッキングダイオード(スイッチング素子) 14a,16a,30;下部電極 14a1 ,16a1 ,34;金属層 14a2 ,16a2 ,36;n型半導体層 14b,16b;半導体層 14c,16c;上部電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、光電変換素子と該光電変換素
    子に直列接続されるスイッチング素子とから構成される
    光センサ素子が一次元に複数配列され、一定個数ごとに
    複数のブロックに区分されているとともに、 これら光センサ素子のいずれか一方がブロック内で共通
    に接続され、当該他方がチャンネル配線によって該ブロ
    ック間で相対的に同一位置にあるもの同士で共通に接続
    されていて、 前記光電変換素子は下部電極と、該下部電極上に堆積さ
    れる半導体層と、該半導体層上に堆積される透明な上部
    電極とから成り、 前記スイッチング素子は下部電極と、該下部電極上に堆
    積される半導体層と、該半導体層上に堆積される上部電
    極とから成る原稿読み取り装置において、 少なくとも前記スイッチング素子を構成する下部電極
    が、1層以上の金属層と、該金属層上に堆積されるn型
    半導体層とから構成されたことを特徴とする原稿読み取
    り装置。
  2. 【請求項2】 前記n型半導体層がITOから成ること
    を特徴とする請求項1に記載の原稿読み取り装置。
  3. 【請求項3】 前記金属層がクロムから成ることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の原稿読み取り装
    置。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記光電変換素子を構成する
    上部電極がITOから成ることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載の原稿読み取り装置。
  5. 【請求項5】 前記光電変換素子と前記スイッチング素
    子とはそれぞれダイオード特性を備え、互いに逆極性で
    直列接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれかに記載の原稿読み取り装置。
  6. 【請求項6】 前記光電変換素子及び前記スイッチング
    素子を構成するそれぞれの半導体層はプラズマCVD法
    で連続的に堆積されたアモルファスシリコンから成り、
    かつ、pin構造にされていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載の原稿読み取り装置。
  7. 【請求項7】 前記光電変換素子及び前記スイッチング
    素子を構成するそれぞれの下部電極、半導体層及び上部
    電極は、それぞれ同時に堆積されたものであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の原稿
    読み取り装置。
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