JPH06283356A - 異方性化ダストコアとその製造方法 - Google Patents

異方性化ダストコアとその製造方法

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JPH06283356A
JPH06283356A JP7029093A JP7029093A JPH06283356A JP H06283356 A JPH06283356 A JP H06283356A JP 7029093 A JP7029093 A JP 7029093A JP 7029093 A JP7029093 A JP 7029093A JP H06283356 A JPH06283356 A JP H06283356A
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JP
Japan
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dust core
powder
anisotropic
molding
core
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Withdrawn
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JP7029093A
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English (en)
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Toru Inaguma
徹 稲熊
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は金属系軟磁性粉末を圧縮成形
して得られるトロイダル形状のダストコアにおいて、従
来材に比べて円周方向へ高い透磁率を有する異方性化ダ
ストコアを提供する。 【構成】 本発明の異方性化ダストコアの特徴は円周方
向の電気比抵抗に対して、半径方向または高さ方向への
電気比抵抗の比率が2以上10000以下であることで
ある。この様なダストコアでは、円周方向への粉末粒子
列を分断する空隙が少ないので反磁界係数が小さい。し
たがって、同程度の密度を持ち、空隙が等方的に分散し
ているダストコアに比べて高い透磁率が得られる。ま
た、この様なダストコアの製造方法として、成形中に円
周方向への直流磁場を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はノイズフィルター等に応
用されるチョークコイルの中で、金属系軟磁性粉末を冷
間で圧縮成形したトロイダル形状のダストコアに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電源ノイズフィルターや平滑
チョークコイルなどの用途で、軟磁性粉末を圧縮成形し
て得られるダストコアが使われてきた。ダストコアは高
周波磁場を印加したときに渦電流が流れ難いので、電磁
鋼板に比べて透磁率等の高周波特性が良好である。ま
た、金属系の磁性粉末から構成されるので、ソフトフェ
ライトなどの酸化物系コアに比べて飽和磁束密度が高
い。
【0003】さて、コンピュータ等へ安定な電力を供給
するスイッチング電源はその需要を急速に伸ばしてい
る。電源の小型化および高出力化は大きなニーズであ
り、ニーズに応えるべくスイッチングの高周波化が進め
られている。このためにノイズフィルター等に使用され
る磁性部品には高周波特性が良く、飽和磁束密度が高い
ものが求められている。この様な中で、ダストコアはこ
れらのニーズに応える素材として改めて注目を集めてい
る。これまでダストコアに関して行われてきた主な開発
は、高周波特性の改善と透磁率の向上に関するものであ
る。
【0004】高周波特性の改善では、粉末間の絶縁性を
高めることにポイントをおいて開発が行われている。粉
末表面に絶縁被覆を施したり、バインダーとして樹脂を
混合することがその方法である(例えば特開昭61−2
96704号公報)。ダストコアの透磁率は他の材料に
比べて著しく低い。透磁率が低いのは粉末粒子間の空隙
が焼結材料や薄板材料等のフルデンス材料よりも多く、
反磁界係数が大きいことに原因がある。これまでは、粉
末粒子に形状異方性を付与させることによって粒子の反
磁界係数を減少させ、成形体の透磁率を向上させてき
た。例えば燐片状の粒子形状を持つ粉末を圧縮成形させ
た成形体では、粉末粒子は板面を積層する様に機械配向
し、板面配向方向に高い透磁率が得られる(例えば特開
昭63−285912号公報)。しかしながら、これら
の方法を用いても、冷間成形なので粉末間の空隙を完全
に無くすことはできない。したがって高い透磁率を得る
観点では上記方法だけでは十分でなく、さらに効果的な
改善が望まれている。
【0005】原料となる粉末には純鉄粉末、Fe−Si
系およびFe−Si−Al系を含む鉄系合金粉末、Ni
−Fe系合金粉末が使われている。特開平2−2900
02号公報では水アトマイズ法でFe−Si系粉末を製
造し、高い電磁特性を有するダストコアを製造できるこ
とが示されている。このFe−Si系粉末の特徴は、粉
末表面に安定した薄い酸化被膜があるために高い絶縁性
を持つことであり、成形したダストコアは優れた高周波
特性を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はトロイ
ダル形状のダストコアにおいて、円周方向への従来材に
比べて高い透磁率を有する異方性化トロイダルコアを提
供することである。高い透磁率を得るためには、円周方
向への粉末粒子列の分断を減少させなければならない。
粒子列の分断の程度は電気比抵抗と密接な関係を有す
る。そこで円周方向の電気比抵抗に対する半径方向また
は高さ方向への電気比抵抗の比率を規定することによっ
て、従来にない異方性化ダストコアを定義することにす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは次の通りである。本発明のダストコアは、金属系軟
磁性粉末を圧縮成形して得られるトロイダル形状である
ダストコアにおいて、円周方向の電気比抵抗に対して半
径方向または高さ方向への電気比抵抗の比率が2以上1
0000以下であることを特徴とする異方性化ダストコ
アである。また本発明のダストコアの製造方法は、金属
系軟磁性粉末を圧縮成形して得られるトロイダル形状で
あるダストコアの製造方法において、成形中に円周方向
へ10 Oe以上10 kOe以下の磁場を印加するこ
とを特徴とする異方性化ダストコアの製造方法である。
【0008】一方、本発明のうち、上述の金属系軟磁性
粉末には特に純鉄粉末、Fe−Si系およびFe−Si
−Al系を含む鉄系合金粉末、Ni−Fe系合金粉末、
Fe−Si−B系およびCo−Si−B系を含むアモル
ファス合金粉末が用いられる。
【0009】
【作用】本発明法によるダストコアの特徴は、トロイダ
ル形状の円周方向の電気比抵抗に対して半径方向または
高さ方向への電気比抵抗が高いことである。このこと
は、円周方向への粉末粒子の接触頻度が半径方向または
高さ方向に比べて高く、空隙等で粒子列が分断されてい
ないことを示している。この様なダストコアでは、同じ
成形密度を持ち空隙が等方的に分散しているコアに比べ
て円周方向への反磁界係数が小さい。すなわち、円周方
向に高い透磁率を有する異方性化ダストコアが得られ
る。また、半径方向または高さ方向への電気比抵抗が高
いので、円周方向へ高周波磁場が印加されるときには渦
電流が流れにくい。したがって、透磁率等の優れた高周
波特性が得られる。
【0010】円周方向への電気比抵抗に対して、半径方
向または高さ方向への電気比抵抗の比率は2以上100
00以下と規定した。比率が2未満の場合には透磁率及
び高周波特性とも等方的なコアの特性と有意差が認めら
れない。また10000超の場合には、成形体の密度を
高くすることができないので、飽和磁束密度が著しく低
下する。
【0011】上記のダストコアを製造する方法として、
成形中にキャビティー内で円周方向へ磁場を印加するこ
とを特徴とする方法を考案した。粉末粒子は磁場を印加
することによって磁束の方向へ数珠つなぎに配列する。
この配列を崩さないように成形することによって、異方
性化ダストコアを製造することができる。成形中に印加
する磁場の強さは10 Oe以上10 kOe以下にし
た。10Oe未満の場合には、粉末の磁化が十分高くな
く、成形中に粉末粒子の整列が分断されて空隙が生じ易
くなる。10 kOeを超えると、空隙を抑制させる効
果は飽和する。また10 kOe以上の磁場を金型キャ
ビティー内に発生させることは金型構成上難しいことか
ら、磁場強さの上限は10 kOeとした。一方、成形
方向と磁場印加方向の関係は、粒子の配列に対して垂直
方向に成形するとき配列が崩れにくいので、垂直である
ことが望ましい。例えば、金型のコア材中に電流を流し
て円周方向への磁場を発生させて成形を行う方法が有効
である。ここでコア材質には非磁性のものを用いる。
【0012】使用する金属系軟磁性粉末としては、純鉄
粉末、Fe−Si系およびFe−Si−Al系を含む鉄
系合金粉末、Ni−Fe系合金粉末、Fe−Si−B系
およびCo−Si−B系を含むアモルファス合金粉末が
挙げられる。
【0013】
【実施例】実験は5wt%Si−Fe粉末を用いて行っ
た。粉末の製造は水アトマイズ法を用いて行った。作製
した粉末に含有される酸素量は0.10wt%である。ま
た粉末粒度は45μm以下、平均粒径は20μmになる
ように調節した。また、粉末表面には優れた高周波特性
を確保するために絶縁被覆処理を施した。成形するダス
トコアの形状は外径18mm、内径10mm、高さ5mmのト
ロイダル形状である。成形様式はトロイダル形状の高さ
方向から上パンチのみで粉末を圧縮する片押しである。
また、非磁性の金型コアに電流を流して、金型キャビテ
ィー内に円周方向への直流磁場を印加できるようにし
た。成形体の歪を取り除くために、成形後にAr雰囲気
中において780℃×2hの熱処理を施した。
【0014】成形条件を変えてダストコアを成形し、そ
れぞれの電気比抵抗および透磁率を測定した。電気比抵
抗については、円周方向の値に対する半径方向および高
さ方向の抵抗率の比率を求めた。透磁率は100kHz
(Bm=50mT)の高周波磁場を印加したときの値で
ある。これらの結果を表1にまとめる。
【0015】
【表1】
【0016】本発明1,2,3,4,から明らかなよう
に、本発明のダストコアの特徴は、円周方向の電気比抵
抗に対して半径および高さ方向の電気比抵抗の比率が高
いことである。そして、この様なダストコアでは、同程
度の密度を有するダストコアに比べて透磁率が高い。例
えば磁場を印加していない比較例1に対して、500O
eの磁場を印加した本発明2の透磁率は37%高い値を
示す。また、本発明では成形体の密度が増加するにした
がって、電気比抵抗の比率が急速に減少する。以上のよ
うに本発明では高い透磁率を有するダストコアを得るこ
とができる。
【0017】本発明の製造方法を純鉄粉末、センダスト
粉末やパーマロイ粉末に適用する実験を行ったが、そこ
でも同様な効果が得られた。
【0018】
【発明の効果】本発明はトロイダル形状のダストコアに
おける円周方向に高い透磁率を実現することによってス
イッチング電源の小型化および高出力化に対応した異方
性化ダストコアを提供可能とする。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属系軟磁性粉末を圧縮成形して得られ
    るトロイダル形状であるダストコアにおいて、円周方向
    の電気比抵抗に対して、半径方向または高さ方向への電
    気比抵抗の比率が2以上10000以下であることを特
    徴とする異方性化ダストコア。
  2. 【請求項2】 前記金属系軟磁性粉末が純鉄粉末、Fe
    −Si系およびFe−Si−Al系を含む鉄系合金粉
    末、Ni−Fe系合金粉末、Fe−Si−B系およびC
    o−Si−B系を含むアモルファス合金粉末である請求
    項1記載の異方性化ダストコア。
  3. 【請求項3】 金属系軟磁性粉末を圧縮成形して得られ
    るトロイダル形状であるダストコアの製造方法におい
    て、成形中に円周方向へ10 Oe以上10kOe以下
    の磁場を印加することを特徴とする異方性化ダストコア
    の製造方法。
JP7029093A 1993-03-29 1993-03-29 異方性化ダストコアとその製造方法 Withdrawn JPH06283356A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008159964A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Nec Tokin Corp ドラム−スリーブ型インダクタ
JP2009088502A (ja) * 2007-09-12 2009-04-23 Seiko Epson Corp 酸化物被覆軟磁性粉末の製造方法、酸化物被覆軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子
JP2010010501A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Hitachi Ltd 配向圧粉磁心

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