JPH06283316A - 鉄−希土類系永久磁石材料およびその製造方法 - Google Patents

鉄−希土類系永久磁石材料およびその製造方法

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JPH06283316A
JPH06283316A JP5270805A JP27080593A JPH06283316A JP H06283316 A JPH06283316 A JP H06283316A JP 5270805 A JP5270805 A JP 5270805A JP 27080593 A JP27080593 A JP 27080593A JP H06283316 A JPH06283316 A JP H06283316A
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permanent magnet
rare earth
earth permanent
magnet material
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JP5270805A
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Masao Iwata
雅夫 岩田
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Hitachi Metals Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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    • H01F1/0593Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2 of tetragonal ThMn12-structure

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな飽和磁化を確保した上に、優れた永久
磁石特性を示すThMn12型正方晶構造を安定的に得
る。 【構成】 RをY,Thおよびすべてのランタノイド元
素からなる群の中から選ばれた1種類または2種類以上
の元素の組合せ、M1をTi,V,Mo,Nb,Ga,
Cr,Al,Mn,Ta,W,Mg,Sn,Geからな
る群の中から選ばれた3種類以上の元素の組合せとする
とき、原子百分率で、R:3〜30%、M1:0.5〜
15%を含み、残部が実質的にFeから成り、主相がT
hMn12型正方晶構造を有する鉄−希土類系永久磁石材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、すぐれた磁気特性を有
する鉄−希土類系永久磁石材料に関する。
【0002】
【従来の技術】Fe,Co等の3d遷移金属とR(Y,
Thおよびすべてのランタノイド元素からなる群の中か
ら選ばれた1種類または2種類以上の元素の組合せ)と
からなる金属間化合物の中には高い結晶磁気異方性と大
きな飽和磁化とを示すものがあり、高保磁力、高エネル
ギ−積を有する永久磁石材料として有望である。中で
も、SmCo磁石(SmCo5またはSm2Co17が主
相)は実用材として広く用いられてきている。
【0003】しかし、Fe−Rのみの2元系からなる合
金では、高いキュリー点や一軸の結晶磁気異方性を得る
ことは難しい場合が多い。このために、第3の元素とし
てB(硼素)を添加することによりその点を改良した材
料(特開昭59−46008号)、あるいはN(窒素)
を添加することによりそれを改良した材料(特開昭60
−131949号)が、すでに提案されている。この
内、NdFeB磁石(Nd2Fe14Bが主相)は実用材
として既に広く用いられてきている。またFe−R−N
系磁石(Sm2Fe173やNdFe11TiN等が主相)
も実用化を目前に控えている。
【0004】また、最近に到っては、Fe−Smの2元
系合金に第3の元素としてTi,V,Cr,Al,S
i,Mo,Wを添加することにより特性の改善を計る試
みも行われている(特開昭62−241302号,特開
昭63−28845号)。 すなわち、GをTi,V,
Cr,Al,Si,Mo,Wとするとき、Sm(Fe1-
xx12なる組成の合金ではThMn12型正方晶構造が
安定化され、これが優れた永久磁石特性を示す、という
ものである。これらの合金はSmCo磁石やNdFeB
磁石よりもRの含有量が少ない点で注目されている。R
の含有量が少ないということは、原料価格および材料の
耐食性の両面から見て工業的に有利であることを意味す
る。上記Sm(Fe1-xx12の中でも、SmFe11
iが優れている、とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な元素Gはいずれも、これを添加することによりその合
金の飽和磁化を低下させてしまう。従って、上記Gのよ
うな作用を行う添加元素Mとしては、できるだけその添
加量が少であってもその効果が大となるような、効果的
な元素の種類(およびその組み合わせ)の選択が重要で
あると思われる。また、このThMn12型正方晶化合物
は準安定状態でのみ得られると言われており、Sm(F
1-xx12なる組成の合金においても、このThMn
12型正方晶化合物を単相状態で安定的に得ることはさほ
ど容易ではない。従って、上記Gのような作用を行う添
加元素Mの中から、ThMn12型正方晶化合物を安定的
に得られるような元素の種類(およびその組み合わせ)
を選択することが重要である。
【0006】また、それらThMn12型正方晶化合物
は、磁気特性に優れているとは言え、実用的な永久磁石
材料としてはまだもう一歩というところであり、さらな
る特性の改善が切望される。
【0007】
【課題を解決するための手段】元素Gのような作用を行
う添加元素Mを合金中に存在させることによりThMn
12型正方晶構造が安定化される理由については、正確な
ところは未だ不明であるが、一応次のように推定されて
いる。例えばMを含まないSmFe12ではThMn12
正方晶構造が生成されないが、これはTh(+4価のイ
オン半径=1.02オンク゛ストローム)対 Mn(+2価のイオン半
径=0.80オンク゛ストローム),Sm(+3価のイオン半径=1.0
0オンク゛ストローム)対 Fe(+3価のイオン半径=0.60オンク゛ス
トローム)で比較した場合、Feの大きさがSmに比べて小
さすぎるためであると考えられている。
【0008】そして、この中のFeの一部を例えばTi
(+3価のイオン半径=0.69 )等で置換して前記Sm
Fe11Ti等とすることによりThMn12型正方晶構造
が生成されるようになるのであるが、Ti等は図1に示
すThMn12型正方晶構造において8iサイトに存在す
るといわれている。従って、このときのTi等の役割
は、その原子寸法がFeよりも大きいこと等に由来して
8iサイトにおいて格子を拡張している点にあると考え
られ、このことからSm原子寸法に見合うような格子の
整合が実現されThMn12型正方晶構造の生成が可能に
なってくるものと考えられる。
【0009】従って、特定の元素Mを添加することによ
り上記の格子整合を行おうとする場合に、Mとして原子
寸法の大きなものを選択すれば、原子1ヶ当たりが引き
起こす格子の拡張はより大きいので、その添加量は少な
くてよいことが期待される。しかし、その場合には、M
の存在がその周りに引き起こす局所的な歪は極めて大き
なものになると共に、微視的にみたときのMの存在状態
はMの個数自体が少ないことに起因して必然的に不均一
なものとなる。故に、ThMn12型正方晶構造の生成は
必ずしも安定的には行われにくい結果となってしまう。
【0010】一方、Mとして原子寸法の小さなものを選
択すれば、Mの存在がその周りに引き起こす局所的な歪
は小さいので周りともよくなじみやすいものとなし得
る。故に、ThMn12型正方晶構造の生成をより安定的
に行い得ることが期待される。しかし、この場合には、
今度は、その添加量を多くしなければならない。
【0011】元素Mの選択に関しては、その原子寸法と
いう点から見た場合、上記したような相反する側面があ
り、前記した「発明が解決しようとする課題」を解くこ
とは、結局、それらのジレンマからいかにうまく抜け出
るか、という問題に帰着される。 これに関し、本願発
明者は鋭意検討を重ねた結果、この問題の解決のために
は、Mとして例えばTiならTiというふうに単一の元
素のみを用いるようないわゆる「単独添加」よりは、種
類の異なる元素を複数の種類用いるようないわゆる「複
合添加」とすることが好ましく、特に3種類以上の元素
を用いるようにすることが効果的であることを見いだし
て、本発明を完成するに到ったものである。そしてさら
に、3種類以上の元素を用いる場合に、Ti,V,M
o,Nb,Ga,Cr,Al,Mn,Ta,W,Mg,
Sn,Ge,Zr,Hf,Si,P,Biの中から選択
した元素の組み合わせを用いるようにすることが好適で
あることを見いだしたものである。
【0012】この点に関し付言するならば、従来も、例
えば特開平1−175205号公報においてはMとして
「V,Cr,Mn,Si,W,Nb,Mo,Ta,A
l,Sn,Zr,Hf,Geの内の1種または2種以
上」を用いることが開示されている如く、確かに文面上
ではMとして複数元素を複合的に用いることの可能性が
示されてはいる。しかし、同公報の実施例もそうである
が、実際にはそれらの元素は単独添加として用いられて
きている場合が殆どである。また稀には特定元素の2種
類以上を複合的に用いている例も見いだされるのである
が、その場合でもそれらは複合添加を行うことについて
「その意義とその効果とを明白に認識した上で敢えて複
合添加を選択している」ようには思われない。
【0013】これに対して本発明は、後述のように、M
として種類の異なる元素を複数組み合わせて用いる点に
こそ大きな意義があり、その場合には単独添加では実現
し得なかったような卓越した効果が得られるとの知見を
得て、その面からの検討を進めた結果として、完成に到
ったものである。
【0014】一方、これとは別に、格子を伸長する上に
おいて大いに効果のある格子間侵入型の元素Xを上記M
と併せ用いるようにすれば、ThMn12型正方晶構造の
生成をいっそう安定的に実現し得ることが期待されると
共に、それにも増して重要なこととして、本発明合金へ
の格子間侵入型元素Xの導入は、飽和磁化を著しく増し
キュリー点を高めるとともに保磁力を顕著に向上させる
という点で永久磁石特性の改善に対しても極めて重要な
本質的な効果をもたらす場合のあることが分かるに及ん
で、本発明の完成に到ったものである。格子間侵入型元
素Xとしては、N(窒素),B(硼素),C(炭素)等があ
り、それらの各々を単独で用いてもよいし、また一方、
それらを組み合わせて用いることによってなおいっそう
顕著な効果が得られる場合もある。
【0015】本発明は上記した2つの知見、即ち、Th
Mn12型正方晶構造の生成を効率的・安定的に実現する
ためにはMとして種類の異なる3種類以上の元素を用い
るようにするのが有効であること、ならびに格子を伸長
する上で大いに効果のある格子間侵入型の元素Xを上記
Mと併せ用いるようにすることが結晶構造上のみならず
磁気特性上も極めて有効であること、に基づいてなされ
たものである。
【0016】すなわち、本発明は、RをY,Thおよび
すべてのランタノイド元素からなる群の中から選ばれた
1種類または2種類以上の元素の組合せ、M1をTi,
V,Mo,Nb,Ga,Cr,Al,Mn,Ta,W,
Mg,Sn,Geからなる群の中から選ばれた3種類以
上の元素の組合せとするとき、原子百分率で、R:3〜
30%、M1:0.5〜15%を含み、残部が実質的に
Feから成り、主相がThMn12型正方晶構造を有する
ことを特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料である。
【0017】また本発明によると、RをY,Thおよび
すべてのランタノイド元素からなる群の中から選ばれた
1種類または2種類以上の元素の組合せ、M2をTi,
V,Mo,Nb,Ga,Cr,Mn,Ta,W,Mg,
Sn,Geからなる群の中から選ばれた3種類以上の元
素の組合せ、XをN(窒素)もしくはB(硼素)もしくはC
(炭素)またはこれらの元素の組合せとするとき、原子百
分率で、R:3〜30%、M2:0.5〜15%、X:
0.3〜50%を含み、残部が実質的にFeから成り、
主相がThMn12型正方晶構造を有することを特徴とす
る鉄−希土類系永久磁石材料が提供される。
【0018】さらに本発明によると、RをY,Thおよ
びすべてのランタノイド元素からなる群の中から選ばれ
た1種類または2種類以上の元素の組合せ、M3をT
i,V,Mo,Cr,Mn,W,Al,Ga,Ta,M
g,Sn,Geからなる群の中から選ばれた2種類以上
の元素の組合せ、M4をZr,Hf,Si,P,Biか
らなる群の中から選ばれた1種類または2種類以上の元
素の組合せとするとき、原子百分率で、R:3〜30
%、M3:0.5〜17%、M4:0.3〜15%(た
だし、M3+M4≦20%)含み、残部が実質的にFe
から成り、主相がThMn12型正方晶構造を有することを
特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料が提供される。
【0019】さらにまた本発明によると、RをY,Th
およびすべてのランタノイド元素からなる群の中から選
ばれた1種類または2種類以上の元素の組合せ、M3を
Ti,V,Mo,Cr,Mn,W,Al,Ga,Ta,
Mg,Sn,Geからなる群の中から選ばれた2種類以
上の元素の組合せ、M5をZr,Si,P,Biからな
る群の中から選ばれた1種類または2種類以上の元素の
組合せ、XをN(窒素),B(硼素),およびC(炭素)の1
種類または2種類以上とするとき、原子百分率で、R:
3〜30%、M3:0.5〜17%、M5:0.3〜1
5%(ただし、M3+M5≦20%)、X:0.3〜5
0%を含み、残部が実質的にFeから成り、主相がTh
Mn12型正方晶構造を有することを特徴とする鉄−希土
類系永久磁石材料が提供される。
【0020】ところで、上記したところから明らかなよ
うに、Xは材料中において(少なくとも一時期は)格子
間侵入型の原子として存在する必要がある。このために
は、特にNについて言えば、これを材料中に含有させる
方法としては、Nをもともと含むようなものを原材料と
して用いるという方法によってもよいが、むしろ、後の
工程において、適宜な気体中もしくは液体中において処
理することによりNを材料の中へ侵入させる方法が適し
ていることが分かった。Nを侵入させるために用いる気
体としては、N2ガス、N2+H2混合ガス、NH3ガス、
およびこれらの混合ガス等(H2ガスもしくはその他の
不活性ガス等で希釈する場合を含む)を用いることが出
来る。また、その場合の処理温度としては通常200〜
1000℃、特に300〜700℃とすればよい。ま
た、その場合の処理時間としては通常0.2〜50h 程
度でよいが、材料の所望特性に応じて適宜選択すればよ
い。
【0021】すなわち、本発明は、RをY,Thおよび
すべてのランタノイド元素からなる群の中から選ばれた
1種類または2種類以上の元素の組合せ、M2をTi,
V,Mo,Nb,Ga,Cr,Mn,Ta,W,Mg,
Sn,Geからなる群の中から選ばれた3種類以上の元
素の組合せ、XをN(窒素)もしくはB(硼素)もしくはC
(炭素)またはこれらの元素の組合せとするとき、原子百
分率で、R:3〜30%、M2:0.5〜15%、X:
0.3〜50%を含み、残部が実質的にFeから成り、
主相がThMn12型正方晶構造を有するような鉄−希土
類系永久磁石材料を製造するに際して、予め、N含有量
が所望の量よりは少ない材料もしくは実質的にNを含有
しない材料を作製した後、これをNを含む気体中で処理
して材料中にNを侵入させることにより、所望のN含有
量にするようにしたことを特徴とする鉄−希土類系永久
磁石材料の製造方法を提供するものでもある。
【0022】また本発明は、RをY,Thおよびすべて
のランタノイド元素からなる群の中から選ばれた1種類
または2種類以上の元素の組合せ、M3をTi,V,M
o,Cr,Mn,W,Al,Ga,Ta,Mg,Sn,
Geからなる群の中から選ばれた2種類以上の元素の組
合せ、M5をZr,Si,P,Biからなる群の中から
選ばれた1種類または2種類以上の元素の組合せ、Xを
NもしくはBもしくはCまたはこれらの元素の組合せと
するとき、原子百分率で、R:3〜30%、M3:0.
5〜17%、M5:0.3〜15%(ただし、M3+M
5≦20%)、X:0.3〜50%を含み、残部が実質
的にFeから成り、主相がThMn12型正方晶構造を有す
ることを特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料を製造す
るに際して、予め、N含有量が所望の量よりは少ない材
料もしくは実質的にNを含有しない材料を作製した後、
これをNを含む気体中で処理して材料中にNを侵入させ
ることにより、所望のN含有量にするようにしたことを
特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料の製造方法を提供
するものでもある。
【0023】一方、B,Cを含有させる方法について
は、B,Cをもともと含むようなものを原材料として用
いることが通常に可能である。ただし、この場合でも、
もしB,Cの化合物の形のものを用いる場合には、極め
て安定な化合物,例えばM元素との硼化物,R元素との
硼化物,M元素との炭化物,R元素との炭化物,等は合
金中においてB,C原子単体の形に解離せず、従って格
子間侵入型の原子として存在させることが困難な場合が
多いので、あまり好ましくない。B,Cの原材料として
は、金属ボロン,黒鉛等の純元素,または比較的安定度
の低い化合物,例えばフェロボロン,Fe3C等Feと
の炭化物,等が推奨される。本発明において、Bは他の
2つの格子間侵入型元素N,Cに比較して、原材料から
合金中に添加することは最も容易である点が特長であ
る。
【0024】
【作用】以下、本発明の鉄−希土類系永久磁石材料につ
き詳細に説明する。本発明において、Rは、磁気異方性
を生み保磁力を発生させる上で本質的な役割を担う、極
めて重要な構成元素である。Rとしては、Y,Thおよ
びすべてのランタノイド元素、すなわち、Y,La,C
e,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,D
y,Ho,Er,Tm,Yb,LuおよびThが含ま
れ、これらからなる群の中から選ばれた1種類または2
種類以上の元素の組合せとして用いればよい。Rは、原
子百分率で3〜30%、好ましくは5〜18%、さらに
好ましくは6〜12%の範囲にあることが必要である。
【0025】Rが3%未満では保磁力が得られないの
で、Rの下限は3%とする。一方、Rが30%を超える
と飽和磁化が小さくなりすぎるとともに、材料の酸化が
激しく耐食性がきわめて悪くなるので、Rの上限は30
%とする。安定した磁気特性を得るためには、Rの量は
通常5〜18%の範囲に選ぶことが望ましい。とりわけ
Rの量を6〜12%とするときはThMn12型正方晶構
造が安定に得られやすい。なお、特に高い磁束密度と大
きなエネルギ−積とを得たい時には、Rを7〜9%に選
択することが有効である。
【0026】M、すなわち、M1,M2,M3,M4及
びM5は、ThMn12型正方晶構造を生成する上で大き
な効果を持つ元素である。M1としては、Ti,V,M
o,Nb,Ga,Cr,Al,Mn,Ta,W,Mg,
Sn,Geからなる群の中から選択した3種類以上の元
素を組み合わせて用いるようにすればよい。特に4種類
以上を組み合わせて用いた場合には極めて顕著な効果を
得られる場合がある。好適な組み合わせ例としては、T
i+Mo+V、Ti+V+Nb、Ti+Mo+Nb、M
o+V+Nb、Ti+V+Al、Ti+Mo+V+A
l、Ti+Mo+V+Nb等が挙げられる。
【0027】M2としては、Ti,V,Mo,Nb,G
a,Cr,Mn,Ta,W,Mg,Sn,Geからなる
群の中から選択した3種類以上の元素を組み合わせて用
いるようにすればよい。特に4種類以上を組み合わせて
用いた場合には極めて顕著な効果を得られる場合があ
る。好適な組み合わせ例としては、Ti+Mo+V、T
i+V+Nb、Ti+Mo+Nb、Mo+V+Nb、T
i+Mo+V+Nb等が挙げられる。
【0028】その効果を発揮させるためには、M1また
はM2は原子百分率で0.5〜15%であればよいが、
通常は1〜12%であることが好ましい。特に、10%
未満であることが望ましい。M1またはM2が0.5%
未満では上記した効果が得られないので、M1またはM
2の下限は0.5%とする。一方、M1またはM2が1
5%を超えると飽和磁化が小さくなりすぎ本発明の目的
から逸脱するので、M1またはM2の上限は15%とす
る。100emu/g以上の飽和磁化を得るためには1
2%以下、120emu/g以上の飽和磁化を得るため
には10%未満とすることが好ましい。また、M1また
はM2を構成する個々の元素の含有下限量については、
その効果を得るためには、原子百分率で0.1%以上で
あればよいが、通常は0.2%以上であることが好まし
い。
【0029】M3としては、Ti,V,Mo,Cr,M
n,W,Al,Ga,Ta,Mg,Sn,Geからなる
群の中から選択した2種類以上の元素を組み合わせて用
いるようにすればよい。特に3種類以上を組み合わせて
用いた場合には極めて顕著な効果を得られる場合があ
る。好適な組み合わせ例としては、Ti+Mo+V、T
i+V+Al、Ti+Mo+V+Al等が挙げられる。
【0030】その効果を発揮させるためには、M3は原
子百分率で0.5〜17%であればよいが、通常は1〜
12%であることが好ましい。M3が0.5%未満では
上記した効果が得られないので、M3の下限は0.5%
とする。一方、M3が17%を超えると飽和磁化が小さ
くなりすぎて本発明の目的から逸脱するので、M3の上
限は17%とする。また、M3を構成する個々の元素の
含有下限量については、その効果を得るためには、原子
百分率で0.1%以上であればよいが、通常は0.2%
以上であることが好ましい。
【0031】M4またはM5は、上記M3と協同して前
記したMのような作用を行ないThMn12型正方晶構造を
安定化する上で大きな効果を持つ元素である。M4とし
ては、Zr,Hf,Si,P,Biからなる群の中から
選択した1種類の元素または2種類以上の元素の組合せ
を用いればよい。M5としては、Zr,Si,P,Bi
からなる群の中から選択した1種類の元素または2種類
以上の元素の組合せを用いればよい。
【0032】上記した効果を発揮させるためには、M4
またはM5は原子百分率で0.3〜15%であればよい
が、通常は0.5〜10%であることが好ましい。特に
0.5〜8%であることが望ましい。M4またはM5が
0.3%未満では上記した効果が得られないので、M4
またはM5の下限は0.3%とする。一方、M4または
M5が15%を超えると飽和磁化が小さくなりすぎて本
発明の目的から逸脱するので、M4またはM5の上限は
15%とする。80emu/g以上の飽和磁化を得るた
めには10%以下とすればよい。また、これらの元素は
これを用いることにより溶湯の粘性を上げてしまう場合
もあるので、その添加量を8%以下にとどめておくこと
は一法である。また、M4またはM5を構成する個々の
元素の含有下限量については、その効果を得るために
は、原子百分率で0.1%以上であればよいが、通常は
0.2%以上であることが好ましい。
【0033】ただし、M3とM4、またはM3とM5の
合計が原子百分率で20%を超えると、合金の飽和磁化
が小さくなりすぎて本発明の目的から逸脱するようにな
るので、それらの合計の上限は20%とする。
【0034】M、すなわちM1ないしM5として種類の
異なる元素を少なくとも3種類以上組み合わせて用いる
ようにすることがThMn12型正方晶構造の生成・安定
化に有効であることの正確な理由はまだ不明であるが、
一応次のように推定される。即ち、元素を少なくとも3
種類以上組み合わせることから、それらの中には相対的
に原子寸法の大きなものと小さなものとが共存すること
になる。そして、この中の原子寸法の最も大きなもの
(仮に "第1の元素" と呼ぶ)が格子の拡張に関して効
果的に作用する。しかし、これには、前に「課題を解決
するための手段」のところで述べたような不具合(極め
て大きな局所歪の発生と不均一性の存在)を伴う。
【0035】ところが、今の場合には、 "第1の元素"
より原子寸法の小さな少なくとも2種類以上の他の元素
(仮に "第2の元素" , "第3の元素" ,等と呼ぶ)も
共存するので、それらは、各々の原子寸法に相応してう
まく歪を緩和するような傾向で格子中に分布することが
期待される(その方が全体のエネルギ−を低くできるか
ら)。即ち、前記Mが原子寸法の大きな "第1の元素"
1種類だけから成っていたときには存在したようなその
原子の周りでの不連続的・急激な変化は、 "第1の元
素" とは原子寸法の異なる他の2種類以上の元素が格子
中に適当に分布するようになったことから、一定の空間
範囲に渡って漸次変化するような連続的・円滑な変化へ
と変わり得る。従って、このことにより、格子とのなじ
みもよくなり、ThMn12型正方晶構造の生成がより安
定的・容易に行われ得るようになることが期待される。
【0036】一方、これは、前記Mの一部に "第1の元
素" のような原子寸法の大きな元素をも用いていること
から、Mとして "第2の元素" , "第3の元素" のよう
なもっと原子寸法の小さな元素のみを用いる場合より
は、一定量の格子拡張を実現するのに、総量としてはよ
り少ない添加量で済むことになる。
【0037】即ち、本発明は、Mの総添加量をより少量
とした上で、換言すればより高い飽和磁化の確保を実現
した上で、ThMn12型正方晶構造の生成を安定的に行
い得る手段を提供するものである。Mとして3種類の元
素を用いたときよりは4種類もしくはそれ以上の元素を
用いたときの方がなおいっそう顕著な効果を得られる場
合が期待されることは、すでに上記の説明から自明であ
る。
【0038】なお、ThMn12型正方晶構造の生成をい
っそう確実なものとし、所望の特性を得るために、本発
明と超急冷法やメカニカルアロイング法等の処理を組み
合わせてもよいことは言うまでもない。
【0039】本発明の鉄−希土類系永久磁石材料におい
て、Feの一部をCoで置換することにより、保磁力を
向上させると共に材料磁気特性の温度特性を向上させる
ことができる。このためにはCoの量は原子百分率で1
〜50%、好ましくは5〜30%の範囲にあることが望
ましい。Co含有量が1%未満では保磁力を向上する効
果が小さく、また50%を越えると飽和磁束密度が次第
に低下してくる。Coの量を5〜30%に選ぶことによ
り材料磁気特性の温度特性が向上する。
【0040】本発明の鉄−希土類系永久磁石材料におい
て、Feの一部をNiで置換することにより、材料の耐
食性を改善させることができる。このためにはNiの量
は原子百分率で0.5〜30%、好ましくは2〜10%
の範囲にあることが望ましい。0.5%未満では耐食性
の向上効果が少なく、また30%を越えると飽和磁束密
度が低下する。
【0041】X,即ちNもしくはBもしくはCまたはこ
れらの元素の組合せ,は、本発明の合金において、格子
を伸長する点で大いに効果のある格子間侵入型の原子と
して作用し、ThMn12型正方晶構造を安定化する上に
おいて極めて有効に作用するとともに、磁気特性面から
いうと、飽和磁化を著しく増しキュリー点を高めるとと
もに保磁力を顕著に向上させるという点で、永久磁石特
性の向上に対しても極めて重要な本質的な役割を果たす
ところの必須構成成分であるが、その含有量は、原子百
分率で0.3〜50%、好ましくは2〜20%、さらに
好ましくは4〜12%の範囲にあることが必要である。
【0042】Xが0.3%未満ではXの添加効果が認め
られず飽和磁化が小さいので、Xの下限は0.3%とす
る。一方、Xが50%を超えると飽和磁化がかえって小
さくなりすぎるので、Xの上限は50%とする。ThM
12型正方晶構造を安定的に生成させるためには、Xの
量は通常2〜20%、とりわけ4〜12%の範囲に選ぶ
ことが望ましい。
【0043】格子間侵入型元素Xとして、N,B,Cの
中から複数の元素を組み合わせて用いるといっそう効果
的である場合もある。特にNとB,ならびにCとBの組
み合わせが効果的である。N,Cが占めると推定される
格子間位置サイトとBが占めると推定される格子間位置
サイトとは異なると思われる点にその理由があると考え
られる。
【0044】前記したように、Xは材料中において(少
なくとも一時期は)格子間侵入型の原子として存在する
必要がある。このためには、特にNについて言えば、こ
れを材料中に含有させる方法としては、Nをもともと含
むようなものを原材料として用いるという方法によって
もよいが、むしろ、後の工程において、適宜な気体中も
しくは液体中において処理することによりNを材料の中
へ侵入させる方法が推奨される。Nを侵入させるために
用いる気体としては、N2ガス、N2+H2混合ガス、N
3ガス、およびこれらの混合ガス等(H2ガスもしくは
その他の不活性ガス等で希釈する場合を含む)を用いる
ことが出来る。また、その場合の処理温度としては通常
200〜1000℃、特に300〜700℃とすればよ
い。また、その場合の処理時間としては通常0.2〜5
0h 程度でよいが、材料の所望特性に応じて適宜選択す
ればよい。
【0045】一方、B,Cを含有させる方法について
は、B,Cをもともと含むようなものを原材料として用
いることが通常に可能である。ただし、この場合でも、
もしB,Cの化合物の形のものを用いる場合には、極め
て安定な化合物,例えばM元素との硼化物,R元素との
硼化物,M元素との炭化物,R元素との炭化物,等は合
金中においてB,C原子単体の形に解離せず、従って格
子間侵入型の原子として存在させることが困難な場合が
多いので、あまり好ましくない。B,Cの原材料として
は、金属ボロン,黒鉛等の純元素,または比較的安定度
の低い化合物,例えばフェロボロン,Fe3C等Feと
の炭化物,等が推奨される。本発明において、Bは他の
2つの格子間侵入型元素N,Cに比較して、原材料から
合金中に添加することは最も容易である点が特長であ
る。
【0046】また、NならびにB,Cはいずれも格子間
侵入型に存在し得る原子であるという点では共通点を有
するのであるが、前記のように、B,Cは原材料から、
Nは気体から、というふうに敢えて異なった機構を通じ
て合金中に含有させるようにすれば、それらの各々の機
構で占めやすい格子間位置を各々に占めさせ得ることか
ら、性格の異なる両機構をともに利用することにより格
子間侵入型構造の形成をより確実なものとするようにで
きることが期待される。また、そのような機構の違いに
由来して、NとB,Cとの間にはメカニズム細部につい
ては当然差異があることが予想され、また、BとCとの
間にも原子径・原子価(即ち,電子構造)等の違いに由
来して当然差異があることも予想される。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は特にこれらに限定されるものではな
い。
【0048】(実施例1)合金組成が原子比でFe8
5.9%,Sm7.81%,Ti2.34%,V2.3
4%,Mo0.78%,Nb0.78%となるように原
料を配合し、これをアルゴン雰囲気中で溶製した。得ら
れたインゴットを1050℃で16時間焼鈍した後、鉄
製乳鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、
約30μm径の粉体とした。この粉体の飽和磁化をVS
Mによって測定したところ、128emu/gであった。
また、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回折した
ところ、ThMn12型正方晶の結晶構造であることが確
認された。
【0049】(実施例2)合金組成が原子比でFe8
5.9%,Sm7.81%,Ti1.56%,V2.3
4%,Mo1.56%,Cr0.78%となるように原
料を配合し、これをアルゴン雰囲気中で溶製した。得ら
れたインゴットを1050℃で16時間焼鈍した後、鉄
製乳鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、
約30μm径の粉体とした。この粉体の飽和磁化をVS
Mによって測定したところ、127emu/gであった。
また、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回折した
ところ、ThMn12型正方晶の結晶構造であることが確
認された。
【0050】(実施例3)合金組成が原子比でFe8
5.3%,Sm7.75%,Ti2.33%,V2.3
3%,Mo2.33%となるように原料を配合し、これ
をアルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを
1050℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体の飽和磁化をVSMによって測定し
たところ、123emu/gであった。 また、得られた粉
体をCuKα線を用いてX線回折したところ、ThMn
12型正方晶の結晶構造であることが確認された。
【0051】(実施例4)合金組成が原子比でFe8
4.0%,Sm7.63%,Ti2.29%,V3.8
2%,Nb2.29%となるように原料を配合し、これ
をアルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを
1050℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体の飽和磁化をVSMによって測定し
たところ、107emu/gであった。 また、得られた粉
体をCuKα線を用いてX線回折したところ、ThMn
12型正方晶の結晶構造であることが確認された。
【0052】(実施例5)合金組成が原子比でFe8
4.6%,Sm7.69%,V3.85%,Nb1.5
4%,Mo2.31%となるように原料を配合し、これ
をアルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを
1050℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体の飽和磁化をVSMによって測定し
たところ、110emu/gであった。 また、得られた粉
体をCuKα線を用いてX線回折したところ、ThMn
12型正方晶の結晶構造であることが確認された。
【0053】(実施例6)合金組成が表1に示すような
原子比組成となるように原料を配合し、これをアルゴン
雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを1050℃
で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕し、さらに
ディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉体とした。
これらの粉体の飽和磁化をVSMによって測定したとこ
ろ、表1に示すような値であった。また、得られた粉体
をCuKα線を用いてX線回折したところ、いずれもT
hMn12型正方晶の結晶構造であることが確認された。
【0054】
【表1】
【0055】(実施例7)合金組成が原子比でFe8
5.9%,Nd7.81%,Ti2.34%,V2.3
4%,Mo0.78%,Cr0.78%となるように原
料を配合し、これをアルゴン雰囲気中で溶製した。得ら
れたインゴットを1050℃で16h 焼鈍した後、鉄製
乳鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、約
30μm径の粉体とした。この粉体にNを含有させるた
めに、これをN2ガス中において480℃で2h 処理し
た。この処理により材料中にNが1.39重量%含有さ
れた。これから計算すると、材料全体としての組成は、
原子%でFe80.8%,Nd7.35%,Ti2.2
0%,V2.20%,Mo0.74%,Cr0.74
%,N 5.95%に相当する。この粉体の飽和磁化を
VSMによって測定したところ、145emu/gであっ
た。 また、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回
折したところ、ThMn12型正方晶の結晶構造であるこ
とが確認された。
【0056】(実施例8)合金組成が原子比でFe8
6.6%,Nd7.87%,Ti1.57%,V1.5
7%,Mo1.57%,W 0.79%となるように原
料を配合し、これをアルゴン雰囲気中で溶製した。得ら
れたインゴットを1050℃で16h 焼鈍した後、鉄製
乳鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、約
30μm径の粉体とした。この粉体にNを含有させるた
めに、これをN2ガス中において500℃で1h 処理し
た。この処理により材料中にNが1.41重量%含有さ
れた。これから計算すると、材料全体としての組成は、
原子比でFe81.3%,Nd7.39%,Ti1.4
8%,V1.48%,Mo1.48%,W 0.74
%,N 6.14%に相当する。この粉体の飽和磁化を
VSMによって測定したところ、142emu/gであっ
た。 また、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回
折したところ、ThMn12型正方晶の結晶構造であるこ
とが確認された。
【0057】(実施例9)合金組成が原子比でFe8
5.9%,Nd7.81%,Ti2.34%,V2.3
4%,Mo1.56%となるように原料を配合し、これ
をアルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを
1050℃で16h 焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体にNを含有させるために、これをN
3ガス中において450℃で2h 処理した。この処理
により材料中にNが2.02重量%含有された。これか
ら計算すると、材料全体としての組成は、原子比でFe
78.6%,Nd7.15%,Ti2.14%,V2.
14%,Mo1.43%,N 8.51%に相当する。
この粉体の飽和磁化をVSMによって測定したところ、
138emu/gであった。 また、得られた粉体をCuK
α線を用いてX線回折したところ、ThMn12型正方晶
の結晶構造であることが確認された。
【0058】(実施例10)合金組成が原子比でFe8
5.3%,Nd7.75%,Ti2.33%,V3.8
8%,Nb0.78%となるように原料を配合し、これ
をアルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを
1050℃で16h 焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体にNを含有させるために、これをN
290%+H210%混合ガス中において500℃で1h
処理した。この処理により材料中にNが1.47重量%
含有された。これから計算すると、材料全体としての組
成は、原子比でFe79.9%,Nd7.27%,Ti
2.18%,V3.63%,Nb0.73%,N 6.
25%に相当する。 この粉体の飽和磁化をVSMによ
って測定したところ、127emu/gであった。 また、
得られた粉体をCuKα線を用いてX線回折したとこ
ろ、ThMn12型正方晶の結晶構造であることが確認さ
れた。
【0059】(実施例11)合金組成が原子比でFe8
1.5%,Nd7.41%,V5.19%,Nb0.7
4%,Mo1.48%,B3.70%となるように原料
を配合し、これをアルゴン雰囲気中で溶製した。得られ
たインゴットを1050℃で16h 焼鈍した後、鉄製乳
鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、約3
0μm径の粉体とした。この粉体にNを含有させるため
に、これをN2ガス中において480℃で2h 処理し
た。この処理により材料中にNが1.22重量%含有さ
れた。これから計算すると、材料全体としての組成は、
原子比でFe77.3%,Nd7.03%,V4.92
%,Nb0.70%,Mo1.41%,B3.51%,
N 5.13%に相当する。この粉体の飽和磁化をVS
Mによって測定したところ、124emu/gであった。
また、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回折した
ところ、ThMn12型正方晶の結晶構造であることが確
認された。
【0060】(実施例12)合金組成が表2に示すよう
な原子比組成となるように原料を配合し、これをアルゴ
ン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを1050
℃で16h 焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕し、さらに
ディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉体とした。
これらの中、No.A,E,F,Gの合金については、N
を含有させるために、その粉体に表1に示したような条
件で含N化の処理を施した。その処理によって材料中に
含有されたNの量(重量%)は同じく表1の中に示した
通りである。これから計算すると、そのようにして得ら
れた粉体の最終的な組成(原子%)は表3のようにな
る。これらの粉体の飽和磁化をVSMによって測定した
ところ、表3に示すような値であった。また、得られた
粉体をCuKα線を用いてX線回折したところ、いずれ
もThMn12型正方晶の結晶構造であることが確認され
た。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】(実施例13)合金組成が原子比でFeb
al,Sm7.81%,Ti1.56%,V1.56
%,Mo1.56%,Si1.56%となるように原料
を配合し、これをアルゴン雰囲気中で溶製した。得られ
たインゴットを1050℃で16時間焼鈍した後、鉄製
乳鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、約
30μm径の粉体とした。この粉体の飽和磁化をVSM
によって測定したところ、125emu/gであった。 ま
た、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回折したと
ころ、ThMn12型正方晶の結晶構造であることが確認
された。
【0064】(実施例14)合金組成が原子比でFeb
al,Sm7.81%,Ti2.34%,V1.56
%,Si2.34%となるように原料を配合し、これを
アルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを1
050℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体の飽和磁化をVSMによって測定し
たところ、118emu/gであった。 また、得られた粉
体をCuKα線を用いてX線回折したところ、ThMn
12型正方晶の結晶構造であることが確認された。
【0065】(実施例15)合金組成が原子比でFeb
al,Nd7.75%,V3.10%,Mo1.55
%,Si2.33%となるように原料を配合し、これを
アルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを1
050℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体の飽和磁化をVSMによって測定し
たところ、121emu/gであった。 また、得られた粉
体をCuKα線を用いてX線回折したところ、ThMn
12型正方晶の結晶構造であることが確認された。
【0066】(実施例16)合金組成が原子比でFeb
al,Sm7.75%,Ti2.33%,V1.55
%,Mo1.55%,Zr1.55%となるように原料
を配合し、これをアルゴン雰囲気中で溶製した。得られ
たインゴットを1050℃で16時間焼鈍した後、鉄製
乳鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、約
30μm径の粉体とした。この粉体の飽和磁化をVSM
によって測定したところ、123emu/gであった。 ま
た、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回折したと
ころ、ThMn12型正方晶の結晶構造であることが確認
された。
【0067】(実施例17)合金組成が原子比でFeb
al,Sm7.75%,V2.33%,Mo3.10
%,Hf1.55%となるように原料を配合し、これを
アルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを1
050℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体の飽和磁化をVSMによって測定し
たところ、115emu/gであった。 また、得られた粉
体をCuKα線を用いてX線回折したところ、ThMn
12型正方晶の結晶構造であることが確認された。
【0068】(実施例18)合金組成が表4に示すよう
な原子比組成となるように原料を配合し、これをアルゴ
ン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを1050
℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕し、さら
にディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉体とし
た。これらの粉体の飽和磁化をVSMによって測定した
ところ、表1に示すような値であった。また、得られた
粉体をCuKα線を用いてX線回折したところ、いずれ
もThMn12型正方晶の結晶構造であることが確認され
た。
【0069】
【表4】
【0070】(実施例19)合金組成が原子比でFeb
al,Nd7.81%,Ti1.56%,V1.56
%,Mo1.56%,Si1.56%となるように原料
を配合し、これをアルゴン雰囲気中で溶製した。得られ
たインゴットを1050℃で16時間焼鈍した後、鉄製
乳鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、約
30μm径の粉体とした。この粉体にNを含有させるた
めに、これをN2ガス中において480℃で2時間処理
した。この処理により材料中にNが1.58重量%含有
された。これから計算すると、材料全体としての組成
は、原子%でFebal,Nd7.29%,Ti1.4
6%,V1.46%,Mo1.46%,Si1.46
%,N 6.71%に相当 する。 この粉体の飽和磁化
をVSMによって測定したところ、143emu/gであっ
た 。 また、得られた粉体をCuKα線を用いてX線
回折したところ、ThMn12型正方晶の結晶構造である
ことが確認された。
【0071】(実施例20)合金組成が原子比でFeb
al,Nd7.63%,Ti1.53%,Mo3.05
%,Si1.53%,B 2.29%となるように原料
を配合し、これ をアルゴン雰囲気中で溶製した。得ら
れたインゴットを1050℃で16時間焼鈍した後、鉄
製乳鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、
約30μm径の粉体とした。この粉体にNを含有させる
ために、これをN2ガス中において500℃で1時間処
理した。この処理により材料中にNが1.37重量%含
有された。これから計算すると、材料全体としての組成
は、原子%でFebal,Nd7.19%,Ti1.4
4%,Mo2.88%,Si1.44%,B 2.16
%,N 5.82%に相当する。 この粉体の飽和磁化
をVSMによって測定したところ、137emu/gで あっ
た。 また、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回
折したところ、ThMn12型正方晶の結晶構造であるこ
とが確認された。
【0072】(実施例21)合金組成が原子比でFeb
al,Sm7.81%,Ti1.56%,Mo3.13
%,Si1.56%となるように原料を配合し、これを
アルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを1
050℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体にNを含有させるために、これをN
290%+H210%混合ガス中において500℃で1時
間処理した。この処理により材料中にNが1.50重量
%含有された。これから計算すると、材料全体としての
組成は、原子%でFebal,Sm7.31%,Ti
1.46%,Mo2.92%,Si1.46%,N
6.50% に相当する。この粉体の飽和磁化をVSM
によって測定したところ、128emu/gであった。 ま
た、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回折したと
ころ、ThMn12型正方晶の結晶構造であることが確認
された。
【0073】(実施例22)合金組成が原子比でFeb
al,Nd7.75%,Ti1.55%,V1.55
%,Mo2.33%,Zr1.55%となるように原料
を配合し、これをアルゴン雰囲気中で溶製した。得られ
たインゴットを1050℃で16時間焼鈍した後、鉄製
乳鉢中で粗粉砕し、さらにディスクミルで粉砕して、約
30μm径の粉体とした。この粉体にNを含有させるた
めに、これをNH3ガス中において450℃で2時間処
理した。この処理により材料中にNが2.05重量%含
有された。これから計算すると、材料全体としての組成
は、原子%でFebal,Nd7.08%,Ti1.4
2%,V1.42%,Mo2.12%,Zr1.42
%,N 8.71%に相 当する。この粉体の飽和磁化を
VSMによって測定したところ、141emu/g であっ
た。また、得られた粉体をCuKα線を用いてX線回折
したところ、ThMn12型正方晶の結晶構造であること
が確認された。
【0074】(実施例23)合金組成が原子比でFeb
al,Nd7.81%,V1.56%,Mo3.13
%,Zr1.56%となるように原料を配合し、これを
アルゴン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを1
050℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕
し、さらにディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉
体とした。この粉体にNを含有させるために、これをN
2ガス中において480℃で2時間処理した。この処理
により材料中にNが1.39重量%含有された。これか
ら計算すると、材料全体としての組成は、原子%でFe
bal,Nd7.34%,V1.47%,Mo2.94
%,Zr1.47%,N 6.09%に相当する。この
粉体の飽和磁化をVSMによって測定したところ、13
5emu/gであった。また、得られた粉体をCuKα線を
用いてX線回折したところ、ThMn12型正方晶の結晶
構造であることが確認された。
【0075】(実施例24)合金組成が表5に示すよう
な原子比組成となるように原料を配合し、これをアルゴ
ン雰囲気中で溶製した。得られたインゴットを1050
℃で16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕し、さら
にディスクミルで粉砕して、約30μm径の粉体とし
た。これらの中、No.A,D,E,H,Iの合金につい
ては、Nを含有させるために、その粉体に表1に示した
ような条件で含N化の処理を施した。その処理によって
材料中に含有されたNの量(重量%)は同じく表1の中
に示した通りである。これから計算すると、そのように
して得られた粉体の最終的な組成(原子%)は表6のよ
うになる。これらの粉体の飽和磁化をVSMによって測
定したところ、表6に示すような値であった。また、得
られた粉体をCuKα線を用いてX線回折したところ、
いずれもThMn12型正方晶の結晶構造であることが確
認された。
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】(比較例)合金組成が表7に示すような原
子比組成となるように原料を配合し、これをアルゴン雰
囲気中で溶製した。得られたインゴットを1050℃で
16時間焼鈍した後、鉄製乳鉢中で粗粉砕し、さらにデ
ィスクミルで粉砕して、約30μm径の粉体とした。こ
れらの粉体の飽和磁化をVSMによって測定したとこ
ろ、表7に示すような値であった。また、得られた粉体
をCuKα線を用いてX線回折したところ、合金Pと合
金Tについては概ねThMn12型正方晶の結晶構造であ
ったものの、α−Feのピークも現れていた。また、そ
の他の合金については、いずれも、ThMn12型正方晶
の結晶構造の他にα−FeならびにR2Fe17型の結晶
構造も存在していることが確認された。
【0079】
【表7】
【0080】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による鉄
−希土類系永久磁石材料によれば、大きな飽和磁化を確
保した上に、優れた永久磁石特性を示すThMn12型正
方晶構造を安定的に得ることができるので、実用上きわ
めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ThMn12型正方晶構造の結晶構造を説明する
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−13084 (32)優先日 平5(1993)1月29日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RをY,Thおよびすべてのランタノイ
    ド元素からなる群の中から選ばれた1種類または2種類
    以上の元素の組合せ、M1をTi,V,Mo,Nb,G
    a,Cr,Al,Mn,Ta,W,Mg,Sn,Geか
    らなる群の中から選ばれた3種類以上の元素の組合せと
    するとき、原子百分率で、R:3〜30%、M1:0.
    5〜15%を含み、残部が実質的にFeから成り、主相
    がThMn12型正方晶構造を有することを特徴とする鉄
    −希土類系永久磁石材料。
  2. 【請求項2】 RをY,Thおよびすべてのランタノイ
    ド元素からなる群の中から選ばれた1種類または2種類
    以上の元素の組合せ、M2をTi,V,Mo,Nb,G
    a,Cr,Mn,Ta,W,Mg,Sn,Geからなる
    群の中から選ばれた3種類以上の元素の組合せ、XをN
    (窒素)もしくはB(硼素)もしくはC(炭素)またはこれら
    の元素の組合せとするとき、原子百分率で、R:3〜3
    0%、M2:0.5〜15%、X:0.3〜50%を含
    み、残部が実質的にFeから成り、主相がThMn12
    正方晶構造を有することを特徴とする鉄−希土類系永久
    磁石材料。
  3. 【請求項3】 RをY,Thおよびすべてのランタノイ
    ド元素からなる群の中から選ばれた1種類または2種類
    以上の元素の組合せ、M3をTi,V,Mo,Cr,M
    n,W,Al,Ga,Ta,Mg,Sn,Geからなる
    群の中から選ばれた2種類以上の元素の組合せ、M4を
    Zr,Hf,Si,P,Biからなる群の中から選ばれ
    た1種類または2種類以上の元素の組合せとするとき、
    原子百分率で、R:3〜30%、M3:0.5〜17
    %、M4:0.3〜15%(ただし、M3+M4≦20
    %)を含み、残部が実質的にFeから成り、主相がTh
    Mn12型正方晶構造を有することを特徴とする鉄−希土
    類系永久磁石材料。
  4. 【請求項4】 RをY,Thおよびすべてのランタノイ
    ド元素からなる群の中から選ばれた1種類または2種類
    以上の元素の組合せ、M3をTi,V,Mo,Cr,M
    n,W,Al,Ga,Ta,Mg,Sn,Geからなる
    群の中から選ばれた2種類以上の元素の組合せ、M5を
    Zr,Si,P,Biからなる群の中から選ばれた1種
    類または2種類以上の元素の組合せ、XをN(窒素),B
    (硼 素), 6およびC(炭素)の1種類または2種類以上
    とするとき、原子百分率で、R: 3〜30%、M3:
    0.5〜17%、M5:0.3〜15%(ただし、M3
    +M5≦20%)、X:0.3〜50%を含み、残部が
    実質的にFeから成り、主相がThMn12型正方晶構造を
    有することを特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の鉄−希土類系永久磁石
    材料において、M1は4種類以上の元素の組合せからな
    るものであることを特徴とする鉄−希土類系永久磁石材
    料。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の鉄−希土類系永久磁石
    材料において、M2は4種類以上の元素の組合せからな
    るものであることを特徴とする鉄−希土類系永久磁石材
    料。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の鉄−希土類系永久磁石
    材料において、M3とM4の合計が4種類以上の元素の
    組合せからなるものであることを特徴とする鉄−希土類
    系永久磁石材料。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の鉄−希土類系永久磁石
    材料において、M3とM5の合計が4種類以上の元素の
    組合せからなるものであることを特徴とする鉄−希土類
    系永久磁石材料。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8の何れかの項に記載の
    鉄−希土類系永久磁石材料において、Feの一部をCo
    で置換することにより、原子百分率で、Co:1〜50
    %を含むようにしたことを特徴とする鉄−希土類系永久
    磁石材料。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9の何れかの項に記載
    の鉄−希土類系永久磁石材料において、Feの一部をN
    iで置換することにより、原子百分率で、Ni:0.5
    〜30%を含むようにしたことを特徴とする鉄−希土類
    系永久磁石材料。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10の何れかの項に記
    載の鉄−希土類系永久磁石材料において、原子百分率
    で、R:5〜18%を含むことを特徴とする鉄−希土類
    系永久磁石材料。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の鉄−希土類系永久
    磁石材料において、原子百分率で、R:6〜12%を含
    むことを特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の鉄−希土類系永久
    磁石材料において、原子百分率で、R:7〜9%を含む
    ことを特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料。
  14. 【請求項14】 請求項2,4,6若しくは8の何れか
    の項に記載の鉄−希土類系永久磁石材料、または請求項
    9ないし13の何れかの項に記載の鉄−希土類系永久磁
    石材料の中でXを含むような鉄−希土類系永久磁石材料
    において、原子百分率で、X:2〜20%を含むことを
    特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の鉄−希土類系永久
    磁石材料において、原子百分率で、X:4〜12%を含
    むことを特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料。
  16. 【請求項16】 請求項2,4,6若しくは8の何れか
    の項に記載の鉄−希土類系永久磁石材料、または請求項
    9ないし13の何れかの項に記載の鉄−希土類系永久磁
    石材料の中でXを含むような鉄−希土類系永久磁石材料
    において、XがNであることを特徴とする鉄−希土類系
    永久磁石材料。
  17. 【請求項17】 請求項2,4,6若しくは8の何れか
    の項に記載の鉄−希土類系永久磁石材料、または請求項
    9ないし13の何れかの項に記載の鉄−希土類系永久磁
    石材料の中でXを含むような鉄−希土類系永久磁石材料
    において、XがNとBの組み合わせであることを特徴と
    する鉄−希土類系永久磁石材料。
  18. 【請求項18】 請求項2,4,6若しくは8の何れか
    の項に記載の鉄−希土類系永久磁石材料、または請求項
    9ないし13の何れかの項に記載の鉄−希土類系永久磁
    石材料の中でXを含むような鉄−希土類系永久磁石材料
    において、XがNとBとCの組み合わせであることを特
    徴とする鉄−希土類系永久磁石材料。
  19. 【請求項19】 請求項2,4,6若しくは8の何れか
    の項に記載の鉄−希土類系永久磁石材料、または請求項
    9ないし13の何れかの項に記載の鉄−希土類系永久磁
    石材料の中でXを含むような鉄−希土類系永久磁石材料
    において、XがNとCの組み合わせであることを特徴と
    する鉄−希土類系永久磁石材料。
  20. 【請求項20】 請求項2,4,6若しくは8の何れか
    の項に記載の鉄−希土類系永久磁石材料、または請求項
    9ないし13の何れかの項に記載の鉄−希土類系永久磁
    石材料の中でXを含むような鉄−希土類系永久磁石材料
    において、XがBであることを特徴とする鉄−希土類系
    永久磁石材料。
  21. 【請求項21】 請求項2,4,6若しくは8の何れか
    の項に記載の鉄−希土類系永久磁石材料、または請求項
    9ないし13の何れかの項に記載の鉄−希土類系永久磁
    石材料の中でXを含むような鉄−希土類系永久磁石材料
    において、XがCであることを特徴とする鉄−希土類系
    永久磁石材料。
  22. 【請求項22】 請求項2,4,6若しくは8の何れか
    の項に記載の鉄−希土類系永久磁石材料、または請求項
    9ないし13の何れかの項に記載の鉄−希土類系永久磁
    石材料の中でXを含むような鉄−希土類系永久磁石材料
    において、XがBとCの組み合わせであることを特徴と
    する鉄−希土類系永久磁石材料。
  23. 【請求項23】 請求項16ないし19の何れかの項に
    記載の鉄−希土類系永久磁石材料を製造するに際して、
    予め、N含有量が所望の量よりは少ない材料を作製した
    後、これをNを含む気体中で処理して材料中にNを侵入
    させることにより、所望のN含有量にするようにしたこ
    とを特徴とする鉄−希土類系永久磁石材料の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項16ないし19の何れかの項に
    記載の鉄−希土類系永久磁石材料を製造するに際して、
    予め、実質的にNを含有しない材料を作製した後、これ
    をNを含む気体中で処理して材料中にNを侵入させるこ
    とにより、所望のN含有量にするようにしたことを特徴
    とする鉄−希土類系永久磁石材料の製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項23または24に記載の鉄−希
    土類系永久磁石材料の製造方法において、Nを含む気体
    がN2ガスであることを特徴とする鉄−希土類系永久磁
    石材料の製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項23または24に記載の鉄−希
    土類系永久磁石材料の製造方法において、Nを含む気体
    がN2ガスとH2ガスの混合気体であることを特徴とする
    鉄−希土類系永久磁石材料の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項23または24に記載の鉄−希
    土類系永久磁石材料の製造方法において、Nを含む気体
    がNH3ガスであることを特徴とする鉄−希土類系永久
    磁石材料の製造方法。
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