JPH06277901A

JPH06277901A - 切削刃具の制御方法及び装置

Info

Publication number: JPH06277901A
Application number: JP7217493A
Authority: JP
Inventors: Tomoyoshi Ekusa; 友良江草
Original assignee: NTN Corp; NTN Toyo Bearing Co Ltd
Current assignee: NTN Corp
Priority date: 1993-03-30
Filing date: 1993-03-30
Publication date: 1994-10-04

Abstract

(57)【要約】【目的】刃具の寿命延長を図り、省資源化、切削加工
コストの低減、切削加工能率の向上等を可能とする切削
刃具の制御方法及び装置を提供する。【構成】本発明の方法は、刃先の有効角度範囲内で刃
具（１）とワーク（５）との接触関係角度を連続的又は
間欠的に変化させて切削加工を行なうようにしたもので
ある。また、本発明の装置は、刃具（１）を固着した刃
物台（４）と、該刃物台（４）を前記刃具（１）の刃先
の有効角度範囲内で連続的又は間欠的に旋回させて刃具
（１）とワーク（５）との接触関係角度を変化させる刃
物台旋回機構（６）と、該刃物台旋回機構（６）による
刃物台（４）の旋回に関連して刃具（１）の刃先位置の
変位を自動的に補正する刃先位置補正回路（７）とを具
備させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＮＣ旋盤等における切
削刃具の制御方法及び装置に関するもので、特に、スロ
ーアウェイチップに適用して好適なものである。

【０００２】

【従来の技術】ＮＣ旋盤等に使用される切削刃具は、超
硬合金のチップ（以下、刃具と称す。）を炭素工具鋼の
シャンクの先端にロー付けで固着したもの（ロー付けバ
イト）と、交換可能に取り付けたもの（スローアウェイ
バイト）が多い。

【０００３】例えば、スローアウェイバイトの場合、図
４に示すように、刃具（１）を取り付け具（２）を介し
てシャンク（３）の先端部に取り付けており、この刃具
（１）は、両端に刃部を持つタイプで取り付け直しによ
り２回使用することができるものを例示している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来、上記シャンク
（３）を刃物台（４）に、刃具（１）の姿勢を一定に固
定して取り付けていたため、ノーズ半径Ｒの一部しか磨
耗しない。上記刃具（１）の先端のノーズ半径Ｒは、例
えば、０．２〜５ｍｍであり、刃先の有効角度範囲は、
ノーズ半径Ｒの曲率中心角で表せば、最大１２０°の切
削有効刃面を有しているが、実際には、上記切削有効刃
面のごく一部、例えば、３０°〜９０°程度しか使用し
ていない。ロー付けバイトの場合も同様であった。

【０００５】本発明は、上記刃具（１）の寿命延長を図
ることにより、省資源化、切削加工コストの低減、切削
加工能率の向上等を可能とする切削刃具の制御方法及び
装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の方法は、刃先の有効角度範囲内で刃具とワーク
との接触関係角度を連続的又は間欠的に変化させて切削
加工を行なうようにしたものである。

【０００７】また、本発明の装置は、刃具を固着した刃
物台と、該刃物台を前記刃具の刃先の有効角度範囲内で
連続的又は間欠的に旋回させて刃具とワークとの接触関
係角度を変化させる刃物台旋回機構と、該刃物台旋回機
構による刃物台の旋回に関連して刃具の刃先位置の変位
を自動的に補正する刃先位置補正回路とを具備させたも
のである。

【０００８】

【作用】本発明の方法のように、刃具とワークとの接触
関係角度を刃先の有効角度範囲内で変化させると、当該
刃具が具備している有効刃面全域を使用して切削加工を
行なわせることができ、寿命延長が図れる。上記変化を
連続的に行なわせると、当該刃具が具備している有効刃
面全域を均等に使用することとなり、磨耗も均等化で
き、刃先温度の上昇も分散させることができる。

【０００９】本発明の装置によれば、刃物台旋回機構に
よる刃先位置の変位を刃先位置補正回路によって自動的
に補正させることができ、切削加工を円滑に行なわせる
ことができる。

【００１０】

【実施例】図１は本発明方法の実施に直接使用する装置
の概略構成を示す平面図であって、（１）は刃具、
（２）は取り付け具、（３）はシャンク、（４）は刃物
台、（５）はワーク、（６）は刃物台旋回機構、（７）
は刃先位置補正回路を示している。

【００１１】刃具（１）は、両端に対称形状の刃先を形
成した超硬合金製のスローアウェイチップで、取り付け
具（２）によりシャンク（３）の先端部に交換及び取り
付け直し可能に固着されている。

【００１２】取り付け具（２）は、ねじ構造からなり、
刃具（１）の中央部の取り付け穴に挿通され、シャンク
（３）の先端部に形成されたねじ穴に螺合される。

【００１３】シャンク（３）は、炭素工具鋼で構成さ
れ、先端部に刃具（１）の取付部及びねじ穴が形成さ
れ、全体が角棒状とされている。

【００１４】刃物台（４）は、刃具（１）を先端部に取
り付けたシャンク（３）を取り付けねじ等によって固着
するもので、この刃物台（４）は、図２の（ａ）に示す
ように、旋盤のベッド（８）上にＺ方向（送り方向）の
サーボモータ（９）と送りねじ（１０）とによってＺ方
向に移動する第１移動台（１１）と、この第１移動台
（１１）上にＸ方向（切り込み方向）のサーボモータ
（１２）と送りねじ（１３）とによってＸ方向に移動す
る第２移動台（１４）とからなる複式移動台上、即ち、
この第２移動台（１４）の上面中央で、図２の（ｂ）に
示すように、Ｚ−Ｘ平面に直交して設置された旋回軸
（１５）に旋回可能に取り付けられている。

【００１５】ワーク（５）は、旋盤の主軸ヘッドのチャ
ックとテールストックのセンターとの間に旋回駆動可能
に支持されており、ワーク（５）の軸線は、Ｚ方向と平
行とされている。

【００１６】刃物台旋回機構（６）は、図２の（ｂ）に
示すように、刃物台（４）と第２移動台（１４）との間
に設置され、例えば、ウオーム（６ａ）とウオームホイ
ール（６ｂ）とからなり、旋盤のＮＣ制御部からの指令
等でサーボモータ（６ｃ）によりウオーム（６ａ）とウ
オームホイール（６ｂ）とを介して刃物台（４）を、旋
回軸（１５）を中心として刃具（１）の刃先の有効角度
範囲内で連続的又は間欠的に旋回動作させるものであ
る。

【００１７】刃先位置補正回路（７）は、刃物台旋回機
構（６）によって刃物台（４）と一体的に旋回せしめら
れた刃具（１）の刃先位置の変位に関連して、刃物台
（４）の旋回中心（０）の位置を、旋盤のＮＣ制御部を
通じて自動的に補正させるためのものである。例えば、
図１において、（０）点中心で刃物台（４）を△θだけ
旋回させると、切削点（Ｐ）は（Ｑ）へ移動するが、
（０）点を−△ｘ，＋△ｚだけＸ軸方向及びＺ軸方向へ
補正移動させれば、刃先位置の変位は補正される。上記
変位の補正は、

【００１８】θ：旋回中心（０）上でのＺ軸に対する切
削点（Ｐ）の初期角度ｒ：旋回中心（０）から切削点（Ｐ）までの旋回半径とすると、 △ｘ＝ｒ△θｃｏｓθ △ｚ＝ｒ△θｓｉｎθ で演算され、これを刃先位置補正回路（７）で演算させ
て、刃物台（４）の旋回中心（０）の位置を、旋盤のＮ
Ｃ制御部を通じて自動的に補正させるように構成され
る。

【００１９】本発明の実施例は、以上の構成からなり、
次に、その動作を説明する。図３は説明の便宜上、刃具
（１）の刃先の有効角度範囲を３分割して部分使用する
ようにした場合を例示しているもので、（ａ）は左側１
／３の範囲の使用例、（ｂ）は中央１／３の範囲の使用
例、（ｃ）は右側１／３の範囲の使用例をワーク（５）
との関係で示している。このような使用角度範囲の設定
変更は、図１に示した刃物台（４）を刃物台旋回機構
（６）により所定角度づつ旋回させることによって行な
うことができる。そして使用角度範囲を設定変更する
と、これに関連して刃先位置補正回路（７）により、刃
物台（４）の旋回中心（０）の位置を、旋盤のＮＣ制御
部を通じて自動的に補正させる。上記使用角度範囲の設
定変更は、切削加工中、連続的又は間欠的に行なわせる
ことができる。また、旋回角度も図３のような範囲に制
限されることなく自由に設定することができる。なお、
連続的とは、１切削加工サイクルにおいて、刃先の有効
角度範囲の一端から他端までアナログ的に１回だけ移動
させる場合や、１回乃至複数回往復移動させる場合を云
う。また、間欠的とは、１切削加工サイクルにおいて、
刃先の有効角度範囲の一端から他端までデジタル的に行
なわせる場合を云う。

【００２０】上記実施例は、刃具（１）とワーク（５）
との接触関係角度の変更を刃物台旋回機構（６）によっ
て自動的に行なわせた場合を例示しているが、本発明の
方法の実施は、刃物台（４）に対するシャンク（３）の
取り付け角度を変更させ、又は、シャンク（３）に対す
る刃具（１）の取り付け角度を変更するようにしてもよ
く、或いは、刃物台（４）を手動ハンドル等によって旋
回軸（１５）の回りで旋回させてもよい。さらに、本発
明は、スローアウェイバイトだけでなく、ロー付けバイ
トにも適用できる。また、シャンクの先端に直接刃先を
形成した完成バイトに適用しても寿命延長が図れる。

【００２１】

【発明の効果】本発明の方法によれば、切削刃具の刃先
の有効角度範囲全域を使用することができ、刃具の寿命
を従来の少なくとも２倍以上に延長することができ、省
資源化、切削加工コストの低減、切削加工能率の向上等
が図れる。また、刃先温度の低下によるチップ刃先強度
の向上、磨耗の減少が期待でき、使用刃先長が拡大され
るための切削有効距離の延長、切屑と刃先位置が連続的
に変化することによる刃先への潤滑剤供給が容易となる
等の効果が得られる。

【００２２】そして、本発明の装置によれば、切削刃具
の刃先位置の変化に関連して、自動的に切削点の位置補
正を行なわせることができ、ＮＣ旋盤等に適用して優れ
た効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法の実施に直接使用する装置の概略構
成を示す平面図。

【図２】（ａ）は本発明における刃物台の取り付けベー
スとなる複式移動台の概略平面図、（ｂ）は刃物台旋回
機構の概略平面図。

【図３】（ａ）（ｂ）（ｃ）は本発明による刃具の刃先
使用角度範囲の変更例図。

【図４】従来の切削刃具の代表的使用例の説明用平面
図。

【符号の説明】

１刃具２取り付け具３シャンク４刃物台５ワーク６刃物台旋回機構７刃先位置補正回路

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】刃先の有効角度範囲内で刃具とワークと
の接触関係角度を連続的又は間欠的に変化させて切削加
工を行なうことを特徴とする切削刃具の制御方法。
【請求項２】刃具を固着した刃物台と、該刃物台を前
記刃具の刃先の有効角度範囲内で連続的又は間欠的に旋
回させて刃具とワークとの接触関係角度を変化させる刃
物台旋回機構と、該刃物台旋回機構による刃物台の旋回
に関連して刃具の刃先位置の変位を自動的に補正する刃
先位置補正回路とを具備させたことを特徴とする切削刃
具の制御装置。