JPH06274883A - 光記録方法 - Google Patents

光記録方法

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JPH06274883A
JPH06274883A JP5058980A JP5898093A JPH06274883A JP H06274883 A JPH06274883 A JP H06274883A JP 5058980 A JP5058980 A JP 5058980A JP 5898093 A JP5898093 A JP 5898093A JP H06274883 A JPH06274883 A JP H06274883A
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mark
light beam
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recording medium
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JP5058980A
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English (en)
Inventor
Hidehiko Wada
秀彦 和田
Shinichi Kadowaki
愼一 門脇
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノイズを小さくでき、また、記録密度を高く
することができる光記録方法を提供すること。 【構成】 光源から出射される第1の光ビームで光記録
媒体上にマーク20を形成した後、その光源から出射さ
れる第2の光ビームを、光記録媒体上に形成されたマー
ク20の同一トラック上に照射して斜線部21を消去す
ることにより、マーク20のトラック方向に向かって前
側領域を消去し、実質的な情報マーク23,24を光記
録媒体上に記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録媒体に光源から
出射される光ビームを照射して情報を記録する光記録方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トラックピッチをつめた高密度光
記録方法が特開平3ー183024号に開示されてい
る。図面を参照しながら、特開平3ー183024号に
開示されている相変化媒体に情報を記録する光記録方法
について説明する。
【0003】ここで、記録される情報に基づいて物理変
化を与えられた領域をマークとし、マークが直線状もし
くは円弧状に複数並んだ列をトラックとする(以下、こ
の表現を使う)。図10において、斜線部101は非晶
質部分、斜線部102はマーク(ここでは、記録する情
報に基づいて結晶質から非晶質への変化を与えられた領
域)、103は結晶領域である。全面が結晶状態の光記
録媒体に光ビームをトラックとトラックとの間に沿って
照射し、予め一様な記録状態(非晶質部分101)を形
成し(すなわち、光ビームが照射されない領域が結晶質
のトラックとして形成される)、その後、記録情報に基
づいて、結晶質のトラック上に光ビームを照射してマー
ク102を形成する。
【0004】このような記録を行えば、非晶質状態10
2の間に小さな結晶状態の領域を形成することができ、
この結晶状態の領域に情報を持たせれば小さなマークを
形成したことと同じになり、読み取りの際、符号間干渉
の小さい信号が得られ、情報を正確に読み取ることがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような記録方法では、結晶状態から非晶質状態に変化を
与えられた領域102の周辺部には、そのとき照射され
る光ビームの熱の影響により結晶質103の領域が形成
されてしまい、ノイズの要因となり高密度記録の妨げと
なっていた。また、上記した記録方法では、情報を持っ
た結晶状態の領域とマーク列方向の隣の情報を持った結
晶状態の領域との間隔は、光記録媒体上のビームスポッ
トに依存してしまい、その間隔を光記録媒体上のビーム
スポットの直径よりも小さくすることができず、より高
密度な記録ができないという課題がある。
【0006】本発明は、従来の光記録方法のこのような
課題を考慮し、ノイズを小さくでき、また、記録密度を
高くすることができる光記録方法を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、光
記録媒体に情報記録して形成されるマーク列からなるト
ラックに沿って相対的に移動する第1の光ビームを照射
することにより、トラックに沿った所定の領域の状態を
変化させてマークを形成し、そのマーク形成後、トラッ
クに沿って相対的に移動する、第2の光ビーム又は更に
第3の光ビームを照射することにより、マークの一部を
消去し、情報を光記録媒体に記録する光記録方法であ
る。
【0008】請求項2の本発明は、光記録媒体に情報記
録して形成されるマーク列からなるトラックに沿って相
対的に移動する第1の光ビームを照射することにより、
トラックに沿った所定の領域の状態を変化させてマーク
を形成し、そのマーク形成後、トラックに沿って相対的
に移動する、第2の光ビーム又は更に第3の光ビームを
照射することにより、マークの一部を消去し、トラック
と実質上直交する方向にマークから所定距離ずれた位置
を、トラックに沿って相対的に移動する第4の光ビーム
によりマークの一部を消去し、情報を光記録媒体に記録
する光記録方法である。
【0009】請求項4の本発明は、第1光ビームにより
光記録媒体に一様な記録状態を形成後、その一様な記録
状態の領域を記録情報に応じて、第2光ビームにより消
去する光記録方法である。
【0010】
【作用】本発明は、光記録媒体のトラックに沿って第1
の光ビームを照射することにより、トラックに沿った所
定の領域の状態を変化させてマークを形成し、そのマー
ク形成後、トラックに沿って第2の光ビーム又は更に第
3の光ビームを照射することにより、形成されたマーク
の一部を消去し、情報を光記録媒体に記録するので、ト
ラック方向におけるマークとマークの間隔を狭くするこ
とができる。
【0011】また、更にトラックと実質上直交する方向
にマークから所定距離ずれた位置を、トラックに沿って
第4の光ビームによりマークの一部を消去するので、ト
ラック方向と直交する方向のマークの幅を狭くすること
ができる。
【0012】また、第1光ビームにより光記録媒体に一
様な記録状態を形成し、その後その一様な記録状態の領
域を記録情報に応じて、第2光ビームにより消去するの
で、ノイズの要因となる領域が形成されない。
【0013】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0014】本発明において、マーク列の記録方向に向
かって前方側に位置するマークの部分領域をマークの前
側領域、その前側領域に対向するマークの部分領域をマ
ークの後側領域とし、情報を読み取るために用いられる
ビームのビームスポットは1つのマーク列で後側から前
側の方に向かって情報を読み取ることとする(図9参
照)。本発明で述べる実施例はすべて上記のように方向
及びマークの部分領域の表現方法を定義する。
【0015】図1は、本発明にかかる第1の実施例の光
記録方法を実現するための光記録装置を示す構成図であ
る。図1において、1は発散ビーム12を出射する光
源、2は出射される光ビームの光量を制御する光量制御
装置、3は発散ビーム12を平行光に変換するコリメー
ターレンズ、4は平行光を収束して光スポットを形成す
る対物レンズ、5は情報が記録される光記録媒体、6は
偏光ビームスプリッター、7はλ/4板、8は検出レン
ズ、9は光学素子、10は光検出器、11は対物レンズ
駆動装置である。前述の光記録媒体5として相変化媒体
を用いている。又、光量制御装置2は、光記録媒体5上
に記録する情報に基づいて光源1の光量制御を行う。
【0016】まず、光源1から、記録情報に基づいて光
量制御装置2により光量制御された記録可能な直線偏光
の第1の発散ビーム12が出射され、その発散ビーム1
2はコリメーターレンズ3により平行光にされる。その
平行光は偏光ビームスプリッター6を透過した後、λ/
4板7を透過して円偏光になり、更に対物レンズ4によ
り光記録媒体5上に集光されて情報が記録される。一
方、光ビームは光記録媒体5で反射され、その反射光は
再度対物レンズ4を透過し、更にλ/4板7を透過し
て、往路とは90°偏光方向が異なる直線偏光の光とな
る。偏光方向が往路と90°異なる光は偏光ビームスプ
リッター6により反射され、検出レンズ8により集光さ
れ、その後光学素子9を透過して光検出器10で受光さ
れる。光検出器10では従来と同様の方法によりフォー
カスエラー信号およびトラッキングエラー信号を得る。
これは例えば、光学素子9として円柱レンズを用いれ
ば、非点収差法によりフォーカスエラー信号が、プッシ
ュプル法によりトラッキングエラー信号が得られる。こ
の信号に基づいて対物レンズ駆動装置11によりフォー
カスおよびトラック方向の対物レンズ4の位置制御を行
う。
【0017】次に、第1の光ビームにより光記録媒体5
に1つのマークが形成された後、光量制御装置2により
マークを消去可能な光量に制御された第2の光ビームが
光源1から出射され、その第2の光ビームによって、先
に形成されたマークの前側領域が消去される。
【0018】以上の光記録方法について、図2を参照し
ながら具体的に説明する。図2において、点描部20は
第1の光ビームによって物理変化を与えられた領域、す
なわち、光記録媒体5の非晶質部分(マーク)を示し、
斜線部21は第2の光ビームを照射して消去する領域を
示し、一点鎖線22は第1の光ビームの照射される領域
の中央を示している。光源1から出射される第1の光ビ
ームの強度は、光記録媒体5上の第1の光ビームの照射
される領域が結晶化温度および融点まで達するように制
御されており、第1の光ビームが照射された領域は記録
情報に合わせて結晶状態か非晶質状態になっている。点
描部20は第1の光ビームにより非晶質状態にされた部
分である。本実施例においては、光記録媒体5の記録面
は当初、全面を結晶状態に仮定しており、”1”もしく
は”0”の2値に対応するレベルで変調された第1の光
ビームを光記録媒体5に照射して、その結果、”0”に
対応する領域は結晶状態のまま残り、”1”に対応する
領域はマークとして非晶質の状態に変化する(このこと
は以下、第2、第3、及び第5の実施例において同様で
ある)。光記録媒体5上に物理変化、ここでは結晶質か
ら非晶質への変化を与えることによりマーク20を1つ
形成した後、第2の光ビームの中央が一点鎖線22を通
るように(すなわち、同じトラック上を通るように)、
また、形成されたマーク20の前側領域に照射されるよ
うに、第2の光ビームの位置を制御する。
【0019】このとき、第2の光ビームの光量を光記録
媒体5が常に非晶質状態から結晶状態に変化するレベ
ル、すなわち記録したマークを消去するレベルに制御し
ておくことにより、第2の光ビームが照射された領域は
常に結晶状態となる。この部分を斜線部21で示してい
る。第2の光ビームの照射された領域21は結晶状態と
なり、これは未記録の状態と等価である。このように、
第1の光ビームでマーク20を形成した後、第2の光ビ
ームでマーク20の前側領域を部分的に消去することに
より、図2(b)に示すように、実質的な情報マーク2
3が形成される。ここで、実質的な情報マーク23のマ
ーク列方向の大きさは、第1の光ビームにより形成され
たマーク20の大きさと、第2の光ビームにより消去さ
れた大きさに依存するので、大きさは0から第1の光ビ
ームで形成されたときの大きさまで任意に変えることが
できる。
【0020】次に、実質的な情報マーク23を形成した
後、トラック方向にマーク23から離れた位置に第1の
光ビームで次のマーク20を形成し、その後、第2の光
ビームが先ほど形成された実質的な情報マーク23を照
射することなく、そのマーク20の前側領域を照射する
ように第2の光ビームの位置を制御すれば、次の実質的
な情報マーク24(図2(b)の点描部分のみの箇所)
を形成することができる。このようにして、記録、一部
消去を繰り返すことにより実質的な情報マークを次々に
形成することができる。非晶質状態の領域は反射率およ
び屈折率が結晶状態の領域とは異なり、この違いを利用
して情報の記録と読み出しを行う。
【0021】以上のように本実施例によれば第1の光ビ
ームでマークを形成した後、第2の光ビームでそのマー
クの前側領域を消去することによりマーク列方向の大き
さの小さい情報マークを形成することができるので、読
み取りの際、符号間干渉が少なく、S/N比の良好な信
号が得られ、情報を正確に読み出すことができ、マーク
列方向の高密度化が可能になる。また、第1の光ビーム
で形成されたマークの前側領域を第2の光ビームで消去
したので、形成された実質的な情報マークの形状は図2
(b)に示すようになり、実質的な情報マークの前側の
縁は後側に凸の円弧になる。従って、その情報マーク2
3を読み取る際、情報を読み取るために用いられる光ビ
ームのスポットが非晶質部から結晶質部に移ったとき、
すなわち情報が”1”から”0”へ変化したとき、得ら
れる情報信号は急激に変化するのでジッター等の外乱が
生じても情報を正しく読み取ることができる。また、マ
ークを1つ形成したら次のマークを形成する前にマーク
の前側領域を消去するのでマークとマークの間隔を任意
の値にすることができるため、マーク列方向の記録密度
を更に高密度化できる。
【0022】ここで、特願昭63ー81631号に、ビ
ーム径より短い間隔で光ビームを照射することにより、
小さいマークを形成する光記録方法が開示されている。
しかし、この光記録方法ではビーム径より小さい間隔で
光ビームを照射するため、マーク形成に必要な冷却が終
了しないうちに、次に照射された光ビームによる記録層
の加熱が生じてしまい、マークが安定に形成されないと
いう課題を有していた。又、開示されている光記録方法
は相変化媒体にのみ限定されている。これに対し、本発
明では、第1の光ビームによりマークが完全に形成され
てから、第2の光ビームによりマークの一部を消去する
ので実質的な情報マークが安定に形成される。又、本発
明では、光記録媒体は相変化媒体以外のものでもよい。
【0023】図3は、本発明にかかる第2の実施例の光
記録方法を説明する図である。ここで用いた光記録装置
は図1の第1の実施例と同様のものであり、位置制御に
関しては前述の通りである。図3(a)において、点描
部30は第1の光ビームによって物理変化を与えられた
領域、すなわち、光記録媒体5の非晶質部分(マーク)
を示し、斜線部31は第2の光ビームを照射して消去す
る領域を示し、一点鎖線32は第1の光ビームの照射さ
れる領域の中央を示している。光源1から出射される第
1の光ビームの強度は、光記録媒体5上の第1の光ビー
ムの照射される領域が結晶化温度および融点まで達する
ように制御されており、第1の光ビームが照射された領
域は記録情報に合わせて結晶状態か非晶質状態になって
いる。点描部30は第1の光ビームにより非晶質状態に
された部分である。光記録媒体5上に物理変化、ここで
は結晶質から非晶質への変化を与えることによりマーク
30を1つ形成した後、第2の光ビームの中央が一点鎖
線32を通るように、また、形成されたマーク30の後
側領域に照射されるように、第2の光ビームの位置を制
御する。
【0024】このとき、第2の光ビームの光量を光記録
媒体5が常に非晶質状態から結晶状態に変化するレベ
ル、すなわち記録したマークを消去するレベルに制御し
ておくことにより、第2の光ビームが照射された領域は
常に結晶状態となる。この部分を斜線部31で示してい
る。第2の光ビームの照射された領域31は結晶状態と
なり、これは未記録の状態と等価である。このように、
第1の光ビームでマーク30を形成した後、第2の光ビ
ームでマーク30の後側領域を部分的に消去することに
より、図3(b)に示すように、実質的な情報マーク3
3が形成される。ここで、実質的な情報マーク33のマ
ーク列方向の大きさは、第1の光ビームにより形成され
たマーク30の大きさと、第2の光ビームにより消去さ
れた大きさに依存するので、大きさは0から第1の光ビ
ームで形成されたときの大きさまで任意に変えることが
できる。
【0025】次に、実質的な情報マーク33を形成した
後、トラック方向にマーク33から離れた位置に第1の
光ビームでマーク30を形成し、その後、第2の光ビー
ムが先ほど形成された実質的な情報マーク33を照射す
ることなく、マーク30の後側領域を照射するように第
2の光ビームの位置を制御すれば、次の実質的な情報マ
ーク34(図3(b)の点描部分のみの箇所)を形成す
ることができる。このようにして、記録を繰り返すこと
により実質的な情報マークを次々に形成することができ
る。非晶質状態の領域は反射率および屈折率が結晶状態
の領域とは異なり、この違いを利用して情報の記録と読
み出しを行う。
【0026】以上のように本実施例によれば第1の光ビ
ームでマークを形成した後、第2の光ビームでそのマー
クの後側領域を消去することによりマーク列方向の大き
さの小さい情報マークを形成することができるので、読
み取りの際、符号間干渉が少なく、S/N比の良好な信
号が得られ、情報を正確に読み出すことができ、マーク
列方向の高密度化が可能になる。また、第1の光ビーム
で形成されたマークの後側領域を第2の光ビームで消去
したので、形成された実質的な情報マークの形状は図3
(b)に示すようになり、実質的な情報マークの後側の
縁は前側に凸の円弧になる。従って、実質的な情報マー
ク33を読み取る際、情報を読み取るために用いられる
光ビームのスポットが結晶質部から非晶質部に移ったと
き、すなわち、情報が”0”から”1”へ変化したと
き、得られる情報信号は急激に変化するのでジッター等
の外乱が生じても情報を正しく読み取ることができる。
ただし、第1の光ビームで形成されたマークの後側領域
を消去するので実質的な情報マーク33と実質的な情報
マーク34の間隔は第2の光ビームの光記録媒体5上に
おけるビームスポットの直径よりは小さくすることはで
きない。
【0027】ここで、光ビームを照射してマークを形成
する通常の光記録方法では、マークとマークの大きさは
ビームスポットの直径よりも小さくすることはできな
い。よって、物理的には第2の実施例で述べた光記録方
法と同じ記録密度になるが、マークの大きさが小さく、
マークとマークの間隔が大きい方が、マークの大きさが
大きく、マークとマークの間隔が小さい方よりも、再生
信号のアイの開口率が大きくなる。従って、本発明の光
記録方法により実現できる記録密度は通常の光記録方法
により実現できる記録密度よりも実質的に大きくなる。
【0028】なお、上記第1及び第2の実施例では、第
1の光ビームと第2の光ビームは同一の光源1により出
射される構成としたが、これに限らず、別の光源からそ
れぞれ出射される構成としてもよい。
【0029】図4は、本発明にかかる第3の実施例の光
記録方法を説明する図である。ここで用いた光記録装置
は図1の第1の実施例と同様のものであり、位置制御に
関しては前述の通りである。図4(a)において、点描
部40は第1の光ビームによって物理変化を与えられた
領域、すなわち、光記録媒体5の非晶質部分(マーク)
を示し、斜線部41は第2の光ビームを照射して消去す
る領域を示し、点線斜線部42は第3の光ビームを照射
して消去する領域を示し、一点鎖線43は第1の光ビー
ムの照射される領域の中央を示している。光源1から出
射される第1の光ビームの強度は、光記録媒体5上の第
1の光ビームの照射される領域が結晶化温度および融点
まで達するように制御されており、第1の光ビームが照
射された領域は記録情報に合わせて結晶状態か非晶質状
態になっている。点描部40は第1の光ビームにより非
晶質状態にされた部分である。光記録媒体5上に物理変
化、ここでは結晶質から非晶質への変化を与えることに
よりマーク40を1つ形成した後、第2の光ビームの中
央が一点鎖線43を通るように、また、形成されたマー
ク40の後側領域に照射されるように、第2の光ビーム
の位置を制御する。
【0030】このとき、第2の光ビームの光量を光記録
媒体5が常に非晶質状態から結晶状態に変化するレベ
ル、すなわち記録したマークを消去するレベルに制御し
ておくことにより、第2の光ビームが照射された領域は
常に結晶状態となる。この部分を実線の斜線部41で示
している。次に、第3の光ビームの中央が同様に一点鎖
線42を通るように、また、形成されたマーク40の前
側領域に照射されるように、第3の光ビームの位置を制
御する。
【0031】このとき、第3の光ビームの光量を光記録
媒体5が常に非晶質状態から結晶状態に変化するレベ
ル、すなわち記録したマークを消去するレベルに制御し
ておくことにより、第3の光ビームが照射された領域は
常に結晶状態となる。この部分を点線斜線部42で示し
ている。そうすると、第2の光ビームの照射された領域
41及び第3の光ビームの照射された領域42は結晶状
態となり、これは未記録の状態と等価である。このよう
に、第1の光ビームでマーク40を形成した後、第2の
光ビームでマーク40の前側領域を消去し、第3の光ビ
ームでマーク40の後側領域を消去することにより、図
4(b)に示すように、実質的な情報マーク44が形成
される。ここで、実質的な情報マーク44のマーク列方
向の大きさは、第1の光ビームにより形成されたマーク
40の大きさと、第2の光ビーム及び第3の光ビームに
より消去された大きさに依存するので、大きさは0から
第1の光ビームで形成されたときの大きさまで任意に変
えることができる。
【0032】次に、実質的な情報マーク44を形成した
後、トラック方向にマーク44から離れた位置に第1の
光ビームでマーク40を形成し、その後、先ほど形成さ
れた実質的な情報マーク44を照射することなく、第2
の光ビームがマーク40の前側領域を照射し、第3の光
ビームがマーク40の後側領域を照射するように第2の
光ビーム及び第3の光ビームの位置を制御すれば、次の
実質的な情報マーク45(図4(b)の点描部分のみの
箇所)を形成することができる。このようにして、記録
を繰り返すことにより実質的な情報マークを次々に形成
することができる。非晶質状態の領域は反射率および屈
折率が結晶状態の領域とは異なり、この違いを利用して
情報の記録と読み出しを行う。
【0033】以上のように本実施例によれば第1の光ビ
ームでマークを形成した後、第2の光ビーム及び第3の
光ビームでそのマークの前側領域及び後側領域を消去す
ることによりマーク列方向の大きさの小さい情報マーク
を形成することができるので、読み取りの際、符号間干
渉が少なく、S/N比の良好な信号が得られ、情報を正
確に読み出すことができ、マーク列方向の高密度化が可
能になる。また、第1の光ビームで形成されたマークの
前側領域及び後側領域を第2の光ビーム及び第3の光ビ
ームで消去したので、形成された実質的な情報マークの
形状は図4(b)に示すようになり、実質的な情報マー
クの前側の縁は後側に凸の円弧、後側の縁は前側に凸の
円弧となり、実質的な情報マークが対称な形状となりマ
ークエッジ記録を行いやすい。また、得られる実質的な
情報マークの形状が上記のようになっているので、その
情報マークを読み取る際、情報を読み取るために用いら
れる光ビームのスポットが結晶質部から非晶質部及び非
晶質部から結晶質部に移ったとき、すなわち、情報が”
0”から”1”及び”1”から”0”へ変化したとき、
得られる情報信号は急激に変化するのでジッター等の外
乱が生じても情報を正しく読み取ることができる。ただ
し、第1の光ビームで形成されたマークの後側領域を消
去するので実質的な情報マーク44と実質的な情報マー
ク45の間隔は第2の光ビームの光記録媒体5上におけ
るビームスポットの直径よりは小さくすることはできな
い。
【0034】なお、上記第3の実施例では、第1、第
2、第3の光ビームはすべて同一の光源1から出射され
る構成としたが、これに限らず、そのうち全てを別の光
源から出射する構成としてもよく、あるいは又、その内
の2つを同じ光源とし、他の1つを別の光源としてもよ
い。特に第2、第3の光ビームを別の光源とした場合
は、マークの前側と後側の領域を同時に消去可能とな
り、実質的な情報マークの形成に要する時間が短縮でき
る。
【0035】また、上記第3の実施例では、第2の光ビ
ームでマークの後側領域を、第3の光ビームでマークの
前側領域を消去したが、これとは逆に、第2の光ビーム
でマークの前側領域を、第3の光ビームでマークの後側
領域を消去しても勿論よい。
【0036】図5は、本発明にかかる第4の実施例の光
記録方法を説明する図である。ここで用いた光記録装置
は図1の第1の実施例と同様のものであり、位置制御に
関しては前述の通りである。図5において、点描部50
は第1の光ビームで形成された一様な記録領域を示し、
一点鎖線51はトラックの中央を示し、斜線部52は第
2の光ビームが照射されて結晶状態に戻る領域を示して
いる。光源1から出射される第1の光ビームの光量は、
常に光記録媒体5の融点になるように制御されており、
第1の光ビームにより光記録媒体5は常に非晶質状態に
なる。点描部50はトラックに沿って第1の光ビームに
より非晶質状態にされた部分である。本実施例において
は、光記録媒体5の記録面は当初、全面を結晶状態に仮
定しており、”0”に対応する領域を結晶状態、”1”
に対応する領域をマークとして非晶質の状態とする。第
1の光ビームで光記録媒体5上に物理変化、ここでは結
晶質から非晶質への変化をトラックとなる領域すべてに
一様に与えた後、第2の光ビームの中央が一点鎖線51
を通るように、第2の光ビームの位置を制御する。
【0037】このとき、第2の光ビームの光量は光記録
媒体5が相変化しないレベルか、非晶質状態から結晶状
態に変化するレベル、すなわち一様に記録された領域を
消去するレベルに制御しておくことにより、第2の光ビ
ームが照射された領域は非晶質状態のまま残るか、結晶
状態に変化する。結晶状態に変化された斜線部52は未
記録の状態と等価である。このように、第1の光ビーム
で一様な記録領域50を形成した後、第2の光ビームで
一様な記録領域50を部分的に消去することにより、実
質的な情報マークは点描部分のみの領域53となる。こ
こで、実質的な情報マーク53のマーク列方向の大きさ
は、トラック方向に隣合った第2の光ビームによって消
去された領域の間隔になるので、実質的な情報マーク5
3のマーク列方向の大きさは任意に変えることができ
る。非晶質状態の領域は反射率および屈折率が結晶状態
の領域とは異なり、この違いを利用して情報の記録と読
み出しを行うことができる。
【0038】以上のように本実施例によれば第1の光ビ
ームで一様な記録領域を形成した後、第2の光ビームで
その一様な記録領域の一部を消去することによりマーク
列方向の大きさの小さい情報マークを形成することがで
きるので、読み取りの際、符号間干渉が少なく、S/N
比の良好な信号が得られ、情報を正確に読み出すことが
でき、マーク列方向の高密度化が可能になる。また、第
1の光ビームで形成された一様な記録領域の一部を第2
の光ビームで消去したので、形成された実質的な情報マ
ークの形状は図5に示す点描部53のようになり、実質
的な情報マークの前側は後側に凸の円弧、後側は前側に
凸の円弧となり実質的な情報マークが対称な形状となり
マークエッジ記録を行いやすい。
【0039】また、得られる実質的な情報マークの形状
が上記のようになっているので、その情報マークを読み
取る際、情報を読み取るために用いられる光ビームのス
ポットが結晶質部から非晶質部及び非晶質部から結晶質
部に移ったとき、すなわち、情報が”0”から”1”及
び”1”から”0”へ変化したとき、得られる情報信号
は急激に変化するのでジッター等の外乱が生じても情報
を正しく読み取ることができる。ただし、第1の光ビー
ムで形成された一様な記録領域の一部を消去して実質的
な情報マーク53を形成するので、隣合う実質的な情報
マーク53の間隔は第2の光ビームの光記録媒体5上に
おけるビームスポットの直径よりは小さくすることはで
きない。
【0040】なお、上記第4の実施例では、第1の光ビ
ームと第2の光ビームは同一の光源1により出射される
構成としたが、これに限らず、別の光源からそれぞれ出
射される構成としてもよい。その場合、第1の光ビーム
である程度一様な記録領域が形成されると、第2の光ビ
ームで一様な記録領域の一部を消去すれば、記録と消去
がほぼ同時に行われるので記録に要する時間が短縮され
る。
【0041】図6は、本発明にかかる第5の実施例の光
記録方法を説明する図である。ここで用いた光記録装置
は図1の第1の実施例と同様のものであり、位置制御に
関しては上述の通りである。図6(a)において、点描
部60は第1の光ビームによって物理変化を与えられた
領域、すなわち、光記録媒体5の非晶質部分(マーク)
を示し、斜線部61は第2の光ビームを照射して消去す
る領域を示し、一点鎖線62は第1の光ビームの照射さ
れる領域の中央を示している。光源1から出射される第
1の光ビームの強度は、光記録媒体5上の第1の光ビー
ムの照射される領域が結晶化温度および融点まで達する
ように制御されており、第1の光ビームが照射された領
域は記録情報に合わせて結晶状態か非晶質状態になって
いる。点描部60は第1の光ビームにより非晶質状態に
された部分である。光記録媒体5上に物理変化、ここで
は結晶質から非晶質への変化を与えることによりマーク
60を1つ形成した後、第2の光ビームの中央が一点鎖
線62を通るように、また、形成されたマーク60の前
側領域に照射されるように、第2の光ビームの位置を制
御する。
【0042】このとき、第2の光ビームの光量を光記録
媒体5が常に非晶質状態から結晶状態に変化するレベ
ル、すなわち記録したマークを消去するレベルに制御し
ておくことにより、第2の光ビームが照射された領域は
常に結晶状態となる。この部分を斜線部61で示してい
る。第2の光ビームの照射された領域61は結晶状態と
なり、これは未記録の状態と等価である。このように、
第1の光ビームでマーク60を形成した後、第2の光ビ
ームでマーク60の前側領域を部分的に消去することに
より、図6(b)に示すように、第1の実施例と同様な
マーク63が形成される。ここで、マーク63のマーク
列方向の大きさは、第1の光ビームにより形成されたマ
ーク60の大きさと、第2の光ビームにより消去された
大きさに依存するので、大きさは0から第1の光ビーム
で形成されたときの大きさまで任意に変えることができ
る。
【0043】次に、マーク63を形成した後、そのマー
ク63のトラック幅方向の大きさを小さくするために、
第4の光ビームを、その中央が一点鎖線62からずれた
位置を通るように照射し、光量は照射された領域が常に
結晶状態となるように制御する。図6(b)の点線の斜
線部64が第4の光ビームの照射された領域である(こ
こでは、一点鎖線62を挟んで両側に照射している)。
点線の斜線部64は結晶状態となり、これは未記録の状
態と等価である。そうすると、実質的な情報マーク65
(図6(b)の点描部分のみの箇所)が形成される(な
お、マークのトラック幅方向の一部を消去する方法につ
いては本願発明人が別途出願した特願平5ー16602
参照)。非晶質状態の領域は反射率および屈折率が結晶
状態の領域とは異なり、この違いを利用して情報の記録
と読み出しを行う。
【0044】以上のように本実施例によれば第1の光ビ
ームでマークを形成した後、第2の光ビームでそのマー
クの前側領域を消去することによりマーク列方向の大き
さの小さい情報マークを形成することができ、更に、第
4の光ビームでマーク列方向の大きさを小さくしたマー
クの、マーク列方向に直交する方向(トラック幅方向)
の一部を消去するので、トラック幅方向の大きさも小さ
い情報マークを形成できる。その結果、マーク列方向に
対しては第1の実施例で述べたものと同様の効果があ
り、更にトラック幅方向に対しては、マークが狭くなっ
たので、読み取りの際、クロストークが低減でき高トラ
ック密度記録も可能になる。
【0045】なお、上記第5の実施例では、マークの前
側領域のみを消去したが、これに限らず、第2、又は第
3の実施例と同様に後側領域、あるいは両方を消去して
も第2、第3の実施例で述べたものと同様の効果があ
り、高トラック密度記録を妨げるものではない。あるい
は又、第4の実施例と同様の方法を用いてもマーク列方
向の高密度記録及び高トラック密度記録を行うことがで
きる。
【0046】また、上記第5の実施例では、第1、第
2、第4の光ビームはすべて同一の光源1から出射され
る構成としたが、これに限らず、そのうち全てを別の光
源から出射する構成としてもよく、あるいは又、その内
の2つを同じ光源とし、他の1つを別の光源としてもよ
い。特に第2、第4の光ビームを別の光源とした場合
は、マークの前側領域とトラック幅方向の端部領域を同
時に消去可能となり、実質的な情報マークの形成に要す
る時間が短縮できる。
【0047】また、上記実施例では、いずれも光記録装
置として図1に示したものを用いたが、これに限定され
るものではなく、従来からよく知られているさまざまな
光ヘッドを用いても何等問題はない。
【0048】図7は、本発明にかかる第6の実施例の光
記録方法を実現するための光記録装置を示す構成図であ
る。図7において、70は光源、71はコリメーターレ
ンズ、72は対物レンズ、73は光記録媒体、74、7
5は偏光ビームスプリッター、76、84は検出レン
ズ、77は光学素子、78、85は光検出器、79は対
物レンズ駆動装置、80は光源70から出射される発散
ビーム、81は電磁コイル、82は電磁コイルに流す電
流の制御装置、83はウォラストンプリズムである。
【0049】以上のように構成された光記録装置の動作
について説明する。ここでは、光記録媒体73に光磁気
媒体を用いている。この光記録媒体73は何度でも情報
を記録したり消去したりできるものである。
【0050】まず、光源70から出射された発散ビーム
80はコリメーターレンズ71により平行光に変換さ
れ、その後、偏光ビームスプリッター74を透過する。
偏光ビームスプリッター74では光源70から出射され
たビームの約70%の光量が透過する。偏光ビームスプ
リッター74を透過した光ビームは対物レンズ72によ
り光記録媒体73上に集光される。このとき、記録する
情報に合わせて、電流制御装置82により電磁コイル8
1に流す電流の向きを制御することにより情報を記録す
る。光記録媒体73からの反射光は、再度対物レンズ7
2を透過し、その後、偏光ビームスプリッター74によ
り反射される。このとき、偏光ビームスプリッター74
は光源70から出射されたビームと同じ偏光の光を約3
0%反射し、光源70から出射された光ビームと直交す
る偏光の光を100%反射するようになっている。偏光
ビームスプリッター74により反射された光は偏光ビー
ムスプリッター75により一部は反射され、残りは透過
する。このとき、偏光ビームスプリッター75で反射さ
れた光は検出レンズ76、光学素子77、光検出器78
により第1の実施例で述べた方法と同様の方法を用いて
フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を
得、この信号に基づいて対物レンズ駆動装置79により
対物レンズ72の位置制御を行う。
【0051】次に、光記録媒体73にマークを1つ形成
した後、光源70から出射された発散ビーム80が、先
ほど形成したマークが存在するトラックと同じトラック
を照射するように位置制御して電流制御装置82により
電磁コイル81に流す電流の向きを一定にして先ほど形
成した1つのマークの前側領域を消去する。一方、光記
録媒体73上に記録された情報を再生する場合は、偏光
ビームスプリッター75を透過した光をウォラストンプ
リズム83により偏光方向によって2つに分離した後、
検出レンズ84により集光し光検出器85で受光し、差
動検出法により再生信号を得る。
【0052】次に本実施例の光記録方法について、図8
を参照しながら説明する。図8(a)において、点描部
90は第1の光ビームによって物理変化を与えられた領
域、すなわち、光記録媒体73の磁化方向を第1の光ビ
ームにより未記録の領域とは異なる状態に変化された領
域(マーク)を示し、斜線部91は第2の光ビームを照
射して消去する領域を示し、一点鎖線92は第1の光ビ
ームの照射される領域の中央を示している。光源70か
ら出射される第1の光ビームの強度は、光記録媒体73
上の第1の光ビームの照射される領域が常にキュリー温
度になるレベルに制御されており、情報に合わせて電磁
コイル81に流す電流の向きを変える。これにより、光
記録媒体73の磁化の方向を変えて情報を記録する。点
描部90は磁化の方向が例えば、垂直上向きの部分であ
る。本実施例においては、光記録媒体73の記録面全面
は当初、磁化方向を下向きに仮定しており、”1”もし
くは”0”の2値に対応する磁化の方向を作るため、第
1の光ビームを光記録媒体73に照射している間は、電
磁コイル81に流す電流の向きを変える。その結果、”
0”に対応する領域は磁化方向が下向きのまま残り、”
1”に対応する領域はマークとして磁化方向が上向きに
変化する。光記録媒体73の磁化の方向を変えることに
よりマークを1つ形成した後、第2の光ビームがそのマ
ークの存在するトラックと同じトラックを照射するよう
に、すなわち、第2の光ビームの中央が一点鎖線92を
通るように、第2の光ビームの集光スポットの位置制御
を行う。ここで、第2の光ビームの光量は光記録媒体7
3がキュリー温度になるレベルかキュリー温度に到達し
ないレベルのどちらかに制御する。このとき、電磁コイ
ル81に流す電流の向きを一定にして、第2の光ビーム
が当たりキュリー温度に到達した領域の磁化は、例え
ば、常に垂直下向きになるようにする。これにより第2
の光ビームでキュリー温度に到達した部分は常に磁化が
下向きになる。この部分を斜線部91で示している。こ
のようにすると、従来の方法で作っていた磁化の向きが
上向きのマークよりもマーク列方向の大きさの小さいマ
ークが形成され、これが図8(b)に示すような実質的
な情報マーク93となる。ここで、実質的な情報マーク
93のマーク列方向の大きさは、第1の光ビームにより
形成されたマーク90の大きさと、第2の光ビームによ
り消去された大きさに依存するので、大きさは0から第
1の光ビームで形成されたときの大きさまで任意に変え
ることができる。
【0053】次に、実質的な情報マーク93を形成した
後、トラック方向にマーク93から離れた位置に第1の
光ビームでマーク90を形成し、その後、そのマーク9
3がキュリー温度に到達せず、マーク90の一部がキュ
リー温度に到達するように第2の光ビームの光量を制御
して光記録媒体73に照射すれば、次の実質的な情報マ
ーク94(図8(b)の点描部分のみの箇所)を形成す
ることができる。このようにして、記録を繰り返すこと
により実質的な情報マークを次々に形成することができ
る。この部分はカー効果と呼ばれる磁気光学現象を利用
すれば情報を読み取ることができる。以上のように本実
施例によれば光記録媒体に光磁気媒体を用いた場合でも
第1の光ビームでマークを形成した後、第2の光ビーム
でそのマークの前側領域を消去することによりマーク列
方向の大きさの小さい情報マークを形成することができ
るので、読み取りの際、符号間干渉が少なく、S/N比
の良好な信号が得られ、情報を正確に読み出すことがで
き、マーク列方向の高密度化が可能になる。また、第1
の光ビームで形成されたマークの前側領域を第2の光ビ
ームで消去したので、形成された実質的な情報マークの
形状は図8(b)に示すようになり、実質的な情報マー
クの前側は後側に凸の円弧になる。従って、実質的な情
報マーク93を読み取る際、情報を読み取るために用い
られる光ビームのスポットが磁化方向が上向き部から磁
化方向が下向き部に移ったとき、すなわち、情報が”
1”から”0”へ変化したとき、得られる情報信号が急
激に変化するのでジッター等の外乱が生じても情報を正
しく読み取ることができる。また、マークを1つ形成し
たら次のマークを形成する前にマークの前側領域を消去
するのでマークとマークの間隔を任意の値にすることが
できるため、マーク列方向の記録密度を更に高密度化で
きる。
【0054】なお、上記第6の実施例では、第1の光ビ
ームと第2の光ビームは同一の光源1により出射される
構成としたが、これに限らず、別の光源からそれぞれ出
射される構成としてもよい。
【0055】また、上記第6の実施例では、第1の実施
例と同様に消去する部分をマークの前側領域としたが、
これに限らず、第2、第3、第4、あるいは又、第5の
実施例と同様な消去を行っても勿論よい。
【0056】また、上記実施例では、光記録媒体として
屈折率や反射率の変化を示す相変化媒体、又は偏光方向
の変化を示す光磁気媒体を用いた例について示したが、
これに限らず、透過率や他の物理変化を利用して記録す
る光記録媒体を用いても本発明の光記録方法が有効であ
ることは言うまでもない。
【0057】また、上記実施例では、いずれもフォーカ
スエラー信号を得る方法として非点収差法を用いたが、
これに限らず、例えばナイフエッジ法や他の方法を使用
してもよい。又、トラッキングエラー信号を得る方法と
してプッシュプル法を用いたが、これに限らず、例えば
光源から出射される光ビームを回折格子などにより3つ
の光ビームにしてトラッキングエラー信号を得る3ビー
ム法や他の方法を使用してもよい。すなわち、フォーカ
スエラー信号やトラッキングエラー信号の検出方法は本
発明の光記録方法に何等制約を与えるものではない。
【0058】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、第1の光ビームを照射することにより、トラッ
クに沿った所定の領域の状態を変化させてマークを形成
し、そのマーク形成後、トラックに沿って相対的に移動
する、第2の光ビーム又は更に第3の光ビームを照射す
ることにより、マークの一部を消去し、情報を光記録媒
体に記録するので、光記録方法におけるノイズを小さく
でき、また、記録密度を高くすることができるという長
所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施例の光記録方法を実
現するための光記録装置を示す構成図である。
【図2】同図(a)、(b)は、本発明にかかる第1の
実施例の光記録方法を説明する図である。
【図3】同図(a)、(b)は、本発明にかかる第2の
実施例の光記録方法を説明する図である。
【図4】同図(a)、(b)は、本発明にかかる第3の
実施例の光記録方法を説明する図である。
【図5】本発明にかかる第4の実施例の光記録方法を説
明する図である。
【図6】同図(a)、(b)は、本発明にかかる第5の
実施例の光記録方法を説明する図である。
【図7】本発明にかかる第6の実施例の光記録方法を実
現するための光記録装置を示す構成図である。
【図8】同図(a)、(b)は、本発明にかかる第6の
実施例の光記録方法を説明する図である。
【図9】マークの部分領域及び記録方向を説明する図で
ある。
【図10】従来の光記録方法を説明する図である。
【符号の説明】
1、70 光源 2 光量制御装置 4、72 対物レンズ 5、73 光記録媒体 6、74、75 偏光ビームスプリッター 10、78、85 光検出器 11、79 対物レンズ駆動装置 12、80 発散ビーム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光記録媒体に情報記録して形成されるマ
    ーク列からなるトラックに沿って相対的に移動する第1
    の光ビームを照射することにより、前記トラックに沿っ
    た所定の領域の状態を変化させてマークを形成し、その
    マーク形成後、前記トラックに沿って相対的に移動す
    る、第2の光ビーム又は更に第3の光ビームを照射する
    ことにより、前記マークの一部を消去し、情報を前記光
    記録媒体に記録することを特徴とする光記録方法。
  2. 【請求項2】 光記録媒体に情報記録して形成されるマ
    ーク列からなるトラックに沿って相対的に移動する第1
    の光ビームを照射することにより、前記トラックに沿っ
    た所定の領域の状態を変化させてマークを形成し、その
    マーク形成後、前記トラックに沿って相対的に移動す
    る、第2の光ビーム又は更に第3の光ビームを照射する
    ことにより、前記マークの一部を消去し、前記トラック
    と実質上直交する方向に前記マークから所定距離ずれた
    位置を、前記トラックに沿って相対的に移動する第4の
    光ビームにより前記マークの一部を消去し、情報を前記
    光記録媒体に記録することを特徴とする光記録方法。
  3. 【請求項3】 消去される前記マークの一部とは、前記
    マーク列の記録方向に向かって、前側領域又は後側領
    域、あるいは前側及び後側領域の両方であることを特徴
    とする請求項1、又は2記載の光記録方法。
  4. 【請求項4】 第1光ビームにより光記録媒体に一様な
    記録状態を形成後、その一様な記録状態の領域を記録情
    報に応じて、第2光ビームにより消去することを特徴と
    する光記録方法。
  5. 【請求項5】 光記録媒体の前記状態の変化の種類は、
    反射率、透過率、屈折率、又は偏光方向のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、又は4記載の光
    記録方法。
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