JPH0627413Y2 - 装飾壁材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、容器等の構造物、特に外表面に装飾を施すこ
とが望まれる構造物の壁体の外表面部分の構造に関する
ものである。

〔従来の技術〕

容器、家具、電気製品、建築材料等の構造物の外表面に
は、必要に応じて意匠的な美観を目的として装飾が施さ
れる場合がある。

この構造物外表面への装飾の具体的手段は、構造物成形
材料の持つ光沢を利用する手段とか、構造物外表面に塗
料を印刷または塗布する手段等がある。

この構造物外表面に塗料を印刷または塗布する装飾手段
の内、貝殻の内表面の色彩模様のような虹模様を現出す
る手段として、透明な干渉性塗料を、平坦な構造物外表
面に均一な膜厚で印刷して装飾被膜を成形し、もって玉
虫光彩色を現出させる装飾手段がある。

〔考案が解決しようとする課題〕 この上記した従来の透明な干渉性塗料を使用した玉虫光
彩色装飾は、複数の色の組合せと淡い色変化とにより独
特な落ち着きのある装飾効果を現出することができるの
であるが、実際に現出される色模様の形態は、水面に油
を浮かせた時に現出される色模様形態となり、その模様
形態を特定したものとはなっていないと共に、現出され
る色変化模様が極めて平坦的で深味に乏しいと云う不都
合な問題がある。

この上記した従来技術における不都合は、透明な干渉性
塗料で現出される玉虫光彩色装飾が、基体部分表面全域
で均一に現出されるため、玉虫光彩色が発揮する装飾効
果が強調されず、このためその装飾形態が平坦で単調な
ものとなってしまうのである。

本考案は、上記した従来技術における問題点を解消すべ
く考案されたもので、透明な干渉性塗料が現出する玉虫
光彩色装飾に、色違いまたは明度違いを与えることによ
り、視覚される玉虫光彩色装飾に視感触の違いを生じさ
せ、もって玉虫光彩色による新規な装飾効果の現出を得
ることを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案の手段は、平坦な外表
面に、色違いまたは明度違いによる所望の図柄を形成し
た有色不透明な基体部分を有すること、 図柄を形成した基体部分の外表面に、透明な干渉性塗料
を転写印刷して成形された干渉層を有すること、 にある。

基体部分の外表面に形成される図柄の成形は、不透明イ
ンクを印刷して形成される印刷層により成形するのが簡
単である。

また、干渉層を転写印刷した基体部分の表面全域を透明
なオーバーコートである被膜層で被覆するのが、装飾壁
材の表面強化上有利である。

〔作用〕

干渉層が被覆成形される基体部分の外表面は、色違いま
たは明度違いの図柄が成形されているので、図柄表面上
に位置した干渉層の現出する玉虫光彩色と、図柄以外の
基体部分表面上に位置した干渉層の現出する玉虫光彩色
とは、図柄部分と図柄以外の基体部分の表面部分との色
違いまたは明度違いに従って、その現出する玉虫光彩色
の色調および輝き程度が大きく異なることになる。

この上記した色調および輝きの相違により、図柄部分
は、図柄以外の基体部分が発揮する玉虫光彩色を地色と
して、その発揮する玉虫光彩色が強調され、これにより
所望の図柄を有する玉虫光彩色模様が基体部分外表面に
現出される。

基体部分の外表面への所望の図柄の成形は、その成形手
段が特定されることはないが、基体部分外表面に対する
通常の印刷により成形するのが、その成形手法が簡単な
こと、所望通りの図柄を正確に成形することができるこ
と、基体部分の成形とは関係なしに、図柄を単一の成形
工程で成形できること、等の理由により有利である。

また、透明な被膜層を干渉層を成形した基体部分の外表
面に被覆成形することにより、干渉層を機械的に保護す
ることができると共に、この透明な被膜層における光の
屈折により、図柄上に位置した干渉層が現出する玉虫光
彩色を浮き上がらせて視覚させる効果がある。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明する。

基体部分１は、合成樹脂製または金属製のボトル、コン
パクト、キャップ、ケース等の製品、壁板、天井板等の
建築材料、家具、冷蔵庫、炊飯器等の家庭用品等の構造
物の外表面を形成する有色不透明な壁材単体であっても
良いし、これらの壁材の表面に所望色の塗料を塗布した
ものであっても良い。要は、この基体部分１としては、
有色であると共に不透明て、照射された光をその表面色
で反射することができるものであれば良い。

図柄２は、この基体部分１の平坦な外表面に所望色の不
透明インクを所望する図柄で印刷することにより成形さ
れている。

干渉層３は、図柄２を成形した基体部分１の外表面全域
に均一な厚さで透明な干渉性塗料を転写することにより
被覆成形されている。

そして、この干渉層３を被覆成形した基体部分１の外表
面全域には、透明な被膜層４を被覆成形している。

基体部分１外表面を黒色とすると共に、図柄２を灰色ま
たは比較的濃い灰色とすると、この図柄２部分における
玉虫光彩色が、図柄２通りの形のまま浮き上がって見
え、かつこの図柄２部分が現出する玉虫光彩色そのもの
が、図柄２以外の基体部分１の外表面部分が現出する玉
虫光彩色とは、その色調および輝きの異なったものとな
り、これにより図柄２の色を基本色調としかつ図柄２で
設定された一定の図柄の玉虫光彩色が表面に現出され
た。

また、基体部分１の外表面を比較的明色にすると共に、
図柄２として金属蒸着層による金色の文字を転写成形し
た場合は、図柄２部分では玉虫光彩色はほとんど現出さ
れず、このため図柄２以外の基体部分１外表面の玉虫光
彩色が強調されることになった。これは、図柄２部分に
おける反射光線の量が、玉虫光彩色を現出するのに多過
ぎるためと思われる。

〔考案の効果〕

本考案による装飾壁材は上記したごとき構成となってい
るので、下記の効果を発揮する。

図柄部分と、この図柄以外の基体部分の外表面との色違
いまたは明度違いにより、両者の現出する玉虫光彩色が
異なるものとなると共に、両者の相対関係により何れか
一方の現出する玉虫光彩色が強調されるので、設定され
た図柄の玉虫光彩色装飾模様を得ることができる。

強調される玉虫光彩色模様は、元来が輝きによる模様で
あるので、他方の強調されない玉虫光彩色部分との相対
関係により、その模様部分全体が浮き上がった状態で視
感触され、このため得られる玉虫光彩色模様に充分な深
味を与えることができる。

基体部分と図柄との色を違えることにより、全く色調の
異なる玉虫光彩色の組合せ装飾を得ることができ、これ
により新規な玉虫光彩色による装飾形態を提供すること
ができる。

図柄は、基体部分の外表面への通常の印刷により成形す
ることができ、また干渉層は転写印刷で成形することが
できるので、その全体の成形が簡単であり、かつ任意の
図柄の玉虫光彩色模様を簡単に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案による装飾壁材の表面部分の基本的な積
層構造の一例を示す要部拡大縦断面図である。 １；基本部分、２；図柄、３；干渉層、４；被膜層。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−86609（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−21858（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−160571（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−72036（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−70033（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平坦な外表面に、色違いまたは明度違いに
   よる所望の図柄(2)を形成した有色不透明な基体部分(1)
   と、 前記図柄(2)を形成した基体部分(1)の外表面に、透明な
   干渉性塗料を転写印刷して成形された干渉層(3)と、 から成る装飾壁材。
2. 【請求項２】図柄(2)を印刷により成形した請求項１記
   載の装飾壁材。
3. 【請求項３】干渉層(3)を転写印刷した基体部分(1)の表
   面全域を透明なオーバーコートである被膜層(4)で被覆
   した請求項１または２記載の装飾壁材。