JPH06272683A - 圧縮機における給油ポンプ装置 - Google Patents

圧縮機における給油ポンプ装置

Info

Publication number
JPH06272683A
JPH06272683A JP5579493A JP5579493A JPH06272683A JP H06272683 A JPH06272683 A JP H06272683A JP 5579493 A JP5579493 A JP 5579493A JP 5579493 A JP5579493 A JP 5579493A JP H06272683 A JPH06272683 A JP H06272683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder chamber
oil
rotary shaft
cylinder
oil supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5579493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3274900B2 (ja
Inventor
Akira Morishima
明 森嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP05579493A priority Critical patent/JP3274900B2/ja
Publication of JPH06272683A publication Critical patent/JPH06272683A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3274900B2 publication Critical patent/JP3274900B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、より少ない部品点数で構造的に簡素
ですみ、加工性および組立性の向上を図り、しかも確実
な給油をなして、給油効率の向上を得られる圧縮機にお
ける給油ポンプ装置を提供する。 【構成】回転軸23の端部にシリンダ室60を有するポ
ンプシリンダ56を設け、このポンプシリンダの一端開
口面をシール板55で閉塞し、他端開口面をスラスト板
57で閉塞するとともに回転軸先端面と摺接させ、この
スラスト板に油溜り部47の潤滑油に開口する油吸込部
62を設け、回転軸のシリンダ室対向部位に切欠溝53
を設け、この切欠溝にローラーピン54を変位自在に掛
合してシリンダ室を区分させ、シリンダ室に吐出通路5
2を開口して潤滑油を導き、この吐出通路から圧送され
る潤滑油を圧縮機構部24へ導く給油通路51を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機における回転軸
に設けられ、圧縮機構部に給油するためのものであり、
特に、容積型の給油ポンプ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータリ式圧縮機や、スクロール式圧縮
機など、圧縮機構部の種類構造に係わらず、圧縮機構部
の確実にして円滑な摺動性を確保するために給油手段を
備えている。
【0003】このような圧縮機における給油手段もまた
種々の構造があるが、給油量を充分に確保し、万が一の
焼付け損傷事故の発生もない要求を満たすものとして、
容積型の給油ポンプ装置が最適である。いわゆるトロコ
イドポンプやギヤポンプは、容積型ポンプの代表的なも
のであって、これらを給油ポンプとして適用することが
考えられる。ただし、これらポンプの場合は、構造が複
雑で部品点数が多く、加工性および組立性が悪く、コス
ト的に問題の多い装置であって、一般的でない。これら
の不具合を少しでも解消すべく開発され、多用される容
積型の給油ポンプ装置を図5(A),(B)に示す。
【0004】図中1は回転軸であって、この下端部に設
けられる給油ポンプ装置は、油溜り部の潤滑油面に浸漬
される。回転軸1の下端面から軸心に沿って給油孔2が
設けられる。上記給油孔2は、ここでは図示しない圧縮
機構部まで延出される。
【0005】また、回転軸1の先端面には、径方向に亘
って凹溝3が設けられ、連結ピン4の回り止め部5が掛
合する。上記連結ピン4は、中空パイプ状をなしてい
て、回り止め部5から上部が上記給油孔2に嵌合され
る。
【0006】回り止め部5から下部は、スラスト板6に
回転自在に掛合するとともに、ポンプ軸7に嵌着され一
体化している。さらに、連結ピン4の下端面は、シール
板8と固定板9に載った状態で支持される。
【0007】上記ポンプ軸7の外周面は、上記連結ピン
と回転軸1に対して偏心しており、ポンプシリンダ10
に形成されるシリンダ室11に収容されている。シリン
ダ室11内を偏心回転した状態で、その周面一部は、シ
リンダ室11周面一部に常に転接する。
【0008】固定板9と、シール板8と、ポンプシリン
ダ10およびスラスト板6は、順に重ねられ、固定ボル
ト12を介してポンプ装置本体13を兼用する副軸受に
取付け固定される。
【0009】上記ポンプ軸7の周面一部には切欠溝14
が設けられていて、スライドピン15が移動自在に掛合
している。回転軸1とともに、連結ピン4を介してポン
プ軸7が回転すれば、遠心力の作用でスライドピン15
が切欠溝14の周端側に移動し、シリンダ室11周面に
摺接する。併せて、ポンプ軸7のシリンダ室11転接部
位がスライドピン15位置と一致するとき以外、スライ
ドピン15はシリンダ室を2分する。
【0010】上記固定板9とシール板8に亘って、互い
の板厚を貫通する油吸込孔16,16が設けられ、ポン
プシリンダ10のシリンダ室11に面して設けられる油
吸込溝17に連通する。
【0011】ポンプシリンダ10のシリンダ室11に面
する別位置には、油吐出切欠部18が設けられ、シール
板8に設けられる油吐出孔19と、固定板9に設けられ
る油案内溝20の一端部に連通する。
【0012】上記油案内溝20は、シール板8との重な
り面のみに設けられており、この他端部は連結ピン4の
支持部で、かつ少なくとも連結ピン4の中空部に連通す
るよう延設される。
【0013】このような構成の給油ポンプ装置であるの
で、回転軸1の回転にともなってポンプ軸7がシリンダ
室11内を偏心回転をなし、スライドピン15はシリン
ダ室11を2分しながらシリンダ室11周壁を摺動す
る。
【0014】区分されたシリンダ室11の容量の変化に
ともなって負圧が生じ、油吸込孔16から油溜り部の潤
滑油を吸込み、シリンダ室11内に導く。この潤滑油
は、回転方向側に区分されるシリンダ室11部分に集溜
し、さらにスライドピン15の移動にともなうシリンダ
室11の容量減少により圧力を受ける。
【0015】所定圧まで上昇した潤滑油は、油吐出切欠
部18から吐出されて、油吐出孔19と、油案内溝20
を介して連結ピン4の中空部に導かれ、さらに給油孔2
から圧縮機構部へ給油されることになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように、確実な給
油をなすことは否定できないが、やはり部品点数の多い
ことと、組立性が悪くて、コスト的な問題を有してい
る。
【0017】さらに、先に述べたトロコイドポンプも含
め、容積型ポンプの特徴として、回転軸1の回転数に比
例して給油するようになっているため、回転数が高速に
なった場合には不必要で、過大な給油をなしてしまい、
時間の経過とともに圧縮機外部への吐油量が増大し、油
溜り部の油面低下がある。すなわち、信頼性の点で問題
が残されている。
【0018】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、第1の目的とするところは、より少ない部品点
数で構造的に簡素ですみ、加工性および組立性の向上を
図り、しかも確実な給油をなして、給油効率の向上を得
られる圧縮機における給油ポンプ装置を提供する。
【0019】第2の目的とするところは、回転軸の高速
回転時には、給油量を抑制して油溜り部の極端な油面低
下と吐油量の低減を図り、信頼性の向上を得られる圧縮
機における給油ポンプ装置を提供する。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を満足するため
本発明の、請求項1記載の圧縮機における給油ポンプ装
置は、
【0021】上記回転軸の端部に設けられ、回転する回
転軸の周面一部が常に一定の部位で転接するよう回転軸
の軸心に対して偏心して形成されるシリンダ室を有する
ポンプシリンダ、このポンプシリンダの一端面に設けら
れ、上記シリンダ室の一端開口面を閉塞するシール板、
上記ポンプシリンダの他端面に設けられ、上記シリンダ
室の他端開口面を閉塞するとともに回転軸先端面と摺接
するスラスト板、このスラスト板に設けられ、上記油溜
り部の潤滑油に開口する油吸込部、上記回転軸の上記シ
リンダ室対向部位で、外周面から径方向に設けられる切
欠溝、この切欠溝に変位自在に掛合され、回転軸の回転
にともなって作用する遠心力によりシリンダ室周面に当
接してシリンダ室を区分し、かつ油溜り部の潤滑油を上
記油吸込部からシリンダ室に吸込ませるローラーピン、
上記回転軸に設けられ、上記シリンダ室容量の減少にと
もなう圧力上昇により、シリンダ室の潤滑油を圧送案内
する吐出通路、および吐出通路から圧送される潤滑油
を、上記圧縮機構部へ導く給油通路とを具備したことを
特徴とする。本発明の、請求項2の圧縮機における給油
ポンプ装置は、
【0022】請求項1記載の上記給油通路を回転軸の先
端部端面から軸方向に沿って設け、この給油通路に連通
する上記吐出通路は、回転軸の周面から径方向に沿って
設けられることを特徴とする。
【0023】
【作用】第1の発明によれば、給油ポンプ装置を構成す
る実質的な部品は、回転軸の他に、シール板、ポンプシ
リンダ、スラスト板およびローラピンなどだけですみ、
しかも、いずれも簡素な加工でよい。
【0024】シリンダ室と回転軸とは偏心しているか
ら、シリンダ室に対して回転軸は偏心回転をなすことに
は変わりなく、ローラピンがシリンダ室を区分して、従
来と全く同様のポンプ作用をなす。第2の発明によれ
ば、回転軸がより高速回転をなすにしたがって、吐出通
路により強力な遠心力が発生し、シリンダ室の圧力が高
くなる。
【0025】シリンダ室の潤滑油は、摺接部から漏れ易
くなり、充分な量が吐油通路から給油通路に導かれなく
なる。すなわち、高速回転であれば給油効率が低下する
こととなり、油面の極端な低下がない。
【0026】
【実施例】以下、本考案の一実施例を、図面にもとづい
て説明する。図1に、たとえば冷凍装置に用いられるス
クロール式圧縮機を示す。
【0027】図中21は密閉ケースであり、この密閉ケ
ース21内に支持フレーム22が設けられ、回転軸23
を回転自在に枢支している。上記回転軸23の上部には
後述する圧縮機構部24が設けられ、下部にはステータ
25とロータ26とからなる電動機部27が設けられ
る。
【0028】上記圧縮機構部24は、上記支持フレーム
22に取付け固定される固定スクロール翼28および回
転軸23上端の偏心部23aに枢支される旋回スクロー
ル翼29と、上記固定スクロール翼28側の背面側にガ
ス圧を作用させる背圧案内手段30とから構成される。
【0029】上記固定スクロール翼28および旋回スク
ロール翼29はともに、鏡板部32,33と、この鏡板
部32,33に一体的に設けられる渦巻状の翼部34,
35とから構成される。これら翼部34,35相互は噛
合されるとともに、上記鏡板部32,33相互とで囲繞
される渦巻状の空間部である圧縮室Sが形成される。
【0030】上記固定スクロ−ル翼鏡板部32上面部中
央には凹部36が設けられ、ここに上記圧縮室Sの渦巻
き中心と連通する吐出ポート37が鏡板部33を貫通し
て設けられる。
【0031】さらに、固定スクロ−ル翼鏡板部32上面
側には、吐出ポート37を中心に環状の凹部38が設け
られ、ここに圧縮室Sと連通する中間圧導入孔39が開
口している。
【0032】固定スクロール翼29の上面側には、密閉
ケース21内部を上端部空間と下部空間に仕切る背圧板
40が設けられ、密閉ケース21に取付け固定される。
この背圧板40は、中央部に逆止弁41を備えていて、
上記吐出ポート37と連通する。
【0033】また、上記凹部38の内周部と外周部とに
沿って設けられるシールリング42,43によって、固
定スクロール翼29が背圧板40との狭小の間隙の範囲
内で軸方向に移動しても、確実なシールがなされる。上
記密閉ケース21の上部側面で、かつ背圧板40の上部
空間と連通する部位には吐出管44が接続され、冷凍装
置の図示しない凝縮器と連通する。上記密閉ケース21
の下部側面には吸込管45が接続されていて、冷凍装置
の図示しない蒸発器と連通する。一方、回転軸23の下
端部は電動機部27から下方へ突出していて、上記密閉
ケース21に取付けられる副軸受46に回転自在に支持
される。
【0034】また、密閉ケース21の内底部には潤滑油
を集溜する油溜り部47が形成され、ここに上記回転軸
23の下端部と、この回転軸23端部に設けられる後述
する給油ポンプ装置Pが浸漬する。つぎに、給油ポンプ
装置Pを、図2(A),(B)にもとづいて説明する。
この装置本体46は上記副軸受と兼用しており、メタル
50を介して回転軸23先端部である下端部を枢支す
る。上記回転軸23の下端面から先に示した圧縮機構部
24に亘って、かつこの軸方向に沿って、給油孔である
給油通路51が設けられる。この給油通路51の下端部
近傍の部位には、回転軸23の周面から径方向に沿って
設けられる横孔からなる吐出通路52が設けられる。
【0035】さらに回転軸23の下端部には、周面から
径方向に沿って、かつ上記給油通路51には至らない範
囲で切欠溝53が設けられる。この切欠溝53は、回転
軸23の周面から中途部までは完全な平行面を有するよ
う形成され、先端部においては、平行面相互の間隔寸法
を直径とする、半円状になっている。
【0036】上記切欠溝53には、ローラーピン54が
掛合される。このローラピン54の軸方向長さは、切欠
溝53の深さ寸法と一致する。ローラピン54の直径
は、切欠溝53端部に形成される半円部の直径よりも極
くわずか小さく、したがって溝53に対して移動自在で
ある。
【0037】上記回転軸23の下端部には、シール板5
5およびポンプシリンダ56が重ねられた状態で掛合さ
れる。そしてさらに、これらシール板55およびポンプ
シリンダ56ともスラスト板57に支持される。上記ス
ラスト板57は、回転軸23下端面が摺接するよう装置
本体46に設けられるスナップリング58によって支持
される。上記シール板55は、等径のリング状をなし、
その内径部に回転軸23が挿入掛合して、外径部はポン
プシリンダ56外径部と等しい。
【0038】上記ポンプシリンダ56は、その板厚が上
記切欠溝53の深さ寸法と、スライドピン54の軸方向
長さに等しい。内部には、回転軸23の軸心と偏心した
中心を有し、回転軸23直径よりも大である直径のシリ
ンダ口56aが設けられる。換言すれば、ポンプシリン
ダ56は、偏心状のリングである。
【0039】上記シリンダ口56aに回転軸23の周面
一部が転接するような組立がなされている。すなわち、
シリンダ口56aは回転軸23の軸心に対して偏心し、
かつこの直径よりも大であるので、この組立が可能であ
る。
【0040】ポンプシリンダ56の上下両端面には、シ
ール板55とスラスト板57が重ねられ、回転軸23の
回転の有無にかかわらずシリンダ口56aの開放部分が
閉塞されて、密閉空間が形成される。この密閉空間を、
シリンダ室60と呼ぶ。
【0041】上記ポンプシリンダ56下面側のシリンダ
口56a周部には、油吸込用切欠部61が設けられてい
て、組み立てられた状態で、上記シリンダ室60に対向
する位置にある。
【0042】上記スラスト板57には、油吸込用切欠部
61と連通する長孔である油吸込部62が設けられる。
この油吸込部62は、油溜り部47の潤滑油中に開口す
ることになる。
【0043】このようにして構成される給湯ポンプ装置
Pを備えたスクロール式圧縮機において、電動機部27
に通電し圧縮機構部24を駆動すると、蒸発器を介して
吸込管45から低圧の冷媒ガスが導かれて、密閉ケース
21内の背圧板30より下部空間に充満する。
【0044】この冷媒ガスは、旋回スクロール翼28と
固定スクロール翼29とで形成される圧縮室Sの外周部
に吸込まれ、旋回スクロール翼29の旋回運動にともな
って徐々に中心部に移送され、かつ圧縮容量が減少する
ことにより圧縮される。所定圧まで上昇したところで、
吐出ポート37から逆止弁41を介して背圧板40の上
部空間へ吐出され、さらに吐出管44を介して凝縮器へ
導かれる。
【0045】吐出ポート37から吐出される高圧の冷媒
ガスの一部は凹部36に一旦充満し、固定スクロール翼
29の中央部に背圧をかける。一方、圧縮室Sから中間
圧のガスが中間圧導入孔39を介して中間圧室である凹
部38へ導かれ、ここに充満して固定スクロール翼29
の周端部に背圧をかける。
【0046】このように、通常の運転状態では、背圧案
内手段30が固定スクロール翼29に効果的な背圧をか
け、軸方向への移動を規制して、圧縮室Sを形成する旋
回スクロール翼28とのクリアランスを最適に保持す
る。
【0047】何らかの条件で、圧縮室Sが異常高圧化し
た場合には、背圧案内手段30の背圧よりも圧縮室Sの
圧力が上回り、固定スクロール翼29は軸方向に移動す
る。旋回スクロール翼28との圧縮室Sクリアランスが
拡大して、圧縮室Sの異常高圧ガスを密閉ケース21内
に逃がす。各スクロール翼部34,35のストレスが解
消される、いわゆるコンプライアンス機能を発揮する。
【0048】一方、給油ポンプ装置Pにおいては、回転
軸23がシリンダ室60の周面一部に転接した状態で回
転する。そして、この回転にともなってローラピン54
に対して遠心力が作用し、ローラピン54は常にシリン
ダ室60周面に転接した状態で、回転軸23とともに回
転(公転)する。上記ローラピン54が回転軸23とシ
リンダ室60周面との転接部位と一致したとき以外は、
ローラピン54はシリンダ室60を2分する。
【0049】なお説明すれば、図3(a)に示す状態で
は、ローラピン54が吸込用切欠部61を通過した直後
の状態であり、こことローラピン54との間のシリンダ
室60部位が負圧状態になっており、その結果、油溜り
部47の潤滑油を油吸込部62を介してシリンダ室60
に吸込む。
【0050】また、ローラピン54の回転方向側に区分
されるシリンダ室60部分には、既に潤滑油が吸い込ま
れており、ある程度圧縮された状態で、一部は吐出通路
52から給油通路51を介して上記圧縮機構部24に給
油される。
【0051】回転軸23が、同図(a)位置から図にお
いて時計回り方向へ回転し、(b)位置まで90°変位
すると、吸込切欠部61と連通するシリンダ室60部分
の容量が拡大して、さらに多くの潤滑油を油溜り部47
から吸い込む。一方、回転方向側のシリンダ室60部分
では、容量がさらに縮小化して、吐出通路52へ圧送さ
れる潤滑油量が多くなる。
【0052】(c)に示すように、さらに90°変位し
た位置では、吸込用切欠部61と連通するシリンダ室6
0部分の容量がさらに大となって、引き続き潤滑油を吸
い込む。回転方向側のシリンダ室60部分は、その容量
がほとんど零に近くなり、吐出通路52へ吐出される潤
滑油がほとんどない。
【0053】(d)に示すように、さらに90°変位し
た位置では、ローラピン54のシリンダ室60周面に対
する転接部位が、回転軸23とシリンダ室60周面との
転接部位と一致し、吸込用切欠部61と連通するシリン
ダ室60が全てとなる。その一方、吸込用切欠部61と
吐出通路52とは連通して、吐出通路52から吐出され
る潤滑油はない。ついで、再び(a)の状態に戻って、
上述の給油作用を繰り返す。このようにして給油ポンプ
装置Pは、通常、極めて効率のよい給油作用をなす。
【0054】ただし、冷媒の循環量を上げるため、圧縮
機の回転数を、より高速運転することがある。この場合
における給油ポンプ装置Pは、回転数の増大にともなっ
て給油効率を低下させ、吐出量の急激な増大を抑制す
る。すなわち、回転軸23に設けられる吐出通路52
は、回転軸23の周面から径方向に沿って設けられ、上
記給油通路51に連通する。この吐出通路52の形態か
ら、回転軸23がより高速回転をなすにしたがって、吐
出通路52中の潤滑油に、より強力な遠心力が発生す
る。
【0055】本来、上記吐出通路52中の潤滑油は、ポ
ンプ作用によって回転軸23周面側から軸心側である給
油通路51方向へ圧送されるのであるが、今度は上記遠
心力の影響でシリンダ室60の圧力が高くなり、構成部
品の当接部位から漏れ易くなる。
【0056】たとえば、シリンダ室60周面に対する回
転軸23の転接部位およびローラピン54の転接部位、
切欠溝53に対するローラピン54の周面および上下端
面部位、ポンプシリンダ56の上下端面に対するシール
板55およびスラスト板57の重ね面等から漏れ易い。
【0057】したがって、回転軸23の高速回転時にお
ける過大な給油量を抑制して、図4のA変化に示すよう
に、本発明の給油ポンプ装置Pは、冷凍サイクルに流出
する油の量であるポンプ吐油量の増大割合が低減する。
【0058】これに対して、従来構造の給油ポンプ装置
は、同図のB変化で示すように、回転数の上昇に応じて
直線的に吐油量が増大して、上述した種々の不具合の発
生を招くこととなる。なお、上記実施例においては、吐
出通路52を回転軸23に設けたが、たとえば従来用い
られる固定板9に設けられる油案内溝20に代えてもよ
い。
【0059】また、密閉型圧縮機としてスクロール式圧
縮機を適用して説明したが、必ずしもこの種の圧縮方式
を備えた圧縮機に限定されない。他の種類の被圧縮ガス
もしくは空気を圧縮する圧縮機にも用いることができ
る。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明によれ
ば、
【0061】回転軸の軸心に対して偏心すシリンダ室を
有するポンプシリンダと、シリンダ室の一端開口面を閉
塞するシール板と、ポンプシリンダの他端開口面を閉塞
して回転軸先端面と摺接するスラスト板と、ローラーピ
ンなどが、給油ポンプ装置の構成部品であり、より少な
い部品点数で構造的に簡素ですみ、加工性および組立性
の向上を図り、しかも確実な給油をなして、給油効率の
向上を得られる効果を奏する。第2の発明によれば、給
油通路を回転軸の先端部端面から軸方向に沿って設け、
吐出通路を、給油通路に連通し、かつ回転軸の周面から
径方向に沿って設けたので、
【0062】回転軸の高速回転時に、吐出通路により強
力な遠心力を発生させて、シリンダ室の圧力を高めて摺
接部から漏れ易い状態に換え、給油量を抑制して油溜り
部の極端な油面低下と外部への吐油量を低下させ、信頼
性の向上を図れるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、スクロール式圧縮機
の縦断面図。
【図2】(A)は、同実施例の、給油ポンプ装置の縦断
面図。(B)は、同実施例の、給油ポンプ装置の分解し
た斜視図。
【図3】同実施例の、ポンプ作用を順に説明する図。
【図4】本発明のポンプ装置と、従来構造のポンプ装置
との給油特性を比較する図。
【図5】(A)は、本発明の従来例を示す、給油ポンプ
装置の縦断面図。(B)は、同従来例の、給油ポンプ装
置の分解した斜視図。
【符号の説明】
23…回転軸、27…電動機部、24…圧縮機構部、2
1…密閉ケース、47…油溜り部、60…シリンダ室、
56…ポンプシリンダ、55…シール板、57…スラス
ト板、62…油吸込部、53…切欠溝、54…ローラー
ピン、52…吐出通路、51…給油通路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸を介して連結される電動機部と圧縮
    機構部とを、密閉ケース内に収容してなる圧縮機の給油
    ポンプ装置において、 上記回転軸の端部に設けられ、回転する回転軸の周面一
    部が常に一定の部位で転接するよう回転軸の軸心に対し
    て偏心して形成されるシリンダ室を有するポンプシリン
    ダと、 このポンプシリンダの一端面に設けられ、上記シリンダ
    室の一端開口面を閉塞するシール板と、 上記ポンプシリンダの他端面に設けられ、上記シリンダ
    室の他端開口面を閉塞するとともに回転軸先端面と摺接
    するスラスト板と、 このスラスト板に設けられ、上記油溜り部の潤滑油に開
    口する油吸込部と、 上記回転軸の上記シリンダ室対向部位で、外周面から径
    方向に設けられる切欠溝と、 この切欠溝に変位自在に掛合され、回転軸の回転にとも
    なって作用する遠心力によりシリンダ室周面に当接して
    シリンダ室を区分し、かつ油溜り部の潤滑油を上記油吸
    込部からシリンダ室に吸込ませるローラーピンと、 上記シリンダ室容量の減少にともなう圧力上昇により、
    シリンダ室の潤滑油を圧送案内する吐出通路と、 この吐出通路から圧送される潤滑油を、上記圧縮機構部
    へ導く給油通路とを具備したことを特徴とする圧縮機に
    おける給油ポンプ装置。
  2. 【請求項2】上記給油通路は回転軸の先端部端面から軸
    方向に沿って設けられ、 この給油通路に連通する上記吐出通路は、回転軸の周面
    から径方向に沿って設けられることを特徴とする請求項
    1記載の圧縮機における給油ポンプ装置。
JP05579493A 1993-03-16 1993-03-16 圧縮機における給油ポンプ装置 Expired - Fee Related JP3274900B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05579493A JP3274900B2 (ja) 1993-03-16 1993-03-16 圧縮機における給油ポンプ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05579493A JP3274900B2 (ja) 1993-03-16 1993-03-16 圧縮機における給油ポンプ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06272683A true JPH06272683A (ja) 1994-09-27
JP3274900B2 JP3274900B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=13008824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05579493A Expired - Fee Related JP3274900B2 (ja) 1993-03-16 1993-03-16 圧縮機における給油ポンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3274900B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6196814B1 (en) 1998-06-22 2001-03-06 Tecumseh Products Company Positive displacement pump rotatable in opposite directions
JP2008240550A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体機械および冷凍サイクル装置
WO2015146740A1 (ja) * 2014-03-25 2015-10-01 Ntn株式会社 内接歯車ポンプ
WO2017086105A1 (ja) * 2015-11-20 2017-05-26 三菱重工業株式会社 スクロール圧縮機

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019138234A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 圧縮機

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6196814B1 (en) 1998-06-22 2001-03-06 Tecumseh Products Company Positive displacement pump rotatable in opposite directions
JP2008240550A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体機械および冷凍サイクル装置
WO2015146740A1 (ja) * 2014-03-25 2015-10-01 Ntn株式会社 内接歯車ポンプ
JP2015183631A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 Ntn株式会社 内接歯車ポンプ
WO2017086105A1 (ja) * 2015-11-20 2017-05-26 三菱重工業株式会社 スクロール圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP3274900B2 (ja) 2002-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6139295A (en) Bearing lubrication system for a scroll compressor
JP5516651B2 (ja) スクロール圧縮機
EP0464970B1 (en) Scroll type fluid machinery
US5564917A (en) Rotary compressor with oil injection
JPH031516B2 (ja)
KR20060051788A (ko) 압축기
JP7057532B2 (ja) スクロール圧縮機
EP3369931A1 (en) Fluid machine
JPH06272683A (ja) 圧縮機における給油ポンプ装置
KR20210012231A (ko) 로터리 압축기
JP2014125908A (ja) スクロール圧縮機
JP2019190287A (ja) 圧縮機
JPH05149274A (ja) スクロール式圧縮機
JP2815432B2 (ja) 回転式圧縮機
US3081022A (en) Rotary compressor
CN113454341B (zh) 涡旋式压缩机
JPH08177773A (ja) 圧縮機における給油ポンプ装置
US11466686B2 (en) Rotary compressor
JPH041492A (ja) 流体圧縮機
JPH08200250A (ja) 軸貫通スクロール圧縮機
CN212643042U (zh) 压缩机构及包括该压缩机构的涡旋压缩机
JP2001003883A (ja) スクロール型流体機械
JP2003184776A (ja) 圧縮機
JP2002098073A (ja) スクロール圧縮機
JPH0579483A (ja) 多気筒ロータリ圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100201

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100201

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees