JPH06269909A - 単ロール法によるアモルファス連続フィラメント箔の製造方法 - Google Patents
単ロール法によるアモルファス連続フィラメント箔の製造方法Info
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- JPH06269909A JPH06269909A JP6569193A JP6569193A JPH06269909A JP H06269909 A JPH06269909 A JP H06269909A JP 6569193 A JP6569193 A JP 6569193A JP 6569193 A JP6569193 A JP 6569193A JP H06269909 A JPH06269909 A JP H06269909A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、電磁材料素材として使用されるF
e−B−Si−X系合金のような極めて脆いアモルファ
ス材料(箔)を、単ロールによる急冷凝固鋳造法により
製造するに際し、発生する節状の欠陥を極めて少くし
て、溶湯の完全鋳造および完全巻取りを可能にするアモ
ルファス連続フィラメント箔の製造方法を提供する。 【構成】 単ロール急冷凝固鋳造法によりアモルファス
連続フィラメント箔を製造する方法において、Cu製あ
るいはAl製ロ−ル表面の仕上げ粗さをエメリー番手で
#240以下、好ましくは#80以下に粗化した冷却ロ
−ルを用いて単ロール急冷凝固鋳造法によりアモルファ
ス連続フィラメント箔を製造する方法。粗化したロール
表面にNi或いはFeのメッキを施してもよい。
e−B−Si−X系合金のような極めて脆いアモルファ
ス材料(箔)を、単ロールによる急冷凝固鋳造法により
製造するに際し、発生する節状の欠陥を極めて少くし
て、溶湯の完全鋳造および完全巻取りを可能にするアモ
ルファス連続フィラメント箔の製造方法を提供する。 【構成】 単ロール急冷凝固鋳造法によりアモルファス
連続フィラメント箔を製造する方法において、Cu製あ
るいはAl製ロ−ル表面の仕上げ粗さをエメリー番手で
#240以下、好ましくは#80以下に粗化した冷却ロ
−ルを用いて単ロール急冷凝固鋳造法によりアモルファ
ス連続フィラメント箔を製造する方法。粗化したロール
表面にNi或いはFeのメッキを施してもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波トランス、チョ
ーク等の磁心等に用いられる電磁材料用素材として用い
られるアモルファス連続フィラメント箔を単ロールによ
る急冷凝固鋳造法により寸断、破断、崩壊、特に節状欠
陥を抑制し、溶湯の完全鋳造を可能にする製造方法に関
するものである。
ーク等の磁心等に用いられる電磁材料用素材として用い
られるアモルファス連続フィラメント箔を単ロールによ
る急冷凝固鋳造法により寸断、破断、崩壊、特に節状欠
陥を抑制し、溶湯の完全鋳造を可能にする製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】急冷凝固鋳造法により電磁材料に用いら
れるアモルファス合金の連続フィラメント箔を鋳造する
方法として、最も一般的に使用される方法として単ロー
ル法がある。従来、この単ロール法によるアモルファス
合金の連続フィラメント箔の鋳造においては、一般的に
ロール材質としてCuが使用されていた。これは、Cu
が熱伝導率が大きいという理由からであるが、電磁材料
として材料特性を改善、向上させるためには、アモルフ
ァス化率のより高いフィラメント箔を得るのに有利であ
る考えられてきたことによる。しかしながら、このこと
は、急冷による連続フィラメント箔の鋳造には冷却応力
の増大化を伴うため、鋳造される成分系によっては、C
u製ロールでは健全な連続フィラメント箔を製造するこ
とが困難となる場合が多々あった。単ロール法による急
冷凝固鋳造法で電磁材料として代表的なFe−B−Si
系の合金でのアモルファス連続フィラメント箔を鋳造す
る場合、脆性が厳しいため鋳造中にフィラメント箔の破
断やフィラメント箔の形状を止めない程の崩壊が起こり
鋳造の完結ができなくなるケースが頻発し、巻取り自体
あるいは鋳造自体が不可能とされてきた。
れるアモルファス合金の連続フィラメント箔を鋳造する
方法として、最も一般的に使用される方法として単ロー
ル法がある。従来、この単ロール法によるアモルファス
合金の連続フィラメント箔の鋳造においては、一般的に
ロール材質としてCuが使用されていた。これは、Cu
が熱伝導率が大きいという理由からであるが、電磁材料
として材料特性を改善、向上させるためには、アモルフ
ァス化率のより高いフィラメント箔を得るのに有利であ
る考えられてきたことによる。しかしながら、このこと
は、急冷による連続フィラメント箔の鋳造には冷却応力
の増大化を伴うため、鋳造される成分系によっては、C
u製ロールでは健全な連続フィラメント箔を製造するこ
とが困難となる場合が多々あった。単ロール法による急
冷凝固鋳造法で電磁材料として代表的なFe−B−Si
系の合金でのアモルファス連続フィラメント箔を鋳造す
る場合、脆性が厳しいため鋳造中にフィラメント箔の破
断やフィラメント箔の形状を止めない程の崩壊が起こり
鋳造の完結ができなくなるケースが頻発し、巻取り自体
あるいは鋳造自体が不可能とされてきた。
【0003】通常、電磁材料アモルファス連続フィラメ
ント箔を単ロールによる急冷凝固鋳造法で量産的に鋳造
する場合、鋳造と同期しながらフィラメント箔を連続的
に巻取って行く方式が採用されるが、巻き層の厚みが増
大するにつれて巻き倒れしないように一定の張力をかけ
て巻取られる。この巻取り工程で、フィラメント箔に何
らかの原因で疵が発生すると、これが因でフィラメント
箔の破断する結果、以後そのチャージは鋳造の続行が不
可能となる。
ント箔を単ロールによる急冷凝固鋳造法で量産的に鋳造
する場合、鋳造と同期しながらフィラメント箔を連続的
に巻取って行く方式が採用されるが、巻き層の厚みが増
大するにつれて巻き倒れしないように一定の張力をかけ
て巻取られる。この巻取り工程で、フィラメント箔に何
らかの原因で疵が発生すると、これが因でフィラメント
箔の破断する結果、以後そのチャージは鋳造の続行が不
可能となる。
【0004】フィラメント箔を破断に至らしめる欠陥と
しては、節状欠陥、脆化、ロール疵に起因する孔欠陥や
エッジ不良等があるが、中でも節状欠陥は、その詳細な
実態および発生機構等が全く不明であるために、これま
でに有効な対策がなかった。特に、節状欠陥について
は、通常いずれの電磁材料用のアモルファス連続フィラ
メント箔を鋳造するに際し、発生頻度の大小や欠陥程度
の軽重差はあるものの発生するとされている。欠陥程度
が軽微なものは、直接的な破断原因にはならないため気
付かれないまま製品化される場合が多い。しかしなが
ら、Fe−B−Si−X系なる成分系のアモルファス合
金のフィラメント箔を水冷されたCu製あるいはAl製
冷却ロールで鋳造する場合などでは、上記の節状欠陥で
フィラメント箔が破断するケースが頻発するため完結鋳
造および完全巻取りが安定しなかったという問題があっ
た。
しては、節状欠陥、脆化、ロール疵に起因する孔欠陥や
エッジ不良等があるが、中でも節状欠陥は、その詳細な
実態および発生機構等が全く不明であるために、これま
でに有効な対策がなかった。特に、節状欠陥について
は、通常いずれの電磁材料用のアモルファス連続フィラ
メント箔を鋳造するに際し、発生頻度の大小や欠陥程度
の軽重差はあるものの発生するとされている。欠陥程度
が軽微なものは、直接的な破断原因にはならないため気
付かれないまま製品化される場合が多い。しかしなが
ら、Fe−B−Si−X系なる成分系のアモルファス合
金のフィラメント箔を水冷されたCu製あるいはAl製
冷却ロールで鋳造する場合などでは、上記の節状欠陥で
フィラメント箔が破断するケースが頻発するため完結鋳
造および完全巻取りが安定しなかったという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高周波トラ
ンス、チョークの磁心等における電磁材料素材として使
用されるFe−B−Si−X系合金のような極めて脆い
アモルファス材料(箔)を、単ロールによる急冷凝固鋳
造法により製造するに際し、寸断、破断、崩壊等の欠陥
を極めて少くして、溶湯の完全鋳造および完全巻取りを
可能にするアモルファス連続フィラメント箔の製造方法
を提供することを目的とするものである。
ンス、チョークの磁心等における電磁材料素材として使
用されるFe−B−Si−X系合金のような極めて脆い
アモルファス材料(箔)を、単ロールによる急冷凝固鋳
造法により製造するに際し、寸断、破断、崩壊等の欠陥
を極めて少くして、溶湯の完全鋳造および完全巻取りを
可能にするアモルファス連続フィラメント箔の製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Fe−B−S
i−X系合金のような極めて脆い材料のアモルファス連
続フィラメント箔を単ロール法による急冷凝固鋳造法お
ける寸断、破断、崩壊の原因を解明し完全鋳造および完
全巻取りを可能にする方法を提供するものである。
i−X系合金のような極めて脆い材料のアモルファス連
続フィラメント箔を単ロール法による急冷凝固鋳造法お
ける寸断、破断、崩壊の原因を解明し完全鋳造および完
全巻取りを可能にする方法を提供するものである。
【0007】本発明者等は、前述の合金における寸断、
破断、崩壊の原因について研究を重ね、上記節状欠陥の
実態や発生挙動等を詳細に調査し、冷却ロール面仕上げ
粗度の粗化、冷却ロールの冷却水の水温アップ、高スー
パーヒート注湯による等の緩冷却化の方法を導入するこ
とで解決できないかの検討を行った。
破断、崩壊の原因について研究を重ね、上記節状欠陥の
実態や発生挙動等を詳細に調査し、冷却ロール面仕上げ
粗度の粗化、冷却ロールの冷却水の水温アップ、高スー
パーヒート注湯による等の緩冷却化の方法を導入するこ
とで解決できないかの検討を行った。
【0008】通常、電磁材料用アモルファス合金の単ロ
ールによる急冷凝固鋳造法においては、その冷却性能の
高さから一般には、Cu製の冷却ロールが使用されてい
る。また、磁気特性の可及的向上を狙うあまり、強冷却
策の徹底が図られ、低スーパーヒート注湯、冷却ロール
薄肉化、冷却水温を低めにした管理、鋳造フィラメント
箔の薄目管理やフィラメント箔表面の粗度改善(高Bs
化狙い。)のため冷却ロール面仕上げ粗度の微細化や低
ギャップ化の注湯法等が採用されてきた。例えば、スー
パーヒート:150℃以下、冷却ロールの肉厚みを10
mm以下、冷却水の水温を25℃以下にする等の管理目標
を設定して、その管理を強化し、また冷却ロール面仕上
げ粗度も#1500以上になるように維持強化する方法
である。このような強冷却化策の徹底に伴い、鋳造の途
中で節欠陥によるフィラメント箔の破断が頻発し始め
た。そこで、節欠陥の実態や発生挙動を調査したとこ
ろ、図1に示すような節欠陥(A)の状態が観察され
た。これによれば、節欠陥域に見られる節部は凹みを呈
し、しかもその部分は脆く破断の起点になることが判明
した。
ールによる急冷凝固鋳造法においては、その冷却性能の
高さから一般には、Cu製の冷却ロールが使用されてい
る。また、磁気特性の可及的向上を狙うあまり、強冷却
策の徹底が図られ、低スーパーヒート注湯、冷却ロール
薄肉化、冷却水温を低めにした管理、鋳造フィラメント
箔の薄目管理やフィラメント箔表面の粗度改善(高Bs
化狙い。)のため冷却ロール面仕上げ粗度の微細化や低
ギャップ化の注湯法等が採用されてきた。例えば、スー
パーヒート:150℃以下、冷却ロールの肉厚みを10
mm以下、冷却水の水温を25℃以下にする等の管理目標
を設定して、その管理を強化し、また冷却ロール面仕上
げ粗度も#1500以上になるように維持強化する方法
である。このような強冷却化策の徹底に伴い、鋳造の途
中で節欠陥によるフィラメント箔の破断が頻発し始め
た。そこで、節欠陥の実態や発生挙動を調査したとこ
ろ、図1に示すような節欠陥(A)の状態が観察され
た。これによれば、節欠陥域に見られる節部は凹みを呈
し、しかもその部分は脆く破断の起点になることが判明
した。
【0009】図2は、フィラメント箔のロール一周長さ
を単位としてこの区間内に発生した節欠陥本数を鋳造フ
ィラメント箔の長さで整理したものである。何れの場合
でも、鋳造開始からほぼ一定時間後に発生し始め、後半
で飽和から減少し、更には消滅する傾向を示すことが分
かった。
を単位としてこの区間内に発生した節欠陥本数を鋳造フ
ィラメント箔の長さで整理したものである。何れの場合
でも、鋳造開始からほぼ一定時間後に発生し始め、後半
で飽和から減少し、更には消滅する傾向を示すことが分
かった。
【0010】このように、節欠陥発生は、鋳造の時期、
即ち冷却ロール面昇温とそれによる冷却の強弱に係わっ
ていることが判明した。即ち、節欠陥の発生がほとんど
見られない域は鋳造の後半以降である冷却ロール温度が
十分上がりきった後や、スタート初期の冷却ロールのロ
ール面が冷たく、メタルタッチの馴染みが不良である時
期によく見られる。これらの期間は、恐らくかなり緩冷
却と思われ、従って、中間の冷却ロール温度が十分高く
なったゾーンでは強冷却化の徹底を緩め、緩冷却側にシ
フトさせる必要がるのではないかと推察された。そこ
で、冷却ロールのロール面仕上げ番手を#1,000か
ら#240に下げて粗化して、ロール表面との馴染みを
悪くしたり、溶湯のスーパーヒートを200℃程度高め
にすることや、冷却ロールの冷却水温を35℃まで高め
る等の対策を導入した。
即ち冷却ロール面昇温とそれによる冷却の強弱に係わっ
ていることが判明した。即ち、節欠陥の発生がほとんど
見られない域は鋳造の後半以降である冷却ロール温度が
十分上がりきった後や、スタート初期の冷却ロールのロ
ール面が冷たく、メタルタッチの馴染みが不良である時
期によく見られる。これらの期間は、恐らくかなり緩冷
却と思われ、従って、中間の冷却ロール温度が十分高く
なったゾーンでは強冷却化の徹底を緩め、緩冷却側にシ
フトさせる必要がるのではないかと推察された。そこ
で、冷却ロールのロール面仕上げ番手を#1,000か
ら#240に下げて粗化して、ロール表面との馴染みを
悪くしたり、溶湯のスーパーヒートを200℃程度高め
にすることや、冷却ロールの冷却水温を35℃まで高め
る等の対策を導入した。
【0011】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、単ロールによる急冷凝固鋳造法によりFe−B−
Si系等のアモルファス連続フィラメント箔の鋳造に際
し、Cu製あるいはAl製冷却ロ−ル表面を仕上げ粗さ
をエメリー番手で#240以下、好ましくは、#80以
下、に粗化することにより、従来、上記成分系の鋳造中
に多発していた節欠陥を消滅させることを可能としたも
のである。
ので、単ロールによる急冷凝固鋳造法によりFe−B−
Si系等のアモルファス連続フィラメント箔の鋳造に際
し、Cu製あるいはAl製冷却ロ−ル表面を仕上げ粗さ
をエメリー番手で#240以下、好ましくは、#80以
下、に粗化することにより、従来、上記成分系の鋳造中
に多発していた節欠陥を消滅させることを可能としたも
のである。
【0012】また、本発明では、前述の粗化に加え、冷
却ロールの熱伝導率を改善し、濡れ性を向上させる方策
について検討を加えたところ、粗化した冷却ロ−ル表面
にNiまたはFe、あるいはこれ等の合金を10ミクロ
ン以上の厚みでメッキすることにより一層節欠陥の減少
に役立たせるものである。更に、本発明では、冷却ロ−
ルの冷却水温を35℃以上にして鋳造することや、注湯
温度をスーパーヒート200℃以上にして鋳造すること
により、更に節欠陥の減少に効果あらしめるものであ
る。
却ロールの熱伝導率を改善し、濡れ性を向上させる方策
について検討を加えたところ、粗化した冷却ロ−ル表面
にNiまたはFe、あるいはこれ等の合金を10ミクロ
ン以上の厚みでメッキすることにより一層節欠陥の減少
に役立たせるものである。更に、本発明では、冷却ロ−
ルの冷却水温を35℃以上にして鋳造することや、注湯
温度をスーパーヒート200℃以上にして鋳造すること
により、更に節欠陥の減少に効果あらしめるものであ
る。
【0013】本発明は、上述したような手段を構じるこ
とにより、鋳造時の冷却を緩冷却側にすることにより、
アモルファス合金のフィラメント箔の鋳造において、節
欠陥の発生を著しく減少させるものである。単ロールに
よる急速冷却凝固法においては、冷却ロール面に付着し
たガスが連続的に巻き込まれる注湯点で形成されるパド
ルの全域で、冷却力の均一性が補償される理由は一般的
にはないものと考えられる。局所的に冷却力の強弱が存
在することになるが、特に冷却ロール面が昇温し、濡れ
易くなると局所強冷域が生成し易くなり、これ等が幅方
向に連結すると局所的に凝固が一挙に完了するため、巻
き込まれたガスは分散することなくバンド状に集中して
凹み部を形成することになる。この凹み部は、冷却ロー
ル面と緩接触となるため再結晶し、脆化が進行すること
になり、これが節欠陥として観察されるものと推測でき
る。このような推測にを基づくと、濡れ性が低い冷却ロ
ール性状では、全般的に緩冷却場であるから、局所的な
強冷域が生成し難いために巻き込みガスに分散が十分補
償されないので、この結果、節欠陥が発生するチャンス
が生じないものと考えられる。以上述べたように,本発
明では単ロールによる急冷凝固法により電磁材料に用い
られるFe−B−Si系アモルファス合金の連続フィラ
メント箔の破断の基となる節欠陥を、鋳造に使用される
冷却ロール表面を粗化し、更にNi,Feあるいはこの
合金を10ミクロン以上の厚みでメッキした冷却ロール
を用いることにより、節欠陥を完全に消滅することが可
能になった。以下に実施例をもって説明する。
とにより、鋳造時の冷却を緩冷却側にすることにより、
アモルファス合金のフィラメント箔の鋳造において、節
欠陥の発生を著しく減少させるものである。単ロールに
よる急速冷却凝固法においては、冷却ロール面に付着し
たガスが連続的に巻き込まれる注湯点で形成されるパド
ルの全域で、冷却力の均一性が補償される理由は一般的
にはないものと考えられる。局所的に冷却力の強弱が存
在することになるが、特に冷却ロール面が昇温し、濡れ
易くなると局所強冷域が生成し易くなり、これ等が幅方
向に連結すると局所的に凝固が一挙に完了するため、巻
き込まれたガスは分散することなくバンド状に集中して
凹み部を形成することになる。この凹み部は、冷却ロー
ル面と緩接触となるため再結晶し、脆化が進行すること
になり、これが節欠陥として観察されるものと推測でき
る。このような推測にを基づくと、濡れ性が低い冷却ロ
ール性状では、全般的に緩冷却場であるから、局所的な
強冷域が生成し難いために巻き込みガスに分散が十分補
償されないので、この結果、節欠陥が発生するチャンス
が生じないものと考えられる。以上述べたように,本発
明では単ロールによる急冷凝固法により電磁材料に用い
られるFe−B−Si系アモルファス合金の連続フィラ
メント箔の破断の基となる節欠陥を、鋳造に使用される
冷却ロール表面を粗化し、更にNi,Feあるいはこの
合金を10ミクロン以上の厚みでメッキした冷却ロール
を用いることにより、節欠陥を完全に消滅することが可
能になった。以下に実施例をもって説明する。
【0014】
【実施例】柱上トランス用アモルファス素材として一般
によく知られた表1に示すFe−B−Si−X系のフィ
ラメント箔を鋳造した。
によく知られた表1に示すFe−B−Si−X系のフィ
ラメント箔を鋳造した。
【表1】
【0015】使用した急冷鋳造機は,単ロール方式で,
冷却ロールは直径800mmの水冷方式とした。ロール材
質は、Cu製のロール表面をそれぞれエミリー番手#
1,000、エミリー番手#400およびエミリー番手
#150の3種類のエミリーペーパーでそれぞれの冷却
ロール表面を粗化した。図2にその結果を示したが、こ
の図から分かるように、エミリー番手#150で粗化さ
れたロールは、他のものに比較し節欠陥発生が極端に少
ないことが分かる。また、図3は、冷却ロールの冷却水
温差による節欠陥発生挙動の例を示したものであるが、
冷却ロールの冷却水温が40℃の場合には、冷却水温が
25℃以下とした場合に比較して、節欠陥発生が極端に
少なくなっていることが分かる。
冷却ロールは直径800mmの水冷方式とした。ロール材
質は、Cu製のロール表面をそれぞれエミリー番手#
1,000、エミリー番手#400およびエミリー番手
#150の3種類のエミリーペーパーでそれぞれの冷却
ロール表面を粗化した。図2にその結果を示したが、こ
の図から分かるように、エミリー番手#150で粗化さ
れたロールは、他のものに比較し節欠陥発生が極端に少
ないことが分かる。また、図3は、冷却ロールの冷却水
温差による節欠陥発生挙動の例を示したものであるが、
冷却ロールの冷却水温が40℃の場合には、冷却水温が
25℃以下とした場合に比較して、節欠陥発生が極端に
少なくなっていることが分かる。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように,本発明では単ロール
方による急冷凝固法により電磁材料に用いられるFe−
B−Si−X系合金の連続フィラメント箔の鋳造時に発
生する節欠陥に起因する破断・崩壊が皆無となり鋳造か
ら巻取り作業が安定して行うことが可能になった。
方による急冷凝固法により電磁材料に用いられるFe−
B−Si−X系合金の連続フィラメント箔の鋳造時に発
生する節欠陥に起因する破断・崩壊が皆無となり鋳造か
ら巻取り作業が安定して行うことが可能になった。
【図1】電磁材料用のFe−B−Si−X系アモルファ
ス合金急冷フィラメント箔の鋳造時に見られる節欠陥の
例および節欠陥が起点となる破断の例を示す。
ス合金急冷フィラメント箔の鋳造時に見られる節欠陥の
例および節欠陥が起点となる破断の例を示す。
【図2】冷却ロール面仕上げ粗さ別にフィラメント箔の
冷却ロール一周長幅に発生した節欠陥数との関係を示
す。
冷却ロール一周長幅に発生した節欠陥数との関係を示
す。
【図3】表面をエミリー番手#400で仕上げ粗化した
冷却ロールを冷却水温差よる節欠陥発生挙動を冷却ロー
ル一周長幅に発生した節欠陥数との関係を示す。
冷却ロールを冷却水温差よる節欠陥発生挙動を冷却ロー
ル一周長幅に発生した節欠陥数との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志田 悟 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 柚木園 邦裕 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 中村 忠雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 荒木 謙二 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (6)
- 【請求項1】 単ロールによる急冷凝固鋳造法によりア
モルファス連続フィラメント箔を製造する方法におい
て、Cu製あるいはAl製冷却ロ−ル表面を仕上げ粗さ
をエメリー番手で#240以下に粗化した冷却ロ−ルを
用いることを特徴とするアモルファス連続フィラメント
箔の製造方法。 - 【請求項2】 仕上げ粗さをエメリー番手で#80以下
に粗化した冷却ロ−ルを用いたことを特徴とする請求項
1記載の単ロール法によるアモルファス連続フィラメン
ト箔の製造方法。 - 【請求項3】 粗化した冷却ロ−ル表面にNiまたはF
e,あるいはこれ等の合金を10ミクロン以上の厚みで
メッキされた冷却ロ−ルを用いたことを特徴とする請求
項1記載の単ロール法によるアモルファス連続フィラメ
ント箔の製造方法。 - 【請求項4】 冷却ロ−ルの冷却水温を35℃以上にし
て鋳造することを特徴とする請求項1記載の単ロール法
によるアモルファス連続フィラメント箔の製造方法。 - 【請求項5】 注湯温度をスーパーヒート200℃以上
にして鋳造することを特徴とする請求項1記載の単ロー
ル法によるアモルファス連続フィラメント箔の製造方
法。 - 【請求項6】 アモルファス連続フィラメント箔が、F
e−B−Si系の合金であることを特徴とする請求項1
の単ロール法によるアモルファス連続フィラメント箔の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6569193A JPH06269909A (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | 単ロール法によるアモルファス連続フィラメント箔の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6569193A JPH06269909A (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | 単ロール法によるアモルファス連続フィラメント箔の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06269909A true JPH06269909A (ja) | 1994-09-27 |
Family
ID=13294297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6569193A Withdrawn JPH06269909A (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | 単ロール法によるアモルファス連続フィラメント箔の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06269909A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6146533A (en) * | 1998-08-31 | 2000-11-14 | Director-General Of Agency Of Industrial Science And Technology | Method of treating wastewater containing chemical substances by use of supercritical fluid and treating apparatus |
JP2007533459A (ja) * | 2003-10-03 | 2007-11-22 | ノベリス・インコーポレイテッド | 非鉄金属及び軽金属のベルト式鋳造方法並びにそのための装置 |
US10774404B2 (en) | 2017-03-13 | 2020-09-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Plurality of flaky magnetic metal particles, pressed powder material, and rotating electric machine |
-
1993
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