JPH06266779A - 制御装置 - Google Patents

制御装置

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JPH06266779A
JPH06266779A JP5080132A JP8013293A JPH06266779A JP H06266779 A JPH06266779 A JP H06266779A JP 5080132 A JP5080132 A JP 5080132A JP 8013293 A JP8013293 A JP 8013293A JP H06266779 A JPH06266779 A JP H06266779A
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JP5080132A
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English (en)
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Yasuharu Nanba
康晴 難波
Hiroyuki Kinukawa
博之 絹川
Hiroshi Tsuji
洋 辻
Satoru Wakayama
哲 和歌山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 日常的に使用している自然語を入力すること
により、制御対象機器の制御を行なう制御装置を提供す
る。 【構成】 自然語の音声入力(1)を音声認識して(2)、
認識結果に基づき語句情報テーブル10を参照して制御
対象機器の制御に係る語句を抽出し(3)、該語句により
制御情報テーブル11を参照して制御情報を求め(4)、
制限情報の付されていない制御情報から制御信号を生成
して(6)、制御対象機器あるいはデータベースに出力す
る(7)。データベースから応答信号があれば(13)、応
答情報テーブル12に格納し(14)、該応答情報により
制限情報の付された制御情報を補完して制御信号を生成
して(6)、制御対象機器に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御対象機器と人間と
のインタフェースを司る自然語インタフェースを具備す
る制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、操作する単一のシステムに対し
て、個々に操作指示を行っていた。
【0003】本発明に関する技術は、特開昭63−85
966「知的ワークステーション」として記載されてい
る。この文献では、「会議等の行事設定時にはデータベ
ースに登録された個人スケジュールに従って上記行事に
出席する各個人のスケジュールが調べられ、電話音声に
より該個人に対して行事の新規予約の確認、また予定変
更が要請される。そして個人からの電話音声による確認
または承諾の回答を音声認識し、その行事に出席するす
べての個人の確認または承諾が得られたとき、該行事を
設定登録し、同時に各個人のスケジュールに行事が登録
される。」と記載されている。また、特開昭63−22
3965「知的ワークステーション」では、「電話によ
る問合せに対してデータベースから案内図等の図形情報
が検索され、電話端末が画像データの通信機能を備える
場合には、上記図形情報が画像データとして応答出力さ
れる。また電話端末が画像データ通信機能を備えない場
合には、図形情報が解析されてその図形情報の内容を示
す文章データが作成される。そしてこの文章データが音
声合成されて応答出力される。」と記載されている。ま
た、特開昭64−2460「知的ワークステーション」
では、「電話回線を介して入力された音声情報に従って
データベースから検索抽出された文書情報を出力するに
際して、その文書情報の構成形式を出力端末の種別が判
定され、その結果に従って上記文書情報の出力形態を決
定するための問合せが音声メッセージによりなされ
る。」と記されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、電話
端末から会議の予定日時や出席者氏名などの単語を単純
に入力してデータベース検索を行う。具体的には、「山
田太郎さんの自宅までの案内情報の提供が要求されてい
る」ときに「案内」「自宅」「山田」「太郎」などを順
に入力しなければならない。このように従来技術では語
順や入力表現に強い制限があり、複合的な問合せや連携
操作を意味する柔軟な自然語文の解釈を行うことは困難
であった。また、上記従来技術は、初めて使用するシス
テムのコマンドを知らなくても従来のシステムのコマン
ドを入力することにより、初めて使用するシステムに対
する正しいコマンドの候補を提示する、とされている。
しかし、システムのコマンドは構文的な制限を伴ってお
り、もともとコマンドの書式自体に不慣れなユーザが入
力するのは困難であった。また、複数のシステムの連携
操作する手順(またはコマンド列)をユーザに提示する
ことはできなかった。本発明の目的は、無線送信機や電
話端末から自然語による操作指示命令を与え、制御対象
機器を遠隔操作することを可能とする制御装置を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、複数の制御対象機
器を操作する場合に、コマンドの書式に不慣れなユーザ
であっても自然語を用いることにより、それらの制御対
象機器を適切に使い分けたり、複数の制御対象機器を組
合せて連携操作したりすることにより、所望の操作指示
命令を実行可能とする制御装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本願明細書及び図面の記載
から理解されるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下のよう
にして達成される。
【0006】制御装置は、音声入力の内容を認識する音
声認識手段と、データベースと、制御対象機器の制御に
係る語句情報を格納した語句情報テーブルと該語句と前
記制御対象機器に対する制御情報との対応関係を格納し
た制御情報テーブルと前記データベースの検索結果を格
納する応答情報テーブルとを収容した記憶手段と、処理
装置を備え、前記処理装置は、音声認識手段による認識
結果に基づき語句情報テーブルを参照して制御対象機器
の制御に係る語句を抽出する手段と、該抽出された語句
に対応する制御情報を制御情報テーブルを参照して抽出
する手段と、該抽出された制御情報のうち制限情報の付
与されていない制御情報に基づき制御信号を生成して制
御対象機器あるいはデータベースに出力する手段と、デ
ータベースから応答があるとき応答情報を応答情報テー
ブルに格納する手段と、該応答情報テーブルに格納され
た応答情報により制限情報の付与されている制御情報を
補完し、該補完された制御情報に基づき制御信号を生成
して前記制御対象機器に出力する手段を備えるようにし
ている。さらに、前記制御対象機器の制御に係る語句を
抽出する手段が、形態素解析手段、構文解析手段、また
は意味解析手段の内、少なくとも一つを備え、語句の抽
出を行なうようにしている。
【0007】また、制御装置は、音声入力の内容を認識
する音声認識手段と、データベースと、制御対象機器の
制御に係る語句情報を格納した語句情報テーブルと意味
の解析を行なうための機能連鎖構造を格納した制御情報
テーブルと前記データベースの検索結果を機能連鎖構造
の表現で格納する応答情報テーブルとを収容した記憶手
段と、処理装置を備え、前記処理装置は、形態素解析手
段、構文解析手段、または意味解析手段の内、少なくと
も一つを備え、音声認識手段による認識結果に基づき語
句情報テーブルを参照して制御対象機器の制御に係る語
句を抽出する手段と、該抽出された語句に基づき制御情
報テーブルを参照して意味解析を行ない意味ネットワー
ク表現を探索し、該意味ネットワーク表現に基づき前記
抽出された語句に対応する制御情報を抽出する手段と、
該抽出された制御情報に基づき制御信号を生成して制御
対象機器あるいはデータベースに出力する手段と、デー
タベースから応答があるとき応答情報を機能連鎖構造の
表現で応答情報テーブルに格納する手段と、応答情報テ
ーブルに応答情報が格納されたとき、該応答情報により
前記意味ネットワーク表現を補完し、該補完した意味ネ
ットワーク表現に基づき前記抽出された語句に対応する
制御情報を抽出する手段と、該抽出された制御情報に基
づき制御信号を生成して前記制御対象機器に出力する手
段を備えるようにしている。さらに、意味解析結果であ
る意味ネットワーク表現を格納する記憶手段を備え、新
たな音声入力に対する音声認識結果に基づき記憶手段に
格納された意味解析結果を再解析するようにしている。
【0008】また、音声入力手段をマイクロホンとし、
該マイクロホンを無線通信機あるいは電話回線を介して
音声認識手段と結合し、制御対象機器を遠隔制御可能と
している。また、制御対象機器をVTR、テレビ、また
は、音声出力装置の少なくとも一つ以上の装置を組み合
わせとしている。また、音声認識手段の代わりに、文字
認識手段、キーボード入力手段、ボタン操作手段、ある
いは、メニュー選択手段の内少なくとも、一つ以上の手
段を設け、自然語の入力するようにしている。
【0009】
【作用】上記の手段により、日常的に使用している自然
語を入力することにより、該入力から制御対象機器に関
係する語句が抽出され、抽出された語句に基づき制御情
報テーブルから制御情報が求められ、この制御情報に対
応する制御信号が生成され、この制御信号により制御対
象機器の制御が行なわれる。また、自然語入力により、
制御対象機器を遠隔操作することが可能である。また、
自然語入力により、複数の制御対象機器を組合せて連携
操作することが可能である。
【0010】
【実施例】以下、本実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。本実施例は、本発明を電話端末と音声認識装置とデ
ータベースシステムとVTRと音声合成装置とに接続し
ている計算機システムに適用した場合のものである。本
実施例においてはデータベースシステムとVTRと音声
合成装置を制御対象機器と呼ぶ。また、VTRにはその
出力映像を表示するためにテレビを接続する。ここでデ
ータベースシステムにはビデオテープに録画済みの映像
のデータ情報(ビデオテープの再生開始アドレスや映像
の内容梗概)を予め格納しておく。本発明を適用しない
場合は、データベースの情報を取り出して、VTRを動
作させるためには、それぞれ別個に操作しなければなら
ない。すなわち、データベースを検索し、ユーザが所定
のVTR操作手順に従って、データベース検索結果を埋
込ながら操作していかなければならない。用意された言
語やコマンドのことを本明細書中の説明では操作指示言
語と呼ぶ。また、本実施例では、操作手順(ボタンなど
の押下順序)は、1対1対応の操作指示言語として相互
変換可能であるとする。本実施例において、ユーザから
発せられる音声による自然語文は、主として操作を指示
する文(データベースやVTRなどの動作を指示する
文)である。たとえば、ユーザの観点からのVTRの操
作「貴花田が見たい。」(「貴花田」は相撲の力士名で
ある)なども、この操作指示に含まれる。
【0011】図1は、本発明の実施例における処理の概
要を示す。最初に、入力装置から自然語文を入力する
(ステップ1)。例えば、「貴花田が見たい。」とユー
ザが電話端末の受話器に発声する。次に、入力された音
声を基に、音声認識し、対応する記号列に変換する(ス
テップ2)。例えば、音声の音素やアクセントやイント
ネーションのマッチングを音声認識装置が行い、対応す
る自然語文字列「貴花田が見たい。」を出力する。音声
認識装置は、音声に対して1対1の記号列を出力すれば
良く、「タカハナダガ...」や「takahanad
aga...」や「abcdef...」であっても構
わないし、さらにこの出力をワープロで使われているか
な漢字変換処理を施した結果「貴花田が...」であっ
ても構わないが、以下の処理の説明上、かな漢字混じり
文を出力するものとする。また、音声認識装置は、記憶
領域(バッファ)に情報を蓄えることができるので、ユ
ーザが一音ずつまたは一単語ずつ区切って発声した入力
であっても上記記号列を出力することができる。記憶領
域(バッファ)については、当業者においては周知の技
術であるので、詳細な説明は要しないであろう。さら
に、また、音声認識装置は入力に応じて一単語ごとに対
応する記号列を出力しても構わない。次に、入力された
自然語文字列を基に、予め用意した語句情報テーブル1
0(具体的には、図3を参照)を用いて、制御対象機器
に関係する語句を抽出する(ステップ3)。語句の抽出
は、簡易には、入力自然語文字列と語句情報テーブル1
0の語句の表記(見出し)との文字列照合で達成され
る。
【0012】次に、ステップ3で抽出された語句に対応
する制御情報を、予め用意した制御情報テーブル11
(具体的には、図4を参照)を用いて、制御情報に変換
する(ステップ4)。制御情報は、制御信号を出力する
制御対象機器を識別する情報と、その制御対象機器への
操作指示内容である制御信号の情報と、他の制御情報の
出力に関する制限情報と、である。制御情報への変換
は、簡易には、抽出された語句に対応する制御情報を制
御情報テーブル11から取得することで達成される。制
御情報の一部をテンプレートのスロットとして抽象化し
ておき、実行するタイミングに応じて適宜そのスロット
の値を具体化することは構わない。例えば、上記自然語
による操作指示からは、(1)制御対象機器であるデー
タベースシステムに対して「力士名が貴花田」という検
索条件で「VTR制御用開始アドレス」を検索する操作
指示言語(例えば、リレーショナルデータベースシステ
ムにおけるSQL(structured query
language))と、(2)制御対象機器である
VTRに対して「開始アドレス値より再生する」に相当
する操作指示言語(具体的なコマンドの例は、後述す
る)と、(3)制御対象機器である音声合成装置に対し
て「少々お待ち下さい」という自然語文に相当する操作
指示言語(具体例は後述する)とに変換する。このよう
に、入力自然語文に応答して、複数の制御対象機器(あ
るいはシステム)を連携して制御する操作指示言語を出
力する。ここで、VTRを制御する制御信号(あるいは
コマンド)中には「開始アドレス値」というデータベー
スの検索結果に依存する箇所があるが、ここはスロット
値としておき、実際にVTRに信号を出力するときに
は、データベースからの検索が終わった後にその検索結
果に基づいてスロット値を埋めてから出力する。このた
め、制御情報における「出力に関する制限情報」(図4
の制御情報テーブル11における35)にはデータベー
スの制御が終了した後にこの制御情報を出力する旨が与
えられる。
【0013】次に、ステップ4で得られた制御情報と接
続しているシステムからの応答情報を格納する応答情報
テーブル12(具体的には、図5、図7を参照)とに基
づいて、それぞれ制御情報における「出力に関する制限
情報」35を参照し出力すべき制御信号があるかどうか
判断する(ステップ5)。出力すべき制御信号がある場
合はステップ6に、ない場合はステップ8に分岐する。
具体例では、データベースの検索命令と音声合成装置へ
の音声出力命令が出力すべき制御信号であり、VTRの
制御信号はデータベースの検索が終了していないので、
出力すべき制御信号ではないと判断される。なお、「出
力に関する制限情報」35において制御情報の出力が順
序的に(すなわち並列的ではなく)制御して構わない場
合または順序に非依存な場合には、ステップ5の判断を
飛ばして、各制御情報ごとに順にステップ6へ分岐して
処理することができる。ただし、一般には制御は順序に
依存するので、並列的に制御信号が出力可能(これは、
すなわち、制御対象機器が実行可能であることを意味す
る)な状況であるかどうか(ステップ5)を判断する方
が望ましい。
【0014】ステップ5で出力すべき信号がある場合は
ステップ4で得られた制御情報から制御信号を生成する
(ステップ6)。すなわち、ステップ4で得られた制御
信号情報(図4の制御情報テーブル11における34)
がスロットを含む場合は、応答情報テーブル12を参照
してスロット値を代入し、これを制御信号とする。ステ
ップ4で得られた制御信号情報34がスロットを含まな
い場合は、これをそのまま制御信号とする。ステップ6
で生成した制御信号は、それぞれ対応する制御対象機器
へ出力する(ステップ7)。なお、制御対象機器はステ
ップ6によって出力された制御信号に基づいて制御され
る。ステップ5で出力すべき信号がない場合は、一連の
処理を終了すべきかどうか判断する(ステップ8)。終
了しない場合は処理をステップ5に分岐する。
【0015】また、ユーザからの音声入力が繰り返され
るならば、それらの入力に対応して、以上の一連の処理
を繰り返す。
【0016】語句情報テーブル10は、制御に関する語
句の表記(図3の語句情報テーブル10における30)
(すなわち辞書における見出し)と意味ラベル(図3の
語句情報テーブル10における31)とを格納したテー
ブルである。単純な文字列照合のみにより語句の抽出を
行う場合は、これだけでよい。形態素解析、構文解析、
意味解析などの高度な自然言語処理を行う場合について
は、後述する。制御情報テーブル11(図4を参照)は
語句情報テーブル10(図3を参照)の意味ラベル31
に対応する制御情報を格納したテーブルである。制御情
報は、制御信号を出力する制御対象機器を識別する情報
(具体的には制御対象機器名やIDなど)と、その制御
対象機器への操作指示内容である制御信号の情報と、他
の制御情報との出力に関する制限情報と、である。多義
解消、意味解析、談話解析などの高度な自然言語処理を
行う場合は後述する。また、入力自然語文に熟語(複数
の単語の共起により、それぞれの単語見出しから得られ
る意味とは異なる意味になるもの)を含む場合は、複数
の見出しから1つの制御情報へ変換する。このことをお
こなうには、見出し中に単語を併記し(「貴花田,
見」)、それらの単語すべてを含む文が入力されたとき
に対応する制御情報を出力するようにする(以下、この
方法の場合を説明する)。または、代案としては、熟語
表記そのもの(「貴花田が見たい」)を見出しとして用
意することも考えられるがシステムが複雑になると登録
すべき見出しの数が組合せ的に増えるために、限定され
たシステムの場合以外は有効ではない。さらなる代案と
しては、または、各見出しに関係する見出しへのリンク
を張って例外措置を講じてもよい。応答情報テーブル1
2は、制御情報と接続しているシステムからの応答情報
を格納するテーブルである。応答情報は、応答信号を出
力した制御対象機器を識別するための情報(具体的には
制御対象機器名やIDなど)と、その制御対象機器から
の応答信号の情報と、である。これらの情報は、ステッ
プ14において応答情報テーブル12へ格納される。
【0017】以上の語句情報テーブル10、制御情報テ
ーブル11、応答情報テーブル12は、機能連鎖構造
(後述)を用いれば、同一の意味ネットワーク表現形式
で管理するのが可能であり、その場合は統一したデータ
管理が可能となる。この場合は、もちろん、敢えて呼び
名(語句情報テーブル、制御情報テーブル、応答像法テ
ーブル)を異にする必要はない。ただし、語句情報テー
ブル10は他の制御情報テーブル11や応答情報テーブ
ル12とは異なり大規模であり、また、そこに格納され
るデータに対するアクセス頻度が比較的少ないため、特
別に割り当てた記憶装置(ハードディスク)を使用する
方が、主記憶を利用するより計算機資源を有効活用でき
るという理由から同一の意味ネットワーク表現形式を用
いない方が望ましい。なお、意味ネットワーク表現形式
は後述の説明の都合上使用するが、論理的にはテーブル
表現で代替可能であり、計算機の内部ではテーブルとし
て扱って構わない。
【0018】別プロセス(あるいはユニックスにおける
デーモン)において、制御対象機器からの応答信号に対
応する。すなわち、格納すべき制御対象機器からの応答
情報があるかどうか判断する(ステップ13)。格納す
べき応答情報がある場合は処理をステップ14に、ない
場合は処理をステップ13に分岐する。格納すべき処理
がない場合はある程度の時間をおいてからステップ13
の判断を行う方が、計算機への負荷が軽くなるので望ま
しい。なお、本実施例では、各制御対象機器の非同期的
な応答に対処するためにステップ13及びステップ14
は別プロセスとしているが、制御対象機器からの応答を
適当なバッファに蓄積しておき、適当なタイミング(例
えば、ステップ5の直前など)にステップ13及びステ
ップ14を行うことによって、マルチプロセス(あるい
はマルチタスキング)が行えない計算機環境でも本発明
を実施することは可能である。ステップ13で格納すべ
き応答情報がある場合、応答情報を応答情報テーブル1
2に格納する(ステップ14)。具体例では、データベ
ースの検索が終了した際に、検索の成否および検索が成
功した場合には検索結果のテーブルを応答してくる。と
はいえ、検索の成否と検査結果のテーブルは一度に返さ
れる必要は必ずしもない。また、検索結果をテーブル形
式ではなく(単一の)セルデータで返す場合もある。こ
の場合は、ステップ4で生成する制御情報において、
(1)の代わりに、(4)検索条件と検索命令のための
操作指示言語と(5)検索結果を逐次一つずつ問合せる
ための操作指示言語を順に生成するように制御情報テー
ブル11に記述しておけばよい。
【0019】図2は、本実施例におけるハードウェア構
成図である。プロセッサ15と、それに接続する記憶装
置16、音声入力装置(電話端末の受話器やマイクロホ
ンなど)17、音声認識装置18、データベースシステ
ム19、VTR20、テレビ21、音声合成装置22及
び音声出力装置23とから構成される。また、各装置を
接続する場合、通信用モデムや通信回線を介して接続す
ることは構わない。通信用モデムや通信回線、あるいは
それらを使用する上で必要な通信規約(プロトコル)に
ついては、周知の技術を用いればよいので、本明細書に
おいては詳細な説明を省く。なお、音声入力装置17と
音声認識装置18とが装置上組み合わされていても構わ
ない。同様に音声合成装置22と音声出力装置23とが
組み合わされていても構わない。また、データベースシ
ステム19、音声認識装置18、音声合成装置22の全
部または一部を計算機内部のソフトウェアとして記憶装
置16に格納しても構わない。また、接続する制御対象
機器としては、データベースシステム19、VTR20
及び音声合成装置22の他に、意思決定支援システム、
エキスパートシステム、オペレーティングシステム、ス
ケジュール管理システムなどと接続しても良い。記憶装
置16には、自然語解析プログラム24、ワークエリア
25、語句情報テーブル10、制御情報テーブル11、
応答情報テーブル12が格納される。
【0020】図2及び以上の簡単な説明から、当業者で
あれば、本発明を実施するためのハードウェアは計算機
であれば良いことに気付くであろう。大型の計算機に限
らず、ワークステーションやパーソナルコンピュータと
呼ばれるものであっても良い。自然語解析プログラム2
4が実行できれば良く、語句情報テーブル10、制御情
報テーブル11、応答情報テーブル12及びワークエリ
ア25は記憶できれば良く、その実行や記憶のための計
算機がそれぞれ別にあって、それらの計算機が接続され
ている分散システムの計算機構成であっても良い。計算
機間の接続は、記憶媒体を介して機能的に接続したもの
であっても良いが、本発明の性質上、好ましくはない。
【0021】ここで、自然語解析プログラム24は、図
1に示すステップ1から始まる一連の処理を実行するプ
ログラムである。また、ステップ1、2、3、4、5、
6、7、及び、8の処理を実行するプログラムと、ステ
ップ13、及び、14の処理を実行するプログラムは、
マルチプロセス(マルチタスキング)を用いて、それぞ
れの処理を各プロセスで実行するソフトウェア構造とし
ても良い。また、データベースシステム19、音声認識
装置18、音声合成装置22の全部または一部をソフト
ウェアプログラムとして実行する場合、ステップ7の制
御信号の出力に対応して処理を実行しても良いが、プロ
グラム構成上(開発効率や実行効率の観点で)、実際に
実行するプロセス(タスクまたはプログラム)に実行の
景気を与える(起動する)処理を実行しても良い。な
お、自然語解析プログラム24におけるステップ7の意
味は、その制御信号の出力とそれに伴う実行の開始を意
味し、その終了を必ずしも意味している訳ではない。
【0022】図3は、本実施例における語句情報テーブ
ル10の具体例である。語句情報テーブル10は、制御
に関する語句の表記30(すなわち辞書における見出
し)と意味ラベル31とを格納したテーブルである。具
体的には、データベース制御に関する語句30の「貴花
田」に対応して意味ラベル31の「貴花田」が、VTR
制御に関する語句30の「見」及び「再生」に対応して
意味ラベル31の「VTR再生」が格納されている。
【0023】この例のように、語句の表記30と意味ラ
ベル31とが、まったく同じ文字列であっても構わな
い。この場合、以下の処理説明における意味ラベル31
では語句の表記30を代用することができ、語句情報テ
ーブル10に登録するデータの量を減らすことができ
る。また、複数の語句の表記30(上の例では「見」と
「再生」)が、1つの意味ラベル(上の例では「VTR
再生」)に対応しても構わない。この場合は複数の語句
の表記30がステップ4以下の処理では同じ扱いを受け
ることを示し、これにより、異なる表現(または異表
記)の同義語に対しては、制御情報テーブル11に登録
するデータの量を減らすことができる。また、意味ラベ
ル31は、「A001」のような単なる識別記号でも構
わない。分かり易くするため、上記のような意味ラベル
を使用して説明することにする。
【0024】図4は、本実施例における制御情報テーブ
ル11の具体例である。制御情報テーブル11は、意味
ラベル31と1対1対応する意味ラベル32と、制御対
象機器名33と、制御信号情報34と、出力に関する制
限情報35とを格納したテーブルである。具体的には、
意味ラベル32の「貴花田」に対応して、制御対象機器
名33の「データベース」、制御信号情報34の「se
lect 開始アドレス値 from 大相撲録画テー
ブル where 力士名=”貴花田”」、さらに、制
御対象機器33の「音声合成装置」、制御信号情報34
の「ショウショウオマチクダサイ」が格納されている。
この例のように、1つの意味ラベル32(上の例では
「貴花田」)に対して、制御対象機器名33と制御信号
情報34と出力に関する制限情報35とによる組みが複
数対応しても構わない。この場合は、意味ラベル32の
「貴花田」に対応して、複数の制御信号が並列に処理可
能であることを示す記述である。もちろん、この複数の
制御信号を並列的ではなく逐次的に実行することは構わ
ない。また、意味ラベル32に「VTR再生」に対応し
て、制御対象機器名33の「VTR」、制御信号情報3
4の「JP(開始アドレス値)」および「PL(pla
y)」、出力に関する制限情報35の「データベース検
索終了」が格納されている。
【0025】図5は、本実施例における応答情報テーブ
ル12の具体例である。応答情報テーブル12は、応答
情報スロット名36と、応答情報スロット値37とを格
納したテーブルである。具体的には、応答情報スロット
名36の「データベース検索終了」に対応して応答情報
スロット値37の初期値として「未終了」が、応答情報
スロット値36の「開始アドレス値」に対応する応答情
報スロット値37の値は格納されていない。図6は、本
実施例におけるデータベースシステム19に格納されて
いるテーブルの具体例である大相撲録画テーブル38で
ある。大相撲録画テーブル38は、力士名39と、開始
アドレス値40とを格納したテーブルである。具体的に
は、力士名39の「貴花田」に対応して、開始アドレス
値40の「305」が格納されている。
【0026】以下では、図1〜図7を用いて、本実施例
をさらに具体的なデータに基づいて、処理の内容を詳細
に説明する。本実施例におけるプロセッサ15及び記憶
装置16はワークステーションを用いる。具体例として
クリエイティブワークステーション2050(日立製作
所製)、データベースシステム19はワークステーショ
ン上のソフトウェアとして接続したリレーショナルデー
タベースシステムRDB2(日立製作所製)、VTR2
0は制御信号を用いて制御可能な装置として説明する。
なお、音声入力装置17の電話受話器、VTR20に接
続するテレビ21、音声出力装置23のスピーカは周知
のものを使用すればよく、特に説明を必要としないであ
ろう。なお、音声認識装置18は、音声に基づく信号に
対応して所定の信号を出力する装置であり、音声合成装
置22は、制御信号に対応して音声を出力する装置であ
る。とはいえ、本発明は音声を入力し、制御信号を出力
することが特徴であるため、上記装置は所定の機能を具
備すれば良く、他の製品でも代替可能である。例えば、
性能と生産コストの都合から、音声認識装置からイント
ネーションの解析機能を、音声合成装置からアクセント
の付与機能を取り除いた装置であっても本発明を実施す
ることは可能である。また、同じ理由により、本発明
は、エアコンや電子レンジにように制御信号に基づいて
制御されている装置に適用可能である。このように適用
可能であることは、以下の説明よって明らかになるであ
ろう。
【0027】初めに、電話受話器により、音声で「貴花
田が見たい。」と入力する(ステップ1)。音声の入力
には電話受話器を用いずに、マイクロホンを用いてもよ
い。次に、ステップ1によって入力した音声を音声認識
装置により対応する記号列に変換する。ここでは、自然
語文「貴花田が見たい。」を出力すると仮定する。音声
入力装置と音声認識装置は物理的に組み合わされたもの
でも構わない。広く普及している電話受話器を使用する
場合は、音声認識装置を別装置として提供した方が望ま
しい。この場合、各電話受話器ごとに音声認識装置を接
続しても良いし、以下のステップを実行する計算機に接
続する形態をとっても差し支えない。また、音声認識の
方法は、ユーザが音素単位、単語単位、文節単位または
文単位に区切って入力してもよい。この場合、音声認識
装置は、その前処理あるいは記号列になった後の後処理
として、データをバッファに蓄えることによって、最終
的に自然語文「貴花田が見たい。」と等価な出力を得る
ことができる。また、音声認識の結果が発音記号やロー
マ字やかなである場合は、適宜かな漢字変換を行っても
良い。とはいえ、かな漢字混じりの自然語文に直すこと
は本発明においては本質的なことではなく、単に、語句
情報テーブル10の語句の表記30とマッチング可能な
記号列であればどのような文字列であっても構わない。
音声認識装置は、(市販されているような)周知の装置
を使って構わない。とはいえ、機能的に同質な装置であ
れば、すなわち、複数の異なる音声波形に応じて、異な
る記号列を出力する装置であれば、本発明を実施するの
に十分であることは明らかであろう。後の説明から明ら
かになるが、このステップ2は必ずしもこの文字列を出
力する必要はない。すなわち、「貴花田見た」のように
「が」や「い。」を除いた文の断片(フラグメント)
や、「えーと、貴花田を再生しろ。」のような別表現が
出力されても以下の処理を続けることができる。このこ
とは、すなわち、音声が弱いために聞き取れない場合
や、入力文に未知なる単語が含まれている場合や、文法
的に非文である場合であっても、本発明が使用できるこ
とを意味している。
【0028】次に、ステップ3によって、ステップ2で
入力された自然語文字列「貴花田が見たい。」を基に、
図3に示されるような予め用意した語句情報テーブル1
0を用いて、制御対象機器に関係する語句を抽出する。
具体的には、語句の表記30のそれぞれの文字列(すな
わち、「貴花田」、「見」、「再生」)が、入力自然語
文字列「貴花田が見たい。」に含まれるかどうか文字列
探索する。探索の結果、照合した語句の表記30の文字
列(すなわち、「貴花田」、「見」)に対応する意味ラ
ベル31(すなわち、「貴花田」、「VTR再生」)を
ステップ3の出力とし、ワークエリアに記憶しておく。
語句の表記30の数が多くなると本来照合されるべきで
はない語句の表記30が照合してしまうことがある。例
えば、入力自然語文に「発見」という文字列があると、
語句の表記30の「見」が照合する。このような場合、
本ステップのアルゴリズムの代わりに、入力文に対し形
態素解析や構文解析を行うことによって、自然語解析精
度を高めても構わない。
【0029】次に、ステップ4によって、ステップ3で
抽出された意味ラベル31(すなわち、「貴花田」、
「VTR再生」)に対応する制御情報を、図4に示され
るような予め用意した制御情報テーブル11を用いて、
制御情報に変換する。すなわち、、意味ラベル31「貴
花田」からは、制御情報(1)と、制御情報(2)が得
られる。すなわち、制御情報(1)は、制御対象機器名
33の「データベース」、制御信号情報34の「sel
ect 開始アドレス値 from大相撲録画テーブル
where 力士名=”貴花田”」であり、制御情報
(2)は、制御対象機器33の「音声合成装置」、制御
信号情報34の「ショウショウオマチクダサイ」であ
る。また、意味ラベル31「VTR再生」からは、制御
情報(3)、すなわち、制御対象機器名33の「VT
R」、制御信号情報34の「JP(開始アドレス値)」
及び「PL(play)」、出力に関する制限情報35
の「データベース検索終了」が得られる。なお、VTR
を制御する制御信号情報34の中には「開始アドレス
値」というデータベースの検索結果に依存する箇所があ
るが、これはスロットであり、このスロットに実際の値
を代入する処理はステップ6(後述)において行われ
る。また、制御情報(3)の制御信号情報34は、2つ
の信号からなる(すなわち、「JP(開始アドレス
値)」と「PL」)が、これらの制御信号を、制御情報
(3)に基づいて制御する際にこの順に制御対象機器
(すなわち、VTR)へ出力する。
【0030】次に、ステップ5によって、ステップ4で
得られた制御情報(1)〜(3)における出力に関する
制限情報35と、応答情報テーブル12とに基づいて、
出力すべき制御信号があるかどうか判断する。具体的に
は、制限の課せられていない制御情報(1)と(2)は
出力するとし、制限が課せられている制御情報(3)に
ついては、図5の応答情報テーブル12を参照し、この
応答情報テーブル12の応答情報スロット名36の「デ
ータベース検索終了」の値が「未終了」であることから
出力すべきではないことを判断する。すなわち、制御情
報(1)と(2)についてはステップ6に分岐し、制御
情報(3)についてはステップ8に分岐する。なお、制
御情報(1)〜(3)について、並列的に処理を行って
構わない。後の説明で明らかになるが、本実施例におい
ては、制御情報(3)に対する処理は、結果的に、制御
情報(1)の結果に基づいて処理されるので、制御情報
(1)の後にシーケンシャルに処理が行われていても差
し支えない。また、並列的な処理系ではない場合に、制
御情報(1)と(2)に対する処理はどちらを先に行っ
ても良い。本発明によれば、制御情報(3)の後に制御
情報(2)を処理することも可能だが、制御の趣旨から
言うと望ましくはない。というのは、制御情報(1)は
一般に制御時間のかかるデータベースの制御であり、制
御情報(2)はこれにともない、ユーザに時間のかかる
旨(「少々お待ち下さい。」)を音声で伝えるためのも
のであるからである。従って、すべてをマルチプロセス
(またはマルチタスキング)が不可能な処理系では制御
情報(2)、(1)、(3)の順で行われることが望ま
しい。
【0031】制御情報(3)に関してステップ8へ分岐
した場合は、まず、ステップ8において、一連の処理を
終了すべきか判断する。具体的には、まだ出力されてい
ない制御情報があるので、終了すべきではないと判断
し、ステップ5に分岐する。次に、ステップ5におい
て、さらに出力すべき制御信号があるかどうか判断す
る。具体的には、まだ出力が済んでいない制御情報
(3)については、図5の応答情報テーブル12を参照
し、この応答情報テーブル12の応答情報スロット名3
6の「データベース検索終了」に対応する応答情報スロ
ット値37が「未終了」であることから出力すべきでは
ないことを判断する。これにより、ステップ8に分岐す
る。以上の説明から分かる通り、制御情報(3)に関し
ては、応答情報スロット値37が更新されないかぎり、
ステップ5とステップ8を繰り返すことになる。処理
上、このステップを繰り返しても良いし、一時的にこの
ステップを中断しておき応答情報スロット値37が更新
されたときにこのステップを再開しても良い。
【0032】さて、ステップ6に分岐した制御情報
(1)及び(2)の処理の流れの説明を続ける。ステッ
プ6において、制御情報(1)及び(2)の制御信号情
報34にはスロットがないのでなにも行わない。次に、
ステップ7において、制御情報(1)に対してはデータ
ベースシステム19に対して、制御信号情報34「se
lect 開始アドレス値 from大相撲録画テーブ
ル where 力士名=”貴花田”」が出力される。
この制御信号情報は一種のSQL(Structure
d Query Language)であり、これに基
づいてデータベースシステム19は、大相撲録画テーブ
ル38から、力士名39が「貴花田」であるようなレコ
ードデータの開始アドレス値40を検索し、データベー
ス検索終了の信号と開始アドレス値40の「305」と
を返す。これらのデータベースシステム19の実現方式
は周知の技術を利用して構わない。データベースシステ
ムの種類によっては、返り値が、レコード件数であった
り、テーブル形式のデータであったり、あるいは、オペ
レーティングシステム等におけるファイルにデータを格
納するだけであったりするが、それらの形態に応じて上
記と同等の応答を返すことは、非常に容易なプログラム
(または装置)で実現できるので、敢えて、ここでの説
明は要しないであろう。
【0033】また、ステップ7において、制御情報
(2)に対しては音声合成装置22に対して、制御信号
情報34「ショウショウオマチクダサイ」が出力され
る。これに基づいて、音声合成装置22は、音声出力装
置へ対応する音声を出力する。音声合成装置22は、制
御信号情報34に対応してアクセントやイントネーショ
ンや適切な休止を加えても構わない。また、音声合成装
置22は、規則音声合成装置が望ましいが、制御信号情
報34「ショウショウオマチクダサイ」に対応して予め
録音してある音声を出力する録音合成装置やテープレコ
ーダーなどであっても構わない。
【0034】制御対象機器からの応答信号に対応する別
プロセス(あるいはユニックスにおけるデーモン)の処
理を説明する。ステップ13において、格納すべき制御
対象機器からの応答情報があるかどうか判断する。具体
的には、上記制御情報(1)に対応するデータベースシ
ステム19からの応答があるまでは、ステップ13にお
いて、格納すべき制御対象機器からの応答情報はないと
判断し、ステップ13へ分岐する。すなわち、ステップ
13の判断処理を繰り返している。上記制御情報(1)
に対応するデータベースシステム19からの応答があっ
たときは、これが格納すべき制御対象機器からの応答情
報であるとして判断し、ステップ14へ分岐する。ステ
ップ14において、上記データベースシステム19から
の応答情報を応答情報テーブル12に格納する。具体的
には、応答情報であるデータベース検索終了の信号と開
始アドレス値40の「305」とに対して、応答情報テ
ーブル12における応答情報スロット名36の「データ
ベース検索終了」に対応する応答情報スロット値37に
「終了」を格納し、応答情報スロット名36の「開始ア
ドレス値」に対応する応答情報スロット値に「305」
を格納する。図7は、このときの応答情報テーブル12
である。
【0035】従って、ステップ5とステップ8の間を繰
り返している制御情報(3)におけるステップ5におい
て、制御情報(3)における出力に関する制限情報35
と、上記のように更新された応答情報テーブル12とに
基づいて、出力すべき制御信号があるかどうか判断す
る。図7の応答情報テーブル12を参照し、この応答情
報テーブル12の応答情報スロット名36の「データベ
ース検索終了」の値が「終了」であることから制御情報
(3)を出力すべきであると判断する。
【0036】次に、ステップ6において、制御情報
(3)の制御信号情報34の「JP(開始アドレス
値)」には、スロットがあるので、応答情報テーブル1
2を参照してスロット値を代入する。具体的には、制御
信号情報34に含まれているスロットの名称(すなわ
ち、開始アドレス値)と照合する応答情報スロット名3
6の「開始アドレス値」に対応する応答情報スロット値
37(すなわち、「305」)を、制御信号情報の該ス
ロットの位置と置換する。すなわち制御情報(3)の制
御信号情報34として「JP305」を得る。次に、ス
テップ7において、制御情報(3)に対してはVTR2
0に対して、制御信号情報34「JP305」及び「P
L」がこの順にが出力される。VTR20は、「JP3
05」に対応して、対応する開始アドレス(すなわち、
予めビデオテープに割り振られているアドレス305の
位置)へビデオテープを合わせ、「PL」に対応して再
生を開始する。
【0037】次に、ステップ5において、さらに出力す
べき制御信号があるかどうか判断する。具体的には、す
べての制御情報を出力したので、出力すべき制御信号は
ないと判断し、ステップ8に分岐する。次に、ステップ
8において、すべての制御情報を出力したので、出力す
べき制御信号はないと判断し、一連の処理を終了する。
また、ユーザからの音声入力が繰り返されるならば、そ
れらの入力に対応して、以上の一連の処理を繰り返す。
【0038】以上のようにして、音声による自然語文を
解析し、それに基づいてユーザと離れた場所に位置する
複数の制御対象機器を連動させて遠隔操作する制御装置
(例:リモコン)が提供可能となる。また、本実施例で
述べたように、「貴花田が見たい。」のように、必ずし
も複数の制御対象(すなわち、データベースとVTR)
が明示されていない音声入力に対しても、その制御対象
を特定し、所定のシーケンスで制御する制御装置が提供
可能となる。
【0039】以下では、前述の実施例の変形例として、
さらに、高度な自然語処理を行う場合いについて、図8
〜図29を用いて詳しく説明する。図8において、図1
から図7までの図面と同じ参照番号は同じものを示す。
ここでは、前述の実施例と大きく異なるところは、ステ
ップ3、ステップ4、および、ステップ6の代わりに、
ステップ41〜ステップ46で処理されるところにあ
る。これにより、高度な自然語解析処理を実現したり、
すでに解析した文を再解析することで、より適切な制御
を行うことができたり、すでに実行した操作に対して、
それを補正(または訂正)する操作を追加したりするこ
とができる。すなわち、ステップ41において、形態素
解析や意味解析など高度な自然語解析を行う。ステップ
42において、自然語解析された文の意味に基づいて、
それまでに入力された文を再解析する必要があるかどう
か判断する。再解析する必要がある場合は、ステップ4
3に分岐する。再解析する必要がない場合は、ステップ
44に分岐する。例えば、「いいえ」などの否定応答文
や、「もう一度解析しろ」などの再解析を指示する操作
指示文や、「ただし、去年の相撲である」などの条件を
追加する文や、「千秋楽と15日目とは同義語で扱
え。」などの知識を追加する文を指す。
【0040】なお、これらの文を解釈した場合は、否定
応答文や再解析を指示する操作指示文のときは、前の文
の意味解析結果の次候補を探索する。すなわち、終了条
件(後述)である探索経路の距離の延長または評価得点
基準の緩和によって、別の解析候補を見つけることが可
能である。条件や知識を追加する文のときは解析の結果
得られた機能連鎖構造を、ただちに制御情報テーブル1
1に格納し、この知識も含めて、前の文を再度解析す
る。これらの処理を行うための処理手順(例えば、前の
文とその解析結果を履歴として保持し、必要に応じてメ
モリ上に再び呼び出す処理など)や、個々の知識記述方
法(後述する具体例とほぼ同様な意味構造変換規則な
ど)についての具体的な説明は省略するが、当業者によ
れば、以下の詳細な実施例から容易に類推ができるであ
ろう。
【0041】ステップ43において、処理すべき文を語
句情報テーブル10(または、制御情報テーブル、また
は、応答情報テーブル12)を参照して再解析する。ス
テップ43における自然語解析の処理手順はステップ4
1のものと同一の方法で処理することは構わない。ステ
ップ44において、ステップ41およびステップ43で
解析された結果を、応答情報テーブル12を参照するこ
とでさらに更新する必要があれば、ステップ45へ分岐
し、そうでなければ、ステップ5へ分岐する。ステップ
45では、応答情報テーブル12を参照し、ステップ4
1で得られた意味表現を更新する。ステップ46におい
ては、制御情報テーブル11や応答情報テーブル12に
おいて、より汎用的な知識記述(後述の機能連鎖構造)
に対応するために、具体化用関数(具体例は後述)を用
意し、その関数の評価を行う。以下の処理ステップにお
いて、高度な自然言語処理を達成するために必要な意味
表現形式(または、知識表現形式)である機能連鎖構造
について、先に説明しておく。なお、機能連鎖構造に関
する説明は、特願平4ー152946号の明細書に詳細
に記載されている。
【0042】図9に示す機能連鎖構造の基本構造は、機
能を示すノード100の子ノード101がその機能10
0への入力データや条件に関するノード(入力1から
n)であり、機能を示すノード100の親ノード102
がその機能からの出力のデータや条件に関するノード
(出力1からm)である。図中、ノードは四角形(入力
データや条件に関するノード)、または、六角形(機能
を示すノード)で囲んで表現し、ノードの関係を子ノー
ドから親ノードに向かう有向リンクでつないで表現して
いる。以下では、機能を示すノードの一種で、特に操作
指示の機能を示すノードを操作指示ノードということが
ある。ある機能Aの出力結果が他の機能Bの入力データ
または入力条件となるということを表現するとき、その
機能Aの出力結果のノードを機能Bの入力データまたは
入力条件のノードとすることで表現する。機能連鎖構造
を表現するために、木構造や意味ネットワークなどのグ
ラフ構造を用いても良い。なお、処理の都合上、実際の
機能連鎖構造の中に、ルートノード(根ノード)を設け
たり、あるノードを修飾限定するノードを設けたりする
ことがある。各ノードは、次のような情報を持ってい
る。それは、ノード識別のためのノードID(識別
子)、(2)他のノードのリンク関係に関する情報、及
び、(3)そのノード自体の用途を示すアトリビュート
(属性)等である。さらに、次のような情報を持つ場合
がある。(4)自然語表現に関する情報、(5)付属語
に関する情報、(6)機能ラベルに関する情報、また
は、これらの情報(データ)が意味する意味ラベルに関
する情報、(7)与えられた自然語文の表記上の位置に
関する情報、(8)これらの情報(データ)に付随する
範囲に関する情報、(9)これらの情報(データ)の、
対応する自然語文中における格関係に関する情報、等で
ある。さらに、(10)ノードのもともと属する機能連
鎖構造のID,(11)(10)の機能連鎖構造のタイ
プ(すなわち、機能連鎖構造が意味構造を変換する規則
として使われているのか、システムの定義を行っている
のか、適用対象世界の知識を記述するのか、実在の操作
対象を表現するのか、仮想的な操作対象を表現するの
か、などの区別)、(12)ノードのリンク関係の重要
性(意味構造を変換する規則を兼用し、定義するべき規
則の総量を減らすために、あるノードへのリンクが「任
意」か「必須」かの別を定義しておくものであり、本質
的に必要なデータではない)、などがある。これらの情
報に関しては、下記の具体例の中で必要に応じて説明す
る。
【0043】上記(3)の用途を示すアトリビュートに
よって、ノードは、以下のような種類に分類される。第
1はシステム用ノードである。これは、機能連鎖構造を
処理(管理、変形など)するために用いるノードであ
る。例えば、木構造で表現する場合において、ルート
(根)を表わすためのノード(アトリビュートとして
「ルート」を付与する)がある。第2は、機能を示すノ
ードである。これには、アトリビュートとして「機能」
を付与する。また、機能を示すノードは、さらに操作指
示ノードと操作指示ノード以外のノードに細分される。
操作指示ノードは、制御対象機器(あるいは、アプリケ
ーション)を操作指示する機能を表現するためのノード
である。実際にある制御対象機器(あるいは、アプリケ
ーション)を操作指示する方法(コマンドなど)は、こ
の操作指示ノードに対して定義される意味構造変換規則
(後述)の帰結部に記述する。機能を示すノードのう
ち、操作指示ノード以外のノードは、後述のデータや出
力に関するノード間の意味的な関係を表現するためのノ
ードである。例えば、上位下位概念の意味関係を表現す
るためのノード(機能ラベルとして「isa」を付与す
る)や、対象とその属性との関係を表現するためのノー
ド(機能ラベルとして「hap」を付与する)や、同値
の意味関係を表現するためのノード(機能ラベルとして
「equ」を付与する)などがある。第3は、操作対象
・条件ノードである。これは、機能を示すノードに対し
て操作対象や条件となる入力データまたは出力結果を表
現するためのノードである。例えば、操作対象を表現す
るためのノード(アトリビュートとして「操作対象」を
付与する)や、条件そのものを表現するためのノード
(アトリビュートとして「条件」を付与する)や、条件
の構成要素である属性名を表現するためのノード(アト
リビュートとして「属性名」を付与する)や、条件の構
成要素である属性値を表現するためのノード(アトリビ
ュートとして「属性値」を付与する)などがある。
【0044】図10は、操作対象や条件を表現した機能
連鎖構造を説明する図である。自然語表現が「SがVで
ある」という条件を機能連鎖構造で表現するためには、
「isa」を機能を示すノード106とし、ノード10
6の子ノードとして「属性名S」ノード107と「属性
値V」ノード108とを結合し、ノード106の親ノー
ドとして「条件C」ノード105を結合する。例えば、
自然語表現が「力士名が貴花田である」という条件の場
合、機能連鎖構造は、機能を示すノード106「is
a」と、属性名を示すノード107「力士名」と、属性
値を示すノード108「貴花田」と、条件を示すノード
105とを、それぞれ上記説明のように結合した構造で
ある。
【0045】なお、自然語表現が「Vである」というよ
うに属性名Sを省略した表現を機能連鎖構造で表現する
場合、属性名を示すノード107をダミーとして結合す
るか、または、ノード107を省略しても構わない。こ
のような場合の具体的な自然語表現の例として、「春場
所である」や「貴花田を」などがある。さらに、一つの
属性値Vに対して、対応する属性名Sが複数あるとき
は、別個に表現しても構わないし、属性名Sを示すノー
ド107を複数用意し、それらを1つの機能を示すノー
ド「isa」に結合しても構わない。このような場合の
具体例としては、データベースの第1フィールドに格納
された文字列データ「貴花田」を表現するような場合、
属性名を示すノード107として「第1フィールド」と
「文字列データ」の2つのノードを用意する。
【0046】機能連鎖構造で操作対象(この操作対象
は、実際にシステム上存在する操作対象であっても構わ
ないし、推論の途中で仮定されるような操作対象であっ
ても構わない)を表現する場合、その操作対象の属性を
表わす条件の組合せでこの操作対象を表現する。すなわ
ち、操作対象を機能連鎖構造で表現するためには、「h
ap」をノード104とし、ノード105の子ノードと
して「条件C」ノード105を結合し、ノード105の
親ノードとして「操作対象T」ノード103を結合す
る。例えば、自然語表現が「力士名が貴花田である」と
いう操作対象を考える。つまり、操作対象として、力士
名が貴花田であるデータベースにおけるあるレコードを
機能連鎖構造で表現する。これは、上の例で説明したノ
ード105〜108からなる機能連鎖構造に加えて、機
能を示すノード「hap」と、操作対象を示すノード1
03とを上記説明のように結合した構造である。なお、
一般に、操作対象は複数の条件(属性)を持つが、この
ことを、機能連鎖構造で表現する場合、機能を示すノー
ド104の子ノードとしてそれぞれの条件を示すノード
105を接続する。このような場合の具体的な自然語表
現の例として「力士名が貴花田で、かつ、検索対象テー
ブルが大相撲録画テーブルである」がある。但し、この
例文によって一つの操作対象が示されているとする。こ
のようにして、操作対象と条件は機能連鎖構造という同
じ形式で表現することによって、上記のように、操作対
象の機能連鎖構造は、条件の機能連鎖構造を含んで記述
することができるので、自然語による条件の表現が、そ
の条件を含む操作対象の照応表現として解釈すること
は、その表現上、可能である。例えば、条件「春場所
の」が、その条件を含む操作対象(例えば、春場所にお
ける貴花田の取組み)の照応表現(の一つ)であると解
釈することが、その表現上、可能である。以上のよう
に、上記説明に基づく機能連鎖構造は、ある操作対象を
照応している条件表現の照応の解釈に有効な意味表現で
ある。
【0047】図11〜図19は、本実施例における制御
情報テーブル11及び応答情報テーブル12の具体例で
ある。ここでは、説明の分かり易さのために、テーブル
表現ではなく、上記機能連鎖構造による図式的な表現で
説明していく。これまでの詳細な説明により、機能連鎖
構造の計算機内部のデータ表現形式はテーブルを用いて
も実現できることは理解されよう。さて、自然語文の意
味を解析してコマンドを生成するためには、次の知識が
必要である。すなわち、(1)語彙や文法に関する知識
(例えば、辞書、あるいは、語句情報テーブル10な
ど)、(2)分野に依存する知識(たとえは、小売業や
医療や相撲などに関する知識であり、本実施例では、こ
の知識を表現するデータベース構造に基づく知識)、
(3)システムに関する知識(システム内の上位下位関
係の知識など)、(4)制御対象機器(あるいは、アプ
リケーション)に関する知識(自然語文の操作指示内容
とコマンドの書式との対応関係の知識(以下では、特
に、意味構造変換規則と呼ぶことがある)など)、
(5)談話に依存する知識(画面情報や入出力履歴、動
作履歴、応答情報など)、である。(2)〜(5)の知
識を前述の機能連鎖構造で表現した具体例を説明する。
【0048】なお、(1)の語彙や文法に関する知識に
関しても、機能連鎖構造を用いて表現し、(2)〜
(5)までの知識と同等の表現形式とすることにより、
ステップ41及びステップ43における形態素解析から
意味解析までの一連の解析を統合し、知識の複合による
自然語解析精度の向上をさらに高めても構わない。しか
しながら、この場合、辞書(あるいは、語句情報テーブ
ル10)を単純な表として検索する従来技術方式と比較
して、処理速度が遅くなるため、実用上好ましくない。
制御情報テーブル11は、見出しと制御情報とが間接的
に対応していれば良い。すなわち、見出しが中間表現1
に対応し、中間表現1が中間表現2に対応し、これを繰
り返し続けて、中間表現nが制御情報に対応していれば
良い。このような対応関係(中間表現nから中間表現n
+1への対応関係)は、それぞれをテーブルのレコード
単位に表現するか、または、それぞれを部分的なネット
ワーク表現(すなわち、機能連鎖構造)として表現する
ことが可能である。なお、熟語は、これらの機能連鎖構
造の結合、(すなわち、探索経路における分岐(または
合流))によって表現できるので、各見出しは単語ごと
に登録されていれば構わない。
【0049】図11は、本実施例における制御情報テー
ブル11に格納すべき機能連鎖構造の具体例である。す
なわち、上記知識の(2)に分類される分野に依存する
知識、特に、データベースに関する知識の具体例であ
る。データベース中のレコードファイルである大相撲録
画テーブルの第1フィールドが力士名で、第2フィール
ドが取組日で、第3フィールドが開始アドレス値であ
る、という知識は、このレコードファイルを操作対象と
し、機能連鎖構造で表現することができる。すなわち、
この操作対象は、属性名「第1フィールド」114が属
性値「力士名」115であるという条件112と、属性
名「第2フィールド」118が属性値「取組日」119
であるという条件116と、属性名「第3フィールド」
122が属性値「開始アドレス値」123であるという
条件120と、属性名「テーブル名」126が属性値
「大相撲録画テーブル」127であるという条件124
とを兼ね備える操作対象「レコードファイル」110で
ある、と表現する。ここで、属性名「第1フィールド」
114と属性値「力士名」115と条件112との関係
は機能「isa」113で表現し、属性名「第2フィー
ルド」118と属性値「取組日」119と条件116と
の関係は機能「isa」117で表現し、属性名「第3
フィールド」122と属性値「開始アドレス値」123
と条件120との関係は機能「isa」121で表現
し、属性名「テーブル名」126と属性値「大相撲録画
テーブル」127と条件124との関係は機能「is
a」125で表現し、条件112と条件116と条件1
20と条件124と操作対象「レコードファイル」11
0との関係は機能「hap」111で表現する。このよ
うにして、データベース構造に関する知識を機能連鎖構
造で表現することができる。
【0050】図12および図13は、本実施例における
制御情報テーブル11に格納すべき機能連鎖構造の具体
例である。すなわち、上記知識(3)に分類されるシス
テムに関する知識、特に、システムの上位下位関係の知
識の具体例である。第1フィールドは、レコードファイ
ルの構成要素であるフィールドの一種であるという上位
下位関係の知識は、条件の一種であるとして機能連鎖構
造で表現することができる。すなわち、この条件は、属
性名「フィールド」129が属性値「第1フィールド」
130である、と表現する。属性名「フィールド」12
9と属性値「第1フィールド」130との関係は機能
「isa」128で表現する。また、同様にして、第2
フィールドがフィールドである、という知識や、第3フ
ィールドがフィールドである、という知識が表現でき
る。このようにして、システムにおける上位下位の関係
に関する知識を機能連鎖構造で表現することができる。
【0051】図14および図15は、本実施例における
制御情報テーブル11に格納すべき機能連鎖構造の具体
例である。すなわち、上記知識(1)に分類される語彙
のシソーラスに関する知識の具体例である。貴花田は力
士名であるという知識は、属性名「力士名」138が属
性値「貴花田」139である、と表現する。属性名「力
士名」138と属性値「貴花田」139との関係は機能
「isa」137で表現する。また、同様にして、千秋
楽が取組日である、という知識は、属性名「取組日」1
41が属性値「千秋楽」142であると表現し、属性名
「取組日」141と属性値「千秋楽」142との関係は
機能「isa」140で表現する。これらの知識は必ず
しも機能連鎖構造で表現され、制御情報テーブル11に
格納されている必要はない。なぜならば、「貴花田が力
士名である」、および、「千秋楽が取組日である」、と
いう知識はデータベース19の大相撲録画テーブルにお
いて、それぞれカラム名とセルデータ値(またはカラム
値)として格納されているものであるからである。
【0052】本実施例の説明を簡略にするために、上記
のように機能連鎖構造として、制御情報テーブル11に
与えておくが、これと同等の情報を記号化して語句情報
テーブル10に単語知識として予め付与しておいても構
わない。また、この場合は、このシソーラス関係がカラ
ム名とセルデータ値という非常に簡単な関係にあるの
で、この関係を与えられたデータベース内のテーブルを
予め探索してセルデータ値を単語見出し、そのセルデー
タの属するカラムを上位概念として語句情報テーブル1
0に格納しておいて構わない。さらに、このデータベー
スからの知識獲得に関する処理は、別に提供されるプロ
セスによって(半)自動的に保守して構わない。本方式
によれば、ある一つの上位下位関係ごとに機能連鎖構造
として知識表現できるので、語彙のシソーラスが体系立
っていなくとも、そのシソーラスの部分的な上位下位関
係を機能連鎖構造として組込み、自然語解析41(およ
び自然語文の再解析43および制御情報への変換4)に
役立てることができる。
【0053】図16及び図17は、本実施例における制
御情報テーブル11に格納すべき機能連鎖構造の具体例
である。すなわち、上記知識(4)に分類されるアプリ
ケーションに関する知識、特に、意味構造変換規則の具
体例である。指定のフィールドを検索すると、検索結果
としてテーブルが生成される、というリレーショナルデ
ータベースシステム固有の知識は、知識の前半の「RD
B検索」である意味構造変換規則の条件部と、知識の後
半の「生成」である意味構造変換規則の帰結部とをそれ
ぞれ機能連鎖構造で表現する。すなわち、条件部(図1
6)は、検索条件が属性値「フィールド」146である
という条件144、条件147、条件150を入力とす
る機能(操作指示)「RDB検索」143である、と表
現する。ここで、属性値「フィールド」146と条件1
44との関係は機能「isa」145で表現する。他の
条件も同様。また、属性値146に対応して属性名「検
索条件」等を設けても構わない。本実施例では、この属
性名ノードは使用しないので、説明を簡易にする都合
上、省略することにする。帰結部(図17)は、第1カ
ラムである$FIELD(ノード146)が$CELL
(ノード146)で、第2カラムである$FIELD
(ノード149)が$CELL(ノード149)で、第
3カラムである$FIELD(ノード152)が$CE
LL(ノード152)の検索結果テーブルである、こと
を機能連鎖構造で表現する。この機能連鎖構造の詳細な
説明は、図16より明らかであり、これまでの説明と同
様なので省略する。また、意味解析処理(ステップ4
1)のネットワーク探索の際に、条件部と帰結部とを連
結するためのノードを処理の都合上用意しても構わな
い。また、以上の他に、意味構造変換規則の帰結部に
は、制御対象機器(または、アプリケーションシステ
ム)のための制御情報(コマンドなど)を記述する。具
体的には、制御対象機器名170として「データベー
ス」を、制御信号情報171として、「select
$FIELD(ノード146,ノード149,ノード1
52) from $TABLE(ノード146,ノー
ド149,ノード152) where $WHERE
(ノード146,ノード149,ノード152)」を記
述しておく。このようにして意味構造変換規則を機能連
鎖構造で表現することができる。ここで、「$CEL
L」、「$FIELD」、「$TABLE」および「$
WHERE」はそれぞれ引数のノードをもとに適切な文
字列を返す関数(以下では、これらの関数を、特に、具
体化用関数と呼ぶことがある)である。
【0054】詳細は後述するが、例えば、、ノード15
2が「開始アドレス名」、ノード146にネットワーク
上接続された制御情報テーブル11または応答情報テー
ブル12上に「力士名」と「貴花田」があり、そのノー
ドを含む機能連鎖構造中の属性名ノード「テーブル名」
に対応して属性値ノード「大相撲録画テーブル」があ
り、かつ、ノード149にネットワーク上接続された制
御情報テーブル11または応答情報テーブル12上に
「取組日」と「千秋楽」があり、そのノードを含む機能
連鎖構造中の属性名ノード「テーブル名」に対応して属
性値ノード「大相撲録画テーブル」があり、かつ、ノー
ド152にネットワーク上接続された制御情報テーブル
11または応答情報テーブル12上に「開始アドレス
値」とこれに対応して属性値ノード「305」があると
き、「$CELL(ノード146)」は「貴花田」を返
す。また、このとき、「$CELL(ノード149)」
は「千秋楽」を返す。さらにまた、このとき、「$CE
LL(ノード152)」は「305」を返す。「$FI
ELD(ノード146,ノード149,ノード15
2)」は「力士名 取組日 開始アドレス名」を返す。
また、このとき、「$TABLE(ノード146,ノー
ド149,ノード152)」は、「大相撲録画テーブ
ル」を返す。さらにまた、このとき、「$WHERE
(ノード146,ノード149,ノード152)」は
「力士名=”貴花田”and 取組日=”千秋楽”」を
返す。従って、これらの処理が施された後の制御信号情
報は、「select 力士名 取組日 開始アドレス
名 from 大相撲録画テーブル where 力士
名=”貴花田” and 取組日=”千秋楽”」とな
る。なお、図16および図17では、説明の都合上、そ
れぞれ3つの条件ノードがあるが、これは、2つ以下ま
たは4つ以上であっても良い。また、1つだけ条件ノー
ド以下の構造を用意しておき、それを必要に応じて動的
に複写して使用することは構わない。
【0055】図18は、本実施例における制御情報テー
ブル11に格納すべき機能連鎖構造の具体例である。す
なわち、上記知識(4)に分類されるアプリケーション
に関する知識、特に、意味構造変換規則の具体例であ
る。開始アドレス値をデータとして持つテーブルに従っ
てVTRを制御する、というVTRシステム固有の知識
は、知識の前半の「VTR制御」である意味構造変換規
則の条件部を機能連鎖構造で表現する。すなわち、属性
名「開始アドレス値」176があるという条件175を
具備する操作対象173を入力とする機能(操作指示)
「VTR制御」172である、と表現する。ここで、属
性名「開始アドレス値」177と条件175との関係は
機能「isa」176で表現し、条件175と操作対象
173との関係は「hap」で表現する。簡単のため、
この操作指示の結果によっては、談話世界に対する変更
がないと仮定すると、帰結部に機能連鎖構造を記述する
必要はない。ちなみに、対話モデル、内部ユーザモデル
をシステムが管理する場合には、この意味構造変換規則
の帰結部に追加(または削除)する必要のある知識(す
なわち、機能連鎖構造)などを記述しても構わない。ま
た、以上の他に、意味構造変換規則の帰結部には、制御
対象機器(または、アプリケーションシステム)への制
御情報(コマンドなど)を記述する。これらの制御情報
は処理すべき順に対応して記述することが望ましい。具
体的には、制御対象機器名170が「VTR」と制御信
号情報が「JP$DATA(ノード177)」とを組み
にした制御情報と、制御対象機器名170が「VTR]
と制御信号情報が「PL」とを組みにした制御情報とを
記述しておく。ここで、「$DATA」は具体化用関数
である。詳細は後で説明するが、例えば、ノード177
にネットワーク上接続された応答情報テーブル12上に
属性名が「開始アドレス値」でその属性値が「305」
であるノードがあり、そのノードを含む機能連鎖構造が
或る操作対象のノードを含むとき、「$DATA(ノー
ド177)」は「305」を返す。従って、これらの処
理が施された後の第1の制御信号情報は、「JP30
5」となる。第2の制御信号情報には、具体化用関数が
含まれていないので、「PL」のままである。なお、こ
の制御情報において、制御対象機器名170として「V
TR」以外の制御対象機器を定義しても構わない。たと
えば、制御対象機器名170として「音声合成装置」、
制御信号情報171として「タイヘンオマタセイタシマ
シタ。」とを追加して与えた場合、この制御情報に基づ
いて制御信号を出力する際(ステップ7)に、2つの制
御対象機器(すなわち、VTRと音声合成装置)を同時
制御することが可能である。
【0056】図19は、本実施例における応答情報テー
ブル12に格納すべき機能連鎖構造の具体例である。す
なわち、上記知識(5)に分類される談話に依存する知
識、特に、画面情報や履歴情報や応答情報などのように
実際に存在する(あるいは、存在した)操作対象とその
属性に関する知識(以下では、特に具体化用データと呼
ぶことがある)の具体例である。この例では、第1カラ
ム「力士名」が「貴花田」であり、第2カラム「取組
日」が「千秋楽」であり、第3カラム「開始アドレス
値」が「305」である検索結果テーブルである。この
機能連鎖構造の詳細も、これまでの説明から容易に類推
可能なので省略する。なお、この機能連鎖構造をテーブ
ルで表現すると、図20のようになる。
【0057】以上のように、上記知識(2)〜(5)に
関して、同一の表現形式である機能連鎖構造で表現する
ことにより、二種以上にまたがる知識を適切に連携する
意味解析が容易になる。また、従来技術のように使用す
る知識の表現形式と中間意味表現が異なる場合と比べ
て、本実施例のように機能連鎖構造を自然語文の意味表
現として兼用することは、意味解析処理のアルゴリズム
や記憶領域の使用の点で効率的である。さらに、各種知
識表現が同一の表現形式であるということは、知識エデ
ィタを一本化することができるので、全体のメモリ消費
量を縮小することができる。また、複数の異なる知識エ
ディタを提供したときに比べて、操作方法が統一される
ので保守工数や開発工数が低減する。
【0058】図21は、本実施例における自然語解析
(ステップ41)の処理の詳細フローチャートである。
すでに説明した分野やシステムや制御対象機器(あるい
はアプリケーションシステム)や談話に関する知識は、
一種の意味ネットワークである機能連鎖構造で表現して
いる。本実施例における自然語解析は、形態素解析を行
った後、この機能連鎖構造に依る各種知識上を探索し、
その探索経路となった意味ネットワークがただちに、与
えられた自然語文の中間意味表現となる処理方式であ
る。すなわち、このネットワーク探索のためのアルゴリ
ズムは、操作対象や条件を起点とし、機能を終点とする
機能連鎖構造を、各種知識である機能連鎖構造を探索す
ることによって見付け、それらの機能連鎖構造を組み合
わせることによって構成される機能連鎖構造を中間意味
表現とするアルゴリズムである。まず、形態素解析を行
う(ステップ410)。この処理は、本実施例における
先の実施例中で説明した簡単な語句抽出処理を使用して
も良いし、従来技術の形態素解析処理やキーワード抽出
処理などを使用して構わない。とはいえ、本処理は以下
で利用する文節単位にノードとしてまとめあげたものが
必要なのであるから、これと代替する処理であれば構わ
ない。また、第2候補以降を意味解析する場合は、ほと
んどの場合、形態素解析処理(ステップ410)が重複
する。このため、前に形態素解析した結果の情報を記憶
しておき再利用することにより、処理のムダを省くこと
もできる。
【0059】次に、自然語による意味解析において第1
候補を得るのか、あるいは、意味の第2候補以降を得る
のかを選択する(ステップ411)。意味の第n候補を
得るために、第(n−1)候補までの解析処理の中間結
果(足跡リスト(後述)など)を保存しておく。意味の
第1候補を得る場合は、解析処理の中間結果(足跡リス
トなど)を初期化し、ステップ412に分岐する。第2
候補以降を得る場合は、ステップ414に分岐する。こ
の処理方法によれば、入力文を入力したユーザが意図し
ない解析をシステムが行った場合や、システムが複数の
解析候補を一括してユーザに提示したい場合のために、
意味の第2候補以降を得る処理を効率的に実現すること
が可能である。また、解析処理の中間結果を履歴的に記
憶しておくことにより、ステップ43のように以前の文
から解析しなおす必要がでてきたときに、重複するムダ
な解析をしなくて済むという効果もある。
【0060】次に、形態素解析(ステップ410)の処
理で自然語要素(概ね、文節に相当する)毎に割り当て
たノードの中で、操作指示ノードとこの操作指示ノード
に構文的、または、表記上の位置的に関係している(一
般には、複数個の)操作対象・条件ノードとの組を見つ
ける(ステップ412)。この組の内、まだ、以下のス
テップ412からステップ416で解析されていない組
があれば、ステップ413へ分岐する。そうでなけれ
ば、自然語解析処理(ステップ41)を終了する。な
お、ステップ413以降の処理では、ステップ412で
得た一組の内、操作指示ノードに対し「探索を終了する
ノード」、操作対象・条件ノードを「探索を開始するノ
ード」としたり、所定のデフォルト(または、ダミー)
のノードを「探索を終了するノード」または「探索を開
始するノード」として補って、以下の解析を行っても構
わない。
【0061】次に、足跡リストを空(NULL)にし、
各「探索を開始するノード」ごとに用意した足跡を足跡
リストに加える(ステップ413)。「足跡」は、探索
経路を記憶しておくデータ構造であり、各足跡はネット
ワーク探索における一歩を記憶することに相当する。ま
た、「足跡リスト」とは、足跡の集合である。各足跡
は、以下の情報を持つ。すなわち、 (足跡情報a)一歩前の足跡(ただし、2つ以上の足跡
が合流する場合は、それに応じれ、複数の「一歩前の足
跡」を記憶する。 (足跡情報b)現在探索中のノード。 (足跡情報c)探索経路の距離。この距離は、探索開始
ノードからの(足跡情報b)のノードまでの距離であ
る。距離の計算方法は、通過した(あるいは、合流し
た)ノード(またはリンク)に応じて適当に重み付けさ
れた値を累積する。例えば、ノードやリンクの利用頻度
や重要性に基づいて重み付けを与えることにより、探索
経路の短い順に探索を一歩ずつ進めていくアルゴリズム
において、適切な探索経路を優先して発見することが可
能となる。簡単には、距離の計算方法として通過したノ
ードの総数とする。また、合流する場合は各支流の距離
の最大値をもって探索経路の距離とする。 (足跡情報d)評価得点。これは、一歩前の足跡の評価
点に、探索を開始するノードに対するこの足跡の適合し
ている度合いを累計した値である。 (足跡情報e)次の一歩に探索可能な機能連鎖構造の集
合。すなわち、利用可能な知識の集合である。この機能
連鎖構造の集合が、談話に応じて増減することによっ
て、主題のフォーカシングを行い、談話のトラッキング
を容易にすることができる。このようにして定義される
足跡を用いて、ネットワーク探索する主たる目的は、メ
モリ効率の良い探索を行うことにある。例えば、ネット
ワーク探索に際し、探索経路に応じて利用可能な知識が
非決定的に生成または消滅する。このため、それぞれの
探索経路ごとに知識を複製しておく必要がある。一般に
探索経路は分岐や合流を繰り返すので、各知識の複製の
ためのメモリの使用量は膨大なものとなる。そこで、本
発明のようにネットワーク探索を一歩ずつ「足跡」とし
て記憶すれば、探索経路の分岐の際に発生するそれまで
の共通の探索経路は複製のためのメモリを使用しないで
済むので、効率が良い。
【0062】次に、足跡リストの中に処理すべき「足
跡」があれば、処理をステップ415に分岐し、そうで
なければ処理をステップ412に分岐する(ステップ4
14)。例えば、足跡リストの内、探索経路の距離(足
跡情報c)の最小のものから順に取り出す。次に、ステ
ップ414で得た足跡の探索中のノード(足跡情報b)
を起点として、ネットワーク探索を行い、一歩先のノー
ドを見つけ、そのノードの足跡を足跡リストに加える
(ステップ415)。ステップ415は、図22にてさ
らに詳しく説明する。次に、探索の終了条件を満たすか
どうか判定し、満たせば、自然語解析処理(ステップ4
1)を終了する。満たさなければ処理をステップ414
に分岐する(ステップ416)。探索の終了条件には、
以下のものがある。 (a)探索経路の距離(足跡情報c)がある一定値に達
した場合。 (b)自然語の解析によって得られた操作指示ノードと
適合するノードの足跡がある場合。 (c)十分に高得点な評価得点(足跡情報d)を持つ足
跡がある場合。 これらの単独、または、組み合わせて探索の終了を判定
する。例えば、探索経路の距離を予め設定した値に達す
るまで探索し、その中で自然語文から得られた操作指示
ノードと適合するノードの足跡の内、最も評価得点の高
い足跡が見つかれば探索を終了する。この足跡を意味の
第1候補とする。意味の第2候補以下の場合は、評価得
点のより低い足跡を意味の候補とする。また、意味の第
2候補以下を得るために足跡の候補数を増やす必要があ
る場合、探索の終了条件(a)の探索経路の距離を動的
に延長しても良い。
【0063】図22は、本実施例におけるネットワーク
探索(ステップ415)の処理手順の詳細フローチャー
トである。まず、ステップ4150の処理において、ス
テップ414で得た足跡の(足跡情報b)のノード(以
下では、特に、これを「現在探索中のノード」と呼ぶこ
とがある)が操作指示ノードである場合、処理をステッ
プ4151に分岐し、そうでない場合、操作指示ノード
以外のノードの場合、処理をステップ4152に分岐す
る。次に、ステップ4151の処理において、意味構造
変換規則の帰結部の機能連鎖構造を、(足跡情報e)へ
追加または削除する。この(足跡情報e)への追加によ
って、この帰結部の機能連鎖構造が現在探索中のノード
の次の一歩として探索可能な機能連鎖構造になる。ま
た、(足跡情報e)からの削除によって、帰結部の機能
連鎖構造が現在探索中のノードの次の一歩として探索が
不可能となる機能連鎖構造であることを意味することに
なる。なお、これまでの説明してきたように、帰結部に
は複数の機能連鎖構造を定義しておくことが可能であ
り、それぞれの機能連鎖構造に応じて「追加」または
「削除」の別を定義しておくことができる。これらの
「追加」または「削除」を示すために特別にノードを設
けておいても構わない。この場合の処理については、敢
えて説明する必要はないであろう。帰結部の機能連鎖構
造を追加した場合には、その機能連鎖構造を構成するノ
ードのうち、探索を続けるノードとして予め定義したノ
ードについてのみ新たな足跡として、足跡リストに加え
る。本実施例では、特に、機能連鎖構造が含む属性値ノ
ードのみを新たな足跡として、足跡リストに加えること
にする。また、操作指示ノードと探索が続けられるノー
ドの間に、この探索を続けるということを構造的に明確
にするためのノードを挟んでも構わない。この後、ステ
ップ4152へ進む。
【0064】次に、ステップ4152の処理において、
現在探索中のノードが入力された自然語文における代名
詞(「これ」、「あの」、あるいは、「そこ」など)に
対応するノードである場合、処理をステップ4153に
分岐し、そうでない場合、処理をステップ4154に分
岐する。本実施例では、ステップ410の形態素解析の
結果、代名詞であると解析された文節は、操作対象・条
件ノードの一種として扱う。次に、ステップ4153の
処理において、これまでに自然語文を解析してきた結果
生成した機能連鎖構造や、応答情報テーブル12内の機
能連鎖構造などから、代名詞の照応する可能性のある機
能連鎖構造(後述)を新たな足跡の(足跡情報e)に加
える。機能連鎖構造を追加した場合には、その機能連鎖
構造を構成するノードのうち、探索を続けるノードとし
て予め定義したノードについてのみ新たな足跡として、
足跡リストに加える。本実施例では、先程と同様に、機
能連鎖構造が含む属性値ノードのみを新たな足跡とし
て、足跡リストに加えることにする。この後、ステップ
4154へ進む。
【0065】ここで、代名詞の照応する可能性のある機
能連鎖構造は、簡単には、代名詞「それ」などに応じ
て、談話に依存する知識(前述の知識(5))の操作対
象ノードを含む機能連鎖構造を指す。ただし、代名詞の
解釈の精度を向上させるために、代名詞「そこ」などに
対して、属性名ノード(あるいは属性値ノード)に「場
所」などを含む機能連鎖構造を指すように制限しても良
い。また、談話に依存する知識の内、特に、履歴情報
(どのくらい前に扱った自然語文(あるいは操作対象)
であるかの情報など)については、照応する可能性に優
先順位を付けても良い。具体的には、最近参照した機能
連鎖構造に対しては照応する可能性が高くなるように優
先順位を付ける。本実施例では、(足跡情報c)の値が
小さければ小さい程、より優先的な意味解釈として出力
するので、該優先順位に基づいて(足跡情報c)を決定
することにする。すなわち、初めの初期値として「0」
ではなく、高い優先順位にすべき機能連鎖構造の足跡に
は小さな値(短い距離)を、低い優先順位には大きな値
(長い距離)を割り当てる。
【0066】次に、ステップ4154の処理において、
(足跡情報e)の機能連鎖構造の集合の中の構成要素で
ある或るノード、または、足跡リストの中ですでに処理
の終わった足跡の(足跡情報b)のノードと、現在探索
中のノードとが適合するかどうか判定する。適合する場
合、処理をステップ4155に分岐し、そうでない場
合、処理をステップ4156に分岐する。適合するかど
うかの判定には、各ノードに記述される情報(前述)の
一致、類似、不一致によって判定する。簡単には、比較
されるノード(すなわち、現在探索中のノード)と比較
するノードとで、機能ラベル(または、意味ラベル)が
同一である場合、適合するノードであると判定する。次
にステップ4155の処理において、ステップ4154
で適合したノードに基づいて新たな足跡を作成し、足跡
リストに加える。この際、適合元のノードと適合先のノ
ードを結ぶことを構造的に明示するために、機能ラベル
が「equ」のノードを中間にはさんでも良い。
【0067】次に、ステップ4156の処理において、
現在探索中のノードからリンクの接続する向きに一歩進
んだ方向のノードを新たな足跡として、足跡リストに加
える。ただし、逆戻りする探索経路を持つ足跡は、処理
の効率上好ましくないので、足跡リストに追加しないで
おく。この後、ステップ416へ進む。リンクの接続す
る向きとは、次の方向である。すなわち、「hap」の
ノードから、操作対象ノードへの方向。「isa」ノー
ドから条件ノードへ、または、属性名のノードへの方
向。属性名(または属性値)のノードから「isa」
(または「equ」)のノードへの方向。条件のノード
から、「hap」のノードへ、または、操作指示ノード
への方向。操作対象のノードから、操作指示ノードへの
方向。なお、ステップ4151、ステップ4153、ま
たは、ステップ4155において、新たな足跡を作る場
合、(足跡情報a)は前の足跡のポインタで、(足跡情
報c)は適切な正の値の累計(簡単には「1」の加算)
で、(足跡情報d)はこのノードと開始ノードとの適合
している度合いを得点化してその得点と前の足跡の評価
得点との累計で、それぞれの足跡情報を算出し、新たな
足跡とする。ただし、適合している度合いは、2つのノ
ードの持つ情報の一致、類似、及び、不一致に基づいて
算出する。例えば、2つのノードの持つ情報のうち、自
然語表記、アトリビュート、及び、付加している付属語
が、それぞれ一致の場合「1」を加算し、不一致の場合
「0」を加算し、この累計を適合している度合いとす
る。
【0068】このように、適合すべき条件が複数ある場
合は、その条件の重要性や一致(あるいは類似)の度合
いに応じて、得点づけしておくことによって、意味解析
の結果である探索経路の優先順位を決定する評価基準と
して用いることができる。探索を開始するノードが複数
あるとき、または、探索の途中で分岐が発生したとき
は、ネットワーク探索の途中で合流する探索経路に相当
する足跡もある。合流するのに必要な条件を2つの支流
が満たす場合に、合流する探索経路を足跡として足跡リ
ストに追加する。この条件は、簡単には、それまでにネ
ットワーク探索された2つ以上の足跡が、その足跡を含
む機能連鎖構造の同一ノードの子ノードとして適合して
いる(上の例では、正の値を持つ場合)とき、合流の条
件を満たすとする。合流する場合、各足跡に含まれてい
る(足跡情報d)は適当に演算(スカラあるいはベクト
ルとして、合計あるいはマージなど)する。
【0069】以下では、図8〜図29を用いて、本実施
例をさらに具体的なデータに基づいて、処理の内容を詳
細に説明する。本実施例のステップ1及びステップ2
は、前の実施例と同様であるので、詳細な説明は省略す
る。すなわち、ステップ1では、音声で「千秋楽の貴花
田の取組みが見たい。」と入力する。ステップ2では、
該音声を音声認識装置により対応する記号列、すなわ
ち、自然語文字列200「千秋楽の貴花田の取組みが見
たい。」に変換する。次に、この自然語文字列を自然語
解析する(ステップ41)。この処理を図21を用いて
具体的に説明する。まず、該自然語文字列を形態素解析
する(ステップ410)。とはいえ、本実施例における
ステップ410においては、本質的には、前の実施例と
同様に簡単な語句抽出を行っても構わない。
【0070】すなわち、すでに説明したような入力自然
語文字列と語句情報テーブル10の語句見出しとの文字
列照合による語句の抽出を行えば良い。しかし、より適
切な語句を抽出する場合には、従来技術であるキーワー
ド抽出処理、形態素解析処理、構文解析処理、多義解消
処理、意味解析処理などを選択的に使用しても構わな
い。たとえば、構文解析処理を併用することで、複数の
語句が文字列上離れた位置に表現されているときでも、
それらの複数の語句からなる熟語を認識することができ
る。また、意味解析により、複数のシステムにおいてそ
れぞれ同一表現だがシステムに応じて異義である語句を
識別することができる。これらの処理の詳細は省略する
が、従来技術のものを使用して構わない。このように、
ステップ41で高度な自然語解析処理(構文解析、意味
解析など)を行っている場合には、熟語あるいは構文構
造と対応する制御情報を出力することが可能である。こ
のようにステップ41において、構文解析処理や、意味
解析処理を行うために、語句情報テーブル10は、次の
情報を具備するテーブルであることが望ましい。すなわ
ち、語句情報テーブル10は、各形態素あるいはそれに
準ずる自然語の構成要素ごとに、形態論的属性に関する
情報(表記、活用など)、構文論的に属性に関する情報
(修飾機能、格支配機能など)、および、意味論的属性
に関する情報(操作指示機能的属性の強弱、関係指示機
能的属性の強弱、操作対象的属性の強弱、操作条件的属
性の強弱、属性名的属性の強弱、属性値的属性の強弱、
機能ラベル、意味ラベルなど)を具備するテーブルであ
る。
【0071】本実施例では、まず、入力自然語文を上記
各情報を具備した語句情報テーブル10を用いて形態素
解析(形態素または処理上形態素と同等に扱える自然語
要素に分割すること)し、多義解消(主従関係や修飾被
修飾関係などの構文の特徴や、共起的語法の特徴や、表
記上の位置、慣用用法などの特徴を利用して意味の範囲
を限定すること)する。今の例の場合、「千秋楽の」、
「貴花田の」、「取組みが」、「見たい。」という文節
を認識し、それぞれ、ノード201、ノード202、ノ
ード203、ノード204を割り当てておく(図2
3)。ちなみに、予め用意された語句テーブル10の情
報により、「千秋楽の」と「貴花田の」は操作対象・条
件ノード(それぞれ意味ラベルが「千秋楽」、「貴花
田」)、「取組みが」は不要ノード、「見たい。」は操
作指示ノード(機能ラベルは「VTR制御」)であると
する。ここで、不要ノードとは、入力文中の未知語(語
句テーブル10に登録されていない単語)や、未知語で
はないがシステム上不必要な単語として予め語句テーブ
ル10にその旨が登録されている単語に対して、割り当
てられるノードであり、以下の処理では使用しない(無
視する)ノードである。従って、本実施例の説明中でも
ノード203をこれ以上取り扱わない。なお、前の実施
例と同様にして、意味ラベルや機能ラベルは、形態素の
単位ごとに語句情報テーブル10に予め登録されてい
る。
【0072】後の説明から明らかになるが、このステッ
プ41は必ずしも文尾までいっぺんに解析する必要はな
い。すなわち、入力文200から「の取組みが見た
い。」の部分を除いた文の断片(フラグメント)を「千
秋楽の貴花田」を解析するだけでも以下の処理を続ける
ことができる。このことは、すなわち、入力文に未知な
る単語が含まれている場合や、文法的に非文である場合
であっても、本発明が使用できることを意味している。
【0073】次に、機能連鎖構造による意味の解析を行
う(ステップ411からステップ416)。この機能連
鎖構造による意味の解析は、自然語文の意味を構造的に
解明することであり、意味表現を概念的に構成すること
に相当する。従って、顕現的あるいは記述可能な意味表
現である必要はないし、もちろん、この意味表現は実際
に出力される必要はない。後で詳しく述べるが、今の例
の場合、説明を簡単にするために、この意味表現を機能
連鎖構造であらわすものとする。特に制御情報テーブル
11および応答情報テーブル12の表現である機能連鎖
構造を組合せた構造である。制御情報テーブル11およ
び応答情報テーブル12などの使用する知識の表現と、
構成される意味表現とが同じ形式であるため、意味表現
の表現方式を考慮しなくて済むので、ステップ411か
らステップ416までの処理を高速に実行することがで
きる。
【0074】次に、いまの自然語文の解析は、第1回目
の解析であったので、再解析モードではないと判断する
(ステップ411)。次に、ステップ412の処理にお
いて、ステップ410までで得られた4つのノード(す
なわち、「千秋楽の」、「貴花田の」、「取組みが」、
及び、「見たい。」)に基づいて、処理すべき操作指示
ノードと操作対象・条件ノードとの組合せを決定する。
今の場合、操作対象・条件ノードとして、「千秋楽の」
と「貴花田の」を、操作指示ノードとして、「見た
い。」を組合せるものとする。なお、この組合せは、後
の説明から明らかになるが、必ずしも、自然語の表記
的、構文的、意味的な組合せになっている必要はない。
このような組合せでないときは、ネットワーク探索によ
って、意味的に整合するように、適切に、他の操作対象
・条件ノードや操作指示ノードを補填するからである。
【0075】次に、ステップ413の処理において、探
索を開始するノードを、「千秋楽の」と「貴花田の」に
対して、足跡を構成する。この足跡の一歩前の足跡(足
跡情報a)は存在しないので、空(NULL)とする。
現在探索中のノード(足跡情報b)は、それぞれ、ノー
ド「千秋楽の」201およびノード「貴花田の」202
とする。実際の処理上は、(足跡情報b)には、ノード
「千秋楽の」201およびノード「貴花田の」202の
ノードID、または、記憶領域のポインタを記憶すれば
良い。探索経路の距離(足跡情報c)と評価得点(足跡
情報d)とに、「0」を与える。次の一歩に探索可能な
機能連鎖構造の集合には、制御情報テーブル11と応答
情報テーブル12のうち、現時点で利用可能な知識に相
当する機能連鎖構造を与える。今の説明では、少なくと
も、図11〜図18に示される機能連鎖構造が与えられ
る。このようにして、得た足跡を足跡リストに加える。
以上の説明から分かる通り、ノードや足跡や足跡リスト
は処理上、表(配列)形式で扱っても構わない。これら
のデータ形式を対応させることは、当業者においては周
知の技術であるので、詳細な説明は要しないであろう。
【0076】次に、ステップ414の処理において、足
跡リストの中に未処理の足跡を処理するために、ステッ
プ415に分岐する。ノード201とノード202は同
等に取り扱うが、説明の便宜上、順に、説明する。すな
わち、現在探索中のノードを201として説明する。こ
の手順によれば、並列処理を行うことができないプロセ
ッサ(および、アーキテクチャ)であっても、本実施例
を実現することが可能である。次のステップ415は、
さらに詳細に説明する。ノード201は操作指示ノード
ではないので、ステップ4152に分岐する。次にステ
ップ4152の処理において、同じくノード201は代
名詞に対応するノードではないので、ステップ4154
に分岐する。次にステップ4154の処理において、
(足跡情報e)に含まれるノード(すなわち、ノード1
10〜164、および、ノード172〜177)から、
ノード201に適合するノードを見つける。ここで、意
味構造変換規則の帰結部に属するノード(すなわち、ノ
ード153〜164)は、この意味構造変換規則が実際
に使用されるまでは、必要のないものなので、処理の高
速化のためには、マッチング処理では無視していたほう
が望ましい。今の場合、ノード201「千秋楽の」の自
立語部分が、ノード142「千秋楽」と自然語表記にお
いて一致する。この時点でステップ4155で構成する
ことになる新たな足跡の評価得点に「1」を加算するこ
とを、ワークエリアに記憶しておく。
【0077】次にステップ4155の処理のおいて、ス
テップ4154で得られた適合したと判断したノード1
42に基づく足跡を構成する。実際には、2つのノード
を結合するために、機能「equ」ノードをノード20
1とノード142の間に挾む。まず、機能「equ」ノ
ードに対する足跡を構成する。この足跡は、(足跡情報
a)が201、(足跡情報b)がこの「equ」ノード
のポインタ、(足跡情報c)が「1」(これは、ノード
201の(足跡情報c)に「1」を加算した値であ
る)、(足跡情報d)が「0」、(足跡情報e)は、ノ
ード201の(足跡情報e)と同一のデータ、とし、こ
れを足跡リストに加える。次に、ノード142「千秋
楽」142に対する足跡を構成する。この足跡は、(足
跡情報a)が先の「equ」ノードのポインタ、(足跡
情報b)がノード142、(足跡情報c)が「2」(こ
れは、先の「equ」ノードの(足跡情報c)に「1」
を加算した値である)、(足跡情報d)が「1」(これ
はステップ4154で得た値である)、(足跡情報e)
は、先の「equ」ノードと同一のデータとし、これを
足跡リストに加える。次に、ステップ4156の処理に
おいて、ステップ201が元々所属する機能連鎖構造か
らはリンクが出てないので、この処理は行わないで終了
する。
【0078】次に、ステップ416の処理において、現
在の足跡リストの状態が探索の終了条件を満たすかどう
かを判定する。今の例では、簡単のため、足跡リストの
ある足跡の(足跡情報b)に探索を終了するノード(ま
たは、当該ノードと適合するノード)が存在するという
条件を、探索の終了条件とする。従って、現時点での足
跡リストは探索の終了条件を満たしていないので、処理
をステップ414に分岐する。なお、探索を終了するノ
ードが、これまでの処理から得られないときは、探索経
路上で、操作指示ノードを通過するたびに、一旦、探索
を終了しても構わないし、操作指示ノードを含む探索経
路をいくつか見つけてから、探索を終了しても構わな
い。例えば、今、仮りに入力文が「千秋楽の貴花田」と
いうフラグメントであり、「見たい。」という用言が欠
落していた場合、最初に得られる探索経路は、図24に
おいて、ノード201とノード202を始点とし、ノー
ド143を終点とする探索経路である。この探索経路
は、入力文を「取組日が千秋楽で、力士名が貴花田とい
う条件でRDB検索を行なえ。」と解釈したことに相当
している。このように用言が省略された入力文は、必ず
しも適切な解釈を行なえるとは限らない(もちろん、ユ
ーザの所望する命令が、単純な操作指示内容であれば、
適切な解釈が可能である)が、この解析結果および実行
結果は、続く入力文(例えば、「そのデータに基づいて
VTRを制御しろ。」など)による操作指示と組み合わ
せて使うことができる。すなわち、一度、前の文の解析
結果(すなわち、探索経路)は機能連鎖構造であり、ま
た、実行した結果(この例では検索結果)もまた応答情
報テーブル12に格納される機能連鎖構造であるので、
他の機能連鎖構造で表現された知識と同様に扱うこと
で、続く入力文の解析に利用することができる。このよ
うにして、複雑な操作指示を解析することが可能であ
る。このように、本発明によれば、フラグメント(また
は省略文)のように会話文に近い文を解析することが可
能である。
【0079】次に、ステップ414の処理において、処
理すべき足跡は、足跡リストの中の未処理の足跡のう
ち、探索距離の最小のものに決定する。すなわち、現在
探索中のノードをノード202として処理を続けてい
く。以下同様にして、処理を繰り返すと、ノード204
「見たい。」に適合するノード172が足跡リストに加
わった時点で探索の終了条件を満たし、ステップ42に
分岐する。この時点で得られた探索経路を、図24に示
す。この探索経路上には、データベースからの返り値に
依存する部分を含んでいる。この部分は後述するステッ
プ45により補正する。このように、一旦、入力文全部
に対応する(機能連鎖構造の帰結部という仮説的な操作
対象を含むものの)探索経路を確定することによって、
この探索経路に基づく確認文(システムがどう理解した
かをユーザに提示する文)を実際の制御を実行する前に
作成し、ユーザに問合せることを可能としている。
【0080】図24において、ノード205、ノード2
06、207は、それぞれ、ノード158、ノード16
3、ノード168に値を代入したノードである。ノード
158の$FIELD(ノード146)は、ノード14
6にネットワーク接続しているノードを探索して決定す
る。具体的には、足跡リストを参照し、ノード146か
ら探索してきた方向とは逆向きに戻り、データベース構
造に関する知識の内部の属性値ノード(今の場合「力士
名」)を$FIELD(ノード146)の値とする。同
様にして、$FIELD(ノード149)の値は「取組
日」、$FIELD(ノード152)の値は「開始アド
レス値」となる。以上のようにして、フィールドに関す
る値を取り出す関数を、具体化用関数$FIELDとす
る。この値を実際に計算して各ノード(すなわち、ノー
ド205〜207)に割り当てるのは、操作指示ノード
「RDB検索」143が足跡リストに加わった時点とす
ることが望ましい。
【0081】図24のように、意味ネットワークは合流
(または分岐)をして構わない。機能連鎖構造における
あるノードが、多入力のときには探索経路が合流し、多
出力のときは探索経路が分岐することに相当する。今の
例において、合流を詳細に説明する。すなわち、条件ノ
ード144と条件ノード147が足跡リストにあるとき
に、操作指示ノード143を足跡リストに加える。この
とき、これらの子ノードには制約条件としてANDやO
Rなどの別を付加しても良い。ANDのときは、すべて
の子ノードが足跡リストにない限り親ノードへの探索を
しない(あるいは保留する)。ORのときは、どれかの
子ノードが足跡リストにあれば親ノードへの探索を行っ
てよい、とする。この場合、子ノードの組合せにより、
条件ノード144からの操作指示ノード143と、条件
ノード147からの操作指示ノード、あるいはその両方
の条件ノードを合流した操作指示ノード143などが得
られるが、これらはそれぞれ適切に評価得点を付与し
て、すべて足跡リストに加えて構わない。自然語の文節
に対応するノードをより多く含む(すなわち合流してい
る)ようなネットワークが最終的に優先的に取られるよ
うに、評価得点を設定することが望ましい。また、AN
DおよびOR(またはその組合せ)のほかに、さらに、
制約条件として必須と任意などの別を子ノードに付与し
ても良い。すなわち、必須の子ノードは、親ノードに探
索が進む時は必ずなければならず、任意の子ノードのと
きは、合流元の組合せとして利用しても良いし、なくて
も良いとする。これらの制約条件は予めノードに(前述
のノード情報(12))格納しておく。
【0082】今の例においては、条件ノード144と条
件ノード147と条件ノード150がANDで必須であ
ると定義しておく。従って、ステップ4156の処理に
おいて、ノード144とノード147が合流してノード
143の足跡が足跡リストに格納するときに、同時に、
ノード150が足跡リストに存在するかどうかをチェッ
クし、もしあれば、さらにその探索経路も合流すること
になる。また、例えば、ノード150に対応する足跡が
なければ、逆向きにネットワーク探索(このアルゴリズ
ムはいままでの探索の向きがことなる他は、これまでの
説明と同じなので省略する)する。今の場合、未だ利用
していないノード(データベース内のフィールド(ノー
ド122))の評価が高くなることが望ましい。もちろ
ん、他のノードがこれまでの説明のように足跡として並
列的に足跡リストに加わっていて構わない。なぜなら
ば、本実施例においては、自然語文の意味として複数の
候補を得る(すなわち、複数の探索経路を出力する)
が、最終的に評価の高い探索経路(すなわち、意味ネッ
トワーク)が自然語文の意味の第1候補となるからであ
る。このようにして、実際にノード143に対応する足
跡が足跡リストに加わるときには、3つの条件ノードが
接続された探索経路となる。
【0083】次に、ステップ42の処理において、ステ
ップ416で得られた意味ネットワーク(図24)は、
これまでの入力文を再解析するための文(前述)ではな
いことから、ステップ44へ分岐する。次に、ステップ
44の処理において、更新すべき意味表現はないので、
ステップ5に分岐する。次に、ステップ5の処理におい
て、ステップ416で得られた意味ネットワークをもう
一度、順にたどり、最初に見つかる意味構造変換規則
(今の場合「RDB検索」に関するもの)の帰結部に定
義された制御情報(すなわち、図17に示される制御対
象機器名170と制御信号情報171)があることか
ら、出力すべき制御信号があると判断し、この制御情報
をワークエリア25のスタックに積み、ステップ46へ
分岐する。
【0084】次に、ステップ46の処理において、制御
信号情報171の中の具体化用関数を評価する。具体化
用関数$FIELD(ノード146,ノード149,ノ
ード152)は、引数が1つのときの$FIELD(前
述)と同じようにしてそれぞれのノードから得た値を、
空白で連結した文字列を生成する。すなわち、「力士名
取組日 開始アドレス値」である。また、具体化用関
数$TABLE(ノード146,ノード149,ノード
152)は、それぞれ$FIELDで見つけたフィール
ドに関するノードが属する元もとの機能連鎖構造(今の
場合、図11の機能連鎖構造)における、属性名「テー
ブル名」に対応する属性値の値を返す関数とする。すな
わち、「大相撲録画テーブル」である。複数の値がある
場合は、カンマで区切る。例えば、「大相撲録画テーブ
ル,番付表テーブル」。さらに、具体化用関数$WHE
RE(ノード146,ノード149,ノード152)
は、それぞれ$FIELDで見つけたフィールドに関す
るノードと、それに対応してネットワークをさらに遡っ
て対応するデータを表すノードが有る場合、この2つの
ノードの関係を等式「=」(または、「<」や「>」や
「!=」などの不等式)で結合し、データはダブルクォ
ートでくくり、複数の等式(または不等式)があるとき
は「 and 」で区切った値を返す関数とする。すな
わち、今の例では、「力士名=”貴花田” and 取
組日=”千秋楽”」である。以上のようにして、制御信
号情報171の具体化関数の位置を返り値で置き換え、
最終的に「select 力士名 取組日 開始アドレ
ス値 from 大相撲録画テーブル where 力
士名=”貴花田” and 取組日=”千秋楽”」20
8を得る(図25)。
【0085】区切り文字は、空白、カンマ、「 and
」などは、具体的に接続しているデータベースの検索
言語に依存している。本実施例とは異なる検索言語を用
いているシステムは、それに応じて区切り文字を適切に
与える。これらの多少のコマンドの書式の違いについて
は、各具体化用関数を少し変更するだけで対応できるの
で、本実施例の制御情報(170と171)を変更する
必要はない。このように、機能連鎖構造による定義は、
個々のアプリケーションシステムとは独立して定義して
おくことも可能である。なお、具体化用関数が入れ子に
なっている場合は、内側の関数の評価が終わってから、
外側の関数を評価する。
【0086】次に、ステップ7の処理において、ステッ
プ46で得られた制御情報に基づいて実際の制御対象機
器に制御信号を出力する。すなわち、制御対象機器名1
70「データベース」に基づいて、接続しているデータ
ベースシステム19に制御信号情報208を出力する。
制御信号情報208は、データベースシステム19に対
するSQL(structured query la
nguage)であり、本実施例では、オペレーティン
グシステムを介して信号を伝えることができる。次に、
ステップ44の処理において、ステップ416で得られ
た意味ネットワーク(図24)において、処理の終わっ
た操作指示ノード「RDB検索」から操作指示ノード
「VTR制御」に至る経路上に、具体的な値が決められ
ていないノード(すなわち、ノード159、ノード16
4、及び、ノード169)を含む機能連鎖構造(すなわ
ち、意味構造変換規則「RDB検索」の帰結部)があ
り、かつ、これらのノードの値を具体化するためのデー
タが、未だ応答情報テーブル12に格納されていないこ
とから、図24で示される意味ネットワークを更新すべ
きではないと判断し、ステップ5に分岐する。なお、こ
の例とは異なる場面では、具体的な値が決められていな
いノードは、後の処理で利用されないこともある。この
ように、意味構造変換規則の帰結部の操作対象を存在す
るはずと仮定したまま制御信号を生成することによっ
て、ステップ13および14の処理を省略することがで
きる。特にこの方式は、制御対象機器への制御が一方向
であり、応答データが無い場合に有効な方式であり、バ
ッチ処理等予めすべての制御信号を変換して用意してお
くことができる。次に、ステップ5の処理において、ス
タックに積まれた制御情報がないので、ステップ8に分
岐する。次に、ステップ8の処理において、未だ、ステ
ップ416で得られた意味ネットワーク上に未処理の意
味構造変換規則(すなわち、VTR制御の意味構造変換
規則)があることから、終了していないと判断し、ステ
ップ44に分岐する。次に、ステップ44では、応答情
報テーブル12が更新されていないことから、先ほどと
同様に、図24の意味ネットワークを更新する必要はな
いと判断しステップ5へ分岐する。このように、ステッ
プ44、ステップ5、および、ステップ8の間をループ
する。従って、本処理は。検索の結果、応答情報テーブ
ル12が更新されるまで待機することと実質的に等価で
ある。
【0087】さて、ステップ13の処理において、制御
対象機器からの信号がなければ、ステップ13に分岐す
る。従って、本処理は、制御対象機器からの信号が来る
まで待機する処理である。今の例で、制御信号情報20
8に対応してデータベースシステム19が検索結果を応
答した場合、ステップ14に分岐する。次に、ステップ
14の処理において、データベースからの検索結果を、
機能連鎖構造で表現して、応答情報テーブル12に格納
する。本実施例における具体例では、検索の結果とし
て、力士名が貴花田で、取組日が千秋楽で、開始アドレ
ス値が305である、検索結果が得られる。このことを
機能連鎖構造で表すと図19のようになる。このように
して、応答情報テーブル12が更新されると、前述のス
テップ44、ステップ5、および、ステップ8でループ
していた処理が、ステップ44において、ステップ41
6で得られた意味ネットワークを更新すべきであると判
断して、ステップ45に分岐することになる。
【0088】ステップ45の処理において、意味構造変
換規則の帰結部(図17)のノード(すなわち、ノード
153〜ノード169)を、応答情報テーブル12内の
ノード(すなわち、ノード178〜ノード194)に置
換する。検索結果が今の例のように、1レコードである
場合は、実質的には、ノード159とノード164とノ
ード169で定義されている具体化用関数を評価したも
のと同一である。すなわち、ノード159に定義されて
いる具体化用関数$CELL(ノード146)は、検索
結果のフィールド名$FIELD(ノード146)の値
(今の場合「力士名」)に対応するセルデータの値(今
の場合「貴花田」)を返す関数とする。このような具体
化用関数$CELLによって、$CELL(ノード14
9)は「千秋楽」、$CELL(ノード169)は「3
05」となる。
【0089】ここで、もしも、検索結果が2レコード以
上になる場合は、意味構造変換規則の帰結部を複写し
て、それぞれのレコードごとに機能連鎖構造を用意し応
答情報テーブル12に格納する。例えば、検索の結果、
「(春場所の)千秋楽の貴花田の取組みの開始アドレス
値が305である」と「(夏場所の)千秋楽の貴花田の
取組みの開始アドレス値が2044である」という内容
の2件のレコードデータ(図26)を得た場合、ステッ
プ45の処理においては、それぞれのレコードごとに、
ノード153〜ノード169を用意し、前述のように適
切に$FIELDと$CELLに値を代入する。このよ
うにすることにより、データベースの検索結果が複数で
あるときにも本発明が適用できるようになる。
【0090】さらに、図24の意味ネットワークにおけ
る操作指示ノード「RDB検索」143が接続している
ノード207以降の機能連鎖構造(すなわち、前述のよ
うな処理を施したノード153〜ノード164、「VT
R制御」の意味構造変換規則の条件部(ノード172〜
ノード177)、および、ノード207とノード177
を結ぶ「equ」ノード)をすべて複写し、ノード14
3から、意味ネットワークを複写して2つになったノー
ド207に分岐しても構わない。このように意味表現を
更新する目的は、2つの分岐先に存在する意味構造変換
規則(今の場合「VTR制御」)によって、非決定的に
システムが動作することに対応することが目的である。
すなわち、未操作の操作指示内容(今の場合「VTR制
御」)が複写されることによって、制御対象機器(VT
R)がそれぞれ異なる動作を行っても、それらの動作が
互いに影響を及ぼさない制御方式を提供することができ
る。
【0091】話をもとの具体例に戻して説明を続ける。
ステップ5の処理において、ステップ45で得られた意
味ネットワークをもう一度順にたどり、まだ実行してい
ない意味構造変換規則(今の場合「VTR制御」に関す
るもの)の帰結部に定義された制御情報(すなわち、図
18に示される制御対象機器名170と制御信号情報1
71)があることから、出力すべき制御信号があると判
断し、この制御情報をワークエリア25のスタックに積
みステップ46に分岐する。次に、ステップ46の処理
において、制御信号情報171の中の具体化用関数を評
価する。この例では、具体化用関数$DATA(ノード
177)は、前述の具体化用関数$CELL(ノード1
77)と同じ機能の関数とする。すなわち、$DATA
(ノード177)の返り値は、文字列「305」であ
る。以上のようにして、制御信号は、最終的に図27の
「JP305」209を得る。次に、ステップ7の処理
において、これを、接続しているVTR20に出力す
る。次に、ステップ44の処理において、具体化すべき
ノードがないことから、意味表現を更新する必要はない
と判断し、ステップ5に分岐する。この後は、「VTR
制御」に対する第2の制御情報がスタック上に積まれて
いる(ステップ5)が、この第2の制御情報は、具体化
用関数を含まないので、そのまま処理を進め(ステップ
7)、先程と同様にして、VTR20に図27の「P
L」210を出力する。次に、ステップ44の処理にお
いて、先程と同様に判断してステップ5に分岐し、出力
すべき制御信号はすでにないこと(ステップ5)から、
終了する(ステップ8)。図28は、入力文の意味表現
に対応する、最終的に更新の終わった機能連鎖構造の具
体例である。また、図29は、データベースへの操作指
示208の検索結果が2レコード(図26)であった場
合に対応する、最終的に更新の終わった機能連鎖構造の
具体例である。ただし、ノード143以降のみの抜粋図
である。以上のようにして、音声入力された自然語文を
意味解析し、複数の制御対象機器を連携して操作するこ
とができる。
【0092】特に、この方法によれば、エンドユーザは
制御対象機器(またはアプリケーションシステム)など
に依存した操作指示言語を全く知らなくても、(音声で
ある)基本的な自然語の言葉のみ使い方が分かればその
制御対象機器(またはアプリケーションシステム)を操
作することが可能となる。また、制御対象機器(または
アプリケーションシステム)毎に異なる複雑な操作指示
言語体系や操作体系やデータ構造体系を詳しく知ること
なくして、エンドユーザは自然語を通じて的確に制御対
象機器(またはアプリケーションシステム)を操作する
ことが可能となる。また、制御対象機器(またはアプリ
ケーションシステム)が連携する場合(今の例では、R
DB検索とVTR制御)でも、それらの制御対象機器
(またはアプリケーションシステム)間のデータの引渡
し方法、制御対象機器の制御手順(順序および組合せ)
などを詳しく知ることなくして、エンドユーザは的確に
制御対象機器(またはアプリケーションシステム)を操
作することが可能となる。また、電話回線等を利用する
ことにより、エンドユーザといくつかの制御対象機器
(またはアプリケーションシステム)がそれぞれ離れた
位置にある場合でも、それらを連携して操作することが
可能である。また、ユーザが入力する自然語文は、直接
的に操作を指示する表現(例えば、「力士名が貴花田
で、取組日が千秋楽における開始アドレス値を検索し、
その開始アドレス値からVTRを再生しろ。」)を解析
可能であるだけでなく、目的(ゴール)を指定する表現
(例えば、「千秋楽の貴花田の取組みが見たい。」)で
あっても、意味解析の結果に基づいて操作指示語を生成
するので、会話文に近い表現による入力であっても、適
切に複数の制御対象機器(またはアプリケーションシス
テム)を連携操作することが可能となる。
【0093】本実施例によれば、分野に依存する知識、
システムに関する知識、シソーラスに関する知識、制御
対象機器(またはアプリケーションシステム)に関する
知識、談話に依存する知識など、各種の知識表現を同一
の表現形式(機能連鎖構造)で記述するので、処理手順
の都合によらず適宜、複数の知識を利用することが可能
であり、また、それらの知識の複合により新たな意味表
現(図28)を簡易に構成することが可能となる。ま
た、各種知識が同一の表現形式であることから、これら
の知識を保守するエディタや関数の共通使用が可能であ
るため、それらのエディタや関数の開発工数が低減す
る。また、エディタの使用方法が統一されるので、ユー
ザの知識保守に関する使い勝手が向上する。また、制御
対象機器(またはアプリケーションシステム)に関する
知識は、それぞれ独立して定義可能であるため、制御対
象機器のシステム構成に変更があった場合でも、知識を
加算的(インクリメンタル)に使用することで、知識の
変更が容易である。今の例では、RDB検索に関する知
識(図16と図17)とVTR制御に関する知識(図1
8)とを互いに非依存な知識として定義している。同様
にして、音声合成装置、2台目のVTR、あるいは、エ
キスパートシステムなどを接続する場合には、それぞれ
の制御対象機器(またはアプリケーションシステム)に
関する知識を制御情報テーブル11に加えるだけで、操
作が可能となる。また、同様にして、知識を減らすこと
も可能である。例えば、接続するシステムが、チケット
予約システムであれば、このシステムの制御に関する知
識を登録することで、「千秋楽の貴花田の取組みが見た
い。」に対応して、チケット予約システムに対する予約
コマンドを発行することが可能となる。VTRとチケッ
ト予約システムに関する知識が同時に制御情報テーブル
11に格納されている場合、解析の結果の意味ネットワ
ークは、2通り以上見つかる。このような場合は、評価
得点による優先順位の決定の他に、ステップ41とステ
ップ42の間に、ユーザに入力文の意味の解析結果を確
認(あるいは、候補選択)するステップ設けても構わな
い。このように、本発明によれば、あるシステムを構成
する制御対象機器を、後で動的に追加(あるいは、切離
し)した場合であっても、知識を加算的に与えるだけ
で、入出力装置の複合動作または競合選択を解決し、適
切な自然語解釈候補を提示する自然語インタフェースを
提供することができる。
【0094】本実施例によれば、意味解析の結果である
意味表現が予め与えられた知識の単純な結合によって得
られるので、別の意味表現形式を出力する処理方法に比
べて意味解析のアルゴリズムが効率的である。また、計
算機のメモリ上同一のもの(または、単純なコピー)を
利用することで、メモリ消費量が低減し、処理が高速に
なる。また、意味表現もまた機能連鎖構造であることか
ら、この意味表現を履歴知識として蓄えることで、他の
機能連鎖構造で表現された知識と同様に意味解析処理で
参照することが可能である。このことにより、特に、否
定応答文やただし書きのように後から条件を追加する文
などの意味解析の結果である機能連鎖構造と、それより
前に入力され解析済みの文の機能連鎖構造を結合するこ
とも可能となる。従って、このような会話文に近い否定
応答文や条件を追加する文が解析可能となり、また、前
の入力文を容易に再解析させることが可能となる。
【0095】本実施例によれば、全ての入力を解析し、
意味構造変換規則の帰結部に生成(または消滅)する操
作対象(今の例では、ノード153〜ノード169)を
定義し、意味解析(ステップ41またはステップ43)
でこの操作対象を仮定し、実際に前方の操作を実行した
結果(今の例では、RDBの検索結果)に基づいて、こ
の仮定を修正(ステップ45)することによって、文の
後方が非決定的で文の前方の実行結果に依存している場
合にも解析可能である。あるいは、簡単には、息つぎに
よる音声の区切りや、連用中止法による区切りや、(文
字のキーボード入力などによる)句読点などに基づい
て、入力文を適当に区切り、文の前方のみを意味解析
し、対応する操作を行ってから、文の後方を前方の実行
結果に基づいて解析しても構わない。意味構造変換規則
の帰結部には任意の機能連鎖構造を記述することが可能
であるので、本実施例のように操作対象(ノード153
〜ノード169)の以外にも、意味構造変換規則自体等
を別の意味構造変換規則の帰結部に記述しても構わな
い。このように意味構造変換規則を帰結部に記述した場
合、ある操作指示の結果、使用可能となる規則が増減す
ることになる。これは、談話の状況(あるいは対話の進
行)に応じて、異なる知識を意味解析に使用することが
可能であることを意味する。このようにして、談話依存
の解析、および、話題の焦点(フォーカス)を追従する
意味解析が可能となる。
【0096】前述の実施例の変形例として、音声合成装
置と連動する場合について、図12〜図17及び図30
〜図39を用いて説明する。なお、以下の説明では、前
の実施例とほぼ同様である箇所は、説明を省略してい
る。図30は、本実施例における音声出力に関する意味
構造変換規則である。すなわち、文字列251をカタカ
ナに変換して(具体化用関数$KATAKANA)、音
声合成装置に出力する、という知識を記述している。図
31は、本実施例におけるシステム内上位下位関係の知
識の具体例である。すなわち、「力士名は文字列であ
る。」という知識を記述している。図32は、本実施例
における対象分野内のシソーラス関係の知識の具体例で
ある。すなわち、「関脇は番付である。」という知識を
記述している。図33は、本実施例におけるデータベー
ス構造に関する知識の具体例である。すなわち、第1フ
ィールドが力士名で、第2フィールドが番付で、テーブ
ル名が番付表であるレコードファイルを記述している。
以上の知識は、これまでの説明と同様なので、これ以上
の詳細な説明は要しないであろう。本実施例において
は、図12〜図17及び図30〜図33の知識を制御情
報テーブル11に格納しておくものとする。
【0097】今、ユーザが音声で、「関脇は誰か教え
て。」272と入力したと仮定する(図34)。予め用
意された語句情報テーブル10の情報により、「関脇
は」273は操作対象・条件ノード(意味ラベルは「関
脇」)、「誰か」274は不要ノード、「教えて。」2
75は操作指示ノード(機能レベルは「音声出力」)で
あるとする。図35は、意味解析の結果得られる機能連
鎖構造である。この結果に基づいて、RDBへの検索指
示276を生成する(図36)。この検索指示276に
対応して、データベースの検索を行い、検索結果(図3
7)を応答情報テーブル12に格納し、意味表現を更新
する(図39(RDB検索以降の探索経路を示した
図))。この結果に基づいて、音声合成装置へ出力すべ
き操作指示「タカハナダデス。」277及び操作指示
「アケボノデス。」278を生成する(図38)。な
お、この例における「貴花田」および「曙」は力士の名
前である。以上のようにして、音声合成装置を組み合わ
せた複数のシステムを制御することが可能である。
【0098】本実施例によれば、RDB検索のための知
識(図16及び図17)と、VTR制御のための知識
(図18)と、音声出力のための知識(図30)とが互
いに独立している。しかも、これらの知識を加算的に制
御情報テーブル11に格納することによって、これらの
知識を複合した解釈(例えば、図24など)を導くこと
が可能である。従って、制御対象機器(例えば、2代目
のVTRや、エアコンなど)ごとに用意した知識(意味
構造変換規則など)を追加することにより、その制御対
象機器と既に存在するシステムとが融合したシステムに
対して、ユーザは個別のシステムの制御を意識すること
なく、自然語で操作指示ができるようになる。今の例
で、「教えて。」に対して、操作指示ノードを「音声出
力」または「VTR制御」である、と定義しておく場合
を考える。このとき、探索終了条件を無視すれば、すく
なくとも、意味ネットワークは「RDB検索」を経由し
て「音声出力」するものと、「RDB検索」を経由して
「VTR制御」するものがある。これらの意味は、それ
ぞれ、検索結果(すなわち、今の例では「貴花田」およ
び「曙」)を音声出力することで「教える」のか、VT
Rによりテレビ画面に出力することで「教える」のかに
相当する。このように、本発明によれば、入力文の意図
する目的に対し、操作すべき制御対象機器が異なる場合
でも、意味を解釈することが可能である。
【0099】以上の説明によれば、本実施例における応
答情報テーブル12は表形式であるデータはすべて機能
連鎖構造で表現することができる。すなわち、一般に計
算機上で表形式で格納可能なデータ集合であれば、それ
らを自然語解析処理(ステップ41、または、ステップ
43)や意味表現更新処理(ステップ45)等で利用す
ることが可能であることを示す。例えば、履歴データと
して、最後に扱ったデータを格納しておく(図40、図
41は対応する機能連鎖構造)。このとき、単語「そ
の」を語句情報テーブル10により、操作対象・条件ノ
ード(意味ラベルは「最後に扱ったデータ」)として定
義しておくことにより、「その人の初日の取組みが見た
い。」などの入力文を解析することが可能となる。本実
施例によれば、このようにして、代名詞を含む自然語文
を解釈することが可能である。
【0100】以上の詳細な説明から明らかであるよう
に、それぞれ離れた所にある複数のシステムを連携操作
することにより、ユーザはそれぞれのシステムの物理的
配置、ネットワーク接続形態を意識することなく、必要
なデータベースの検索やその検索結果に基づく他システ
ムの遠隔制御を可能とする自然語による制御装置を提供
することができる。また、制御対象機器の構成や制御手
順の詳細を知ることなくして、連携操作することが可能
である。さらに、代名詞などを含む会話文に近い音声入
力により制御することが可能である。また、本発明の適
用例として、テレビやラジオなどの音声を含む放送を常
に入力として受け付けておき、この入力に対応して、制
御、関連する情報内容の提示などを行なうことも可能で
ある。例えば、相撲の番組が始まる旨がアナウンサーに
より放送された場合、VTRの録画制御を始める。ある
いは、株価の値を放送したときに、データベースへの追
加、集計、前日の値との比較と、その結果の表示などを
行なうことができる。これらのシステムの処理方法に関
する詳細は、当業者によれば、これまでの説明から容易
に類推されるであろう。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、通常の日本語や英語な
どの自然語による入力を与えることにより、制御対象機
器を制御でき、さらに遠隔操作することができるという
顕著な効果を得ることができる。また、通常の日本語や
英語などの自然語による入力を与えることにより、複数
の制御対象機器を組合せて連携操作することができ、さ
らに該連携操作を遠隔操作することができるという顕著
な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における処理の概要を示す図で
ある。
【図2】本実施例におけるハードウェア構成を示すブロ
ック図である。
【図3】本実施例における語句情報テーブルの具体例を
示す図である。
【図4】本実施例における制御情報テーブルの具体例を
示す図である。
【図5】本実施例における応答情報テーブルの更新前の
具体例を示す図である。
【図6】本実施例におけるデータベースシステムに格納
されている大相撲録画テーブルの具体例を示す図であ
る。
【図7】本実施例における応答情報テーブルの更新後の
具体例を示す図である。
【図8】本実施例の変形例における処理の概要を示す図
である。
【図9】機能連鎖構造の基本構造を説明する図である。
【図10】操作対象や条件を表現した機能連鎖構造を説
明する図である。
【図11】図8に基づく実施例におけるデータベース構
造に関する知識の具体例を示す図である。
【図12】図8に基づく実施例におけるシステム内の上
位下位関係の知識の具体例を示す図である。
【図13】図8に基づく実施例におけるシステム内の上
位下位関係の知識の具体例を示す図である。
【図14】図8に基づく実施例における対象分野内のシ
ソーラス関係の知識の具体例を示す図である。
【図15】図8に基づく実施例における対象分野内のシ
ソーラス関係の知識の具体例を示す図である。
【図16】図8に基づく実施例における「RDB検索」
を定義した意味構造変換規則の条件部の具体例を示す図
である。
【図17】図8に基づく実施例における「RDB検索」
を定義した意味構造変換規則の帰結部の具体例を示す図
である。
【図18】図8に基づく実施例における「VTR制御」
を定義した意味構造変換規則の具体例を示す図である。
【図19】図8に基づく実施例における操作対象とその
属性に関する知識の具体例(機能連鎖構造)を示す図で
ある。
【図20】図8に基づく実施例における操作対象とその
属性に関する知識の具体例(テーブル)を示す図であ
る。
【図21】図8に基づく実施例における自然語解析の処
理手順の詳細フローチャートを示す図である。
【図22】図8に基づく実施例におけるネットワーク探
索の処理手順の詳細フローチャートを示す図である。
【図23】自然語文を文節分割した具体例を示す図であ
る。
【図24】自然語文を意味解析した結果得られる機能連
鎖構造の具体例を示す図である。
【図25】RDB検索に対する制御信号情報の具体例を
示す図である。
【図26】操作対象とその属性に関する知識の具体例を
示す図である。
【図27】VTR制御に対する制御信号情報の具体例を
示す図である。
【図28】自然語文に対する最終的な機能連鎖構造の具
体例を示す図である。
【図29】自然語文に対する最終的な機能連鎖構造の具
体例(検索結果が2レコードの場合)を示す図である。
【図30】図8に基づく実施例における「音声出力」を
定義した意味構造変換規則の具体例を示す図である。
【図31】図8に基づく実施例におけるシステム内の上
位下位関係の知識の具体例を示す図である。
【図32】図8に基づく実施例における対象分野内のシ
ソーラスの関係の知識の具体例を示す図である。
【図33】図8に基づく実施例におけるデータベース構
造に関する知識の具体例を示す図である。
【図34】自然語文を文節分割した具体例を示す図であ
る。
【図35】自然語文を意味解析した結果得られる機能連
鎖構造の具体例を示す図である。
【図36】RDB検索に対する制御信号情報の具体例を
示す図である。
【図37】操作対象とその属性に関する知識の具体例を
示す図である。
【図38】音声合成装置に対する制御信号情報の具体例
を示す図である。
【図39】自然語文に対する最終的な機能連鎖構造の具
体例を示す図である。
【図40】図8に基づく実施例における操作履歴に関す
る知識の具体例(テーブル)を示す図である。
【図41】図8に基づく実施例における操作履歴に関す
る知識の具体例(機能連鎖構造)を示す図である。
【符号の説明】 10 語句情報テーブル 11 制御情報テーブル 12 応答情報テーブル 15 プロセッサ 16 記憶装置 17 音声入力装置 18 音声認識装置 19 データベースシステム 20 VTR 21 テレビ 22 音声合成装置 23 音声出力装置 24 自然語解析プログラム 25 ワークエリア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和歌山 哲 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町5030番地 株 式会社日立製作所ソフトウェア開発本部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象機器を制御する制御装置であっ
    て、 音声入力手段からの音声の入力に応答し、該音声の内容
    を認識する音声認識手段と、データベースと、制御対象
    機器の制御に係る語句情報を格納した語句情報テーブル
    と該語句と前記制御対象機器に対する制御情報との対応
    関係を格納した制御情報テーブルと前記データベースの
    検索結果を格納する応答情報テーブルとを収容した記憶
    手段と、処理装置を備え、 前記処理装置は、 前記音声認識手段による認識結果に基づき前記語句情報
    テーブルを参照して前記制御対象機器の制御に係る語句
    を抽出する手段と、 該抽出された語句に対応する制御情報を前記制御情報テ
    ーブルを参照して抽出する手段と、 該抽出された制御情報のうち制限情報の付与されていな
    い制御情報に基づき制御信号を生成して前記制御対象機
    器あるいは前記データベースに出力する手段と、 前記データベースから応答があるとき応答情報を前記応
    答情報テーブルに格納する手段と、 該応答情報テーブルに格納された応答情報により制限情
    報の付与されている制御情報を補完し、該補完された制
    御情報に基づき制御信号を生成して前記制御対象機器に
    出力する手段を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制御装置において、前記
    制御対象機器の制御に係る語句を抽出する手段が、形態
    素解析手段、構文解析手段、または意味解析手段の内、
    少なくとも一つを備え、語句の抽出を行なうようにした
    ことを特徴とする制御装置。
  3. 【請求項3】 制御対象機器を制御する制御装置であっ
    て、 音声入力手段からの音声の入力に応答し、該音声の内容
    を認識する音声認識手段と、データベースと、制御対象
    機器の制御に係る語句情報を格納した語句情報テーブル
    と意味の解析を行なうための機能連鎖構造を格納した制
    御情報テーブルと前記データベースの検索結果を機能連
    鎖構造の表現で格納する応答情報テーブルとを収容した
    記憶手段と、処理装置を備え、 前記処理装置は、 形態素解析手段、構文解析手段、または意味解析手段の
    内、少なくとも一つを備え、前記音声認識手段による認
    識結果に基づき前記語句情報テーブルを参照して前記制
    御対象機器の制御に係る語句を抽出する手段と、 該抽出された語句に基づき前記制御情報テーブルを参照
    して意味解析を行ない意味ネットワーク表現を探索し、
    該意味ネットワーク表現に基づき前記抽出された語句に
    対応する制御情報を抽出する手段と、 該抽出された制御情報に基づき制御信号を生成して前記
    制御対象機器あるいは前記データベースに出力する手段
    と、 前記データベースから応答があるとき応答情報を機能連
    鎖構造の表現で前記応答情報テーブルに格納する手段
    と、 前記応答情報テーブルに応答情報が格納されたとき、該
    応答情報により前記意味ネットワーク表現を補完し、該
    補完した意味ネットワーク表現に基づき前記抽出された
    語句に対応する制御情報を抽出する手段と、 該抽出された制御情報に基づき制御信号を生成して前記
    制御対象機器に出力する手段を備えることを特徴とする
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の制御装置において、前記
    意味解析結果である意味ネットワーク表現を格納する記
    憶手段を備え、新たな音声入力に対する音声認識結果に
    基づき前記記憶手段に格納された意味解析結果を再解析
    することを特徴とする制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかの請求
    項記載の制御装置において、前記音声入力手段をマイク
    ロホンとし、該マイクロホンを無線通信機あるいは電話
    回線を介して音声認識手段と結合し、前記制御対象機器
    を遠隔制御可能としたことを特徴とする制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれかの請求
    項記載の制御装置において、前記制御対象機器が、VT
    R、テレビ、または、音声出力装置の少なくとも一つ以
    上の装置を組み合わせであることを特徴とする制御装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項4のいずれかの請求
    項記載の制御装置において、前記音声認識手段の代え
    て、文字認識手段、キーボード入力手段、ボタン操作手
    段、あるいは、メニュー選択手段の内少なくとも、一つ
    以上の手段を備え、自然語の入力するようにしたことを
    特徴とする制御装置。
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