JPH06263535A - 圧電磁器 - Google Patents
圧電磁器Info
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- JPH06263535A JPH06263535A JP5071063A JP7106393A JPH06263535A JP H06263535 A JPH06263535 A JP H06263535A JP 5071063 A JP5071063 A JP 5071063A JP 7106393 A JP7106393 A JP 7106393A JP H06263535 A JPH06263535 A JP H06263535A
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Abstract
性に優れた圧電磁器であって、特に、群遅延時間特性が
平坦で位相歪が小さく、かつ、表面実装に対応すること
が可能なフィルタ素子用の圧電磁器を得る。 【構成】 一般式:PbZr1-XTiXO3(但し、X=
0.46〜0.54)で表されるチタン酸ジルコン酸鉛
のPb原子の8.0モル%までをCa,Sr,及びBa
からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換し、さら
に、Sb,Nb,W,及びTaからなる群より選ばれる
少なくとも1種を、Sb2O3,Nb2O5,WO3,及び
Ta2O5に換算して0.1〜2.9重量%添加した組成
を有する圧電磁器に対して、SnをSnO2に換算して
0.005〜2.0重量%含有させる。
Description
セラミックフィルタ、セラミックディスクリミネータな
どの圧電素子、特に、耐熱性が要求される表面実装型の
圧電部品に使用される圧電磁器に関する。
電磁器(圧電磁器組成物)として、従来より、チタン酸
ジルコン酸鉛(Pb(TiXZr1-X)O3)を主成分と
する圧電磁器が広く用いられており、その圧電特性を改
善するために種々の微量添加物を添加した圧電磁器が用
いられている。
に、群遅延時間(GDT)特性が平坦で、位相歪が小さ
いセラミックフィルタ(圧電フィルタ)用の圧電磁器に
は、機械的品質係数Qm値の小さいことが要求される。
さい圧電磁器としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb
(TiXZr1-X)O3)に添加物として、酸化ニオブ、
酸化アンチモン、酸化タンタルなどを添加した圧電磁器
や、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(TiXZr1-X)
O3)のPb原子の一部をLaなどの希土類元素で置換
した圧電磁器などが知られている。
に微量成分を拡散させた材料として、Pb(Zr0.52T
i0.48)O3にSnを拡散させた材料が報告されている
(特公昭51−28357)。
械的品質係数Qm値の小さい圧電磁器は、アクチュエー
タ用として圧電d定数を増大させたものや、広帯域フィ
ルタ用として電気機械結合係数Kを増大させることを主
たる目的とするものが多く、キュリー温度が低く、耐熱
性が不十分なものが多い。
小さい圧電磁器は、キュリー温度が高いものであって
も、半田付け工程などで温度上昇を伴う場合において
は、圧電磁器の両端に形成した電極間を短絡させたとき
はよいが、開放したときには、電気機械結合係数Kが低
下し、共振・***振周波数が大きくずれてしまうという
問題点がある。
磁器は、表面実装型のフィルタ素子として使用した場
合、リフロー半田付けの工程で高温(約250℃)にさ
らされると、フィルタ特性が大きく劣化するという問題
点がある。
nを拡散させた材料(特公昭51−28357)では、
共振・***振周波数の温度特性が悪いという問題点があ
り、フィルタ素子用の材料として用いるには不適当であ
る。
であり、機械的品質係数Qm値が小さく、かつ、耐熱性
に優れた圧電磁器であって、特に、群遅延時間特性が平
坦で位相歪が小さく、かつ、表面実装に対応することが
可能なフィルタ素子用の圧電磁器を提供することを目的
とする。
めに、この発明の圧電磁器は、一般式:PbZr1-XT
iXO3(但し、X=0.46〜0.54)で表されるチ
タン酸ジルコン酸鉛のPb原子の8.0モル%までをC
a,Sr,及びBaからなる群より選ばれる少なくとも
1種で置換し、さらに、Sb,Nb,W,及びTaから
なる群より選ばれる少なくとも1種を、Sb2O3,Nb
2O5,WO3,及びTa2O5に換算して0.1〜2.9
重量%添加した組成を有する圧電磁器に対して、Snを
SnO2に換算して0.005〜2.0重量%含有させ
たことを特徴とする。
拡散により含有せしめたものであることを特徴とする。
が、圧電磁器の粒内部より、粒界層に高濃度で存在して
いることを特徴とする。
械的品質係数Qm値が小さく、キュリー温度が高い圧電
磁器に対して、Snを含有させることにより抵抗率を低
下させることを特徴とするものであり、特に、Snを
(例えば900〜1200℃の温度で)圧電磁器中に熱
拡散させ、Snを粒内部よりも粒界層で高濃度になるよ
うに偏在させることにより、その抵抗率を低下させるよ
うにしたものである。
れを室温に戻したときには焦電電荷が発生する。この焦
電電荷による電場は、圧電磁器の分極方向と反対方向に
発生し、圧電磁器の分極の大きさを減少させる。
せ、圧電磁器の分極の大きさが低下することを防止する
ために、圧電磁器にSnを含有させるものであり、特
に、Snを、例えば900〜1200℃の温度で熱拡散
させて含有させることにより、圧電磁器の抵抗率を低下
させ、焦電電荷を速やかに放電させ、分極方向と反対方
向の電場が長時間印加されることを防止するものであ
る。そして、これにより、残留分極の大きさが減少する
ことを抑制し、共振・***振周波数の変化量を減少させ
ることができる。
らに具体的に説明する。まず、圧電磁器の構成材料であ
るPbO,SrCO3,BaCO3,CaCO3,Ti
O2,ZrO2,Sb2O3,Nb2O5,WO3,Ta2O5
の各原料を表1に示すような組成となるように秤取し、
これに水を加え、ボールミルを用いて湿式混合する。そ
して、湿式混合により得られた混合物を乾燥した後、8
00〜900℃で2時間仮焼し、この仮焼材料をボール
ミルを用いて湿式粉砕することにより調整粉末を得た。
ルアルコールなどの粘結材を添加し、プレス成形を行な
った後、1150〜1250℃の温度で2時間焼成を行
ない、直径10mm、厚さ1mmの円板状の磁器を得た。こ
の磁器の表面に、SnO2をワニスで練って作製したペ
ーストを塗布し、乾燥させた後、これを900〜120
0℃の温度で2時間加熱して熱拡散処理を施した。その
後、この磁器を厚さ0.5mmに研磨し、両端面(両主
面)に銀電極を焼き付けした後、80℃の絶縁オイル中
で30分間、2〜3kV/mmの電界で分極処理を行ない
圧電磁器(振動子試料)を得た。なお、比較のため、上
記実施例と同様の方法でこの発明の範囲外の圧電磁器
(振動子試料)を作製した。
ρ,径方向の振動における電気機械結合係数Kp,機械
的品質係数Qmp,及び共振周波数Frの温度変化率
(Fr−TC(温度係数)と表記)を測定した。その結
果を表1に示す。
分間入れて加熱処理を施し、両端電極間を開放させたま
ま取り出した後、約1時間放置し、共振周波数Fr及び
***振周波数Faの変化量ΔFr,ΔFaを測定した。
その結果も併せて表1に示す。
β,αは、下記の式(1): Pb1-YAYZr1-XTiXO3 + β(wt%)B + α(wt%)SnO2 ……(1) における各成分とその添加割合を示している。すなわ
ち、AはPbと置換した元素(Ca,Sr,及びBaの
少なくとも1種)の種類,Yはその割合(モル比),X
はTiの割合(モル比)を示しており、Bは添加したS
b2O3,Nb2O5,WO3,Ta2O5の少なくとも1種
の種類,βはその割合(重量%)を示している。また、
αはSnO2の含有割合(重量%)を示している。
はこの発明の範囲外の圧電磁器(比較例)を示してい
る。
も含めて検討した結果、A(Ca,Sr,Ba)の置換
量Yが合計0.08(すなわち8モル%)を越えるとキ
ュリー温度が低下するとともに、加熱後の共振・***振
周波数の変化量ΔFr,ΔFaが大きくなり、耐熱性が
悪化することがわかった。したがって、A(Ca,S
r,Ba)の置換量Yは0.08(8モル%)以内であ
ることが好ましい。
Ta2O5の少なくとも1種)の添加量βが0.1重量%
未満の場合、Frの温度変化率Fr−TCが大きくなる
などの問題があり、また添加量βが2.9重量%を越え
るとキュリー温度が低下し、耐熱性が悪化するため、B
(Sb2O3,Nb2O5,WO3,Ta2O5の少なくとも
1種)の添加量βは、0.1〜2.9重量%の範囲にあ
ることが好ましい。
4を越えると電気機械結合係数Kpが低下し、また、X
が0.46未満になるとキュリー温度が低下し、耐熱性
が悪化するため、Tiの割合(モル比)Xは0.46〜
0.54の範囲にあることが好ましい。
(試料No.1)とこの発明の実施例の試料(例えば、試
料No.2)を比較すると、実施例の圧電磁器(試料No.
2)は、Snを含有していない試料(試料No.1)に比
べて、比抵抗(抵抗率)ρが1桁以上小さくなっている
ことがわかる。
nO2が粒界層に偏在しているためである。
示すように、加熱後の共振周波数及び***振周波数の周
波数変化量ΔFr,ΔFaが大幅に小さくなっている。
しかもこの場合、機械的品質係数QmpはSnを含有し
ない試料No.1とほとんど変らず、電気機械結合係数K
pの値は、試料No.1よりもかなり大きくなっており、
この点においても、実施例の圧電磁器はその特性が向上
していることがわかる。
て0.005重量%未満の場合、比抵抗(抵抗率)ρや
周波数変化量ΔFr,ΔFaなどの特性改善の効果が不
十分であり、また、2.0重量%を越えると機械的品質
係数Qmpが大きくなったり、周波数変化量ΔFr,Δ
Faが大きくなったりするという問題が生じるため、S
nの含有量αは、SnO2に換算して0.005〜2.
0重量%の範囲にあることが好ましい。
一般式:PbZr1-XTiXO3(但し、X=0.46〜
0.54)で表されるチタン酸ジルコン酸鉛のPb原子
の8.0モル%までをCa,Sr,及びBaからなる群
より選ばれる少なくとも1種で置換し、さらに、Sb,
Nb,W,及びTaからなる群より選ばれる少なくとも
1種を、Sb2O3,Nb2O5,WO3,及びTa2O5に
換算して0.1〜2.9重量%添加した組成を有する圧
電磁器に対して、SnをSnO2に換算して0.005
〜2.0重量%含有させるようにしているので、電気機
械結合係数Kが大きく、かつ、共振周波数及び***振周
波数の温度変化率、及び機械的品質係数Qmの値が小さ
い圧電磁器を得ることができる。
フィルタ(圧電フィルタ)素子に用いた場合、広い周波
数帯域において、群遅延時間(GDT)特性が平坦で、
しかも位相歪が小さいという優れた特性を発揮させるこ
とが可能になり、デジタル信号に対してビット誤りを生
じにくくすることが可能になる。したがって、この発明
の圧電磁器は、デジタル対応の圧電フィルタ素子用の材
料として特に有意義である。
熱後の冷却に対する共振周波数及び***振周波数の変化
量が小さいという特徴を有している。
は、リフロー半田などにより表面実装されるフィルタ素
子材料として用いられた場合にも、高温(〜250℃)
による特性劣化、特にフィルタの通過帯域のずれ、及び
通過帯域幅の減少割合が小さく、表面実装に十分に対応
することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式:PbZr1-XTiXO3(但し、
X=0.46〜0.54)で表されるチタン酸ジルコン
酸鉛のPb原子の8.0モル%までをCa,Sr,及び
Baからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換し、
さらに、Sb,Nb,W,及びTaからなる群より選ば
れる少なくとも1種を、Sb2O3,Nb2O5,WO3,
及びTa2O5に換算して0.1〜2.9重量%添加した
組成を有する圧電磁器に対して、SnをSnO2に換算
して0.005〜2.0重量%含有させたことを特徴と
する圧電磁器。 - 【請求項2】 前記Snが、拡散により含有せしめたも
のであることを特徴とする請求項1記載の圧電磁器。 - 【請求項3】 前記Snが、圧電磁器の粒内部より、粒
界層に高濃度で存在していることを特徴とする請求項1
記載の圧電磁器。
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