JPH062628B2 - 緩効性窒素肥料含有粒状肥料 - Google Patents

緩効性窒素肥料含有粒状肥料

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JPH062628B2
JPH062628B2 JP17337386A JP17337386A JPH062628B2 JP H062628 B2 JPH062628 B2 JP H062628B2 JP 17337386 A JP17337386 A JP 17337386A JP 17337386 A JP17337386 A JP 17337386A JP H062628 B2 JPH062628 B2 JP H062628B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、緩効性窒素肥料を含有する粒状の緩効性肥料
に関する。
[発明の背景] 従来から窒素肥料として使用されている硫安、尿素、塩
安および硝安などは、すべて水にとけ易く、土壌中で植
物に吸収される前に流出することが多い。特に水田のよ
うな湛水条件で上記のような窒素肥料を用いた場合には
流出する肥料の損失を有効に防ぐことは難しい。
そこで、窒素を含有する水に難溶な有機物質を窒素肥料
として使用する技術が既に知られており、このような窒
素肥料は、緩効性窒素肥料と呼ばれている。緩効性窒素
肥料としては、オキサミド、ウレアホルム、イソブチリ
デン二尿素、グアニル尿素、ジフルフリリデン三尿素、
ウレア−Z、グリコールウリル及びクロトニリデン二尿
素等が知られている。このような緩効性窒素肥料の中
で、例えば、オキサミド[(CONH22]は、水に対
する溶解性が低く、さらに作物に対して薬害がないなど
緩効性窒素肥料として優れた特性を有しており、既に一
部では実用化されている。通常、オキサミドなどの緩効
性窒素肥料は、粉末として得られる。
しかしながら、粉末の形態の緩効性窒素肥料は土壌中の
分解菌により比較的早く分解されて無機化(植物が吸収
できる形態にまで緩効性窒素肥料が分解されることをい
う)し、無機化された成分は、前記の通常の窒素肥料と
同様に流亡等により損失し易いので、緩効性窒素肥料の
緩効性の特徴を充分に生かせない場合がある。
そこで、緩効性窒素肥料の溶出を制御して緩効性窒素肥
料と緩効性窒素肥料分解菌との接触を抑制することによ
り、緩効性窒素肥料の無機化速度を低下させ、緩効性窒
素肥料の肥効を長期間にわたり維持するとの技術が利用
されている。
例えば、粒状肥料の製造法として、特公昭48−162
98号公報には、N、P25、K2Oの一種以上を含む
粒状化成肥料の製造に於て少量のリン酸・アンモニア・
アルミニウム反応物をイオン性アルカリ土類金属化合物
を添加することを特徴とする水中で崩壊しない粒状肥料
の製造法に関する発明が、さらに、特公昭48−163
01号公報には、上記のイオン性アルカリ土類金属化合
物の代わりに無水けい酸を主体とする化合物を用いる発
明が開示されている。
すなわち、これらの発明は、基本的には、湛水条件にお
いて粒状肥料の形状を維持するのに必要な少量のリン酸
・アンモニア・アルミニウム反応物を粒状肥料中に含有
させることにより、肥料成分(緩効性窒素肥料としては
具体的には、CDU、イソブチリデン尿素)の溶出量を
抑制することを主な特徴とするものである。
しかしながら、上記の公報に記載された方法で製造され
た粒状肥料は、湛水条件における粒子強度および粒子が
水中で崩壊せずにその形状が維持されるとの特性(水中
形状安定性)などの諸特性において、充分であるとはい
えない場合がある。これは、緩効性窒素肥料の粉末は、
緩効性窒素肥料以外の肥料と比較すると一般に成形しに
くく、さらに緩効性窒素肥料のなかでも粒状に成型する
際の特性がそれぞれ異なっているので、従来の造粒方法
を利用したのでは、賦形成分の種類および量が適当でな
いことが多いからである。例えば、粉末状のオキサミド
は緩効性窒素肥料の中でも特に成型しにくく、緩効性窒
素肥料としてオキサミドを用いる場合、上記の発明を利
用して少量のリン酸・アンモニア・アルミニウム反応物
を用いて造粒したとしても、良好な粒子硬度および水中
形状安定性を有する粒状肥料を製造することが困難であ
る。
従って、緩効性窒素肥料を用いて造粒する場合には、用
いる緩効性窒素肥料の特性に合せて賦形剤の種類および
量の選択をすることが必要である。
[発明の目的] 本発明は、充分な硬度と良好な水中形状安定性とを有す
る緩効性窒素肥料を含有する粒状の緩効性肥料を提供す
ることを目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、緩効性窒素肥料と、該緩効性窒素肥料100
重量部に対して10〜350重量部の鉄化合物と、該鉄
化合物1モルに対して2モル以上の燐酸のアンモニウム
塩とを含む組成物を造粒して得られる緩効性窒素肥料含
有粒状肥料にある。
[発明の効果] 本発明の粒状肥料は、各粒子の硬度が高く、さらに水中
において粒子が崩壊することが少ないので、緩効性窒素
肥料の溶出速度を有効に抑制することができる。従っ
て、緩効性窒素肥料の無機化の速度を有効に制御するこ
とができる。
[発明の詳細な記述] 本発明の粒状肥料は、基本的には、緩効性窒素肥料と、
この緩効性窒素肥料に対して特定量の鉄化合物および燐
酸のアンモニウム塩とを含む組成物を粒状にした肥料で
ある。
本発明の粒状肥料は、緩効性窒素肥料を含むものであ
る。
緩効性窒素肥料の含有率は、通常は60重量%以下とす
る。さらに、含有率が5〜40重量%の範囲内にあるこ
とが好ましい。緩効性窒素肥料の含有率が60重量%よ
り高い場合には、鉄化合物おより燐酸のアンモニウム塩
などの成分の配合率が低くなるので、得られた粒子の硬
度が低くなることがあり、従って、緩効性窒素肥料の無
機化を有効に制御することができないことがある。
本発明において、緩効性窒素肥料は通常のものを用い
る。
緩効性窒素肥料の例としては、難溶性の合成窒素化合物
からなるもので難溶性のアミド化合物、アルデヒドと尿
素の縮合物、あるいはグアニジン系化合物、トリアジン
系化合物、尿素型縮合物を挙げることができる。さらに
詳しくは、難溶性のアミド化合物の例としてはオキサミ
ド(OX)、アルデヒドと尿素の縮合物の例としては、
ウレアホルム(UF)、イソブチリデン二尿素(I
B)、クロトニリデン二尿素(CDU)、ウレア−Z、
グリコールウリル、ジフルフリリデン三尿素(2F3
U)を挙げることができ、グアニジン系化合物の例とし
てはグアニル尿素(GU)の燐酸塩および硫酸塩を挙げ
ることができる。また、トリアジン系化合物の例として
はシアヌル酸を、その尿素縮合物の例としてトリウレッ
トを挙げることができる。緩効性窒素肥料は、これらを
単独で、あるいは二種以上を含むものであってもよい。
特に本発明の粒状肥料は、上記の緩効性窒素肥料のいず
れの緩効性窒素肥料を用いた場合であっても良好な特性
を有するが、特に緩効性窒素肥料のなかでも成形性が悪
いオキサミドを主成分とする場合であっても良好な特性
を有する粒状肥料とすることができる。従って、本発明
の粒状肥料は、緩効性窒素肥料としてオキサミドを主成
分として用いる場合に好適である。
鉄化合物は上記の緩効性窒素肥料100重量部に対して
10〜350重量部(好ましくは40〜200重量部)
配合する。鉄化合物の量が上記範囲を逸脱すると肥料粒
子の水中形状安定性が低下する。
鉄化合物としては、種々のものを用いることができる
が、鉄の強酸塩を用いることが好ましい。このような鉄
化合物の例としては、硫酸鉄、塩化鉄および硝酸鉄を挙
げることができ、本発明においてはこれらの中から一種
もしくは二種以上の鉄化合物を適宜選択して使用する。
特に硫酸鉄を使用することが好ましい。更に、硫酸鉄と
しては、Fe2(SO43・xH2Oの組成式を有し、F
2(SO43含有率が50〜60重量%のものが使用
し易い。
燐酸のアンモニウム塩は、上記鉄化合物1モルに対して
2モル以上用いる。特に燐酸のアンモニウム塩の使用量
が上記鉄化合物1モルに対して5〜60モルの範囲内に
あることが好ましい。この燐酸のアンモニウム塩の少な
くとも一部は、上記の鉄化合物と反応して水に難溶性の
後述の水不溶性化合物を形成するものと推察されるの
で、この燐酸のアンモニウム塩が2モルより少ないと実
質的に植物が吸収し得る形態の燐酸肥料成分の含有率が
低くなり、さらに得られた粒状肥料の水中形状安定性お
よび硬度が低下する。また、60モルより多い場合に
は、粒状肥料中の鉄化合物などの配合比率が低くなるこ
とがあるので、緩効性窒素肥料の溶出量の制御が充分に
行なえないことがある。
燐酸のアンモニウム塩の例としては、燐酸一アンモニウ
ム、燐酸二アンモニウムおよりポリ燐酸アンモニウムを
挙げることができる。特に燐酸一アンモニウム(一燐
安)を使用することが好ましい。すなわち、燐酸一アン
モニウムは、他の燐酸のアンモニウム塩と比較すると上
述の鉄化合物との反応性が良好である。
ただし、本発明においては、この燐酸のアンモニウム塩
は、上記に例示した塩の形態で組成物中に添加されるこ
とを要するものではなく、例えば燐酸とアンモニアのよ
うな上記の塩を形成し得る酸と塩基(例、燐酸とアンモ
ニア水)、あるいは二種以上の塩などの形態で添加して
もよい。
本発明の粒状肥料は、さらに賦形成分を使用することを
必要とするものではないが、石膏のような賦形剤を使用
することにより、得られる粒状肥料の粒子強度および水
中形状安定性等の諸特性がさらに向上する。石膏を使用
する場合、上記の緩効性窒素肥料100重量部に対して
通常は5〜200重量部使用する。上記範囲を逸脱する
と得られた粒状肥料の強度および水中形状安定性が充分
に向上しないことがある。
石膏を使用する場合は、半水石膏および二水石膏などの
通常のものを用いることができる。
なお、石膏を使用する場合には、本発明の粒状肥料中に
おける石膏と鉄化合物との合計重量が、粒状肥料中に含
まれる緩効性窒素肥料の重量の0.5〜2.5倍の範囲
内になるように各成分の配合量を調整することが特に好
ましい。石膏と鉄化合物との合計重量を上記のようにす
ることにより、粒状肥料の水中形状安定性及び硬度がさ
らに向上する。
本発明の粒状肥料は、緩効性窒素肥料、鉄化合物および
燐酸のアンモニウム塩並びに所望により配合される石膏
等および後述の肥料成分を含む組成物の造粒物である。
すなわち、上記の各成分を混合し、これに適量(通常
は、混合物100重量部に対して10〜20重量部の
水)を加え、通常の方法(例えば皿型造粒機、押出し造
粒機などを用いた造粒方法)を利用して造粒し、乾燥す
ることにより得られる。
このようにして組成物を造粒することにより、本発明の
粒状肥料中においては、上述の鉄化合物および燐酸のア
ンモニウム塩の少なくとも一部が反応して水に不溶もし
くは難溶な化合物を形成するものと推察される。
この水不溶性化合物は、水に対して不溶もしくは難溶性
であると共に、硬度が高いとの特性を有している。そし
て、上記のようにして造粒することにより、結晶が多孔
質になる。本発明の粒状肥料は、基本的にはこの生成し
た水不溶性化合物の有するこのような特性を利用して、
粒状肥料からの緩効性窒素肥料の溶出を制御するのであ
る。
すなわち、上記の水不溶性化合物の多孔質結晶が網目状
に発達して粒状肥料に強度と水中形状安定性を付与す
る。そして、緩効性窒素肥料(および所望により配合さ
れるその他の肥料成分)は、上記の水不溶性化合物中に
マトリックス状に分散した状態で存在している。
そして、石膏を用いる場合には、石膏と上記の水不溶性
化合物とが共同してさらに強度が高く、かつ良好な水中
形状安定性を有する粒状肥料となる。また、石膏を使用
することにより、石膏は分解菌が粒状肥料内へ浸入する
のを遮蔽するとの作用を有しているので、畑条件におけ
る緩効性窒素肥料の無機化速度の制御を有利に行なうこ
とができるようになる。
この多孔質結晶および肥料粒子の表面の状態は、肥料粒
子の表面に金蒸着を行なったのち、表面をたとえば電子
顕微鏡を用いて1000〜10000倍の範囲内の倍率
で観察することにより確認することができる。
本発明の粒状肥料の特徴の一に、多量の鉄化合物を使用
していることが挙げられる。この鉄化合物の使用は、単
に肥料粒子中に水不溶性化合物を形成して肥料粒子に硬
度等を付与するように作用する外に、本発明の粒状肥料
を水中に投入した肥料周囲の雰囲気のpH値を低下させる
ように作用する。すなわち、緩効性窒素肥料としてオキ
サミドを用いた場合には、その溶出速度は、肥料粒子周
囲のpH値を低下させることにより制御され、さらにpH値
の低下によりオキサミド分解菌の活性も低下することが
判明した。
そして、本発明の粒状肥料において、上記のように多量
の鉄化合物を使用することにより、pH値を有効に低下さ
せることが可能になった。すなわち、本発明の粒状肥料
において緩効性窒素肥料としてオキサミドを使用した場
合には、上記の水不溶性化合物による作用に加えて、こ
のpH値の低下の作用により、オキサミドの溶出速度およ
び分解速度が低下するのである。
なお、本発明に粒状肥料においては、上記の鉄化合物の
一部あとしてアルミニウム化合物を使用してもよい。す
なわち、一定量以下であれば鉄化合物の代わりにアルミ
ニウム化合物を使用しても、緩効性窒素肥料成分の溶出
速度が好適に抑制され、肥料粒子が良好な硬度を有する
との特性は特に変化することがない。
ただし、植物に対する作用においては、鉄が植物の微量
必須要素であるのに対して、アルミニウムは微量必須要
素とはならない。従って、本発明の粒状肥料が鉄を含む
ことにより、鉄欠乏によるクロロシスなどの発生の防止
効果を期待できるのに対して、アルミニウムの含有率が
増加するに従って、このような効果は期待できなくな
る。
鉄化合物の代わりに使用することができるアルミニウム
化合物としては、アルミニウムの強酸塩が好適であり、
具体例としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム
および硝酸アルミニウムを挙げることができ、これらの
中から一種もしくは二種以上のアルミニウム化合物を選
択して使用することができる。特に硫酸アルミニウムを
使用することが好ましい。
なお、アルミニウム化合物を用いる場合、通常、組成物
中におけるアルミニウム化合物の配合率を鉄化合物の5
0モル%以下とする。
このようにアルミニウム化合物を用いることにより、上
記水不溶性化合物中の鉄原子の一部がアルミニウム原子
で置換されるものと推定される。なお、本発明において
は、この水不溶性化合物の特性を損なわない範囲内で、
水不溶性化合物中の鉄原子あるいはアンモニウム原子の
一部がさらに他の原子で置換されたものであってもよ
い。
本発明の粒状肥料は、特定量の緩効性窒素肥料、鉄化合
物および燐酸のアンモニウム塩をおもな成分とする組成
物の造粒物であるので、これらを中心に説明したが、本
発明の粒状肥料は、さらに緩効性窒素肥料以外の肥料成
分を含む組成物を調製し、これを造粒して複合粒状肥料
とすることもできる。
すなわち、本発明の粒状肥料は、上記の成分の外に緩効
性窒素肥料以外の窒素肥料(例、硫安、硝安、塩安、石
灰窒素、尿素)、燐酸肥料(例、過燐酸石灰よう成燐
肥)、カリ肥料(例、塩化加里)、有機質肥料(例、油
かす、魚粉)、微量要素(例、Mn、B、Cu、Zn、
Cl)を含有する肥料などを含むものであってもよい。
上記の肥料を配合する場合には、上記の肥料成分の合計
の含有率が、通常80重量%以下(好ましくは60重量
%以下)となるようにする。
なお、本発明の粒状肥料には、各粒子の硬度を高くして
水中形状安定性を改善することなどを目的として、ポリ
ビニルアルコールのような合成樹脂を配合することもで
きる。
複合粒状肥料の具体的な例を示すと、緩効性窒素肥料5
〜20重量部、燐酸のアンモニウム塩(燐酸第一アンモ
ニウムが好ましい)20〜40重量部、緩効性窒素肥料
以外の窒素肥料(硫安が好ましい)10〜30重量部、
カリ肥料(塩化加里が好ましい)10〜30重量部、鉄
化合物(硫酸鉄が好ましい)3〜30重量部、そして石
膏0.1〜30重量部を含む組成物の造粒物を挙げるこ
とができる。
また、尿素を含む複合肥料の具体的な例としては、尿素
5〜20重量部、緩効性窒素肥料(オキサミドが好まし
い)10〜25重量部、燐酸のアンモニウム塩(燐酸第
一アンモニウムが好ましい)25〜45重量部、緩効性
窒素肥料及び尿素以外の窒素肥料(硫安が好ましい)5
〜10重量部、カリ肥料(塩化加里が好ましい)10〜
30重量部、鉄化合物(硫酸鉄が好ましい)2〜20重
量部、そして石膏0.1〜15重量部を含む組成を挙げ
ることができる。
本発明の粒状肥料の形状およびサイズに関しては特に制
限はないが、通常は、1〜10mmの範囲内の粒子径を有
する粒状もしくは顆粒状である。特に粒子径が1.5〜
5.5mmの範囲内にある粒状もしくは顆粒状のものは、
施肥の際の飛散を軽減できるなど作業性が良好であり好
ましい。
本発明の粒状肥料は、それぞれの粒子の硬度が高く、木
屋式硬度計を用いて測定した粒子(粒子径3.5〜4.
5mmのもの)の平均の硬度が5kg以上である。さらに、
水中に投入した場合に肥料粒子が短時間で崩壊すること
が少ないなど水中形状安定性が優れている。従って、湛
水土壌中における緩効性窒素肥料の無機化速度が低下す
る。
本発明の粒状肥料を用いた場合には、従来の肥料におい
て最も大きな欠点とされていた水中での緩効性窒素肥料
の短期溶脱や流亡がなくなり、極めて効率的に長期間肥
効を発揮する点で、実用上非常に有用である。
次に本発明の実施例および比較例を示す。
[実施例] オキサミド粉末10.4重量部、燐酸一アンモニウム3
0重量部、硫酸アンモニウム22.1重量部、塩化加里
18.2重量部、硫酸鉄[Fe2(SO43・xH2O,
Fe2(SO43含有率55重量%]17.2重量部及
び石膏2.1重量部を混合機で充分に混合した。なお、
硫酸鉄1モルに対する燐酸一アンモニウムの配合量は、
11.0モルである。
次いでこの混合物100重量部に対して13重量部の水
を加え、皿型造粒機を用いて造粒し、造粒物を加熱乾燥
して2〜5mmの範囲内の直径を有する緩効性窒素肥料含
有粒状肥料を得た。
得られた粒状肥料に常法に従って金蒸着処理を行なった
後、電子顕微鏡(JXA-50A、日本電子(株)製)を用い
て倍率5000倍で観察したところ、各肥料粒子には、
多孔質の結晶が成長していることが確認された。
なお、以下に記載する実施例および比較例において肥料
粒子の観察は上記の方法によった。
[実施例2] 実施例1に於て、硫酸鉄の配合量を8.6重量部、石膏
の配合量を10.7重量部とした以外は同様にして2〜
5mmの範囲内の直径を有する緩効性窒素肥料含有粒状肥
料を得た。なお、硫酸鉄1モルに対する燐酸第一アンモ
ニウムの配合量は、22.2モルである。
得られた緩効性窒素肥料含有粒状肥料の肥料粒子には、
多孔質の結晶が成長していることが確認された。
[実施例] 実施例1に於て、硫酸鉄の配合量を5.8重量部、石膏
の配合量を13.5重量部とした以外は同様にして2〜
5mmの範囲内の直径を有する緩効性窒素肥料含有粒状肥
料を得た。なお、硫酸鉄1モルに対する燐酸一アンモニ
ウムの配合量は、32.5モルである。
得られた緩効性窒素肥料含有粒状肥料の肥料粒子には、
多孔質の結晶が成長していることが確認された。
[比較例1] 実施例1において、硫酸鉄を使用せずに、石膏の配合量
を19.3重量部とした以外は同様にして2〜5mmの範
囲内の直径を有する緩効性窒素肥料含有粒状肥料を得
た。
[評価項目] 実施例1〜3および比較例1において得られた緩効性窒
素肥料含有粒状肥料の各々についての緩効性窒素肥料と
しての評価を、硬度、pH値、水中形状安定性及び無機化
率の各項目について試験するこにより実施した。これら
の試験方法は次の通りである。なお、以下に記載する試
験においては、得られた粒状肥料のうち、粒子径が3.
5〜4.5mmの範囲にあるものを選んで用いた。
硬度: 木屋式硬度計を用いて測定した10粒の緩効性窒素肥料
含有粒状肥料粒子の平均値を示した。
pH値: 緩効性窒素肥料含有粒状肥料粒子1gを100mlの水
(25℃)に投入し充分攪拌して懸濁状態にし、この水
懸濁液のpHを測定した。
水中形状安定性: 100mlの水(25℃)を入れたビーカーに緩効性窒素
肥料含有粒状肥料粒子10粒を投入しものを四個調製
し、1時間後にそれぞれのビーカー内の粒子のうち形状
が崩壊した粒子の数を求めて崩壊率を算出し、算出した
崩壊率の平均値で示した。
湛水土壌におけるオキサミドの無機化率: 風乾土[二日市土壌(砂壌土)からのもの]15gを5
0mlのビーカーに取り、これに25mlの水を加えてよく
攪拌して空気を追い出したのち、緩効性窒素肥料含有粒
状肥料0.13gを加えて1時間放置した。次いで、上
記の風乾土45gをさらに加えて湛水状態とし、30℃
の恒温室に静置した。所定時間経過後、水中、土壌中お
よび肥料中に残存しているオキサミドの量を定量して、
分解されて無機化したオキサミドの比率(無機化率)を
求めた。
評価結果を第1表に示す。
[実施例4] 実施例1において、オキサミドの配合量を14.0重量
部、燐酸第1アンモニウムの配合量を37.0重量部、
硫安の配合量を8.8重量部、硫酸鉄の配合量を8.6
重量部、塩化加里の配合量を20.8重量部、そして石
膏の配合量を0.8重量部とし、さらに尿素を10.0
重量部配合した以外は同様にして2〜5mmの範囲内の直
径を有する緩効性窒素肥料含有粒状肥料を得た。なお、
硫酸鉄1モルに対する燐酸一アンモニウムの配合量は、
26.8モルである。
得られた緩効性窒素肥料含有粒状肥料の肥料粒子には、
多孔質の結晶が成長していることが確認された。
[実施例5] 実施例4において、硫酸鉄の配合量を5.7重量部、石
膏の配合量を3.7重量部とした以外は同様にして2〜
5mmの範囲内の直径を有する緩効性窒素肥料含有粒状肥
料を得た。なお、硫酸鉄1モルに対する燐酸一アンモニ
ウムの配合量は、41.2モルである。
得られた緩効性窒素肥料含有粒状肥料の肥料粒子には、
多孔質の結晶が成長していることが確認された。
[実施例6] 実施例4において、硫酸鉄の配合量を4.4重量部、石
膏の配合量を5.0重量部とした以外は同様にして2〜
5mmの範囲内の直径を有する緩効性窒素含有粒状肥料を
得た。なお、硫酸鉄1モルに対する燐酸一アンモニウム
の配合量は、52.7モルである。
得られた緩効性窒素肥料含有粒状肥料の肥料粒子には、
多孔質の結晶が成長していることが確認された。
[比較例2] 実施例4において、硫酸鉄を配合せずに石膏の配合量を
9.4重量部とした以外は同様にして2〜5mmの範囲内
の直径を有する緩効性窒素肥料含有粒状肥料を製造し
た。
上記実施例4〜6および比較例2で得られた緩効性窒素
肥料含有粒状肥料について、上記と同様にして、肥料粒
子の硬度、pH値、水中形状安定性および湛水土壌におけ
るオキサミドの無機化率に関して評価した。
評価結果を第2表に示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緩効性窒素肥料と、該緩効性窒素肥料10
    0重量部に対して、10〜350重量部の鉄化合物と、
    該鉄化合物1モルに対して2モル以上の燐酸のアンモニ
    ウム塩とを含む組成物を造粒して得られる緩効性窒素肥
    料含有粒状肥料。
  2. 【請求項2】上記組成物が更に該緩効性窒素肥料100
    重量部に対して5〜200重量部の石膏を含むことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の緩効性窒素肥料含
    有粒状肥料。
  3. 【請求項3】鉄化合物が、硫酸鉄、塩化鉄および硝酸鉄
    よりなる群から選ばれる少なくとも一種の鉄化合物であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の緩効性
    窒素肥料含有粒状肥料。
  4. 【請求項4】燐酸のアンモニウム塩が燐酸一アンモニウ
    ムであることを特徴とする特許請求の範囲1項記載の緩
    効性窒素肥料含有粒状肥料。
  5. 【請求項5】緩効性窒素肥料がオキサミドを含むもので
    あることを特徴とする特許請求の範囲1項記載の緩効性
    窒素肥料含有粒状肥料。
JP17337386A 1986-07-22 1986-07-22 緩効性窒素肥料含有粒状肥料 Expired - Lifetime JPH062628B2 (ja)

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