JPH06261787A - 光学活性β−アミノ酸の製造法 - Google Patents

光学活性β−アミノ酸の製造法

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JPH06261787A
JPH06261787A JP4932493A JP4932493A JPH06261787A JP H06261787 A JPH06261787 A JP H06261787A JP 4932493 A JP4932493 A JP 4932493A JP 4932493 A JP4932493 A JP 4932493A JP H06261787 A JPH06261787 A JP H06261787A
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amino acid
carbamoyl
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JP4932493A
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Masahiko Yamada
正彦 山田
Noboru Kamiyama
昇 上山
Yoshihiko Yasohara
良彦 八十原
Satomi Takahashi
里美 高橋
Junzo Hasegawa
淳三 長谷川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医薬品の重要な中間体である光学活性β−ア
ミノ酸類の安価で工業的な製造法を提供する。 【構成】 6−置換ジヒドロウラシル類に、ジヒドロウ
ラシル環を立体選択的に開裂加水分解する能力を有する
微生物に由来するジヒドロピリミジナーゼをpH7〜1
0の水性媒体中で作用させ、立体異性体に富むN−カル
バモイル−β−アミノ酸類に変換し、この立体異性体を
採取することを特徴とする光学活性N−カルバモイル−
β−アミノ酸類の製造法、および該光学活性N−カルバ
モイル−β−アミノ酸類を脱カルバモイル化してβ−ア
ミノ酸類とすることを特徴とする光学活性β−アミノ酸
類の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性β−アミノ酸
類およびその誘導体の製造法に関する。
【0002】β−アミノ酸類は、医薬、たとえばβ−ラ
クタム誘導体の重要な中間体である。
【0003】
【従来の技術】光学活性β−アミノ酸類の製造法として
は、ラセミ体のメチルエステルを酒石酸で分割する方法
(テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron
Letters)27、2789、(1972))、
ラセミ体のベンジルオキシカルボニル体をキニンで光学
分割する方法(ビュレタン オブ ザ ケミカル ソサ
エティー オブ ジャパン(Bull. Chem.
Soc. Japan)52、3326(197
9))、公知のいわゆるアルント−アイステルト(Ar
ndt−Eistert)合成によって対応するα−ア
ミノ酸を一炭素増炭する方法(ケミストリー レターズ
(Chem. Letters)151(197
3))、アセチル酢酸誘導体のフェネチルアミンシッフ
塩基を水素添加する方法(特開昭60−139655号
公報)、クロトン酸誘導体にフェネチルアミンを付加さ
せる方法(ジャーナル オブ オーガニック ケミスト
リー(J. Org. Chem.)57、2396
(1992))、3−ヒドロキシ酪酸から誘導する方法
(ヘルベティカ キミカ アクタ(Helv. Chi
m. Acta)70、1326(1987))、L−
アスパラギンから誘導する方法(テトラヘドロンレター
31、5717(1990)、ジャーナル オブ
オーガニック ケミストリー 56、1355(199
1))、3−アミノアクリル酸誘導体を不斉なルテニウ
ム錯体で不斉還元する方法(テトラヘドロン アシンメ
トリー(Tetrahedron Asymmetr
y)、464(1991))などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】酒石酸またはキニンを
用いる光学分割法では、β−アミノ酸類を一たん誘導体
としたのち、酒石酸またはキニンで光学分割し、さらに
加水分解するため工業的に煩雑であり、操作的難点を有
している。つぎに、アルント−アイステルト合成を用い
る方法では、有毒で爆発性のジアゾメタンを使用すると
いった欠点がある。また、フェネチルアミンを用いる方
法は、フェネチルアミンが高価であり、満足すべき方法
とはいいがたい。さらに、3−ヒドロキシ酪酸およびL
−アスパラギンから誘導する方法は、数ステップの化学
反応よりなるために、多くの製造工程と煩雑な操作を必
要とする。また、不斉なルテニウム錯体は高価でかつ取
扱いが困難であるという難点がある。
【0005】本発明者らは、光学活性β−アミノ酸類の
安価で工業的な製造法を開発すべく鋭意検討を重ねた結
果、6−置換ジヒドロウラシル類を原料として使用しジ
ヒドロピリミジナーゼによって光学分割するというきわ
めて効果的な製造法を見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要点は、次式で
表される。
【0007】
【化5】
【0008】(式中、Xは炭素数1〜4のアルキル基、
【0009】
【化6】
【0010】(式中、Rは水素、ヒドロキシル基もしく
は炭素数1〜4の低級アルコキシ基を示す)で表わされ
るフェニルもしくは置換フェニル基、チエニル基、フリ
ル基、ピリジル基、ナフチル基またはインドリル基を示
す)すなわち本発明は、一般式(I):
【0011】
【化7】
【0012】(式中、Xは炭素数1〜4のアルキル基、
【0013】
【化8】
【0014】(式中、Rは水素、ヒドロキシル基もしく
は炭素数1〜4の低級アルコキシ基を示す)で表わされ
るフェニルもしくは置換フェニル基、チエニル基、フリ
ル基、ピリジル基、ナフチル基またはインドリル基を示
す)で表わされる6−置換ジヒドロウラシル類に、ジヒ
ドロウラシル環を立体選択的に開裂加水分解する能力を
有する微生物に由来するジヒドロピリミジナーゼ(E.
C.3.5.2.2、別名ヒダントイナーゼ)をpH7
〜10の水性媒体中で作用させ、式(II):
【0015】
【化9】
【0016】(式中、Xは前記と同じ)で表わされる立
体異性体に富むN−カルバモイル−β−アミノ酸類に変
換し、この立体異性体を採取することを特徴とする光学
活性N−カルバモイル−β−アミノ酸類の製造法およ
び、式(II)で表わされる光学活性N−カルバモイル−
β−アミノ酸類を脱カルバモイル化して式(III )
【0017】
【化10】
【0018】(式中、Xは前記に同じ)で表わされるβ
−アミノ酸類とすることを特徴とする光学活性β−アミ
ノ酸類の製造法に関する。
【0019】本発明の方法を用いることにより、安価な
微生物酵素を用いて6−置換ジヒドロウラシル類を基質
としてこれを変換して、光学活性なN−カルバモイル−
β−アミノ酸類をえることができる。さらに、N−カル
バモイル−β−アミノ酸類を鉱酸酸性水性媒体中、ジア
ゾ化処理して脱カルバモイル化することにより、高収率
で対応するβ−アミノ酸類に変換することができる。
【0020】本反応で原料として用いられる6−置換ジ
ヒドロウラシル類は、通常は化学合成でえられるDL体
を使用するのが適当である。たとえば、6−置換ジヒド
ロウラシルは、対応する6−置換ウラシルを還元する方
法(ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー
49、5256(1984))や、アルデヒドとマロン
酸と尿素とを縮合する方法(イズベスティーアシビリス
オットデレニーアアカデミー ナウク (Izuve
st. Sibir. Otdel. Akad. N
auk S.S.S.R)、72(1961))、尿
素と2−アルケン酸とを高温で縮合する方法(ジャーナ
ル オブ オーガニック ケミストリー 26、187
7(1961))などによって、容易にかつ安価に合成
できる。
【0021】ジヒドロピリミジナーゼ源となる微生物
は、6−置換ジヒドロウラシル類のジヒドロウラシル環
を立体選択的に開裂加水分解する能力を有するものであ
る。このような微生物は、自然界に存在する野生株、公
的な微生物保有機関に保存されている菌株、あるいはそ
れから人工的に変異誘導した微生物などから、前記能力
の有無を調べることによって選択されるものである。
【0022】この能力の検出方法としては、たとえば次
のような方法が用いられる。まず微生物の培養液2ml
を遠心分離して菌体を集め、それを2mlの0.9%
(重量%、以下同様)食塩水で洗浄後、再び遠心分離し
て菌体を集菌する。この分離した菌体(湿重量40〜2
00mg)を濃度0.5%のDL−6−メチル−ジヒド
ロウラシル水溶液2mlに加えて、pH7〜10、温度
40〜80℃に保って10〜40時間反応させる。反応
後、適宜希釈しp−ジメチルアミノベンズアルデヒドの
濃塩酸溶液を加えて発色させ、その液を遠心分離して菌
体などの不溶物を除き、ついで生成したN−カルバモイ
ル−β−アミノ酪酸をHPLCで測定して反応溶液中の
N−カルバモイル−β−アミノ酪酸生成量を求める。
【0023】このようにして検出した結果、比較的高い
変換率を示した菌株については、実験規模を大きくし、
再度DL−6−メチル−ジヒドロウラシルの加水分解を
行ない、生成したN−カルバモイル−β−アミノ酪酸の
光学純度が高いと認められた菌体を本発明に使用する微
生物として採用する。
【0024】本発明で使用する微生物は、細菌、放線
菌、かび、酵母および不完全菌の中から前記の検出法に
よって選ばれたものである。なかでも、光学収率および
6−置換ジヒドロウラシル類の変換率が高いことから、
バチルス属、シュードモナス属またはアルカリゲネス属
に由来する細菌が好適に使用できる。
【0025】ここでいうジヒドロピリミジナーゼの立体
選択性は、6−置換ジヒドロウラシル類の6位の不斉炭
素における立体異性体(R体、S体)の一方に選択的に
作用することである。その選択性は、酵素源である微生
物によって、また基質の種類によって異なり、きわめて
選択性の厳密なものから、立体異性体により反応速度差
があるといった程度のものまで含んでいる。この点につ
いては、前記の能力検出法によって、いずれの立体異性
体に対してどの程度の選択性があるかを確め、目的に応
じて各々のD−β−アミノ酸に使用することができる。
【0026】本発明の方法は、微生物の産生するジヒド
ロピリミナーゼの作用を利用するものであるが、この酵
素は天然栄養源を含有する通常の培地中で微生物を培養
することによって菌体内に生成蓄積させることができ
る。培養は、通常液体培地で行なわれるが、固体表面培
養によっても行なうことができる。培養は、通常資化し
うる炭素源、窒素源および各微生物の生育に必要な無機
塩ならびに栄養素とを含有させるが、さらに各種のピリ
ミジン系核酸塩基類またはそれらの誘導体、あるいは各
種ヒダトイン類を0.05〜0.8%添加して所望のジ
ヒドロピリミジナーゼを適応的に増強させることが望ま
しい。ジヒドロピリミジナーゼ誘導効果の高いピリミジ
ン系核酸塩基類としては、ウラシル、シトシンおよびチ
ミンがあり、それらの誘導体としては、ジヒドロウラシ
ル、ジヒドロチミンなどがある。またヒダントイン類の
なかでは、ヒダントイン、DL−5−メチルヒダントイ
ンなどが望ましい。しかし多くの微生物に共通して、実
用的に好ましいのは、ウラシルである。培養条件は、使
用する微生物の至適生育条件に応じて温度20〜65
℃、pH4〜11、培養時間数時間〜数日間の範囲が用
いられる。培養中には通気撹拌を行なって微生物の生育
を促進させることもできる。
【0027】6−置換ジヒドロウラシル類の加水分解に
用いられるジヒドロピリミジナーゼは、前記のようにし
て培養した微生物を培養物、菌体または菌体処理物の形
態で使用する。通常、微生物の培養物をそのまま反応に
使用することができるが、培養物中の成分が障害になる
ばあいには、培養物から分離した菌体を使用すればよ
い。菌体は、生菌体のままでも使用目的を達するが、貯
蔵あるいは取扱いの便宜から凍結乾燥菌体として用いる
こともできる。また菌体そのものでなく、菌体破砕物や
菌体抽出物のような菌体処理物の状態で使用することも
可能である。さらに、前記の菌体または菌体処理物を公
知の方法で固定化したものも使用することができる。ま
た、微生物に由来するジヒドロピリミジナーゼを通常用
いられる方法で精製しても使用することができるのはも
ちろんのことである。
【0028】6−置換ジヒドロウラシル類に微生物の培
養物、菌体または菌体処理物などの形態でジヒドロピリ
ミジナーゼを作用させるには、通常水性媒体中で両者を
混合する方法が用いられる。ジヒドロピリミジナーゼ量
は、基質の種類により適宜選べばよく特に制限はない。
【0029】6−置換ジヒドロウラシル類の水性媒体中
での濃度については、とくに制限はない。1〜30%程
度の高濃度では、6−置換ジヒドロウラシル類は完全に
溶解しないものの、反応の進行にともなって6−置換ジ
ヒドロウラシル類が遂次溶解していくので支障にならな
い。
【0030】水性媒体中で6−置換ジヒドロウラシル類
の立体選択的加水分解を行なう際に、実用上好ましいp
Hの範囲は、7〜10であり、とくに好ましいのは8〜
9である。ジヒドロピリミジナーゼ活性の高い微生物を
使用して、このような条件で反応を行なえば、好収率で
目的物をえることができる。pH7未満では反応速度は
きわめて小さく、pH10をこえると好ましくない副生
成物を生じるので、いずれも実用性には乏しい。pH7
〜10が好ましい理由としては、本発明で利用される微
生物酵素であるジヒドロピリミジナーゼの至適pHが8
〜9にあること、ならびにpHが増すにつれて基質の溶
解度が増すことによって、結果的に6−置換ジヒドロウ
ラシル類からN−カルバモイル−β−アミノ酸類への変
換速度が増大することにある。
【0031】なお、反応の進行にともなって水性媒体の
pHが低下するので、反応中、継続的に中和剤を添加し
て至適pHに保持することが望ましい。中和剤として
は、アンモニア、苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダな
どが適当である。その他、目的に応じて水性媒体に有機
溶媒や界面活性剤を添加して反応を行なわせることもで
きる。
【0032】反応温度は、使用する微生物の酵素に適し
た温度が採用されるが、通常20〜70℃の範囲内にあ
る。反応時間は基質の種類、濃度、酵素の種類、濃度、
温度など反応条件により異なるので、目的とする立体異
性体に対応する基質が充分変換されるよう選ぶ。通常数
分〜数日間である。
【0033】生成したN−カルバモイル−β−アミノ酸
類と未反応の6−置換ジヒドロウラシル類の分離は、容
易である。すなわち、6−置換ジヒドロウラシル類の水
に対する溶解度が低いため、反応溶液を冷却することに
より固体として析出してきた未反応の6−置換ジヒドロ
ウラシル類を濾別すればよい。さらに、必要に応じてイ
オン交換カラムや逆層のカラムを用いて精製してもよ
い。
【0034】N−カルバモイル−β−アミノ酸類を立体
配置を保ちつつ脱カルバモイル化してβ−アミノ酸類に
変換するには、たとえば鉱酸酸性水性媒体中、亜硝酸塩
を作用させてジアゾ化処理する、いわゆるバンスライク
(VanSlyke)法を基礎原理とする方法による。
この方法は、α−アミノ酸についてはたとえば特公昭5
8−4707号公報に記載されている。
【0035】この脱カルバモイル化反応は、水性媒体中
で酸性下N−カルバモイル−β−アミノ酸類に亜硝酸塩
を反応させて達成することができる。これによると、N
−カルバモイル−β−アミノ酸類の光学活性は保持さ
れ、光学活性β−アミノ酸類をえることができる。
【0036】鉱酸酸性水性媒体としては、0.4規定以
上の塩酸や硫酸などの強鉱酸、とくに副反応を避けるた
めに、硫酸が存在する水性媒体が望ましい。亜硝酸塩と
しては、安価に入手できることから、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の亜硝酸塩が好適に用いられる。亜
硝酸塩は、N−カルバモイル−β−アミノ酸類に対し
て、ほぼ当量作用させればよく、これによって高収率で
対応するβ−アミノ酸類に導くことができる。脱カルバ
モイル化反応は、多量の発熱をともなうため、亜硝酸塩
を徐々に添加するのが好ましく、温度は通常0〜40℃
の範囲で行なわれる。反応は、チッ素ガスと炭酸ガスを
発生するが、亜硝酸塩の全量を加え終ったのち、15分
〜数時間でガスの発生が終る。その後30分〜15時間
ほどのち反応させる。
【0037】生成した光学活性β−アミノ酸類の単離
は、容易である。すなわち、反応溶液を濃縮し、冷却す
ることにより再結晶すればよい。さらに、必要に応じて
イオン交換カラムや逆層のカラムを用いて精製してもよ
い。
【0038】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明する。
【0039】実施例1 ジャーナル オブ ファーメンテイション テクノロジ
ー(J. Ferment. Tech.)56、49
2(1978)記載の方法にしたがってシュードモナス
・プチダ(Pseudomonas putida)I
FO 12996(旧名 シュードモナス・ストリアー
タ(Pseudomonas striata)IFO
12996)より精製したジヒドロピリミジナーゼ
(ヒダントイナーゼ)50mgにイオン交換水100m
lを加え、チッ素通気下、撹拌しながらDL−6−メチ
ルジヒドロウラシル500mgを加え、37℃で8時間
反応させた。反応中、1.0N−NaOH溶液を用いて
反応液のpHを8.7に継続的に調節した。
【0040】反応後、反応液を10mlに濃縮し、DE
AEセファデクス A−25(HCO3 型、30×10
0mm)(ファルマシア・バイオテク製)に吸着させ
た。蒸留水300mlで溶出して、溶出液を濃縮するこ
とにより未反応の6−メチルジヒドロウラシル300m
gをえたのち、さらに0.2Mの重炭酸アンモニウム溶
液500mlで溶出し、溶出液を濃縮することにより液
中の重炭酸アンモニウムを分解除去して234mgのN
−カルバモイル−β−アミノ酪酸をえた。収率は41%
であった。
【0041】234mgのN−カルバモイル−β−アミ
ノ酪酸に1Mの硫酸水溶液5mlを加え、0℃に冷却し
た。この水溶液に、撹拌しながら107mgの亜硝酸ナ
トリウムを加えて2時間脱カルバモイル化反応を行なっ
た。反応液をDOWEX 50WX8(10×100m
m)(ザ・ダウケミカル・カンパニー製)に吸着させ、
蒸留水30mlで溶出して、溶出液のpHが中性になっ
ていることを確認したのち、さらに1.5Mの水酸化ア
ンモニウム溶液50mlで溶出し、溶出液を濃縮するこ
とにより(S)−β−アミノ酪酸の結晶130mgをえ
た。N−カルバモイル−β−アミノ酪酸からの収率は8
0%であった。えられた(S)−β−アミノ酪酸は
[α]D 20=+18.7゜(H2 O、c=1.0)、5
3%eeであった(文献値[α]D 20=−35.2゜
((R)体)、ジャーナル オブ ケミカル ソサエテ
ィー (J. Chem. Soc.)3316(19
52))。光学異性体分離カラムクロマトグラフィーに
より分析(カラム:ダイセル クラウンパックCR
(+)、4.0×150mm(ダイセル化学工業(株)
製)、移動相:pH1.5リン酸水溶液、検出波長:2
30nm、温度:2.5℃、移動相流量:0.4ml/
min、(S)体の保持時間5.8分、(R)体の保持
時間:6.8分)したところ、56%eeであった。
【0042】実施例2 下記の組成からなる液体培地を調製し、500ml容肩
付振盪フラスコに100mlずつ分注し、120℃で2
0分間蒸気殺菌を行なった。
【0043】培地組成: 肉エキス 0.5% ペプトン 1.0% 酵母エキス 0.5% NaCl 0.15 ウラシル 0.1% pH 7.0 これに綿栓をした大型試験管にて同一組成培地10ml
で33℃にて24時間培養したバチルス・スピーシーズ
(Bacillus species)KNK108
(FERM BP−887)を1.0ml接種し、33
℃で24時間振盪培養した。この培養液100mlを遠
心分離して集菌し、0.9%食塩水100mlで洗浄し
たのち再び遠心分離して集菌し、0.9%食塩水100
mlに懸濁した。この懸濁液に、アクリルアミド1.5
gとN,N′−メチレンビスアクリルアミド80mgを
加えて溶解させ、チッ素ガスを通じて酸素を追い出した
のち、5%β−ジメチルアミノプロピオニトリル1ml
と0.005%リボフラビン1mlを加えて、室温で蛍
光灯下に放置した。1時間後、生成した菌体包有ゲルを
3mm角程度に切断し、0.9%生理食塩水で洗浄し、
ゲル固定化物を調製した。この固定化物500mgを2
00mlスピナーフラスコに入れ、イオン交換水100
mlを加え、チッ素通気下、撹拌しながらDL−6−メ
チルジヒドロウラシル500mgを加え、37℃で40
時間反応させた。反応中、1.0N−NaOH溶液を用
いて反応液のpHを8.7に継続的に調製した。
【0044】反応後、実施例1と同様に処理して、22
8mgのN−カルバモイル−β−アミノ酪酸をえた。収
率は40%であった。
【0045】さらに、実施例1と同様に脱カルバモイル
化反応を行ない、精製して(R)−β−アミノ酪酸12
8mgをえた。N−カルバモイル−β−アミノ酪酸から
の収率は80%であった。えられた(R)−β−アミノ
酪酸は[α]D 20=−30.0゜(H2 O、c=1.
0)、85%eeであった。実施例1と同様の光学異性
体分離カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによ
り分析したところ、87%eeであった。
【0046】実施例3 実施例2とまったく同様にして調製した、固定化物20
0mgを200mlスピナーフラスコに入れ、イオン交
換水50mlを加え、チッ素通気下、撹拌しながらDL
−6−メチルジヒドロウラシル200mgを加え、37
℃で8時間反応させた。反応中、1.0N−NaOH溶
液を用いて反応液のpHを8.7に継続的に調節した。
反応後、実施例1と同様に処理して、20mgのN−カ
ルバモイル−β−アミノ酪酸をえた。収率は9%であっ
た。
【0047】さらに、実施例1と同様に脱カルバモイル
化反応を行ない、精製して(R)−β−アミノ酪酸13
mgをえた。N−カルバモイル−β−アミノ酪酸からの
収率は92%であった。えられた(R)−β−アミノ酪
酸は[α]D 20=−31.7゜(H2 O、c=1.
0)、90%eeであった。実施例1と同様の光学異性
体分離カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによ
り分析したところ、91%eeであった。
【0048】実施例4 実施例2と全く同様にして調製した、固定化物200m
gを200mlスピナーフラスコに入れ、イオン交換水
100mlを加え、チッ素通気下、撹拌しながらDL−
6−メチルジヒドロウラシル200mgを加え、50℃
で20時間反応させた。反応中、1.0N−NaOH溶
液を用いて反応液のpHを8.7に継続的に調節した。
反応後、実施例1と同様に処理して、90mgのN−カ
ルバモイル−β−アミノ酪酸をえた。収率は32%であ
った。
【0049】さらに、実施例1と同様に脱カルバモイル
化反応を行ない、精製して(R)−β−アミノ酪酸52
mgをえた。N−カルバモイル−β−アミノ酪酸からの
収率は82%であった。えられた(R)−β−アミノ酪
酸は[α]D 20=−30.0゜(H2 O、c=1.
0)、85%eeであった。実施例1と同様の光学異性
体分離カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによ
り分析したところ、86%eeであった。
【0050】実施例5 下記の組成からなる液体培地を調製し、大型試験管に1
00mlずつ分注して、120℃で20分間蒸気殺菌を
行なった。
【0051】培地組成: 肉エキス 2.0% プロエキス 2.0% NaCl 0.3% MnCl2 ・4H2 O 20 ppm ウラシル 0.2% pH 7.5 これに綿栓をした大型試験管にて同一組成培地10ml
で37℃にて18時間培養したアルカリゲネス・ファエ
カリス(Alcaligenes faecalis)
IFO 13111を1.0ml接種し、37℃で24
時間振盪培養を行なった。
【0052】この培養液を遠心分離して集菌し、0.9
%食塩水100mlで洗浄したのち再び遠心分離して集
菌し、50mMの燐酸カリウム緩衝液150mlに懸濁
した。この懸濁液50mlを200ml容四ツ口丸底フ
ラスコに入れ、チッ素通気下、撹拌しながらDL−6−
メチルジヒドロウラシル300mgを加え、37℃で2
0時間反応させた。反応中、1.0N−NaOH溶液を
用いて反応液のpHを8.7に継続的に調製した。反応
後、IN HClを用いて反応液のpHを7.0に調節
し、反応液を遠心分離して未反応の出発物質や菌体など
の不溶物を除去した。さらに、実施例1と同様に処理し
て、160mgのN−カルバモイル−β−アミノ酪酸を
えた。収率は47%であった。
【0053】さらに、実施例1と同様に脱カルバモイル
化反応を行ない、精製して(S)−β−アミノ酪酸11
0mgをえた。N−カルバモイル−β−アミノ酪酸から
の収率は97%であった。えられた(S)−β−アミノ
酪酸は[α]D 20=+22.8゜(H2 O、c=1.
0)、65%eeであった。実施例1と同様の光学異性
体分離カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによ
り分析したところ、67%eeであった。
【0054】実施例6 下記の組成からなる液体培地を調製し、大型試験管に1
000mlずつ分注して、120℃で20分間蒸気殺菌
を行なった。
【0055】培地組成: 肉エキス 3.0% グルコース 1.0% MnCl2 ・4H2 O 20 ppm ウラシル 0.2% pH 7.5 これに綿栓をした大型試験管にて同一組成培地10ml
で30℃にて18時間培養したシュードモナス・プチダ
IFO 12996を1.0ml接種し、30℃で2
4時間振盪培養を行なった。
【0056】この培養液を遠心分離して集菌し、0.9
%食塩水100mlで洗浄したのち再び遠心分離して集
菌し、50mMの燐酸カリウム緩衝液150mlに懸濁
した。この懸濁液50mlを200ml容四ツ口丸底フ
ラスコに入れ、チッ素通気下、撹拌しながらDL−6−
メチルジヒドロウラシル300mgを加え、37℃で2
0時間反応させた。反応中、1.0N−NaOH溶液を
用いて反応液のpHを8.7に継続的に調製した。反応
後、IN HClを用いて反応液のpHを7.0に調節
し、反応液を遠心分離して未反応の出発物質や菌体など
の不溶物を除去した。さらに、実施例1と同様に処理し
て、150mgのN−カルバモイル−β−アミノ酪酸を
えた。収率は45%であった。
【0057】さらに、実施例1と同様に脱カルバモイル
化反応を行ない、精製して(S)−β−アミノ酪酸10
5mgをえた。N−カルバモイル−β−アミノ酪酸から
の収率は99%であった。えられた(S)−β−アミノ
酪酸は[α]D 20=+18.0゜(H2 O、c=1.
0)、51%eeであった。実施例1と同様の光学異性
体分離カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによ
り分析したところ、54%eeであった。
【0058】実施例7 実施例2とまったく同様にして調製した、固定化物30
0mgを200mlスピナーフラスコに入れ、イオン交
換水100mlを加え、チッ素通気下、撹拌しながらD
L−6−フェニルジヒドロウラシル300mgを加え、
37℃で150時間反応させた。反応中、1.0N−N
aOH溶液を用いて反応液のpHを8.7に継続的に調
節した。反応後、実施例1と同様に処理して、40mg
のN−カルバモイル−3−アミノ−3−フェニルプロピ
オン酸をえた。収率は12%であった。
【0059】さらに実施例1と同様に脱カルバモイル化
反応を行ない、精製して(S)−3−アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸30mgをえた。N−カルバモイル−
3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸からの収率は9
5%であった。えられた(S)−3−アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸は[α]D 25=−3.36゜(H
O、c=0.2)、48%eeであった(文献値
[α] 25=+7.0゜((R)体)、ジャーナル
オブ ケミカル ソサエティー 4047(196
1))。光学異性体分離カラムを用いた高速液体クロマ
トグラフィーにより分析(カラム:ダイセル キラルセ
ルWH、4.6×250mm(ダイセル化学工業(株)
製)、移動相:0.25mM 硫酸銅水溶液、検出波
長:230nm、温度:30℃、移動相流量:1.5m
l/min、(S)体の保持時間21分、(R)体の保
持時間:32分)したところ、51%eeであった。
【0060】実施例8 実施例6とまったく同様の方法でシュードモナス・プチ
ダ IFO 12996を培養することによってえた懸
濁液40mlをフラスコに入れ、チッ素通気下、撹拌し
ながらDL−6−フェニルジヒドロウラシル200mg
を加え、37℃で150時間反応させた。反応中、1.
0N−NaOH溶液を用いて反応液のpHを8.7に継
続的に調節した。反応後、実施例1と同様に処理して、
48mgのN−カルバモイル−3−アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸をえた。収率は22%であった。
【0061】さらに、実施例1と同様に脱カルバモイル
化反応を行ない、精製して(S)−3−アミノ−3−フ
ェニルプロピオン酸35mgをえた。N−カルバモイル
−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸からの収率は
91%であった。えられた(S)−3−アミノ−3−フ
ェニルプロピオン酸は[α]D 20=−3.0゜(H
2O、c=0.2)、43%eeであった。実施例7と
同様の光学異性体分離カラムを用いた高速液体クロマト
グラフィーにより分析したところ、44%eeであっ
た。
【0062】参考例 6−(p−メトキシフェニル)ジヒドロウラシルの合成 氷酢酸10mlにp−アニスアルデヒド6.4g、マロ
ン酸7.4g、尿素7.1gを溶解し、撹拌しながら1
20℃で7時間反応した。反応溶液に、200mlの蒸
留水を加え激しく撹拌し、生成した白色固体を濾取し、
水洗後乾燥した。さらに、エタノール:水=9:1であ
る混合溶媒300mlより再結晶することにより6−
(p−メトキシフェニル)ジヒドロウラシル2.9gを
えた。
【0063】収率は31%、mpは228〜229℃で
あった。
【0064】1HNMR (DMSO−d6 δ) 1
0.1(brs、1H)、7.9(brs、1H)、
7.2(d、2H)、6.9(d、2H)、4.6
(m、1H)、3.8(s、3H)、2.8(dd、1
H)、2.6(dd、1H) 実施例9 実施例2とまったく同様にして調製した、固定化物30
0mgを200mlスピナーフラスコに入れ、イオン交
換水100mlを加え、チッ素通気下、撹拌しながらD
L−6−(p−メトキシフェニル)ジヒドロウラシル3
00mgを加え、37℃で150時間反応させた。反応
中、1.0N−NaOH溶液を用いて反応液のpHを
8.7に継続的に調節した。反応後、実施例1と同様に
処理して、40mgのN−カルバモイル−3−アミノ−
3−(p−メトキシフェニル)プロピオン酸をえた。収
率は12%であった。
【0065】さらに、実施例1と同様に脱カルバモイル
化反応を行ない、精製して(S)−3−アミノ−3−
(p−メトキシフェニル)プロピオン酸30mgをえ
た。N−カルバモイル−3−アミノ−3−(p−メトキ
シフェニル)プロピオン酸からの収率は95%であっ
た。えられた(S)−3−アミノ−3−(p−メトキシ
フェニル)プロピオン酸のN−CHO体は[α]D 20
+64.8゜(MeOH、C=0.2)、48%eeで
あった(文献値[α]D 20=−135.0゜((R)
体)ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー
56、1355(1991)。光学異性体分離カラムを
用いた高速液体クロマトグラフィーにより分析(カラ
ム:ダイセル キラルセルWH、4.6×250mm、
移動相:0.25mM 硫酸銅水溶液、検出波長:23
0nm、温度:30℃、移動相流量:1.5ml/mi
n、(S)体の保持時間11分、(R)体の保持時間:
17分)したところ、50%eeであった。
【0066】実施例10 実施例2とまったく同様にして調製した、固定化物20
0mgを200mlスピナーフラスコに入れ、イオン交
換水100mlを加え、チッ素通気下、撹拌しながらD
L−6−(2−チエニル)ジヒドロウラシル200mg
を加え、45℃で48時間反応させた。反応中、1.0
N−NaOH溶液を用いて反応液のpHを8.7に継続
的に調節した。反応後、実施例1と同様に処理して、1
00mgのN−カルバモイル−3−アミノ−3−(2−
チエニル)プロピオン酸をえた。収率は24%であっ
た。
【0067】さらに、実施例1と同様に脱カルバモイル
化反応を行ない、精製して(S)−3−アミノ−3−
(2−チエニル)プロピオン酸30mgをえた。N−カ
ルバモイル−3−アミノ−3−(2−チエニル)プロピ
オン酸からの収率は100%であった。えられた(S)
−3−アミノ−3−(2−チエニル)プロピオン酸は
[α]D 20=+13.2゜(H2 O、c=1.0)、8
6%eeであった(文献値[α]D 20=+15.3゜
((S)体)、ビュレタン オブ ケミカル ソサエテ
ィー オブ ジャパン 52、3326(197
9))。光学異性体分離カラムを用いた高速クロマトグ
ラフィーにより分析(カラム:ダイセル キラルセルW
H、4.6×250mm、移動相:0.25mM 硫酸
銅水溶液、検出波長:230nm、温度:20℃、移動
相流量:1.5ml/min、(S)体の保持時間:1
2分、(R)体の保持時間:26分)したところ、87
%eeであった。
【0068】実施例11 実施例2とまったく同様にして調製した、固定化物30
0mgを200mlスピナーフラスコに入れ、イオン交
換水100mlを加え、チッ素通気下、撹拌しながらD
L−6−エチルジヒドロウラシル300mgを加え、4
5℃で48時間反応させた。反応中、1.0N−NaO
H溶液を用いて反応液のpHを8.7に継続的に調節し
た。反応後、実施例1と同様に処理して、117mgの
N−カルバモイル−3−アミノ吉草酸をえた。収率は3
5%であった。
【0069】さらに、実施例1と同様に脱カルバモイル
化反応を行ない、精製して(R)−3−アミノ吉草酸3
0mgをえた。N−カルバモイル−3−アミノ吉草酸か
らの収率は90%であった。えられた(R)−3−アミ
ノ吉草酸は[α]D 20=−35.0゜(H2 O、c=
1.0)、91%eeであった(文献値[α]D 20=+
38.5゜((S)体)、ガゼッタ キミカ イタリア
ーナ(Gazz. Chim. Ital.)96、1
380(1966))。光学異性体分離カラムクロマト
グラフィーにより分析(カラム:ダイセル クラウンパ
ックCR(+)、4.0×150mm、移動相:pH
1.5リン酸水溶液、検出波長:230nm、温度:
2.5℃、移動相流量:0.4ml/min、(R)体
の保持時間:3.7分、(S)体の保持時間:4.9
分)したところ、93%eeであった。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、一般式(I)
【0071】
【化11】
【0072】(式中、Xは炭素数1〜4のアルキル基、
【0073】
【化12】
【0074】(式中、Rは水素、ヒドロキシル基もしく
は炭素数1〜4の低級アルコキシ基を示す)で表わされ
るフェニルもしくは置換フェニル基、チエニル基、フリ
ル基、ピリジル基、ナフチル基またはインドリル基を示
す)で表わされる6−置換ジヒドロウラシル類に、ジヒ
ドロウラシル環を立体選択的に開裂加水分解する能力を
有する微生物に由来するジヒドロピリミジナーゼを作用
させ加水分解することによって分割して光学活性なN−
カルバモイル−β−アミノ酸類に変換し、さらにこの光
学活性なN−カルバモイル−β−アミノ酸類を脱カルバ
モイル化して式(III )
【0075】
【化13】
【0076】(式中、Xは前記と同じ)で表わされる光
学活性なβ−アミノ酸類を製造する、立体選択的な方法
を提供することができる。したがって、本発明は、医薬
品の重要な中間体であるβ−アミノ酸類の製造にきわめ
て有効な方法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 41/00 C12R 1:05) (72)発明者 長谷川 淳三 兵庫県明石市大久保町高丘2丁目13−4

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、Xは炭素数1〜4のアルキル基、式 【化2】 (式中、Rは水素、ヒドロキシル基もしくは炭素数1〜
    4の低級アルコキシ基を示す)で表わされるフェニルも
    しくは置換フェニル基、チエニル基、フリル基、ピリジ
    ル基、ナフチル基またはインドリル基を示す)で表わさ
    れる6−置換ジヒドロウラシル類に、ジヒドロウラシル
    環を立体選択的に開裂加水分解する能力を有する微生物
    に由来するジヒドロピリミジナーゼをpH7〜10の水
    性媒体中で作用させ、式(II): 【化3】 (式中、Xは前記と同じ)で表わされる立体異性体に富
    むN−カルバモイル−β−アミノ酸類に変換し、この立
    体異性体を採取することを特徴とする光学活性N−カル
    バモイル−β−アミノ酸類の製造法。
  2. 【請求項2】 微生物に由来するジヒドロピリミジナー
    ゼとして、微生物の培養物、菌体または菌体処理物を使
    用する請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 微生物として、バチルス属、シュードモ
    ナス属またはアルカリゲネス属の細菌を使用する請求項
    1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 pHを8〜9に保ちながら作用させる請
    求項1、2または3記載の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1でえた光学活性N−カルバモイ
    ル−β−アミノ酸類を立体配置を保持しつつ脱カルバモ
    イル化して式(III ) 【化4】 (式中、Xは前記に同じ)で表わされるβ−アミノ酸類
    とすることを特徴とする光学活性β−アミノ酸類の製造
    法。
  6. 【請求項6】 鉱酸酸性水性媒体中、亜硝酸塩を使用す
    ることによってジアゾ化処理し、脱カルバモイル化する
    請求項5記載の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011032990A1 (en) 2009-09-15 2011-03-24 Basf Se Preparation of beta-amino acids
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