JPH0626021U

JPH0626021U - 光情報記録担体

Info

Publication number: JPH0626021U
Application number: JP067136U
Authority: JP
Inventors: 孝史佐野
Original assignee: 日本コロムビア株式会社
Priority date: 1992-09-01
Filing date: 1992-09-01
Publication date: 1994-04-08

Abstract

(57)【要約】【目的】光情報記録担体の信頼性を向上させる。【構成】少なくとも、基板と、有機色素系記録層と、
反射層と、保護層とを積層にした光情報記録担体で、反
射層が有機色素系記録層の全面を被包し、内外周側縁部
で反射層が基板に直接接触し、更に保護層が反射層の全
面を被包し、更に内外周側縁部で基板と直接接触してい
る記録層密着密閉構造にして、有機色素記録層を保護
し、内外周部の剥離強度を高める。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、光ビームを用いて情報が記録される光情報記録担体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

光情報記録担体は、データの長期保存の目的に使用される事があり、高温高湿の環境下に放置されても記録データを正確に読み書きできる事が必要である。コンパクトディスクのような単板ディスク構造では、最上部に位置する保護層である紫外線硬化樹脂層（以下、ＵＶ樹脂層と呼ぶ）が、下層の記録層、反射層を覆うような構造、即ち、基板最内外周部でＵＶ樹脂層と基板が直接接する事が、データの長期保存のために必要な事は知られている。

【０００３】例えば、蒸着、スパッタリング等で成膜を行う場合は、内外周部にホルダー（目隠し）をすれば、容易に上述のようなディスク構造は作製可能である。又、スピンコート法により有機色素層を成膜する場合においても、図８の断面図に示すディスク構造を特開平２−２３６８３２号公報及び特開平２−２３６８３３号公報に開示されている製造方法により作製可能である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、有機色素層がＵＶ樹脂に含有する溶剤に溶解されるという不都合な特性があり、特開平２−２３６８３２号公報及び特開平２−２３６８３３号公報に開示されている基板上有機色素層の開始終了位置（成膜範囲）と反射層の成膜範囲が同じで、該反射層上をＵＶ樹脂が覆うディスク構造では、該有機色素層がＵＶ樹脂に侵食される恐れがある。

【０００５】本考案は、この様な有機色素層がＵＶ樹脂に侵食される事無く、ＵＶ樹脂が本来の保護層としての機能を充分に持ち、高温高湿の環境下放置されても記録データを正確に読み書きできる光情報記録担体を提供する事を目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そのため本考案では、少なくとも、基板と、有機色素系記録層と、反射層と、保護層とを積層にした光情報記録担体で、前記反射層が有機色素系記録層の全面を被包し、内外周側縁部で該反射層が前記基板と直接接触し、更に、前記保護層が前記反射層の全面を被包し、内外周側縁部で該保護層が前記基板と直接接触している記録層密着密閉構造とした事を特徴としている。

【０００７】このような有機色素系記録層を密着密閉した構造の光情報記録担体の製造方法としては、特開平２−２３６８３２号公報及び特開平２−２３６８３３号公報に開示されている色素を塗布乾燥後溶剤で拭き取る方法や、レーザにより燃焼させて除去する方法、これ以外にも色素を除去したい部分以外にマスクを設け、スピンコート法により溶剤を噴出させて除去する方法や、同様にマスクをしてエッチングにより除去する方法などがある。

【０００８】

【作用】

従って、上述のような有機色素系記録層を密着密閉した構造の光情報記録担体では、高温高湿環境下でも水分の浸透などによる膜の剥離は防止され、記録ピットの劣化は起こらない。更に、製造過程でのＵＶ樹脂塗布時の色素層への侵食も防止される。また、上述のような製造方法を用いれば、外観の良好な光情報記録担体が容易に作製できる。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示す断面図である。即ち、ポリカーボネイト基板１の上に有機色素記録層２、更に金反射層３、保護層としてＵＶ樹脂層４を積層した。ここで、基板１はポリカーボネイトに限る事無く、従来から公知の如く、ＰＭＭＡ、ポリオレフィン、エポキシ等のプラスチック材、ガラス板、Ａｌ等の金層板等を使用できる。

【００１０】有機色素記録層２は、シアニン系色素を始め、フタロシアニン系、ナフトキノン系などである。また、反射層３についても、金を始め、銀、銅、ニッケル、クロム、アルミまたはこれら合金などが用いられる。次に光情報記録担体の製造方法を示す。まず、図２に断面図を示すように、基板１にスピンコート法により、有機色素系記録層２を全面に塗布する。この時、最内周の成膜開始位置については、内周側非記録領域である塗布されない領域５ができるように成膜を行う。

【００１１】次に、外周側非記録領域６を作製するために、図３に示すようなマスク７、スピンナー装置に基板１とマスク７を取り付け回転させながらメタノール、エタノール等の溶剤を霧状にして噴出し、外周側非記録領域６の色素を除去する。この色素除去方法は、同様なマスクをして、エッチング等で行ってもよい。次に、図４の断面図に示すように、最内外周側非記録領域８，９にホルダー１０（目隠し）をして、反射層３が有機色素層２を全面被包し、基板１と直接接触するように蒸着法あるいはスパッタリング法により成膜する。

【００１２】続いて、図５に示すように、ホルダー１０をはずし再びスピンナー装置に基板１を取り付け、ＵＶ樹脂をスピンコート法により成膜する。この様にして、ＵＶ樹脂層４が直接基板１と接触し、有機色素系色素層２が完全に密着密閉された光情報記録担体が作製される。

【００１３】本実施例による光情報記録担体にレーザ・ビームを照射し、線速１.４ｍ／ｓでＥＦＭ信号を記録し、その後ＪＩＳＣ５０２４Ｍ−１の温湿度サイクル試験を行ったときのブロックエラーの変化を図６に示す。尚、本試験での１サイクルは通常の環境下では１年に相当する。本実施例で作製した、有機色素系記録層を完全に密着密閉した構造の光情報記録担体のブロックエラーの変化は、図７に示す従来の構成で作製したものの点線で示すブロックエラー変化や、図８に示す特開平２ー２３６８３２号公報及び特開平２−２３６８３３号公報に開示されている製造方法で作製したものの一点鎖線で示すブロックエラー変化に比べて、極めて小さい事を示している。

【００１４】

【考案の効果】

このように本考案による光情報記録担体では、基板の最内外周部が反射層及び保護層と密着しているので、温度、湿度、機械的損傷などにより、保護層がはがれたり、有機色素系記録層の劣化が促進したりする事もなく、長期間にわたって正確に情報の記録再生する事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による一実施例を示す光情報記録担体の
断面図。

【図２】図１の光情報記録担体の製造工程を説明するた
めの部分断面の模式図。

【図３】図１の光情報記録担体の製造工程を説明するた
めの部分断面の模式図。

【図４】図１の光情報記録担体の製造工程を説明するた
めの部分断面の模式図。

【図５】図１の光情報記録担体の製造工程を説明するた
めの部分断面の模式図。

【図６】ブロックエラーの変化を示す縮図。

【図７】従来の構成による光情報記録担体の断面図。

【図８】他の従来例を示す光情報記録担体の断面図。

【符号の説明】

１基板２有機色素系記録層３反射層４ＵＶ樹脂層５内周側非記録領域６外周側非記録領域７マスク８最内周側非記録領域９最外周側非記録領域１０ホルダー

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】少なくとも、基板と、有機色素系記録層
と、反射層と、保護層とを積層にした光情報記録担体
で、前記反射層が有機色素系記録層の全面を被包し、内
外周側縁部で該反射層が前記基板と直接接触し、更に、
前記保護層が前記反射層の全面を被包し、内外周側縁部
で該保護層が前記基板と直接接触している記録層密着密
閉構造とした事を特徴とする光情報記録担体。