JPH06256239A - メタノールの製造法 - Google Patents

メタノールの製造法

Info

Publication number
JPH06256239A
JPH06256239A JP5039932A JP3993293A JPH06256239A JP H06256239 A JPH06256239 A JP H06256239A JP 5039932 A JP5039932 A JP 5039932A JP 3993293 A JP3993293 A JP 3993293A JP H06256239 A JPH06256239 A JP H06256239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
reaction
methanol
reactor
steam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5039932A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Yamaguchi
正俊 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP5039932A priority Critical patent/JPH06256239A/ja
Publication of JPH06256239A publication Critical patent/JPH06256239A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】炭化水素からメタノールを製造する方法におい
て、メタノール合成反応器に内部に伝熱管を有する流動
層触媒反応器を使用し、該反応器より得られた高圧蒸気
をメタノール製造装置における圧縮機類の動力に回収
し、またガスタービンや酸素分離装置の動力に用いる。 【効果】高いエネルギー効率を有し、大型化にも有利な
メタノール製造装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭化水素からのメタノー
ル製造法に関し、詳しくは流動層触媒反応器を用いてメ
タノールを合成する炭化水素からのメタノールの製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】メタノールは低公害で輸送が容易な安価
な燃料として大量に使用するために、5000T/D 或いは10
000T/D以上の能力を持つ超大型装置の開発が要請されて
いる。近年、このような燃料用メタノールを製造するた
めの超大型装置への対応としての流動層触媒反応器の開
発が行われている。たとえば特開昭60-84142号、特開昭
60-122040 号および特開昭60-106534 号にはメタノール
合成用流動触媒の製造法が記載されており、また特開昭
63-211246 号には流動層触媒を用いてメタノール合成を
行う場合の触媒および反応の条件が記載されている。
【0003】このような大型のメタノール製造装置の開
発において最も問題となるのは炭化水素より合成ガスを
製造するためのガス改質装置の大型化であり、従来の水
蒸気改質装置では改質炉で反応管を外熱する方式である
ため、メタノール製造装置は1500〜2000T/D が大型化の
限界となっている。大型装置におけるガス改質装置とし
て、水蒸気改質と部分酸化を組み合わせる方式が最近注
目されている。これは炭化水素と水蒸気を混合して一次
改質反応を行った後、酸素を加えて部分酸化と二次改質
反応を行い、得られた高温のガスを一次改質反応の加熱
源とするものである。この方式は他から熱を供給するこ
となく反応管を外熱する改質炉を用いる必要が無いこ
と、従って高圧の合成ガスを得ることができるので合成
ガスの圧縮機を用いて昇圧せずに合成反応を直接に行う
こともできること等の利点があり、高圧下で改質反応が
行われるので装置の大型化が容易である。このように一
次改質反応と二次改質反応を行う自己熱交換型反応器に
ついては、特開昭60-186401 号、特開平1-261201号、特
開平2-18303 号等に具体的な構造が示されいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】大型のメタノール製造
装置の開発におけるエネルギー効率の向上が求められて
おり、ガス改質装置においては上記の如く一次改質反応
と二次改質反応を行う自己熱交換型反応器の開発が進め
られているが、メタノール合成装置では従来、固定触媒
反応器において反応熱を有効に回収してプロセスで使用
する方法の開発が行われている。しかしながら固定触媒
反応器では反応部と熱回収部の温度差が有することから
反応熱の回収に限界があり、また反応器における反応率
を高めることが困難である。従って反応器からの反応ガ
スからメタノールを分離した後、大量のガスを反応器に
循環せねばならず、その圧縮動力を要すると共に反応器
が大きくなることからメタノール合成装置の大型化が限
定されることになる。本発明の目的は、高いエネルギー
効率を有し、より大型化することができるメタノールの
製造法を開発することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の如き課
題を有するメタノールの製造法について鋭意検討した結
果、メタノール合成装置において流動層触媒反応器を用
いることにより、反応熱が高圧蒸気としてより効率良く
回収され、これをプロセスにおいて有効に使用すること
により、高いエネルギー効率を有し、より大型化できる
メタノールの製造法が得られることを見出し、本発明に
到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、炭化水素
からメタノールを製造する方法において、(1) 炭化水素
と水蒸気の混合ガスを間接加熱して接触反応を行い、水
素、一酸化炭素および二酸化炭素を有効成分とする合成
ガスを製造する工程と、(2) 内部に伝熱管を有する流動
層触媒反応器を用いて、60〜120 気圧でメタノール合成
反応を行うと共に、反応熱を該伝熱管を介して飽和水に
伝達して40〜60気圧の高圧水蒸気を発生させる工程を有
し、工程(2) で得られた高圧蒸気から動力を回収するこ
とを特徴とするメタノールの製造法である。
【0007】流動層触媒反応器は従来の固定触媒層反応
器と比較して、反応ガスの伝熱効率が高いので、より
高圧の水蒸気が多く回収できること、触媒層内の温度
分布が均一であるため高い反応率が得られ反応ガスの循
環量が削減されること、副反応生成量が減少し蒸留精
製が容易となること、及び触媒層における圧損失が小
さいこと等の特性があるが、本発明の方法は、流動層触
媒反応器を用いることにより熱回収の高度化とプロセス
の消費エネルギーが削減が図られることを利用して、メ
タノール製造装置全体のエネルギー効率を高めるもので
ある。本発明における合成ガス発生装置には、特に前述
の一次改質反応と二次改質反応を行う自己熱交換型反応
器を用いることにより、更に高いエネルギー効率を有し
た大型メタノール製造装置を得ることができる。以下、
本発明の方法について詳細に説明する。
【0008】工程(1) における原料の炭化水素には通常
メタンを主成分とする天然ガスが用いられるが、立地条
件によりLPGやナフサ等も用いられる。また原料の原
単位を改善するために炭化水素と共に合成系よりのパー
ジガスを混合することが行われる。水蒸気改質触媒には
通常ニッケル系触媒が用いられるが、改質触媒の活性低
下を避けるために原料の炭化水素は予め脱硫しておく必
要がある。炭化水素とスチームの混合ガスのスチーム/
カーボン比が通常 2.0〜3.5 程度となるように水蒸気が
使用され、 400〜550 ℃に予熱して反応器に供給され
る。
【0009】水蒸気改質反応は炭化水素と水蒸気の混合
ガスを間接加熱して接触反応を行い、 700〜900 ℃の改
質ガスが得られる。この高温の改質ガスは種々の熱回収
が行われた後、冷却されて水素、一酸化炭素および炭酸
ガスを有効成分とする合成ガスとなる。なお後述するよ
うに間接加熱して接触反応を行った後、酸素を加えて部
分酸化を行い、更に改質触媒を用いて二次改質反応を行
うことも行われる。一次改質反応のみの場合の改質ガス
温度は 850〜900 ℃であり、目的とする反応率を得るた
めに圧力は10〜25気圧程度が限界となるが、部分酸化と
二次改質反応を行う場合には 930〜1000℃の二次改質ガ
スが得られるので一次改質ガス温度を 750〜800 ℃と
し、圧力を30〜45気圧程度に上げることができる。また
上記の如く二次改質ガスを一次改質反応の熱源に用いる
場合には酸素量を増加して 980〜1080℃の二次改質ガス
を得るようにすれば、一次改質ガスの温度を 700〜800
℃、圧力を60〜120 気圧として、合成ガス圧縮機を使用
しないプロセスとすることができる。
【0010】すなわち一次改質ガスを部分酸化した後二
次改質反応を行う場合には、ガス改質装置の圧力を上げ
ることができ、合成ガス圧縮機の動力が削減されるの
で、メタノールプロセスのエネルギー効率を高めること
ができ、またガス改質装置が高圧化により小型化される
ので大型メタノール装置に有利となるが、酸素ガスが必
要なので別に酸素分離装置が必要となる。また二次改質
ガスを一次改質反応の熱源に用いるようにすれば、一次
改質反応管内と加熱ガスの圧力差が小さくなるので熱交
換式の反応器を用いることができ、外熱式の改質炉が不
要となるので、更にガス改質装置が高圧化できるように
なると共に大型化への対応が容易となる。ガス改質装置
の圧力をメタノール合成装置の圧力と同等とすれば合成
ガス圧縮機を無くすことができる。
【0011】工程(2) では流動層触媒反応器が用いら
れ、水素、一酸化炭素および炭酸ガスから次の反応式に
よるメタノール合成反応が行われる。 CO + 2H2 → CH3 OH + 21.6 kcal/mol CO2 + H2 → CO + H2 O − 9.8 kcal/
mol CO2 + 3H2 → CH3 OH + H2 O + 11.
8 kcal/mol メタノール合成反応には通常、銅系触媒が用いられ、温
度 200〜300 ℃、圧力60〜120 気圧で反応が行われる。
メタノール合成反応のための流動触媒には通常、シリ
カ、アルミナ、ジルコニウム等の強固な担体に触媒成分
を担持した触媒が用いられ、触媒の粒子径は 1〜250 μ
m である。
【0012】メタノール合成反応は内部に伝熱管を有す
る流動層触媒反応器を用られ、反応熱は該伝熱管を介し
て飽和水に伝達して40〜60気圧、好ましくは45〜55気圧
の高圧蒸気が回収される。得られた高圧蒸気は工程(1)
の原料水蒸気に用いられる場合もあるが、この蒸気より
合成ガス圧縮機、合成ガス循環機又は原料炭化水素ガス
圧縮機等の動力源として用いることによりメタノール製
造装置のエネルギー効率を高めることができる。またメ
タノール合成装置のパージガス等を用いてガスタービン
による動力回収が行われるが、このガスタービンの燃焼
室に燃料と共に高圧水蒸気を導入することにより、水蒸
気から動力が回収されると共に排気中の NOxが低下す
る。
【0013】なお部分酸化を行う場合の酸素分離装置は
一般に深冷分離法やPSA法が用いられ、部分酸化に用
いる酸素ガスは通常、純度 98%以上である。流動層触媒
反応器より回収された高圧蒸気は酸素分離のための空気
圧縮機や深冷分離の冷凍機の動力源としても用いられ、
上記の如きガスタービンを用いることができる。また部
分酸化を行う場合にその酸素ガスと共に原料炭化水素の
一部を混入して部分酸化を行うことができ、更に原料水
蒸気の一部を混入することもできる。このように部分酸
化時に原料炭化水素と原料水蒸気の一部を混入すること
により、一次改質反応管における負荷が削減される。
【0014】次に図面を用いて本発明の実施態様を説明
する。上記の如く本発明における工程(1) のガス改質装
置は (a)一次改質のみの場合、 (b)一次改質ガスを部分
酸化して更に二次改質を行う場合、 (c)高温の二次改質
ガスを一次改質反応の熱源に用い、改質圧力を更に高く
する場合があり、各々の場合について説明する。
【0015】図1は (a)のガス改質装置が一次改質のみ
の場合の一例の系統図であり、一般的な水蒸気改質装置
と合成ガス圧縮機および流動層触媒反応器を組み合わせ
たメタノール製造装置である。原料炭化水素は脱硫処理
後、流路1 より導入され、流路2 からの原料水蒸気と混
合される。該混合ガスは流路3 を経て混合ガス加熱器4
で 400〜550 ℃に加熱され、流路5 を経て一次改質反応
管6 へ導入される。一次改質反応管にはNi系触媒が充填
されており、一次改質炉7 において流路8 からの燃料の
燃焼より一次改質反応管6 を加熱し、水蒸気改質反応が
行われる。改質炉7 の燃焼廃ガス対流部 9には混合ガス
加熱器4 の他に高圧蒸気加熱器I10等が設置されて熱回
収が行われ、燃焼廃ガスは最終的に 150〜170 ℃となっ
て大気に放出される。
【0016】一次改質反応管6 を出るガスは、圧力10〜
25気圧、温度 850〜900 ℃であり、原料炭化水素の約90
% 以上が改質され、メタノール合成に必要な H2 、CO、
CO2と未反応の水蒸気が含まれおり、流路11から合成ガ
ス圧縮機の吸入12に至る間に、高圧蒸気加熱器II13等の
幾つかの熱回収と冷却が行われ、凝縮水が分離されて30
〜40℃で合成ガス圧縮機14に導入される。この合成ガス
圧縮機14では合成ガスを60〜120 気圧に圧縮し、流路15
を経て合成系に送られる。この合成ガスは流路16よりの
循環ガスと合流して流路17を経て、合成ガス加熱器18で
180〜230 ℃に加熱されてメタノール合成反応器19に導
入される。該反応器19には流動触媒が充填されており、
240〜280 ℃でメタノール合成反応が行われる。
【0017】メタノール合成反応器内には多数の伝熱管
20が設置されており、流路21からのボイラ水が加熱され
て沸騰し、流路22を経て気水分離器23において高圧蒸気
とボイラ水が分離される。また気水分離器23には流路24
から高圧蒸気発生量に見合うボイラ給水が供給される。
該反応器19には流動触媒が充填されて高い伝熱効率が得
られることから、40〜60気圧程度の高圧蒸気が回収され
る。
【0018】メタノール合成反応器19からの反応ガスは
流路26と流路27の間で合成ガス加熱器18等の幾つかの熱
回収と冷却が行われ、メタノール分離器28で粗メタノー
ルが分離されて流路29から蒸留工程に送られる。メタノ
ール分離器28からの未反応ガスは循環ガスとして流路30
および流路31を経て合成循環ガス圧縮機32に導入され
る。なお一部の未反応ガスはパージガスとして流路33か
ら抜出されて、主に改質炉の燃料として流路8 に混合さ
れる。合成循環ガス圧縮機32では 4〜6 気圧程度昇圧さ
れて流路16を経て合成ガスと合流される。
【0019】メタノール合成反応器から回収された高圧
蒸気は流路34からA点において分割されて一部は流路35
を経て原料水蒸気に使用される (なお点線は回収された
高圧蒸気の流路を示す) 。また他の回収高圧蒸気は流路
36および流路37を経て高圧蒸気加熱器I10および高圧蒸
気加熱器II13に送られて過熱蒸気となり、流路38と流路
39が集合したB点を経て流路40より合成ガス圧縮機ター
ビン41を駆動し、また流路42より合成循環ガス圧縮機タ
ービン43を駆動する。なお各タービンの排気は流路44お
よび流路45を経て冷却・凝縮系に送られる。
【0020】図2は (b)一次改質ガスを部分酸化して更
に二次改質を行う場合の一例を示す系統図であり、一次
改質反応管6 を出るまでのフローは図1と同様である。
但し(b)の場合は一次改質反応の後に部分酸化と二次改
質反応が行われることから高い圧力でガス改質が行われ
るようになり、一次改質反応管6 からの反応ガスは圧力
30〜45気圧、温度 750〜800 ℃である。従って一次改質
反応管6 からの反応ガスの改質率は30〜50% となり、流
路46より二次改質炉47に導入される。
【0021】部分酸化に用いられる酸素ガスは酸素分離
装置48において製造される。この酸素ガスは流路49より
二次改質反応器47に導入され、部分酸化が行われた後、
改質触媒により二次改質反応が行われる。二次改質後の
フローは図1の流路11以降のフローと同様である。但し
(b)の場合は改質圧力が高くなるので、合成ガス圧縮機
14の所要動力が削減され、またガス改質装置が小型化さ
れるので大型装置に有利となる。メタノール合成反応器
から回収された高圧蒸気は流路50から空気分離装置48に
おける空気圧縮機や冷凍機等の動力源にも用いられる。
【0022】図3は (c)高温の二次改質ガスを一次改質
反応の熱源に用い、改質圧力を更に高くする場合一例を
示す系統図である。この場合には改質圧力を60〜120 気
圧と高くするので、原料炭化水素は流路1 より先ず原料
炭化水素圧縮機51に導入してて昇圧した後、流路52を経
て、流路2 からの原料水蒸気と混合される。該混合ガス
は流路3 を経て混合ガス加熱器4 で 400〜550 ℃に加熱
され、流路5 を経て一次改質反応器53へ導入される。一
次改質反応器は多数の反応管を有し図1および図2と同
等なNi系触媒が充填されている。この反応管は外部より
高温の二次改質ガスにより加熱され、温度 700〜800 ℃
となり、炭化水素の約25〜35% が改質される。
【0023】得られた一次改質ガスは流路54より二次改
質反応器47に導入される。部分酸化に用いられる酸素ガ
スは酸素分離装置48において製造され、流路49より二次
改質反応器47に導入され、部分酸化が行われた後、改質
触媒により二次改質反応が行われる。二次改質触媒層か
らの反応ガスの温度は 980〜1080℃であり、炭化水素の
約 90%以上が改質される。得られた高温の二次改質ガス
は流路55から一次改質反応器53へ導入され内部反応管を
加熱する。前述の如く部分酸化に用いられる酸素ガスに
原料炭化水素の一部を混入すれば一次改質反応器の負荷
が削減される。また一次改質反応器53と二次改質反応器
47は一体化することもでき、種々の構造が提案されてい
る。二次改質ガスは一次改質反応器内の反応管を加熱し
た後、流路56から流路57の間において図1と同様に熱回
収と冷却が行われ、凝縮水が分離された後、合成ガス圧
縮機を用いずに合成循環ガス圧縮機32に導入される。流
路17以降のメタノール合成装置のフローは図1と同様で
ある。
【0024】図3においてはメタノール合成装置のパー
ジガスを流路58から抜出し、流路59を経てガスタービン
エンジン60に導入して動力回収を行う場合である。ガス
タービンエンジン60にはパージガスと共に他の燃料が流
路61から供給され、更に流路62からはメタノール合成器
で回収された高圧蒸気も供給される。このようにガスタ
ービンエンジン60に燃料と共に高圧水蒸気を導入するこ
とにより、水蒸気から動力が回収されると共に排気中の
NOxが低下する効果が得られる。なおこのガスタービン
は空気圧縮機62に直結されており、流路63よりの空気は
圧縮されて流路64を経て酸素分離装置48に導入される。
高圧蒸気の加熱は図1および図2で示したものの他に、
ガスタービンの排気ダクト65に設置した高圧蒸気加熱器
III 66においても行われ、流路67からメタノール反応器
よりの高圧蒸気が供給される。また過熱高圧蒸気は流路
68から原料炭化水素圧縮機タービン69にも送られ、動力
回収が行われる。
【0025】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
する。上記の如く本発明の概略フローとしては図1〜3
が考えられるが、プロセスの熱効率と大型化の面で図3
のフローが最も有利と見られることから、図3のフロー
におけるプロセス計算結果の一例を実施例に示す。
【0026】図3において流路1 より原料炭化水素を25
気圧26℃で供給し、原料炭化水素圧縮機51で87気圧に昇
圧した。なおフローには示されていないが、メタノール
合成装置のパージガスの一部を脱硫のために原料炭化水
素に混合した。この原料炭化水素を二つに分流し、分流
は流路2 からの原料水蒸気と共に一次改質反応器53
に、分流は流路49からの酸素ガスと共に二次改質反応
器47に導入した。流路2 からの原料水蒸気は85気圧 400
℃であり、分流の原料炭化水素との混合ガスを混合ガ
ス加熱器4 で 500℃に加熱して一次改質反応器53に導入
した。また酸素ガスは86気圧、 250℃で分流の原料炭
化水素と共に二次改質反応器47に導入した。各フローの
流量と組成は次の通りである。なお、以下の表中のCH
3 OHはジメチルエーテル等の副成物を含む数値であ
る。
【0027】
【化1】 原料炭化水素 分流 (流路1) 分流 組成 CH4 3380.6 kg-mol/h 2253.5 kg-mol/h 78.67 mol% C2 6 277.4 184.9 6.45 C3 8 107.4 71.9 2.51 C4 10 49.3 32.9 1.15 C5 12 16.8 11.2 0.39 C6 14 5.9 3.9 0.14 CO 26.9 18.0 0.63 CO2 66.6 44.5 1.55 H2 343.6 229.0 8.00 N2 18.4 12.2 0.43 H2 O 0.1 0.1 0.00 CH3 OH 3.6 2.4 0.08 合計 4297.0 2864.5 100.00 原料水蒸気 (流路2) 13726.1 kg-mol/h 酸素ガス (流路49) O2 3068.4 kg-mol/h 99.50 mol% 2 15.4 0.50 合計 3083.8 100.00
【0028】二次改質出口(流路55)の温度は約1030℃
であり、一次改質反応器における熱交換後(流路56) は
約 570℃であった。その流量と組成は次の通りである。
【0029】この合成ガスの熱回収と冷却を行い凝縮水
を分離した後、メタノール合成装置のパージガスをPS
A分離して得られた水素ガス 458.1 kg-mol/h と流路31
からの合成循環ガスを混合して75.5気圧で合成循環ガス
圧縮機32に導入した。該圧縮機により昇圧されたガス
は、合成ガス加熱器18を経て 198℃、80気圧でメタノー
ル合成反応器19に導入した。メタノール合成反応器では
流動触媒によるメタノール合成反応が行われ、47気圧の
飽和水蒸気(260℃) 185.2 T/H を発生した。メタノール
合成反応器の出口反応ガスは圧力78気圧、温度 264℃で
あり、メタノール合成反応器の入口および出口ガス量と
その組成は次の通りである。
【0030】
【化3】 入口ガス (流路17) 出口ガス (流路26) kg-mol/h mol% kg-mol/h mol% CH4 29325.1 25.93 29325.1 29.37 CO2 8760.3 7.74 7115.5 7.12 CO 8806.3 7.79 3831.0 3.84 H2 63774.6 56.39 48889.1 48.96 N2 1888.0 1.67 1888.0 1.89 H2 O 41.7 0.04 1699.9 1.70 CH3 OH 497.0 0.44 7103.9 7.12 合計 113093.0 100.00 99852.5 100.00
【0031】メタノール合成反応器の出口反応ガスは熱
回収と冷却を行い、メタノール分離器28において40℃で
凝縮した粗メタノールを分離した。分離されたガスと粗
メタノールの量と組成は次の通りである。
【化4】 分離ガス (流路30) 粗メタノール (流路29) kg-mol/h mol% kg-mol/h mol% CH4 29243.4 32.03 81.7 0.96 CO2 6980.2 7.64 135.2 1.58 CO 3825.9 4.19 5.1 0.06 H2 48848.5 53.49 40.7 0.48 N2 1886.5 2.07 1.8 0.02 H2 O 20.3 0.02 1679.4 19.67 CH3 OH 509.0 0.56 6585.3 77.23 合計 91313.8 100.00 8539.2 100.00
【0032】この分離ガスの一部 (2140.8 kg-mol/h)は
パージガスとして流路58より抜出し原料炭化水素の脱
硫、PSA装置および動力回収用ガスタービンに使用し
た。メタノール合成反応器より回収された 185.2 T/Hの
高圧蒸気の内、19.2 T/Hは上記パージガスおよび他の燃
料を用いた出力 21000 KW/H のガスタービンエンジンの
燃焼室に導入して NOxの低下と動力回収を行った。残る
166 T/Hの高圧蒸気は、高圧蒸気加熱器I10、高圧蒸気
加熱器II13および高圧蒸気加熱器III 66において 350℃
に加熱し、原料炭化水素圧縮機タービン69において 43.
5 T/H(出力 8370 KW/H) 、合成循環ガス圧縮機タービン
43において43.6 T/H(出力 8390 KW/H) 及び酸素分離装
置48で 78.9 T/H 使用した。なお各タービンの背圧は絶
対圧 0.135気圧とした。
【0033】
【発明の効果】流動層触媒反応器は、反応器内の伝熱
管に対しガスの接触のみでなく、触媒粒子自身の接触が
寄与するので伝熱効率が高いこと、触媒層における熱
拡散が良いので反応温度が均一であり、局部的な温度上
昇部が無いので、反応率を高めることができ、活性成分
(CO,CO2 ) の濃度を高めることができるから、循環ガス
量を減少できること、均一な温度分布と高い伝熱効率
から回収する高圧蒸気の圧力を高めることができるこ
と、反応器における圧力損失が固定触媒層の多管式反
応器と比較して著しく小さいこと、反応温度が均一で
あり、局部的な温度上昇部が無いことから副反応生成量
が削減され、蒸留精製工程における熱効率を高めること
ができること等の利点がある。
【0034】従って本発明の方法により流動層触媒反応
器を使用することにより、より高圧の水蒸気が得られて
圧縮機等における蒸気タービンの効率を高めることがで
きること、合成循環ガス圧縮機の動力が削減されるこ
と、および精製蒸留工程における熱効率の向上等があ
り、メタノール製造装置におけるエネルギー効率をより
高めることができる。またメタノール製造装置の大型化
にも有利である。本発明の方法は、特に一次改質ガスを
部分酸化して更に二次改質を行い、この高温の二次改質
ガスを一次改質反応の熱源に用いるガス改質装置と組合
わせることにより、より高いエネルギー効率で大型のメ
タノール製造装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】系統図図1は、本発明においてガス改質装置が
一次改質のみの場合の一例を示す。
【図2】系統図図2は、本発明において一次改質ガスを
部分酸化して更に二次改質を行う場合の一例を示す。
【図3】系統図図3は、本発明において一次改質ガスを
部分酸化して更に二次改質を行い、得られた高温の二次
改質ガスを一次改質反応の熱源に用いる場合一例を示
す。
【符号の説明】
1 原料炭化水素流路 2 原料水蒸気流路 6 一次改質反応管 14 合成ガス圧縮機 19 メタノール合成反応器 (流動層触媒反応器) 23 気水分離器 28 メタノール分離器 32 合成循環ガス圧縮機 47 二次改質反応器 48 酸素分離器 51 原料炭化水素圧縮機 53 一次改質反応器 60 ガスタービンエンジン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素からメタノールを製造する方法に
    おいて、(1) 炭化水素と水蒸気の混合ガスを間接加熱に
    よる接触反応を行い、水素、一酸化炭素および二酸化炭
    素を有効成分とする合成ガスを製造する工程と、(2) 内
    部に伝熱管を有する流動層触媒反応器を用いて、60〜12
    0 気圧でメタノール合成反応を行うと共に、反応熱を該
    伝熱管を介して飽和水に伝達して40〜60気圧の高圧蒸気
    を発生させる工程を有し、工程(2) で得られた高圧蒸気
    から動力を回収することを特徴とするメタノールの製造
    法。
  2. 【請求項2】工程(1) において間接加熱による接触反応
    により10〜25気圧 850〜900 ℃の合成ガスを得る請求項
    1のメタノールの製造法。
  3. 【請求項3】工程(1) において間接加熱による接触反応
    により30〜45気圧 750〜800 ℃の一次改質ガスを得た
    後、酸素ガスを加えて部分酸化反応を行い、更に断熱接
    触反応によって 930〜1000℃の二次改質ガスを得る請求
    項1のメタノールの製造法。
  4. 【請求項4】工程(1) において間接加熱による接触反応
    により60〜120 気圧 700〜800 ℃の一次改質ガスを得た
    後、酸素ガスを加えて部分酸化反応を行い、更に断熱接
    触反応によって 980〜1080℃の二次改質ガスを得、該二
    次改質ガスを間接加熱による接触反応の熱源に用いる請
    求項1のメタノールの製造法。
  5. 【請求項5】高圧蒸気から回収した動力を合成ガス圧縮
    機、合成ガス循環機又は原料炭化水素ガス圧縮機に用い
    る請求項1のメタノールの製造法。
  6. 【請求項6】高圧蒸気をガスタービンエンジンに導入し
    て動力を回収する請求項1のメタノールの製造法。
  7. 【請求項7】高圧蒸気から回収した動力を酸素製造のた
    めに用いる請求項2又は請求項3のメタノールの製造法
JP5039932A 1993-03-01 1993-03-01 メタノールの製造法 Pending JPH06256239A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5039932A JPH06256239A (ja) 1993-03-01 1993-03-01 メタノールの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5039932A JPH06256239A (ja) 1993-03-01 1993-03-01 メタノールの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06256239A true JPH06256239A (ja) 1994-09-13

Family

ID=12566724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5039932A Pending JPH06256239A (ja) 1993-03-01 1993-03-01 メタノールの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06256239A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5504262A (en) * 1994-12-23 1996-04-02 Exxon Research & Engineering Co. Direct catalytic conversion of methane to ethanol
JP2003034660A (ja) * 2001-07-19 2003-02-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd メタノールの製造方法
JP2003508506A (ja) * 1999-09-07 2003-03-04 ウーデ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング メタノールを製造する方法と設備
US7699974B2 (en) 2007-12-21 2010-04-20 Uop Llc Method and system of heating a fluid catalytic cracking unit having a regenerator and a reactor
US7699975B2 (en) 2007-12-21 2010-04-20 Uop Llc Method and system of heating a fluid catalytic cracking unit for overall CO2 reduction
US7767075B2 (en) 2007-12-21 2010-08-03 Uop Llc System and method of producing heat in a fluid catalytic cracking unit
US7811446B2 (en) 2007-12-21 2010-10-12 Uop Llc Method of recovering energy from a fluid catalytic cracking unit for overall carbon dioxide reduction
US7932204B2 (en) 2007-12-21 2011-04-26 Uop Llc Method of regenerating catalyst in a fluidized catalytic cracking unit
US7935245B2 (en) 2007-12-21 2011-05-03 Uop Llc System and method of increasing synthesis gas yield in a fluid catalytic cracking unit
WO2012140995A1 (ja) * 2011-04-11 2012-10-18 千代田化工建設株式会社 高効率メタノール製造方法及びこれを利用した酢酸原料又はmma原料の製造方法
JP2012219068A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Chiyoda Kako Kensetsu Kk 高効率メタノール製造方法
JP2013501700A (ja) * 2009-08-14 2013-01-17 サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション メタノール製造のための複合改質プロセス
JP2013103909A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Chiyoda Kako Kensetsu Kk メタノールプラントを利用した酢酸原料又はmma原料の製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5504262A (en) * 1994-12-23 1996-04-02 Exxon Research & Engineering Co. Direct catalytic conversion of methane to ethanol
JP4837213B2 (ja) * 1999-09-07 2011-12-14 ウーデ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング メタノールを製造する方法と設備
JP2003508506A (ja) * 1999-09-07 2003-03-04 ウーデ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング メタノールを製造する方法と設備
JP2003034660A (ja) * 2001-07-19 2003-02-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd メタノールの製造方法
US7699974B2 (en) 2007-12-21 2010-04-20 Uop Llc Method and system of heating a fluid catalytic cracking unit having a regenerator and a reactor
US7767075B2 (en) 2007-12-21 2010-08-03 Uop Llc System and method of producing heat in a fluid catalytic cracking unit
US7811446B2 (en) 2007-12-21 2010-10-12 Uop Llc Method of recovering energy from a fluid catalytic cracking unit for overall carbon dioxide reduction
US7932204B2 (en) 2007-12-21 2011-04-26 Uop Llc Method of regenerating catalyst in a fluidized catalytic cracking unit
US7935245B2 (en) 2007-12-21 2011-05-03 Uop Llc System and method of increasing synthesis gas yield in a fluid catalytic cracking unit
US7699975B2 (en) 2007-12-21 2010-04-20 Uop Llc Method and system of heating a fluid catalytic cracking unit for overall CO2 reduction
JP2013501700A (ja) * 2009-08-14 2013-01-17 サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション メタノール製造のための複合改質プロセス
WO2012140995A1 (ja) * 2011-04-11 2012-10-18 千代田化工建設株式会社 高効率メタノール製造方法及びこれを利用した酢酸原料又はmma原料の製造方法
JP2012219068A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Chiyoda Kako Kensetsu Kk 高効率メタノール製造方法
JP2013103909A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Chiyoda Kako Kensetsu Kk メタノールプラントを利用した酢酸原料又はmma原料の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4053103B2 (ja) 濃縮空気改質及び合成ループへの窒素の投入を用いたアンモニアの製造
US7703271B2 (en) Cogeneration method and device using a gas turbine comprising a post-combustion chamber
JP4745219B2 (ja) 水素製造用の自己熱改質装置−改質交換器の配置
US9382115B2 (en) Gas-to-liquid technology
JP2008512336A (ja) 水素および/または一酸化炭素の製造方法
JPH07126201A (ja) メタノール製造方法
JPH0585701A (ja) 自熱式スチーム改質法
JPH023614A (ja) 単一圧式のメタノール製造方法
JP4059546B2 (ja) 合成ガスおよび電気エネルギーを組み合わせて製造する方法
EA005783B1 (ru) Способ получения углеводородов
JP2000185904A (ja) 高級炭化水素を含む炭化水素供給材料の自熱式改質方法
CN105858603A (zh) 制备氨合成气的方法
RU2199486C2 (ru) Способ производства синтез-газа, применяемого для синтеза бензина, керосина и газойля (варианты)
JPH06256239A (ja) メタノールの製造法
JP4427173B2 (ja) 合成ガスの製造方法
AU714133B2 (en) Turbine-powered, Fischer-Tropsch system and method
JP2024524086A (ja) グリーン水素のためのアンモニア分解
EP0207620B1 (en) Energy recovery
JP2001097906A (ja) メタノールの製造方法
JP4508327B2 (ja) メタノールの製造方法
JP2002060762A (ja) ガソリン、灯油および軽油合成用合成ガスの製造方法
JPH04325401A (ja) 水素ガス製造方法および水素ガス製造装置
JP2024524085A (ja) アンモニア分解プロセスからの再生可能な水素生成物の回収
JP2000233918A (ja) Coの製造方法
JP2000219508A (ja) 水素psaのオフガスからcoを製造する方法