JPH0625373Y2

JPH0625373Y2 - 自動車のコーナピース構造

Info

Publication number: JPH0625373Y2
Application number: JP1987198522U
Authority: JP
Inventors: 和徳河面
Original assignee: 日産車体株式会社
Priority date: 1987-12-26
Filing date: 1987-12-26
Publication date: 1994-07-06
Anticipated expiration: 2002-12-26
Also published as: JPH01101920U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、自動車のサッシュレスドアのコーナピース構
造に関するものであり、特に、車体とコーナピースとの
シール部の改良技術に係る。

（従来の技術）サッシュレスドアを採用した自動車においては、サイド
ドアの前部に、ドアベルトラインと車体との間の狭角部
を塞ぐようにしてコーナピースが取付けられ、このコー
ナピースにドアミラーが取付けられることが通常であ
る。また、ドアガラスは、このコーナピースの後部に設
けられたガラス収納溝内にその前縁を嵌め合わされてお
り、コーナピースとの間のシールを保持したまま上下に
摺動可能となっている。

一方、このようなコーナピース構造において、車体に対
するドアガラス及びコーナピースのシールは次のように
して行なっている。即ち、第８図に示すように、車体１
には、ドアを閉じた際にドアガラス２及びコーナピース
３の端部に圧着する車体側ウェザーストリップ４を設
け、この車体側ウェザーストリップに、ドアガラス２の
端部を直接圧着させると共に、コーナピース３の端部
は、ドア側ウェザーストリップ５にてカバーして、この
ドア側ウェザーストリップ５を車体側ウェザーストリッ
プ４と圧着させるようにしている。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、以上のような構造では、金属製のコーナ
ピースの厚みが、ドアガラスの厚みよりもはるかに厚い
ため、第９図に示すように、ドアガラス２とドア側ウェ
ザーストリップ５との連結部において、ドア側ウェザー
ストリップ５を取付けたコーナピース３の車体側ウェザ
ーストリップ４に圧着する部分の厚さｂは、ドアガラス
２の厚さａの数倍もの厚さとなる。このように、連結部
の厚さの格差、即ち形状変化が大きいと、車体側ウェザ
ーストリップ４とドア側ウェザーストリップ５との間に
隙間ｈが生じ易くなるため、シール性が低下して、雨天
時や洗車時に車内に水が侵入する問題がある。これに対
し、車体側ウェザーストリップ４のコーナピース３が圧
着する部分を型成形による成形部として、他の部分を安
価にできる押出し成形による成形部に構成することも可
能であるが、この場合、多種類の成形部を必要とし、製
造工程が複雑化する問題がある上、複雑な製造工程を経
てもなお充分な精度が得られず、また、車体側ウェザー
ストリップ４の取付け誤差などによっても前述の隙間ｈ
が生じて、シール性が低下する恐れがある。

一方、このような厚さの格差を改善するものとしては、
実開昭６１−１２２９３８号公報の考案が存在するこの
従来技術は、第１０図に示すように、コーナピース３の
先端部に突起６を設けることで、ドア側ウェザーストリ
ップ５における車体側ウェザーストリップ４との当接面
を傾斜面７とする従来技術も存在するが、この従来技術
においても、結局前記のような厚さの格差という問題点
を解決することはできず、シール性が低下することは免
れなかった。

（問題点を解決するための手段）本考案による自動車のコーナピース構造は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決するための手段として、コー
ナピースの車体側端面に、車体側ウェザーストリップと
重なるフランジ部を設け、このフランジ部をカバーする
ようにドア側ウェザーストリップを取付けることを特徴
としている。

（作用）以上のような構成を有する本考案においては、車体側ウ
ェザーストリップに重なるドア側ウェザーストリップ部
分の厚さが薄くなる結果、車体側ウェザーストリップに
圧着するドアガラスとドア側ウェザーストリップとの連
結部における厚さの格差を大幅に縮小できるため、同部
のシール性を格段に向上できる。従って、車体側ウェザ
ーストリップも単純な成形工程のみで容易に製造でき
る。

（実施例）以下に、本考案による自動車のコーナピース構造の一実
施例を第１図乃至第４図を参照して具体的に説明する。
なお、第２図乃至第４図はそれぞれ第１図のＳＡ−ＳＡ
断面図、ＳＢ−ＳＢ断面図、ＳＣ−ＳＣ断面図である。

まず、実施例の構成を説明する。

第１図乃至第４図に示すように、金属性のコーナピース
本体１１の単体１２側端面には、車体側ウェザーストリ
ップ１３と重なるフランジが設けられ、このフランジに
リーインフォース１４のフランジがスポット接合部１５
にてスポット接合されることで２枚重ねのフランジ部１
６が形成されている。そして、このフランジ部１６をカ
バーするようにドア側ウェザーストリップ１７が取付け
られている。

また、コーナピース本体１１の後部には、溝用枠材１８
がスポット接合部１５にてスポット接合され、ガラス収
納溝が形成されている。このガラス収納溝内にシール材
１９を介してドアガラス２０の前縁が摺動可能に嵌め合
わされている。

なお、ドア側ウェザーストリップ１７とシール材１９と
は、コーナピース本体１１の上端にて連結されている。

次に本実施例の作用を説明する。

即ち、従来では、第９図に示すように、ドアガラスとド
ア側ウェザーストリップとの連結部において、コーナピ
ースの車体側ウェザーストリップに圧着する部分の厚さ
ｂが、ドアガラスの厚さａの数倍もの厚さにもなってい
たのに対し、本実施例においては、コーナピースの車体
側ウェザーストリップに圧着する部分をフランジ部１６
とし、ここにドア側ウェザーストリップ１７を取付けた
ため、第５図に示すように、コーナピースの車体側ウェ
ザーストリップに圧着する部分の厚さｂが大幅に薄くな
っており、ドアガラス２０の厚さａとの格差が大幅に縮
小されている。従って、連結部における厚さの格差によ
って従来生じていたシール性の低下の問題が解消され、
優れたシール性が得られる。また、このように厚さに格
差がないことから、車体側ウェザーストリップの形状も
単純化でき、成形工程を単純化して、効率を向上できる
利点もある。

なお、本考案は、前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、フランジ部の構成としては、第６図（Ａ）
に示すように、ドア側ウェザーストリップ１７のアウタ
側をミラーベースまたはアウタフィニッシャ２１にて支
持固定し、インナ側をインナフィニッシャ２２にて支持
固定すれば、ドア側ウェザーストリップ１７をフランジ
部１６に確実に固定することができ、信頼性を向上でき
る。また、第６図（Ｂ）に示すように、コーナピース本
体１１の先端を折曲げて、リーインフォースを形成する
ことも可能である。一方、ドアガラス２０のコーナピー
ス本体１１との嵌合部の構成も、ガラス収納溝内にシー
ル材１９を装着する代りに、第７図に示すように、ドア
ガラス２０の端部にグラスラン２３を装着する構成も可
能である。

（考案の効果）以上説明したように、本考案の自動車のコーナピース構
造によれば、ドアガラスとドア側ウェザーストリップと
の連結部において、車体側ウェザーストリップに圧着す
る部分の厚さの差を従来に比べて格段に縮小できるた
め、同部におけるシール性が向上し、雨天時や洗車時に
車内に水が侵入する恐れがなく、耐水面での信頼性を向
上できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による自動車のコーナピース構造の一実
施例を示す平面図、第２図は第１図のＳＡ−ＳＡ断面
図、第３図は第１図のＳＢ−ＳＢ断面図、第４図は第１
図のＳＣ−ＳＣ断面図、第５図は第１図のＰ矢視図、第
６図（Ａ）（Ｂ）及び第７図は本考案の異なる実施例を
示す断面図、第８図は従来のコーナピース構造を示す断
面図、第９図は第８図におけるドア側ウェザーストリッ
プとドアガラスとの連結部を示す断面図、第１０図は従
来の改善型のコーナピース構造を示す断面図である。１１…コーナピース本体、１２…車体、１３…車体側ウ
ェザーストリップ、１４…リーインフォース、１５…ス
ポット溶接部、１６…フランジ部、１７…ドア側ウェザ
ーストリップ、１８…溝用枠材、１９…シール材、２０
…ドアガラス。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】自動車のドアベルトラインと車体との間の
狭角部を塞ぐようにしてサイドドアの前部に取付けら
れ、ドアガラスを収納するガラス収納溝を有したコーナ
ピースにおいて、前記車体には、ドアを閉じた際に、コーナピースとドア
ガラスの端部に圧着するウェザーストリップが取付けら
れ、コーナピースの端面には、車体側ウェザーストリッ
プと重なるフランジ部が設けられ、このフランジ部をカ
バーするようにドア側ウェザーストリップが取付けられ
たことを特徴とする自動車のコーナピース構造。