JPH06250926A - 複数階層のキャッシュメモリを備えたデータ処理システム - Google Patents

複数階層のキャッシュメモリを備えたデータ処理システム

Info

Publication number
JPH06250926A
JPH06250926A JP5036384A JP3638493A JPH06250926A JP H06250926 A JPH06250926 A JP H06250926A JP 5036384 A JP5036384 A JP 5036384A JP 3638493 A JP3638493 A JP 3638493A JP H06250926 A JPH06250926 A JP H06250926A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
cache memory
layer
memory
data processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5036384A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Mori
篤史 毛利
Masayuki Hata
雅之 畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP5036384A priority Critical patent/JPH06250926A/ja
Publication of JPH06250926A publication Critical patent/JPH06250926A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Memory System Of A Hierarchy Structure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1次,2次キャッシュメモリ10, 11の2階層
のキャッシュメモリを有し、両キャッシュメモリ10, 11
間で同一データを極力あるいは全く重複して登録しない
ようにすることによい、2次キャッシュメモリ11の容量
以上のデータコピーを主記憶103 からキャッシュメモリ
全体に登録する。 【構成】 データ処理装置100 からのデータリードアク
セス要求に対してキャッシュメモリ10, 11全体の中に要
求データが存在しない場合、1次キャッシュメモリ10で
は主記憶103 から転送されてきたアクセス対象データを
登録し、2次キャッシュメモリ11ではそのデータの登録
を行わない。2次キャッシュメモリ11においてデータの
登録が行われるのは、1次キャッシュメモリ10でデータ
の登録が行われる際に無効化されるデータが発生した場
合にそのデータを登録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はデータ処理システムに関
し、より詳しくは、2階層以上の複数階層のキャッシュ
メモリを有するデータ処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のマイクロプロセッサの動作周波数
は益々向上しており、 50MHz動作のものや100MHz以上の
動作周波数を有するマイクロプロセッサも珍しくなくな
っている。それに対して、主記憶としてのDRAM(ダイナ
ミックRAM)は大容量化が着実に進んではいるものの、そ
のアクセスタイムはさほどには向上していない。このた
め、DRAMがマイクロプロセッサの処理速度に追随できな
いでいるのが現状である。一般的に、マイクロプロセッ
サの最大性能を引き出すためには、マイクロプロセッサ
内部のデータ処理装置の処理速度以上の速度でデータア
クセスを行うことが必要である。このような事情から、
データ処理装置と主記憶との間に、キャッシュメモリを
備えるシステムが普及している。
【0003】キャッシュメモリは、データ処理装置の処
理速度と主記憶のアクセス速度とのギャプを埋める有効
な手段として広く普及している。具体的には、主記憶中
のアクセス頻度の高い部分をデータ処理装置の近くに配
置した比較的小容量な高速バッファメモリ(キャッシュ
メモリ)に主記憶から予めコピーしておき、メモリを二
階層にしてメモリアクセスの高速化を図るものである。
近年では、データ処理装置と主記憶との二階層のメモリ
構成を採るのみならず、1次キャッシュメモリ,2次キ
ャッシュメモリというように複数個のキャッシュメモリ
を階層的に配置してメモリアクセスのより高速化を図っ
たデータ処理システムも実用化されている。
【0004】たとえば、マイクロプロセッサ内部に8K
バイト程度の小容量ではあるが高速アクセス可能な1次
キャッシュメモリを内蔵し、マイクロプロセッサ外部に
16Kバイト乃至 128Kバイト程度の2次キャッシュメモ
リを有するシステム、あるいは1Kバイト程度の1次キ
ャッシュメモリと8Kバイト程度の2次キャッシュメモ
リとを内蔵するマイクロプロセッサも実用化されてい
る。
【0005】図30のブロック図に、2階層のキャッシュ
メモリを有する従来のデータ処理システムの構成例を示
す。図30において、参照符号 100はデータ処理装置を、
101はデータ処理装置100と接続された1次キャッシュ
メモリを、 102は1次キャッシュメモリ101 と接続され
た2次キャッシュメモリを、 103は2次キャッシュメモ
リと接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0006】一般に、主記憶103 は数メガバイト乃至数
百メガバイトの容量を有する比較的アクセス速度の低い
メモリで構成されているのに対し、2次キャッシュメモ
リ102 は十数キロバイト乃至数百キロバイトのメモリで
構成されており、1次キャッシュメモリ101 は数キロバ
イトのメモリで構成されている。また、データアクセス
速度に関しては、主記憶103 が一般に百数十nsecでデー
タアクセス可能であるのに対して、2次キャッシュメモ
リ102 は十数nsec乃至数十nsecでデータアクセス可能で
あり、1次キャッシュメモリ101 は数nsec乃至十数nsec
でデータアクセス可能である。
【0007】即ち、主記憶103 ,2次キャッシュメモリ
102 ,1次キャッシュメモリ101 の順に、小容量になる
反面、高速にデータアクセス可能となる。従って、主記
憶103 のデータの一部のコピーをキャッシュメモリ101,
102に予め登録しておくことにより、主記憶103 をアク
セスすることなく高速にデータアクセス可能となる。更
に、データ処理装置100 が1次キャッシュメモリ101 を
アクセスする場合は、データ処理装置100 の処理速度以
上に高速でアクセス可能である。
【0008】また一般に、このようなデータ処理システ
ムにおいては、1次キャッシュメモリ101 はデータ処理
装置100 との間及び2次キャッシュメモリ102 との間で
のみデータのやり取りが可能であり、また2次キャッシ
ュメモリ102 は1次キャッシュメモリ101 との間及び主
記憶103 との間でのみデータアクセスが可能である。そ
して、データ処理装置100 から主記憶103 に対して直接
データアクセスすることは出来ない。
【0009】次に、図30に示されている従来のデータ処
理システムの動作について説明する。一般に、データ処
理装置100 においてデータリードアクセス要求が生じた
場合、データ処理装置100 はまず1次キャッシュメモリ
101 に対してデータリードアクセス(104) を行う。そし
て、1次キャッシュメモリ101 においてキャッシュミス
(要求されたデータがキャッシュメモリ内に登録されて
いない状態)が発生した場合、1次キャッシュメモリ10
1 から2次キャッシュメモリ102 に対してデータリード
アクセス(105) が行われる。更に、2次キャッシュメモ
リ102 においてもキャッシュミスが発生した場合には、
2次キャッシュメモリ102 から主記憶103 に対してデー
タリードアクセス(106) が行われる。
【0010】この2次キャッシュメモリ102 から主記憶
103 に対するデータリードアクセス(106) により主記憶
103 から読み出されたデータは2次キャッシュメモリ10
2 へ転送(112) されて登録され、更に1次キャッシュメ
モリ101 へ転送(111) されて登録された上でデータ処理
装置100 へ転送(110) される。
【0011】この一連の処理において、2次キャッシュ
メモリ102 へのデータリードアクセス(105) でキャッシ
ュヒット(要求されたデータがキャッシュメモリ内に登
録されている状態)した場合、その要求されたデータ
(以下、ヒットデータという)は1次キャッシュメモリ1
01 へ転送(111) されて登録されたた上でデータ処理装
置100 へ転送(110) される。なお上述のような2次キャ
ッシュメモリ102 へのデータリードアクセス(105)でキ
ャッシュヒットした場合には、主記憶103 へのデータリ
ードアクセス(106)は行われない。
【0012】また、1次キャッシュメモリ101 に対する
データリードアクセス(104) でキャッシュヒットした場
合、そのヒットデータはそのままデータ処理装置100 へ
転送(110) される。なおこの1次キャッシュメモリ101
に対するデータリードアクセス(104) でキャッシュヒッ
トした場合には、2次キャッシュメモリ102 に対するデ
ータリードアクセス(105) 及び主記憶103 に対するデー
タリードアクセス(106) はいずれも行われない。
【0013】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が生じた場合、1次,2次キャッシ
ュメモリ101, 102共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ101 に対して
も、2次キャッシュメモリ102 に対しても、主記憶103
に対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行
われる。
【0014】この際に1次キャッシュメモリ101 , 2次
キャッシュメモリ102 及び主記憶103 にライトされるデ
ータは、データ処理装置100 から参照符号107 →108 →
109の経路で転送される。そして、1次,2次キャッシ
ュメモリ101, 102、更に主記憶103 でキャッシュライト
ヒットした場合にはデータが更新される。具体的には、
キャッシュメモリ内のヒットデータがデータ処理装置10
0 から転送されてきたデータによって上書きされる。こ
のような処理により、ライトスルー方式のキャッシュメ
モリでは、データの一貫性が維持される。
【0015】このような従来のデータ処理システムでは
上述のように動作するため、主記憶103 のデータの一部
113 がコピーされて2次キャッシュメモリ102 に取り込
まれ、更に2次キャッシュメモリ102 のデータの一部11
4 がコピーされて1次キャッシュメモリ101 に取り込ま
れる。即ち、1次キャッシュメモリ101 に記憶されてい
るデータ内容は全て2次キャッシュメモリ102 内に存在
する。このため、キャッシュメモリ全体(1次,2次キ
ャッシュメモリ101, 102を合わせたもの)には、最大の
場合2次キャッシュメモリ102 の容量に等しい量のデー
タのコピーを登録することが可能である。しかし、2次
キャッシュメモリ102 のデータの一部114 が1次キャッ
シュメモリ101 内にも2重に存在しているため、キャッ
シュメモリ全体としては、主記憶103 から2次キャッシ
ュメモリ102 の容量以上のデータ量を登録することは不
可能である。
【0016】図31は、図30に示されている1次,2次キ
ャッシュメモリ101, 102の一般的な構成を示すブロック
図であり、両キャッシュメモリ101, 102は共通の構成を
有している。なお、図31に示されている構成は4ウェイ
セットアソシアティブ方式のキャッシュメモリである。
【0017】図31において、参照符号33は主記憶103 の
データの一部をコピーして記憶するデータ部を、31はデ
ータ部33に記憶されているデータに対するアドレスの一
部を記憶するタグ部を、32はエントリ毎にデータ部33の
データが有効であるか無効であるかを示すバリッドビッ
トを、30はエントリの一つを選択するデコーダをそれぞ
れ示している。なお、データ部33へのデータの入出力は
エントリ単位で行われる
【0018】また、参照符号36はキャッシュアクセス時
に入力アドレスとタグ情報とを比較した後にキャッシュ
ヒット/ミス信号を生成するキャッシュヒット/ミス信
号生成部を、37はキャッシュヒット時にデータ部33から
データを読み出す出力バッファを、35はキャッシュミス
時にデータバスDBB からデータを取り込むラインバッフ
ァをそれぞれ示している。
【0019】更にこの図31に示されているキャッシュメ
モリは4ウェイセットアソシアティブ方式であるので、
タグ部31,データ部33,バリッドビット部32,デコーダ
30,キャッシュヒット/ミス信号生成部36がそれぞれウ
ェイ0〜3用に4セット備えられている。一般にキャッ
シュミス時に、ラインバッファ35に取り込まれたデータ
を、ウェイ0 〜3 のいずれのウェイに登録するかの選択
はLRU(Least Recently Used)アルゴリズム制御回路等で
行われるが、この LRU制御のための回路は図31には示さ
れていない。
【0020】データバスDBA は出力バッファ37と上位の
キャッシュメモリまたはデータ処理装置100 とを接続し
ており、データバスDBB はラインバッファ35と下位のキ
ャッシュメモリまたは主記憶103 とを接続している。そ
して、データバスDBA とデータバスDBB とはバイパス経
路BYで接続されている。入力アドレスバスABIN及び出力
アドレスバスABOUT はキャッシュヒット/ミス信号生成
部36, デコーダ30,ラッチ34と上位, 下位のキャッシュ
メモリまたはデータ処理装置100 あるいは主記憶103 と
を接続している。
【0021】次に、図31に示されているキャッシュメモ
リの動作について説明する。まず、データ処理装置100
でデータリードアクセス要求が発生した場合、データを
リードするためのアドレスが入力アドレスバスABINから
キャッシュメモリに入力される。このアドレスは、キャ
ッシュヒット/ミス信号生成部36とデコーダ30とキャッ
シュミス時のタグ登録用のラッチ34とに入力される。
【0022】デコーダ30では、アドレスの内の数ビット
をデコードしてエントリ選択信号を出力し、タグ部31,
バリッドビット部32,データ部33それぞれに共通の一つ
のエントリを選択する。そしてキャッシュヒット/ミス
信号生成部36では、その選択されたエントリのタグ90a
とバリッドビット90b とをタグ部31, バリッドビット部
32からそれぞれ読み込む。
【0023】キャッシュヒット/ミス信号生成部36はタ
グ90a とアドレスとを比較し、その結果が一致し且つバ
リッドビット90b が有効であれば、キャッシュリードヒ
ット信号39を出力する。逆に、タグ90a とアドレスとの
比較結果が不一致であるかまたはバリッドビット90b が
無効であれば、キャッシュヒット/ミス信号生成部36は
キャッシュリードミス信号38を出力する。キャッシュヒ
ット/ミス信号生成部36からキャッシュリードヒット信
号39が出力された場合は、デコーダ30により選択された
エントリ90c のデータがデータ部33から出力されて出力
バッファ37に取り込まれる。この出力バッファ37に取り
込まれたデータは、アクセス要求に対するデータ(ヒッ
トデータ)としてデータバスDBA からキャッシュメモリ
外部へ出力される。
【0024】また、キャッシュヒット/ミス信号生成部
36からキャッシュリードミス信号38が出力された場合
は、出力アドレスバスABOUT から外部へアドレスを出力
することにより他のキャッシュメモリまたは主記憶103
にデータリードアクセスを行う。このデータリードアク
セス要求に対して外部から転送されてきたデータは、デ
ータバスDBB からラインバッファ35に取り込まれる。そ
して、ラインバッファ35へのデータ転送が終了すれば直
ちにそのデータは選択されたウェイの選択されたエント
リ90a, 90cにタグと共に登録される。この際、同一のエ
ントリに対応するバリッドビット90b もセットされる。
【0025】このデータの登録の際にいずれのウェイに
データを登録するかの決定は前述したように LRUアルゴ
リズム等で制御される。また、データバスDBB から入力
されたデータはラインバッファ35に取り込まれると同時
にバイパス経路BYを通じてデータバスDBA へも直接出力
される。このようなキャッシュメモリにより、従来のデ
ータ処理システムはキャッシュミス時に要求されたデー
タをより高速に転送することができる。
【0026】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合には、データをライ
トするためのアドレスが入力アドレスバスABINより入力
される。そのアドレスは、データリード時と同様にキャ
ッシュヒット/ミス信号生成部36とデコーダ30とキャッ
シュミス時のタグ登録用のラッチ34とに入力されると同
時に、デコーダ30によりタグ部31,バリッドビット部3
2,データ部33のエントリの一つが選択される。そし
て、選択されたタグ部31,バリッドビット部32の値はキ
ャッシュヒット/ミス信号生成部36に読み込まれてキャ
ッシュヒット/ミスの判定に用いられる。
【0027】キャッシュライトヒットした場合には、キ
ャッシュメモリ内のヒットデータを更新する必要が生じ
る。即ち、データバスDBA から転送されてきたデータが
バイパス経路BYを通じてデータバスDBB に出力されてラ
インバッファ35に取り込まれる。そして、キャッシュラ
イトヒット信号40によりそのラインバッファ35内に保持
されているデータはタグと共に登録される。キャッシュ
ライトミスした場合には、キャッシュメモリ内のデータ
を更新する必要はないのでキャッシュメモリ内では何の
処理も実行されない。
【0028】図32, 図33のブロック図に、図30に示され
ているような構成の1次,2次キャッシュメモリ101, 1
02を接続した場合の構成を示す。なお、図32に示されて
いる1次キャッシュメモリ101 の下側と、図33に示され
ている2次キャッシュメモリ102 の上側とが接続され
る。なお、図32においてはデータ処理装置100 と2次キ
ャッシュメモリ102 との間に接続されている1次キャッ
シュメモリ101 が、図33においては主記憶103 と1次キ
ャッシュメモリ101 との間に接続されている2次キャッ
シュメモリ102 がそれぞれ示されている。
【0029】図32, 図33において、1次キャッシュメモ
リ101 ,2次キャッシュメモリ102は図31に示されてい
るキャッシュメモリと同じ構成である。但し、2次キャ
ッシュメモリ102 の容量の方が1次キャッシュメモリ10
1 の容量より大きい。
【0030】図32, 図33において、参照符号60は1次キ
ャッシュメモリ101 とデータ処理装置100 とを接続する
アドレスバス(1次キャッシュメモリ101 の入力アドレ
スバスABIN) を、67は1次キャッシュメモリ101 とデー
タ処理装置100 とを接続するデータバスを、62は2次キ
ャッシュメモリ102 と主記憶103 とを接続するアドレス
バス(2次キャッシュメモリ102 の出力アドレスバスAB
OUT)を、63は2次キャッシュメモリ102 と主記憶103 と
を接続するデータバスを、61は1次キャッシュメモリ10
1 と2次キャッシュメモリ102 とを接続するアドレスバ
ス(2次キャッシュメモリ102 の出力アドレスバスABOU
T であり且つ2次キャッシュメモリ102の入力アドレス
バスABIN) を、65は1次キャッシュメモリ101 と2次キ
ャッシュメモリ102 とを接続するデータバスをそれぞれ
示している。
【0031】なお、データバス67とデータ65とは1次キ
ャッシュメモリ101 内でバイパス経路66にて、データバ
ス63とデータ65とは2次キャッシュメモリ102 内でバイ
パス経路64にてそれぞれ接続されている。
【0032】次に、図32, 図33に示されている1次,2
次キャッシュメモリ101, 102を接続した場合の構成の動
作について説明する。まずデータ処理装置100 において
データリードアクセス要求が発生すると、アクセス対象
データに対するアドレスが入力アドレスバス60から1次
キャッシュメモリ101 に入力される。
【0033】1次キャッシュメモリ101 でキャッシュリ
ードミスした場合には、1次キャッシュメモリ101 のキ
ャッシュヒット/ミス信号生成部36からキャッシュリー
ドミス信号38が出力されることにより、出力アドレスバ
ス61からアドレスが出力されて2次キャッシュメモリ10
2 に対してデータリードアクセスが行われる。2次キャ
ッシュメモリ102 でも同様にキャッシュリードミスした
場合には、2次キャッシュメモリ102 のキャッシュヒッ
ト/ミス信号生成部36からキャッシュリードミス信号38
が出力されることにより、出力アドレスバス62からアド
レスが出力されて主記憶103 に対してデータリードアク
セスが行われる。
【0034】そして、このデータリードアクセスに応じ
て主記憶103 から読み出されたデータはデータバス63か
ら2次キャッシュメモリ102 へ転送されてそのラインバ
ッファ35に取り込まれ、2次キャッシュメモリ102 の選
択されたエントリに登録されると同時に、バイパス経路
64からデータバス65へ出力されて1次キャッシュメモリ
101 へ転送される。
【0035】1次キャッシュメモリ101 では、データバ
ス65から転送されてきたデータを選択されたエントリに
そのラインバッファ35経由で登録すると同時に、バイパ
ス経路66からデータバス67へ出力してデータ処理装置10
0 へ転送する。このように1次キャッシュメモリ101 及
び2次キャッシュメモリ102 のいずれにおいてもキャッ
シュリードミスした場合には、主記憶103 からリードさ
れたデータが1次,2次キャッシュメモリ101, 102の双
方に登録された上でデータ処理装置100 へ転送される。
【0036】次に、1次キャッシュメモリ101 に対する
アクセスでキャッシュリードミスしたが、2次キャッシ
ュメモリ102 に対するアクセスでキャッシュリードヒッ
トした場合の動作について説明する。2次キャッシュメ
モリ102 でキャッシュリードヒットした場合には、選択
されたエントリのデータがキャッシュリードヒット信号
39によりデータ部33から出力バッファに取り込まれる。
そして、そのデータはデータバス65を通じて1次キャッ
シュメモリ101 へ転送される。
【0037】1次キャッシュメモリ101 では、データバ
ス65を通じてそのラインバッファ35に取り込まれたデー
タを選択されたエントリに登録すると同時に、バイパス
経路66からデータバス67へ出力し、データ処理装置100
へ転送する。この処理の過程においても、2次キャッシ
ュメモリ102 のデータ部33と1次キャッシュメモリ101
のデータ部33とには同一データが重複して登録される。
【0038】次に1次キャッシュメモリ101 に対するア
クセスでキャッシュリードヒットした場合について説明
する。1次キャッシュメモリ101 でキャッシュリードヒ
ットした場合には、選択されたエントリのデータがキャ
ッシュリードヒット信号39によりデータ部33から出力バ
ッファ37に取り込まれてデータバス67へ出力され、デー
タ処理装置100 へ転送される。この場合、1次キャッシ
ュメモリ101 から2次キャッシュメモリ102 に対するデ
ータリードアクセスは行われない。
【0039】次に、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合について説明する。
【0040】1次,2次キャッシュメモリ101, 102共に
ライトスルー方式である場合は、データライトアクセス
はキャッシュライトヒット/ミスに拘わらず1次,2次
キャッシュメモリ101, 102の双方に対して実行される。
このため、データライトのためのアドレスは、アドレス
バス60→61→62の経路で1次,2次キャッシュメモリ10
1, 102の双方に入力される。また、両キャッシュメモリ
10, 11を更新するためのデータは、データバスとバイパ
ス経路とを通じて転送される。即ち、参照符号67→66→
65→64→63の経路で入力され、1次,2次キャッシュメ
モリ101, 102双方のラインバッファ35にそれぞれ一旦保
持される。
【0041】そして1次,2次キャッシュメモリ101, 1
02でキャッシュライトヒットすれば、それぞれのライン
バッファ35に保持されているデータがキャッシュライト
ヒット信号40によりタグと共に両キャッシュメモリ10,
11に登録される。更に、データライトアクセスは、2次
キャッシュメモリ102 から出力されたアドレスとデータ
とにより主記憶103 に対しても実行される。
【0042】図34に、8Kバイトの1次キャッシュメモ
リ101 と 256Kバイトの2次キャッシュメモリ102 とを
接続した場合のデータアクセス過程の詳細を説明するた
めの模式図を示す。図34では、データアクセスのための
アドレス(32ビット)のいずれのビットを用いて1次,
2次キャッシュメモリ101, 102のアクセスを行っている
かを示してある。
【0043】これらの1次,2次キャッシュメモリ101,
102は、4ウェイセットアソシアティブ方式であり、ラ
インサイズ(それぞれのデータ部33の1エントリの容
量)は32バイトである。また1次,2次キャッシュメモ
リ101, 102の1ウェイのエントリ数は、それぞれ64エン
トリ,2048エントリである。更に、両キャッシュメモリ
101, 102には、アドレスの下位ビットが割り付けられて
いるものとする。
【0044】1次キャッシュメモリ101 では、データ部
33のラインサイズ32バイトにはアドレスの下位5ビット
(27:31)が割り付けられており、エントリ(64エント
リ)にはアドレスの6ビット(21:26)が割り付けられ
ている。従って、1次キャッシュメモリ101 のタグ部31
には各エントリ毎にアドレスの21ビット(0:20)(即
ち、アドレス32ビットからアドレスの11ビット(21:3
1)を除いた残り)がそれぞれ登録される。このように
アドレスを割り付けることにより、1次キャッシュメモ
リ101 には8Kバイト(32バイト×64エントリ×4ウェ
イ)の容量のデータコピーを登録することが可能であ
る。
【0045】また2次キャッシュメモリ102 では、デー
タ部33のラインサイズ32バイトには同様にアドレスの下
位5ビット(27:31)が割り付けられており、エントリ
(2048エントリ)にはアドレスの11ビット(16:26)が
割り付けられている。即ち、この構成の2次キャッシュ
メモリ102 の1ウェイには、アドレスの6ビット(21:
26)をデコードした64エントリの1次キャッシュメモリ
101 が32個分並んだ構成となっている。そして、32個の
1次キャッシュメモリ101 に等しい容量のメモリはアド
レスの5ビット(16:20)をデコードすることにより選
択される。
【0046】2次キャッシュメモリ102 のタグ部31に
は、各エントリ毎にアドレスの15ビット(0:15)が登
録される。このようにアドレスを割り付けることによ
り、2次キャッシュメモリ102 には256Kバイト(32バ
イト×2048エントリ×4ウェイ)の容量のデータコピー
を登録することが可能である。
【0047】また下位11ビットは等しいが上位21ビット
は異なるアドレスに対するデータは1次キャッシュメモ
リ101 には4ウェイ分の4セットしか登録できないが、
2次キャッシュメモリ102 には 128セット(32個×4ウ
ェイ)を登録することが可能である。しかし、2次キャ
ッシュメモリ102 の 128セット内に1次キャッシュメモ
リ101 の4セットが含まれているため、キャッシュメモ
リ全体としては 128セットしか登録することができな
い。
【0048】従って、図34に示されているような構成の
2階層のキャッシュメモリにおいてたとえば、1次キャ
ッシュメモリ101 と2次キャッシュメモリ102 とで同一
データを持たないような構成にすれば 132セット分のデ
ータを登録することが可能となる。即ち、より多くのデ
ータをキャッシュメモリ全体の中に登録することが可能
となり、キャッシュヒット率の向上につながることはい
うまでもない。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の複数
階層のキャッシュメモリを有するデータ処理システムで
は、下位階層のキャッシュメモリは上位階層のキャッシ
ュメモリに保持されているデータを全て保持しており、
キャッシュメモリ全体として考えた場合に主記憶に最も
近いキャッシュメモリ(一般に最も容量の大きいキャッ
シュメモリ)の容量以上のデータをキャッシュメモリ全
体として登録することは不可能である。
【0050】本発明は上述のような問題点を解決するた
めになされたものであり、キャッシュメモリ全体として
データを重複して保持することを極力避け、あるいは全
く無くすことにより、より多くのデータをキャッシュメ
モリ全体として登録可能にしてメモリの利用効率を向上
させたデータ処理システムの提供を目的とする。
【0051】
【課題を解決するための手段】本発明に係る複数階層の
キャッシュメモリを有するデータ処理システムでは、各
キャッシュメモリにおけるデータリード,データライト
の際にそれぞれのキャッシュメモリにおいて、主記憶に
格納されているデータの内の同一データのコピーを、極
力重複して保持することを避け、あるいは全く重複して
保持しないようにしている。
【0052】第1の発明は、データ処理装置と主記憶と
の間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリ
が配列されており、データ処理装置に最も近い第1階層
のキャッシュメモリは、データ処理装置と第2階層のキ
ャッシュメモリとにデータアクセスのためのアドレスバ
スとデータ転送のためのデータバスとでそれぞれ接続さ
れており、主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモ
リは、第(n−1)階層のキャッシュメモリと主記憶と
に他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続され
ており、第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメ
モリは、第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m
+1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスと
データバスとでそれぞれ接続されたデータ処理システム
において、第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦
n)のキャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッ
シュメモリからのデータリードアクセス要求に際して、
アクセス対象データが自身に存在している場合はアクセ
ス対象データを第(m−1)階層のキャッシュメモリへ
転送し、その後、自身に存在するアクセス対象データを
無効化すべくなしてあることを特徴とする。
【0053】第2の発明は、データ処理装置と主記憶と
の間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリ
が配列されており、データ処理装置に最も近い第1階層
のキャッシュメモリは、データ処理装置と第2階層のキ
ャッシュメモリとにデータアクセスのためのアドレスバ
スとデータ転送のためのデータバスとでそれぞれ接続さ
れており、主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモ
リは、第(n−1)階層のキャッシュメモリと主記憶と
に他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続され
ており、第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメ
モリは、第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m
+1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスと
データバスとでそれぞれ接続されたデータ処理システム
において、第k階層(但し、1≦k≦n)のキャッシュ
メモリは、第(k−1)階層のキャッシュメモリからの
データリードアクセス要求に際して、アクセス対象デー
タが自身以降の階層の全てのキャッシュメモリ内に存在
しない場合にデータ登録が可能なメモリ空間の存否を検
出し、データ登録が可能なメモリ空間が存在する場合は
主記憶から転送されるアクセス対象データを登録し、デ
ータ登録が可能なメモリ空間が存在しない場合は登録を
禁じるべくなしてあることを特徴とする。
【0054】第3の発明は、データ処理装置と主記憶と
の間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリ
が配列されており、データ処理装置に最も近い第1階層
のキャッシュメモリは、データ処理装置と第2階層のキ
ャッシュメモリとにデータアクセスのためのアドレスバ
スとデータ転送のためのデータバスとでそれぞれ接続さ
れており、主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモ
リは、第(n−1)階層のキャッシュメモリと主記憶と
に他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続され
ており、第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメ
モリは、第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m
+1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスと
データバスとでそれぞれ接続されたデータ処理システム
において、第m階層のキャッシュメモリは、第(m−
1)階層のキャッシュメモリからのデータリードアクセ
ス要求に際して、アクセス対象データが自身以降の階層
の全てのキャッシュメモリ内に存在しない場合にデータ
登録が可能なメモリ空間の存否を第(m−1)階層以上
のキャッシュメモリで検出し、データ登録が可能なメモ
リ空間が第(m−1)階層以上のキャッシュメモリに存
在しない場合は自身にアクセス対象データを登録すべく
なしてあることを特徴とする。
【0055】第4の発明は、データ処理装置と主記憶と
の間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリ
が配列されており、データ処理装置に最も近い第1階層
のキャッシュメモリは、データ処理装置と第2階層のキ
ャッシュメモリとにデータアクセスのためのアドレスバ
スとデータ転送のためのデータバスとでそれぞれ接続さ
れており、主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモ
リは、第(n−1)階層のキャッシュメモリと主記憶と
に他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続され
ており、第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメ
モリは、第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m
+1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスと
データバスとでそれぞれ接続されたデータ処理システム
において、第1階層のキャッシュメモリは、データ処理
装置からのデータリードアクセス要求に際して、アクセ
ス対象データが自身に存在しない場合は第2階層のキャ
ッシュメモリにデータリードアクセス要求を出力し、第
2階層以降のキャッシュメモリ全てにおいてもアクセス
対象データが存在しない場合は主記憶から転送されるア
クセス対象データを登録し、第2階層以降の第m階層
(但し、2≦m≦n)のキャッシュメモリは、第(m−
1)階層のキャッシュメモリからのデータリードアクセ
ス要求に際して、アクセス対象データが自身に存在しな
い場合は第(m+1)階層のキャッシュメモリから転送
されるアクセス対象データの登録を禁じ、第k階層(但
し、1≦k<n)のキャッシュメモリは、主記憶からア
クセス対象データを第1階層のキャッシュメモリに登録
する一連の処理に際して、第(k−1)階層のキャッシ
ュメモリで登録不可能なデータが発生した場合は登録不
可能なデータを自身に登録すべくなしてあることを特徴
とする。
【0056】第5の発明は、データ処理装置と主記憶と
の間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリ
が配列されており、データ処理装置に最も近い第1階層
のキャッシュメモリは、データ処理装置と第2階層のキ
ャッシュメモリとにデータアクセスのためのアドレスバ
スとデータ転送のためのデータバスとでそれぞれ接続さ
れており、主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモ
リは、第(n−1)階層のキャッシュメモリと主記憶と
に他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続され
ており、第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメ
モリは、第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m
+1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスと
データバスとでそれぞれ接続されたデータ処理システム
において、第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦
n)のキャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッ
シュメモリからのデータリードアクセス要求に際して、
アクセス対象データが自身に存在する場合はアクセス対
象データを第1階層のキャッシュメモリへ転送し、第
(k−1)階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモ
リは、主記憶からアクセス対象データを第1階層のキャ
ッシュメモリに登録する一連の処理に際して自身に登録
不可能なデータが発生した場合は登録不可能なデータを
第k階層のキャッシュメモリへ転送し、第k階層のキャ
ッシュメモリは、登録不可能なデータが自身に存在しな
い場合にのみ登録すべくなしてあることを特徴とする。
【0057】第6の発明は、データ処理装置と主記憶と
の間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリ
が配列されており、データ処理装置に最も近い第1階層
のキャッシュメモリは、データ処理装置と第2階層のキ
ャッシュメモリとにデータアクセスのためのアドレスバ
スとデータ転送のためのデータバスとでそれぞれ接続さ
れており、主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモ
リは、第(n−1)階層のキャッシュメモリと主記憶と
に他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続され
ており、第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメ
モリは、第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m
+1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスと
データバスとでそれぞれ接続されたデータ処理システム
において、第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦
n)のキャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッ
シュメモリからのデータリードアクセス要求に際して、
自身にアクセス対象データが存在する場合にアクセス対
象データを第1階層のキャッシュメモリへ転送し、第
(k−1)階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモ
リは、アクセス対象データを第1階層のキャッシュメモ
リに登録する一連の処理に際して、登録不可能なデータ
が自身に発生した場合は登録不可能なデータを第k階層
のキャッシュメモリへ転送し、第k階層のキャッシュメ
モリは、登録不可能なデータが自身に存在しない場合に
のみアクセス対象データが存在していた部分に登録すべ
くなしてあることを特徴とする。
【0058】第7の発明の複数階層のキャッシュメモリ
を備えたデータ処理システムは、第1の発明と第4の発
明との機能を併せて有する。
【0059】第8の発明の複数階層のキャッシュメモリ
を備えたデータ処理システムは、第4の発明と第5の発
明との機能を併せて有する。
【0060】第9の発明の複数階層のキャッシュメモリ
を備えたデータ処理システムは、第4の発明と第6の発
明との機能を併せて有する。
【0061】第10の発明は、データ処理装置と主記憶
との間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモ
リが配列されており、キャッシュメモリは全て、データ
処理装置にデータアクセスのためのアドレスバスとデー
タ転送のためのデータバスとで接続されており、主記憶
に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、主記憶に他
のアドレスバスとデータバスとで接続されたデータ処理
システムにおいて、第1階層のキャッシュメモリは、デ
ータ処理装置からのデータリードアクセス要求に際し
て、アクセス対象データが自身に存在しない場合は第2
階層のキャッシュメモリにデータリードアクセス要求を
出力し、第2階層以降のキャッシュメモリ全てにおいて
もアクセス対象データが存在しない場合は主記憶から直
接転送されるアクセス対象データを登録し、第2階層以
降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキャッシュメモリ
は、第(m−1)階層のキャッシュメモリからのデータ
リードアクセス要求に際して、アクセス対象データが自
身に存在しない場合には要求に対するデータを取り込ま
ず、第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモリ
は、主記憶からアクセス対象データを第1階層のキャッ
シュメモリに登録する一連の処理に際して、第(k−
1)階層のキャッシュメモリで登録不可能なデータが発
生した場合は登録不可能なデータを自身に登録すべくな
してあることを特徴とする。
【0062】第11の発明は、データ処理装置と主記憶
との間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモ
リが配列されており、データ処理装置に最も近い第1階
層のキャッシュメモリは、データ処理装置と主記憶とに
データアクセスのためのアドレスバスとデータ転送のた
めのデータバスとでそれぞれ接続されており、主記憶に
最も近い第n階層のキャッシュメモリは、第(n−1)
階層のキャッシュメモリに他のアドレスバスとデータバ
スとで接続されており、第m階層(但し、2≦m<n)
のキャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュ
メモリと第(m+1)階層のキャッシュメモリとに他の
アドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されたデー
タ処理システムであって、第1階層のキャッシュメモリ
は、データ処理装置からのデータリードアクセス要求に
際して、アクセス対象データが自身に存在しない場合は
第2階層のキャッシュメモリにデータリードアクセス要
求を出力し、第2階層以降のキャッシュメモリ全てにお
いてもアクセス対象データが存在しない場合は主記憶か
ら直接転送されるアクセス対象データを登録し、第2階
層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキャッシュメ
モリは、第(m−1)階層のキャッシュメモリからのデ
ータリードアクセス要求に際して、アクセス対象データ
が自身に存在しない場合には要求に対するデータを取り
込まず、第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメ
モリは、主記憶からアクセス対象データを第1階層のキ
ャッシュメモリに登録する一連の処理に際して、第(k
−1)階層のキャッシュメモリで登録不可能なデータが
発生した場合は登録不可能なデータを自身に登録すべく
なしてあることを特徴とする。
【0063】第12の発明は、データ処理装置と主記憶
との間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモ
リが配列されており、キャッシュメモリは全て、データ
処理装置にデータアクセスのためのアドレスバスとデー
タ転送のためのデータバスとで接続されており、データ
処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメモリは、主
記憶に他のアドレスバスとデータバスとで接続されたデ
ータ処理システムにおいて、第1階層のキャッシュメモ
リは、データ処理装置からのデータリードアクセス要求
に際して、アクセス対象データが自身に存在しない場合
は第2階層のキャッシュメモリにデータリードアクセス
要求を出力し、第2階層以降のキャッシュメモリ全てに
おいてもアクセス対象データが存在しない場合は主記憶
から直接転送されるアクセス対象データを登録し、第2
階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキャッシュ
メモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモリからの
データリードアクセス要求に際して、アクセス対象デー
タが自身に存在しない場合には要求に対するデータを取
り込まず、第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュ
メモリは、主記憶からアクセス対象データを第1階層の
キャッシュメモリに登録する一連の処理に際して、第
(k−1)階層のキャッシュメモリで登録不可能なデー
タが発生した場合は登録不可能なデータを自身に登録す
べくなしてあることを特徴とする。
【0064】第13の発明は、データ処理装置と主記憶
との間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモ
リが配列されており、データ処理装置に最も近い第1階
層のキャッシュメモリは、データ処理装置と第2階層の
キャッシュメモリとにデータアクセスのためのアドレス
バスとデータ転送のためのデータバスとでそれぞれ接続
されており、主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメ
モリは、第(n−1)階層のキャッシュメモリと主記憶
とに他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続さ
れており、第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュ
メモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモリと第
(m+1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバ
スとデータバスとでそれぞれ接続されたデータ処理シス
テムにおいて、第1階層のキャッシュメモリは、データ
処理装置からのデータリードアクセス要求に際して、ア
クセス対象の第1のデータが自身に存在しない場合は主
記憶から転送される第1のデータを登録し、第2階層以
降の第2のキャッシュメモリは、上位階層の第1キャッ
シュメモリからのデータリードアクセスに際して、アク
セス対象の第2のデータが自身に存在しない場合は下位
階層の第3のキャッシュメモリに第2のデータに対する
データリードアクセス要求と第2のデータに連続する第
3のデータに対するデータリードアクセス要求とを出力
し、主記憶から転送される第2のデータは書き込まず
に、主記憶から転送される第3のデータを登録すべくな
してあることを特徴とする。
【0065】第14の発明は、データ処理装置と主記憶
との間にn階層以上(但し、n≧1)のキャッシュメモ
リを備え、キャッシュメモリの内少なくとも1つが、デ
ータリードアクセス要求に際して、アクセス対象の第1
のデータが自身に存在しない場合はより下位階層のキャ
ッシュメモリまたは主記憶に第1のデータのリードアク
セス要求を行い、上位階層のキャッシュメモリまたはデ
ータ処理装置からのデータリードアクセス要求が存在し
なくとも、第1のデータの近傍に存在する第2のデータ
をより下位階層のキャッシュメモリまたは主記憶にリー
ドアクセスすべくなしてあるデータ処理システムにおい
て、キャッシュメモリは、第2のデータのリードアクセ
スを行うか否かを判断するためのプリフェッチ抑制回路
を備えたことを特徴とする。
【0066】第15の発明は、n個(但し、n≧2)の
データ処理装置と主記憶との間にm階層以上(但し、m
≧2)のキャッシュメモリを備えたデータ処理システム
において、第i番(但し、1≦i≦n)のデータ処理装
置に最も近い第i系列の第1階層のキャッシュメモリ
は、第i番のデータ処理装置と第i系列の第2階層のキ
ャッシュメモリとにデータアクセスのためのアドレスバ
スとデータ転送のためのデータバスとで接続されてお
り、主記憶に最も近い第m階層のキャッシュメモリは、
第(m−1)階層のキャッシュメモリと主記憶とに他の
アドレスバスとデータバスとで接続されており、第i系
列の第k階層(但し、2≦k<m)のキャッシュメモリ
は、第i系列の第(k−1)階層のキャッシュメモリと
第j系列(但し、1≦j≦n)の第l階層(但し、2≦
l<m−1)のキャッシュメモリと第(k+1)階層の
キャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバスと
で接続されており、第p階層(但し、2≦p<m、p≠
k)のキャッシュメモリは、第(p−1)階層のキャッ
シュメモリと第(p+1)階層のキャッシュメモリとに
他のアドレスバスとデータバスとで接続されたデータ処
理システムにおいて、第1階層のキャッシュメモリはデ
ータ処理装置からのデータリードアクセス要求に際し
て、アクセス対象データが自身に存在しない場合は下位
階層のキャッシュメモリまたは主記憶から転送されるア
クセス対象データを登録し、第k階層のキャッシュメモ
リは、上位階層のキャッシュメモリからのデータリード
アクセス要求に際して、アクセス対象データが自身に存
在しない場合は下位階層のキャッシュメモリまたは主記
憶から転送されるアクセス対象データを登録し、第p階
層のキャッシュメモリは、上位階層のキャッシュメモリ
からのデータリードアクセスに際して、アクセス対象デ
ータが自身に存在しない場合は下位階層のキャッシュメ
モリまたは主記憶から転送されるアクセス対象データを
登録しないようになしてあることを特徴とする。
【0067】第16の発明は、n個(但し、n≧2)の
データ処理装置と主記憶との間にm階層以上(但し、m
≧2)のキャッシュメモリを備えたデータ処理システム
において、第i番(但し、1≦i≦n)のデータ処理装
置に最も近い第i系列の第1階層のキャッシュメモリ
は、第i番のデータ処理装置と第i系列の第2階層のキ
ャッシュメモリとにデータアクセスのためのアドレスバ
スとデータ転送のためのデータバスとで接続されてお
り、主記憶に最も近い第m階層のキャッシュメモリは、
第(m−1)階層のキャッシュメモリと主記憶とに他の
アドレスバスとデータバスとで接続されており、第i系
列の第k階層(但し、2≦k<m)のキャッシュメモリ
は、第i系列の第(k−1)階層のキャッシュメモリと
第j系列(但し、1≦j≦n)の第l階層(但し、2≦
l<m−1)のキャッシュメモリと第(k+1)階層の
キャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバスと
で接続されており、第p階層(但し、2≦p<m、p≠
k)のキャッシュメモリは、第(p−1)階層のキャッ
シュメモリと第(p+1)階層のキャッシュメモリとに
他のアドレスバスとデータバスとで接続されたデータ処
理システムにおいて、第1階層のキャッシュメモリは、
データ処理装置からのデータリードアクセス要求に際し
て、アクセス対象データが自身に存在する場合はデータ
処理装置へアクセス対象データを出力し、第k階層のキ
ャッシュメモリは、上位階層のキャッシュメモリからの
データリードアクセス要求に際して、アクセス対象デー
タが自身に存在する場合はデータ処理装置または上位階
層のキャッシュメモリへアクセス対象データを出力し、
第p階層のキャッシュメモリは、上位階層のキャッシュ
メモリからのデータリードアクセスに際して、アクセス
対象データが自身に存在する場合はデータ処理装置また
は上位階層のキャッシュメモリへアクセス対象データを
出力し、その後、自身に存在しているアクセス対象デー
タを無効化すべくなしてあることを特徴とする。
【0068】第17の発明は、データ処理装置と主記憶
との間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモ
リを備え、データ処理装置に最も近い第1階層のキャッ
シュメモリは、データ処理装置と第2階層のキャッシュ
メモリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデー
タ転送のためのデータバスとで接続されており、主記憶
に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、第(n−
1)階層のキャッシュメモリと主記憶とに他のアドレス
バスとデータバスとで接続されており、第m階層(但
し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、第(m−1)
階層のキャッシュメモリと第(m+1)階層のキャッシ
ュメモリとに他のアドレスバスとデータバスとで接続さ
れたデータ処理システムにおいて、第1階層のキャッシ
ュメモリは、データ処理装置からのデータリードアクセ
ス要求に際して、アクセス対象データが自身に存在しな
い場合は下位階層のキャッシュメモリまたは主記憶から
転送されるアクセス対象データを登録し、第m階層のキ
ャッシュメモリは、上位階層のキャッシュメモリからの
データリードアクセスに際して、アクセス対象データが
自身に存在しない場合は下位階層のキャッシュメモリま
たは主記憶から転送されるアクセス対象データを登録せ
ず、上位階層のキャッシュメモリからのライトデータを
登録するべくなしてあるデータ処理システムにおいて、
データ処理装置またはキャッシュメモリ以外の装置が主
記憶装置のデータを書き換えた場合に、第n階層(但
し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、第(m−1)
階層のキャッシュメモリにデータが登録されていない場
合は第n階層のキャッシュメモリに第1のデータが登録
されているかを検索し、登録されていない場合は次段の
第(m+1)階層のキャッシュメモリに第1のデータを
検索させ、第m階層のキャッシュメモリに第1のデータ
が登録されている場合は次段の第(m+1)階層のキャ
ッシュメモリに第1のデータを検索させないようになし
てあることを特徴とする。
【0069】第18の発明は、データ処理装置と主記憶
との間にn階層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモ
リを備え、データ処理装置に最も近い第1階層のキャッ
シュメモリは、データ処理装置と第2階層のキャッシュ
メモリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデー
タ転送のためのデータバスとで接続されており、主記憶
に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、第(n−
1)階層のキャッシュメモリと主記憶とに他のアドレス
バスとデータバスとで接続されており、第m階層(但
し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、第(m−1)
階層のキャッシュメモリと第(m+1)階層のキャッシ
ュメモリとに他のアドレスバスとデータバスとで接続さ
れており、第1階層のキャッシュメモリはデータ処理装
置からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
対象データが自身に存在しない場合は下位階層のキャッ
シュメモリまたは主記憶から転送されるデータを登録
し、第m階層のキャッシュメモリは、上位階層のキャッ
シュメモリからのデータリードアクセスに際して、アク
セス対象データが自身に存在しない場合は下位階層のキ
ャッシュメモリまたは主記憶から転送されるデータを登
録せず、上位階層のキャッシュメモリからのライトデー
タを登録すべくなしてあるデータ処理システムにおい
て、データ処理装置またはキャッシュメモリ以外の装置
が主記憶装置のデータを書き換えた場合に、第n階層
(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、第(m−
1)階層のキャッシュメモリにデータが登録されていな
い場合は第n階層のキャッシュメモリにデータが登録さ
れているか検索させ、登録されていない場合は次段の第
(m+1)階層のキャッシュメモリにデータを検索さ
せ、第m階層のキャッシュメモリにデータが登録されて
いる場合は次段の第(m+1)階層のキャッシュメモリ
にデータの検索をさせないようになしてあることを特徴
とする。
【0070】
【作用】本発明の複数階層のキャッシュメモリを備えた
データ処理システムでは、データ処理装置からのデータ
リードアクセス要求に対応する主記憶上のデータが全て
のキャッシュメモリに登録されるのではなく、極力ある
いは完全に一つのキャッシュメモリにのみ登録される。
従って、主記憶上の同一データが異なるキャッシュメモ
リに重複して登録される可能性が低くなり、その分だけ
より多くのデータがキャッシュメモリ全体に登録可能に
なる。
【0071】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて詳述する。図1のブロック図に、本発明のデータ処
理システムの第1の発明の第1の実施例としての2階層
のキャッシュメモリを備えたデータ処理システムの構成
例を示す。
【0072】図1において、参照符号100 はデータ処理
装置を、10はデータ処理装置100 に接続された1次キャ
ッシュメモリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続さ
れた2次キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメ
モリ11に接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0073】なお、本発明のデータ処理システムにおい
ても前述の従来例と同様に、主記憶103 は数メガバイト
乃至数百メガバイトの容量を有する比較的アクセス速度
の低いメモリで構成されているのに対し、2次キャッシ
ュメモリ11は十数キロバイト乃至数百キロバイトのメモ
リで構成されており、1次キャッシュメモリ10は数キロ
バイトのメモリで構成されている。
【0074】データアクセス速度に関しては、主記憶10
3 が一般に百数十nsecでデータアクセス可能であるのに
対して、2次キャッシュメモリ11は十数nsec乃至数十ns
ecでデータアクセス可能であり、1次キャッシュメモリ
10は数nsec乃至十数nsecでデータアクセス可能である。
即ち、主記憶103 ,2次キャッシュメモリ11,1次キャ
ッシュメモリ10の順に、小容量になる反面、高速にデー
タアクセス可能となる。従って、主記憶103 のデータの
一部のコピーをキャッシュメモリ10, 11に予め登録して
おくことにより、主記憶103 をアクセスすることなく高
速にデータアクセス可能となる。更に、データ処理装置
100 が1次キャッシュメモリ10をアクセスする場合は、
データ処理装置100 の処理速度以上に高速でアクセス可
能である。
【0075】また一般に、このようなデータ処理システ
ムにおいては、1次キャッシュメモリ10はデータ処理装
置100 と2次キャッシュメモリ11との間でのみデータの
やり取りが可能であり、また2次キャッシュメモリ11は
1次キャッシュメモリ10と主記憶103 との間でのみデー
タアクセスが可能である。そしてデータ処理装置100と
主記憶103 間との間ではダイレクトなデータアクセスは
出来ない。
【0076】次に、図1に示されている本発明のデータ
処理システムの動作について説明する。
【0077】本発明のデータ処理システムのデータアク
セスの動作において、図24に示す従来のデータ処理シス
テムと異なる動作をするのは、2次キャッシュメモリ11
でキャッシュリードヒットした場合のみである。
【0078】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、データ処理装置100 はま
ず1次キャッシュメモリ10に対してデータリードアクセ
ス(104) を行う。そして、1次キャッシュメモリ10にお
いてキャッシュミス (要求されたデータがキャッシュメ
モリ内に登録されていない状態) が発生した場合、1次
キャッシュメモリ10から2次キャッシュメモリ11に対し
てデータリードアクセス(105) が行われる。更に、2次
キャッシュメモリ11においてもキャッシュミスが発生し
た場合には、2次キャッシュメモリ11から主記憶103 に
対してデータリードアクセス(106) が行われる。
【0079】この2次キャッシュメモリ11から主記憶10
3 に対するデータリードアクセス要求により主記憶103
から読み出されたデータは2次キャッシュメモリ11に転
送・登録(112) され、更に1次キャッシュメモリ10に転
送・登録(111) された上でデータ処理装置100 へ転送(1
10) される。しかし、1次キャッシュメモリ10に対する
データリードアクセス(104) でキャッシュヒットした場
合には、そのデータ(以下、ヒットデータという) はそ
のままデータ処理装置100 へ転送(110) される。この場
合、2次キャッシュメモリ11及び主記憶103 に対するデ
ータリードアクセス(105, 106)は行われない。
【0080】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0081】この際に1次キャッシュメモリ10, 2次キ
ャッシュメモリ11及び主記憶103 にライトされるデータ
は、データ処理装置100 から参照符号107 →108 →109
の経路で転送される。そして、1次,2次キャッシュメ
モリ10, 11、更に主記憶103でキャッシュライトヒット
した場合にはデータの更新が実行される。具体的には、
キャッシュメモリ内のヒットデータがデータ処理装置10
0 から転送されてきたデータにより上書きされる。この
ような処理により、ライトスルー方式のキャッシュメモ
リでは、データの一貫性が維持される。
【0082】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して2次キャッシュメモリ11でキ
ャッシュリードヒットした場合には、2次キャッシュメ
モリ11内のヒットデータ(A) は1次キャッシュメモリ10
へ転送(14)された後に無効化される。つまり、2次キャ
ッシュメモリ11でキャッシュヒットが生じる都度、その
ヒットデータは1次キャッシュメモリ10へ転送されて登
録されると共に、2次キャッシュメモリ11内では無効化
される。このため、本発明のデータ処理システムでは、
キャッシュメモリ全体としては2次キャッシュメモリ11
の容量以上のデータを登録することが可能となる。この
ことはキャッシュメモリ全体としてのヒット率を向上さ
せることになり、ヒット率の向上はデータアクセスの高
速化につながる。即ち、従来のシステムに比して、デー
タ処理装置100 はより多くのデータを高速にアクセスす
ることが可能になる。
【0083】図2, 図3に、図1に示されている本発明
のデータ処理システムの1次キャッシュメモリ10と2次
キャッシュメモリ11とを接続した場合の回路構成例のブ
ロック図を示す。なお、図2においてはデータ処理装置
100 と2次キャッシュメモリ11との間に接続されている
1次キャッシュメモリ10が、図3においては主記憶103
と1次キャッシュメモリ10との間に接続されている2次
キャッシュメモリ11がそれぞれ示されている。
【0084】本発明のデータ処理システムの1次キャッ
シュメモリ10及び2次キャッシュメモリ11はいずれも基
本的には前述の図25に示されている従来の一般的なキャ
ッシュメモリと同様の構成であるが、2次キャッシュメ
モリ11のキャッシュヒット/ミス信号生成部36からバリ
ッドビットのインバリデート信号41を出力する点が異な
る。
【0085】なお、図2, 図3に示されている両キャッ
シュメモリ10, 11はいずれも4ウェイセットアソシアテ
ィブ方式である。但し、2次キャッシュメモリ11の容量
の方が1次キャッシュメモリ10の容量より大きい。
【0086】図2, 図3において、1次キャッシュメモ
リ10と2次キャッシュメモリ11とはキャッシュヒット/
ミス信号生成部36の構成のみが異なる。参照符号33は主
記憶103 のデータの一部 (1次キャッシュメモリ10では
それに加えて2次キャッシュメモリ11のデータの一部)
をコピーして記憶するデータ部を、31はデータ部33に記
憶されているデータに対するアドレスの一部を記憶する
タグ部を、32はエントリ毎にデータ部33のデータが有効
であるか無効であるかを示すバリッドビットを、30はエ
ントリの一つを選択するデコーダをそれぞれ示してい
る。なお、データ部33へのデータの入出力はエントリ単
位で行われる。
【0087】また、参照符号36はキャッシュアクセス時
に入力アドレスとタグ情報とを比較した後にキャッシュ
ヒット/ミス信号を生成するキャッシュヒット/ミス信
号生成部を、37はキャッシュヒット時にデータ部33から
データを読み出す出力バッファを、35はキャッシュミス
時にデータバス63または65からデータを取り込むライン
バッファをそれぞれ示している。但し、2次キャッシュ
メモリ11のキャッシュヒット/ミス信号生成部36は、リ
ードヒットした場合にはインバリデート信号41を出力す
る。
【0088】更にこの図2, 図3に示されている1次キ
ャッシュメモリ10及び2次キャッシュメモリ11はいずれ
もは4ウェイセットアソシアティブ方式であるので、タ
グ部31,データ部33,バリッドビット部32,デコーダ3
0,キャッシュヒット/ミス信号生成部36がそれぞれウ
ェイ0〜3用に4セット備えられている。一般にキャッ
シュミス時に、ラインバッファ35に取り込まれたデータ
を、ウェイ0 〜3 のいずれのウェイに登録するかの選択
はLRU(Least Recently Used)アルゴリズム制御回路等で
行われるが、この LRU制御のための回路は図2, 図3に
は示されていない。
【0089】また、参照符号60は1次キャッシュメモリ
10とデータ処理装置100 とを接続するアドレスバス(1
次キャッシュメモリ10の入力アドレスバス)を、67は1
次キャッシュメモリ10の出力バッファ37とデータ処理装
置100 とを接続するデータバスを、62は2次キャッシュ
メモリ11と主記憶103 とを接続するアドレスバス(2次
キャッシュメモリ11の出力アドレスバス)を、63は2次
キャッシュメモリ11のラインバッファ35と主記憶103 と
を接続するデータバスを、61は1次キャッシュメモリ10
と2次キャッシュメモリ11とを接続するアドレスバス
(1次キャッシュメモリ10の出力アドレスバスであり且
つ2次キャッシュメモリ11の入力アドレスバス)を、65
は1次キャッシュメモリ10のラインバッファ35と2次キ
ャッシュメモリ11の出力バッファ37とを接続するデータ
バスをそれぞれ示している。
【0090】なお、データバス67とデータバス65とは1
次キャッシュメモリ10内でバイパス経路66にて、データ
バス63とデータバス65とは2次キャッシュメモリ11内で
バイパス経路64にてそれぞれ接続されている。
【0091】次に、図2, 図3に示されている両キャッ
シュメモリ10, 11の基本的な動作について説明する。ま
ず、データ処理装置100 または1次キャッシュメモリ10
でデータリードアクセス要求が発生した場合、データを
リードするためのアドレスが入力アドレスバス60または
61から入力される。このアドレスは、キャッシュヒット
/ミス信号生成部36とデコーダ30とキャッシュミス時の
タグ登録用のラッチ34とに入力される。
【0092】デコーダ30では、アドレスの内の数ビット
をデコードしてエントリ選択信号を出力し、タグ部31,
バリッドビット部32,データ部33それぞれのエントリの
一つを選択する。そしてキャッシュヒット/ミス信号生
成部36では、その選択されたエントリのタグ90a とバリ
ッドビット90b とをタグ部31, バリッドビット部32から
読み込む。
【0093】タグ90a とアドレスとを比較し、その結果
が一致し且つバリッドビット90b が有効であれば、1次
キャッシュメモリ10のキャッシュヒット/ミス信号生成
部36はキャッシュリードヒット信号39を、2次キャッシ
ュメモリ11のキャッシュヒット/ミス信号生成部36はキ
ャッシュリードヒット信号39及びインバリデート信号41
を出力する。逆に、タグ90a とアドレスとの比較結果が
不一致であるかまたはバリッドビット90b が無効であれ
ば、キャッシュヒット/ミス信号生成部36はキャッシュ
リードミス信号38を出力する。
【0094】キャッシュヒット/ミス信号生成部36から
キャッシュリードヒット信号39が出力された場合は、デ
コーダ30により選択されたエントリ90c のデータがデー
タ部33から出力されて出力バッファ37に取り込まれる。
この出力バッファ37に取り込まれたデータは、アクセス
要求に対するデータ(ヒットデータ)としてそれぞれの
キャッシュメモリ10または11外部へ出力される。
【0095】また、キャッシュヒット/ミス信号生成部
36からキャッシュリードミス信号38が出力された場合
は、出力アドレスバス61または62から2次キャッシュメ
モリ11または主記憶103 へアドレスを出力することによ
りそれらに対してりリードアクセスを行う。このデータ
リードアクセス要求に対して転送されてきたデータは、
データバス63から2次キャッシュメモリ11のラインバッ
ファ35またはデータバス65から1次キャッシュメモリ10
のラインバッファ35に取り込まれる。そして、ラインバ
ッファ35へのデータ転送が終了すれば直ちにそのデータ
は選択されたウェイの選択されたエントリ90a, 90cにタ
グと共に登録される。この際、同一のエントリに対応す
るバリッドビット90b もセットされる。
【0096】このデータの登録の際にいずれのウェイに
データを登録するかの決定は前述したように LRUアルゴ
リズム等で制御される。また、データバス63または65か
ら入力されてきたデータは、2次キャッシュメモリ11の
ラインバッファ35または1次キャッシュメモリ10のライ
ンバッファ35に取り込まれると同時にバイパス経路64を
通じてデータバス65へ、またはバイパス経路66を通じて
データバス67へも直接出力される。このようなキャッシ
ュメモリにより、本発明のデータ処理システムはキャッ
シュミス時にはより高速に要求元にデータを転送するこ
とができる。
【0097】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合には、データをライ
トするためのアドレスが入力アドレスバス60または61か
ら入力される。そのアドレスは、データリード時と同様
にキャッシュヒット/ミス信号生成部36とデコーダ30と
キャッシュミス時のタグ登録用のラッチ34とに入力され
ると同時に、デコーダ30によりタグ部31,バリッドビッ
ト部32,データ部33のエントリの一つが選択される。そ
して、選択されたタグ部31,バリッドビット部32の値は
キャッシュヒット/ミス信号生成部36に読み込まれてキ
ャッシュヒット/ミスの判定に用いられる。
【0098】キャッシュライトヒットした場合には、キ
ャッシュメモリ内のヒットデータを更新する必要が生じ
る。即ち、データバス67または65から転送されてきたデ
ータがバイパス経路66を通じてデータバス65へ、または
バイパス経路64を通じてデータバス63に出力されてライ
ンバッファ35に取り込まれる。そして、キャッシュライ
トヒット信号40によりそのラインバッファ35内に保持さ
れているデータはタグと共に登録される。キャッシュラ
イトミスした場合には、キャッシュメモリ内のデータを
更新する必要はないのでキャッシュメモリ内では何の処
理も実行されない。
【0099】次に、図2, 図3に示されている1次,2
次キャッシュメモリ10, 11を接続した場合の構成の動作
について説明する。まずデータ処理装置100 においてデ
ータリードアクセス要求が発生すると、そのデータに対
するアドレスが入力アドレスバス60から1次キャッシュ
メモリ10に入力される。
【0100】1次キャッシュメモリ10でキャッシュリー
ドミスした場合には、1次キャッシュメモリ10のキャッ
シュヒット/ミス信号生成部36からキャッシュリードミ
ス信号38が出力されることにより、出力アドレスバス61
からアドレスが出力されて2次キャッシュメモリ11に対
してデータリードアクセスが行われる。2次キャッシュ
メモリ11でも同様にキャッシュリードミスした場合に
は、2次キャッシュメモリ11のキャッシュヒット/ミス
信号生成部36からキャッシュリードミス信号38が出力さ
れることにより、出力アドレスバス62からアドレスが出
力されて主記憶103 に対してデータリードアクセス(10
6) が行われる。
【0101】そして、このデータリードアクセスに応じ
て主記憶103 から読み出されたデータは、データバス63
から2次キャッシュメモリ11へ転送されてそのラインバ
ッファ35に取り込まれ、2次キャッシュメモリ11の選択
されたエントリに登録されると同時に、バイパス経路64
からデータバス65へ出力されて1次キャッシュメモリ10
へ転送される。
【0102】1次キャッシュメモリ10では、データバス
65から転送されてきたデータを選択されたエントリにそ
のラインバッファ35経由で登録すると同時に、バイパス
経路66からデータバス67へ出力してデータ処理装置100
へ転送する。このように1次キャッシュメモリ10及び2
次キャッシュメモリ11のいずれにおいてもキャッシュリ
ードミスした場合には、主記憶103 からリードされたデ
ータが1次,2次キャッシュメモリ10, 11の双方に登録
されてた上でデータ処理装置100 へ転送される。
【0103】次に、1次キャッシュメモリ10に対するア
クセスでキャッシュリードミスしたが、2次キャッシュ
メモリ11に対するアクセスではキャッシュリードヒット
した場合について説明する。
【0104】2次キャッシュメモリ11でキャッシュリー
ドヒットした場合、そのヒットデータ(A) 、即ち選択さ
れたエントリ90c のデータがキャッシュリードヒット信
号39により出力バッファ37に取り込まれる。そして、そ
のヒットデータ(A) はデータバス65を通じて1次キャッ
シュメモリ10へ転送される。
【0105】これと同時に、2次キャッシュメモリ11の
キャッシュヒット/ミス信号生成部36からはインバリデ
ート信号41が2次キャッシュメモリ11内のヒットデータ
(A)が登録されていたデータ部33のライン90c を無効化
するために出力され、対応するバリッドビット部32のバ
リッドビット90b がネゲートされる。これにより、ヒッ
トデータ(A) は1次キャッシュメモリ10にのみ存在する
ことになり、2次キャッシュメモリ11のデータ部33のヒ
ットデータ(A) が存在していたデータ部33の部分90c に
は、新たなデータを主記憶103 から登録することが可能
となる。
【0106】即ち、2次キャッシュメモリ11でキャッシ
ュリードヒットした場合は、1次キャッシュメモリ10に
のみそのヒットデータ(A) が登録され、2次キャッシュ
メモリ11には新たなデータを登録することが可能とな
る。従って、本発明のデータ処理システムでは、従来の
データ処理システムに比べてより多くのデータをキャッ
シュメモリ全体に登録することが可能となる。
【0107】なお、上述のようにして2次キャッシュメ
モリ11でキャッシュリードヒットしてヒットデータ(A)
が1次キャッシュメモリ10へ転送されると、1次キャッ
シュメモリ10ではそのラインバッファ35を経由して選択
されたエントリにデータを登録すると同時に、バイパス
経路66からデータバス67へ出力しデータ処理装置100へ
転送する。
【0108】次に1次キャッシュメモリ10に対するアク
セスに際してキャッシュリードヒットした場合について
説明する。1次キャッシュメモリ10でキャッシュリード
ヒットした場合には、選択されたエントリのデータがキ
ャッシュリードヒット信号39により出力バッファ37に取
り込まれてデータ処理装置100 へ転送される。この場合
には、1次キャッシュメモリ10から2次キャッシュメモ
リ11に対するデータリードアクセスは行われない。
【0109】次に、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合について説明する。
1次,2次キャッシュメモリ10, 11共にライトスルー方
式である場合は、データライトアクセスはキャッシュラ
イトヒット/ミスにかかわらず1次,2次キャッシュメ
モリ10, 11の双方に対して実行される。
【0110】このため、データライトのためのアドレス
は、アドレスバス60→61→62の経路で1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11の双方に入力される。また、両キャッ
シュメモリ10, 11を更新するためのデータは、データバ
スとバイパス経路とを通じて転送される。即ち、参照符
号67→66→65→64→63の経路で転送され、1次,2次キ
ャッシュメモリ10, 11のラインバッファ35にそれぞれ一
旦保持される。
【0111】そして1次,2次キャッシュメモリ10, 11
でキャッシュライトヒットすれば、それぞれのラインバ
ッファ35に保持されているデータがキャッシュライトヒ
ット信号40によりタグと共に両キャッシュメモリ10, 11
に登録される。更に、データライトアクセスは、2次キ
ャッシュメモリ11から出力されたアドレスとデータとに
より主記憶103 に対しても実行される。
【0112】図4のブロック図に、図1に示されている
本発明のデータ処理システムの第1の発明を実現するた
めの他の実施例を示す。図1に示されている本発明のデ
ータ処理システムでは、2次キャッシュメモリにおいて
キャッシュリードヒットした際にヒットデータが登録さ
れていたデータ部33のデータラインを無効化するための
手段、即ちインバリデート信号41を発生するキャッシュ
ヒット/ミス信号生成部36を2次キャッシュメモリ自身
に内蔵している。
【0113】それに対して図4のブロック図に示す実施
例では、図1に示されているデータ処理システムと同一
の機能を実現するために、従来と同様の2次キャッシュ
メモリ102 に外部回路を備えている。具体的には、図24
に示されている従来同様のデータ処理システムに加え
て、図4に示されている本発明の第1の発明の第2の実
施例では、2次キャッシュメモリインバリデート回路2
を備えている。他の構成は図24に示されている従来のデ
ータ処理システムと同様である。
【0114】2次キャッシュメモリインバリデート回路
2は1次キャッシュメモリ101 と2次キャッシュメモリ
101 との間を接続するデータバス61にデータバス3で接
続されている。また、2次キャッシュメモリインバリデ
ート回路2は、2次キャッシュメモリ102 からはそのキ
ャッシュヒット/ミス信号生成部36がキャッシュリード
ヒット信号39を出力した場合にそれをヒット信号5とし
て受け取り、インバリデート信号4を2次キャッシュメ
モリ102 へ出力する。
【0115】以下、図4のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第1の発明の第2の実施例
の動作について説明する。
【0116】図4に示されている2次キャッシュメモリ
インバリデート回路2は、2次キャッシュメモリ102 が
ヒットした場合にのみ動作する。それ以外の場合の動作
は従来のデータ処理システムと同様である。データ処理
装置100 においてデータリードアクセス要求が発生した
場合、まず1次キャッシュメモリ101 に対してデータリ
ードアクセス(104) が行われる。そして、1次キャッシ
ュメモリ101 においてキャッシュミスが発生した場合、
2次キャッシュメモリ102 に対してデータリードアクセ
ス(105) が行われる。
【0117】この2次キャッシュメモリ102 に対するデ
ータリードアクセス(105) がキャッシュリードヒットし
た場合に、2次キャッシュメモリインバリデート回路2
はそのキャッシュヒット/ミス信号生成部36から出力さ
れるヒット信号5を受け取ると共に、その時点で1次キ
ャッシュメモリ101 からデータバス61を介して2次キャ
ッシュメモリ102 へ出力されているアドレスをアドレス
バス3を介して取り込む。そして、2次キャッシュメモ
リ102 がヒットデータ(A) を1次キャッシュメモリへ転
送(111) した後に、2次キャッシュメモリインバリデー
ト回路2はインバリデート信号4とアドレス3とを2次
キャッシュメモリ102 へ出力する。
【0118】このインバリデート信号4とアドレス3と
が与えられることにより、2次キャッシュメモリ102
は、自身のデータ部33内のヒットデータの登録されてい
たラインを無効化する。このような動作により、図4の
ブロック図に示されている本発明のデータ処理システム
の第1の発明の第2の実施例では、図1に示されている
実施例と同様の動作を行うことが出来る。
【0119】図1及び図2, 図3に示されている第1の
実施例では、2次キャッシュメモリ11内のキャッシュヒ
ット/ミス信号生成部36を従来とは異なる構成とする必
要があるため、2次キャッシュメモリ11として新たなキ
ャッシュメモリを作成する必要があるが、図4に示され
ている本発明のデータ処理システムの第1の発明の第2
の実施例では、2次キャッシュメモリ自体は従来の2次
キャッシュメモリ102と同一構成のキャッシュメモリを
使用することが出来る。
【0120】図5のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第2の発明の実施例としての2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図5において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続された2次
キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメモリ11に
接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0121】以下、図5のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第2の発明の実施例の動作
について説明する。データ処理装置100 においてデータ
リードアクセス要求が発生した場合、まず1次キャッシ
ュメモリ10に対してデータリードアクセス(104) が行わ
れる。そして、1次キャッシュメモリ10においてキャッ
シュミスが発生した場合、1次キャッシュメモリ10から
2次キャッシュメモリ11に対してデータリードアクセス
(105) が行われる。更に2次キャッシュメモリ11におい
てもキャッシュミスが発生した場合、2次キャッシュメ
モリ11から主記憶103 に対してデータリードアクセス(1
06) が行われる。
【0122】このデータリードアクセス要求により主記
憶103 から読み出されたデータは2次キャッシュメモリ
11に転送・登録(112) され、更に1次キャッシュメモリ
10に転送・登録(111) された上でデータ処理装置100 へ
転送(110) される。ここで、図5に示されている本発明
のデータ処理システムの第2の発明の動作が従来のデー
タ処理システムと異なる点は、1次キャッシュメモリ10
に新たなデータを登録するメモリ空間が既に存在しない
場合、換言すれば1次キャッシュメモリ10内の全てのウ
ェイのアクセスラインが埋まっている場合の動作であ
る。
【0123】即ち、要求されたデータがキャッシュメモ
リ全体、換言すれば1次キャッシュメモリ10及び2次キ
ャッシュメモリ11のいずれにも登録されていなくて主記
憶103 からデータリードが行われる場合に、1次キャッ
シュメモリ10ではデータ登録可能なメモリ空間が存在し
なければそのデータは登録されない。
【0124】また、2次キャッシュメモリ11に対するデ
ータリードアクセス(105) によりキャッシュヒットした
場合には、そのヒットデータは1次キャッシュメモリ10
に転送・登録(111) された上でデータ処理装置100 へ転
送(110) される。この際、主記憶103 へのデータリード
アクセスは行われない。また、1次キャッシュメモリ10
に対するデータリードアクセス(104) によりキャッシュ
ヒットした場合には、そのヒットデータはそのままデー
タ処理装置100へ転送(110) される。この場合、2次キ
ャッシュメモリ11及び主記憶103 に対するデータリード
アクセスは行われない。
【0125】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0126】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108→109 の経路で転送
される。そして、1次,2次キャッシュメモリ10, 11、
更に主記憶103 でキャッシュライトヒットした場合には
データの更新、即ちキャッシュメモリ内のヒットデータ
がデータ処理装置100 から転送されてきたデータによっ
て上書きされる処理が実行される。このような処理によ
り、ライトスルー方式のキャッシュメモリでは、データ
の一貫性が維持される。
【0127】図6, 図7に、図5に示されている本発明
のデータ処理システムの第2の発明の1次キャッシュメ
モリ10と2次キャッシュメモリ11とを接続した場合の回
路構成例のブロック図を示す。なお、図6においてはデ
ータ処理装置100 と2次キャッシュメモリ11との間に接
続されている1次キャッシュメモリ10が、図7において
は主記憶103 と1次キャッシュメモリ10との間に接続さ
れている2次キャッシュメモリ11がそれぞれ示されてい
る。
【0128】図6, 図7に示されている1次キャッシュ
メモリ10及び2次キャッシュメモリ11が従来の構成と異
なる点は、1次キャッシュメモリ10のデータ部33にライ
ンフルビット42が備えられている点である。このライン
フルビット42は、1次キャッシュメモリ10のデータ部33
の各ラインについてそれぞれが全て登録されたデータで
既に埋まっているか否かを示す。そして、ラインフルビ
ット42の全てがイネーブルであれば、換言すればデータ
部33の一つのウェイが登録された有効なデータで全て埋
まっていれば、イネーブルのラインフル信号43がキャッ
シュヒット/ミス信号生成部36へ出力される。
【0129】また図6, 図7においては、2次キャッシ
ュメモリ11がキャッシュミスした場合にそのキャッシュ
ヒット/ミス信号生成部36から出力されるキャッシュミ
ス信号38が1次キャッシュメモリ10のキャッシュヒット
/ミス信号生成部36に入力されている。
【0130】次に、図5及び図6, 図7に示されている
本発明のデータ処理システムの第2の発明の実施例の動
作、特にキャッシュメモリの動作について説明する。
【0131】データ処理装置100 から入力されるデータ
リードアクセス(104) に対して1次キャッシュメモリ10
内にそのデータが登録されていない場合、1次キャッシ
ュメモリ10は2次キャッシュメモリ11に対してデータリ
ードアクセス(105) を出力する。2次キャッシュメモリ
11内にもそのデータが登録されていない場合、2次キャ
ッシュメモリ11は主記憶103 に対してデータリードアク
セス(106) を出力する。同時に2次キャッシュメモリ11
で発生したキャッシュリードミス信号38は、1次キャッ
シュメモリ10のキャッシュヒット/ミス信号生成部36に
入力される。
【0132】この際、1次キャッシュメモリ10のライン
フルビット42はラインフル信号43として1次キャッシュ
メモリ10のキャッシュヒット/ミス信号生成部36に入力
される。そして、1次キャッシュメモリ10のキャッシュ
ヒット/ミス信号生成部36ではこのラインフル信号43と
2次キャッシュメモリ11から出力されているキャッシュ
ミス信号38とがイネーブルであれば、主記憶103 から転
送されるデータを登録しない。即ち、主記憶103 からキ
ャッシュメモリ全体へのデータ登録処理過程において、
1次キャッシュメモリ10にデータ登録可能なメモリ容量
が存在しない場合は、1次キャッシュメモリ10に対して
はデータ登録は行われずに2次キャッシュメモリ11に対
してのみ行われる。
【0133】従ってこの時点で、1次キャッシュメモリ
10に登録されていないデータが2次キャッシュメモリ11
に登録されることになり、キャッシュメモリ全体として
は2次キャッシュメモリ11の容量以上のデータを登録す
ることが可能となる。
【0134】なお、図5及び図6, 図7に示されている
本発明のデータ処理システムの第2の発明の上述以外の
動作は従来のデータ処理システムと同様である。
【0135】図8のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第3の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図8において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続された2次
キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメモリ11に
接続された主記憶それぞれをそれぞれ示す。
【0136】以下、図8のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第3の発明の実施例の動作
について説明する。データ処理装置100 においてデータ
リードアクセス要求が発生した場合、まず1次キャッシ
ュメモリに対してデータリードアクセス(104) が行われ
る。そして、1次キャッシュメモリにおいてキャッシュ
ミスが発生した場合、1次キャッシュメモリ10から2次
キャッシュメモリに対してデータリードアクセス(105)
が行われる。更に、2次キャッシュメモリにおいてもキ
ャッシュミスが発生した場合、2次キャッシュメモリ11
から主記憶103 に対してデータリードアクセス(106)が
行われる。
【0137】この図8に示されている本発明のデータ処
理システムの第3の発明が従来のデータ処理システムと
異なる動作を行うのは、主記憶103 からキャッシュメモ
リ全体へデータを登録する場合である。即ち、1次キャ
ッシュメモリ10中に主記憶103 から転送されてきたデー
タを登録するためのメモリ空間が存在する場合は、その
データは2次キャッシュメモリ11には転送・登録されず
に1次キャッシュメモリ10にのみ転送・登録(9) され
る。一方、1次キャッシュメモリ10にデータを登録する
ためのメモリ空間が存在しない場合は、そのデータは1
次キャッシュメモリ10には転送・登録されずに2次キャ
ッシュメモリ11にのみ転送・登録(112) される。
【0138】また、2次キャッシュメモリ11に対するデ
ータリードアクセス(105) に際してキャッシュヒットし
た場合には、そのヒットデータは1次キャッシュメモリ
10に転送・登録(111) された上でデータ処理装置100 へ
転送(110) される。この際、主記憶103 へのデータリー
ドアクセスは行われない。また、1次キャッシュメモリ
10に対するデータリードアクセス(104) に際してキャッ
シュヒットした場合には、そのヒットデータはそのまま
データ処理装置100 へ転送(110) される。この際、2次
キャッシュメモリ11及び主記憶103 のいずれに対しても
データリードアクセスは行われない。
【0139】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0140】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108→109 の経路で転送
される。そして、1次,2次キャッシュメモリ10, 11、
更に主記憶103 でキャッシュライトヒットした場合に
は、データの更新、即ちキャッシュメモリ内のヒットし
たデータがデータ処理装置100 から転送されてきたデー
タによって上書きされる処理が実行される。このような
処理により、ライトスルー方式のキャッシュメモリで
は、データの一貫性が維持される。
【0141】図9, 図10に、図8に示されている本発明
のデータ処理システムの第3の発明の1次キャッシュメ
モリ10と2次キャッシュメモリ11とを接続した場合の回
路構成例のブロック図を示す。なお、図9においてはデ
ータ処理装置100 と2次キャッシュメモリ11との間に接
続されている1次キャッシュメモリ10が、図10において
は主記憶103 と1次キャッシュメモリ10との間に接続さ
れている2次キャッシュメモリ11がそれぞれ示されてい
る。
【0142】図9, 図10に示されている1次キャッシュ
メモリ10及び2次キャッシュメモリ11が従来の構成と異
なる点は、1次キャッシュメモリ10のデータ部33にライ
ンフルビット42が備えられている点である。このライン
フルビット42は、1次キャッシュメモリ10のデータ部33
の各ラインについてそれぞれが全て登録されたデータで
既に埋まっているか否かを示す。そして、前述の第2の
発明と異なる点は、ラインフルビット42の全てがイネー
ブルであれば、換言すればデータ部33の一つのウェイが
登録された有効なデータで全て埋まっていれば、イネー
ブルのラインフル信号43が1次キャッシュメモリ10及び
2次キャッシュメモリ11双方のキャッシュヒット/ミス
信号生成部36へ出力される点である。
【0143】次に、図8及び図9, 図10に示されている
本発明のデータ処理システムの第3の発明の実施例の動
作、特にキャッシュメモリの動作について説明する。
【0144】データ処理装置100 から入力されるデータ
リードアクセス(104) に対して1次キャッシュメモリ10
内にそのデータが登録されていない場合、1次キャッシ
ュメモリ10は2次キャッシュメモリ11に対してデータリ
ードアクセス(105) を出力する。2次キャッシュメモリ
11内にもそのデータが登録されていない場合、2次キャ
ッシュメモリ11は主記憶103 に対してデータリードアク
セス(106) を出力する。この際、1次キャッシュメモリ
10のラインフルビット42がセットされておらずラインフ
ル信号43がディセーブルであれば、1次キャッシュメモ
リ10ではキャッシュヒット/ミス信号生成部36がそのラ
インフル信号43を検知してデータ登録を実行する。それ
に対して2次キャッシュメモリ11では、キャッシュヒッ
ト/ミス信号生成部36がラインフル信号43がディセーブ
ルであることを検知してデータ登録を実行しない。
【0145】一方、1次キャッシュメモリ10のラインフ
ルビット42がセットされておりラインフル信号43がイネ
ーブルである場合は、1次キャッシュメモリ10ではデー
タ登録が実行されないが、2次キャッシュメモリ11では
データ登録が実行される。即ち、主記憶103 からのデー
タ登録は、1次キャッシュメモリ10にデータ登録のメモ
リ容量が存在する場合は1次キャッシュメモリ10に対し
てのみ実行され、1次キャッシュメモリ10にデータ登録
のメモリ容量が存在しない場合は2次キャッシュメモリ
11に対してのみ実行される。
【0146】従ってこの時点で、1次キャッシュメモリ
10に登録されていないデータが2次キャッシュメモリ11
に登録されることになり、キャッシュメモリ全体として
は2次キャッシュメモリ11の容量以上のデータを登録す
ることが可能となる。
【0147】なお、図8及び図9, 図10に示されている
本発明のデータ処理システムの第3の発明の上述以外の
動作は従来のデータ処理システムと同様である。
【0148】図11のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第4の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図11において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続された2次
キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメモリ11に
接続された主記憶それぞれをそれぞれ示す。
【0149】以下、図11のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第4の発明の実施例の動作
について説明する。
【0150】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、まず1次キャッシュメモ
リ10に対してデータリードアクセス(104) が行われる。
そして、1次キャッシュメモリ10においてキャッシュミ
スが発生した場合、1次キャッシュメモリ10から2次キ
ャッシュメモリ11に対してデータリードアクセス(105)
が行われる。更に、2次キャッシュメモリ11においても
キャッシュミスが発生した場合、2次キャッシュメモリ
11から主記憶103 に対してデータリードアクセス(106)
が行われる。
【0151】そして、そのデータリードアクセス(106)
に対して主記憶103 から読み出されたデータは、2次キ
ャッシュメモリ11には登録されず1次キャッシュメモリ
10にのみ転送・登録(9) された上でデータ処理装置100
へ転送(110) される。
【0152】この一連の処理において、2次キャッシュ
メモリ11に対するデータリードアクセス(105) に際して
キャッシュヒットした場合、そのヒットデータは2次キ
ャッシュメモリ11から1次キャッシュメモリ10に転送・
登録(111) された上でデータ処理装置100 へ転送(110)
される。この際、主記憶103 に対するデータリードアク
セスは行われない。
【0153】一方、1次キャッシュメモリ10に対するデ
ータリードアクセス(104) に際してキャッシュヒットし
た場合、そのヒットデータは1次キャッシュメモリ10か
らそのままデータ処理装置100 へ転送(110) される。こ
の際、2次キャッシュメモリ11及び主記憶103 に対する
データリードアクセスは行われない。
【0154】また主記憶103 から1次キャッシュメモリ
10へデータを直接転送・登録(9) する際に、1次キャッ
シュメモリ10に登録不可能なデータが発生した場合は、
そのデータは1次キャッシュメモリ10から2次キャッシ
ュメモリ11へ転送・登録(8)される。
【0155】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0156】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108→109 の経路で1
次,2次キャッシュメモリ10, 11、更に主記憶103 へ転
送される。このような処理により、ライトスルー方式の
キャッシュメモリでは、データの一貫性が維持される。
【0157】この図11に示されている本発明のデータ処
理システムの第4の発明では、以上に説明したように、
主記憶103 のデータの内の1次キャッシュメモリ10の容
量分のデータコピーの一部113 がまず1次キャッシュメ
モリ10に登録される。そして1次キャッシュメモリ10の
容量全てにデータが登録された後に主記憶103 のデータ
の2次キャッシュメモリ11の容量分のデータコピー112
がが2次キャッシュメモリ11に登録される。
【0158】このようなデータアクセスの手順を採るこ
とにより、1次,2次キャッシュ10, 11全体としては、
重複して登録されるデータを極力少なくすることが可能
となる。
【0159】図12, 13に、図11に示されている本発明の
データ処理システムの第4の発明の1次キャッシュメモ
リ10と2次キャッシュメモリ11とを接続した場合の回路
構成例のブロック図を示す。なお、図12においてはデー
タ処理装置100 と2次キャッシュメモリ11との間に接続
されている1次キャッシュメモリ10が、図13においては
主記憶103 と1次キャッシュメモリ10との間に接続され
ている2次キャッシュメモリ11がそれぞれ示されてい
る。
【0160】図12, 13に示されている1次キャッシュメ
モリ10及び2次キャッシュメモリ11が従来の構成と異な
る点は、1次キャッシュメモリ10及び2次キャッシュメ
モリ11の双方に出力バッファ制御回路45が備えられてい
る点である。この出力バッファ制御回路45は出力バッフ
ァ37に取り込まれたデータをデータバス65, 67へ出力す
るか否かを制御する。
【0161】また、図12, 13に示されている1次キャッ
シュメモリ10及び2次キャッシュメモリ11では、従来は
参照符号36で示されていたキャッシュヒット/ミス信号
生成部が参照符号44で示されている。このキャッシュヒ
ット/ミス信号生成部44は、キャッシュミス発生時にそ
のデータ部33のラインがフルであればそのライン上のあ
るデータを出力バッファに出力する機能を付加したもの
である。更に、図12, 13に示されている2次キャッシュ
メモリ11では、そのキャッシュヒット/ミス信号生成部
44から出力されるキャッシュミス信号47が1次キャッシ
ュメモリ10の出力バッファ制御回路45にも入力されてい
る。
【0162】次に、図11及び図12, 13に示されている本
発明のデータ処理システムの第4の発明の実施例の動
作、特にキャッシュメモリの動作について説明する。
【0163】本発明のデータ処理システムでは、データ
処理装置100 からのデータリードアクセスに対して1
次,2次キャッシュメモリ10, 11内にデータが登録され
ていない場合に、主記憶103 からデータが登録されるの
は1次キャッシュメモリ10のみである。即ち、1次キャ
ッシュメモリ10においてキャッシュミスが発生した場
合、キャッシュヒット/ミス信号生成部44から出力され
るキャッシュミス信号47によりラインバッファ35等のデ
ータをキャッシュメモリに登録する。この際、2次キャ
ッシュメモリ11では、キャッシュヒット/ミス信号生成
部44からキャッシュ登録用の信号は出力されず、キャッ
シュメモリへのデータの登録は行われない。
【0164】また、本実施例の1次キャッシュメモリ10
では、主記憶103 から直接転送されてきたデータをライ
ンバッファ35を通じて登録する際に登録しきれないデー
タが発生した場合、即ち4ウェイ共に同一ラインにデー
タが登録されている場合は、その登録しきれないデータ
が出力バッファ37へ転送されて一旦保持される。出力バ
ッファ37に保持されたデータは、データバス67へ出力さ
れ、更にバイパス経路66, データバス65, バイパス経路
64, データバス63を経て2次キャッシュメモリ11のライ
ンバッファ35へてんそうされる。
【0165】1次キャッシュメモリ10の出力バッファ37
からデータをデータバス67へ出力する制御は出力バッフ
ァ制御回路45により実行される。出力バッファ制御回路
45はタイミングを見計らって、即ち主記憶103 から転送
されてきたデータが1次キャッシュメモリ10に登録され
る処理とバスの競合が生じないタイミングでデータライ
トアクセス信号48, 49を出力する。これにより、出力バ
ッファ45に保持されているデータがデータバス67へ出力
されると同時に、上述の経路で2次キャッシュメモリ11
のラインバッファ35へ転送されて2次キャッシュメモリ
11に登録される。
【0166】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセスに際して、アクセス対象のデータが1次キ
ャッシュメモリ10には登録されていないが2次キャッシ
ュメモリ11には登録されている場合、2次キャッシュメ
モリ11のキャッシュヒット/ミス信号生成部44からキャ
ッシュヒット信号46が出力されて2次キャッシュメモリ
11のデータ部33から出力バッファ37にデータが出力され
て一旦保持される。そして、この2次キャッシュメモリ
11の出力バッファ37に保持されているデータは、2次キ
ャッシュメモリ11の出力バッファ制御回路45から出力さ
れる信号49によりデータバス65へ出力されて1次キャッ
シュメモリ10のラインバッファ35に保持された後、1次
キャッシュメモリ10に登録されると共に、バイパス経路
66からデータバス67を通じてデータ処理装置100 へ転送
される。
【0167】また、データ処理装置100 においてデータ
リードアクセス要求が発生した際に、1次キャッシュメ
モリ10にアクセス対象のデータが登録されている場合、
1次キャッシュメモリ10のキャッシュヒット/ミス信号
生成部44からキャッシュヒット信号46が出力されて1次
キャッシュメモリ10のデータ部33から出力バッファ37に
データが出力されて一旦保持される。そして、この1次
キャッシュメモリ10の出力バッファ37に保持されている
データは、1次キャッシュメモリ10の出力バッファ制御
回路45から出力される信号49によりデータバス67へ出力
されてそのままデータ処理装置100 へ転送される。
【0168】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合について説明する。
1次,2次キャッシュメモリ10, 11共にライトスルー方
式である場合は、キャッシュライトヒット/ミスにかか
わらず1次,2次キャッシュメモリ10, 11に対してデー
タライトアクセス(104, 105)が実行される。そのため、
データライトのためのアドレスは、アドレスバス60→61
→62の経路で1次,2次キャッシュ10,11、更に主記憶1
03 に入力される。
【0169】また、キャッシュメモリに登録されるデー
タは、データバスとバイパス経路とを通じて転送され
る。即ち、データバス67→66→65→64→63の経路で入力
され、1次,2次キャッシュメモリ10, 11のラインバッ
ファ35にそれぞれ一旦保持される。そして1次,2次キ
ャッシュメモリ10, 11でキャッシュライトヒットした場
合には、ラインバッファ35に保持されているデータがタ
グと共にキャッシュライトヒット信号40によりそれぞれ
のキャッシュメモリ10, 11に登録される。更に、データ
ライトアクセスは、2次キャッシュメモリ11から出力さ
れたアドレスとデータとにより主記憶103 に対しても実
行(106) される。
【0170】この図11及び図12, 13に示されている本発
明のデータ処理システムの第4の発明では、上述の説明
のように、主記憶103 から最初にデータを取り込むのは
1次キャッシュメモリ10のみである。そして、容量の面
で1次キャッシュメモリ10に登録不可能となったデータ
がその後は2次キャッシュメモリ11に登録される。この
ため、2次キャッシュメモリ11でキャッシュヒットが発
生しない限り、1次,2次キャッシュメモリ10, 11に取
り込まれているデータは重複しない。但し、2次キャッ
シュメモリ11でキャッシュヒットが発生した場合、1次
キャッシュメモリ10にもそのヒットデータが登録される
ため、同一データの二重登録が発生する。
【0171】図14のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第5の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図14において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続された2次
キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメモリ11に
接続された主記憶それぞれをそれぞれ示す。
【0172】以下、図14のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第5の発明の実施例の動作
について説明する。
【0173】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、まず1次キャッシュメモ
リ10に対してデータリードアクセス(104) が行われる。
そして、1次キャッシュメモリ10においてキャッシュミ
スが発生した場合、1次キャッシュメモリ10から2次キ
ャッシュメモリ11に対してデータリードアクセス(105)
が行われる。更に、2次キャッシュメモリ11においても
キャッシュミスした場合、2次キャッシュメモリ11から
主記憶103 に対してデータリードアクセス(106) が行わ
れる。
【0174】そして、そのデータリードアクセス(106)
に対して主記憶103 から読み出されたデータは、まず2
次キャッシュメモリ11に転送・登録(112) され、次に1
次キャッシュメモリ10に転送・登録(111) された上でデ
ータ処理装置100 へ転送(110) される。
【0175】この図14に示されているデータ処理システ
ムが従来のデータ処理システムと異なる動作をする場合
は、2次キャッシュメモリ11でキャッシュリードヒット
した場合である。
【0176】即ち、2次キャッシュメモリ11に対するデ
ータリードアクセス(105) に際してキャッシュヒットし
た場合、そのヒットデータ(A) は1次キャッシュメモリ
10に転送・登録(12a) された後、2次キャッシュメモリ
11では無効化される。しかしこの場合に、ヒットデータ
(A) を1次キャッシュメモリ10に登録するために、1次
キャッシュメモリ10に既に登録されているデータ(B) を
消去する必要が発生した場合(即ち、1次キャッシュメ
モリ10においてヒットデータ(A) を登録するためのライ
ンが全て埋まっており、ヒットデータ(A) を登録するた
めにはデータ(B) に上書きしなければならない場合)、
1次キャッシュメモリ10はそのデータ(B) のライトアク
セス(12b) を2次キャッシュメモリ11に行う。このデー
タ(B) の1次キャッシュメモリ10からのライトアクセス
12b に応じて、2次キャッシュメモリ11では、データ
(B) が既に登録されている場合にはデータ(B) を登録せ
ず、登録されていない場合にのみ転送・登録する。
【0177】また、データ処理装置100 で発生したデー
タライトアクセス要求に対して1次キャッシュメモリ10
でキャッシュリードヒットした場合、そのデータはその
ままデータ処理装置100 へ転送(110) される。この際、
2次キャッシュメモリ11及び主記憶103 に対するデータ
リードアクセスは行われない。
【0178】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0179】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108→109 の経路で1
次,2次キャッシュメモリ10, 11そして主記憶103 へ転
送される。このような処理により、ライトスルー方式の
キャッシュメモリでは、データの一貫性が維持される。
【0180】この本発明のデータ処理システムの第5の
発明では上述の説明のように、2次キャッシュメモリ11
でキャッシュリードヒットし、且つ1次キャッシュメモ
リ10の容量に新たにヒットデータを登録する余裕がない
場合に、1次キャッシュメモリ10においてそのヒットデ
ータを上書きして古いデータを無効にするのではなく、
古いデータを2次キャッシュメモリ11に転送・登録す
る。このような処理により、キャッシュメモリ全体とし
てのヒット率が向上する。
【0181】図15, 図16に、図14に示されている本発明
のデータ処理システムの第5の発明の1次キャッシュメ
モリ10と2次キャッシュメモリ11とを接続した場合の回
路構成例のブロック図を示す。なお、図15においてはデ
ータ処理装置100 と2次キャッシュメモリ11との間に接
続されている1次キャッシュメモリ10が、図16において
は主記憶103 と1次キャッシュメモリ10との間に接続さ
れている2次キャッシュメモリ11がそれぞれ示されてい
る。
【0182】図15, 図16に示されている1次キャッシュ
メモリ10及び2次キャッシュメモリ11が従来の構成と異
なる点は、1次キャッシュメモリ10に出力バッファ制御
回路45及びアドレス用のラッチ51が備えられている点で
ある。出力バッファ制御回路45は出力バッファ37に取り
込まれたデータをデータバスに出力するか否かを制御す
る。ラッチ51は上述の出力バッファ制御回路45の制御に
より出力バッファ37に取り込まれたデータに対応するア
ドレスを保持するラッチである。
【0183】また、図15, 図16に示されている1次キャ
ッシュメモリ10及び2次キャッシュメモリ11では、従来
は参照符号36で示されていたキャッシュヒット/ミス信
号生成部が参照符号44で示されている。このキャッシュ
ヒット/ミス信号生成部44は、キャッシュミス発生時に
そのデータ部33のラインがフルであればそのライン上の
あるデータ(A) を出力バッファ37へ出力する機能を付加
したものである。更に、図15, 図16に示されている2次
キャッシュメモリ11では、そのキャッシュヒット/ミス
信号生成部44から出力されるキャッシュヒット信号46が
1次キャッシュメモリ10のキャッシュヒット/ミス信号
生成部44にも入力されている。
【0184】次に、図14及び図15, 図16に示されている
本発明のデータ処理システムの第5の発明の実施例の動
作、特にキャッシュメモリの動作について説明する。
【0185】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、1次キャッシュメモリ10
に対してデータリードアクセス(104) が行われる。その
アクセス要求に対して1次キャッシュメモリ10にデータ
が登録されていない場合、1次キャッシュメモリ10のキ
ャッシュヒット/ミス信号生成部44からキャッシュミス
信号47が出力されて2次キャッシュメモリ11に対してデ
ータリードアクセス(105) が行われる。2次キャッシュ
メモリ11にもデータが登録されていない場合、2次キャ
ッシュメモリ11のキャッシュヒット/ミス信号生成部44
からキャッシュミス信号47が出力されて主記憶103 に対
してデータリードアクセス(106) が行われる。
【0186】このデータリードアクセス(106) により主
記憶103 から読み出されたデータは、データバス63から
2次キャッシュメモリ11に入力され、ラインバッファ35
を通じて2次キャッシュメモリ11に登録される。また、
データバス65からバイパス経路64とデータバス65とをへ
てデータが1次キャッシュメモリ10にも入力され、ライ
ンバッファ35を通じて1次キャッシュメモリ10に登録さ
れる。更に、データバス65からバイパス経路66とデータ
バス67とをへてデータがデータ処理装置100 へも転送さ
れる。
【0187】この主記憶103 からキャッシュメモリにデ
ータを登録する一連の処理において1次キャッシュメモ
リ10に新たなデータを登録する容量が無くなった場合に
は、そのデータは1次キャッシュメモリ10に上書きされ
る。
【0188】また、2次キャッシュメモリ11に対するデ
ータリードアクセス(105) の結果、アクセス対象のデー
タが2次キャッシュメモリ11に登録されている場合は、
2次キャッシュメモリ11のキャッシュヒット/ミス信号
生成部44からキャッシュヒット信号46が出力されること
によりそのヒットデータ(A) が出力バッファ37に一旦保
持される。2次キャッシュメモリ11の出力バッファ37に
保持されたヒットデータ(A) は、データバス65を経由し
て1次キャッシュメモリ10へ転送されて登録される。そ
れと同時に、2次キャッシュメモリ11のキャッシュヒッ
ト/ミス信号生成部44から出力されたヒット信号46は1
次キャッシュメモリ10のキャッシュヒット/ミス信号生
成部44にもに入力される。
【0189】2次キャッシュメモリ11から転送されたヒ
ットデータを登録する容量が1次キャッシュメモリ10に
なくなった場合、ヒットデータ(A) が登録されるべき1
次キャッシュメモリ10のデータ部33からあるデータ(B)
とそれに対応するタグ値とが1次キャッシュメモリ10の
出力バッファ37とタグ用のラッチ51とに取り込まれる。
1次キャッシュメモリ10の出力バッファ制御回路45は、
アドレスバス60とデータバス67とが競合しないタイミン
グを見計らって、出力バッファ37とタグ用のラッチ51と
からそれぞれデータ(B) とタグ値を信号49, 52を出力す
ることによりアドレスバス60,データバス67へ出力させ
る。
【0190】アドレスバス60へ出力されたタグ値はアド
レスバス61を経由して2次キャッシュメモリ11のデコー
ダ31へ入力され、データバス67へ出力されたデータ
(B) はバイパス経路66, データバス65, バイパス経路6
4, データバス63を経由して2次キャッシュメモリ11の
ラインバッファ35へ転送されて一旦保持される。
【0191】それと同時に、1次キャッシュメモリ10の
出力バッファ制御回路45は2次キャッシュメモリ11のキ
ャッシュヒット/ミス信号生成部44に対してデータライ
ト用の信号48を出力する。2次キャッシュメモリ11のキ
ャッシュヒット/ミス信号生成部44では、その信号48を
受けつけると、1次キャッシュメモリ10からのライトア
クセスに対するキャッシュライトヒット/ミスを判定す
る。そして、2次キャッシュメモリ11はキャッシュライ
トヒットであればラインバッファ35に保持されているデ
ータ(B) のデータ部33への登録を行わず、キャッシュラ
イトミスであればデータの登録を行う。
【0192】このように、図14及び図15, 図16に示され
ている本発明のデータ処理システムの第5の発明では、
2次キャッシュメモリ11がヒットした場合は、そのヒッ
トデータを1次キャッシュメモリ10に登録するために1
次キャッシュメモリ10で無効化されるデータを2次キャ
ッシュメモリ11に登録する。従って、より多くのデータ
をキャッシュメモリ全体に登録することができるので、
キャッシュメモリ全体のヒット率の向上につながる。
【0193】図17のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第6の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図17において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続された2次
キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメモリ11に
接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0194】以下、図17のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第6の発明の実施例の動作
について説明する。
【0195】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、まず1次キャッシュメモ
リ10に対してデータリードアクセス(104) が行われる。
そして、1次キャッシュメモリ10においてキャッシュミ
スが発生した場合、1次キャッシュメモリ10から2次キ
ャッシュメモリ11に対してデータリードアクセス(105)
が行われる。更に、2次キャッシュメモリ11においても
キャッシュミスが発生した場合、2次キャッシュメモリ
11から主記憶103 に対してデータリードアクセス(106)
が行われる。
【0196】そして、そのデータリードアクセス(106)
に対して主記憶103 から読み出されたデータは、まず2
次キャッシュメモリ11に転送・登録(112) され、次に1
次キャッシュメモリ10に転送・登録(111) された上でデ
ータ処理装置100 へ転送(110) される。
【0197】この図17に示されている本発明のデータ処
理システムの第6の発明が従来のデータ処理システムと
異なる動作をするのは、2次キャッシュメモリ11でキャ
ッシュリードヒットした場合である。
【0198】即ち、2次キャッシュメモリ11に対するデ
ータリードアクセス(105) に際してキャッシュヒットし
た場合、そのヒットデータ(A) は1次キャッシュメモリ
10に転送・登録(13)される。しかし1次キャッシュメモ
リ10でのヒットデータ(A) の登録に際して、1次キャッ
シュメモリ10に新たなヒットデータ(A) を登録する容量
が無い場合、従来であれば無効化されるデータ(B) のラ
イトアクセス(13)が2次キャッシュメモリ11に対して行
われる。
【0199】このライトアクセス(13)に応じて、2次キ
ャッシュメモリ11では、データ(B)が既に存在していれ
ば登録せず、存在していなければそれまでヒットデータ
(A)が登録されていた位置にデータ(B) を登録する。即
ち、1次キャッシュメモリ10と2次キャッシュメモリ11
との間でデータ(A) とデータ(B) とが交換されることに
なる。
【0200】また、データ処理装置100 から発生したデ
ータライトアクセス要求に対して1次キャッシュメモリ
10においてキャッシュリードヒットした場合、そのデー
タはそのままデータ処理装置100 へ転送(110) される。
この際、2次キャッシュメモリ11及び主記憶103 に対す
るデータリードアクセスは行われない。
【0201】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0202】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108→109 の経路で1
次,2次キャッシュメモリ10, 11、更に主記憶103 へ転
送される。このような処理により、ライトスルー方式の
キャッシュメモリでは、データの一貫性が維持される。
【0203】この図17に示されている本発明のデータ処
理システムの第6の発明では上述の説明のように、2次
キャッシュメモリ11においてキャッシュリードヒット
し、且つそのヒットデータが容量の面から1次キャッシ
ュメモリ10に登録不可能な場合に、そのまま1次キャッ
シュメモリ10に上書きして古いデータを無効にするので
はなく、古いデータが2次キャッシュメモリ11のヒット
データが登録されていた位置に登録される。従って、キ
ャッシュメモリ全体としてのヒット率がより向上する。
【0204】以上の図1乃至図17を参照して説明した本
発明のデータ処理システムの第1乃至第6の発明では、
何らかの処理が発生した場合にそれに伴って1次キャッ
シュメモリと2次キャッシュメモリとで登録データが不
一致になる場合があり得る。換言すれば、主記憶103 に
記憶されているデータの内のあるデータコピーが、2次
キャッシュメモリ11には存在しないが、1次キャッシュ
メモリ10には存在する場合が発生する。このため、キャ
ッシュメモリ全体としては2次キャッシュの容量以上の
容量のデータのコピーを登録することが可能になる。し
かし、上述のような何らかの処理が発生しない場合は、
1次キャッシュメモリに登録されているデータコピーは
その全てが2次キャッシュメモリにも登録された状態に
なる。
【0205】以下の図18乃至図15に示されている本発明
のデータ処理システムの第7乃至第9の発明は、上述の
問題を解決するためのものである。即ち、以下の各発明
では1次キャッシュメモリと2次キャッシュメモリとに
同一のデータが全く登録されないような構成として、キ
ャッシュメモリ全体として1次キャッシュメモリの容量
と2次キャッシュメモリの容量とを加えた容量に等しい
データコピーを主記憶103 から取り込めるようにしてい
る。
【0206】図18のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第7の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。
【0207】図18において、参照符号100 はデータ処理
装置を、10はデータ処理装置100 に接続された1次キャ
ッシュメモリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続さ
れた2次キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメ
モリ11に接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0208】以下、図18のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第7の発明の実施例の動作
について説明する。この図18に示されている本発明のデ
ータ処理システムは、図1に示されている第1の発明の
データ処理システムと図11に示されている第4の発明の
データ処理システムとの双方の機能を兼ね備えた構成に
なっている。
【0209】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、まず1次キャッシュメモ
リ10に対してデータリードアクセス(104) が行われる。
そして、1次キャッシュメモリ10においてキャッシュミ
スが発生した場合、1次キャッシュメモリ10から2次キ
ャッシュメモリ11に対してデータリードアクセス(105)
が行われる。更に、2次キャッシュメモリ11においても
キャッシュミスが発生した場合、2次キャッシュメモリ
11から主記憶103 に対してデータリードアクセス(106)
が行われる。
【0210】そして、そのデータリードアクセス(106)
に対して主記憶103 から読み出されたデータは、2次キ
ャッシュメモリ11には登録されず1次キャッシュメモリ
10にのみ直接転送・登録(9) された上でデータ処理装置
100 へ転送(110) される。この主記憶103 から1次キャ
ッシュメモリ10にデータを直接登録する一連の処理(9)
の過程において、1次キャッシュメモリ10に登録不可能
なデータが発生した場合は、1次キャッシュメモリ10か
ら2次キャッシュメモリ11にそのデータが転送・登録
(8) される。
【0211】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して2次キャッシュメモリ11にお
いてキャッシュヒットした場合、2次キャッシュメモリ
11内のヒットデータ(A) は、1次キャッシュメモリ10へ
転送・登録(14)された後に無効化される。
【0212】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して1次キャッシュメモリ10にお
いてキャッシュヒットした場合、そのヒットデータはそ
のままデータ処理装置100 へ転送(110) される。この
際、2次キャッシュメモリ11及び主記憶103 に対するデ
ータリードアクセスは行われない。
【0213】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0214】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108→109 の経路で1
次,2次キャッシュメモリ10, 11、更に主記憶103 へ転
送される。このような処理により、ライトスルー方式の
キャッシュメモリでは、データの一貫性が維持される。
【0215】この図18に示されている本発明のデータ処
理システムの第7の発明では、上述の説明のように、1
次,2次キャッシュメモリ10, 11の双方に同一データが
登録されそうになった場合に、そのデータが1次キャッ
シュメモリ10にのみ登録されるように制御するので、1
次,2次キャッシュメモリ10, 11双方への同一データの
重複登録が回避される。従って、キャッシュメモリ全体
として、1次,2次キャッシュメモリ10, 11双方の容量
を加えた容量に等しいデータコピーを主記憶103 から登
録することが可能になる。
【0216】このことは、1次,2次キャッシュメモリ
10, 11自体の容量が従来と同一である場合に、従来に比
して1次キャッシュメモリ10のメモリ領域を有効に利用
することが可能となるので、データアクセスの平均アク
セスタイムが減少する。
【0217】図19のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第8の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図19において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続された2次
キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメモリ11に
接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0218】以下、図19のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第8の発明の実施例の動作
について説明する。この図19に示されている本発明のデ
ータ処理システムは、図18に示されている第7の発明の
データ処理システムに付加的な機能を持たせたものであ
る。具体的には、図19に示されている第8の発明のデー
タ処理システムは、図1に示されている第1の発明のデ
ータ処理システムと図14に示されている第5の発明のデ
ータ処理システムとの双方の機能を兼ね備えた構成にな
っている。
【0219】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、まず1次キャッシュメモ
リ10に対してデータリードアクセス(104) が行われる。
そして、1次キャッシュメモリ10においてキャッシュミ
スが発生した場合、1次キャッシュメモリ10から2次キ
ャッシュメモリ11に対してデータリードアクセス(105)
が行われる。更に、2次キャッシュメモリ11においても
キャッシュミスが発生した場合、2次キャッシュメモリ
11から主記憶103 に対してデータリードアクセス(106)
が行われる。
【0220】そして、そのデータリードアクセス(106)
に対して主記憶103 から読み出されたデータは、2次キ
ャッシュメモリ11には登録されず1次キャッシュメモリ
10にのみ直接転送・登録(9) された上でデータ処理装置
100 へ転送(110) される。この主記憶103 から1次キャ
ッシュメモリ10にデータを直接登録する一連の処理(9)
の過程において、1次キャッシュメモリ10に登録不可能
なデータが発生した場合は、1次キャッシュメモリ10か
ら2次キャッシュメモリ11にそのデータが転送・登録
(8) される。
【0221】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して2次キャッシュメモリ11にお
いてキャッシュヒットした場合、2次キャッシュメモリ
11内のヒットデータ(A) は1次キャッシュメモリ10へ転
送・登録(12a) された後に無効化される。しかしこの場
合に、ヒットデータ(A) を1次キャッシュメモリ10に登
録するために、1次キャッシュメモリ10に既に登録され
ているデータ(B) を消去する必要が発生した場合(即
ち、1次キャッシュメモリ10においてヒットデータ(A)
を登録するためのラインが全て埋まっており、ヒットデ
ータ(A) を登録するためにはデータ(B) に上書きしなけ
ればならない場合)、1次キャッシュメモリ10はそのデ
ータ(B) のライトアクセス(12b) を2次キャッシュメモ
リ11に行う。このデータ(B) の1次キャッシュメモリ10
からのライトアクセス(12b) に応じて、2次キャッシュ
メモリ11では、データ(B) が既に登録されている場合に
はデータ(B) を登録せず、登録されていない場合にのみ
転送・登録する。
【0222】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して1次キャッシュメモリ10でキ
ャッシュヒットした場合、そのヒットデータはそのまま
データ処理装置100 へ転送(110) される。この際、2次
キャッシュメモリ11及び主記憶103 に対するデータリー
ドアクセスは行われない。
【0223】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0224】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108→109 の経路で1
次,2次キャッシュメモリ10, 11、更に主記憶103 へ転
送される。このような処理により、ライトスルー方式の
キャッシュメモリでは、データの一貫性が維持される。
【0225】この図19に示されている本発明のデータ処
理システムの第8の発明では、図18に示されている第7
の発明のデータ処理システムが備える特徴、即ち1次,
2次キャッシュメモリ10, 11双方に同一のデータが登録
されることはないという特徴を有している。更に、1次
キャッシュメモリ10に登録不可能になったデータを2次
キャッシュメモリ11に登録する機能を備えることによ
り、キャッシュメモリ全体としてのヒット率が向上す
る。
【0226】図20のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第9の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図20において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続された2次
キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメモリ11に
接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0227】以下、図20のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第9の発明の実施例の動作
について説明する。この図20に示されている本発明のデ
ータ処理システムは、図18に示されている第7の発明の
データ処理システムに付加的な機能を持たせたものであ
る。具体的には、図20に示されている第9の発明のデー
タ処理システムは、図1に示されている第1の発明のデ
ータ処理システムと図14に示されている第5の発明のデ
ータ処理システムとの双方の機能を兼ね備えた構成にな
っている。
【0228】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、まず1次キャッシュメモ
リ10に対してデータリードアクセス(104) が行われる。
そして、1次キャッシュメモリ10においてキャッシュミ
スが発生した場合、1次キャッシュメモリ10から2次キ
ャッシュメモリ11に対してデータリードアクセス(105)
が行われる。更に、2次キャッシュメモリ11においても
キャッシュミスが発生した場合、2次キャッシュメモリ
11から主記憶103 に対してデータリードアクセス(106)
が行われる。
【0229】そして、そのデータリードアクセス(106)
に対して主記憶103 から読み出されたデータは、2次キ
ャッシュメモリ11には登録されず1次キャッシュメモリ
10にのみ直接転送・登録(9) された上でデータ処理装置
100 へ転送(110) される。この主記憶103 から1次キャ
ッシュメモリ10にデータを直接登録する一連の処理(9)
の過程において、1次キャッシュメモリ10に登録不可能
なデータが発生した場合は、1次キャッシュメモリ10か
ら2次キャッシュメモリ11にそのデータが転送・登録
(8) される。
【0230】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して2次キャッシュメモリ11でキ
ャッシュヒットした場合、そのヒットデータ(A) は1次
キャッシュメモリ10に転送・登録(13)される。しかし1
次キャッシュメモリ10でのヒットデータ(A) の登録に際
して、1次キャッシュメモリ10に新たなヒットデータ
(A) を登録する容量が無い場合、従来であれば無効化さ
れるデータ(B) のライトアクセス(13)が2次キャッシュ
メモリ11に対して行われる。
【0231】このライトアクセス(13)に応じて、2次キ
ャッシュメモリ11では、データ(B)が既に存在していれ
ば登録せず、存在していなければそれまでヒットデータ
(A)が登録されていた位置にデータ(B) を登録する。即
ち、1次キャッシュメモリ10と2次キャッシュメモリ11
との間でデータ(A) とデータ(B) とが交換されることに
なる。
【0232】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して1次キャッシュメモリ10でキ
ャッシュヒットした場合、そのヒットデータはそのまま
データ処理装置100 へ転送(110) される。この際、2次
キャッシュメモリ11及び主記憶103 に対するデータリー
ドアクセスは行われない。
【0233】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0234】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108→109 の経路で1
次,2次キャッシュメモリ10, 11、更に主記憶103 へ転
送される。このような処理により、ライトスルー方式の
キャッシュメモリでは、データの一貫性が維持される。
【0235】この図20に示されている本発明のデータ処
理システムの第9の発明では、図18に示されている第7
の発明のデータ処理システムが備える特徴、即ち1次,
2次キャッシュメモリ10, 11双方に同一のデータが登録
されることはないという特徴を有している。更に、1次
キャッシュメモリ10に登録不可能になったデータを2次
キャッシュメモリ11に登録する機能を備えることによ
り、キャッシュメモリ全体としてのヒット率が向上す
る。また、それを1次キャッシュメモリ10と2次キャッ
シュメモリ11との間でのデータの交換という無駄の少な
い処理で実現しているので、より低消費電力化が図られ
る。
【0236】以上に説明した図1乃至図20に示されてい
る第1乃至第9の発明のデータ処理システムは、データ
処理装置100 と主記憶103 との間にピラミッド型に複
数、具体的な実施例としては2個のキャッシュメモリを
備えている。即ち、1次キャッシュメモリ10(101) はデ
ータ処理装置100 と2次キャッシュメモリ11(102) とに
のみ直接接続されている。このため、1次キャッシュメ
モリ10(101) からは2次キャッシュメモリ11(102) を介
さなければ主記憶103 に対してアクセスできない。ま
た、2次キャッシュメモリ11(102) は1次キャッシュメ
モリ10(101) と主記憶103 とにのみ直接接続されてい
る。このため、2次キャッシュメモリ11(102)は1次キ
ャッシュメモリ10(101) を介さなければデータ処理装置
100 に対してアクセスすることができない。
【0237】これに対して、以下の図21乃至図25に示さ
れている第10乃至第12の発明では、上述とは異なるアク
セスが可能な本発明のデータ処理システムの構成例とそ
の動作概要について説明する。
【0238】図21のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第10の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図21において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は同じくデータ処理装置100 に接続された2
次キャッシュメモリを、103 は2次キャッシュメモリ11
に接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0239】以下、図21のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第10の発明の実施例の動作
について説明する。
【0240】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、そのデータリードアクセ
ス要求は1次,2次キャッシュメモリ10, 11双方に同時
に行われる。1次,2次キャッシュメモリ10, 11双方共
にデータリードアクセス(104) に対するヒットデータが
存在しない場合、2次キャッシュメモリ11は主記憶103
に対してデータリードアクセス(106) を行う。
【0241】このデータリードアクセス(106) に対して
主記憶103 から読み出されたデータは、2次キャッシュ
メモリ11には登録されず1次キャッシュメモリ10にのみ
直接転送・登録(9) された上でデータ処理装置100 へ転
送(110) される。このようにして主記憶103 から1次キ
ャッシュメモリ10にデータ登録が行われる際に、1次キ
ャッシュメモリ10に登録不可能なデータが発生した場
合、そのデータは2次キャッシュメモリ11に転送・登録
(8) される。
【0242】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して2次キャッシュメモリ11でキ
ャッシュリードヒットした場合、そのヒットデータはデ
ータ処理装置100 に転送・登録(110) されると同時に1
次キャッシュメモリ10にも転送・登録(111) される。こ
の際、主記憶103 に対するデータリードアクセスは行わ
れない。また、データ処理装置100 からのデータリード
アクセス要求に対して1次キャッシュメモリ10でキャッ
シュリードヒットした場合、そのヒットデータはデータ
処理装置100 へ直接転送(110) されると同時に2次キャ
ッシュメモリ11からのデータ出力は禁止される。この
際、主記憶103 に対するデータリードアクセスは行われ
ない。
【0243】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次,2次キャッシュメモリ10, 11
に対しても、主記憶103 に対してもデータライトアクセ
ス(104, 106) が行われる。
【0244】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →109の経路で2次キャッ
シュメモリ11から主記憶103 へ、また同時に1次キャッ
シュメモリ10へ転送される。このような処理により、ラ
イトスルー方式のキャッシュメモリでは、データの一貫
性が維持される。
【0245】図22, 図23に、図21に示されている本発明
のデータ処理システムの第10の発明の1次キャッシュメ
モリ10と2次キャッシュメモリ11とを接続した場合の回
路構成例のブロック図を示す。
【0246】図22, 図23に示されている本発明のデータ
処理システムの第10の発明に用いられている1次,2次
キャッシュメモリ10, 11は、図12, 13に示されている第
4の発明のデータ処理システムに用いられているキャッ
シュメモリと同一構成であるが、両キャッシュメモリ1
0, 11相互間の接続が異なっている。即ち、図22, 図23
に示されている本発明のデータ処理システムの第10の発
明では、1次,2次キャッシュメモリ10, 11はデータ処
理装置100 に対しては入力アドレスバス60及びデータバ
ス67を介して接続されており、データ処理装置100 から
1次,2次キャッシュメモリ10, 11に対して同時にデー
タアクセス可能になっている。
【0247】また、2次キャッシュメモリ11は主記憶10
3 に対してはアドレスバス62とデータバス63とを介して
に接続されている。そして、1次,2次キャッシュメモ
リ10, 11間は、アドレスバス60とアドレスバス62とが接
続されており、データバス67はバイパス経路66を介して
1次キャッシュメモリ10のデータバス65と、またバイパ
ス経路64を介して2次キャッシュメモリ11のデータバス
63とそれぞれ接続されている。従って、主記憶103 から
同時に1次,2次キャッシュメモリ10, 11に対して同時
にデータ転送可能になっている。
【0248】次に、図21及び図22, 図23に示されている
本発明のデータ処理システムの第10の発明の実施例の動
作、特にキャッシュメモリの動作について説明する。
【0249】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、アドレスバス60を介して
1次,2次キャッシュメモリ10, 11双方に対して同時に
データリードアクセスが実行される。このデータリード
アクセス(104) に対するデータが1次キャッシュメモリ
10に存在しない場合、1次キャッシュメモリ10のキャッ
シュヒット/ミス信号生成部44からディセーブルのキャ
ッシュリードヒット信号46が出力されて2次キャッシュ
メモリ11のキャッシュヒット/ミス信号生成部44に入力
される。2次キャッシュメモリ11内にもそのデータ存在
しない場合、2次キャッシュメモリ11のキャッシュヒッ
ト/ミス信号生成部44からキャッシュミス信号50が出力
されて、主記憶103 に対してデータリードアクセス(10
6) が行われる。
【0250】このデータリードアクセス(106) により主
記憶103 から読み出されたデータは、データバス63から
2次キャッシュメモリ11のラインバッファ35に入力さ
れ、更にバイパス経路64を通じてデータバス67へ出力さ
れてデータ処理装置100 へ転送される。これと同時に、
データバス67のデータはバイパス経路66とデータバス65
とを通じて1次キャッシュメモリ10のラインバッファ35
へ転送されて一旦保持される。そして、1次キャッシュ
メモリ10のラインバッファ35に保持されたデータは、1
次キャッシュメモリ10のキャッシュヒット/ミス信号生
成部44から出力されたキャッシュミス信号47によりラッ
チ34に登録されているタグと共に1次キャッシュメモリ
10に登録される。
【0251】以上のように、データ処理装置100 からの
データリードアクセス要求に対するデータがいずれのキ
ャッシュメモリ10, 11にも存在しない場合には、主記憶
103から読み出されたデータが1次キャッシュメモリ10
にのみ転送・登録(9) される。
【0252】また、その登録の際に1次キャッシュメモ
リ10に登録不可能なデータが発生した場合、換言すれば
1次キャッシュメモリ10の4ウェイの全てのラインにデ
ータが登録されており、更に新たなデータ登録が行われ
るために4ウェイのいずれかのデータに上書きしなけれ
ばならない場合、そのデータは1次キャッシュメモリ10
の出力バッファ36に一時的に保持される。そして、デー
タバス67が使用されていないタイミングを見計らって、
1次キャッシュメモリ10の出力バッファ制御回路45が信
号49を出力することにより出力バッファ36のデータはデ
ータバス67へ出力される。
【0253】このようにしてデータバス67へ出力された
データはバイパス経路64とデータバス63とを通じて2次
キャッシュメモリ11のラインバッファに35に保持され、
1次キャッシュメモリ10の出力バッファ制御回路から出
力される信号48によりタグと共に2次キャッシュメモリ
11に登録される。
【0254】図24のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第11の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図24において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は1次キャッシュメモリ10に接続された2次
キャッシュメモリを、103 は1次キャッシュメモリ10に
接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0255】以下、図24のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第11の発明の実施例の動作
について説明する。
【0256】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、まず1次キャッシュメモ
リ10に対してデータリードアクセス(104) が行われる。
そして、1次キャッシュメモリ10においてキャッシュミ
スが発生した場合、1次キャッシュメモリ10から2次キ
ャッシュメモリ11と主記憶103 とに対して同時にデータ
リードアクセス(105) が行われる。
【0257】2次キャッシュメモリ11でキャッシュリー
ドミスが発生した場合、主記憶103から読み出されたデ
ータは2次キャッシュメモリ11を介さずに直接1次キャ
ッシュメモリ10に転送・登録(9) された上でデータ処理
装置100 へ転送(110) される。この主記憶103 から1次
キャッシュメモリ10にデータを直接登録する一連の処理
(9) の過程において1次キャッシュメモリ10に登録不可
能なデータが発生した場合、2次キャッシュメモリ11に
そのデータが転送・登録(8) される。
【0258】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して2次キャッシュメモリ11でキ
ャッシュリードヒットした場合、そのヒットデータは1
次キャッシュメモリ10に転送・登録(111) され、その
後、データ処理装置100 へ転送(110) される。この際、
主記憶103 から読み出されたデータはキャンセルされ
る。
【0259】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して1次キャッシュメモリ10でキ
ャッシュリードヒットした場合、そのヒットデータはデ
ータ処理装置100 へ直接転送(110) される。この際、2
次キャッシュメモリ11と主記憶103 とに対するデータリ
ードアクセスは行われない。
【0260】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ10に対して
も、2次キャッシュメモリ11と主記憶103 とに対しても
データライトアクセス(104, 105) が行われる。
【0261】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108の経路で1次,2次
キャッシュメモリ10, 11、更に主記憶103 へ転送され
る。このような処理により、ライトスルー方式のキャッ
シュメモリでは、データの一貫性が維持される。
【0262】図25のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第12の発明の一実施例として2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
す。図25において、参照符号100 はデータ処理装置を、
10はデータ処理装置100 に接続された1次キャッシュメ
モリを、11は同様にデータ処理装置100 に接続された2
次キャッシュメモリを、103 は1次キャッシュメモリ10
に接続された主記憶をそれぞれ示している。
【0263】以下、図25のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第12の発明の実施例の動作
について説明する。
【0264】データ処理装置100 においてデータリード
アクセス要求が発生した場合、その要求は1次,2次キ
ャッシュメモリ10, 11双方に同時に行われる。1次,2
次キャッシュメモリ10, 11双方でそのデータリードアク
セス要求に対するデータが存在しない場合、1次キャッ
シュメモリ10は主記憶103 に対してデータリードアクセ
ス(106) を行う。
【0265】そして主記憶103 から読み出されたデータ
は、直接1次キャッシュメモリ10に転送・登録(9) され
た上でデータ処理装置100 へ転送(110) される。主記憶
103から1次キャッシュメモリ10にデータ登録が行われ
る際に1次キャッシュメモリ10に登録不可能なデータが
発生した場合、そのデータは2次キャッシュメモリ11
に転送・登録(8) される。
【0266】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセスに対して2次キャッシュメモリ11でキャッ
シュリードヒットした場合には、そのヒットデータはデ
ータ処理装置100 へ転送(110) されると同時に1次キャ
ッシュメモリ10にも転送・登録(111) される。この際、
主記憶103 に対するデータリードアクセスは行われな
い。
【0267】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して1次キャッシュメモリ10でキ
ャッシュリードヒットした場合、そのヒットデータはデ
ータ処理装置100 に直接転送(110) されると同時に2次
キャッシュメモリ11からのデータ出力は禁止される。こ
の際、主記憶103 に対するデータリードアクセスは行わ
れない。
【0268】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ10, 11共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次,2次キャッシュメモリ10, 11
に対しても、主記憶103 に対してもデータライトアクセ
ス(104, 106)が行われる。
【0269】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108の経路で1次,2次
キャッシュメモリ10, 11、更に主記憶103 へ転送され
る。このような処理により、ライトスルー方式のキャッ
シュメモリでは、データの一貫性が維持される。
【0270】図26のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第13の発明の一実施例としてディマンド型の
1次キャッシュメモリ20とプリフェッチ型の2次キャッ
シュメモリ21とをデータ処理装置100 と主記憶103 との
間に階層的に備えたデータ処理システムの構成例を示
す。
【0271】図26において、参照符号 100はデータ処理
装置を、20はデータ処理装置100 に接続されたディマン
ド型の1次キャッシュメモリを、21は1次キャッシュメ
モリ20に接続されたプリフェッチ型の2次キャッシュメ
モリを、103 は2次キャッシュメモリに接続された主記
憶をそれぞれ示している。
【0272】ここで、ディマンド型のキャッシュメモリ
とは、外部からアクセス要求されたデータのみを登録す
るキャッシュメモリのことである。一方、プリフェッチ
型のキャッシュメモリとは、外部からアクセス要求され
たデータのみならず、そのデータに連続するいくつかの
データをも前もって登録するキャッシュメモリのことで
ある。
【0273】以下、図26のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第13の発明の実施例の動作
について説明する。
【0274】データ処理装置100 においてデータ(A) に
対するリードアクセス要求が発生した場合、まず1次キ
ャッシュメモリ20に対してデータリードアクセス(104)
が行われる。1次キャッシュメモリ20内にデータ(A) が
存在せずキャッシュミスが発生した場合、1次キャッシ
ュメモリ20から2次キャッシュメモリ21に対してデータ
リードアクセス(105) が行われる。この際のデータリー
ドアクセス(105) は、1次キャッシュメモリ20がディマ
ンド型のキャッシュメモリであるので、データ(A) のみ
に対するリードアクセスが出力される。2次キャッシュ
メモリ21においてもキャッシュミスが発生した場合、2
次キャッシュメモリ21から主記憶103 に対してデータリ
ードアクセス(106) が行われる。
【0275】この際のデータリードアクセス(106) は、
2次キャッシュメモリ21がプリフェッチ型のキャッシュ
メモリであるので、データ(A) とそれに連続するデータ
(B)とに対しても行われる。このデータリードアクセス
(106) に対して主記憶103 から読み出されたデータ(A)
は、2次キャッシュメモリ21には登録されずに1次キャ
ッシュメモリ20にのみ転送・登録(9) された上でデータ
処理装置100 へ転送(110) される。また、データ(A) に
連続するデータ(B) も主記憶103 から読み出されて2次
キャッシュメモリ21にのみ転送・登録(15)される。
【0276】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して2次キャッシュメモリ21でキ
ャッシュヒットした場合、そのヒットデータは1次キャ
ッシュメモリ20に転送・登録(111) された上でデータ処
理装置100 へ転送(110) される。この際、主記憶103 に
対するデータリードアクセスは行われない。
【0277】また、データ処理装置100 からのデータリ
ードアクセス要求に対して1次キャッシュメモリ20でキ
ャッシュヒットした場合、そのヒットデータはそのまま
データ処理装置100 へ転送(110) される。この際、2次
キャッシュメモリ21及び主記憶103 に対するデータリー
ドアクセスは行われない。
【0278】また、主記憶103 から1次キャッシュメモ
リ20にデータを転送・登録(9) する際に1次キャッシュ
メモリ20に登録不可能なデータが発生した場合は、2次
キャッシュメモリ21にそのデータが登録(8) される。
【0279】また、データ処理装置100 においてデータ
ライトアクセス要求が発生した場合、1次,2次キャッ
シュメモリ20, 21共にライトスルー方式のキャッシュメ
モリであれば、必ず1次キャッシュメモリ20に対して
も、2次キャッシュメモリ21に対しても、主記憶103 に
対してもデータライトアクセス(104, 105, 106) が行わ
れる。
【0280】この際にライトされるデータは、データ処
理装置100 から参照符号107 →108→109 の経路で1
次,2次キャッシュメモリ20, 21、更に主記憶103 へ転
送される。このような処理により、ライトスルー方式の
キャッシュメモリでは、データの一貫性が維持される。
【0281】図27の回路図に、本発明のデータ処理シス
テムの第14の発明の一実施例に備えられているプリフェ
ッチ型の2次キャッシュメモリ21がプリフェッチを行う
べきか否かを判断するプリフェッチ抑制回路の構成につ
いて説明する。
【0282】この第14の発明のデータ処理システムは、
図26に示されている第13の発明のデータ処理システムに
おいて、データ(A) に連続するデータ(B) が主記憶103
上になく、カウンタ等のキャッシング不適当な領域に存
在する場合があるため、そのような場合にプリフェッチ
型の2次キャッシュメモリ21がプリフェッチを行うべき
か否かを判断するためである。
【0283】図27において、参照符号70はプリフェッチ
抑制回路を示しており、2次キャッシュメモリ21内に備
えられている。このプリフェッチ抑制回路70は、キャッ
シング不適当なアドレス、たとえば I/Oアドレスを記憶
する I/Oレジスタ71と、 I/Oレジスタが有効である場合
にセットされるレジスタイネーブルビット72とで主とし
て構成されている。また、参照符号73はプリフェッチ抑
制回路イネーブル信号を、74はプリフェッチ禁止信号74
をそれぞれ示している。
【0284】I/Oレジスタ71は図27において左右方向の
一列で一つのアドレスを記憶するレジスタを構成し、そ
れぞれにレジスタイネーブルビット72が付属している。
そして、このプリフェッチ抑制回路70にアクセス対象の
アドレス (フェッチアドレス) が入力されると、レジス
タイネーブルビット72がアクティブであり且つアドレス
が一致するとそれぞれのレジスタが付属するレジスタイ
ネーブルビット72を介して接地される。従って、プリフ
ェッチ抑制回路イネーブル信号73がハイレベルであれ
ば、フェッチアドレスが I/Oアドレスと一致する場合に
はプリフェッチ禁止信号74としてローレベルの信号が、
不一致である場合にはハイレベルの信号がそれぞれ出力
される。
【0285】次に、図26及び図27に示されている本発明
のデータ処理システムの第14の発明の実施例の動作、特
にプリフェッチ抑制回路70の動作について説明する。
【0286】データ処理装置100 においてデータ(A) に
対するリードアクセス要求が発生した場合、まず1次キ
ャッシュメモリ20に対してデータリードアクセス(104)
が行われる。そして、1次キャッシュメモリ20内にデー
タ(A) が存在せずキャッシュミスが発生した場合、1次
キャッシュメモリ20から2次キャッシュメモリ21に対し
てデータリードアクセス(105) が行われる。この際のデ
ータリードアクセス(105) は、1次キャッシュメモリ20
がディマンド型のキャッシュメモリであるので、データ
(A) のみに対して行われる。更に、2次キャッシュメモ
リ21においてもキャッシュミスが発生した場合、2次キ
ャッシュメモリ21から主記憶103 に対してデータリード
アクセス(106) が行われる。
【0287】この際のデータリードアクセス(106) は、
2次キャッシュメモリ21がプリフェッチ型のキャッシュ
メモリであるので、本来のアクセス対象であるデータ
(A) のみならずそれに連続するデータ(B) に対しても行
われる。このため、プリフェッチされるデータ(B) のア
ドレスがプリフェッチ抑制回路70で I/Oレジスタ71と比
較される。この際、プリフェッチ抑制回路イネーブル信
号73はハイレベルにされるので、データ(B) のアドレス
が I/O領域であればプリフェッチ禁止信号74はハイレベ
ルになり、データ(B) のアドレスが I/O領域でなければ
プリフェッチ禁止信号74はローレベルになる。
【0288】2次キャッシュメモリ21では、プリフェッ
チ禁止信号74がローレベルである場合にそのフェッチア
ドレスはプリフェッチ可能と判断して主記憶103 に対す
るアクセスを実行する。そして、データリードアクセス
(106) に対して主記憶103 から読み出されたデータ(A)
は2次キャッシュメモリ21には登録されずに1次キャッ
シュメモリ20にのみ転送・登録(9) されてデータ処理装
置100 へ転送(110) される。また、データ(A) に連続す
るデータ(B) は2次キャッシュメモリ21にのみ転送・登
録(15)される。
【0289】また、データ(B) が I/O領域である場合は
プリフェッチ禁止信号74はハイレベルになってデータ
(A) に連続するデータ(B) はアクセスされず、2次キャ
ッシュメモリ21には登録されない。以上のようなプリフ
ェッチ抑制回路70の動作によりI/O領域のフェッチが回
避される。
【0290】図28のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第15及び第16の発明の一実施例としてマルチ
プロセッサシステムに適用した場合の実施例を示す。図
28において、参照符号100aは第1のデータ処理装置を、
100bは第2のデータ処理装置を、100cは内蔵キャッシュ
メモリを備えた第3のデータ処理装置をそれぞれ示して
いる。
【0291】参照符号 20aは第1のデータ処理装置100a
と接続された第1系列の1次キャッシュメモリを、 20b
は第2のデータ処理装置100bと接続された第2系列の1
次キャッシュメモリを、 21aは第1系列の1次キャッシ
ュメモリ20a と接続された第1系列の2次キャッシュメ
モリを、 21bは第2系列の1次キャッシュメモリ20bと
接続された第2系列の2次キャッシュメモリを、 21cは
第3のデータ処理装置100cと接続された第3系列の2次
キャッシュメモリをそれぞれ示している。
【0292】また、参照符号22は第1系列の2次キャッ
シュメモリ21a,び第2系列の2次キャッシュメモリ21b
及び第3系列の2次キャッシュメモリ21c と接続された
3次キャッシュメモリを、23は3次キャッシュメモリ22
と接続された4次キャッシュメモリを、 103は4次キャ
ッシュメモリ23と接続された主記憶をそれぞれ示してい
る。
【0293】以下、図28のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第15及び第16の発明の実施
例の動作について説明する。なお、第15の発明は前述の
図11及び図12, 13に示されている第4の発明をマルチプ
ロセッサシステムに適用した発明であり、第16の発明は
前述の図1及び図2, 図3に示されている第1の発明を
マルチプロセッサシステムに適用した例である。
【0294】第15の発明のデータ処理システムでは、第
1のデータ処理装置100aが主記憶103 にのみ存在するデ
ータ(A) のデータリードアクセス要求を発生すると、ま
ず第1系列の1次キャッシュメモリ20a はキャッシュミ
スを発生して第1系列の2次キャッシュメモリ21a をア
クセスする。しかし、この第1系列の2次キャッシュメ
モリ21a もキャッシュミスを発生して3次キャッシュメ
モリ22をアクセスする。更に、この3次キャッシュメモ
リ22もキャッシュミスを発生して4次キャッシュメモリ
23をアクセスする。しかし、この4次キャッシュメモリ
23もキャッシュミスを発生して主記憶103 をアクセスす
る。これにより、主記憶103 からデータ(A) が3次キャ
ッシュメモリ22と第1系列の1次キャッシュメモリ20a
とに登録される。
【0295】次に、上述の状態で第2のデータ処理装置
100bがデータ(A) のデータリードアクセス要求を発生す
ると、まず第2系列の1次キャッシュメモリ20b がキャ
ッシュミスを発生して第2系列の2次キャッシュメモリ
21b をアクセスする。しかし、この第2系列の2次キャ
ッシュメモリ21b もキャッシュミスを発生して3次キャ
ッシュメモリ22をアクセスする。
【0296】第15の発明までの各発明のデータ処理シス
テムでは、次に主記憶103 がアクセスされるが、第15の
発明のデータ処理システムでは3次キャッシュメモリ22
でキャッシュヒットするので、第2のデータ処理装置10
0bはデータ(A) をより迅速にリードする事ができる。
【0297】また、上述の第2のデータ処理装置100bに
よるデータのアクセスで3次キャッシュメモリ22がキャ
ッシュヒットしたが、第15の発明のデータ処理システム
では3次キャッシュメモリ22のデータ(A) は無効化され
ない。従って、第3のデータ処理装置100cによるデータ
(A) のデータリードアクセスが発生した場合にも、主記
憶103 までアクセスされずに3次キャッシュメモリ22で
キャッシュヒットするため、高速なデータアクセスが可
能になる。
【0298】図29のブロック図に、本発明のデータ処理
システムの第17及び第18の発明の一実施例として多階層
のキャッシュメモリを備え、且つアドレススヌープ機能
を有するデータ処理システムの構成例を示す。
【0299】図29において、参照符号100 はデータ処理
装置を、20はデータ処理装置100 と接続された1次キャ
ッシュメモリを、21は1次キャッシュメモリ20と接続さ
れた2次キャッシュメモリを、22は2次キャッシュメモ
リ21と接続された3次キャッシュメモリを、103 は3次
キャッシュメモリ22及びデータ処理装置100 と接続され
た主記憶を、 115は主記憶103 と接続されていて主記憶
103 の内容を書き換えることが可能な他の処理装置をそ
れぞれ示している。
【0300】以下、図29のブロック図に示されている本
発明のデータ処理システムの第17及び第18の発明の実施
例の動作について説明する。
【0301】まず説明の簡略化のために、アドレススヌ
ープの基本的な機能について説明する。主記憶103 のデ
ータ(A) をたとえば2次キャッシュメモリ21が記憶して
いる状態において他の処理装置115 が主記憶103 のデー
タ(A) を(AA)に書き換えた場合、2次キャッシュメモリ
21に登録されている内容と主記憶103 の内容とが異なる
状態が生じる。このような主記憶103 と各キャッシュメ
モリとの間でのデータの不一致を回避するため、各キャ
ッシュメモリは主記憶103 中のデータがデータ処理装置
100 以外の装置によって書き換えられた場合には対応す
るデータを書き換える必要が生じる。
【0302】従来の複数のキャッシュメモリを備えたデ
ータ処理システムであれば、複数のキャッシュメモリが
同一のデータを保持しているので、上述のようなアドレ
ススヌープに際しては全てのキャッシュメモリにデータ
書換えのための起動がかけられる。このように、全ての
キャッシュメモリを一斉に起動するとデータ処理システ
ム全体としての消費電力が増大する。
【0303】しかし、本発明のデータ処理システムの第
17及び第18の発明では、複数のキャッシュメモリが重複
してデータを持つことはないので、全てのキャッシュメ
モリを起動する必要はない。以下に具体的に説明する。
【0304】第17の発明のデータ処理システムでは、他
の処理装置115 が主記憶103 のデータ(A) を(AA)に書き
換えた場合、まず1次キャッシュメモリ20は自身がデー
タ(A) を保持しているか否かを判断する。この結果、1
次キャッシュメモリ20はデータ(A) を保持していないの
で、下段の2次キャッシュメモリ21にデータ(A) の書き
換えを指示する。
【0305】次に2次キャッシュメモリ21は自身がデー
タ(A) を保持しているか否かを判断する。この結果、2
次キャッシュメモリ21はデータ(A) を保持しているの
で、データ(A) を無効化する。2次キャッシュメモリ21
より下段の各キャッシュメモリにはデータ(A) は保持さ
れていないので、3次キャッシュメモリ22は起動されな
い。従って、消費電力の低減が計れる。
【0306】また第18の発明のデータ処理システムで
は、他の処理装置115 が主記憶103 のデータ(A) を(AA)
に書き換えた場合、まず3次キャッシュメモリ22は自身
がデータ(A) を保持しているか否かを判断する。この結
果、3次キャッシュメモリ22はデータ(A) を保持してい
ないので、上段の2次キャッシュメモリ21にデータ(A)
の書き換えを指示する。
【0307】次に2次キャッシュメモリ21は自身がデー
タ(A) を保持しているか否かを判断する。この結果、2
次キャッシュメモリ21はデータ(A) を保持しているの
で、データ(A) を(AA)に書き換える。2次キャッシュメ
モリ21より上段の各キャッシュメモリにはデータ(A) は
保持されていないので、1次キャッシュメモリ20は起動
されない。従って、消費電力の低減が計れる。
【0308】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明のデータ処
理システムによれば、より上段のキャッシュメモリが要
求したデータとより下段のキャッシュメモリが要求した
データとが重複する場合、上段側のキャッシュメモリが
要求したデータ領域は上段側のキャッシュメモリにのみ
登録され、下段側のキャッシュメモリには上段側のキャ
ッシュメモリが要求したデータ領域を除いたデータが登
録される。このようなデータアクセスの手順を採ること
により、キャッシュメモリ全体としては重複するデータ
を保持することを極力少なくすることが可能になる。
【0309】従って、より多くのデータコピーを主記憶
からキャッシュメモリ全体へ取り込むことが可能とな
り、データ処理装置からのデータアクセスに対するキャ
ッシュヒット率が向上すると共に、データ処理装置から
キャッシュメモリに対してより高速にデータアクセス可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1の実施例としての2階層のキ
ャッシュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を
示すブロック図である。
【図2】第1の発明のデータ処理システムの第1の実施
例の1次キャッシュメモリを2次キャッシュメモリと接
続した場合の回路構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の発明のデータ処理システムの第1の実施
例の2次キャッシュメモリを1次キャッシュメモリと接
続した場合の回路構成例を示すブロック図である。
【図4】第1の発明の第2の実施例としての2階層のキ
ャッシュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を
示すブロック図である。
【図5】第2の発明の実施例としての2階層のキャッシ
ュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示すブ
ロック図である。
【図6】第2の発明のデータ処理システムの1次キャッ
シュメモリを2次キャッシュメモリと接続した場合の回
路構成例を示すブロック図である。
【図7】第2の発明のデータ処理システムの2次キャッ
シュメモリを1次キャッシュメモリと接続した場合の回
路構成例を示すブロック図である。
【図8】第3の発明の実施例としての2階層のキャッシ
ュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示すブ
ロック図である。
【図9】第3の発明のデータ処理システムの1次キャッ
シュメモリを2次キャッシュメモリと接続した場合の回
路構成例を示すブロック図である。
【図10】第3の発明のデータ処理システムの2次キャ
ッシュメモリを1次キャッシュメモリと接続した場合の
回路構成例を示すブロック図である。
【図11】第4の発明の実施例としての2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示す
ブロック図である。
【図12】第4の発明のデータ処理システムの1次キャ
ッシュメモリを2次キャッシュメモリと接続した場合の
回路構成例を示すブロック図である。
【図13】第4の発明のデータ処理システムの2次キャ
ッシュメモリを1次キャッシュメモリと接続した場合の
回路構成例を示すブロック図である。
【図14】第5の発明の実施例としての2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示す
ブロック図である。
【図15】第5の発明のデータ処理システムの1次キャ
ッシュメモリを2次キャッシュメモリと接続した場合の
回路構成例を示すブロック図である。
【図16】第5の発明のデータ処理システムの2次キャ
ッシュメモリを1次キャッシュメモリと接続した場合の
回路構成例を示すブロック図である。
【図17】第6の発明の実施例としての2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示す
ブロック図である。
【図18】第7の発明の実施例としての2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示す
ブロック図である。
【図19】第8の発明の実施例としての2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示す
ブロック図である。
【図20】第9の発明の実施例としての2階層のキャッ
シュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示す
ブロック図である。
【図21】第10の発明の実施例としての2階層のキャ
ッシュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
すブロック図である。
【図22】第10の発明のデータ処理システムの1次キ
ャッシュメモリを2次キャッシュメモリと接続した場合
の回路構成例を示すブロック図である。
【図23】第10の発明のデータ処理システムの2次キ
ャッシュメモリを1次キャッシュメモリと接続した場合
の回路構成例を示すブロック図である。
【図24】第11の発明の実施例としての2階層のキャ
ッシュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
すブロック図である。
【図25】第12の発明の実施例としての2階層のキャ
ッシュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
すブロック図である。
【図26】第13の発明の実施例としての2階層のキャ
ッシュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
すブロック図である。
【図27】第14の発明の実施例としての2階層のキャ
ッシュメモリを備えたデータ処理システムの構成例を示
すブロック図である。
【図28】第15及び第16の発明の実施例としての2
階層のキャッシュメモリを備えたデータ処理システムの
構成例を示すブロック図である。
【図29】第17及び第18の発明の実施例としての2
階層のキャッシュメモリを備えたデータ処理システムの
構成例を示すブロック図である。
【図30】従来の2階層のキャッシュメモリを備えたデ
ータ処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図31】従来のデータ処理システムのキャッシュメモ
リの一般的な回路構成例を示すブロック図である。
【図32】従来のデータ処理システムの1次キャッシュ
メモリを2次キャッシュメモリと接続した場合の回路構
成例を示すブロック図である。
【図33】従来のデータ処理システムの2次キャッシュ
メモリを1次キャッシュメモリと接続した場合の回路構
成例を示すブロック図である。
【図34】従来のデータ処理システムのキャッシュメモ
リにおけるデータアクセス過程の詳細を説明するための
模式図である。
【符号の説明】
10 1次キャッシュメモリ 11 2次キャッシュメモリ 20 1次キャッシュメモリ 20a 1次キャッシュメモリ 20b 1次キャッシュメモリ 21 2次キャッシュメモリ 21a 2次キャッシュメモリ 21b 2次キャッシュメモリ 21c 2次キャッシュメモリ 22 3次キャッシュメモリ 23 4次キャッシュメモリ 60 アドレスバス 61 アドレスバス 62 アドレスバス 63 データバス 65 データバス 67 データバス 70 プリフェッチ抑制回路 100 データ処理装置 100a データ処理装置 100b データ処理装置 100c データ処理装置 101 1次キャッシュメモリ 102 2次キャッシュメモリ 103 主記憶 115 他の処理装置
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】この一連の処理において、2次キャッシュ
メモリ102 へのデータリードアクセス(105) でキャッシ
ュヒット(要求されたデータがキャッシュメモリ内に登
録されている状態)した場合、その要求されたデータ
(以下、ヒットデータという)は1次キャッシュメモリ1
01 へ転送(111) されて登録された上でデータ処理装置1
00 へ転送(110) される。なお上述のような2次キャッ
シュメモリ102 へのデータリードアクセス(105)でキャ
ッシュヒットした場合には、主記憶103 へのデータリー
ドアクセス(106)は行われない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0164
【補正方法】変更
【補正内容】
【0164】また、本実施例の1次キャッシュメモリ10
では、主記憶103 から直接転送されてきたデータをライ
ンバッファ35を通じて登録する際に登録しきれないデー
タが発生した場合、即ち4ウェイ共に同一ラインにデー
タが登録されている場合は、その登録しきれないデータ
が出力バッファ37へ転送されて一旦保持される。出力バ
ッファ37に保持されたデータは、データバス67へ出力さ
れ、更にバイパス経路66, データバス65, バイパス経路
64, データバス63を経て2次キャッシュメモリ11のライ
ンバッファ35へ転送される。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データ処理装置と主記憶との間にn階層
    (但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列されて
    おり、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象データが自身に存在している場合は前記アクセス対
    象データを前記第(m−1)階層のキャッシュメモリへ
    転送し、その後、自身に存在する前記アクセス対象デー
    タを無効化すべくなしてあることを特徴とするデータ処
    理システム。
  2. 【請求項2】 データ処理装置と主記憶との間にn階層
    (但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列されて
    おり、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 第k階層(但し、1≦k≦n)のキャッシュメモリは、
    第(k−1)階層のキャッシュメモリからのデータリー
    ドアクセス要求に際して、アクセス対象データが自身以
    降の階層の全てのキャッシュメモリ内に存在しない場合
    にデータ登録が可能なメモリ空間の存否を検出し、デー
    タ登録が可能なメモリ空間が存在する場合は前記主記憶
    から転送されるアクセス対象データを登録し、データ登
    録が可能なメモリ空間が存在しない場合は登録を禁じる
    べくなしてあることを特徴とするデータ処理システム。
  3. 【請求項3】 データ処理装置と主記憶との間にn階層
    (但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列されて
    おり、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 第m階層のキャッシュメモリは、第(m−1)階層のキ
    ャッシュメモリからのデータリードアクセス要求に際し
    て、アクセス対象データが自身以降の階層の全てのキャ
    ッシュメモリ内に存在しない場合にデータ登録が可能な
    メモリ空間の存否を第(m−1)階層以上のキャッシュ
    メモリで検出し、データ登録が可能なメモリ空間が前記
    第(m−1)階層以上のキャッシュメモリに存在しない
    場合は自身に前記アクセス対象データを登録すべくなし
    てあることを特徴とするデータ処理システム。
  4. 【請求項4】 データ処理装置と主記憶との間にn階層
    (但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列されて
    おり、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第1階層のキャッシュメモリは、前記データ処理装
    置からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象データが自身に存在しない場合は第2階層のキャッ
    シュメモリに前記データリードアクセス要求を出力し、
    第2階層以降のキャッシュメモリ全てにおいても前記ア
    クセス対象データが存在しない場合は前記主記憶から転
    送される前記アクセス対象データを登録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、前記アク
    セス対象データが自身に存在しない場合は第(m+1)
    階層のキャッシュメモリから転送される前記アクセス対
    象データの登録を禁じ、 第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモリは、
    前記主記憶から前記アクセス対象データを前記第1階層
    のキャッシュメモリに登録する前記一連の処理に際し
    て、第(k−1)階層のキャッシュメモリで登録不可能
    なデータが発生した場合は前記登録不可能なデータを自
    身に登録すべくなしてあることを特徴とするデータ処理
    システム。
  5. 【請求項5】 データ処理装置と主記憶との間にn階層
    (但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列されて
    おり、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象データが自身に存在する場合は前記アクセス対象デ
    ータを前記第1階層のキャッシュメモリへ転送し、 第(k−1)階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメ
    モリは、前記主記憶から前記アクセス対象データを前記
    第1階層のキャッシュメモリに登録する前記一連の処理
    に際して自身に登録不可能なデータが発生した場合は前
    記登録不可能なデータを第k階層のキャッシュメモリへ
    転送し、 前記第k階層のキャッシュメモリは、前記登録不可能な
    データが自身に存在しない場合にのみ登録すべくなして
    あることを特徴とするデータ処理システム。
  6. 【請求項6】 データ処理装置と主記憶との間にn階層
    (但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列されて
    おり、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、自身にア
    クセス対象データが存在する場合に前記アクセス対象デ
    ータを前記第1階層のキャッシュメモリへ転送し、 第(k−1)階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメ
    モリは、前記アクセス対象データを前記第1階層のキャ
    ッシュメモリに登録する前記一連の処理に際して、登録
    不可能なデータが自身に発生した場合は前記登録不可能
    なデータを前記第k階層のキャッシュメモリへ転送し、 前記第k階層のキャッシュメモリは、前記登録不可能な
    データが自身に存在しない場合にのみ前記アクセス対象
    データが存在していた部分に登録すべくなしてあること
    を特徴とするデータ処理システム。
  7. 【請求項7】 データ処理装置と主記憶との間にn階層
    (但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列されて
    おり、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第1階層のキャッシュメモリは前記データ処理装置
    からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス対
    象データが自身に存在しない場合は第2階層のキャッシ
    ュメモリに前記データリードアクセス要求を出力し、第
    2階層以降のキャッシュメモリ全てにおいても前記アク
    セス対象データが存在しない場合は前記主記憶から転送
    されくる前記アクセス対象データを登録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、前記アク
    セス対象データが自身に存在しない場合は第(m+1)
    階層のメモリから転送されてくる前記アクセス対象デー
    タの登録を禁じ、 第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモリは、
    前記主記憶から前記アクセス対象データを前記第1階層
    のキャッシュメモリに登録する前記一連の処理に際し
    て、第(k−1)階層のキャッシュメモリに登録不可能
    なデータが発生した場合は前記登録不可能なデータを自
    身に登録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象データが自身に存在している場合は前記アクセス対
    象データを前記第(m−1)階層のキャッシュメモリへ
    転送し、その後、自身に存在している前記アクセス対象
    データを無効化すべくなしてあることを特徴とするデー
    タ処理システム。
  8. 【請求項8】 データ処理装置と主記憶との間にn階層
    (但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列されて
    おり、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第1階層のキャッシュメモリは前記データ処理装置
    からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス対
    象の第1のデータが自身に存在しない場合は第2階層の
    キャッシュメモリに前記データリードアクセス要求を出
    力し、第2階層以降のキャッシュメモリ全てにおいても
    前記第1の対象データが存在しない場合は前記主記憶か
    ら転送されくる前記第1のデータを登録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからの前記第1のデータのデータリードアクセス要求
    に際して、前記第1のデータが自身に存在しない場合は
    第(m+1)階層のメモリから転送されてくる前記第1
    のデータの登録を禁じ、 第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモリは、
    前記主記憶から前記第1のデータを前記第1階層のキャ
    ッシュメモリに登録する前記一連の処理に際して、第
    (k−1)階層のキャッシュメモリに登録不可能な第2
    のデータが発生した場合は前記第2のデータを自身に登
    録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象の第3のデータが自身に存在している場合は前記第
    3のデータを前記第(m−1)階層のキャッシュメモリ
    へ転送し、その後、自身に存在している前記第3のデー
    タを無効化し、 第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモリは、
    前記第3のデータを前記第1階層のキャッシュメモリに
    登録する前記一連の処理に際して、第(k−1)階層の
    キャッシュメモリに登録不可能な第4のデータが発生し
    た場合は前記第4のデータを自身に登録すべくなしてあ
    ることを特徴とするデータ処理システム。
  9. 【請求項9】 データ処理装置と主記憶との間にn階層
    (但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列されて
    おり、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第1階層のキャッシュメモリは前記データ処理装置
    からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス対
    象の第1のデータが自身に存在しない場合は第2階層の
    キャッシュメモリに前記データリードアクセス要求を出
    力し、第2階層以降のキャッシュメモリ全てにおいても
    前記第1の対象データが存在しない場合は前記主記憶か
    ら転送されくる前記第1のデータを登録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからの前記第1のデータのデータリードアクセス要求
    に際して、前記第1のデータが自身に存在しない場合は
    第(m+1)階層のメモリから転送されてくる前記第1
    のデータの登録を禁じ、 第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモリは、
    前記主記憶から前記第1のデータを前記第1階層のキャ
    ッシュメモリに登録する前記一連の処理に際して、第
    (k−1)階層のキャッシュメモリに登録不可能な第2
    のデータが発生した場合は前記第2のデータを自身に登
    録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象の第3のデータが自身に存在している場合は前記第
    3のデータを前記第(m−1)階層のキャッシュメモリ
    へ転送し、その後、自身に存在している前記第3のデー
    タを無効化し、 前記第k階層のキャッシュメモリは、前記第3のデータ
    を前記第1階層のキャッシュメモリに登録する前記一連
    の処理に際して、第(k−1)階層(但し、1≦k<
    n)のキャッシュメモリに登録不可能な第4のデータが
    発生した場合は自身の前記第3のデータが存在していた
    部分に前記第4のデータを登録すべくなしてあることを
    特徴とするデータ処理システム。
  10. 【請求項10】 データ処理装置と主記憶との間にn階
    層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列され
    ており、 前記キャッシュメモリは全て、前記データ処理装置にデ
    ータアクセスのためのアドレスバスとデータ転送のため
    のデータバスとで接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    前記主記憶に他のアドレスバスとデータバスとで接続さ
    れたデータ処理システムにおいて、 前記第1階層のキャッシュメモリは、前記データ処理装
    置からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象データが自身に存在しない場合は第2階層のキャッ
    シュメモリに前記データリードアクセス要求を出力し、
    第2階層以降のキャッシュメモリ全てにおいても前記ア
    クセス対象データが存在しない場合は前記主記憶から直
    接転送される前記アクセス対象データを登録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、前記アク
    セス対象データが自身に存在しない場合には前記要求に
    対する前記データを取り込まず、 第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモリは、
    前記主記憶から前記アクセス対象データを前記第1階層
    のキャッシュメモリに登録する前記一連の処理に際し
    て、第(k−1)階層のキャッシュメモリで登録不可能
    なデータが発生した場合は前記登録不可能なデータを自
    身に登録すべくなしてあることを特徴とするデータ処理
    システム。
  11. 【請求項11】 データ処理装置と主記憶との間にn階
    層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列され
    ており、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と前記主記憶とにデータア
    クセスのためのアドレスバスとデータ転送のためのデー
    タバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリに他のアドレスバ
    スとデータバスとで接続されており、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第1階層のキャッシュメモリは、前記データ処理装
    置からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象データが自身に存在しない場合は第2階層のキャッ
    シュメモリに前記データリードアクセス要求を出力し、
    第2階層以降のキャッシュメモリ全てにおいても前記ア
    クセス対象データが存在しない場合は前記主記憶から直
    接転送される前記アクセス対象データを登録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、前記アク
    セス対象データが自身に存在しない場合には前記要求に
    対する前記データを取り込まず、 第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモリは、
    前記主記憶から前記アクセス対象データを前記第1階層
    のキャッシュメモリに登録する前記一連の処理に際し
    て、第(k−1)階層のキャッシュメモリで登録不可能
    なデータが発生した場合は前記登録不可能なデータを自
    身に登録すべくなしてあることを特徴とするデータ処理
    システム。
  12. 【請求項12】 データ処理装置と主記憶との間にn階
    層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列され
    ており、 前記キャッシュメモリは全て、前記データ処理装置にデ
    ータアクセスのためのアドレスバスとデータ転送のため
    のデータバスとで接続されており、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記主記憶に他のアドレスバスとデータバスと
    で接続されたデータ処理システムにおいて、 前記第1階層のキャッシュメモリは、前記データ処理装
    置からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象データが自身に存在しない場合は第2階層のキャッ
    シュメモリに前記データリードアクセス要求を出力し、
    第2階層以降のキャッシュメモリ全てにおいても前記ア
    クセス対象データが存在しない場合は前記主記憶から直
    接転送される前記アクセス対象データを登録し、 前記第2階層以降の第m階層(但し、2≦m≦n)のキ
    ャッシュメモリは、第(m−1)階層のキャッシュメモ
    リからのデータリードアクセス要求に際して、前記アク
    セス対象データが自身に存在しない場合には前記要求に
    対する前記データを取り込まず、 第k階層(但し、1≦k<n)のキャッシュメモリは、
    前記主記憶から前記アクセス対象データを前記第1階層
    のキャッシュメモリに登録する前記一連の処理に際し
    て、第(k−1)階層のキャッシュメモリで登録不可能
    なデータが発生した場合は前記登録不可能なデータを自
    身に登録すべくなしてあることを特徴とするデータ処理
    システム。
  13. 【請求項13】 データ処理装置と主記憶との間にn階
    層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリが配列され
    ており、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとでそれぞれ接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとでそれぞれ接続されて
    おり、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとでそれぞれ接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第1階層のキャッシュメモリは、前記データ処理装
    置からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象の第1のデータが自身に存在しない場合は前記主記
    憶から転送される前記第1のデータを登録し、 前記第2階層以降の第2のキャッシュメモリは、上位階
    層の第1キャッシュメモリからのデータリードアクセス
    に際して、前記アクセス対象の第2のデータが自身に存
    在しない場合は下位階層の第3のキャッシュメモリに前
    記第2のデータに対するデータリードアクセス要求と前
    記第2のデータに連続する第3のデータに対するデータ
    リードアクセス要求とを出力し、主記憶から転送される
    前記第2のデータは書き込まずに、主記憶から転送され
    る前記第3のデータを登録すべくなしてあることを特徴
    とするデータ処理システム。
  14. 【請求項14】 データ処理装置と主記憶との間にn階
    層以上(但し、n≧1)のキャッシュメモリを備え、 前記キャッシュメモリの内少なくとも1つが、 データリードアクセス要求に際して、アクセス対象の第
    1のデータが自身に存在しない場合はより下位階層のキ
    ャッシュメモリまたは前記主記憶に前記第1のデータの
    リードアクセス要求を行い、 上位階層のキャッシュメモリまたは前記データ処理装置
    からのデータリードアクセス要求が存在しなくとも、前
    記第1のデータの近傍に存在する第2のデータをより下
    位階層のキャッシュメモリまたは前記主記憶にリードア
    クセスすべくなしてあるデータ処理システムにおいて、 前記キャッシュメモリは、前記第2のデータのリードア
    クセスを行うか否かを判断するためのプリフェッチ抑制
    回路を備えたことを特徴とするデータ処理システム。
  15. 【請求項15】 n個(但し、n≧2)のデータ処理装
    置と主記憶との間にm階層以上(但し、m≧2)のキャ
    ッシュメモリを備えたデータ処理システムにおいて、 第i番(但し、1≦i≦n)のデータ処理装置に最も近
    い第i系列の第1階層のキャッシュメモリは、前記第i
    番のデータ処理装置と第i系列の第2階層のキャッシュ
    メモリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデー
    タ転送のためのデータバスとで接続されており、 前記主記憶に最も近い第m階層のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとで接続されており、 第i系列の第k階層(但し、2≦k<m)のキャッシュ
    メモリは、第i系列の第(k−1)階層のキャッシュメ
    モリと第j系列(但し、1≦j≦n)の第l階層(但
    し、2≦l<m−1)のキャッシュメモリと第(k+
    1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデ
    ータバスとで接続されており、 第p階層(但し、2≦p<m、p≠k)のキャッシュメ
    モリは、第(p−1)階層のキャッシュメモリと第(p
    +1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスと
    データバスとで接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第1階層のキャッシュメモリは前記データ処理装置
    からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス対
    象データが自身に存在しない場合は下位階層のキャッシ
    ュメモリまたは前記主記憶から転送される前記アクセス
    対象データを登録し、 前記第k階層のキャッシュメモリは、上位階層のキャッ
    シュメモリからのデータリードアクセス要求に際して、
    アクセス対象データが自身に存在しない場合は下位階層
    のキャッシュメモリまたは前記主記憶から転送される前
    記アクセス対象データを登録し、 前記第p階層のキャッシュメモリは、上位階層のキャッ
    シュメモリからのデータリードアクセスに際して、アク
    セス対象データが自身に存在しない場合は下位階層のキ
    ャッシュメモリまたは前記主記憶から転送される前記ア
    クセス対象データを登録しないようになしてあることを
    特徴とするデータ処理システム。
  16. 【請求項16】 n個(但し、n≧2)のデータ処理装
    置と主記憶との間にm階層以上(但し、m≧2)のキャ
    ッシュメモリを備えたデータ処理システムにおいて、 第i番(但し、1≦i≦n)のデータ処理装置に最も近
    い第i系列の第1階層のキャッシュメモリは、前記第i
    番のデータ処理装置と第i系列の第2階層のキャッシュ
    メモリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデー
    タ転送のためのデータバスとで接続されており、 前記主記憶に最も近い第m階層のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとで接続されており、 第i系列の第k階層(但し、2≦k<m)のキャッシュ
    メモリは、第i系列の第(k−1)階層のキャッシュメ
    モリと第j系列(但し、1≦j≦n)の第l階層(但
    し、2≦l<m−1)のキャッシュメモリと第(k+
    1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデ
    ータバスとで接続されており、 第p階層(但し、2≦p<m、p≠k)のキャッシュメ
    モリは、第(p−1)階層のキャッシュメモリと第(p
    +1)階層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスと
    データバスとで接続されたデータ処理システムにおい
    て、 前記第1階層のキャッシュメモリは、前記データ処理装
    置からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象データが自身に存在する場合は前記データ処理装置
    へ前記アクセス対象データを出力し、 前記第k階層のキャッシュメモリは、上位階層のキャッ
    シュメモリからのデータリードアクセス要求に際して、
    アクセス対象データが自身に存在する場合は前記データ
    処理装置または上位階層のキャッシュメモリへ前記アク
    セス対象データを出力し、 前記第p階層のキャッシュメモリは、上位階層のキャッ
    シュメモリからのデータリードアクセスに際して、アク
    セス対象データが自身に存在する場合は前記データ処理
    装置または上位階層のキャッシュメモリへ前記アクセス
    対象データを出力し、その後、自身に存在している前記
    アクセス対象データを無効化すべくなしてあることを特
    徴とするデータ処理システム。
  17. 【請求項17】 データ処理装置と主記憶との間にn階
    層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリを備え、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとで接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとで接続されており、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとで接続されたデータ処理システムにおいて、 前記第1階層のキャッシュメモリは、前記データ処理装
    置からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス
    対象データが自身に存在しない場合は下位階層のキャッ
    シュメモリまたは前記主記憶から転送される前記アクセ
    ス対象データを登録し、 前記第m階層のキャッシュメモリは、上位階層のキャッ
    シュメモリからのデータリードアクセスに際して、アク
    セス対象データが自身に存在しない場合は下位階層のキ
    ャッシュメモリまたは前記主記憶から転送される前記ア
    クセス対象データを登録せず、上位階層のキャッシュメ
    モリからのライトデータを登録するべくなしてあるデー
    タ処理システムにおいて、 前記データ処理装置または前記キャッシュメモリ以外の
    装置が前記主記憶装置のデータを書き換えた場合に、 前記第n階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリ
    は、第(m−1)階層のキャッシュメモリに前記データ
    が登録されていない場合は前記第n階層のキャッシュメ
    モリに前記第1のデータが登録されているかを検索し、
    登録されていない場合は次段の第(m+1)階層のキャ
    ッシュメモリに前記第1のデータを検索させ、前記第m
    階層のキャッシュメモリに前記第1のデータが登録され
    ている場合は次段の第(m+1)階層のキャッシュメモ
    リに前記第1のデータを検索させないようになしてある
    ことを特徴とするデータ処理システム。
  18. 【請求項18】 データ処理装置と主記憶との間にn階
    層(但し、n≧2)以上のキャッシュメモリを備え、 前記データ処理装置に最も近い第1階層のキャッシュメ
    モリは、前記データ処理装置と第2階層のキャッシュメ
    モリとにデータアクセスのためのアドレスバスとデータ
    転送のためのデータバスとで接続されており、 前記主記憶に最も近い第n階層のキャッシュメモリは、
    第(n−1)階層のキャッシュメモリと前記主記憶とに
    他のアドレスバスとデータバスとで接続されており、 第m階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリは、
    第(m−1)階層のキャッシュメモリと第(m+1)階
    層のキャッシュメモリとに他のアドレスバスとデータバ
    スとで接続されており、 前記第1階層のキャッシュメモリは前記データ処理装置
    からのデータリードアクセス要求に際して、アクセス対
    象データが自身に存在しない場合は下位階層のキャッシ
    ュメモリまたは前記主記憶から転送される前記データを
    登録し、 前記第m階層のキャッシュメモリは、上位階層のキャッ
    シュメモリからのデータリードアクセスに際して、アク
    セス対象データが自身に存在しない場合は下位階層のキ
    ャッシュメモリまたは前記主記憶から転送される前記デ
    ータを登録せず、上位階層のキャッシュメモリからのラ
    イトデータを登録すべくなしてあるデータ処理システム
    において、 前記データ処理装置または前記キャッシュメモリ以外の
    装置が前記主記憶装置のデータを書き換えた場合に、 前記第n階層(但し、2≦m<n)のキャッシュメモリ
    は、第(m−1)階層のキャッシュメモリに前記データ
    が登録されていない場合は前記第n階層のキャッシュメ
    モリに前記データが登録されているか検索させ、登録さ
    れていない場合は次段の第(m+1)階層のキャッシュ
    メモリに前記データを検索させ、前記第m階層のキャッ
    シュメモリに前記データが登録されている場合は次段の
    第(m+1)階層のキャッシュメモリに前記データの検
    索をさせないようになしてあることを特徴とするデータ
    処理システム。
JP5036384A 1993-02-25 1993-02-25 複数階層のキャッシュメモリを備えたデータ処理システム Pending JPH06250926A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5036384A JPH06250926A (ja) 1993-02-25 1993-02-25 複数階層のキャッシュメモリを備えたデータ処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5036384A JPH06250926A (ja) 1993-02-25 1993-02-25 複数階層のキャッシュメモリを備えたデータ処理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06250926A true JPH06250926A (ja) 1994-09-09

Family

ID=12468357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5036384A Pending JPH06250926A (ja) 1993-02-25 1993-02-25 複数階層のキャッシュメモリを備えたデータ処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06250926A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6385697B1 (en) 1998-12-15 2002-05-07 Nec Corporation System and method for cache process
JP2009252165A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Toshiba Corp マルチプロセッサシステム
US7673104B2 (en) 2004-08-31 2010-03-02 Fujitsu Limited Information processing apparatus, system controller, local snoop control method, and local snoop control program recorded computer-readable recording medium

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6385697B1 (en) 1998-12-15 2002-05-07 Nec Corporation System and method for cache process
US7673104B2 (en) 2004-08-31 2010-03-02 Fujitsu Limited Information processing apparatus, system controller, local snoop control method, and local snoop control program recorded computer-readable recording medium
JP2009252165A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Toshiba Corp マルチプロセッサシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5689679A (en) Memory system and method for selective multi-level caching using a cache level code
USRE45078E1 (en) Highly efficient design of storage array utilizing multiple pointers to indicate valid and invalid lines for use in first and second cache spaces and memory subsystems
EP0945805B1 (en) A cache coherency mechanism
US5826052A (en) Method and apparatus for concurrent access to multiple physical caches
AU608447B2 (en) Data memory system
JP4447580B2 (ja) 分散共有メモリマルチプロセッサシステムのための分割疎ディレクトリ
US6647466B2 (en) Method and apparatus for adaptively bypassing one or more levels of a cache hierarchy
US6912623B2 (en) Method and apparatus for multithreaded cache with simplified implementation of cache replacement policy
US7266647B2 (en) List based method and apparatus for selective and rapid cache flushes
US5715427A (en) Semi-associative cache with MRU/LRU replacement
JPH03142644A (ja) キャッシュメモリ制御方法とこのキャッシュメモリ制御方法を用いたプロセッサおよび情報処理装置
JPH04233048A (ja) 多重レベルキャッシュの制御方法及び装置
US7039768B2 (en) Cache predictor for simultaneous multi-threaded processor system supporting multiple transactions
US8621152B1 (en) Transparent level 2 cache that uses independent tag and valid random access memory arrays for cache access
JPH08272693A (ja) 仮想アドレスについてのキャッシュ可能性属性ビットを備えた変換テーブル・エントリ及びそのビットを用いた仮想アドレスの参照方法並びにその仮想アドレスの参照装置
US5179675A (en) Data processing system with cache memory addressable by virtual and physical address
US6145057A (en) Precise method and system for selecting an alternative cache entry for replacement in response to a conflict between cache operation requests
US6766434B2 (en) Method for sharing a translation lookaside buffer between CPUs
CN115617709A (zh) 缓存管理方法及装置、缓存装置、电子装置和介质
JP3929872B2 (ja) キャッシュメモリ、プロセッサ及びキャッシュ制御方法
US6202128B1 (en) Method and system for pre-fetch cache interrogation using snoop port
US6049849A (en) Imprecise method and system for selecting an alternative cache entry for replacement in response to a conflict between cache operation requests
US6347363B1 (en) Merged vertical cache controller mechanism with combined cache controller and snoop queries for in-line caches
JPH1091521A (ja) 二重ディレクトリー仮想キャッシュ及びその制御方法
JPH06250926A (ja) 複数階層のキャッシュメモリを備えたデータ処理システム