JPH062494Y2 - ポテト移植作業機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、ポテト移植作業機に関するものである。

（ロ）従来の技術 従来、ポテト移植作業機は、トラクタの後部にマルチ作
業機を連結し、トラクタとマルチ作業機との間にポテト
プランターを配設して、ポテト移植とマルチ作業とを同
時に連続して行なえるようにしている。

そして、マルチ作業機とポテトプランターとは一体的に
連結している。

（ハ）考案が解決しようとする課題 ところが、上記ポテト移植作業機は、マルチ作業機とポ
テトプランターとを一体的に連結しているために、ポテ
ト移植と覆土作業とを同時に連続して行なう路地栽培を
したい場合に、マルチ作業機と覆土作業機との付替えを
容易に行なうことができないという問題があった。

（ニ）問題点を解決するための手段 そこで、本考案では、トラクタの後部にポテトプランタ
ーを昇降自在に連結し、同ポテトプランターの後部に設
けた連結機構に、畝整形マルチ作業機と覆土作業機とを
付替え自在に連結してなるポテト移植作業機を提供せん
とするものである。

（ホ）作用・効果 本考案では、トラクタの後部に連結したポテトプランタ
ーの後部に、畝整形マルチ作業機と覆土作業機とを連結
機構により付替え自在に連結できるようにしているため
に、ポテト移植とマルチ作業という一連の作業、又はポ
テト移植と覆土作業という一連の作業の変更を、迅速か
つ簡単に行なうことができ、作業能率の向上を図ること
ができる。

（ヘ）実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、第１図及
び第２図に示す(M)はポテト移植作業機であり、トラク
タ(A)の後方にポテトプランター(B)を配設し、更にその
後方に畝整形マルチ作業機(C)又は覆土作業機(D)を配設
しており、ポテトプランター(B)も畝整形マルチ作業機
(C)又は覆土作業機(D)も、連結機構(F)を介してトラク
タ(A)の後部にそれぞれ連結している。

トラクタ(A)は、機体(1)の前部にエンジンを搭載し、そ
の後方の運転席(2)を設け、前後車輪(3)を介して走行可
能に構成されており、機体後部には、作業機昇降用の油
圧作動部(5)と、作業機に動力を伝達する為にミッショ
ン部(6)後部に突設したＰＴＯ軸(7)が設けられている。
油圧作動部(5)上には、連結部材(4)が立設されている。

また、畝整形マルチ作業機(C)は、第１図に示すよう
に、ＰＴＯ軸(7)より動力を受けるギヤケース(8)と、同
ギヤケース(8)の前端部に設け、後述する前部作業機連
結フレーム(42)に連結するための連結枠(60)と、同ケー
ス(8)より左右に伸延したパイプフレーム(9)と、同フレ
ーム(9)の端部に連設したチェンケース(10)と、同チェ
ンケース(10)の下端において軸架状態に設けられたディ
スクロータ(11)と、同ロータ(11)の上方を覆ったロータ
リカバー(12)と、同カバー(12)の後端に連設した畝整形
板(13)と、その後方に配設したゲージホイール(14)と、
ゲージホイール(14)の後方上部に設けたシートロール(1
5)と、同ロール(15)からのシート(S)を受けて畝上面に
シート(S)を円弧状にならずシート受けロール(16)と、
同ロール(16)の左右後方に位置してシート(S)を押え込
むための鎮圧輪(17)と、その後方に位置した覆土輪(18)
とより構成している。

そして、かかる作業機(C)は、トラクタ(A)によって畝整
形マルチ作業機(C)を牽引していくと、ＰＴＯ軸(7)より
動力を受けてディスクロータ(11)が駆動し、同ディスク
ロータ(11)によって耕土を中央に寄せ集め、ポテトプラ
ンター(B)により移植されたポテト(P)上に畝整形板(13)
によって畝を整形すると共に、シートロール(15)から繰
り出すシート(S)はシート受けロール(16)を介して鎮圧
輪(17)の下側に送給され、鎮圧輪(17)に押えられたシー
ト(S)の側縁に覆土輪(18)により土を被せ、畝をシート
(S)で覆うようにしている。

また、覆土作業機(D)は、前後縦長の作業機フレーム(6
6)と、同フレーム(66)の前端に設け、後述する前部作業
機連結フレーム(42)に連結するための連結枠(70)と、作
業機フレーム(66)の前端部に左右二又状に垂設した覆土
ディスク支柱(67′)(67′)の下端に取付けた覆土ディス
ク(67)(67)と、作業機フレーム(66)の中途部に垂設した
鎮圧ローラ支柱(68′)の下端に取付けた鎮圧ローラ(68)
と、作業機フレーム(66)の後端に左右二又状に垂設した
ゲージホイル支柱(69′)(69′)に取付けたゲージホイル
(69)(69)とより構成している。

そして、かかる作業機(C)は、トラクタ(A)によって覆土
作業機(D)を牽引していくと、覆土ディスク(67)(67)が
回転してポテトプランター(B)により移植されたポテト
(P)上に土を被せると共に、鎮圧ローラ(68)が覆土を鎮
圧するようにしている。

また、ポテトプランター(B)は、第１図に示すように、
プランターフレーム(b)を横フレームと縦フレームにて
方形状に組んで構成し、同プランターフレーム(b)は、
トラクタ(A)と畝整形マルチ作業機(C)又は覆土作業機
(D)との間で進行方向に対して略直交方向に横断する状
態で配設しており、同フレーム(b)の略四隅には、それ
ぞれプーリー軸によりプーリーを連設し、上側左右プー
リーは左右端に水平位置で配設し、下側左右プーリー
は、やや内側位置に上下させて配設しており、下側右プ
ーリーの直下方に作溝器(20)の上方に配設した上部シュ
ート(23)を開口せしめている。

そして、各プーリーには、搬送体としての搬送ベルト(2
1)を回動自在に懸架し、同ベルト(21)の表面には、一定
間隔毎に受皿を立設し、また上側左プーリーの左側方に
は、プランターフレーム(b)に連設したホッパー(22)を
配設している。

また、作溝器(20)は、前端が略三角形状の先鋭舟型に形
成されて、その後部は拡開状に形成され、後端には土遮
断板(24)が立設されている。

すなわち、土遮断板(24)は、高さを後方のディスクロー
タ(11)と略同一としており、ポテト(P)の移植作業時に
後方のディスクロータ(11)からの砕土が作溝器(20)及び
上部シュート(23)方向に飛散し、同シュート(20)から作
溝器(20)を通って下方へ落下移植されるポテト(P)に当
り、ポテト(P)の移植位置がずれたり、ポテト(P)に損傷
を与えるのを防止するものである。

なお、土遮断板(24)は基部は垂直に立上り、中途部より
後方に向けてやや傾斜させて、土の遮断機能を良好にし
ている。

ホッパー(22)は、底面(22-1)を前方に下り勾配に形成
し、同底面(22-1)には、底面に沿ってシャッター(22-2)
を摺動自在に設けており、シャッター(22-2)の先端縁の
対向位置には、ホッパー(22)の前壁内面(22-3)が配設さ
れており、シャッター(22-2)の先端縁と、前壁内面(22-
3)との間に一定の間隙(S-1)が形成され、間隙(S-1)が調
節されるように構成されており、ホッパー(22)内に収納
されたポテト(P)が一重で整列されて間隙(S-1)から転出
されるように構成されているものであり、間隙(S-1)の
下方には、ポテト受板(22-4)が連設されて、搬送体とし
ての搬送ベルト(21)に接続されている。

(21′)は搬送ベルト(21)を駆動させるための接地駆動輪
であり、同接地駆動輪(21′)から所定の連動機構を介し
て搬送ベルト(21)に動力を伝達するように構成してい
る。

かかる構成により、ホッパー(22)中に収納されたポテト
(P)は、ホッパー(22)の間隙(S-1)から搬送ベルト(21)に
よって上方へ上ってきた受皿にすくわれて同受皿に乗
り、上側左右プーリー間を水平に搬送され、上側左右プ
ーリーからガイドに沿って受皿に乗り下方へ搬送され、
作溝器(20)の上部シュート(23)の開口部中に投入され移
植が行われるものである。

この際、搬送ベルト(21)は、本機の進行方向に対して略
直交方向に配設しているため、機体進行方向に対して幅
狭とすることができ、従来のトラクタ(A)本体と畝整形
マルチ作業機(C)との間に楽に装着できる。

しかも、搬送ベルト(21)を四つのプーリーに懸架し、そ
の内の一つである下側右プーリーを、作溝器(20)の上部
シュート開口部の直上方に位置させているために、ポテ
ト(P)を傷つけることなく確実に移植することができ
る。

また、かかる移植を行うプランターの後部には、プラン
ター座席(m)が配設されており、次のように構成されて
いる。

すなわち、プランターフレーム(b)の後面には、ステー
(25)を連設し、同ステー(25)には、平行リンクアーム(2
6)を介してプランター座席(m)が連設されており、平行
リンクアーム(26)は平行な前後縦フレーム(26-1)(26-2)
の上下端に平行な上下フレーム(26-3)(26-4)両端を枢支
しており、後縦フレーム(26-2)には、後方に向って基杆
(27)を連設し、同基杆(26)には、支持杆(28)を介してプ
ランター座席(m)を支持せしめている。

基杆(27)は、第３図に示すように、下方開口の断面略コ
字状に形成されており、また、畝整形マルチ作業機(C)
のギヤケース(8)から後方に伸延したデプスアジャスト
フレーム(29)後端に架設した横フレーム(30)上にはブラ
ケット(31)を介して、ローラー(R)を支持せしめてお
り、同ローラーRは、プランター座席(m)を支持した基杆
(27)の内部に収納されて、ローラー(32)を介して基杆(2
7)を前後スライド自在に支持せしめている。

従って、畝整形マルチ作業機(C)又は覆土作業機(D)を連
結機構(F)を介して上昇降下させても、プランター座席
(m)は、平行リンクアーム(26)を介して地上面に略平行
に上下動することになる。

次に、前記連結機構(F)について説明すると、まず、ト
ラクタ(A)の油圧作動部(5)に立設した連結部材(4)に、
上部アーム(32)が後上方に向けて突設されており、同ア
ーム(32)の後端に、ターンバックル機構(33)を有した上
部支持杆(34)を介してホッパー(22)が取外し自在に連設
されている。（３５）はホッパー（２２）に設けた取付
部を示す。また、トラクタ(A)後端には、ヒッチ(36)を
介してトップリンク(37)が連設されており、トップリン
ク(37)後端は、連結フレーム(38)上端に連設され、ま
た、トラクタ(A)後端下部から突設されたロワーリンク
(39)の後端は、連結フレーム(38)下端に連設されてお
り、ロワーリンク(39)の中途は、油圧作動部(5)に連設
した油圧アーム(40)と、リフトアーム(41)を介して連結
されており、トラクタ(A)からのトップリンク(37)後端
及びロワーリンク(39)の後端に連設された連結フレーム
(38)には、第５図に示すように、前部作業機連結フレー
ム(42)が、ワンタッチで着脱自在に連結されている。(3
8a)は連結フレーム(38)の上部に取付けた第１連結体、
(42a)は前部作業機連結フレーム(42)の上部に取付け、
第１連結体(38a)に連結可能な第２連結体である。

(43)は、ＰＴＯ軸(7)から畝整形マルチ作業機(C)に動力
を伝達するための動力伝達ケースを示す。

また、上記前部作業機連結フレーム(42)には、第５図及
び第６図に示すように、上壁と左右側壁とにより断面門
型の作業機フレーム体(44)の前端部が連設されており、
同フレーム体(44)の左右側壁後端部間には、横フレーム
(50)を左右張出し状に横架し、同横フレーム(50)の左右
側端間に、逆Ｕ字状の後部作業機連結フレーム(51)を立
設し、同フレーム(51)の上部に設けた突片(51a)を前記
第２連結体(42a)に連結ピン51b)により連結している。

そして、後部作業機連結フレーム(51)の上部には上部フ
ック(52)を設け、同フレーム(51)の下部左右側には下部
フック(53)(53′)を設けて、これらのフック(52)(53)(5
3′)に、後述する畝整形マルチ作業機(C)の連結枠(60)
に設けた上部連結ピン(61′)及び下部左右連結ピン(62)
(62′)、又は覆土作業機(D)の連結枠(70)に設けた上部
連結ピン(71)及び下部左右連結ピン(72)(72)を、ワンタ
ッチで着脱自在に連結可能としている。(63)(63′)は下
部フック(53)(53′)の連結を解除するためのフック解除
操作レバー、(64)は伝動軸、(64a)は伝動側ドッグクラ
ッチである。

また、上記畝整形マルチ作業機(C)の連結枠(60)は、第
５図及び第７図に示すように、ギヤケース(8)の上壁に
前上方へ向けて立設した縦フレーム(60a)と、同ギヤケ
ース(8)の上部左右側壁に前方へ向けて突設した左右ス
テー(60b)(60′b)と、各ステー(60b)(60′b)と縦フレー
ム(60a)との間に介設した補助ステー(60c)(60′c)とか
ら構成している。

そして、縦フレーム(60a)の上部に前記上部連結ピン(6
1)を設け、各ステー(60b)(60′b)の外側面に横外方へ向
けて下部左右連結ピン(62)(62′)を突設している。(65)
は受動軸、(65a)は受動側ドッグクラッチであり、同ド
ッグクラッチ(65a)は、前記伝動側ドッグクラッチ(64a)
に歯合させて連動連結するようにしている。

また、覆土作業機(D)の連結枠(70)は、作業機フレーム
(66)の前端に前上方へ向けて立設した縦フレーム(66a)
と、同作業機フレーム(66)の前端に前方へ向けて突設し
た左右ステー(66b)(66b)と、各ステー(66b)(66b)と縦フ
レーム(66a)との間に介設した補助ステー(66C)(66C)と
から構成している。

そして、縦フレーム(66a)の上部に前記上部連結ピン(7
1)を設け、各ステー(66b)(66b)の外側面に横外方へ向け
て下部左右連結ピン(72)(72)を突設している。

また、上記作業機フレーム体(44)には、ポテトプランタ
ー(B)昇降調節用の昇降装置(E)が連設されている。

すなわち、作業機フレーム板(44)には、第４図に示すよ
うに外筒(45)が固設され、同外筒(45)中には、螺筒(46)
が回転自在に挿入され、同螺筒(46)中には昇降螺杆(47)
が螺入されており、しかも螺筒(46)の上面にはベベルギ
ヤ(48)を介して螺筒(46)を回転させるためのハンドル(4
9)が連設されており、また螺杆(47)の下端は、プランタ
ーフレーム(b)に架設した横杆(b-1)に枢支連結されてい
る。

従って、ポテトプランター(B)を上下昇降させてポテト
の移植の植付深さを変更する場合には、ハンドル(49)を
回動させることによりベベルギア(48)を介して螺筒(46)
を回転させて、螺杆(47)を昇降させ、プランターフレー
ム(b)を上下位置調節することにより行うものである。

本考案の実施例は、上記のように構成しているものであ
り、本実施例によれば、以下のような作用効果が生起さ
れる。

すなわち、トラクタ(A)の後部に連結したポテトプラン
ター(B)の後部に、畝整形マルチ作業機(C)と覆土作業機
(D)とを連結機構(F)により付替え自在に連結できるよう
にしているために、ポテト移植とマルチ作業という一連
の作業、又はポテト移植と覆土作業という一連の作業の
変更を行なうことができる。

この際、畝整形マルチ作業機(C)は、同作業機(C)の前端
部に設けた連結枠(60)の上部連結ピン(61)を、連結機構
(F)の上記作業機連結フレーム(42)の上部に設けた上部
フック(52)に連結した後、トラクタ(A)のリフトアーム
(41)を上昇回動させることにより、同作業機(C)をわず
かに持上げれば、同作業機(C)の自重により上部連結ピ
ン(61)を中心に連結枠(60)の下部が前部作業機連結フレ
ーム(42)側に回動して、同連結枠(60)に設けた下部左右
連結ピン(62)(62′)を、同フレーム(42)に設けた下部フ
ック(53)(53′)に係止連結することができる。

また、上記作業機(C)の連結解除作業は、同作業機(C)を
下降させて近接させた状態で下部フック(53)(53′)をフ
ック解除操作レバー(63)(63′)により下部左右連結ピン
(62)(62′)から連結解除し、同状態でリフトアーム(41)
をさらに下降回動させれば、上部フック(52)を上部連結
ピン(61)から連結解除することができ、同作業機(C)に
替えて覆土作業機(D)をトラクタ(A)の後方に連結するこ
とができる。

かかる覆土作業機(D)の連結及び連結解除作業も、畝整
形マルチ作業機(C)と同様に行なうことができる。

このように、本実施例では、畝整形マルチ作業機(C)と
覆土作業機(D)との付替え作業を迅速かつ簡単に行なう
ことができるために、作業能率の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、畝整形マルチ作業機を連結した本考案に係る
ポテト移植作業機の側面図。 第２図は、覆土作業機を連結した同ポテト移植作業機の
側面図。 第３図は、プランター座席構造の説明図。 第４図は、ポテトプランターの昇降装置の説明図。 第５図は、要部の説明図。 第６図は、第５図のＩ−Ｉ線矢視図。 第７図は、第５図のII−II線矢視図。 (A)：トラクタ (B)：ポテトプランター (C)：畝整形マルチ作業機 (D)：覆土作業機 (F)：連結機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トラクタ(A)の後部にポテトプランター(B)
   を昇降自在に連結し、同ポテトプランター(B)の後部に
   設けた連結機構(F)に、畝整形マルチ作業機(C)と覆土作
   業機(D)とを付替え自在に連結してなるポテト移植作業
   機。