JPH0534495Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、ポテトプランターを組込んだ畝整
形マルチ作業機における補助座席構造に関する。

(ロ) 従来の技術 従来、マルチ作業機とポテトプランターとは別
個の作業機として使用されており、従つてそれぞ
れ別個に作業を行う為に多大の時間と労力を要し
ていた。

そこで、これらの欠点を解消すべく特願昭62−
139547号として出願された発明は、マルチ作業機
に予めポテトプランターを組込んで同時に連続し
て作業ができるポテトプランターを組込んだ畝整
形マルチ作業機としたものであり、トラクタの後
部にマルチ作業機を連結して、トラクタとマルチ
作業機との間にポテトプランターを配設して、ポ
テト移植とマルチ作業とが一貫して行えるように
した。

また、同ポテトプランターに移植の欠株防止、
植付深さ及び覆土調整のための作業補助者の座席
を設けたものがあり、同補助座席は、種ポテトを
収納したホツパーが機体の中心線上にあるため、
その後方に設置されていた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 上記のように補助座席がホツパーの後方に設置
されているため、ポテトプランターを支持したト
ラクタからの間隔が大きくなり、作業補助者の重
量を支持するために補助座席の下方に支持輪を設
ける必要があり、また、トラクタからの間隔が大
きいために、作業機の昇降に大きな力と動力を要
し、また、回行に際し、同補助座席の位置が高く
なり、そのまま旋回すると作業補助者にとつて危
険であるという欠点があつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、トラクタの後部に連結機構を介して
畝整形マルチ作業機を連結し、しかも、その間に
ポテトプランターを配設すると共に、同ポテトプ
ランターは、ホツパーと、同ホツパー中を回動
し、外周面に一定間隔毎に受皿を有する搬送ベル
トと、同ベルトの下方に配設した作溝器とより構
成し、さらに、マルチ作業機のフレームに補助座
席を設け、ポテトプランターの種ポテトを収納し
たホツパーと、補助座席とを、機体中心線をはさ
んでそれぞれ反対側に配設してなるポテトプラン
ターを組込んだ畝整形マルチ作業機における補助
座席構造を提供せんとするものである。

(ホ) 作用 この考案では、機体の中心線から左右いずれか
一方に偏して配設した種ポテトを収納するホツパ
ーは、小さな空間にスポツト的に重量がかかる構
造なので、同ホツパーの反対側に補助座席を設置
したことで、ホツパー及び同ホツパー中に収納し
た種ポテトの重量と、補助座席及び作業補助者の
重量とがバランスして、機体が不安定になること
を防止しながら、補助座席をトラクタに近づける
ことが可能になる。

(ヘ) 効果 この考案によれば、ホツパーと補助座席とを、
機体中心線をはさんでそれぞれ反対側に配設した
ことによつて、機体の左右バランスを保ちなが
ら、補助座席をトラクタに可及的に近接させるこ
とが可能になり、従つて、作業機上昇に要する力
及び動力が少なくとすみ、また作業機上昇時の補
助座席の位置が低く、また旋回時トラクタからの
オーバーハングも少なく作業補助者にかかる横方
向の加速度も小さくなるので安全が確保されると
いう効果がある。

(ト) 実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
Ａはトラクタであり、その後方にポテトプランタ
ーＢを配設し、更にその後方に畝整形マルチ作業
機Ｃを配設しており、ポテトプランターＢも畝整
形マルチ作業機Ｃも、各連結機構を介してトラク
タＡの後部にそれぞれ連結されている。

トラクタＡは、前部にエンジン１を搭載し、そ
の後方に運転席２を設け、前後車輪３，４を介し
て走行可能に構成されており、機体後部には、作
業機昇降用の油圧作動部５と、作業機に動力を伝
達する為にミツシヨン部６後部に突設したPTO
軸７が設けられている。

また、畝整形マルチ作業機Ｃは、PTO軸７よ
り動力を受けるギヤケース８と、同ケース８より
左右に伸延したパイプフレーム９と、同フレーム
９の端部に連設したチエーンケース１０と、同チ
エーンケース１０の下端において軸架状態に設け
られたデイスクロータ１１と、同ロータ１１の上
方を覆つたロータリカバー１２と、同カバー１２
の後端に連設した畝成形板１３と、その後方に配
設したゲージホイール１４と、ゲージホイール１
４の後方上部に設けたシートロール１５と、同ロ
ール１５からのシートを受けて畝上面にシートを
円弧状にならすシート受けロール１６と、同ロー
ル１６の左右後方に位置してシートを押え込むた
めの鎮圧輪１７と、その後方に位置した覆土輪１
８と、同覆土輪１８の後方に配設した覆土板１９
とより構成されており、トラクタＡによつて畝整
形マルチ作業機Ｃを牽引していくと、PTO軸７
より動力を受けてデイスクロータ１１が駆動し、
該デイスクロータ１１によつて耕土を中央に寄せ
集めて畝成形板１３によつて畝を整形すると共
に、シートロール１５から繰り出すシートはシー
ト受けロール１６を介して鎮圧輪１７の下側に送
給され、鎮圧輪１７に押えられたシート側縁に覆
土輪１８により土を被せ、畝をシートで覆うもの
である。

本案においては、かかる畝整形マルチ作業機Ｃ
にポテトプランターＢを組み込んで、ポテト植付
け、畦成形、マルチ作業等の複合作業が行えるよ
うになつているものであり、ここでポテトプラン
ターＢについて説明すると次の通りである。

すなわち、ポテトプランターＢは、プランター
フレームｂを横フレームｂ−１、縦フレームｂ−
２にて方形状に組んで構成し、同プランターフレ
ームｂは、トラクタＡと畝整形マルチ作業機Ｃと
の間で進行方向を横断する状態で配設しており、
同フレームｂの略四隅には、それぞれプーリー２
０，２１，２２，２３を連設し、上側左右プーリ
ー２０，２１は左右端に水平位置で配設し、下側
左右プーリー２２，２３は、やや内側位置に上下
させて配設しており、下側右プーリー２３の下方
に作溝器２４の上部シユート開口部２５を開口せ
しめている。

そして、各プーリーには、搬送ベルト２６を回
動自在懸架し、同ベルト２６の表面には、一定間
隔毎に受皿２７を立設し、また上側左プーリー２
０の左側方には、プランターフレームｂに連設し
たホツパー２８を配設し、搬送ベルト２６は、受
皿２７と共に、同ホツパー２８の下底部２９の通
孔３０から上方へ回動できるべく構成されてお
り、また上側右プーリー２１から下側右プーリー
２３に沿つては、ガイド３１が、搬送ベルト２６
との間に受皿２７の高さよりやや広目の間隔を保
持して配設されており、同ガイド３１の下端は作
溝器２４の上部シユート開口部２５中に延設され
ている。

従つて、ホツパー２８中に収納されたポテト
は、ホツパー２８の下底部２９の通孔３０から上
方へ上つてきた受皿２７にすくわれて同受皿２７
に乗り、上側左右プーリー２０，２１間を水平に
搬送されて、上側右プーリー２１からガイド３１
に沿つて受皿２７に乗り下方へ搬送され、上部シ
ユート開口部２５中に投入され移植が行われるも
のである。

なお、搬送ベルト２６の駆動機構は、下側左プ
ーリー２２に連動ロツド３２を連設し、同ロツド
３２の後端を、畝整形マルチ作業機Ｃの左側方に
配設した接地輪３３にベベルギヤを介して連動連
設した構成しており、接地輪３３の回動にともな
い搬送ベルト２６の駆動が行われる。

上記のように構成された畝整形マルチ作業機Ｃ
とポテトプランターＢは、それぞれトラクタＡの
後部に連結機構を介して連結されており、以下に
説明する通りである。

すなわち、畝整形マルチ作業機Ｃでは、トラク
タＡのミツシヨン部６より後方に突設したトラク
タヒツチ３４に、畝整形マルチ作業機Ｃのギヤケ
ース８と一体に前方へ突設した作業機ヒツチ３５
を連結し、またトラクタＡの油圧作動部５に基端
を枢支したリフトアーム３６には、リフトロツド
３７を介して畝整形マルチ作業機Ｃのフレームを
連結しており、このように、畝整形マルチ作業機
ＣはトラクタＡ後部に連結機構ｍとしての二点ヒ
ツチ機構を介して連結されている。

また、ポテトプランターＢでは、トラクタＡの
ミツシヨン部６後部に設けたブラケツト３８に、
上下二本の上平行リンクアーム３９、下平行リン
クアーム４０基端を、それぞれ左右対称に枢支し
ており、各アーム３９，４０先端は、ポテトプラ
ンターＢのプランターフレームｂの縦フレームｂ
−２に枢支しており、上下平行リンクアーム３
９，４０の基端、先端の各枢支部によつて平行リ
ンク機構Ｍが構成されている。しかも、下平行リ
ンクアーム４０の先端は、後方に延設されてお
り、同延設部を支持アーム４１としており、同支
持アーム４１は、畝整形マルチ作業機Ｃのギヤケ
ース８上に載置しており、従つて、ポテトプラン
ターＢは、上下平行リンクアーム３９，４０に
て、トラクタＡの後部に連結支持され、かつ支持
アーム４１にて畝整形マルチ作業機Ｃ上に支持さ
れていることになる。図中、４１′は、支持アー
ム４１の先端間に架設した補助フレームを示す。

また、畝整形マルチ作業機Ｃのロータリカバー
１２の左側上方には、作業補助者のための補助座
席４２を設けており、同補助座席４２は、畝整形
マルチ作業機Ｃのパイプフレーム９に縦フレーム
４３の前端を固着し、同フレーム４３の後端に横
フレーム４４を横架状に連設し、同横フレーム４
４の上面に補助座席４２の底面に設けた取付金具
４５を介して取付けられている。

従つて、同補助座席４２とポテトプランターＢ
のホツパー２８とは、機体中心線をはさんで反対
側に位置している。

また、第４図は、本考案にもとずく他実施例を
示しており、ホツパー２８を畝整形マルチ作業機
Ｃのロータリカバー１２の左側上方に配設し、補
助座席４２を同カバー１２の右側に配設して機体
の左右バランスをとつたものである。

なお、搬送ベルト２６はホツパー２８から前方
に延設されており、種ポテトは同ベルト２６の前
端に設けたガイド３１中を落下して同ガイド３１
の下端に連設した作溝器により植付けられるもの
である。

この考案の実施例は上記のように構成されてお
り、補助座席４２がトラクタＡのトラクタヒツチ
３４に近接しているため、ポテトプランターＢ及
び畝整形マルチ作業機Ｃを上昇させるのに、大き
な力と動力を必要とせず、圃場端での回行に際し
て、各作業機Ｂ，Ｃを上昇させて旋回するのであ
るが、補助座席４２がトラクタヒツチ３４に近接
しているため、同席４２の位置がさほど高くはな
らず、更に、同座席４２のトラクタＡの後車輪４
からのオーバーハングが短くてすむことから、作
業補助者にかかる横方向の加速度が小さく、同座
席４２の位置が低くてすむことと相俟つて作業補
助者の安全を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案補助座席を有するポテトプラ
ンターを組込んだ畝整形マルチ作業機の平面図。
第２図は、同側面図。第３図は、第１図−線
の断面図。第４図は、他実施例の説明図。 Ａ……トラクタ、Ｂ……ポテトプランター、ｂ
……プランターフレーム、ｃ……畝整形マルチ作
業機、Ｍ……平行リンク機構、ｍ……連結機構、
１……エンジン、２……運転席、３，４……前後
車輪、５……油圧作動部、６……ミツシヨン部、
７……PTO軸、８……ギヤケース、９……パイ
プフレーム、１０……チエーンケース、１１……
デイスクロータ、１２……ロータリカバー、１３
……畝成形板、１４……ゲージホイール、１５…
…シートロール、１６……シート受けロール、１
７……鎮圧輪、１８……覆土輪、１９……覆土
板、２０……上側左プーリー、２１……上側右プ
ーリー、２２……下側左プーリー、２３……下側
右プーリー、２４……作溝器、２５……上部シユ
ート開口部、２６……搬送ベルト、２７……受
皿、２８……ホツパー、２９……下底部、３０…
…通孔、３１……ガイド、３２……連動ロツド、
３３……接地輪、３４……トラクタヒツチ、３５
……作業機ヒツチ、３６……リフトアーム、３７
……リフトロツド、３８……ブラケツト、３９…
…上平行リンクアーム、４０……下平行リンクア
ーム、４１……支部アーム、４２……補助座席。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタＡの後部に連結機構ｍを介して畝整形
   マルチ作業機を連結し、しかも、その間にポテト
   プランターＢを配設すると共に、同ポテトプラン
   ターＢは、ホツパー２８と、同ホツパー２８中を
   回動し、外周面に一定間隔毎に受皿２７を有する
   搬送ベルト２６と、同ベルト２６の下方に配設し
   た作溝器２４とより構成し、さらに、マルチ作業
   機のフレームに補助座席４２を設け、ポテトプラ
   ンターＢの種ポテトを収納したホツパー２８と、
   補助座席４２とを、機体中心線をはさんでそれぞ
   れ反対側に配設してなるポテトプランターを組込
   んだ畝整形マルチ作業機における補助座席構造。