JPH06249166A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

Info

Publication number
JPH06249166A
JPH06249166A JP5514393A JP5514393A JPH06249166A JP H06249166 A JPH06249166 A JP H06249166A JP 5514393 A JP5514393 A JP 5514393A JP 5514393 A JP5514393 A JP 5514393A JP H06249166 A JPH06249166 A JP H06249166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casing
scroll
oil
oil sump
orbiting scroll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5514393A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Saito
隆 斉藤
Susumu Sakamoto
晋 坂本
Koji Fukui
宏治 福井
Yoshio Kobayashi
義雄 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP5514393A priority Critical patent/JPH06249166A/ja
Publication of JPH06249166A publication Critical patent/JPH06249166A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーシング内の潤滑油が各圧縮室内に浸入す
るのを防止して、清浄な圧縮空気等を吐出できるように
する。 【構成】 ケーシング1と固定スクロール10との間に
環状部材14を設け、旋回スクロール7を潤滑、冷却し
た潤滑油2のうち、固定スクロール10側に漏洩した漏
洩油2を前記環状部材14の油溜め14D内で捕捉し、
戻し配管16を介してケーシング1内に返戻させると共
に、旋回スクロール7と環状部材14との間にシール部
材15を設け、該油溜め14Dを各圧縮室11に対して
遮断する構成とした。従って、漏洩油2が各圧縮室11
内に浸入するのを防止でき、吐出ポート13からは清浄
な圧縮空気が吐出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば空気圧縮機や真
空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関
し、特に、ケーシング内を潤滑油によって潤滑するよう
にした半給油式のスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半給油式のスクロール式流体機
械は、一端側が軸受部となって閉塞され、他端側が開口
する筒状のケーシングと、該ケーシングの軸受部に回転
可能に軸支され、先端側が該ケーシング内でクランク部
となった駆動軸と、前記ケーシング内に位置して該駆動
軸のクランク部に旋回可能に設けられ、鏡板に渦巻状の
ラップ部が立設された旋回スクロールと、該旋回スクロ
ールと対向するように前記ケーシングの他端側に設けら
れ、鏡板に該旋回スクロールのラップ部と重なる渦巻状
のラップ部が立設された固定スクロールと、該固定スク
ロールのラップ部と前記旋回スクロールのラップ部との
間に形成され、吸込ポートを介して吸込んだ流体を順次
圧縮しつつ吐出ポートから吐出させる複数の圧縮室とか
ら大略構成されている。
【0003】そして、この種のスクロール式流体機械を
空気圧縮機として用いる場合には、駆動軸を外部から電
動モータ等で回転駆動して旋回スクロールを旋回させ、
吸込ポートから吸込んだ空気を旋回スクロールと固定ス
クロールとの各ラップ部間に形成された各圧縮室内で順
次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出ポートから吐出さ
せ、外部の空気タンク等に貯えるようにしている。
【0004】また、ケーシング内に収容した潤滑油は駆
動軸の回転によってケーシング内に跳上げられ、該ケー
シングの軸受部と駆動軸との間、該駆動軸のクランク部
と旋回スクロールとの間および該旋回スクロールとケー
シングとの間等を潤滑すると共にこれらを冷却し、前記
圧縮室からの圧縮熱でケーシング内が高温状態になるの
を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械では、ケーシング内
の潤滑油を跳上げることにより、各部を潤滑,冷却する
ことができるものの、この潤滑油の一部がケーシングと
旋回スクロールとの隙間を介して固定スクロール側に徐
々に漏洩してしまう。
【0006】これにより、固定スクロール側に漏洩した
潤滑油(漏洩油)が吸込ポートを介して吸込まれる流体
と共に旋回スクロールと固定スクロールのラップ部間に
形成される最外周側の圧縮室内に吸込まれ、この結果、
例えば吐出ポートから清浄な圧縮空気を吐出できなくな
るという問題がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、ケーシング内の潤滑油が各圧縮室内に浸
入するのを防止して、例えば清浄な圧縮空気等を吐出で
きるようにしたスクロール式流体機械を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明が採用する構成
は、一端側が軸受部となって閉塞され、他端側が開口す
る筒状のケーシングと、該ケーシングの軸受部に回転可
能に軸支され、先端側が該ケーシング内でクランク部と
なった駆動軸と、前記ケーシング内に位置して該駆動軸
のクランク部に旋回可能に設けられ、鏡板に渦巻状のラ
ップ部が立設された旋回スクロールと、該旋回スクロー
ルと対向するように前記ケーシングの他端側に設けら
れ、鏡板に該旋回スクロールのラップ部と重なる渦巻状
のラップ部が立設された固定スクロールと、該固定スク
ロールのラップ部と前記旋回スクロールのラップ部との
間に形成され、吸込ポートを介して吸込んだ流体を順次
圧縮しつつ吐出ポートから吐出させる複数の圧縮室とか
らなる。
【0009】そして、上述した課題を解決するために、
本発明が採用する構成の特徴は、前記ケーシングと固定
スクロールとの間には前記旋回スクロールの外周側に位
置し、前記ケーシング内に収容した潤滑油のうち、固定
スクロール側に漏洩した漏洩油を捕捉する油溜めを設
け、該油溜めとケーシングとの間には該油溜め内の漏洩
油を該ケーシング内に戻す戻し通路を設けたことにあ
る。
【0010】また、前記ケーシングまたは固定スクロー
ルと旋回スクロールとの間には、前記油溜めよりも固定
スクロール側に位置して前記ケーシング内を前記各圧縮
室に対して遮断するシール部材を設け、該シール部材に
よって前記油溜めを取囲む構成とするのが好ましい。
【0011】さらに、前記戻し通路は、基端側が前記油
溜めに接続され、先端側が前記ケーシング内の一端側近
傍に開口するように該ケーシングに接続された戻し配管
により構成するのが好ましい。
【0012】また、前記油溜めと固定スクロールとの間
には、該油溜め内に捕捉した漏洩油が各圧縮室内に飛散
するのを防止する飛散防止手段を設けるのが好ましい。
【0013】
【作用】上記構成により、ケーシング内に収容された潤
滑油のうち、旋回スクロールとケーシングとの間等を介
して固定スクロール側に漏洩した漏洩油は、油溜めによ
って捕捉されて該油溜め外への漏洩が防止され、該油溜
め内に捕捉された漏洩油は戻し通路を介してケーシング
内に返戻される。
【0014】また、前記ケーシングまたは固定スクロー
ルと旋回スクロールとの間にシール部材を設けることに
より、油溜め内に捕捉した漏洩油が各圧縮室内に浸入す
るのを防止できると共に、運搬時等に傾いてもケーシン
グ内の潤滑油が外部に漏洩するのを防止できる。
【0015】さらに、油溜めを戻し配管を介してケーシ
ング内の一端側近傍に連通させることにより、傾いたと
きにケーシング内に収容された潤滑油が該油溜め内に流
入するのを防止できる。
【0016】さらにまた、前記油溜めと固定スクロール
との間に飛散防止手段を設けることにより、油溜め内に
捕捉した漏洩油が飛散して各圧縮室内に浸入するのを防
止できると共に、運搬時等に傾いてもケーシング内の潤
滑油が外部に漏洩するのを防止できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図11に
基づき、スクロール式流体機械としてスクロール式空気
圧縮機を例に挙げて説明する。
【0018】まず、図1および図2は本発明の第1の実
施例を示している。
【0019】図において、1はスクロール式空気圧縮機
の外殻を構成するケーシングを示し、該ケーシング1
は、一端側に位置して円板状に形成された蓋部1Aと、
該蓋部1Aの外周側から他側に向けて伸長した筒部1B
とから有蓋筒状に形成され、該蓋部1Aの内周側には小
径な円筒状の軸受部1Cが一体に設けられている。ま
た、該ケーシング1内には下端側に位置して潤滑油2が
収容され、該潤滑油2の液面上近傍には、前記蓋部1A
に位置して後述する戻し配管16のプラグ16Bが接続
される接続穴1Dが穿設されている。さらに、前記筒部
1Bの上端側には注油穴1Eが穿設され、該注油穴1E
には、後述のキャップ19が取付けられている。
【0020】3はケーシング1の他端側に一体に設けら
れ、筒部1Bから径方向内向きに突出したスラスト受部
を示し、該スラスト受部3は、後述する旋回スクロール
7の鏡板7A背面側に摺接してスラスト方向の荷重を受
承するものである。また、該スラスト受部3の外周側に
は、該スラスト受部3と前記鏡板7Aとの間を潤滑した
潤滑油2をケーシング1内に返戻する油穴3Aが穿設さ
れている。
【0021】4はケーシング1の軸受部1Cに軸受5,
6を介して回転可能に支持された駆動軸を示し、該駆動
軸4の先端側はケーシング1内へと伸長してクランク部
4Aとなり、該クランク部4Aの軸線は該駆動軸4の軸
線に対して所定寸法dだけ偏心している。そして、該駆
動軸4は、基端側がケーシング1外に突出して図示しな
い電動モータ等に連結され、この電動モータによって回
転駆動されるようになっている。
【0022】7はケーシング1の他端側に旋回可能に設
けられた旋回スクロールを示し、該旋回スクロール7
は、円板状に形成された鏡板7Aと、該鏡板7Aに中心
側が巻始め端となり、外周側が巻終り端となるように立
設された渦巻状のラップ部7Bと、該ラップ部7Bの外
周側を取囲むように前記鏡板7Aに立設された円筒状の
筒状突部7Cと、前記鏡板7Aの背面側中央に設けられ
たボス部7Dとから大略構成され、該ボス部7Dは、軸
受8を介して駆動軸4のクランク部4Aに回転可能に取
付けられている。また、前記鏡板7Aの背面側には、前
記ボス部7Dの外周側に位置して複数個のキー溝7E,
7E(2個のみ図示)が周方向に所定間隔をもって形成
され、該各キー溝7Eには、自転防止機構としてのオル
ダム継手9,9が接続されている。そして、該旋回スク
ロール7は、駆動軸4が回転駆動されると、前記各オル
ダム継手9によって自転が防止されつつ、クランク部4
Aの偏心寸法dの旋回半径をもって旋回(公転)するも
のである。
【0023】10はケーシング1の他端側に位置して旋
回スクロール7に対向するように設けられた固定スクロ
ールを示し、該固定スクロール10は、中心が駆動軸4
の軸線と一致するようにして中央部に配設された鏡板1
0Aと、該鏡板10Aに前記旋回スクロール7のラップ
部7Bと同様に立設された渦巻状のラップ部10Bと、
前記鏡板10Aの外周側に位置して一側に伸長し、後述
の環状部材14を介してケーシング1の筒部1Bに固着
される筒状の取付筒部10Cとから大略構成され、該取
付筒部10Cの内周側には環状の吸込通路10Dが形成
されている。
【0024】そして、該固定スクロール10は、そのラ
ップ部10Bを旋回スクロール7のラップ部7Bと所定
角度だけずらして重なり合うように配設され、これによ
って該旋回スクロール7が旋回する間に外周側から内周
側に向けて連続的に縮小する複数個の圧縮室11,1
1,…を画成するようになっている。
【0025】また、前記固定スクロール10の外周側に
は、吸込通路10Dを介して最外周側の圧縮室11に連
通する2個の吸込ポート12,12が形成され、該固定
スクロール10の中央部には、最内周側の圧縮室11に
連通する吐出ポート13が形成されている。
【0026】14はケーシング1の他端側に設けられた
環状部材を示し、該環状部材14は、旋回スクロール7
の鏡板7A外周側に位置して前記ケーシング1の筒部1
Bと固定スクロール10の取付筒部10Cとの間に挟持
された環状部材本体14A(以下、本体14Aという)
と、該本体14Aの内周側から前記鏡板7Aの前面側に
摺接するように径方向内向きに突出し、該鏡板7Aのス
ラスト方向の荷重を受承するようになったスラスト受部
14Bと、前記本体14Aの内周側他端から他側に向け
て伸長し、先端側が径方向内向きに突出する堰14Cと
なった環状の油溜め14Dとから大略構成されている。
また、前記本体14Aの下端側には、下端から上向きに
伸長し、先端側が前記油溜め14D内の下端側に開口す
る油通穴14Eが形成され、上端側には、油溜め14D
内に大気を導入する導入孔14Fが穿設されている。
【0027】そして、該環状部材14は、図2に示す如
く、前記スラスト受部14Bで旋回スクロール7のスラ
スト方向の荷重を受承しつつ、該旋回スクロール7の鏡
板7Aとスラスト受部14Bとの間の隙間を介して固定
スクロール10側に漏洩した潤滑油2(以下、漏洩油2
という)を堰14Cで堰き止めて油溜め14D内に捕捉
し、この漏洩油2を油通穴14Eから戻し配管16を介
してケーシング1内に返戻させるものである。
【0028】15は固定スクロール10の鏡板10A外
周側に位置して油溜め14Dを各圧縮室11に対して遮
断するように旋回スクロール7と環状部材14との間に
設けられたシール部材を示し、該シール部材15は、前
記旋回スクロール7の旋回動作を許すように可撓性を有
し、ゴム材料または樹脂材料等の高分子材料から断面U
字状に形成され、内,外周側がそれぞれ前記旋回スクロ
ール7の筒状突部7C,環状部材14の油溜め14Dに
固着されている。
【0029】16は基端側が環状部材14の油通穴14
Eにプラグ16Aを介して接続され、先端側がケーシン
グ1の接続穴1Dにプラグ16Bを介して接続された戻
し配管を示し、該戻し配管16は、前記環状部材14の
油溜め14Dで捕捉された漏洩油2をケーシング1内に
返戻するものである。
【0030】17は駆動軸4の軸方向中間部に位置して
ケーシング1内の他端側に配設された油掻きを示し、該
油掻き17は、その先端側がケーシング1内に収容され
た潤滑油2と接触するように配設され、これによって該
潤滑油2を掻き上げて軸受5,6,8や旋回スクロール
7の鏡板7Aとスラスト受部3,14Bとの間等を潤滑
したり、これらの部材を冷却するようになっている。ま
た、該油掻き17の先端側には、駆動軸4のクランク部
4Aの偏心方向の反対側に位置してカウンタウェイト1
8が固着され、該カウンタウェイト18は該駆動軸4の
回転バランスをとるものである。
【0031】19はケーシング1の注油穴1Eに取付け
られたキャップを示し、該キャップ19は、該注油穴1
Eを閉塞すると共に、通気孔19Aを介してケーシング
1内を大気に開放している。
【0032】本実施例によるスクロール式空気圧縮機は
上述の如き構成を有するもので、次にその作動について
説明する。
【0033】まず、駆動軸4を電動モータによって回転
駆動すると、この回転はクランク部4Aから軸受8を介
して旋回スクロール7に伝えられる。これにより、該旋
回スクロール7は、駆動軸4の軸線を中心として寸法d
の旋回半径で旋回運動し、この旋回運動によって、各吸
込ポート12から固定スクロール10の吸込通路10D
を介して最外周側の圧縮室11内に外部の空気を吸込
み、該圧縮室11内で順次圧縮しつつ最内周側の圧縮室
11から吐出ポート13を介してこの圧縮空気を外部の
空気タンク等に吐出させる。
【0034】また、このときにケーシング1に収容され
た潤滑油2は、駆動軸4と共に回転駆動される油掻き1
7によって該ケーシング1内に掻き上げられ、軸受5,
6,8や旋回スクロール7等を冷却,潤滑するようにな
っている。
【0035】そして、旋回スクロール7を潤滑した潤滑
油2のうち、該旋回スクロール7の鏡板7Aとスラスト
受部3との間に供給された潤滑油2は、該鏡板7Aとス
ラスト受部3との間から垂れ落ち、該スラスト受部3の
油穴3Aを介してケーシング1内に返戻される。
【0036】一方、前記鏡板7Aと環状部材14のスラ
スト受部14Bとの間に供給された潤滑油2は、一部が
該鏡板7Aとスラスト受部14Bとの間から垂れ落ちて
鏡板7Aとスラスト受部3との間に供給された潤滑油2
と共にケーシング1内に戻され、一部が旋回スクロール
7の旋回運動によって該スラスト受部14Bの内周側か
ら固定スクロール10側に漏洩する。そして、固定スク
ロール10側に漏洩した漏洩油2は、堰14Cによって
堰き止められて油溜め14D内に捕捉され、該油溜め1
4Dから油通穴14E,戻し配管16を介してケーシン
グ1内の一端側(蓋部1A近傍)に吐出されて返戻され
るようになっている。
【0037】かくして、本実施例では、固定スクロール
10側に漏洩した漏洩油2を環状部材14の堰14Cで
堰き止めて油溜め14D内に捕捉することができる上
に、該油溜め14D内の漏洩油2を戻し配管16等を介
してケーシング1内に返戻することができるから、固定
スクロール10側に漏洩した漏洩油2が各圧縮室11内
に浸入するのを防止でき、吐出ポート13から吐出され
る圧縮空気を清浄化することができる。
【0038】また、旋回スクロール7と環状部材14と
の間には、油溜め14Dを各圧縮室11に対して遮断す
るシール部材15を設けているから、振動等によって油
溜め14D内で捕捉した漏洩油2が固定スクロール10
側に漏洩した場合でも、この漏洩油2が各圧縮室11内
に浸入するのを防止でき、より確実に清浄空気を確保す
ることができる。
【0039】さらに、油溜め14D内に捕捉した漏洩油
2を戻し配管16等を介してケーシング1内の一端側に
吐出させるようにしたから、組立時,運搬時等に当該空
気圧縮機を固定スクロール10側に傾けて潤滑油2の液
面が図2中に二点鎖線で示すようになっても、潤滑油2
が前記戻し配管16を介して油溜め14D側に逆流して
堰14Cを乗り越え、シール部材15側に溢れ出るのを
防止でき、これにより、該シール部材15が油漬けとな
って早期のうちに破損するのを防止できると共に、潤滑
油2が減少して潤滑不良が生じて各軸受5,6,8や旋
回スクロール7の摺動面等が損傷するのを防止でき、各
部の損傷を効果的に防止して長寿命化を図ることができ
る。また、組立時,運搬時に潤滑油漏れの心配が無くな
るから、作業効率を高めて生産性を大幅に向上すること
ができる。
【0040】次に、図3および図4は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、戻し配管をケーシング
内を通して一端側近傍に開口させたことにある。なお、
本実施例では、前述した図1および図2に示す第1の実
施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を
省略するものとする。
【0041】図において、21は前記第1の実施例によ
る戻し配管16に代えて用いられる本実施例による戻し
配管を示し、該戻し配管21は、後述する接続管部22
と吐出管部23とから構成されている。
【0042】まず、22は、図4に示す如く、環状部材
14とケーシング1との間に設けられた接続管部を示
し、該接続管部22は、図4に示す如く、基端側が環状
部材14の油通穴14Eにプラグ21Aを介して接続さ
れ、先端側がケーシング1の他端面に位置して油掻き1
7の回転半径よりも外周側であって、しかも、回転方向
に関して油掻き17が油面に突入する側に形成された接
続穴(図示せず)にプラグ21Bを介して接続されてい
る。
【0043】23はケーシング1内に設けられ、接続管
部22と共に戻し配管21を構成する吐出管部を示し、
該吐出管部23の基端側は、該ケーシング1の接続穴に
接続されて接続管部22と連通し、先端側は一側に向け
て伸長して該ケーシング1内の一端側近傍で開口してい
る。
【0044】そして、このように構成された戻し配管2
1は、前記第1の実施例で述べた戻し配管16と同様
に、前記環状部材14の油溜め14Dで捕捉された漏洩
油2が油通穴14Eから接続管部22内に流入すると、
この漏洩油2を該接続管部22から吐出管部23へと流
通させ、該吐出管部23の先端から吐出してケーシング
1内に返戻するようになっている。
【0045】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるものの、特に、本実施例では、戻し配管21
を接続管部22と吐出管部23とから構成し、該吐出管
部23をケーシング1内を通す構成としたから、該戻し
配管21の全長を短くでき、配管作業時の作業性を向上
できる上に、製作コストを低減させることができる。
【0046】また、この実施例の場合、運転中におい
て、ケーシング1内の油面は油掻き17によって掻き上
げられる側が高くなり、油掻き17が突入する側が低く
なる。即ち、吐出管部23の開口部分は低くなる油面側
に位置することになるので、吐出管部23からの潤滑油
2の逆流防止がより確実になる。
【0047】次に、図5は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例の特徴は、環状部材の堰と旋回スクロール
の筒状突部とでシール部材を形成したことにある。な
お、本実施例では、前述した図1および図2に示す第1
の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説
明を省略するものとする。
【0048】図において、31はケーシング1の他端側
に旋回可能に設けられた本実施例による旋回スクロール
を示し、該旋回スクロール31は、円板状に形成された
鏡板31Aと、該鏡板31Aに立設された渦巻状のラッ
プ部31Bと、該ラップ部31Bの外周側を取囲むよう
に前記鏡板31Aに立設された円筒状の筒状突部31C
と、前記鏡板31Aの背面側中央に設けられたボス部
(図示せず)とから大略構成され、前記鏡板31Aの背
面側には、該ボス部の外周側に位置して各オルダム継手
9が接続される複数個のキー溝31D(1個のみ図示)
が周方向に所定間隔をもって形成されている。また、前
記鏡板31Aの前面外周側には、他側に向けて開口する
シール溝31Eが全周に亘って形成され、前記筒状突部
31Cの先端側には、該シール溝31Eと同様にしてシ
ール溝31Fが形成されている。
【0049】32はケーシング1の他端側に位置して旋
回スクロール31に対向するように設けられた本実施例
による固定スクロールを示し、該固定スクロール32
は、中央部に配設された鏡板32Aと、該鏡板32Aに
前記旋回スクロール31のラップ部31Bと同様に立設
された渦巻状のラップ部32Bと、前記鏡板32Aの外
周側に位置して一側に伸長し、後述の環状部材34を介
してケーシング1の筒部1Bに固着される筒状の取付筒
部32Cとから大略構成され、前記鏡板32Aの外周側
には吸込ポート33が形成されている。
【0050】34はケーシング1の他端側に設けられた
本実施例による環状部材を示し、該環状部材34は、ケ
ーシング1の筒部1Bと固定スクロール32の取付筒部
32Cとの間に挟持された環状部材本体34A(以下、
本体34Aという)と、該本体34Aの内周側から前記
鏡板31Aの前面側に摺接するように径方向内向きに突
出し、該鏡板31Aのスラスト方向の荷重を受承するよ
うになったスラスト受部34Bと、前記本体34Aの内
周側他端から他側に向けて伸長し、先端側が径方向内向
きに伸長して旋回スクロール31の筒状突部31C先端
に摺接する堰34Cとなった環状の油溜め34Dとから
大略構成され、前記本体34Aの下端側には、下端から
上向きに伸長し、先端側が前記油溜め34D内の下端側
に開口する油通穴34Eが形成されている。
【0051】35は旋回スクロール31のシール溝31
E内に挿着され、鏡板31Aと環状部材34のスラスト
受部34Bとの間を液密にシールするフェイスシール、
36は旋回スクロール31のシール溝31F内に挿着さ
れ、筒状突部31Cと環状部材34の堰34Cとの間を
液密にシールするフェイスシールをそれぞれ示し、該各
フェイスシール35,36は、旋回スクロール31の鏡
板31A,筒状突部31C,環状部材34の堰34C,
油溜め34Dと共に該油溜め34D内を各圧縮室11に
対して遮断するシール部材を構成している。
【0052】かくして、このように構成される本実施例
においても、前記各実施例とほぼ同様の作用効果を得る
ことができるものの、特に、本実施例では、旋回スクロ
ール31の鏡板31A,筒状突部31C,環状部材34
の堰34C,油溜め34D,フェイスシール35,36
とからシール部材を構成するようにしたから、該シール
部材をコンパクト化して固定スクロール32の軸方向寸
法をも小さくすることができ、当該スクロール式空気圧
縮機を大幅に小型化することができる。また、部品点数
を少なくでき組立時の作業性を向上できる、コストを低
減できる等、種々効果を奏する。
【0053】次に、図6ないし図8は本発明の第4の実
施例を示し、本実施例の特徴は、外部の配管を用いるこ
となく、漏洩油をケーシング内に返戻させたことにあ
る。なお、本実施例では、前述した図1および図2に示
す第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、
その説明を省略するものとする。
【0054】図において、41はケーシング1の他端側
に旋回可能に設けられた本実施例による旋回スクロール
を示し、該旋回スクロール41は、前記第1の実施例で
述べた筒状突部7Cの有,無の点で相違する以外は旋回
スクロール7と同様に、円板状に形成された鏡板41A
と、該鏡板41Aに立設された渦巻状のラップ部41B
と、前記鏡板41Aの背面側中央に設けられたボス部4
1Cと、該ボス部41Cの外周側に位置して前記鏡板4
1Aに形成され、各オルダム継手9が接続された複数個
のキー溝41D,41D(2個のみ図示)とから構成さ
れている。
【0055】42はケーシング1の他端側に位置して旋
回スクロール41に対向するように設けられた本実施例
による固定スクロールを示し、該固定スクロール42
は、中心が駆動軸4の軸線と一致するようにして中央部
に配設された鏡板42Aと、該鏡板42Aに前記旋回ス
クロール41のラップ部41Bと同様に立設された渦巻
状のラップ部42Bと、前記鏡板42Aの外周側に位置
して一側に伸長し、後述の環状部材45を介してケーシ
ング1の筒部1Bに固着される筒状の取付筒部42Cと
から大略構成されている。
【0056】また、前記固定スクロール42の外周側に
は、最外周側の圧縮室11に連通する2個の吸込ポート
43,43が形成され、該固定スクロール42の中央部
には、最内周側の圧縮室11に連通する吐出ポート44
が形成されている。
【0057】45はケーシング1の他端側に設けられた
本実施例による環状部材を示し、該環状部材45は、前
記第1の実施例で述べた環状部材14とほぼ同様に、旋
回スクロール41の鏡板41A外周側に位置して前記ケ
ーシング1の筒部1Bと固定スクロール42の取付筒部
42Cとの間に挟持された環状部材本体45A(以下、
本体45Aという)と、該本体45Aの内周側から前記
鏡板41Aの前面側に摺接するように径方向内向きに突
出し、該鏡板41Aのスラスト方向の荷重を受承するよ
うになったスラスト受部45Bと、前記本体45Aの内
周側他端から他側に向けて伸長し、先端側が径方向内向
きに突出する堰45Cとなった環状の油溜め45Dとか
ら大略構成されているものの、該環状部材45の油通穴
45Eは、前記スラスト受部45Bの下端外周側を軸方
向に貫通するように形成され、該油通穴45Eとスラス
ト受部3の油穴3Aとで戻し通路を構成するようになっ
ている。
【0058】そして、該環状部材45は、前記スラスト
受部45Bで旋回スクロール41のスラスト方向の荷重
を受承しつつ、該旋回スクロール41の鏡板41Aとス
ラスト受部45Bとの間の隙間を介して固定スクロール
42側に漏洩した漏洩油2を堰45Cで堰き止めて油溜
め45D内に捕捉し、この漏洩油2を油通穴45E,ス
ラスト受部3の油穴3Aを介してケーシング1内に返戻
させるものである。
【0059】また、46,47はスラスト受部3,旋回
スクロール41の鏡板41Aの他端面側に設けられたフ
ェイスシールをそれぞれ示し、該フェイスシール46,
47は、前記鏡板41Aとスラスト受部3,環状部材4
5のスラスト受部45Bとの間を液密にシールするもの
である。
【0060】なお、図8に変形例として示すように、フ
ェイスシール46′,47′を鏡板41A,環状部材4
5のスラスト受部45Bの一端面側に設けるようにして
もよい。
【0061】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記各実施例とほぼ同様の作用効果を得ることが
できるものの、特に、本実施例では、外部の配管等を廃
止してより部品点数を削減することができ、大幅に作業
性を向上できる上に製作コストを低減させることができ
る。
【0062】次に、図9は本発明の第5の実施例を示
し、本実施例の特徴は、部品点数を削減しつつシール部
材によって漏洩油が各圧縮室内に浸入するのを確実に防
止したことにある。なお、本実施例では、前述した図6
ないし図8に示す第4の実施例と同一の構成要素に同一
の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0063】図において、51はケーシング1の他端側
に旋回可能に設けられた本実施例による旋回スクロール
を示し、該旋回スクロール51は、前記第1の実施例で
述べた旋回スクロール7と同様に、円板状に形成された
鏡板51Aと、該鏡板51Aに立設された渦巻状のラッ
プ部51Bと、該ラップ部51Bの外周側を取囲むよう
に前記鏡板51Aに立設された円筒状の筒状突部51C
と、前記鏡板51Aの背面側中央に設けられたボス部
(図示せず)とから大略構成され、前記鏡板51Aの背
面側には、前記ボス部の外周側に位置して各オルダム継
手9が接続される複数個のキー溝51D(1個のみ図
示)が周方向に所定間隔をもって形成されている。
【0064】52はケーシング1の他端側に位置して旋
回スクロール51に対向するように設けられた本実施例
による固定スクロールを示し、該固定スクロール52
は、前記第1の実施例で述べた固定スクロール10と同
様に、中心が駆動軸4の軸線と一致するようにして中央
部に配設された鏡板52Aと、該鏡板52Aに前記旋回
スクロール51のラップ部51Bと同様に立設された渦
巻状のラップ部52Bと、前記鏡板52Aの外周側に位
置して一側に伸長し、環状部材45を介してケーシング
1の筒部1Bに固着される筒状の取付筒部52Cとから
大略構成され、該取付筒部52Cの内周側には環状の吸
込通路52Dが形成されている。
【0065】また、前記固定スクロール52の外周側に
は、吸込通路52Dを介して最外周側の圧縮室11に連
通する吸込ポート53が形成され、該固定スクロール5
2の中央部には、最内周側の圧縮室11に連通する吐出
ポート(図示せず)が形成されている。
【0066】54は固定スクロール52の鏡板52A外
周側に位置して油溜め45Dを各圧縮室11に対して遮
断するように旋回スクロール51と環状部材45との間
に設けられたシール部材を示し、該シール部材54は、
前記旋回スクロール51の旋回動作を許すように可撓性
を有し、ゴム材料または樹脂材料等の高分子材料から断
面U字状に形成され、内,外周側がそれぞれ前記旋回ス
クロール51の筒状突部51C,環状部材45の油溜め
45Dに固着されている。
【0067】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記各実施例とほぼ同様の作用効果を得ることが
できるものの、特に、本実施例では、前記第4の実施例
と同様に外部の配管等を廃止してより部品点数を削減し
つつ、シール部材54を設けることによって漏洩油2が
各圧縮室11内に浸入するのを確実に防止することがで
き、作業性を向上しつつ信頼性を向上することができ
る。
【0068】次に、図10は本発明の第6の実施例を示
し、本実施例の特徴は、環状部材の内周側とシール部材
の内周端側との間に飛散防止手段を設け、該シール部材
が油によって破損するのを防止すると共に、該シール部
材が破損したときにも漏洩油が各圧縮室内に浸入するの
を防止したことにある。なお、本実施例では、前述した
図9に示す第5の実施例と同一の構成要素に同一の符号
を付し、その説明を省略するものとする。
【0069】図において、61はケーシング1の他端側
に設けられた本実施例による環状部材を示し、該環状部
材61は、旋回スクロール51の鏡板51A外周側に位
置して前記ケーシング1の筒部1Bと固定スクロール5
2の取付筒部52Cとの間に挟持された環状部材本体6
1A(以下、本体61Aという)と、該本体61Aの内
周側から前記鏡板51Aの前面側に摺接するように径方
向内向きに突出し、該鏡板51Aのスラスト方向の荷重
を受承するようになったスラスト受部61Bと、前記本
体61Aの内周側他端から他側に向けて伸長し、先端側
に径方向内向きに突出する2枚の堰61C,61Cが所
定寸法離間して平行に設けられた環状の油溜め61Dと
から大略構成され、前記各堰61Cのうち、一側に位置
する堰61Cの下端外周側には、該各堰61C間に捕捉
された漏洩油2をケーシング1側に流通させるための流
通穴61Eが穿設されている。また、前記各堰61Cの
内周端側は漏洩油2を効果的に堰き止められるように一
側に屈曲している。さらに、前記スラスト受部61Bの
下端外周側には、前記流通穴61E,スラスト受部3の
油穴3Aと共に戻し通路を構成する油通穴61Fが軸方
向に貫通するように形成されている。
【0070】62は固定スクロール52の鏡板52A外
周側に位置して油溜め61Dを各圧縮室11に対して遮
断するように旋回スクロール51と環状部材61との間
に設けられたシール部材を示し、該シール部材62は、
前記旋回スクロール51の旋回動作を許すように可撓性
を有し、ゴム材料または樹脂材料等の高分子材料から断
面U字状に形成され、内,外周側がそれぞれ前記旋回ス
クロール51の筒状突部51C,環状部材61の油溜め
61Dに固着されている。また、該シール部材62に
は、内周端側に位置して環状部材61の各堰61Cの一
側に重なり合うように径方向外向きに突出し、該各堰6
1Cと共に飛散防止手段を構成する環状の遮蔽板62
A,62Aが一体に設けられている。
【0071】そして、該シール部材62は、環状部材6
1の油溜め61Dを各圧縮室11に対して遮断し、各遮
蔽板62Aでは各堰61Cの内周側を閉塞することによ
って油溜め61D内に捕捉した漏洩油2が飛散してシー
ル部材62内に浸入するのを防止している。
【0072】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記各実施例とほぼ同様の作用効果を得ることが
できるものの、特に、本実施例では、環状部材61に堰
61Cを2枚設けた上に、該各堰61Cの内周側をシー
ル部材62の各遮蔽板62Aで閉塞するようにしたか
ら、油溜め61D内に捕捉した漏洩油2が飛散してシー
ル部材62側に浸入するのを防止でき、該シール部材6
2の油による劣化を防止して寿命を伸ばすことができ
る。また、シール部材62が破損した場合でも漏洩油2
が各圧縮室11内に浸入するのを防止でき、当該空気圧
縮機の信頼性を大幅に向上することができる。
【0073】次に、図11は本発明の第7の実施例を示
し、本実施例の特徴は、シール部材の各遮蔽板に油を吸
着する吸着部材を取付けたことにある。なお、本実施例
では、前述した図10に示す第6の実施例と同一の構成
要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。
【0074】図において、71,71はシール部材62
の各遮蔽板62A一側面に固着された飛散防止手段とし
ての吸着部材を示し、該各吸着部材71は、フェルト等
の吸着材から前記各遮蔽板62Aの形状に合せて円環状
に形成されている。そして、該各吸着部材71は、環状
部材61の油溜め61D内に捕捉した漏洩油2が飛散し
たときに、この飛散した漏洩油2を吸着するものであ
る。
【0075】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記各実施例とほぼ同様の作用効果を得ることが
できるものの、特に、本実施例では、飛散した漏洩油2
を確実に吸着することができるから、漏洩油2がシール
部材62を腐食させるのをより確実に防止することがで
きる。
【0076】なお、前記各実施例では、スクロール式空
気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、例えば冷媒等の流体を圧縮するのに用いてもよく、
真空ポンプ等のスクロール式流体機械に適用してもよ
い。
【0077】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、ケ
ーシングと固定スクロールとの間には旋回スクロールの
外周側に位置し、前記ケーシング内に収容した潤滑油の
うち、固定スクロール側に漏洩した漏洩油を捕捉する油
溜めを設け、該油溜めとケーシングとの間には該油溜め
内の漏洩油を該ケーシング内に戻す戻し通路を設ける構
成としているから、ケーシング内に収容された潤滑油の
うち、旋回スクロールとケーシングとの間等を介して固
定スクロール側に漏洩した漏洩油を油溜めによって捕捉
しつつ、該油溜めから戻し通路を介してケーシング内に
返戻させることができ、漏洩油が各圧縮室内に浸入する
のを防止して、吐出ポートから清浄な圧縮空気等の流体
を吐出させて当該スクロール式流体機械の信頼性を向上
できる。
【0078】また、ケーシングまたは固定スクロールと
旋回スクロールとの間に油溜めよりも固定スクロール側
に位置して前記ケーシング内を前記各圧縮室に対して遮
断するシール部材を設け、該シール部材によって前記油
溜めを取囲むようにしたから、油溜め内に捕捉した漏洩
油が各圧縮室内に浸入するのを防止できる上に、運搬時
等に傾いてもケーシング内の潤滑油が外部に漏洩するの
を防止することができる。
【0079】さらに、戻し配管を基端側が前記油溜めに
接続され、先端側が前記ケーシング内の一端側近傍に開
口するように該ケーシングに接続した戻し配管としたか
ら、傾いたときにケーシング内に収容された潤滑油が該
油溜め内に逆流するのを防止でき、より取扱いを容易に
できる。
【0080】さらにまた、油溜めと固定スクロールとの
間には、該油溜め内に捕捉した漏洩油が各圧縮室内に飛
散するのを防止する飛散防止手段を設ける構成としたか
ら、油溜め内に捕捉した漏洩油が飛散して各圧縮室内に
浸入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスクロール式空気
圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例によるスクロール式空気
圧縮機を示す図2と同様位置の縦断面図である。
【図4】図3中のスクロール式空気圧縮機を固定スクロ
ール側から示す外観図である。
【図5】本発明の第3の実施例によるスクロール式空気
圧縮機を示す図2と同様位置の縦断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例によるスクロール式空気
圧縮機を示す図1と同様の縦断面図である。
【図7】図6中の矢示A部を示す拡大縦断面図である。
【図8】第4の実施例の変形例を示す図7と同様位置の
縦断面図である。
【図9】本発明の第5の実施例によるスクロール式空気
圧縮機を示す図2と同様位置の縦断面図である。
【図10】本発明の第6の実施例によるスクロール式空
気圧縮機を示す図2と同様位置の縦断面図である。
【図11】本発明の第7の実施例によるスクロール式空
気圧縮機を示す図2と同様位置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 1C 軸受部 2 潤滑油(漏洩油) 4 駆動軸 4A クランク部 7,31,41,51 旋回スクロール 7A,10A,31A,32A,41A,42A,51
A,52A 鏡板 7B,10B,31B,32B,41B,42B,51
B,52B ラップ部 10,32,42,52 固定スクロール 11 圧縮室 12,33,43,53 吸込ポート 13,44 吐出ポート 14,34,45,61 環状部材 14D,34D,45D,61D 油溜め 15,54,62 シール部材 16,21 戻し配管 31C 筒状突部(シール部材) 34B スラスト受部(シール部材) 34C 堰(シール部材) 35,36 フェイスシール(シール部材) 62A 遮蔽板(飛散防止手段) 71 吸着部材(飛散防止手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04C 29/02 311 E 6907−3H 361 A 6907−3H (72)発明者 福井 宏治 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 小林 義雄 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側が軸受部となって閉塞され、他端
    側が開口する筒状のケーシングと、該ケーシングの軸受
    部に回転可能に軸支され、先端側が該ケーシング内でク
    ランク部となった駆動軸と、前記ケーシング内に位置し
    て該駆動軸のクランク部に旋回可能に設けられ、鏡板に
    渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールと、該旋
    回スクロールと対向するように前記ケーシングの他端側
    に設けられ、鏡板に該旋回スクロールのラップ部と重な
    る渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、該
    固定スクロールのラップ部と前記旋回スクロールのラッ
    プ部との間に形成され、吸込ポートを介して吸込んだ流
    体を順次圧縮しつつ吐出ポートから吐出させる複数の圧
    縮室とからなるスクロール式流体機械において、前記ケ
    ーシングと固定スクロールとの間には前記旋回スクロー
    ルの外周側に位置し、前記ケーシング内に収容した潤滑
    油のうち、固定スクロール側に漏洩した漏洩油を捕捉す
    る油溜めを設け、該油溜めとケーシングとの間には該油
    溜め内の漏洩油を該ケーシング内に戻す戻し通路を設け
    たことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングまたは固定スクロールと
    旋回スクロールとの間には、前記油溜めよりも固定スク
    ロール側に位置して前記ケーシング内を前記各圧縮室に
    対して遮断するシール部材を設け、該シール部材によっ
    て前記油溜めを取囲む構成としてなる請求項1に記載の
    スクロール式流体機械。
  3. 【請求項3】 前記戻し通路は、基端側が前記油溜めに
    接続され、先端側が前記ケーシング内の一端側近傍に開
    口するように該ケーシングに接続された戻し配管により
    構成してなる請求項1または2に記載のスクロール式流
    体機械。
  4. 【請求項4】 前記油溜めと固定スクロールとの間に
    は、該油溜め内に捕捉した漏洩油が各圧縮室内に飛散す
    るのを防止する飛散防止手段を設けてなる請求項1,2
    または3に記載のスクロール式流体機械。
JP5514393A 1993-02-19 1993-02-19 スクロール式流体機械 Pending JPH06249166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5514393A JPH06249166A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 スクロール式流体機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5514393A JPH06249166A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 スクロール式流体機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06249166A true JPH06249166A (ja) 1994-09-06

Family

ID=12990551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5514393A Pending JPH06249166A (ja) 1993-02-19 1993-02-19 スクロール式流体機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06249166A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6196817B1 (en) * 1998-12-15 2001-03-06 Denso Corporation Compresser with lubricating oil control
US6592345B2 (en) * 2001-01-31 2003-07-15 Tokico Ltd. Scroll compressor
WO2017221835A1 (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 開放型圧縮機
JP2021021334A (ja) * 2019-07-24 2021-02-18 トヨタ自動車株式会社 スクロール型流体機械

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6196817B1 (en) * 1998-12-15 2001-03-06 Denso Corporation Compresser with lubricating oil control
US6592345B2 (en) * 2001-01-31 2003-07-15 Tokico Ltd. Scroll compressor
WO2017221835A1 (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 開放型圧縮機
JP2021021334A (ja) * 2019-07-24 2021-02-18 トヨタ自動車株式会社 スクロール型流体機械

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5314316A (en) Scroll apparatus with reduced inlet pressure drop
US7322809B2 (en) Rotary compressor with sealing portions and oil-supply groove
JP2004100609A (ja) スクロール流体機械
JP4848202B2 (ja) スクロール圧縮機
JPH06249166A (ja) スクロール式流体機械
JP7057532B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5145252B2 (ja) スクロール圧縮機及びスクロール圧縮機の給油方法
JPH08326671A (ja) スクロール圧縮機
JP2813497B2 (ja) スクロール型流体機械
JP2000073969A (ja) スクロール式流体機械
JP4298841B2 (ja) スクロール式流体機械
JP2000291579A (ja) 水冷式ガス供給装置
JP7468428B2 (ja) スクロール型圧縮機
JP3036927B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5017169B2 (ja) スクロール式流体機械
JPH05240170A (ja) 密閉圧縮機の流体ポンプ
JPS62139991A (ja) スクロ−ル型圧縮機
JPH11280683A (ja) スクロール式流体機械
JPH05272473A (ja) 密閉圧縮機の油ポンプ
JP3389866B2 (ja) 高圧ドーム形スクロール圧縮機
JPS589278B2 (ja) 容積式流体圧縮装置
JPH10306785A (ja) スクロール型圧縮機
JP2003184776A (ja) 圧縮機
JPH07279867A (ja) スクロール型コンプレッサ
JP3007217B2 (ja) スクロール式流体機械