JPH06248506A - ポリプロピレン繊維および繊維補強セメント成型体 - Google Patents

ポリプロピレン繊維および繊維補強セメント成型体

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JPH06248506A
JPH06248506A JP3309858A JP30985891A JPH06248506A JP H06248506 A JPH06248506 A JP H06248506A JP 3309858 A JP3309858 A JP 3309858A JP 30985891 A JP30985891 A JP 30985891A JP H06248506 A JPH06248506 A JP H06248506A
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polypropylene
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Daiwabo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 破断強度6g/デニール以上の高結晶性で剛
直性にすぐれたポリプロピレン繊維で、セメントスラリ
ー中によく分散するセメント強化用繊維を得る。これに
よって曲げ強度、シャルピー衝撃強度に優れたセメント
成型体を得る。 【構成】 分子量分布の幅が狭く、立体規則性が高いポ
ロプロピレンに平均粒径が1μ未満の炭酸カルシウム微
粉末を加えて溶融紡糸した高強力ポリプロピレン繊維に
ノルマルアルキルホスフェートアルカリ金属塩を付着さ
せたセメント強化用繊維と、この繊維を0.5〜5重量
%含むセメント成型体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来のものより高強力
で、セメントスラリー液中に分散させても繊維の浮上現
象(浮き種現象)がなく、均一に分散し、かつセメント
スラリー液中での沈降性のよいセメント強化用ポリプロ
ピレン繊維およびこの繊維で補強されたセメント成型体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来石綿に替わるセメント強化用繊維と
して種々の無機繊維、合成繊維の使用が提案されてい
る。例えば、特開昭49−98424号、特開昭49−
104917号、特開昭49−104918号、特開昭
61−86452号、特開昭62−171952号等に
はガラス繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、ポリ
プロピレン繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維
の使用が教示されている。
【0003】これらの強化繊維を用い、通常の方法、例
えば抄造成型、押出成型または注型成型によって成型し
たセメント成型体は、その強度を向上させるため、さら
に高圧プレス手法で組織を密にしたり、各種条件で養生
する手法が一般に行われている。この養生には自然養
生、蒸気養生とオートクレーブ養生があるが、自然養生
では14日以上という長期の養生が必要で、140℃を
超える温度となるオートクレーブ養生は、通常12〜1
8時間の養生で済む利点がある。
【0004】セメントマトリックスのアルカリ性条件
下、上述した高温での養生では、ポリエステル繊維、ビ
ニロン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維は分解等の
化学変化を受けて月危化して強化繊維としての機能は失
われてしまう。また、通常のガラス繊維は勿論、耐アル
カリ性ガラス繊維でも上述した高温での養生をうけると
月危化して強化繊維としての機能は失われるか、著しく
低減してしまう。唯一、耐え得るのは、耐熱アルカリ性
であるポリプロピレンおよびポリ4−メチルペンテン−
1などのポリオレフィン系繊維である。
【0005】しかしながら従来のポリプロピレン繊維
は、HIが96〜97重量%、IPFが93〜94モル
%の結晶性ポリプロピレンを用いており、通常5〜6g
/dの強度であった。また、延伸性を改良するためQ値
が4前後と低いポリプロピレンを用いて、150℃前後
の乾式延伸を行う方法も知られているが、これによって
も強力は7.5g/d程度が最大であり、強力的に他の
繊維に劣るため、セメント製品の強化用船医として限定
された分野での使用が多かった。
【0006】高結晶性ポリプロピレンを用いたポリプロ
ピレン繊維およびその複合繊維については、特開昭60
−59113号公報、同62−41331号公報、およ
び特公平3−20505号公報などに記載されているが
それらの実施例では従来のポリプロピレンと同様の破断
強度が示されているのみである。尚、従来高結晶性ポリ
プロピレンの主たる用途は、射出成型分野であり、熱収
縮を押さえるためQ値を6以上と広いポリマーのみ市場
に流通していた。この樹脂はQ値が大きく延伸配向性が
従来のポリプロピレンと同様の値であった。
【0007】また、ポリオレフィン繊維は本来の性質と
して、疎水性が大きく、セメント粒子との親和性に乏し
いため界面活性剤による繊維表面処理をし、繊維を親水
化していたが、湿式抄造法などでセメントスラリー液中
に繊維を投入すると界面活性剤が繊維表面から流出除去
されるため、セメントスラリー液中に均一に分散しにく
く、繊維がスラリー表面に浮上しやすいという難点があ
った。
【0008】この不均一分散あるいは浮上現象によって
繊維の有効混合量が低下し、所定の補強効果が得られな
くなるため、特開昭64−33036号公報に記載され
るようなカルシウムイオンで難溶化するジアルキルホス
フェート塩を繊維処理剤として用い、セメントスラリー
液に繊維を投入した時、速やかに繊維処理剤を繊維表面
で難溶化させ繊維表面に固着させて、繊維の親水化を維
持し、均一分散と浮上現象防止を達成している例があ
る。
【0009】
【発明が解決すべき課題】アルキルホスフェート塩を処
理剤としたポリプロピレン繊維は、カルシウムイオンが
高濃度であるセメントスラリー中に投入されると、繊維
表面に難溶化したアルキルホスフェートカルシウム塩が
固着し、繊維の親水化を維持できるので、繊維が浮上す
ることはないが、カルシウムイオンが少ないとこの方法
もうまくいかなかった。
【0010】すなわちセメント製品の製造システムによ
っては真水に強化用繊維を分散させた後、セメント粉体
を投入してセメントスラリーを作ることがあり、このよ
うな場合はカルシウムイオンが少ないので前記アルキル
フォスフェート塩で処理した繊維は界面活性剤を除去さ
れ、浮上してしまうのである。
【0011】また従来の溶融紡糸方法で作られ、前記ア
ルキルホスフェート塩で処理したポリプロピレン繊維
は、低比重で耐熱アルカリ性に優れ、かつ安価であると
いう長所を持つためセメント製品の強化用として多用さ
れてきたが、他の合成繊維に比べ強力の面で劣ってい
た。そして他の合成繊維は近年強力の向上が目覚ましい
ため益々相対的な強力低下が生じ、本来強力を必要とす
るセメント強化用短繊維の分野でポリプロピレン繊維に
も強力向上の要求が強まってきた。
【0012】前記目的を達成するため、本発明は、高延
伸して高強力とするためQ値が小さく、延伸時の配向性
を向上させるため低結晶性成分が少なく、立体規則性が
極めて高い高結晶性ポリプロピレンを使用し、これに炭
酸カルシウムの微粉末を加えて溶融紡糸し次いで乾式延
伸法など、構成する成分で融着しない範囲の高い温度で
延伸して、延伸倍率を高くし、高強力ポリプロピレン繊
維を得る。そして前記アルキルフォスフェート塩で表面
処理してセメント強化用繊維を得る。この繊維を用いて
自然養生やオートクレーブ養生した繊維強化セメント成
型体の強力、特にシャルピー衝撃力を大幅に向上できる
セメント強化用繊維を得ることを目的とする。
【0013】また本発明の別の目的はこのようなポリオ
レフィン繊維の特徴を生かしたまま、親水性及び水中沈
降性を向上させ、カルシウムイオンが少ない水中でも分
散性のよいセメント強化用繊維を得ることをにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ため、本発明者等は従来のセメント強化用繊維は単に繊
維としての破断強度が高いものを使用することがセメン
ト成型体の強度を向上させるという考えかたから一歩進
めて、セメント成型体の強度は強化用繊維の剛直性も大
きく寄与していることを見いだした。そのためには、補
強繊維であるポリプロピレン繊維を従来のものより高結
晶の繊維にすることとし本発明に至った。
【0015】前記目的を達成するため、本発明のポリプ
ロピレン繊維はQ値(Q:重量平均分子量/数平均分子
量の比)が5未満、沸騰n−ヘプタン不溶分(HI:重
量%)が97<HI<100、アイソタクチックペンタ
ッド分率(IPF:モル%)が94<IPF<100で
ある高結晶性ポリプロピレンに平均直径が1μm未満の
炭酸カルシウム微粉末を4〜20重量gを含んだ樹脂か
らなる、繊維の破断強度が6g/デニールを超える強度
を有するポリプロピレン繊維に、炭素数8〜18のノル
マルアルキルホスフェートアルカリ金属塩が繊維重量に
対して0.05〜10重量%付着されていることを特徴
とするセメント強化用ポリプロピレン繊維である。
【0016】また本発明のさらに好ましい態様として
は、前記ポリプロピレン樹脂成分を鞘部に、炭酸カルシ
ウムを含まない前記ポリプロピレン樹脂成分を芯部とす
る繊維の破断強度が7g/デニールの芯鞘型ポリプロピ
レン繊維に、炭素数8〜18のノルマルアルキルホスフ
ェートアルカリ金属塩が繊維重量に対して0.05〜1
0重量%付着されていることを特徴とするセメント強化
用ポリプロピレン繊維である。このような芯鞘型構造に
することにより、繊維強度は一層向上し本発明の目的を
達成できる。
【0017】前記構成において本発明に用いるポリプロ
ピレン樹脂はQ値が5未満、好ましくは4以下、HIが
97%より以上、好ましくは98%以上、IPFが94
%より以上、好ましくは96%以上の高結晶性ポリプロ
ピレンである。Q値を5未満にするのは熱延伸性を良好
にするためである。HIを97%より以上及びIPFを
94%より以上とするのは、低結晶成分が少なく立体規
則性にすぐれたポリプロピレン樹脂をえらんで延伸によ
り結晶配向を向上させて繊維強力を高め、繊維の剛直性
を優れたものにするためである。
【0018】前記本発明に用いる炭酸カルシウムの微粉
末は、平均直径が1μm未満、好ましくは0.6μm未
満で、2μm以上の粒子を含まないことが好ましい。こ
のような炭酸カルシウムであれば1〜20デニールの繊
維を安定して紡糸することができる。
【0019】繊維中に混入する炭酸カルシウムの量は4
%未満ではアルキルホスフェート塩の付着量を増やして
もセメントスラリー中で浮き種ができやすく、20重量
%を超えると繊維の延伸性が低下し所望の強度を得られ
にくくなる。好ましくは10〜20重量%である。また
炭酸カルシウム微粉末はポリプロピレン樹脂中に混入す
る前に界面活性剤処理をすることが好ましい。
【0020】またアルキルホスフェート塩は、炭素数8
〜18のノルマルアルキル基を有するモノアルキルエス
テルまたはジアルキルエステルで、このナトリウム塩も
しくはカリウム塩である。またアルキルホスフェート塩
の付着量が0.05重量%未満であると繊維の分散が不
十分となり、0.05重量%以上であればよいが、10
重量%を超えても効果は殆ど向上しない。
【0021】本発明のポリプロピレン繊維は、セメント
成型体の乾燥セメントマトリックスに対して0.5〜5
重量%添加されることが好ましく、0.5重量%未満で
は繊維補強効果が得られず、5重量%を超えると曲げ強
度が逆に低下して不都合である。また本発明のセメント
成型体は、セメントスラリー液より抄造したものをオー
トクレーブ養生するのが好ましい。
【0022】さらに上記抄造したものを少なくとも10
0Kg/cm2 以上、好ましくは200Kg/cm2
圧力でプレスすることにより成型体の強度を一層向上さ
せることができ、これを30日弱の水中養生もしくは約
170℃で12〜18時間オートクレーブ養生させるの
が最も好ましい。
【0023】
【発明の作用】前記した本発明の構成によれば、延伸に
よる結晶配向を阻害する低結晶性成分が少なく、沸騰n
−ヘプタン不溶分が従来のポリプロピレンより大きく、
また延伸による結晶配向を助成するため立体規則性に優
れた、すなわちアイソタクチックペンタッド分率を従来
のポリプロピレンより大きく、かつ延伸性を改良するた
め、Q値を従来の高結晶性ポリプロピレンより大幅に低
くしたので、延伸倍率を高くし、高強力のセメント強化
用ポリプロピレン繊維が得られる。
【0024】このように、従来のポリプロピレンに比べ
高度に配向し結晶しやすいポリプロピレンを用いて、分
子の絡まりと切断を回避するよう比較的低い温度で溶融
紡糸し、次いでできるだけ高い温度で高延伸倍率で延伸
して、従来のポリプロピレン繊維に比べて高度に配向結
晶した繊維とすることにより、少なくとも単一繊維では
通常のポリプロピレンでは大量生産では達成しえなかっ
た破断強度を6g/デニールを超えるポリプロピレン繊
維を得ることができ、さらに前記の好ましい延伸条件を
用いれば破断強度を9g/デニール以上にすることも容
易に可能である。
【0025】さら繊維を湿潤下におくと繊維の表面に炭
酸カルシウムから浸出するカルシウムイオンと繊維に付
着しているアルキルホスフェート塩のイオン交換が生
じ、アルキルホスフェートカルシウム塩が繊維表面に固
着し、繊維を水中で分散がよい程度に親水化し、繊維に
は水中での攪拌混合中発生した空気泡などが付着しにく
くなり、繊維の浮上現象が生じない。
【0026】さらに湿潤下では繊維表面よりカルシウム
イオンが徐々に浸出し、且つ繊維表面は繊維処理剤不溶
物とセメント粒子の混合物で覆われているので、セメン
トマトリックスとの親和性が従来のポリプロピレン繊維
より格段に向上しており、セメント成型体の破断的マト
リックス中より繊維が素抜けすることを減少させるとい
う効果がある。さらに繊維自身の強力も向上しているた
め本発明の繊維を補強用に用いたセメント成型体は曲げ
強力及び衝撃強力共に従来品に比べ大幅に向上する。
【0027】
【実施例】本発明に用いられるポリプロピレンは、その
溶融流動性は溶融紡糸の都合上メルトフローレート(M
FR:g/10分、JIS−K−7210により測定、
加重2169g、測定温度230℃)が1<MFR<1
00、より好ましくは5<MFR<30、最も好ましく
は10〜20の範囲であり、密度は原料ペレット状態で
は0.905前後で特に通常のポリプロピレンとは変わ
りない。
【0028】溶融紡糸温度は、その立体規則性を損なわ
ない範囲の温度であればよいが分子の絡み、まるまりを
少なくするため比較的低い温度、たとえば単一繊維では
260〜280℃が好ましい。延伸温度は、延伸性を少
しでも向上させるため、140〜150℃の熱ロール乾
式延伸法で高延伸することが望ましい。
【0029】次に本発明で定義する各ファクターについ
て、その測定例を説明する。 (1)重量平均分子量は、例えば光散乱法、粘度法、超
遠心法を用いて、M=[ΣNiMi2 ]/[ΣNiM
i]の式によって求める。 (2)数平均分子量は、例えば末端基定量法、氷点降下
法、浸透圧法を用いて、Mn=[ΣNiMi]/[ΣN
i]の式によって求める。 一般的に重量平均分子量/数平均分子量は、多分散度の
尺度として用いられ、この値が1(単分散)より大きく
なるほど分子量分布曲線が幅広く(ブロード)になるこ
とを意味する。また枝分かれが多いポリマーも高い数値
になる。 (3)n−ヘプタン不溶分(HI)は、5gのポリプロ
ピレン試料を500mlの沸騰キシレン中に全溶解さ
せ、これらを5lのメタノール中に投入して析出させた
ものを回収して乾燥した後、沸騰n−ヘプタンで6時
間、ソックスレー抽出した抽出残部をいう。 (4)アイソタクチックペンタッド分率(IPF)は、
n−ヘプタン不溶分について「マクロモレキュラーズ」
(Macromoleculer,Vol.6,925
(1973)およびVol.8,687(1975)に
準じ測定した。 (5)メルトフローレート(MFR)は、温度190℃
でノズル通過量(単位:g/10分、JIS−K−72
10に準ず、荷加重2.169kg)で測定した。
【0030】以下具体的に実施例を説明する。 [実施例1〜8、比較例1〜7]表1に示すポリプロピ
レン樹脂ペレットとこの樹脂に平均粒径0.5μmの金
属石鹸で前処理をした炭酸カルシウム微粉末を練りこん
だ樹脂ペレットを用いて、炭酸カルシウムを含む樹脂ペ
レットを鞘成分に、炭酸カルシウムを含まない樹脂ペレ
ットを芯成分にした繊維断面における芯成分と鞘成分の
面積比が1:1の芯鞘型複合繊維と、炭酸カルシウムを
含む樹脂ペレットのみを成分とする単一繊維をそれぞれ
溶融紡糸した。これら未延伸糸をそれぞれ150℃の雰
囲気中の150℃熱ロールを用いて乾式延伸し、ノルマ
ルアルキルホスフェート金属塩である各種界面活性剤水
溶液を含浸させて一夜放置し、風乾して6mmまたは1
0mmに切断した。このとき風乾した切断前の繊維で延
伸糸の強伸度を測定した。
【0031】次に7.2lの水道水に普通ポルトランド
セメント680g、パルプ17g、中国産マイカ粉末1
70g、及び上記実施例および比較例のそれぞれの短繊
維8.5g(但し、実施例6は13g、比較例3は2.
6g、比較例5は従来のポリプロピレン繊維、比較例6
は短繊維の替わりにアスベストを43g、比較例7は2
デニール×6mmの市販のビニロンを8.5gをそれぞ
れ投入した。)を順次投入、混合して8lのセメントス
ラリーを調液した。
【0032】このスラリー液に凝集剤(商品名:アイケ
イフロック、市川毛織株式会社製)0.02重量%液を
20ml添加し、底面積が250mm×250mmのモ
ールド容器中に、8回に分けてこのスラリー液を注入
し、60メッシュの金網を通して脱水して抄造し、これ
らを上面を上として順次重ねて8層の積層品とし厚さ約
8mmの平板状の半可塑状成型物を得た。
【0033】この半可塑状成型物を200kg/cm2
の圧力で1分間プレスし、この圧縮成型物を室温、湿潤
状態で28日間放置して自然養生後、その間のスラリー
状態および製品を評価した。その結果を表1に示す。
【0034】尚、試験評価は次のようにして行った。 浮上繊維割合(%):作成したセメントスラリーを10
分間静置してその上澄み液の浮上繊維を金網ですくい上
げ乾燥し、繊維重量Agを測定し、繊維投入量Bgよ
り、浮上繊維割合(%)=100A/Bの式で算出す
る。 分散状態:スラリーをモールド容器中に投入した後、脱
水して得られる半可塑状態成型物の表面の凹凸状態を観
測し、下記のように評価した。 ◎:凹凸が非常に少ない状態。 ○:凹凸がやや少ない状態。 △:凹凸がやや多い状態。 ×:凹凸が非常に多い状態。 製品外観:養生後のセメント製品の表裏面を観察して、
下記のように評価した。 ◎:製品表面に繊維の露出が殆ど認められない状態。 ○:製品表面に繊維の露出がやや少ない状態。 △:製品表面に繊維の露出がやや多い状態。 ×:製品表面に繊維の露出が多く認められる状態。 まげ強度:JIS−A−1408により測定した。 シャルピー衝撃強度:JIS−B−7722により測定
した。
【0035】[実施例9〜12、比較例8〜11]実施
例1と同様にしてプレスしたもの、および5mm厚の抄造
半可塑状成型体を各々160℃で18時間のオートクレ
ーブ養生後、製品を評価した。その結果を表2に示す。
【0036】[実施例13〜14、比較例12〜15]
普通ポルトランドセメント510g、珪砂340g、ア
スベスト17g、パルプ17gおよび実施例1および比
較例15と6の繊維8.5gをそれぞれ7.2lの水道
水に順次、投入混合して8lのセメントスラリーを作成
し、さらに凝集剤0.02重量%液20mlを添加した
後モールド容器中に8回にわけて注入後、60メッシュ
の金網を通して脱水し、厚さ約5mmの平板状の半可塑
状成型物を得た。この成型物を湿潤状態で28日間放置
する自然養生法、および160℃で10時間のオートク
レーブ養生処理して製品を評価した。その結果を表3に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン繊維は、繊維自
体の疎水性が大きく、比重が小さいにも拘らずセメント
スラリーとよく混合して好ましく分散するため、セメン
ト補強用繊維として有用であり、特に湿式抄造法で作ら
れるセメント製品製造工程において繊維の浮上現象がみ
られず、その製品は表面外観に優れ、投入繊維が均一に
分散するため有効に補強作用をなすことができる。さら
に繊維が従来のポリプロピレン補強用繊維以上の高強力
のため曲げ強度、衝撃強度の優れたものとなる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】前記目的を達成するため、本発明のポリプ
ロピレン繊維はQ値(Q:重量平均分子量/数平均分子
量の比)が5未満、沸騰n−ヘプタン不溶分(HI:重
量%)が97<HI<100、アイソタクチックペンタ
ッド分率(IPF:モル%)が94<IPF<100で
ある高結晶性ポリプロピレンに平均直径が1μm未満の
炭酸カルシウム微粉末を3〜20重量gを含んだ樹脂か
らなる、繊維の破断強度が6g/デニールを超える強度
を有するポリプロピレン繊維に、炭素数8〜18のノル
マルアルキルホスフェートアルカリ金属塩が繊維重量に
対して0.05〜10重量%付着されていることを特徴
とするセメント強化用ポリプロピレン繊維である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】繊維中に混入する炭酸カルシウムの量は3
%未満ではアルキルホスフェート塩の付着量を増やして
もセメントスラリー中で浮き種ができやすく、20重量
%を超えると繊維の延伸性が低下し所望の強度を得られ
にくくなる。好ましくは10〜20重量%である。また
炭酸カルシウム微粉末はポリプロピレン樹脂中に混入す
る前に界面活性剤処理をすることが好ましい。
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】また本発明のさらに好ましい態様として
は、前記ポリプロピレン樹脂成分を鞘部に、炭酸カルシ
ウムを含まない前記ポリプロピレン樹脂成分を芯部とす
る繊維の破断強度が7g/デニール以上の芯鞘型ポリプ
ロピレン繊維に、炭素数8〜18のノルマルアルキルホ
スフェートアルカリ金属塩が繊維重量に対して0.05
〜10重量%付着されていることを特徴とするセメント
強化用ポリプロピレン繊維である。このような芯鞘型構
造にすることにより、繊維強度は一層向上し本発明の目
的を達成できる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ポリプロピレン繊維および繊維補強セ
メント成型体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来のものより高強力
で、セメントスラリー液中に分散させても繊維の浮上現
象(浮き種現象)がなく、均一に分散し、かつセメント
スラリー液中での沈降性のよいセメント強化用ポリプロ
ピレン繊維およびこの繊維で補強されたセメント成型体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来石綿に替わるセメント強化用繊維と
して種々の無機繊維、合成繊維の使用が提案されてい
る。例えば、特開昭49−98424号、特開昭49−
104917号、特開昭49−104918号、特開昭
61−86452号、特開昭62−171952号等に
はガラス繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、ポリ
プロピレン繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維
の使用が教示されている。
【0003】これらの強化繊維を用い、通常の方法、例
えば抄造成型、押出成型または注型成型によって成型し
たセメント成型体は、その強度を向上させるため、さら
に高圧プレス手法で組織を密にしたり、各種条件で養生
する手法が一般に行われている。この養生には自然養
生、蒸気養生とオートクレーブ養生があるが、自然養生
では14日以上という長期の養生が必要で、140℃を
超える温度となるオートクレーブ養生は、通常12〜1
8時間の養生で済む利点がある。
【0004】セメントマトリックスのアルカリ性条件
下、上述した高温での養生では、ポリエステル繊維、ビ
ニロン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維は分解等の
化学変化を受けて月危化して強化繊維としての機能は失
われてしまう。また、通常のガラス繊維は勿論、耐アル
カリ性ガラス繊維でも上述した高温での養生をうけると
月危化して強化繊維としての機能は失われるか、著しく
低減してしまう。唯一、耐え得るのは、耐熱アルカリ性
であるポリプロピレンおよびポリ4−メチルペンテン−
1などのポリオレフィン系繊維である。
【0005】しかしながら従来のポリプロピレン繊維
は、HIが96〜97重量%、IPFが93〜94モル
%の結晶性ポリプロピレンを用いており、通常5〜6g
/dの強度であった。また、延伸性を改良するためQ値
が4前後と低いポリプロピレンを用いて、150℃前後
の乾式延伸を行う方法も知られているが、これによって
も強力は7.5g/d程度が最大であり、強力的に他の
繊維に劣るため、セメント製品の強化用船医として限定
された分野での使用が多かった。
【0006】高結晶性ポリプロピレンを用いたポリプロ
ピレン繊維およびその複合繊維については、特開昭60
−59113号公報、同62−41331号公報、およ
び特公平3−20505号公報などに記載されているが
それらの実施例では従来のポリプロピレンと同様の破断
強度が示されているのみである。尚、従来高結晶性ポリ
プロピレンの主たる用途は、射出成型分野であり、熱収
縮を押さえるためQ値を6以上と広いポリマーのみ市場
に流通していた。この樹脂はQ値が大きく延伸配向性が
従来のポリプロピレンと同様の値であった。
【0007】また、ポリオレフィン繊維は本来の性質と
して、疎水性が大きく、セメント粒子との親和性に乏し
いため界面活性剤による繊維表面処理をし、繊維を親水
化していたが、湿式抄造法などでセメントスラリー液中
に繊維を投入すると界面活性剤が繊維表面から流出除去
されるため、セメントスラリー液中に均一に分散しにく
く、繊維がスラリー表面に浮上しやすいという難点があ
った。
【0008】この不均一分散あるいは浮上現象によって
繊維の有効混合量が低下し、所定の補強効果が得られな
くなるため、特開昭64−33036号公報に記載され
るようなカルシウムイオンで難溶化するジアルキルホス
フェート塩を繊維処理剤として用い、セメントスラリー
液に繊維を投入した時、速やかに繊維処理剤を繊維表面
で難溶化させ繊維表面に固着させて、繊維の親水化を維
持し、均一分散と浮上現象防止を達成している例があ
る。
【0009】
【発明が解決すべき課題】アルキルホスフェート塩を処
理剤としたポリプロピレン繊維は、カルシウムイオンが
高濃度であるセメントスラリー中に投入されると、繊維
表面に難溶化したアルキルホスフェートカルシウム塩が
固着し、繊維の親水化を維持できるので、繊維が浮上す
ることはないが、カルシウムイオンが少ないとこの方法
もうまくいかなかった。
【0010】すなわちセメント製品の製造システムによ
っては真水に強化用繊維を分散させた後、セメント粉体
を投入してセメントスラリーを作ることがあり、このよ
うな場合はカルシウムイオンが少ないので前記アルキル
フォスフェート塩で処理した繊維は界面活性剤を除去さ
れ、浮上してしまうのである。
【0011】また従来の溶融紡糸方法で作られ、前記ア
ルキルホスフェート塩で処理したポリプロピレン繊維
は、低比重で耐熱アルカリ性に優れ、かつ安価であると
いう長所を持つためセメント製品の強化用として多用さ
れてきたが、他の合成繊維に比べ強力の面で劣ってい
た。そして他の合成繊維は近年強力の向上が目覚ましい
ため益々相対的な強力低下が生じ、本来強力を必要とす
るセメント強化用短繊維の分野でポリプロピレン繊維に
も強力向上の要求が強まってきた。
【0012】前記目的を達成するため、本発明は、高延
伸して高強力とするためQ値が小さく、延伸時の配向性
を向上させるため低結晶性成分が少なく、立体規則性が
極めて高い高結晶性ポリプロピレンを使用し、これに炭
酸カルシウムの微粉末を加えて溶融紡糸し次いで乾式延
伸法など、構成する成分で融着しない範囲の高い温度で
延伸して、延伸倍率を高くし、高強力ポリプロピレン繊
維を得る。そして前記アルキルフォスフェート塩で表面
処理してセメント強化用繊維を得る。この繊維を用いて
自然養生やオートクレーブ養生した繊維強化セメント成
型体の強力、特にシャルピー衝撃力を大幅に向上できる
セメント強化用繊維を得ることを目的とする。
【0013】また本発明の別の目的はこのようなポリオ
レフィン繊維の特徴を生かしたまま、親水性及び水中沈
降性を向上させ、カルシウムイオンが少ない水中でも分
散性のよいセメント強化用繊維を得ることをにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】1本発明の目的を達成す
るため、本発明者等は従来のセメント強化用繊維は単に
繊維としての破断強度が高いものを使用することがセメ
ント成型体の強度を向上させるという考えかたから一歩
進めて、セメント成型体の強度は強化用繊維の剛直性も
大きく寄与していることを見いだした。そのためには、
補強繊維であるポリプロピレン繊維を従来のものより高
結晶の繊維にすることとし本発明に至った。
【0015】前記目的を達成するため、本発明のポリプ
ロピレン繊維はQ値(Q:重量平均分子量/数平均分子
量の比)が5未満、沸騰n−ヘプタン不溶分(HI:重
量%)が97<HI<100、アイソタクチックペンタ
ッド分率(IPF:モル%)が94<IPF<100で
ある高結晶性ポリプロピレンに平均直径が1μm未満の
炭酸カルシウム微粉末を〜20重量を含んだ樹脂か
らなる、繊維の破断強度が6g/デニールを超える強度
を有するポリプロピレン繊維に、炭素数8〜18のノル
マルアルキルホスフェートアルカリ金属塩が繊維重量に
対して0.05〜10重量%付着されていることを特徴
とするセメント強化用ポリプロピレン繊維である。
【0016】また本発明のさらに好ましい態様として
は、前記ポリプロピレン樹脂成分を鞘部に、炭酸カルシ
ウムを含まない前記ポリプロピレン樹脂成分を芯部とす
る繊維の破断強度が7g/デニールの芯鞘型ポリプロピ
レン繊維に、炭素数8〜18のノルマルアルキルホスフ
ェートアルカリ金属塩が繊維重量に対して0.05〜1
0重量%付着されていることを特徴とするセメント強化
用ポリプロピレン繊維である。このような芯鞘型構造に
することにより、繊維強度は一層向上し本発明の目的を
達成できる。
【0017】前記構成において本発明に用いるポリプロ
ピレン樹脂はQ値が5未満、好ましくは4以下、HIが
97%より以上、好ましくは98%以上、IPFが94
%より以上、好ましくは96%以上の高結晶性ポリプロ
ピレンである。Q値を5未満にするのは熱延伸性を良好
にするためである。HIを97%より以上及びIPFを
94%より以上とするのは、低結晶成分が少なく立体規
則性にすぐれたポリプロピレン樹脂をえらんで延伸によ
り結晶配向を向上させて繊維強力を高め、繊維の剛直性
を優れたものにするためである。
【0018】前記本発明に用いる炭酸カルシウムの微粉
末は、平均直径が1μm未満、好ましくは0.6μm未
満で、2μm以上の粒子を含まないことが好ましい。こ
のような炭酸カルシウムであれば1〜20デニールの繊
維を安定して紡糸することができる。
【0019】繊維中に混入する炭酸カルシウムの量は
%未満ではアルキルホスフェート塩の付着量を増やして
もセメントスラリー中で浮き種ができやすく、20重量
%を超えると繊維の延伸性が低下し所望の強度を得られ
にくくなる。好ましくは10〜20重量%である。また
炭酸カルシウム微粉末はポリプロピレン樹脂中に混入す
る前に界面活性剤処理をすることが好ましい。
【0020】またアルキルホスフェート塩は、炭素数8
〜18のノルマルアルキル基を有するモノアルキルエス
テルまたはジアルキルエステルで、このナトリウム塩も
しくはカリウム塩である。またアルキルホスフェート塩
の付着量が0.05重量%未満であると繊維の分散が不
十分となり、0.05重量%以上であればよいが、10
重量%を超えても効果は殆ど向上しない。
【0021】本発明のポリプロピレン繊維は、セメント
成型体の乾燥セメントマトリックスに対して0.5〜5
重量%添加されることが好ましく、0.5重量%未満で
は繊維補強効果が得られず、5重量%を超えると曲げ強
度が逆に低下して不都合である。また本発明のセメント
成型体は、セメントスラリー液より抄造したものをオー
トクレーブ養生するのが好ましい。
【0022】さらに上記抄造したものを少なくとも10
0Kg/cm2 以上、好ましくは200Kg/cm2
圧力でプレスすることにより成型体の強度を一層向上さ
せることができ、これを30日弱の水中養生もしくは約
170℃で12〜18時間オートクレーブ養生させるの
が最も好ましい。
【0023】
【発明の作用】前記した本発明の構成によれば、延伸に
よる結晶配向を阻害する低結晶性成分が少なく、沸騰n
−ヘプタン不溶分が従来のポリプロピレンより大きく、
また延伸による結晶配向を助成するため立体規則性に優
れた、すなわちアイソタクチックペンタッド分率を従来
のポリプロピレンより大きく、かつ延伸性を改良するた
め、Q値を従来の高結晶性ポリプロピレンより大幅に低
くしたので、延伸倍率を高くし、高強力のセメント強化
用ポリプロピレン繊維が得られる。
【0024】このように、従来のポリプロピレンに比べ
高度に配向し結晶しやすいポリプロピレンを用いて、分
子の絡まりと切断を回避するよう比較的低い温度で溶融
紡糸し、次いでできるだけ高い温度で高延伸倍率で延伸
して、従来のポリプロピレン繊維に比べて高度に配向結
晶した繊維とすることにより、少なくとも単一繊維では
通常のポリプロピレンでは大量生産では達成しえなかっ
た破断強度を6g/デニールを超えるポリプロピレン繊
維を得ることができ、さらに前記の好ましい延伸条件を
用いれば破断強度を9g/デニール以上にすることも容
易に可能である。
【0025】さら繊維を湿潤下におくと繊維の表面に炭
酸カルシウムから浸出するカルシウムイオンと繊維に付
着しているアルキルホスフェート塩のイオン交換が生
じ、アルキルホスフェートカルシウム塩が繊維表面に固
着し、繊維を水中で分散がよい程度に親水化し、繊維に
は水中での攪拌混合中発生した空気泡などが付着しにく
くなり、繊維の浮上現象が生じない。
【0026】さらに湿潤下では繊維表面よりカルシウム
イオンが徐々に浸出し、且つ繊維表面は繊維処理剤不溶
物とセメント粒子の混合物で覆われているので、セメン
トマトリックスとの親和性が従来のポリプロピレン繊維
より格段に向上しており、セメント成型体の破断的マト
リックス中より繊維が素抜けすることを減少させるとい
う効果がある。さらに繊維自身の強力も向上しているた
め本発明の繊維を補強用に用いたセメント成型体は曲げ
強力及び衝撃強力共に従来品に比べ大幅に向上する。
【0027】
【実施例】本発明に用いられるポリプロピレンは、その
溶融流動性は溶融紡糸の都合上メルトフローレート(M
FR:g/10分、JIS−K−7210により測定、
加重2169g、測定温度230℃)が1<MFR<1
00、より好ましくは5<MFR<30、最も好ましく
は10〜20の範囲であり、密度は原料ペレット状態で
は0.905前後で特に通常のポリプロピレンとは変わ
りない。
【0028】溶融紡糸温度は、その立体規則性を損なわ
ない範囲の温度であればよいが分子の絡み、まるまりを
少なくするため比較的低い温度、たとえば単一繊維では
260〜280℃が好ましい。延伸温度は、延伸性を少
しでも向上させるため、140〜150℃の熱ロール乾
式延伸法で高延伸することが望ましい。
【0029】次に本発明で定義する各ファクターについ
て、その測定例を説明する。 (1)重量平均分子量は、例えば光散乱法、粘度法、超
遠心法を用いて、M=[ΣNiMi2 ]/[ΣNiM
i]の式によって求める。 (2)数平均分子量は、例えば末端基定量法、氷点降下
法、浸透圧法を用いて、Mn=[ΣNiMi]/[ΣN
i]の式によって求める。 一般的に重量平均分子量/数平均分子量は、多分散度の
尺度として用いられ、この値が1(単分散)より大きく
なるほど分子量分布曲線が幅広く(ブロード)になるこ
とを意味する。また枝分かれが多いポリマーも高い数値
になる。 (3)n−ヘプタン不溶分(HI)は、5gのポリプロ
ピレン試料を500mlの沸騰キシレン中に全溶解さ
せ、これらを5lのメタノール中に投入して析出させた
ものを回収して乾燥した後、沸騰n−ヘプタンで6時
間、ソックスレー抽出した抽出残部をいう。 (4)アイソタクチックペンタッド分率(IPF)は、
n−ヘプタン不溶分について「マクロモレキュラーズ」
(Macromoleculer,Vol.6,925
(1973)およびVol.8,687(1975)に
準じ測定した。 (5)メルトフローレート(MFR)は、温度230
でノズル通過量(単位:g/10分、JIS−K−72
10に準ず、荷加重2.169kg)で測定した。
【0030】以下具体的に実施例を説明する。 [実施例1〜8、比較例1〜7]表1に示すポリプロピ
レン樹脂ペレットとこの樹脂に平均粒径0.5μmの金
属石鹸で前処理をした炭酸カルシウム微粉末を練りこん
だ樹脂ペレットを用いて、炭酸カルシウムを含む樹脂ペ
レットを鞘成分に、炭酸カルシウムを含まない樹脂ペレ
ットを芯成分にした繊維断面における芯成分と鞘成分の
面積比が1:1の芯鞘型複合繊維と、炭酸カルシウムを
含む樹脂ペレットのみを成分とする単一繊維をそれぞれ
溶融紡糸した。これら未延伸糸をそれぞれ150℃の雰
囲気中の150℃熱ロールを用いて乾式延伸し、ノルマ
ルアルキルホスフェート金属塩である各種界面活性剤水
溶液を含浸させて一夜放置し、風乾して6mmまたは1
0mmに切断した。このとき風乾した切断前の繊維で延
伸糸の強伸度を測定した。
【0031】次に7.2lの水道水に普通ポルトランド
セメント680g、パルプ17g、中国産マイカ粉末1
70g、及び上記実施例および比較例のそれぞれの短繊
維8.5g(但し、実施例6は13g、比較例3は2.
6g、比較例5は従来のポリプロピレン繊維、比較例6
は短繊維の替わりにアスベストを43g、比較例7は2
デニール×6mmの市販のビニロンを8.5gをそれぞ
れ投入した。)を順次投入、混合して8lのセメントス
ラリーを調液した。
【0032】このスラリー液に凝集剤(商品名:アイケ
イフロック、市川毛織株式会社製)0.02重量%液を
20ml添加し、底面積が250mm×250mmのモ
ールド容器中に、8回に分けてこのスラリー液を注入
し、60メッシュの金網を通して脱水して抄造し、これ
らを上面を上として順次重ねて8層の積層品とし厚さ約
8mmの平板状の半可塑状成型物を得た。
【0033】この半可塑状成型物を200kg/cm2
の圧力で1分間プレスし、この圧縮成型物を室温、湿潤
状態で28日間放置して自然養生後、その間のスラリー
状態および製品を評価した。その結果を表1に示す。
【0034】尚、試験評価は次のようにして行った。 浮上繊維割合(%):作成したセメントスラリーを10
分間静置してその上澄み液の浮上繊維を金網ですくい上
げ乾燥し、繊維重量Agを測定し、繊維投入量Bgよ
り、浮上繊維割合(%)=100A/Bの式で算出す
る。 分散状態:スラリーをモールド容器中に投入した後、脱
水して得られる半可塑状態成型物の表面の凹凸状態を観
測し、下記のように評価した。 ◎:凹凸が非常に少ない状態。 ○:凹凸がやや少ない状態。 △:凹凸がやや多い状態。 ×:凹凸が非常に多い状態。 製品外観:養生後のセメント製品の表裏面を観察して、
下記のように評価した。 ◎:製品表面に繊維の露出が殆ど認められない状態。 ○:製品表面に繊維の露出がやや少ない状態。 △:製品表面に繊維の露出がやや多い状態。 ×:製品表面に繊維の露出が多く認められる状態。 まげ強度:JIS−A−1408により測定した。 シャルピー衝撃強度:JIS−B−7722により測定
した。
【0035】[実施例9〜12、比較例8〜11]実施
例1と同様にしてプレスしたもの、および5mm厚の抄造
半可塑状成型体を各々160℃で18時間のオートクレ
ーブ養生後、製品を評価した。その結果を表2に示す。
【0036】[実施例13〜14、比較例12〜15]
普通ポルトランドセメント510g、珪砂340g、ア
スベスト17g、パルプ17gおよび実施例1および比
較例15と6の繊維8.5gをそれぞれ7.2lの水道
水に順次、投入混合して8lのセメントスラリーを作成
し、さらに凝集剤0.02重量%液20mlを添加した
後モールド容器中に8回にわけて注入後、60メッシュ
の金網を通して脱水し、厚さ約5mmの平板状の半可塑
状成型物を得た。この成型物を湿潤状態で28日間放置
する自然養生法、および160℃で10時間のオートク
レーブ養生処理して製品を評価した。その結果を表3に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン繊維は、繊維自
体の疎水性が大きく、比重が小さいにも拘らずセメント
スラリーとよく混合して好ましく分散するため、セメン
ト補強用繊維として有用であり、特に湿式抄造法で作ら
れるセメント製品製造工程において繊維の浮上現象がみ
られず、その製品は表面外観に優れ、投入繊維が均一に
分散するため有効に補強作用をなすことができる。さら
に繊維が従来のポリプロピレン補強用繊維以上の高強力
のため曲げ強度、衝撃強度の優れたものとなる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月20日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】前記目的を達成するため、本発明のポリプ
ロピレン繊維はQ値(Q:重量平均分子量/数平均分子
量の比)が5未満、沸騰n−ヘプタン不溶分(HI:重
量%)が97<HI<100、アイソタクチックペンタ
ッド分率(IPF:モル%)が94<IPF<100で
ある高結晶性ポリプロピレンに平均直径が1μm未満の
炭酸カルシウム微粉末を3〜20重量%を含んだ樹脂か
らなる、繊維の破断強度が6g/デニールを超える強度
を有するポリプロピレン繊維に、炭素数8〜18のノル
マルアルキルホスフェートアルカリ金属塩が繊維重量に
対して0.05〜10重量%付着されていることを特徴
とするセメント強化用ポリプロピレン繊維である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】繊維中に混入する炭酸カルシウムの量は3
%ではアルキルホスフェート塩の付着量を増やしてもセ
ントスラリー中で浮き種ができやすく、20重量%を超
えると繊維の延伸性が低下し所望の強度を得られにくく
なる。好ましくは10〜20重量%である。また炭酸カ
ルシウム微粉末はポリプロピレン樹脂中に混入する前に
界面活性剤処理をすることが好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 8/06 7199−3B D06M 13/288 E04C 5/07 8504−2E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Q値(Q:重量平均分子量/数平均分子
    量の比)が5未満、沸騰n−ヘプタン不溶分(HI:重
    量%)が97<HI<100、アイソタクチックペンタ
    ッド分率(IPF:モル%)が94<IPF<100で
    ある高結晶性ポリプロピレンに平均直径が1μm未満の
    炭酸カルシウム微粉末を4〜20重量gを含んだ樹脂か
    らなる、繊維の破断強度が6g/デニールを超える強度
    を有するポリプロピレン繊維に、炭素数8〜18のノル
    マルアルキルホスフェートアルカリ金属塩が繊維重量に
    対して0.05〜10重量%付着されていることを特徴
    とするセメント強化用ポリプロピレン繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリプロピレン樹脂成分
    を鞘部に、炭酸カルシウムを含まない請求項1記載のポ
    リプロピレン樹脂成分を芯部とする繊維の破断強度が7
    g/デニールの芯鞘型ポリプロピレン繊維に、炭素数8
    〜18のノルマルアルキルホスフェートアルカリ金属塩
    が繊維重量に対して0.05〜10重量%付着されてい
    ることを特徴とするセメント強化用ポリプロピレン繊
    維。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリプロピレン繊維が乾
    燥セメントマトリックスに対して0.5〜5重量%添加
    されたセメント組成物からなることを特徴とする繊維補
    強セメント成型体。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のポリプロピレン繊維が乾
    燥セメントマトリックスに対して0.5〜5重量%添加
    されたセメント組成物からなることを特徴とする繊維補
    強セメント成型体。
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